LRTKレフィクシア株式会社

電子機器の試作で動作不良が発生した際に相談したい7つの確認項目

電子機器の試作では、電源を入れても起動しない、特定の操作で停止する、通信が不安定になる、一定時間の動作後に誤動作するなど、さまざまな不具合が発生することがあります。

こうした動作不良に対して、原因を十分に調べないまま部品交換や設計変更を繰り返すと、調査が長期化し、試作スケジュールに影響する可能性があります。特に、回路設計、基板実装、制御プログラム、筐体設計を複数の担当者や外部委託先が分担している場合には、確認すべき情報を整理することが重要です。

ただし、原因を完全に特定してから専門家へ相談する必要はありません。現時点で確認できている事実と、まだ検証できていない原因の仮説を区別して伝えることで、必要な調査方法を検討しやすくなります。

本記事では、電子機器の試作で動作不良が発生した際に相談したい7つの確認項目を、実務で使えるチェックリスト形式で解説します。各項目について、確認する内容、記録する情報、相談時に伝えるポイントを整理し、原因調査から再試作までの進め方も紹介します。

電子機器の試作で動作不良が発生する主な原因

電子機器の試作における動作不良は、回路設計、電子部品、基板実装、制御プログラム、通信条件、使用環境など、複数の要因によって発生する場合があります。

例えば、試作機が突然停止する現象では、電源供給能力の不足、部品の接触不良、制御プログラムの異常処理などが原因候補になります。同じ症状であっても、発生条件や試作機の構成によって確認すべき箇所は異なります。

また、基板単体では正常に動作していても、筐体へ組み込んだ後に不具合が発生することがあります。筐体内部の温度上昇、配線への機械的負荷、周辺装置からの電気的ノイズなどが関係している可能性があるためです。

そのため、動作不良の原因調査では、症状だけを見て特定の部品や工程に問題があると決めつけないことが重要です。まず正常な動作と異常な動作を比較し、発生条件を整理したうえで、関係する要因を段階的に確認します。

調査の基本となるのは、症状と再現条件、電源と実装、回路と部品、制御プログラム、通信、使用環境、測定記録という7つの確認項目です。これらをチェックリストとして利用すれば、未確認の事項を把握しやすくなり、外部専門家との相談でも必要な情報を共有しやすくなります。

なお、発煙、異臭、異常発熱、感電のおそれなど、安全に関係する兆候がある場合は、原因調査よりも安全確保を優先します。危険な状態で試験を続けず、適切な手順で試験を中断し、必要に応じて専門知識を持つ担当者に確認を依頼してください。

確認項目1:動作不良の症状と再現条件を整理する

確認チェック:□ 期待していた動作と実際の症状を区別できているか。□ 不具合が発生する操作手順を記録したか。□ 発生頻度と試作機ごとの違いを確認したか。

動作不良の原因調査では、最初に何が起きているのかを具体的に整理します。

例えば、電源投入直後に起動しない場合と、起動後30分程度で停止する場合では、調査対象が異なります。前者では電源投入時の動作や起動処理、後者では温度変化、電力消費、制御処理の継続状態などが原因候補になります。ただし、症状だけで原因を断定することはできません。

まず、正常時に期待する動作と、実際に発生した現象を分けて記録します。表示が切り替わらない、通信応答が返らない、出力信号が停止するなど、観察できる状態を具体的に説明できるようにします。

次に、不具合発生までの操作順序を確認します。電源を入れるタイミング、接続する周辺機器、入力するデータ、操作したスイッチなどを記録し、同じ条件で再現するかを調べます。

安全に繰り返し試験できる場合は、試行回数と不具合の発生回数も残します。例えば、同一条件で10回試験し、3回発生したのであれば、その結果を記録します。発生頻度が低い場合でも、操作条件との関係を検討する材料になります。

試作機が複数ある場合には、個体ごとの違いも確認します。すべての個体で発生する場合は共通する設計や設定が、特定の個体だけで発生する場合は実装状態や部品のばらつきなどが調査対象になります。ただし、個体差だけで設計不良と製造不良を判定することはできません。

相談時には、試作機の識別番号、発生日時、操作手順、発生頻度、正常時との違いを伝えます。安全に取得できる写真や動画があれば、症状を説明する補助資料として利用できます。

再現条件が分からない場合は、無理に再現試験を繰り返さず、発生時に確認できた情報を保存します。危険な兆候があった場合は、その内容と試験を中断した状況も記録しておきましょう。

