LRTKレフィクシア株式会社

NETIS活用で施工実績を次回提案に生かす6つの整理方法

NETIS活用の施工実績は次回提案の材料になる

NETISを活用した工事が完了したとき、施工実績を単なる完了記録として保存して終わっていないでしょうか。新技術を現場へ導入すると、施工写真、作業時間、施工数量、使用人数、出来形、担当者の所感、発注者との確認内容など、さまざまな情報が蓄積されます。これらは工事を完了させるための記録であると同時に、次の工事で技術を提案するときの判断材料にもなります。

NETISは、民間事業者などが開発した新技術に関する情報を収集し、公共工事等での活用につなげるために国土交通省が運用している新技術情報提供システムです。ただし、NETISに掲載されていること自体が、その技術の性能や効果を国土交通省が一律に保証することを意味するわけではありません。掲載情報には技術開発者からの申請に基づく情報も含まれるため、実際の活用に当たっては、対象工事の条件やNETIS上の評価情報、技術資料、現場での確認結果などを組み合わせて適用性を判断する必要があります。

次回提案でも、「以前この技術を使ったことがある」という説明だけでは、採用を検討する側に十分な判断材料を示しにくいものです。どのような工事で、どのような条件のもとで使用し、従来方法と比べて何が変わり、どのような制約や注意点があったのかまで整理されていることで、施工実績を具体的な提案材料へ変えやすくなります。

国土交通省の活用効果調査表では、経済性、工程、品質・出来形、安全性、施工性、環境という6つの観点で従来技術と比較する考え方が示されています。社内で施工実績を整理するときも、このような複数の観点を参考にすると、「便利だった」「使いやすかった」といった感想だけに偏らず、効果と条件を整理しやすくなります。なお、活用効果調査表などの作成・提出要否や取り扱いは技術の区分や活用方法などによって異なるため、実際の手続きでは最新のNETIS案内や所管する地方整備局等の資料を確認することが必要です。

また、次回提案へ生かすための実績整理は、公的な調査様式を保管するだけで完結するものではありません。現場条件、写真、数値、判断理由、制約、対応内容、次回への改善事項まで、社内で再利用できる形へ変換しておくことが重要です。

ここでは、NETIS活用で得られた施工実績を、次回の技術提案や施工計画、新技術選定に生かすための6つの整理方法を解説します。

整理方法1 工事条件と技術の適用条件をセットで残す

施工実績を再利用するうえで最初に整理したいのが、「どの現場で使ったか」だけではなく、「どのような条件の現場で使ったか」です。

同じ工種であっても、施工場所、施工数量、作業空間、周辺環境、天候、地形、通信環境、作業時間帯、交通規制の有無、施工班の人数などが異なれば、新技術を導入したときの結果は変わり得ます。前回の現場で良い結果が得られたとしても、条件の異なる現場へその結果をそのまま当てはめることは避けるべきです。

例えば、省力化を目的として新技術を導入し、少ない人数で対象作業を実施できた実績があったとします。しかし、その実績が広い施工ヤードで得られたものなのか、狭い場所や交通規制下でも同じように運用できたのかによって、次回提案での意味は変わります。

施工実績を残すときは、工事名だけを記録するのではなく、工種、施工対象、施工規模、作業場所の特徴、作業人数、施工時間帯、周囲の障害物、通信や電源の条件など、技術の効果に影響した可能性がある条件を合わせて記録しておきます。天候や気温などを残す場合も、結果との因果関係を断定せず、比較時に確認できる条件情報として扱うのが安全です。

さらに、技術そのものの適用条件もセットにします。どの工程で使用したのか、事前準備として何が必要だったのか、現場で必要になった設備や人員は何か、使用を避けた条件はあったのかを整理します。NETIS掲載ページやメーカー資料に適用範囲や留意事項が示されている場合は、現場での実績と混同せず、資料上の条件と実際の運用結果を分けて保存すると確認しやすくなります。

この整理をしておくと、次の工事でNETIS技術を検討するときに、「過去に使用したことがある」という単純な検索ではなく、「今回と似た条件で使用した実績があるか」という視点で探せるようになります。

