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NETIS技術の工期短縮効果を検証するための7つの比較ポイント

NETIS技術の工期短縮効果は比較条件をそろえて検証する

NETIS技術を導入する際、現場担当者が期待する効果の一つが工期短縮です。作業を機械化したり、計測や記録をデジタル化したり、従来は複数工程に分かれていた作業をまとめたりできれば、現場の作業時間を削減できる可能性があります。しかし、実際の現場で工期短縮効果を判断するときは、「新しい技術を使ったら早く終わった」という結果だけを見るのでは不十分です。

NETISは、国土交通省が運用する新技術情報提供システムです。民間企業などが開発した新技術の情報を収集・公開し、公共工事等での活用、効果の検証・評価、さらなる技術改善につなげる新技術活用スキームの中核として位置付けられています。NETISに掲載されている技術について、工程短縮などの活用効果が示されている場合もありますが、それは設定された従来技術や施工条件などに基づく比較であり、すべての現場で同じ効果が得られることを保証するものではありません。

そのため、導入前後を比較するときには、従来技術とNETIS技術の条件をできるだけそろえ、どの工程が何分、何時間、何日変わったのかを具体的に確認する必要があります。NETISの活用効果調査では、活用した新技術について、NETISページに掲載されている従来技術と比較し、経済性、工程、品質・出来形、安全性、施工性、環境といった項目から効果を確認する運用が行われています。

特に注意したいのは、「作業そのものが早くなったこと」と「工事全体の工期が短くなったこと」は同じではないという点です。例えば、一つの計測作業が半日から1時間になっても、後工程の開始日が変わらなければ工事全体の完成日は変わらない場合があります。反対に、単独の作業時間削減は小さくても、測量結果や検査結果をその場で確認できるようになり、次工程を前倒しできれば、工程全体では大きな短縮につながることがあります。

NETIS技術の工期短縮効果を正しく評価するには、単純な施工時間だけではなく、作業人数、段取り、待ち時間、手戻り、データ処理、現場条件、品質や安全性まで含めて確認することが重要です。ここからは、現場で比較しておきたい7つのポイントを順番に解説します。

比較ポイント1 従来技術とNETIS技術の実作業時間を比較する

最初に比較したいのは、対象となる作業そのものにかかった時間です。もっとも分かりやすい指標ですが、開始時刻と終了時刻の定義が曖昧だと正しい比較ができません。

例えば測量作業を比較する場合、従来技術では機器を設置し、既知点を確認し、測点を計測し、撤去するところまでが一つの作業になることがあります。一方、NETIS技術では機器構成や作業方法が変わり、設置作業が少なくなる場合があります。このとき測点を計測している時間だけを抜き出すのではなく、現場で作業を開始してから必要な成果を取得し、次の作業へ移れる状態になるまでを同じ範囲で測定することが重要です。

比較単位もそろえる必要があります。施工数量が異なる二つの現場について、片方は2時間、もう片方は3時間だったという結果だけでは優劣を判断できません。施工面積、測点数、延長、施工箇所数など、作業量に応じた単位を設定し、同じ数量を処理するために必要だった時間へ換算して考える必要があります。

例えば、従来技術で100か所の確認に300分かかり、NETIS技術で同じ100か所を180分で確認できたのであれば、比較の意味は分かりやすくなります。しかし従来技術が100か所、NETIS技術が50か所の実績しかなければ、単純な総時間の比較はできません。1か所当たりの時間や一定数量当たりの時間へ換算し、条件差を明確にすることが必要です。

また、初回導入時の操作習熟時間にも注意します。新技術を初めて使用する現場では、設定確認や操作方法の確認に時間がかかることがあります。その時間を含めた初回実績と、十分に習熟した従来技術の実績だけを比較すると、新技術の通常運用時の施工能力を把握しにくくなります。

