LRTKレフィクシア株式会社

NETIS活用費用を協力会社と分担するときに整理したい5つのルール

NETIS活用費用を分担する前に押さえたい基本

NETISで確認した新技術を建設現場へ導入するときには、元請会社だけでなく、協力会社も準備、施工、計測、確認、写真撮影、データ整理、施工記録作成などに関わることがあります。そこで実務上の論点になりやすいのが、新技術を利用することで発生する費用や作業負担を、誰がどこまで担当するのかという問題です。

NETISは新技術に関する情報を提供し、公共工事などで新技術の活用を進める仕組みとして運用されています。新技術活用の仕組みには発注者側の判断で活用する場合や施工者側から選定する場合など複数の形があり、現場での活用後に効果を整理する運用も行われています。したがって、NETISに掲載されている技術だからといって、元請会社と協力会社の費用分担割合が一律に決まるわけではなく、実際の契約条件、導入経緯、施工範囲、役割などを現場ごとに整理する必要があります。

ここで注意したいのは、「NETIS活用費用」という一つの費目だけを考えないことです。新技術を利用するときに発生する負担は、機器や利用環境の準備だけとは限りません。導入前の現場確認、操作方法の共有、初期設定、施工中の計測や入力、施工後の記録整理、成果確認など、人が行う作業にも時間がかかります。

たとえば、新技術を利用するための環境を元請会社が準備していても、毎日の操作や記録作業を協力会社が行うのであれば、協力会社側には工数が生じます。逆に、協力会社が現場で技術を利用していても、取得した情報の確認や施工記録の取りまとめを元請会社が担当するのであれば、元請会社側にも作業負担があります。

そのため、最初から「元請会社と協力会社で均等に分ける」「実際に使う会社が負担する」といった割合だけを決める方法では、現場の実態と合わなくなる可能性があります。重要なのは、負担割合を先に決めるのではなく、技術導入によって何が増えるのかを確認することです。

もう一つ確認しておきたいのが、導入目的です。発注条件や施工計画を満たすために利用する場合、元請会社の施工管理を効率化するために利用する場合、協力会社が担当工種の生産性を高めるために提案する場合では、新技術を利用する理由が異なります。同じ技術であっても、導入理由が違えば、費用や作業負担を考える前提も変わります。

NETIS活用費用の分担を円滑に進めるには、金額の話から始めるのではなく、対象作業、導入理由、役割、記録方法、条件変更時の対応という順番で整理すると分かりやすくなります。以下では、協力会社と費用を分担するときに確認しておきたい五つのルールを、実務の流れに沿って解説します。

ルール1 費用ではなく対象作業から整理する

一つ目のルールは、最初に金額を分けるのではなく、新技術の導入によって発生する作業を整理することです。

新技術の活用では、分かりやすい費用だけを見てしまいがちです。しかし、実際の現場では、その前後に多くの作業があります。導入前には施工条件の確認や使用方法の検討が必要になることがあります。現場へ持ち込んだ後には初期設定や動作確認が発生します。利用者が複数いる場合には、操作方法や記録方法を共有する時間も必要です。

施工中には、技術そのものを使う時間だけでなく、測定、撮影、確認、情報入力、データ保存などの作業が加わる場合があります。施工後にも、取得した情報を整理し、施工記録との整合を確認し、必要な成果としてまとめる作業が発生することがあります。

ここで大切なのは、従来から必要だった仕事と、新技術の導入によって増えた仕事を分けることです。

たとえば、施工写真の撮影が従来から必要だったのであれば、撮影そのものをすべて新技術の追加負担と考えるのは適切ではありません。一方で、新技術を使うことで撮影場所の情報を追加確認したり、取得したデータを別の施工記録と関連付けたりする作業が新たに生じたのであれば、その部分は導入による追加作業として整理できます。

判断するときには、「この技術を導入しなかった場合にも、この作業は必要だったか」と考えると分かりやすくなります。従来施工でも必要だった仕事なのか、新技術を利用するから必要になった仕事なのかを分ければ、費用分担の対象範囲を説明しやすくなります。

また、直接的な支出だけではなく、人の作業時間も確認する必要があります。初期設定にかかった時間、利用者への説明時間、日々の確認時間、施工後のデータ整理時間などは、一回ごとには短く見えても、工事期間を通して繰り返されると大きな負担になる場合があります。