提案書を作る場面でも、「道路工事で使用した」とだけ書くより、「限られた作業時間帯で、一定規模の施工を行った現場で使用した」というように条件を示した方が、過去実績と今回工事の共通点や相違点を説明しやすくなります。

一方で、現場条件を細かく記録しすぎると、情報量が増えて検索しにくくなる場合があります。そのため、社内で共通の整理項目を決めておくことが有効です。工種、規模、施工環境、主な制約条件、利用目的、使用工程など、後から比較したい項目を統一しておけば、複数工事の実績を横断して確認できます。

施工実績の価値は件数だけで決まるものではありません。どのような条件で得られた結果なのかが分かって初めて、次回の現場で参考にできるかを検討しやすくなります。実績件数を増やすことと同時に、条件を説明できる形で記録することが重要です。

整理方法2 導入前後の変化を比較できる形で残す

次に重要なのが、新技術を導入した結果として何が変わったのかを比較できる状態にすることです。

NETIS技術を採用した現場では、「以前より作業が早くなった」「確認しやすくなった」「作業負担が減った」といった評価が得られることがあります。しかし、このような表現だけを残しても、次回の提案資料へ転用するときには根拠を説明しにくくなります。

そこで、可能な範囲で導入前と導入後を同じ尺度で比較します。

工程について整理する場合は、工期全体だけを見るのではなく、その技術が直接関係した作業を切り出します。準備、計測、施工、確認、帳票作成など、どの工程の所要時間がどう変わったのかを記録すると、技術導入による変化を説明しやすくなります。

施工性についても同様です。従来は何人でどのような手順を踏んでいたのか、新技術の導入後はどの作業が変わったのか、確認のための往復が減ったのか、機材の設置や撤去が変化したのかなど、具体的な作業単位で整理します。

品質・出来形については、測定結果だけでなく、確認方法や管理頻度が変わったかにも注目します。ただし、「確認回数が増えたから品質が向上した」と自動的に結び付けるのではなく、確認回数の変化と品質・出来形の結果は分けて記録します。実測結果がある場合はその値を示し、定性的な評価しかない場合はそのことが分かるようにします。

安全性について整理するときは、「安全になった」とだけ断定するのではなく、危険箇所へ立ち入る回数が減った、交通に近接する作業時間が短くなった、高所での確認作業を一部減らせたなど、実際の作業行動の変化を残します。事故や災害の発生確率まで評価していない場合は、その範囲を超えて効果を表現しないことも大切です。

環境面でも、紙の使用量、車両移動、機材運搬、廃棄物、騒音や振動への対応などに変化があれば記録対象になります。ただし、測定していない削減量や環境負荷を推定だけで成果として示すことは避けます。

経済性を社内で検討するときも、機器やサービスの費用だけを見るのではなく、作業時間、人員、準備、移動、再測定、資料整理など、対象作業全体で何が変わったかを確認します。その際、社内試算とNETISの活用効果調査における評価は、前提条件や算定範囲が必ずしも同一ではありません。社内で算出した値を、そのまま公的な評価値や一般化された効果として表現しないよう区別して管理します。

また、比較するときに注意したいのが条件差です。前回は100単位の施工、今回は500単位の施工というように規模が異なる場合、総作業時間だけを比べても判断しにくくなります。一定施工量当たりの時間、1地点当たりの作業時間、1日当たりの施工量など、比較対象に合った指標へ換算すると、条件差を把握しやすくなります。

施工実績を次回提案で使うのであれば、「導入した」という事実より、「導入する前後で何がどのように変わったか」を説明できることが重要です。そのためには、工事が終わってから数字を集めるだけでなく、導入前の段階で何を比較するかを決めておくことが有効です。

整理方法3 施工写真と位置情報を作業内容にひも付ける

NETIS活用の実績を分かりやすく伝えるうえで、施工写真は重要な資料になります。NETISの活用効果調査表でも、施工者用については施工状況が分かる写真の添付が求められる運用があります。実際の提出要件は最新の案内を確認する必要がありますが、社内の実績整理でも、写真を作業内容と結び付けて保存しておくと再利用しやすくなります。