一方で、習熟に必要な時間をすべて除外してしまうと、実際の導入負担を過小評価することになります。そのため、「初回施工時」「数回使用した後」「通常運用時」のように記録を分けておくと、導入直後と定着後の両方を確認できます。

工期短縮効果を検証する第一歩は、作業時間を感覚で判断せず、同じ施工数量、同じ開始条件、同じ終了条件で記録することです。

比較ポイント2 作業人数と総人工を比較する

二つ目は、作業人数と総人工の比較です。同じ作業時間であっても、必要な人数が変われば現場全体への影響は大きく異なります。

例えば従来技術では3人で2時間必要だった作業が、NETIS技術では1人で2時間になった場合、時計上の作業時間は短くなっていません。しかし、必要な総人工は減少しています。空いた作業員を別工程へ配置できれば、工事全体としては複数の作業を並行して進められる可能性があります。その結果、直接作業の所要時間が同じでも、工程全体では短縮につながることがあります。

このため、比較するときは単純な作業時間だけではなく、「人数×時間」で総人工を見ることが重要です。

反対に、NETIS技術によって一つの作業が早くなったとしても、補助作業員やデータ処理担当者が別途必要になれば、全体の負担は想定ほど減らない場合があります。現場作業だけを切り取らず、準備担当者、計測担当者、記録整理担当者など、対象工程に関わった人数を確認する必要があります。

省人化と工期短縮は密接に関係していますが、同じ意味ではありません。人員が減っても作業終了時刻が変わらないことがありますし、作業人数が同じでも処理能力が上がることで短時間に多くの作業を進められることがあります。

人員不足が発生しやすい現場では、必要人数を減らせる効果そのものが工程安定化につながる場合があります。特定の作業員がそろわなければ開始できなかった作業を少人数で実施できるようになれば、人員待ちによる工程遅延を抑えやすくなるためです。

工期短縮効果を検証するときは、「何時間短縮できたか」だけでなく、「何人で実施したか」「空いた人員を別工程へ回せたか」「人員待ちが減ったか」まで確認すると、施工管理上の効果を把握しやすくなります。

比較ポイント3 準備・段取り・待ち時間まで含めて比較する

三つ目は、直接施工以外の時間です。NETIS技術の工期短縮効果は、実際に機器や施工設備を動かしている時間よりも、その前後に発生する準備や待ち時間の削減として現れる場合があります。

現場では、作業開始前に機材を運搬し、設置し、設定を確認し、基準となる情報を準備し、作業員同士で手順を確認する時間が必要です。終了後には撤去、片付け、データ保存、記録確認などが発生します。こうした時間を除いて直接作業時間だけを比較すると、技術導入による実際の工程効果を見落とすことがあります。

例えば、従来は現場到着後に複数の機器を設置してから作業を開始していたものが、新技術によって準備工程を簡略化できる場合、1回当たりの短縮量は小さくても、毎日繰り返すことで大きな時間差になる可能性があります。

また、現場では待ち時間も重要です。測量担当者が到着するまで施工班が待つ時間、確認結果が届くまで重機が停止する時間、事務所でデータ整理が終わるまで次の判断ができない時間などは、直接的な施工時間ではありません。しかし、工程全体の長さを左右します。

特に確認や計測をデジタル化するNETIS技術では、現場で取得した情報を早く共有できる仕組みを持つ場合、後工程の待ち時間を短縮できる可能性があります。この効果を確認するには、単に「計測は30分短くなった」と記録するだけではなく、「計測終了から施工再開まで何分かかったか」まで残しておく必要があります。

段取り替えの回数も確認対象です。一日に何度も計測や確認を行う工事では、1回の段取りにかかる時間が小さくても、回数が多ければ累積時間は大きくなります。

工期短縮を評価するときには、直接作業時間、準備時間、撤去時間、待機時間、移動時間を区別して記録すると、どの工程に効果があったのかを説明しやすくなります。

比較ポイント4 手戻り・再施工・再計測の発生時間を比較する

四つ目は、手戻りに費やした時間です。工期短縮というと作業速度に注目しがちですが、現場では「一度実施した作業をやり直さなくて済むこと」が大きな時間削減につながります。