確認項目2:電源系統と配線・基板実装の状態を確認する

確認チェック:□ 電源仕様と要求条件は一致しているか。□ 負荷変動時の電源状態を確認したか。□ 配線、はんだ付け、部品の取り付け状態を確認したか。

電子機器では、必要な電圧や電流が適切に供給されないと、制御回路や通信回路が正常に動作しない場合があります。

まず、電源の入力電圧範囲、供給可能な電流、電源投入時の条件を設計資料と照合します。複数の電源系統を使用している場合には、電源の起動順序や相互の依存関係も確認対象です。

特に注意したいのは、負荷が変化する瞬間の電源状態です。待機中に正常な電圧が測定できても、モーターや通信回路などが動作した際、一時的に電圧が低下することがあります。必要に応じて、適切な測定器を用いて動作中の電源波形を確認します。

ただし、波形測定には測定器の接地条件や回路構成に応じた安全上の注意が必要です。不適切な接続は短絡や感電、機器損傷につながるおそれがあるため、対象回路に適した測定手順を選びます。

配線や基板実装では、はんだ接合部、コネクタ、部品の取り付け方向、配線の損傷、改修箇所などを確認します。特に手作業で実装や配線変更を行った試作機では、設計図面と実際の構成が一致しているかが重要です。

外観に異常が見られなくても、接触不良や内部損傷が存在する可能性はあります。導通確認や抵抗測定が必要な場合は、原則として電源を切り、蓄積電荷などの安全を確認してから実施します。

相談先へ渡す情報としては、電源仕様、基板の表裏写真、配線図、改修履歴、測定箇所と測定結果が有効です。

特に、部品交換や追加配線を行っている場合は、変更箇所を明確にしておきます。不具合発生時の状態を記録せずに改修すると、原因調査に必要な情報が失われる場合があるためです。

確認項目3:回路設計と電子部品の仕様を照合する

確認チェック:□ 回路の動作条件は部品仕様に適合しているか。□ 部品表と実装部品は一致しているか。□ 代替部品や設計変更の影響を確認したか。

回路設計と部品仕様が一致していない場合、試作機が期待どおりに動作しないことがあります。

確認するのは、使用部品の推奨動作電圧、許容入力範囲、消費電流、出力能力、応答時間、動作温度範囲などです。特に、最大定格と推奨動作条件を混同しないよう注意します。

一般に、最大定格は通常の連続動作を保証する条件ではありません。部品を安全かつ適切に使用するには、仕様書に記載された推奨動作条件と、実際の回路で加わる電圧や負荷を照合する必要があります。

また、部品表に記載された型式と、実際に実装されている部品が一致しているかを確認します。調達上の都合で代替部品を使用した場合、外形や基本機能が似ていても、端子配置、電気的特性、応答速度などが異なる可能性があります。

代替部品を採用した場合は、変更理由、仕様上の差異、実装した試作機を記録しておきます。変更後に動作不良が発生した場合、調査対象を絞るための情報になります。

回路全体の確認では、部品同士の接続条件にも注目します。例えば、センサーの出力信号が正常でも、接続先回路の入力条件と一致していなければ、測定結果が不安定になる場合があります。

さらに、基板配線や接地構成、電源分配の状態が信号品質に影響することもあります。回路図だけでは判断できない場合、実際の基板で信号波形などを確認する方法が考えられます。

相談時には、回路図、部品表、基板設計データ、主要部品の仕様書、設計上の要求条件を対応する版で用意します。古い回路図と新しい部品表を混在させると、実機と異なる構成を前提に調査してしまうおそれがあります。

各資料の版数と対象となる試作機を明確にしておくことが、正確な設計確認につながります。

確認項目4:制御プログラムと設定・変更履歴を確認する

確認チェック:□ 搭載プログラムの版数を把握しているか。□ 設定値と変更履歴を確認したか。□ 動作記録から異常発生前の処理を追跡できるか。

制御プログラムを使用する電子機器では、処理の順序、設定値、通信制御、内部資源の使用状況などが動作不良に関係する場合があります。

例えば、特定の操作を繰り返すと停止する、一定時間後に再起動する、通信処理中に応答がなくなるといった症状では、プログラムの実行状態を調べる必要があります。ただし、電源異常や通信信号の問題によって同じ症状が発生する場合もあります。