施工写真を蓄積していても、次回提案で使おうとすると「どの工事の写真か分からない」「何の作業を撮影したのか分からない」「施工前なのか施工後なのか判断できない」といった問題が起こりがちです。

この問題を防ぐには、写真を単独の画像ファイルとして管理するのではなく、工事、場所、工程、日時、作業内容などの情報とひも付けて管理します。

施工前の状況、準備、技術を使用している状態、施工中、確認作業、施工後というように、作業の流れが分かる写真を残しておけば、次回提案では導入方法を視覚的に説明しやすくなります。特に新技術を初めて検討する担当者にとっては、文章だけでなく実際の使用状況が分かる資料があると、必要な設備や作業スペースを確認しやすくなります。

位置情報を取得できる機器やアプリを使用している場合は、位置情報も施工実績の再利用性を高める要素になります。広い工事区域の中でどの場所に技術を適用したのかが分かれば、施工条件と結果を関連付けて確認できます。ただし、位置情報の取得精度は使用機器、測位方式、周辺環境などによって異なるため、記録の用途に必要な精度を満たしているかは別途確認が必要です。

同じ工事の中でも、開けた場所、構造物周辺、法面付近、狭い施工区域など、場所によって条件が違うことがあります。位置情報と施工記録を関連付けておけば、「この場所では予定どおり使えた」「この条件では追加対応が必要だった」といった情報を後から検証しやすくなります。

写真管理では、撮影枚数を増やすことだけを目的にしないことも大切です。大量の写真があっても検索できなければ、提案資料として再利用する際の作業負担が大きくなります。

どの写真が代表写真なのか、何を示す写真なのか、施工前・施工中・施工後のどこに該当するのかを識別できるようにします。写真タイトルや短い説明を付けるだけでも、数か月後や数年後の再利用性は変わります。

また、人物、車両、周辺施設、図面、標識などが写り込む場合は、社外資料への利用可否を確認できる管理も必要です。個人情報、契約上の守秘義務、発注者や元請の取り決めなどに配慮し、社内記録として保存できる写真と、提案書や説明資料へ掲載できる写真を区別しておくと安全です。

施工写真は工事の記録であると同時に、次の現場で技術の使い方や適用条件を確認するための情報にもなります。位置情報や作業内容と組み合わせて保存することで、写真を施工実績として再利用しやすくなります。

整理方法4 数値だけでなく現場担当者の評価も残す

施工実績を整理するとき、数値化できる情報を優先することは重要です。しかし、数字だけでは分からない情報もあります。

例えば、ある作業の所要時間が短縮されたとしても、初回設定に時間がかかった、操作に慣れるまでは複数人で確認した、特定の工程では従来方法の方が扱いやすかったといった情報は、作業時間の集計結果だけでは見えてきません。

そこで、現場担当者が実際に使用して感じたことも記録します。ただし、「使いやすかった」「便利だった」という感想だけでは次回提案に使いにくいため、評価の理由まで残します。

例えば、「現場で確認結果をその場で把握できたため、事務所へ戻って確認する回数が減った」「初回は設定確認に時間を要したが、2回目以降は同じ手順で運用できた」「降雨時は画面確認や機器の取り扱いに追加の配慮が必要だった」といった具体的な記録にします。ここでも、個別現場での経験を一般的な性能保証のように表現しないことが重要です。

こうしたコメントは、成功事例を紹介するためだけではなく、次の現場で準備すべきことを判断するためにも役立ちます。

特に有効なのが、実際に操作した担当者、施工管理を行った担当者、協力会社の担当者など、立場による評価の違いを残すことです。操作担当者にとって使いやすくても、施工管理側では記録整理に追加作業が必要だったということもあります。複数の視点を残すことで、新技術のメリットと課題を一方向から決め付けにくくなります。

また、現場担当者への聞き取りは工事完了から時間が経つほど具体性が失われやすくなります。施工完了後にまとめてヒアリングするだけではなく、導入直後、中間段階、施工完了時など、節目で簡単に記録する方法が有効です。

質問内容を社内で標準化しておくこともできます。「導入前に不安だった点」「実際に困った点」「従来方法との違い」「次回変更したい点」「他現場で使うなら確認したい条件」など、毎回同じ観点で確認すると、複数現場を比較しやすくなります。