施工位置の確認不足、計測漏れ、記録不足、情報伝達の間違いなどが発生すると、再確認や再計測が必要になります。場合によっては施工後に不具合が分かり、修正や再施工が発生することもあります。

NETIS技術の機能や運用によって位置情報や施工状況をその場で確認できたり、現場で取得した記録を関係者間で共有しやすくなったりすれば、こうした手戻りを減らせる可能性があります。

比較するときは、正常に完了した一回の作業時間だけを見るのではなく、一定期間に発生した再作業の回数と所要時間を確認します。例えば1回の作業時間が従来技術よりわずかに長くても、再計測の回数が減れば、週単位や工事全体ではNETIS技術のほうが総時間を短縮できることがあります。

ただし、偶然一度も手戻りが発生しなかったという結果だけで効果を判断するのは適切ではありません。施工量、作業日数、施工箇所数などをそろえ、一定期間の発生率を見ることが重要です。

また、再施工による影響は、その作業だけにとどまりません。手直しのために重機を再配置したり、交通規制を再度行ったり、資材を追加で準備したりすると、周辺工程にも時間が発生します。

そのため、「再計測30分」のように直接時間だけを記録するのではなく、再作業によって発生した準備、移動、再確認、関係者調整まで把握すると、より実態に近い評価になります。

工期短縮効果は「通常作業を何分速くできたか」だけではなく、「余計な作業をどれだけ発生させずに済んだか」という視点でも確認することが重要です。

比較ポイント5 記録整理・データ処理・報告作成時間を比較する

五つ目は、現場作業終了後のデータ処理や書類作成にかかる時間です。

施工現場では、現地作業が終了しても業務が完了するとは限りません。現場写真を整理し、測定結果を転記し、施工箇所と記録を対応させ、報告資料を作成する必要があります。この内業時間を含めなければ、NETIS技術による省力化や工程への影響を十分に判断できない場合があります。

従来の方法では、現場で取得した情報を事務所へ持ち帰り、別の資料へ入力したり、写真と施工位置を照合したりする作業が必要になることがあります。新技術によって位置情報や時刻、施工記録などを現場で関連付けて保存できれば、後工程の整理時間を減らせる可能性があります。

比較するときは、現場作業終了時刻を工程の終点にするのではなく、「必要な成果物を次の担当者へ渡せる状態になるまで」を一つの範囲として計測すると実態を把握しやすくなります。

例えば現場作業が従来技術より30分短くなったとしても、データ変換や整理に追加で1時間必要になれば、全体では短縮にならない場合があります。反対に現場作業時間がほとんど変わらなくても、帰社後の整理作業が短縮されれば、翌日の準備や確認作業を早く始められる可能性があります。

また、転記作業の削減は時間短縮だけではなく、入力間違いや記録の対応付け間違いを減らすことにつながる場合があります。誤りが減れば修正時間も減るため、間接的な工程短縮効果も期待できます。

工期短縮を現場内だけの問題として捉えず、計測、施工、記録、整理、確認、報告まで一連の業務として比較することが重要です。

比較ポイント6 現場条件による時間変動を比較する

六つ目は、施工条件が変わったときの時間差です。

NETIS技術を一度使用して従来技術より早かったとしても、それだけで常に同じ効果が得られるとは限りません。現場環境、施工数量、天候、地形、通信環境、作業スペース、周辺構造物などによって施工時間が変動するためです。

例えば広い造成現場では効率化できる技術でも、狭い施工箇所では準備や機材配置に時間がかかり、期待した効果が出ない場合があります。逆に、従来技術では移動や設置が多く発生する複雑な現場ほど、新技術による効果が大きくなる場合もあります。

