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NETIS活用で品質向上を示すには?現場で測るべき5つの指標

NETISに登録された新技術を現場へ導入するとき、「品質が向上した」と説明するだけでは、その効果を十分に伝えられないことがあります。新しい測定方法や施工管理方法を使った結果、作業がしやすくなったとしても、それだけで工事目的物の品質や出来形が改善したとは限らないからです。

NETISの活用効果を確認する際には、経済性、工程、品質・出来形、安全性、施工性、環境など複数の視点があります。特に品質・出来形については、単に施工が楽になったかではなく、目的物の品質や出来形、性能、耐久性、管理状況などを比較する視点が重要とされています。

そのため、NETIS技術を使った現場で品質向上を示したい場合は、施工後に感想をまとめるのではなく、導入前から「何を測れば改善を数字で説明できるのか」を決めておくことが大切です。従来の方法と新技術を異なる条件で比較してしまうと、施工条件や担当者、天候、測定方法などの差が混ざり、新技術による効果なのか判断しにくくなります。

この記事では、NETISを検索している施工管理者、現場代理人、技術担当者などに向けて、品質向上を示すために現場で押さえておきたい5つの指標を解説します。単なる数値集めではなく、比較条件のそろえ方、記録方法、注意したい誤判定まで含めて整理します。

NETISで品質向上を示すなら比較条件を先に決める

NETIS技術を導入して品質向上を確認するとき、最初に決めたいのは評価指標そのものだけではありません。重要なのは、新技術を何と比較するのか、どの条件を同じにするのか、どの期間のデータを使うのかを施工前に整理しておくことです。

NETISの活用効果調査では、NETIS上で設定された従来技術との比較を基本として評価する考え方が示されています。品質・出来形についても、目的物の品質や出来形を比較する視点が求められます。

例えば、新技術を使った区間では測定点を細かく取得し、従来方法の区間では数点だけ測定していた場合、そのまま最大誤差だけを比較すると公平な評価にならない可能性があります。測定点が多いほど局所的な異常を見つけやすくなるためです。反対に、新技術では広い範囲を短時間で確認できるにもかかわらず、従来方法と同じ数点だけを抽出して比較すれば、新技術の特徴を十分に捉えられない場合もあります。

したがって、比較では「測定方法を完全に同じにすること」だけを目的にするのではなく、評価したい品質項目が同じになるよう条件を設計することが重要です。設計値との差を見るのであれば同じ管理断面や同じ施工範囲を対象にし、ばらつきを見るのであれば取得点数や評価範囲を明確にします。

また、新技術を使った施工と従来施工を別の日に実施する場合には、材料、施工数量、地形、天候、作業員構成などが異なることがあります。これらの条件差が大きい場合、「新技術を使ったから品質が向上した」と単純に断定するのは避けた方が安全です。

実務では、完全に同一条件の比較ができないことも珍しくありません。その場合は、比較できる条件と比較できない条件を分けて記録します。例えば同一工種、同程度の施工数量、同じ管理基準で比較できる一方、天候や施工班は異なっていた、というように条件を残しておけば、後から結果を説明しやすくなります。

品質向上の評価で大切なのは、都合のよい数値だけを拾うことではありません。新技術導入前に評価項目を決め、そのルールを施工後まで変えないことです。この準備ができていると、これから紹介する5つの指標を客観的な記録として利用しやすくなります。

指標1 設計値や基準値に対する出来形の偏差

品質向上を説明するうえで最も基本となる指標の一つが、設計値や管理上の基準値に対して、実際の施工結果がどの程度ずれているかという「偏差」です。

例えば高さ、位置、幅、厚さ、勾配など、設計値を基準に確認できる項目であれば、「設計との差」を施工前から同じ考え方で記録します。新技術を利用した区間と従来方法の区間で同じ項目を測れば、どちらが設計値に近い状態で施工できたかを比較できます。

ここで注意したいのは、平均値だけを見ないことです。測定した複数の点について平均偏差を求めると、プラス方向とマイナス方向の誤差が打ち消し合い、実際には大きなずれがあるにもかかわらず、平均値だけが小さく見えることがあります。

そのため、現場では設計値との差の絶対値を見る方法や、最大偏差、代表的な範囲ごとの偏差を見る方法などを組み合わせると、施工結果を把握しやすくなります。ただし、何を採用するかは工種や管理基準によって異なるため、一律の数値基準を設定するのではなく、対象工事に適した評価方法を事前に決める必要があります。