定性的な情報は、数値の代わりではありません。数値と組み合わせることで価値が高まります。

例えば、作業時間が短くなった記録に加えて、「現場内の移動回数が減ったことが主な要因と考えられる」という担当者コメントがあれば、次回は移動距離の長い現場で同様の効果が期待できるかを検討する材料になります。ただし、因果関係が確認できていない場合は「主な要因だった」と断定せず、「要因の一つと考えられた」など、記録時点の確度に応じた表現にします。

施工実績を単なる成果集ではなく、次回の判断材料として残すのであれば、結果だけでなく「なぜその結果になったと考えたのか」という現場の知識まで保存することが大切です。

整理方法5 うまくいかなかった条件と対応内容を残す

施工実績という言葉から、成功した事例だけを残そうとするケースがあります。しかし、次回提案に役立つ情報には、期待した結果が得られなかった条件や運用上の課題も含まれます。

新技術を現場へ導入すると、想定どおりに進まないことがあります。機器の設定に時間がかかった、通信状態が不安定だった、現場条件によって予定した方法が使えなかった、作業員への説明が不足して操作手順がそろわなかった、といった事象です。

こうした情報を記録しないままにすると、次の現場で似た問題を繰り返す可能性があります。

重要なのは、「問題が発生した」という記録だけで終わらせず、発生した条件、確認できた事実、原因として考えられたこと、実際に行った対応、その後の結果まで分けて整理することです。原因を特定できていない場合は、推定を事実のように扱わないことも重要です。

例えば、通信環境が関係した可能性のある中断が発生したのであれば、どの場所で発生したのか、どの程度継続したのか、場所を変えると改善したのか、別の通信手段や運用方法へ切り替えたのかを記録します。そのうえで、通信障害が原因と確認できたのか、複数の要因が考えられたのかを区別します。

作業手順に問題があった場合も、「操作ミスがあった」とだけ残すのではなく、手順書の不足、教育時間、確認項目の抜け、役割分担など、再発防止へつながる条件を整理します。

次回の提案時には、このような情報が役立ちます。新技術のメリットだけを並べるのではなく、「この条件では事前確認が必要」「前回はこの事象があったため、今回は施工前に確認工程を設ける」と説明できれば、過去実績を具体的な施工計画へ反映できます。

また、課題となった条件の蓄積は、新技術を採用しない判断にも役立ちます。NETISに掲載された技術であっても、すべての現場に同じ条件で適用できるわけではありません。今回の施工条件では適用が難しい、または十分な効果を見込みにくいと判断できれば、別の方法を検討することも技術選定の一部です。

課題事例を残す際には、個人の責任を追及する記録にしないことも重要です。「誰が間違えたか」ではなく、「どの条件で、どの手順に改善余地があり、次回どう防ぐか」という形式にすると、組織の知識として共有しやすくなります。

成功実績だけを集めた資料は一見分かりやすくても、施工計画の判断材料としては不足することがあります。良かった条件と難しかった条件の両方が整理されていることで、施工実績を次回のリスク確認にも使いやすくなります。

整理方法6 次回提案に転用できる実績シートへまとめる

工事条件、数値、写真、担当者コメント、課題事例まで記録しても、情報が複数の場所へ分散していると、次回の提案時に探し出す作業が必要になります。

そこで、工事完了時に情報を一つの実績シートとして整理します。

ここでいう実績シートは、単なる工事概要ではありません。次の現場で技術採用を検討するときに、判断材料へたどり着くための入口となる資料です。

最初に、どの工事で、どの工程に、何を目的として技術を使用したのかを短く整理します。その次に、適用した現場条件、従来方法との違い、確認できた効果、施工写真、注意点、次回利用時の改善事項をまとめます。

特に重要なのが、「何を目的として導入したか」です。同じ新技術でも、工程短縮を目的として使った現場と、施工管理の効率化を目的として使った現場では、評価すべき内容が異なります。目的を明確にしておけば、次回提案時に今回の課題と近い実績を選びやすくなります。