最初に、試作機へ書き込まれているプログラムの版数と設定内容を確認します。開発途中では更新が頻繁に行われるため、担当者が想定している版と実際の試作機に搭載された版が異なる可能性があります。

更新前には正常に動作していた場合、変更箇所と不具合が発生した時期を照合します。起動処理、通信処理、割り込み処理、時間管理、異常検知、復帰処理など、症状に関係する部分を優先的に確認すると効率的です。

一定時間の動作後に不具合が発生する場合は、メモリ使用状況、処理負荷、内部状態の変化なども調査対象になります。

動作記録が取得できる場合には、異常が発生した時刻、直前の処理、エラー情報、再起動の有無などを整理します。ただし、記録処理を追加することで実行タイミングや処理負荷が変化することがあるため、調査用の変更自体が動作へ与える影響にも注意が必要です。

相談時には、プログラムの版数、主要な設定値、不具合の操作手順、動作記録、変更履歴を共有します。

複数の修正を同時に加えると、どの変更が症状に影響したのか判断しにくくなります。可能な範囲で変更対象を限定し、変更前後の結果を比較できる状態で検証を進めましょう。

確認項目5:通信系統と外部接続機器の動作を確認する

確認チェック:□ 通信方式と接続条件は一致しているか。□ 外部機器を含めた動作条件を確認したか。□ 通信エラーと発生時刻を記録できているか。

通信機能を持つ電子機器では、試作機単体が正常でも、外部機器との接続によって動作不良が発生することがあります。

まず、通信速度、信号電圧、データ形式、通信開始手順、応答時間などが設計条件と一致しているかを確認します。通信方式によっては、終端、配線長、接地方法なども重要な条件になります。

例えば、外部機器の起動が完了する前に試作機が通信を開始すると、初期設定や接続確認が失敗する場合があります。また、応答待ち時間が実際の通信条件に対して短い場合、通信遅延を異常として扱ってしまう可能性があります。

原因を切り分けるには、接続機器の構成を整理し、条件を変更した場合の症状を比較します。別の同等機器へ変更すると正常になるか、特定のケーブルを使用した場合だけ不具合が発生するかなどを確認する方法が考えられます。

ただし、接続変更時には機器の仕様や電源状態を確認し、不適切な抜き差しによって新たな損傷を発生させないよう注意します。

通信データを取得できる場合は、要求送信時刻、応答受信時刻、タイムアウト、エラー発生回数などを記録します。可能であれば、試作機側と外部機器側の記録を照合し、どの段階で通信が正常な状態から外れたのかを確認します。

相談先には、接続機器を含むシステム構成図、通信条件、エラー記録、再現手順を共有します。通信相手の仕様や責任範囲が不明確な場合には、どこまでを調査対象とするかも協議しておくことが重要です。

確認項目6:温度・ノイズ・機械的負荷などの使用環境を確認する

確認チェック:□ 不具合発生時の温度や周辺環境を記録したか。□ 周辺装置の動作との関係を確認したか。□ 筐体への組み込み状態や振動の影響を確認したか。

電子機器は、開発室で正常に動作していても、実際の使用環境では異常が発生することがあります。温度、湿度、振動、電気的ノイズ、電源環境などが動作へ影響する場合があるためです。

温度に関する確認では、周囲温度だけでなく、筐体内部や発熱部品付近の状態にも注目します。筐体に組み込むと放熱条件が変わり、基板単体より温度が高くなる場合があります。

例えば、電源投入直後は正常でも、一定時間後に停止する場合には、温度変化と不具合の発生時刻を比較します。ただし、時間経過に伴う不具合は制御処理や電力消費の変化によっても発生するため、温度だけを原因と判断しないことが大切です。

電気的ノイズが疑われる場合は、周辺のモーター、電源装置、開閉機器などの動作状態を確認します。特定の装置が起動した瞬間に異常が発生する場合、その装置の動作に伴う電源変動や信号への影響が調査の手掛かりになります。

筐体構造については、固定時に配線へ負荷がかかっていないか、コネクタが適切に保持されているか、振動によって接触状態が変化していないかを確認します。

また、屋外設備や産業用装置では、湿度、結露、粉じんなどの条件も考慮する必要があります。どの環境条件を検証するかは、実際の使用場所や装置の要求仕様に応じて決定します。

環境試験を実施する場合は、対象装置の許容条件と安全性を確認します。原因調査のために過度な温度、電圧、振動を加えると、元の不具合とは異なる損傷を発生させるおそれがあります。