重要なのは、最も条件の良かった一日の結果だけで評価しないことです。

晴天時と雨天後、開けた場所と構造物周辺、施工量が多い日と少ない日など、複数条件で記録すると、どのような現場で効果が出やすいかを整理できます。

さらに、平均時間だけではなく時間のばらつきにも注目します。

従来技術では作業時間が日によって大きく変動していたものが、NETIS技術では比較的安定するようになった場合、平均値の差が小さくても工程管理上の利点になる可能性があります。予定時間のばらつきが減れば、後工程の開始時間を予測しやすくなり、作業員や重機の配置も計画しやすくなるためです。

工事工程では、最速記録だけではなく、予定した時間内で安定して作業できるかが重要になる場面もあります。

そのため、工期短縮効果を評価する際には、平均作業時間だけでなく、最短時間、長時間化したケース、その原因を合わせて記録し、適用条件を整理することが有効です。

比較ポイント7 品質・安全性・施工条件を満たした上で比較する

七つ目は、品質や安全性を同じ条件にした上で比較することです。

単純に作業時間だけを短くするのであれば、確認作業を減らしたり、施工記録を省略したりすれば数字上は早くできます。しかし、それではNETIS技術の工期短縮効果を適切に検証したことにはなりません。

従来技術とNETIS技術を比較するときは、求められる品質、確認項目、施工範囲、成果物、安全対策などをできるだけ同等にする必要があります。

例えば従来技術では100か所を確認していたのに、新技術側では50か所しか確認していなければ、作業時間が短いのは当然です。測定精度や成果物の内容が異なる場合も、単純比較はできません。

安全対策についても同様です。交通規制、立入管理、高所作業対策、重機との接触防止など必要な安全措置を省いた状態の時間を比較対象にしてはいけません。

一方で、新技術によって作業員が危険箇所へ入る回数を減らせたり、道路上での作業時間を短縮できたりする場合は、それ自体が評価対象になり得ます。その場合は「安全対策を減らした」のではなく、「危険箇所で必要だった作業そのものを減らせた」と区別して評価します。

品質面でも、新技術によって現場で結果を確認しやすくなり、施工直後に修正できるようになれば、品質確保と手戻り防止を両立できる場合があります。

工期短縮という数字だけを単独で追うのではなく、必要な品質と安全条件を満たしながらどれだけ時間を削減できたかを見ることが、実務で使用できる比較結果につながります。

工期短縮効果を公平に検証するための比較条件

7つの比較ポイントを実際の現場で使用するには、比較条件を事前に決めておくことが重要です。

まず、従来技術側とNETIS技術側で施工数量をそろえます。面積、延長、測点数、構造物数など、対象作業に適した単位を設定します。

次に、作業範囲をそろえます。片方は準備から片付けまで、もう片方は実作業だけという比較では正確な評価になりません。開始地点と終了地点をあらかじめ決めておく必要があります。

作業員の経験差にも注意します。熟練者が従来技術を担当し、初めて機器に触る担当者がNETIS技術を使用した場合、技術そのものではなく経験差が結果に反映される可能性があります。

逆のケースもあります。新技術に詳しい担当者だけが作業し、従来技術側を経験の浅い担当者が行えば、新技術の効果が実態より大きく見えることがあります。

可能であれば複数回施工し、一回の結果ではなく一定期間の平均値やばらつきを確認します。同じ日や近い時期に、条件の近い施工区間で比較できれば、天候や現場条件の違いによる影響を抑えやすくなります。

ただし、すべての条件を完全に同一にすることは現実的ではありません。その場合は、条件差を隠すのではなく記録します。「従来技術の日は作業員3人、NETIS技術の日は2人」「片方は降雨後」「施工延長が異なる」といった情報を残しておけば、後から結果を解釈できます。

比較条件を明確にしておくことで、単なる成功事例ではなく、他現場への適用判断に使えるデータになります。

工程全体への影響を確認して部分最適を避ける

NETIS技術によって特定の作業が短縮できても、工事全体の完成時期に影響しないことがあります。そのため工期短縮効果を検証するときは、対象作業の前後工程も確認する必要があります。