また、確認できた効果と、推定している効果を分けて記録します。実際に測定した作業時間や人員数は確認済みのデータとして扱えます。一方、「作業負担が減ったように感じた」「長期的な維持管理で有利になる可能性がある」といった内容は、実測結果と同じ扱いにはしません。

事実、担当者評価、推定、今後の検証事項を区別しておけば、提案資料を作成するときに過度な表現を避けやすくなります。

施工実績を複数蓄積するときは、検索できる状態にすることも重要です。工種、施工条件、利用目的、技術分野、確認できた効果、課題などで絞り込めるようにしておけば、次回案件に近い実績を短時間で探せます。

例えば、新しい現場で「測量作業の省力化」が課題になった場合、過去の全工事資料を一件ずつ確認するのではなく、測量、省力化、類似工種といった条件から関連実績を探せる状態を目指します。

また、実績シートは作成して終わりにせず、同じ技術を別の現場で利用した後に更新します。異なる現場条件での情報を同じ項目で蓄積すれば、「どの条件で使いやすかったか」「どの条件では事前確認が必要だったか」という傾向を把握しやすくなります。

一件の施工実績では個別事例にとどまりますが、複数の現場を同じ項目で整理すると比較が可能になります。次回提案では、その比較結果を今回の現場条件と照らし合わせることで、過去実績をより実務的に利用できます。

施工実績を提案書へ落とし込むときの考え方

整理した施工実績を次回の提案書へ使用するときは、過去の事例をそのまま貼り付けるのではなく、今回の現場との関係を説明することが重要です。

提案先が知りたいのは、過去に実績があるという事実だけではありません。その実績が今回の工事にどの程度参考になるのか、どの条件が共通し、どの条件が異なるのかを確認できることが重要です。

まず、今回の現場で解決したい課題を明確にします。工程短縮、省人化、安全面の改善、品質・出来形管理、施工記録の効率化など、何のために新技術を検討するのかを整理します。

そのうえで、同じ課題に対して使用した過去実績を選びます。

前回工事と今回工事の条件が完全に一致することは多くありません。そのため、共通点と相違点を分けて説明します。例えば、工種と施工数量は近いものの、作業場所の広さが異なるのであれば、その違いを明示します。前回の結果をそのまま今回の効果として提示するのではなく、「類似する条件ではこの結果が確認されたため、今回もこの工程で活用を検討する」といった組み立てにします。

数値を提示する場合も条件を併記します。「作業時間を短縮できた」という結果だけではなく、どの作業を、何人で、どの施工量に対して行った結果なのかを示すことで、数字の意味を説明しやすくなります。

提案書では代表写真も有効です。導入前、使用中、確認中、施工後など、技術がどの工程で利用されたのかが分かる写真を選ぶと、必要な作業や設備を具体的に説明できます。社外資料へ掲載する場合は、写真の利用許可、写り込み、機密情報なども事前に確認します。

さらに、過去実績から得られた注意事項を施工計画へ反映します。事前設定に時間が必要だった経験があるなら、今回の計画では施工開始前に設定確認時間を確保します。通信環境による影響が疑われたなら、施工前の通信確認を計画へ組み込みます。

このように、施工実績を「実績紹介」で終わらせず、「今回の施工方法を検討する材料」として使うことで、提案内容を具体化できます。

NETISに掲載されていること、過去に使用したこと、過去の現場で一定の結果が得られたことは、それぞれ別の情報です。これらを混同せず、今回の現場条件に対する適用性を個別に検討する姿勢が重要です。

施工実績の整理で避けたい失敗

施工実績を次回提案へ生かす取り組みでは、情報を集めること自体が目的にならないよう注意が必要です。

よくあるのが、工事完了時に大量の資料を保存したものの、数か月後には必要な情報を探せなくなる状態です。

工事写真は写真フォルダ、測定結果は別ファイル、担当者のコメントはメール、作業時間は日報というように分散していると、提案担当者が一つの実績を再構成するだけで大きな手間がかかります。

これを防ぐには、原資料をすべて一か所へ移動する必要はありません。重要なのは、それぞれの情報へたどり着ける共通の管理単位を持つことです。工事番号や実績番号などを決め、関連する写真、記録、評価、原資料の保存先をひも付けるだけでも検索性を高められます。