特に複数の協力会社が同じ新技術を利用する現場では、共通作業と会社ごとの作業を分けることが重要です。

最初に作業へ入った協力会社が設定を行い、その後に別の協力会社も同じ利用環境を使う場合、初期準備だけが最初の会社へ集中することがあります。その設定が現場全体で必要な共通準備であるなら、特定の会社だけの仕事として扱うより、現場共通の作業として整理したほうが実態に合う場合があります。

反対に、特定の工種だけで必要となる設定や記録であれば、現場全体の共通負担として扱うと他の会社との整合が取りにくくなります。この違いを明確にするためにも、作業単位で分解することが必要です。

利用期間についても同じです。新技術を現場へ持ち込んでいた期間と、実際に使用した期間は一致するとは限りません。一部の工程でしか使わなかったのであれば、現場に存在していた期間だけを基準に考えると、実態から離れることがあります。

費用を細かく分類すること自体が目的ではありません。最も重要なのは、元請会社と協力会社が「何について分担を話しているのか」を一致させることです。

対象範囲が曖昧なまま負担割合だけを決めると、後から新しい作業が発生した際に、それが当初の条件へ含まれていたのか判断できなくなります。まず対象作業を明確にし、その後に誰が担当し、どのように費用や工数を扱うのかを考える順序が重要です。

ルール2 導入理由と役割を分けて負担範囲を決める

二つ目のルールは、「誰が新技術を必要としたのか」と「誰が実際に作業するのか」を分けて確認することです。

費用分担では、「元請会社が採用したから元請会社がすべて負担する」「協力会社が操作するから協力会社が負担する」といった単純な整理をしてしまうことがあります。しかし、導入を決めた主体と、実際に作業する主体は同じとは限りません。

まず整理したいのは、新技術を導入した目的です。

工事全体の施工計画を成立させるために必要だったのか、元請会社の施工管理や出来形確認を効率化する目的なのか、協力会社が自社の担当工種を効率化するために提案したのかによって、導入経緯は異なります。

次に、実際の作業を整理します。

元請会社が利用環境を準備し、協力会社が現場で操作する場合があります。反対に、協力会社が取得した情報を元請会社が受け取り、確認や整理を担当することもあります。また、施工そのものは協力会社が行いながら、記録管理は元請会社が担当するケースもあります。

そのため、「誰が機器を持っているか」だけで負担を判断すると、人の作業が見えなくなります。

費用負担と作業負担を別々に確認すると、実態を整理しやすくなります。物や利用環境の準備を誰が行うのか、現場操作を誰が担当するのか、記録を誰が整理するのか、成果を誰が確認するのかというように、工程ごとに役割を確認します。

技術の効果がどこに表れるのかも参考になります。

工事全体の記録作業が効率化される技術であれば、元請会社だけでなく複数の協力会社にも効果が生じる可能性があります。一方、特定の工種にのみ利用する技術であれば、その工種を担当する会社への影響が大きくなります。

ただし、「効果を得る会社が費用を負担する」と自動的に決めるのも避けるべきです。導入を決めた経緯、既存の契約範囲、追加作業の有無、工事途中での変更内容なども合わせて確認する必要があります。

たとえば、当初は必要のなかった記録を、施工開始後に元請会社の管理方針として追加するのであれば、協力会社側に新たな作業が生じていないか確認する必要があります。

反対に、協力会社が自社の担当工程を効率化する目的で独自に導入した作業について、元請会社がすべて負担することを前提にするのも適切ではありません。

複数の協力会社で同じ技術を使う場合には、会社数による単純な均等分担も慎重に考える必要があります。

ある会社は長期間にわたって利用し、別の会社は一工程だけ利用することがあります。また、一社は現場操作だけを行い、別の会社は初期設定や共通準備まで担当していることもあります。利用実態が大きく違うのに会社数だけで分けると、負担と役割が一致しなくなる可能性があります。

重要なのは、「なぜこの会社がこの負担を担当するのか」を説明できる状態にすることです。

導入理由、利用範囲、担当作業、既存契約との関係が整理されていれば、費用分担の話し合いも単なる金額交渉になりにくくなります。作業内容という共通の事実を基準に協議できるため、元請会社と協力会社の双方が判断しやすくなります。

ルール3 着手前に分担条件と変更条件を残す

三つ目のルールは、分担条件をできるだけ作業開始前に確認し、後から確認できる形で残すことです。

新技術を導入するときに起こりやすいのが、「当然、当初の作業範囲に含まれていると思っていた」「追加業務として後から協議すると思っていた」という認識の違いです。

施工が終わってから認識の違いに気付くと、当時の作業内容や指示の経緯を確認するだけでも時間がかかります。関係者が別の現場へ移動していたり、担当者が交代していたりすれば、さらに確認が難しくなります。