例えば、従来方法で施工した区間では設計値との差が広い範囲に分布し、新技術を使った区間では設計値付近へ集中している場合、品質の安定化を検討する材料になります。ただし、それだけで新技術が原因だと断定するのではなく、施工条件や測定条件も確認します。

位置計測を伴う技術の場合には、座標系、高さの基準、基準点、測定機器の設定などをそろえておくことも欠かせません。比較する二つのデータで高さの基準が異なっていれば、施工品質ではなく座標設定の違いを品質差と誤認する可能性があります。

また、新技術を利用して高密度な計測ができる場合は、従来の点による確認だけでは見えにくかった局所的な凹凸や高さの変化を確認できることがあります。この場合には、単純に従来方法と同じ点数へ減らして比較するだけでなく、「従来と共通する管理点での比較」と「新技術によって追加で把握できた範囲」を分けて整理すると、技術の特徴を説明しやすくなります。

施工後に慌てて数値を作るのではなく、施工前の段階で比較対象となる設計値、評価範囲、測定位置、取得方法を決めておくことが、偏差を有効な品質指標にする第一歩です。

指標2 測定値や施工結果のばらつき

二つ目に確認したいのが、測定値や施工結果の「ばらつき」です。

平均値が設計値に近くても、個々の測定結果が大きく上下している状態では、品質が安定しているとは言いにくい場合があります。反対に、多少の偏りがあっても、測定値の分布が狭い範囲に安定していれば、施工方法や設定を調整することで改善しやすい可能性があります。

例えば同じ施工範囲を複数点で測定し、従来方法では測定結果が広く分布しているのに対し、新技術を利用した施工では一定の範囲に収まっている場合、施工結果の均一性を説明する材料になります。

ばらつきを見る方法には、最大値と最小値の差、平均値からの散らばり、一定範囲を超えた点の割合などがあります。どの方法を採用するかは対象工種や取得できるデータによって変わりますが、重要なのは新技術側と従来技術側で同じ計算ルールを使うことです。

施工範囲が広い場合には、全体を一つの数字だけで評価しないこともポイントです。全体平均では問題がなくても、端部、継ぎ目、勾配変化部、構造物との取り合いなど、一部の範囲だけばらつきが大きくなっていることがあります。

そのため、施工範囲を適切な区画に分けて確認すると、品質改善がどこで生じているのかを把握しやすくなります。例えば中央部では従来方法と差がなく、端部だけ新技術によってばらつきが小さくなったのであれば、「全面的に精度が向上した」と表現するより、「端部における施工結果の安定化が確認できた」と整理する方が実態に合っています。

また、測定そのもののばらつきと施工結果のばらつきを混同しないことも重要です。同じ場所を複数回測ったときに測定値が大きく変化するのであれば、施工品質ではなく計測条件を疑う必要があります。

例えば測定位置、測定姿勢、基準設定、周辺環境などが変化すると、計測結果に差が生じる場合があります。品質評価を行う前に、既知の位置や同じ対象を繰り返し測定するなどして、測定系自体の再現性を確認しておくと安心です。

新技術の価値は「最良の一点」を作れることではなく、現場全体で安定した結果を再現できることに表れる場合があります。だからこそ、平均値だけでなく、ばらつきを継続的に測定することが品質向上の評価につながります。

指標3 不適合・再測定・手直しの発生率

三つ目の指標は、不適合、再測定、手直しなどがどの程度発生したかです。

設計値との差や測定値のばらつきは品質を直接示しやすい指標ですが、現場ではそれに加えて「一度で要求される状態まで施工できたか」という視点も重要です。

例えば施工後の確認で基準から外れた箇所が見つかり、再施工や調整が必要になった場合、その件数や範囲を記録します。また、測定結果に確信が持てず再測定した場合も、発生理由を分けて残しておくと、新技術導入前後の違いを確認できます。

ただし、再測定が減ったから品質が向上したと単純に判断することはできません。確認回数を意図的に減らせば再測定件数も少なくなるからです。そのため、分母となる施工数量や測定回数をそろえて比較する必要があります。

例えば「再測定が10件から5件になった」だけでは、施工数量が半分になっていれば改善とは判断できません。「100箇所確認したうち10箇所」と「100箇所確認したうち5箇所」のように、同じ考え方で割合を見ることで比較しやすくなります。