相談時には、想定する使用環境、実際の設置条件、不具合発生時の周囲状況、筐体の状態、周辺装置の動作情報を伝えます。開発室で再現しない不具合ほど、現場での使用条件を具体的に残しておくことが重要です。

確認項目7:測定結果と切り分け履歴を整理して相談する

確認チェック:□ 測定条件と結果を対応付けて記録したか。□ 実施した変更と症状の変化を整理したか。□ 確認済みの事実と未検証の仮説を区別したか。

ここまでの確認結果が担当者ごとのメモに分散していると、外部専門家への説明に時間がかかったり、同じ調査を繰り返したりする可能性があります。

相談前には、試作機の情報、発生症状、測定結果、切り分け作業を一つの調査記録として整理すると効果的です。

測定結果には、測定値だけでなく、測定箇所、試作機の動作状態、接続していた負荷、使用した測定器や測定方法、測定日時を対応付けます。例えば、同じ電源電圧の測定でも、待機中と負荷動作中では結果の意味が異なります。

波形を保存する場合は、観測箇所、時間軸、電圧軸、測定器の接続条件などが分かる状態にします。通信記録についても、設定条件や試験手順と対応付けることで、後から比較しやすくなります。

切り分け履歴では、何を変更し、症状がどう変わったかを記録します。例えば、センサーを交換した、電源供給方法を変更した、制御プログラムを以前の版へ戻したといった作業について、実施前後の結果を残します。

不具合が改善しなかった試験結果も保存しておきます。特定の条件を変更しても症状が変化しないことは、原因候補を検討するための情報になります。

また、調査記録には試作機番号、基板の版数、プログラムの版数、主要部品の変更履歴を対応付けます。外観が同じ試作機でも、内部構成が異なる場合があるためです。

専門家へ相談する際には、測定によって確認した事実と、担当者が考えている原因の仮説を明確に区別します。

例えば、通信開始時に電源電圧が低下したことを測定で確認したのであれば、それは観測事実です。一方、電源回路の供給能力不足が原因であるという判断には、負荷条件や回路仕様などの追加確認が必要な場合があります。

すべての資料が完成していなくても、現在確認できている情報を共有すれば、次に必要な測定や調査方法について相談できます。原因が未特定であること自体を理由に、相談を先延ばしにする必要はありません。

電子機器の試作に関する相談先を選ぶ際のポイント

動作不良の調査を外部へ相談する際には、相手の専門領域と依頼したい作業範囲を確認することが重要です。

電子機器の開発には、回路設計、基板設計、部品実装、組み込み制御、通信設計、筐体設計、評価試験など、複数の専門分野が関係します。相談先によって対応可能な工程が異なるため、不具合の状況に適した技術者や事業者を選ぶ必要があります。

例えば、はんだ接合部や部品実装の問題が疑われる場合には、実装検査や基板評価の経験がある事業者が候補になります。制御プログラムや通信に関する問題では、組み込み制御や通信設計に対応できる技術者の関与が必要になることがあります。

原因の範囲が分からない場合は、複数の技術領域を横断して調査できる相談先を検討する方法もあります。ただし、対応工程の多さだけで判断せず、対象機器と関連する技術や使用環境について経験があるか確認しましょう。

依頼範囲については、原因調査だけを依頼するのか、対策案の検討、回路修正、プログラム改修、再試作、評価試験まで含めるのかを整理します。調査と改修の担当者が異なる場合には、必要な資料や引き継ぎ方法も確認しておくことが望ましいでしょう。

調査結果の報告内容も重要です。単に部品交換後に動作したという説明だけでは、原因や再発リスクが十分に分からない場合があります。調査した条件、確認された原因、実施した対策、改善後の試験結果、未解決の事項などを記録として受け取れるか確認します。

また、回路図、基板設計データ、制御プログラムなどには機密情報が含まれる場合があります。外部委託先へ提供する際には、秘密保持、資料の利用範囲、成果物の取り扱い、第三者への再委託の有無などを必要に応じて協議します。

相談先を比較する際には、目の前の症状を修正できるかだけでなく、調査結果を次の設計改善や再発防止に活用できるかという観点も大切です。

動作不良の原因調査から再試作までの進め方

電子機器の動作不良は、一時的に正常動作する状態へ戻っただけでは、根本的な問題が解消したと判断できない場合があります。原因調査から対策、再試作、再評価までを一連の工程として管理することが重要です。