そのため、施工を始める前に、今回の新技術活用で何が必要になるのかを確認しておくことが重要です。

ただし、「NETIS関連費用は協力会社が負担する」といった大きなくくりだけを残しても十分ではありません。対象範囲が分からなければ、施工後に解釈が分かれるからです。

今回必要となる準備、設定、現場操作、計測、撮影、日常確認、情報入力、記録整理、成果確認などを整理し、どの部分を誰が担当するのか分かる状態にしておきます。

同時に、変更が生じた場合の扱いも確認しておく必要があります。

建設現場では、当初計画のとおりにすべてが進むとは限りません。当初は一つの工区でしか使わない予定だった技術を、途中から別工区へ展開することがあります。利用日数が増えることもあれば、記録項目が追加されることもあります。

このとき、「多少の変更は当初条件に含める」のか、「利用範囲が変わった時点で協議する」のかが決まっていなければ、現場担当者ごとに判断が変わります。

特に見落とされやすいのが、小さな変更の積み重ねです。

一回数分の入力が追加されただけであれば、その場では大きな問題に感じないかもしれません。しかし、それが長期間毎日続けば、相当な作業時間になる場合があります。逆に、大きな変更に見えても一回限りで終了する作業なら、影響は限定的かもしれません。

変更を見るときには、一回の作業量だけでなく、発生頻度と継続期間も考えることが重要です。

また、担当者が交代しても判断できるようにしておく必要があります。現場担当者同士の口頭確認だけでは、後任者へ正確に伝わらない可能性があります。

見積時の前提、打ち合わせ内容、追加依頼、役割変更などの経緯を関連付けて整理しておけば、「いつ、なぜ条件が変わったのか」を後から確認できます。

ここでの目的は、責任を細かく区切って押し付け合うことではありません。必要な場面で現場が止まらないようにすることです。

新技術は、導入前には予想できなかった運用上の課題が見つかる場合があります。すべてを最初から完璧に決めることは現実的ではありません。その場合でも、分かっている範囲を着手前に整理し、想定外の作業が生じた場合は協議するという基本ルールを共有しておくことで、後からの認識違いを抑えられます。

ルール4 費用と利用実績を照合できる形で記録する

四つ目のルールは、費用や工数だけを記録するのではなく、それに対応する技術の利用実績も残すことです。

新技術の活用では、当初計画と実際の利用状況が変わることがあります。

工事全体で利用する予定だったものの、現場条件によって一部工程でしか使わなかったということもあります。逆に、一工種だけで試す予定だった技術が有効だったため、別工区や別工程へ利用範囲を広げる場合もあります。

利用実績を確認できなければ、当初の費用分担条件が施工後の実態に合っているのか判断しにくくなります。

そこで重要なのが、施工記録と費用管理を照合できる状態にすることです。

たとえば、工区、工種、作業日、施工場所、担当作業など、双方で共通して確認できる項目を持たせておくと整理しやすくなります。

費用に関する記録は月単位なのに、施工実績は場所も工種も分からない日報だけという状態では、後から照合するのに手間がかかります。逆に、作業日と工区が分かり、写真や施工記録と結び付けられていれば、どの工程で新技術が使われたのか確認しやすくなります。

現場写真も重要な情報になります。

どの場所で、いつ、どのような作業を行ったのかを現場写真と施工記録に関連付けて管理すれば、利用実績を振り返る際の手掛かりになります。

特に複数工区を持つ現場や、多数の協力会社が出入りする現場では、単に「使用した」という記録だけでなく、場所との関連が分かることが重要です。

利用できなかった状況も、必要に応じて記録しておくと役立ちます。

天候、工程変更、施工場所の条件などにより、予定していた新技術を使わない日が発生することがあります。工期が延びたからといって、新技術の利用量も同じ割合で増えるとは限りません。

逆に、工期が変わっていなくても、対象工区が増えれば作業量が増える可能性があります。そのため、「何日現場に置いていたか」だけではなく、「どの工程で何回使ったか」「どの範囲を対象にしたか」という実績を見る必要があります。

作業時間についても記録できれば、次の現場計画に役立ちます。

初回導入時には設定や操作確認に時間がかかっても、担当者が慣れれば日常作業は短くなることがあります。一方、利用範囲が広がったことで、施工後の整理作業が増える場合もあります。