手直しについても同じです。件数だけでなく、どの程度の施工範囲で発生したか、どの工程で発見されたかを残しておくと分析しやすくなります。

特に注目したいのが、後工程へ進んだ後に発見された手直しです。施工直後に異常を発見できれば、小さな調整だけで対応できる場合があります。一方、次工程が完了してから不具合が見つかると、周辺部分までやり直す必要が生じることがあります。

そのため、新技術によって施工途中で異常を確認できるようになった場合には、単に手直し件数を見るだけでなく、「どの段階で問題を把握できたか」も記録しておくと有効です。

また、不適合や手直しの原因を分類すると、新技術との関係を整理しやすくなります。例えば施工位置の判断ミス、測定漏れ、転記ミス、設定ミス、施工そのものの誤差など、原因によって新技術で改善できる範囲は異なります。

材料そのものに起因する品質問題まで新技術の導入効果として扱ってしまえば、評価の信頼性が低下します。逆に、新技術によって位置確認や施工確認を行った結果、位置ずれによる手直しが減少したのであれば、対象を絞って比較することで効果を説明しやすくなります。

品質改善を示す際には、「問題がゼロになった」という派手な結果だけを狙う必要はありません。不適合の割合がどのように変化したか、早期発見できるようになったか、同じ原因による繰り返しが減ったかを継続して測ることが重要です。

指標4 品質記録の取得率と追跡可能性

四つ目は、品質記録を必要な範囲で取得できているか、そして後から施工箇所と記録を結び付けて確認できるかという指標です。

品質そのものは適切でも、それを確認する記録が不足していれば、施工後に根拠を示すことが難しくなります。特に現場写真、測定結果、位置情報、施工日時などが別々に管理されている場合、後から特定の箇所について確認しようとしても、対応する記録を探すのに時間がかかることがあります。

そこで確認したいのが、必要な記録に対して実際に取得できた割合です。

例えば100箇所の記録を予定していたにもかかわらず、施工後に確認すると90箇所しか残っていなければ、記録取得率という観点では90%です。ただし、この数値を使う場合は何を一件と数えるかを事前に決めておく必要があります。

写真一枚を一件とするのか、施工位置一箇所を一件とするのか、管理断面を一件とするのかによって結果が変わるからです。新技術導入前後で単位を変更してしまえば正しい比較ができません。

さらに重要なのが、記録の追跡可能性です。

写真が存在していても、どこで撮影したのか分からない、施工対象と対応付けられない、測定日時が分からないという状態では、品質記録として十分に活用できない場合があります。

そのため、単なる写真枚数ではなく、「施工箇所、日時、測定値など必要な情報と結び付いた記録が何件あるか」という視点で確認すると、より実務的な評価になります。

新技術によって現場写真や位置情報、施工記録を関連付けて管理できる場合には、撮影や入力の省力化だけでなく、記録の欠落や取り違えを減らせたかを確認することが大切です。作業時間が短縮されたことは施工性や工程の評価につながる可能性がありますが、品質として示したいのであれば、記録の完全性や確認性に焦点を当てます。

また、記録量が増えたことをそのまま品質向上と扱うことにも注意が必要です。写真が100枚から1000枚に増えたとしても、必要な位置の写真が不足していれば品質管理が改善したとは言い切れません。

重要なのは「量」ではなく「必要な記録を必要な場所で残せたか」です。予定した管理箇所に対する記録取得率、位置情報との対応率、必要項目の入力完了率など、目的に合わせて指標を設定します。

品質記録の取得率と追跡可能性を測ることで、新技術による効果を「便利になった」という感覚的な表現から、「確認可能な施工記録が増えた」という具体的な説明へ変えやすくなります。

指標5 品質の異常を発見するまでの時間と確認頻度

五つ目の指標は、施工上の異常をどのくらい早く発見できたか、そして品質をどの程度の頻度で確認できたかです。

品質管理では、最終結果だけでなく、施工途中で異常を把握して修正できるかどうかも重要です。施工完了後の検査で初めて問題が分かる方法と、施工直後に確認してその場で調整できる方法では、品質管理の進め方が大きく異なります。

例えば従来方法では一定範囲の施工が完了した後に測定し、異常があればまとめて修正していたとします。新技術の導入後に短い間隔で確認できるようになれば、異常が広がる前に施工条件を修正できる可能性があります。