もう一つ避けたいのが、良い結果だけを抜き出すことです。工程短縮を確認できた現場だけを残し、効果が小さかった現場を記録しない運用にすると、次回の適用判断を誤る可能性があります。同じ技術でも条件によって結果が変わるため、期待した効果が出なかった実績も重要な情報です。

また、条件を書かずに数値だけを保存することも避ける必要があります。作業時間が短くなった数値が残っていても、施工数量、人数、天候、現場条件などが分からなければ、後から比較することが難しくなります。

写真だけを残す管理にも注意が必要です。写真は施工状況を理解するために有効ですが、撮影日時や場所、作業内容が分からなければ情報価値が下がります。

担当者の記憶に頼る運用も継続性がありません。「あの現場のことは担当者が知っている」という状態では、異動や担当変更によって情報が失われる可能性があります。現場で得た知識を組織で再利用するためには、担当者の経験を文章や記録へ変換しておく必要があります。

さらに、過去実績を次回の成果保証のように扱うことも避けるべきです。現場条件が異なれば、同じ技術でも同じ結果になるとは限りません。過去実績は今回の施工計画を検討する参考情報として使い、条件差を確認したうえで期待できる効果と不確実な点を分けて整理します。

NETISの申請情報についても、掲載されているという理由だけで国土交通省による性能保証や認証と受け取らないことが大切です。評価情報が掲載されている場合はその内容を確認し、技術開発者の申請情報、過去の自社実績、今回の現場条件を分けて検討します。

施工実績を丁寧に残すことと、過去実績を過大に解釈しないことは両立します。良かった点だけでなく制約や条件差まで整理されている実績の方が、次回提案では実務的な判断材料になります。

まとめ

NETIS活用で得られた施工実績は、工事完了時に保管するだけでは十分に再利用できません。次回の技術提案や施工計画へ生かすためには、後から比較、検索、説明できる形へ整理することが重要です。

最初に、工事名だけではなく現場条件と技術の適用条件をセットで残します。次に、導入前後で何が変化したのかを、工程、品質・出来形、安全性、施工性、経済性、環境などの観点から比較できるようにします。

施工写真についても、画像だけを保存するのではなく、日時、工程、作業内容と関連付けることで再利用性を高められます。位置情報を取得できる運用であれば、その情報も利用目的と必要精度を確認したうえで関連付けると、場所ごとの条件差を振り返りやすくなります。

さらに、数値だけでなく現場担当者の評価を残し、なぜその結果になったと考えたのかを説明できる状態にします。期待どおりに進まなかった条件や対処方法も記録しておけば、次の現場で事前確認すべき事項を整理できます。

そして、これらの情報を次回提案に転用できる実績シートとしてまとめ、工種や利用目的、施工条件などから検索できるようにしておくことが重要です。

施工実績は、件数を示すためだけの情報ではありません。条件、結果、写真、現場の判断、改善点まで一体として蓄積することで、「どのような現場で、どのように使うか」を検討するための組織的な知識になります。

特に複数の現場でNETIS技術を活用していく場合、施工記録を工事ごとに分散させず、継続して比較できる仕組みを作ることが次回提案の効率化につながります。過去の実績を探して資料を一から作り直すのではなく、施工中から次回利用を意識して情報を残すことがポイントです。

現場写真や位置情報、測位結果などを継続的に整理したい場合は、LRTK Phoneを活用する方法もあります。LRTK Phoneでは、位置情報を付けた写真の記録や、取得したデータのクラウドでの確認・共有に対応しているため、現場で得た記録を後から場所と関連付けて確認しやすくなります。導入時には、対象業務で必要な精度、通信環境、運用手順、社内のデータ管理ルールを確認し、過去実績と今回条件を分けて評価することが大切です。NETIS活用の経験を一件ごとに終わらせず、次の現場へ生かせる施工実績として蓄積していくことが、継続的な新技術活用につながります。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

LRTK Phoneの使い方・実例を見る
資料請求導入相談
現場をスマホで3DスキャンLRTK Phone実例を見る

技術記事一覧へ戻る →