こうした実績を残しておけば、今回の費用分担を確認するときだけでなく、次の工事で必要な工数を予測するときにも使えます。

費用分担の透明性を高めるには、「どの程度の負担が発生したか」だけでは十分ではありません。「どの現場で、いつ、何のために、誰がどの作業を行ったか」を追えることが重要です。

NETISに掲載された技術を公共工事などで活用した際には、活用後の効果を整理する運用も行われています。現場内でも同様に、利用したという事実だけで終わらせず、どの条件でどのように使ったのかを残しておくことが、次の判断につながります。

ルール5 条件が変わったときの再協議方法を決める

五つ目のルールは、当初条件を決めるだけで終わらず、何が変わったら費用や役割を再確認するのか決めておくことです。

建設現場では、施工範囲、工程、作業手順、担当会社などが途中で変わることがあります。新技術の利用方法も、それに合わせて変わる可能性があります。

分かりやすいのが、利用範囲の拡大です。

当初は一工区だけで使う予定だったものを別工区にも広げれば、操作回数や記録量が増える可能性があります。それにもかかわらず、当初の分担条件を変更せずに運用すると、実際の負担との差が徐々に大きくなる場合があります。

利用期間の延長も確認が必要です。

ただし、工期が延びたことだけを理由に負担も同じ割合で増えるとは限りません。対象作業がすでに終了している場合は、新技術の作業量が増えないこともあります。

重要なのは、工期や期間といった外形的な数字ではなく、実際に新技術を使う作業がどの程度変わったのかを見ることです。

記録内容の変更も重要です。

施工途中から追加の確認項目や入力項目が必要になれば、現場担当者の作業時間が増えます。各回の作業が小さくても、日々繰り返されるのであれば無視できない負担になる可能性があります。

逆に、導入当初に必要だった確認作業が、運用の定着によって不要になる場合もあります。最初の条件だけを固定的に使い続けるのではなく、現在の作業実態と合っているかを確認することが重要です。

再協議するタイミングも決めておくと運用しやすくなります。

すべてを工事終了時にまとめて確認しようとすると、数か月前の経緯を思い出せない可能性があります。変更が起きた時点で内容を記録し、影響が大きいものはその段階で共有するほうが整理しやすくなります。

また、導入直後の負担だけを見て判断しないことも大切です。

新技術は導入直後に操作確認や教育が必要になるため、一時的に作業が増えることがあります。しかし、運用が定着すると省力化されることもあります。

反対に、現場での作業は短くなったものの、施工後のデータ整理が増え、全体で見ると想定ほど効率化しない場合もあります。

このため、短期間の印象だけで条件を頻繁に変えるのではなく、一定期間の利用実績を見たうえで確認するという考え方も必要です。

再協議の場では、「誰の責任で負担が増えたのか」から始めるより、当初条件と現在の条件で何が変わったのかを整理するほうが実務的です。

対象工区が増えたのか、利用回数が増えたのか、新たな入力が必要になったのか、担当者が変わったのかを明確にすれば、具体的な事実に基づいて協議できます。

協力会社との費用分担を進める実務フロー

ここまでの五つのルールは、それぞれを個別に運用するより、導入前から施工後まで一つの流れとして考えるほうが効果的です。

最初に行うのは、新技術を利用する目的の確認です。

施工時間を短縮したいのか、計測を省力化したいのか、品質確認をしやすくしたいのか、施工記録を整理しやすくしたいのかによって、必要となる作業は異なります。

NETISで確認できる技術であることと、今回の工事条件に適していることは別の問題です。技術情報を確認したうえで、今回の施工条件、工程、利用者、記録方法などに照らして運用を考える必要があります。

目的が決まったら、従来施工との差を整理します。

今回の技術を使わなかった場合に必要な作業と、使うことで追加または削減される作業を比べます。ここで対象業務が分かれば、費用分担について話し合う範囲も明確になります。

次に役割を決めます。

誰が準備するのか、誰が現場で操作するのか、日常確認を誰が行うのか、記録を誰が整理するのか、最終的な確認を誰が担当するのかを整理します。

この段階で重要なのは、「担当会社」だけでなく「担当作業」を残すことです。

同じ協力会社でも、施工期間の前半と後半で担当内容が変わる可能性があります。会社名だけを記録するより、作業との対応を残しておくほうが後から確認しやすくなります。

施工開始後は、予定どおりに運用されているかを確認します。

当初予定した工区で使われているか、利用回数は想定から大きく外れていないか、追加作業が増えていないかを見ます。

変更が発生したら、その場で記録します。すぐに費用条件を変える必要がない場合でも、何が変わったかを残しておけば、後から実績を確認できます。

工事が終わった段階では、費用だけでなく利用結果も振り返ります。

どの工程で効率化したのか、逆に負担が増えた作業は何だったのか、施工記録の整理にどの程度役立ったのかを確認します。

この情報を次の現場へ引き継ぐことで、新技術の導入は単発の試行ではなく、施工計画を改善するための経験になります。

初回の現場で準備に時間がかかったとしても、次回は設定方法や担当範囲が明確になり、より効率的に導入できるかもしれません。反対に、想定より管理負担が大きかったのであれば、次回は対象範囲を限定するという判断もできます。