この効果を記録するには、「施工から確認までの時間」を測ります。

施工完了から品質確認まで平均してどの程度の時間がかかったか、異常を確認してから修正を開始するまでどの程度かかったかを、同じ条件で比較します。

ただし、時間が短くなったという結果だけで「品質が向上した」とするのは十分ではありません。その後の不適合や偏差、ばらつきも合わせて確認し、早期確認が品質結果の改善につながったかを見る必要があります。

もう一つ確認したいのが品質確認の頻度です。

従来方法では一日の最後に確認していたものを、新技術導入後には施工区画ごとに確認できるようになった場合、異常を早い段階で見つけられる可能性があります。この場合、「一日何回確認したか」「一定施工量あたり何回確認したか」などを記録します。

ただし、確認回数が多ければ必ず品質が高いわけではありません。必要以上に確認を増やしても、評価対象が適切でなければ意味がありません。そのため、施工条件や工種に合わせて、異常を検知するために必要な頻度を設定します。

さらに、異常を発見した時点で、その原因と対応結果まで記録しておくと、新技術の有効性を検証しやすくなります。

例えば施工途中に高さの偏りを発見し、施工条件を調整した結果、その後の測定値が設計値付近へ戻ったのであれば、単なる異常検知だけでなく、品質管理の改善に利用できたことを示せます。

反対に、異常を何度も通知しているものの、実際には施工品質に問題がないケースが頻発するのであれば、確認方法や判定条件を再検討する必要があります。検出件数だけを成果にせず、実際の品質異常と対応していたかも確認することが重要です。

新技術による品質向上は、完成後の結果だけでなく「異常を早く把握し、問題が広がる前に対応できる状態」を作ることによって現れる場合があります。その効果を示すには、確認頻度と異常発見までの時間を施工記録として残しておくことが有効です。

5つの指標を現場で比較できる形にそろえる

ここまで紹介した5つの指標は、それぞれ単独で使うよりも組み合わせて確認した方が品質向上を説明しやすくなります。

例えば設計値からの偏差が小さくなり、ばらつきも減少し、不適合による手直し率も低下しているのであれば、複数の視点から同じ傾向を確認できます。

一方、設計値からの偏差は変わらないものの、品質記録の取得率が改善し、異常発見までの時間が短縮されたのであれば、「完成物の精度が上がった」という説明よりも、「品質管理の確認性が改善した」と整理する方が適切です。

このように、NETIS活用の効果はすべての指標で改善する必要はありません。技術の目的や特徴に応じて、どの指標への効果を期待しているのかを最初に決めておくことが重要です。

比較するときには、基準となる単位もそろえます。

施工延長が異なる工区を単純に件数で比較すると、施工量が多い方ほど不適合件数や確認件数が多くなります。そのため、一定施工量あたり、一定面積あたり、一定確認箇所あたりなど、比較しやすい単位へ変換する方法があります。

また、日ごとの施工量が大きく変わる現場では、日単位だけで比較すると誤解が生じる場合があります。施工数量と一緒に記録しておけば、「一日3件」ではなく「100箇所あたり3件」といった形で確認できます。

期間もそろえる必要があります。

新技術を使い始めた初日は操作に慣れていないため、測定や記録に時間がかかることがあります。逆に、導入直後だけ担当者が慎重に作業し、その後は結果が変化する場合もあります。

そのため、一日だけの比較ではなく、可能であれば複数日や複数工区で記録し、技術を継続利用したときにも同じ傾向が現れるか確認します。

現場条件によって比較できるデータ量が限られる場合は、その条件を記録しておくことも大切です。「比較件数が少ないため参考値として扱う」「施工条件が異なるため単純比較は行わない」といった判断も、品質評価の信頼性を保つうえでは必要です。

新技術の良い結果だけを示そうとすると、かえって説明しにくくなることがあります。変化がなかった指標も含めて記録し、「この現場ではどの部分に効果が現れ、どの部分には大きな変化がなかったか」を整理する方が、次の現場での技術選定にも役立ちます。

NETIS活用の品質効果を記録するときの注意点

NETIS技術の効果を現場で測る際には、数字を残すこと自体が目的にならないよう注意が必要です。

まず避けたいのが、施工後に評価指標を決めることです。施工結果を確認してから有利に見える指標を選ぶと、従来技術との公平な比較が難しくなります。施工前に対象範囲、測定項目、評価方法、記録単位を決めておくことが基本です。