最初に、不具合の影響範囲と安全性を確認します。どの機能に問題があるのか、ほかの回路や部品へ影響する可能性があるのかを整理し、安全に調査を続けられる状態か判断します。

次に、不具合発生時の構成を記録します。基板、部品、プログラム、設定値、接続機器などの情報を保存し、後から比較できる状態にしておきます。

そのうえで、7つの確認項目を利用して原因候補を絞り込みます。すべての項目を機械的に同じ順番で調べる必要はありません。症状と安全上の制約を踏まえ、原因との関連性が高い項目から確認します。

検証では、可能な範囲で変更する条件を限定します。複数の部品や設定を同時に変更すると、どの対策が有効だったのか判断しにくくなるためです。ただし、安全確保のために複数の保護措置が必要な場合は、安全を優先します。

原因が特定された場合は、必要な対策を実施します。部品交換で対応できることもあれば、回路設計、基板配線、制御プログラム、筐体構造などの変更が必要になる場合もあります。

設計変更を行った際には、変更理由と変更箇所を資料へ反映し、旧版と新版を区別します。複数の試作機がある場合は、どの個体へ変更を適用したかも記録しておきます。

対策後は、以前に不具合が発生していた条件で再試験を実施します。さらに、変更によって関連機能へ新たな問題が生じていないか、必要な範囲で確認します。

特定の条件で不具合が再現しなくなったとしても、それだけですべての使用環境における正常動作が保証されるわけではありません。想定する使用条件に応じて試験範囲を設定し、評価結果を保存する必要があります。

屋外設備や施工関連の装置に電子機器を組み込む場合は、開発室での評価記録と現場での設置条件を対応付けることも有効です。特定の場所でのみ発生する不具合では、配線状態、周辺設備、筐体の設置方法、作業状況などが原因の検討材料になります。

こうした情報を継続的に管理することで、再試作時の確認漏れを減らし、次の設計や製造工程へ調査結果を引き継ぎやすくなります。

まとめ:7つの確認項目を整理して試作の改善につなげる

電子機器の試作で動作不良が発生した際には、原因を推測して修正を繰り返すのではなく、確認できる事実を整理し、調査対象を段階的に絞り込むことが重要です。

今回紹介した7つの確認項目は、症状と再現条件、電源と実装、回路と電子部品、制御プログラム、通信と外部機器、使用環境、測定結果と切り分け履歴です。

相談前には、それぞれのチェック項目について、確認済みの事項、未確認の事項、追加調査が必要な事項を整理します。すべてを自社で検証する必要はありません。専門的な測定や設計判断が必要な場合には、適切な相談先と役割を分担することが有効です。

また、不具合が解消した後も、対策内容を設計資料へ反映し、再試験の結果を保存することが重要です。原因調査の記録を次の試作や製造工程に引き継ぐことで、同様の問題が発生した際の調査にも活用できます。

特に、電子機器を屋外設備や建設・施工関連の現場で使用する場合は、測定結果だけでなく、現場の設置状況や不具合発生時の周辺環境を記録しておくことが役立ちます。

こうした現場情報の整理には、位置情報付きの写真やメモを記録・共有できるLRTK Phoneの活用も選択肢になります。機器の設置位置や周辺設備の状況を写真と位置情報に対応付けて残すことで、開発担当者と現場担当者が状況を共有する際の補助資料として利用できます。

ただし、LRTK Phoneは電子回路の故障原因を直接測定・診断するための機器ではありません。電圧や信号波形などの技術的な測定は、用途に適した測定器と手順で行う必要があります。LRTK Phoneは現場の位置や状況を記録する手段として、これらの測定結果を補完する位置付けです。

電子機器の試作を相談する際には、7つの確認項目を実務チェックリストとして活用し、設計情報、測定記録、現場情報を整理しましょう。原因調査から対策、再評価までを適切に管理することが、試作の品質向上と円滑な開発につながります。

ものづくりの次の一歩を、
相談から始めてみませんか。

加工・製造の外注先や共同開発のパートナー探しに。大田区産業振興協会の受・発注あっせん相談サービスをご利用いただけます。

ものづくり 外注先を探す。公益財団法人大田区産業振興協会の受・発注あっせん相談。無料でプロに相談!公的機関だから安心!
ものづくりの協力先探し大田区産業振興協会無料相談