例えば測量作業が2時間短縮されたとしても、その後の施工班が翌日まで作業できない計画であれば、その2時間は工事全体の短縮には直接反映されません。

一方、測量結果が早く確定したことで、その日のうちに次工程を開始できれば、作業時間の削減が工程全体の日数短縮につながる場合があります。

この違いを把握するには、対象工程だけではなく、前工程の終了から後工程の開始までを確認します。

特に重要なのは、後工程を止めている作業です。施工位置確認、出来形確認、検査、承認、データ整理などが完了しなければ次工程へ進めない現場では、その作業の短縮効果が工程全体へ反映されやすくなります。

反対に、複数作業を並行して進められる現場では、一工程を短縮しても全体日数が変わらないことがあります。ただし、その場合でも作業員を別工程へ振り分けられるなど、生産性向上の効果が生じる可能性があります。

そのため、評価結果を「工期が短くなった」「ならなかった」の二択にする必要はありません。

対象作業時間が短縮したのか、総人工が減ったのか、待ち時間が減ったのか、工程全体の日数が短縮したのかを分けて記録することで、技術の効果をより正確に説明できます。

工期短縮効果を説明できる施工記録の残し方

比較結果を社内や発注者へ説明するためには、後から確認できる施工記録が重要です。

施工記録では、日付、施工場所、対象数量、作業内容、開始時刻、終了時刻、作業人数、使用した方法、現場条件などを同じ形式で記録します。

さらに、直接作業だけでなく、準備開始、施工開始、施工終了、データ整理終了といった時間を分けて記録すると、どこで時間が短縮されたかを確認できます。

例えばNETIS技術によって現場作業時間は変わらなかったものの、記録整理時間が大幅に短縮された場合、施工開始と終了だけを記録していると効果を発見できません。

写真記録も有効です。施工開始時、作業中、完了時の状況を施工箇所などと対応させて残しておけば、比較結果を説明するときに施工条件を確認しやすくなります。位置情報を記録できる機器やシステムを使用する場合は、撮影場所との対応確認にも活用できます。

ただし、写真枚数を増やすこと自体が目的になってはいけません。後から「どこで」「何を」「どの条件で」比較したのか確認できる状態にしておくことが重要です。

また、異常値を削除せず理由を残します。通常1時間で完了する作業に3時間かかった日があれば、通信環境、天候、機器設定、施工条件、操作ミスなど考えられる原因を記録します。

こうした異常値は技術評価の邪魔とは限りません。むしろ「どの条件では効果が低下するのか」を把握するための重要な情報になります。

成功した日だけを集めるのではなく、時間がかかったケースも含めて記録することで、次の現場で適用可否を判断しやすくなります。

NETIS技術の工期比較で起こりやすい評価ミス

工期比較で起こりやすいのは、異なる条件の作業をそのまま比較することです。

施工量が違う、作業人数が違う、施工場所が違う、天候が違う、経験年数が違うといった条件差を無視すると、技術による効果なのか現場条件による差なのか判断できません。

次に注意したいのが、直接施工時間だけを見ることです。

現場では、準備、移動、待機、片付け、記録整理、再確認など、多くの間接時間が発生しています。NETIS技術の効果がこうした工程に現れる場合、施工時間だけでは過小評価になります。

反対に、新技術の準備時間やデータ処理時間を除外してしまえば、効果を過大評価する可能性があります。

初回施工だけで判断することにも注意が必要です。

新しい機器や作業方法は、導入直後には設定確認や操作確認で時間がかかる場合があります。一方で、十分に慣れた担当者だけで試験すると、一般的な運用時の結果との差が大きくなる可能性があります。