次に重要なのが、測定条件の記録です。

計測方法が異なれば、同じ施工対象でも結果が変わる場合があります。測定位置、基準、高さの扱い、測定回数、評価対象範囲などをそろえ、条件が異なる場合にはその違いを記録します。

写真や位置情報を利用するときにも、同じ考え方が必要です。

例えば従来方法では施工後だけ写真を撮り、新技術導入後は施工前、施工中、施工後を記録しているのであれば、単純な写真枚数の比較は適切ではありません。品質記録として必要な項目がどの程度そろったかを評価する方が実態を表しやすくなります。

また、現場で取得した数値の保存方法も決めておきたいところです。

施工時には確認できていても、後から元の記録を確認できなければ、活用効果を検証しにくくなります。測定日時、施工位置、対象工種などとデータを関連付け、後から追跡できる形にしておくことが重要です。

特に複数の担当者が記録する場合には、名称の付け方や入力方法を統一します。同じ施工箇所を担当者ごとに異なる名称で記録すると、後から集計するときに重複や欠落が発生しやすくなります。

新技術を使ったこと自体を品質向上と扱わないことも重要です。

NETIS技術であっても、その技術を導入しただけで、あらゆる現場において品質向上が保証されるわけではありません。現場条件、工種、使用方法などによって得られる効果は変わるため、実際の施工結果を記録して確認する必要があります。

同時に、施工性の改善と品質向上を混同しないようにします。

例えば測定作業が短時間になった、操作が簡単になった、少人数で作業できたといった効果は重要ですが、それだけでは目的物の品質が上がったことを直接示すものではありません。品質・出来形について説明するのであれば、設計値との差、ばらつき、不適合、品質記録、異常発見など、品質と結び付くデータも合わせて確認します。

逆に、作業時間そのものが短縮されなくても、確認できる施工範囲が広がったことで局所的な異常を発見できるようになれば、品質管理上の価値が生じる場合があります。

したがって、評価では「速くなった」「便利になった」「精度が上がった」といった言葉だけを使うのではなく、「何を、どの条件で、どの程度確認したのか」を記録することが大切です。

NETIS活用の結果を社内で共有するときにも、この考え方は有効です。同じ指標を複数現場で継続して記録すれば、特定の現場だけで現れた結果なのか、似た条件の現場でも再現する傾向なのかを確認できます。

こうした記録が蓄積されると、次の現場で新技術を採用するときに「便利そうだから使う」という判断だけでなく、「この条件では出来形のばらつきが小さくなる傾向があった」「この工種では記録漏れの抑制に有効だった」といった具体的な検討がしやすくなります。

まとめ

NETIS活用による品質向上を説明するためには、「新技術を導入した」という事実だけではなく、施工前後や従来技術との違いを比較できる記録を残すことが重要です。

現場で特に確認しておきたいのは、設計値や基準値に対する出来形の偏差、測定値や施工結果のばらつき、不適合・再測定・手直しの発生率、品質記録の取得率と追跡可能性、品質異常を発見するまでの時間と確認頻度という5つの指標です。

これらを同じ施工条件、同じ評価範囲、同じ計算方法で記録しておけば、感覚的な評価ではなく、具体的な数値や施工記録を基に新技術の効果を検討できます。

重要なのは、すべての指標を無理に改善させようとすることではありません。技術の特徴に合わせて評価対象を決め、変化した項目と変化しなかった項目の両方を記録することです。それによって、「品質が上がった」という曖昧な表現から、「出来形のばらつきが小さくなった」「手直しの発生割合が変化した」「必要な品質記録をより確実に残せた」といった説明へ具体化できます。

さらに、品質改善を示すためには、完成時の結果だけでなく、施工途中の記録を残すことも重要です。どこで施工し、いつ確認し、どのような結果が得られ、異常に対してどのような対応をしたのかまで追跡できれば、品質管理の過程そのものを確認しやすくなります。

現場写真、位置情報、施工記録を一体的に扱うことも、こうした品質評価を支える方法の一つです。LRTK Phoneを活用すれば、現場で取得した写真や位置情報、施工記録を整理しながら残し、施工箇所と記録を結び付けた管理につなげられます。NETIS技術の活用効果を後から説明できる形にするためにも、施工開始前から「何を測るか」だけでなく、「その結果をどのように記録し、比較できる状態で残すか」まで含めて品質管理の仕組みを整えておくことが重要です。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

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