そのため、試行時と通常運用時を分けて記録すると、導入時の負担と定着後の効果を把握できます。

さらに、「早く終わった理由」を分析せず時間だけを記録することも避けたいところです。

工期短縮の理由が、段取り削減なのか、計測速度向上なのか、再計測削減なのか、データ整理短縮なのかによって、他現場へ横展開できる条件は変わります。

理由まで整理することで、「同じ種類の現場なら同様の傾向が期待できる」「この条件では別の運用が必要」といった判断につなげやすくなります。

工期短縮効果を継続的な現場改善につなげる

NETIS技術の比較結果は、一度導入効果を確認して終わりにするのではなく、次の施工計画に活用することが重要です。

例えば比較の結果、直接施工時間には大きな差がなかったものの、段取り時間が短縮できたのであれば、次回は段取り回数が多い現場で優先的に適用を検討するという判断ができます。

少人数施工で効果が確認できたのであれば、人員確保が難しい現場への適用候補になります。

データ整理時間の短縮が大きかったのであれば、施工写真や計測記録が大量に発生する工事で導入効果が得られる可能性があります。

このように、単純な「何%短縮した」という数値だけを保存するのではなく、「何が変わったために短縮したのか」を記録することが重要です。

さらに、技術を使用するたびに同じ項目を記録すれば、自社独自の実績データを蓄積できます。

最初は数件しかなかった比較結果でも、現場数が増えることで、造成工事、道路工事、構造物周辺など、施工条件ごとの傾向を把握しやすくなります。

平均値だけでなく適用条件も蓄積することで、営業提案や施工計画の段階から、過去実績を踏まえた工程を検討しやすくなります。

NETIS技術を選定する段階でも、単に「工期短縮が期待できる」という説明を見るだけではなく、自社の現場で時間を多く使っている工程と技術の特徴が一致しているかを確認することが重要です。

測量に時間がかかっている現場、現場写真の整理に時間がかかっている現場、確認待ちで重機が停止している現場、再計測が多い現場では、それぞれ改善すべき工程が異なります。

自社のボトルネックを明確にした上でNETIS技術を選び、導入後も同じ指標を測定することで、工期短縮を再現可能な改善活動へつなげやすくなります。

まとめ

NETIS技術の工期短縮効果を検証するときは、単純に施工前後の日数を比べるだけでは十分ではありません。

実作業時間、作業人数と総人工、準備や待ち時間、手戻り、データ処理、現場条件、品質と安全性という7つの視点から比較することで、どの工程でどの程度の効果が生まれたのかを整理しやすくなります。

特に重要なのは、従来技術とNETIS技術の比較範囲を統一することです。片方だけ準備時間を含めたり、異なる施工数量をそのまま比較したりすると、数字は出ても実務に使える結果にはなりません。

また、作業単体の時間短縮と工事全体の工期短縮は分けて考える必要があります。一工程が短縮されても後工程が動かなければ完成日は変わりません。一方、確認結果や施工記録を早く共有できるようになり、次工程を早く開始できれば、作業時間の削減が工程全体にも影響する場合があります。

そのため、NETIS技術を試行するときは、開始・終了時刻だけでなく、施工場所、施工数量、作業人数、現場条件、待ち時間、手戻り、記録整理時間まで残しておくことが重要です。

現場写真や位置情報、施工記録の管理も、こうした効果検証を支える要素になります。どこで、いつ、どのような条件で作業したのかが記録として残っていれば、従来技術との違いを後から確認しやすくなります。

LRTK Phoneで取得した測位点や位置情報付き写真などは、LRTKクラウドへアップロードし、地図上で確認・共有できます。NETIS技術の導入前後で施工状況を比較する際には、こうした位置情報付きの記録を、作業時刻、施工数量、作業人数などの比較記録と組み合わせて管理することで、どの条件で作業したのかを整理しやすくなります。

NETIS技術の導入効果を一時的な印象で判断するのではなく、現場データとして蓄積し、次の施工計画へ反映することが重要です。工期短縮の理由まで明確にできれば、自社にとって効果の出やすい現場条件を見極め、NETIS技術をより実践的に活用しやすくなります。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

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