NETIS活用費用を単なる精算項目として管理するのではなく、現場運営を改善するための情報として蓄積することが重要です。

費用分担で認識違いが起きやすい場面

費用分担の考え方を理解していても、現場では認識違いが生じることがあります。特に注意したいのが、施工開始後に新技術の利用が決まり、役割確認をしないまま作業を始めるケースです。

現場では工程を優先するため、「とりあえず使い始めて、詳細は後で決める」という対応になることがあります。

しかし、そのまま数週間、数か月と利用を続けると、何が当初作業で何が追加作業だったのか分からなくなります。

元請会社では通常業務の一部だと考えていた一方、協力会社では追加業務として認識していたという食い違いも起こり得ます。

完全な条件整理ができなくても、利用開始前に少なくとも対象作業と担当範囲だけは確認しておくほうが安全です。

次に注意したいのが、機器や利用環境を用意した会社だけを負担者と考えるケースです。

新技術の運用では、目に見える設備より、人の作業時間のほうが大きな負担になることもあります。

元請会社が利用環境を準備していても、日々の操作や記録作成を協力会社が行えば、協力会社側には継続的な作業が発生します。

逆に、現場での操作は協力会社が短時間で終えていても、元請会社側で取得情報を毎日整理しているのであれば、管理側の負担も確認しなければなりません。

複数の協力会社が利用するときも認識違いが生じやすくなります。

最初に現場へ入った会社が設定や準備を担当し、後から入った会社は完成した環境を使うだけという状態では、最初の会社へ準備負担が集中します。

その準備が特定工種のためのものなのか、現場全体で必要なものなのかを確認しないと、不公平感につながることがあります。

また、「新技術を導入すれば効率化するのだから、多少作業が増えても問題ない」と期待だけで判断することにも注意が必要です。

実際の効果は、現場条件、利用頻度、担当者の習熟度、施工方法などによって変わります。

導入直後には従来より時間がかかる場合もあります。逆に、最初は準備が必要でも、一定期間利用することで大幅に作業が簡略化される場合もあります。

効果を推測だけで決めるのではなく、実績を確認することが必要です。

さらに、新技術の運用が特定担当者へ集中することもリスクになります。

一人だけが設定方法や保存場所を理解している状態では、その担当者が不在になっただけで作業が止まる可能性があります。

費用分担を考える際にも、単に「誰が操作したか」だけではなく、誰が運用方法を理解し、誰が記録を確認できる状態なのかという視点が必要です。

NETIS活用の効果は支出額だけで判断しない

NETIS活用費用を協力会社と分担する以上、費用管理は重要です。しかし、新技術の効果を支出額だけで判断すると、本来の目的を見失うことがあります。

新技術を利用する目的には、現場作業時間の短縮だけでなく、計測作業の省力化、確認作業の効率化、施工記録の充実、手戻りの削減、安全性への配慮など、さまざまなものがあります。

たとえば、施工そのものに要する時間が変わらなくても、施工後の写真整理や記録作成が効率化すれば、工事全体では負担が減る可能性があります。

反対に、現場作業は早くなっていても、その後の情報整理や確認に大きな時間を使うのであれば、全体では期待した効果が得られないかもしれません。

そのため、導入効果を確認するときには、一部分だけを見るのではなく、準備から施工、記録、確認、成果整理までの一連の流れを見る必要があります。

これは協力会社との費用分担にも関係します。

元請会社の管理時間が減った一方、協力会社の入力作業が大幅に増えているのであれば、現場全体の最適化になっているのか確認する必要があります。

逆に、協力会社の施工時間が短縮され、元請会社側の確認作業も整理されたのであれば、双方に効果が生じている可能性があります。

新技術を継続的に活用するなら、一現場だけで結論を出さないことも重要です。

初回は操作方法を覚えるために時間がかかることがあります。初期設定の手順も定まっていないため、準備が長くなる場合があります。

二回目以降に同様の工事で使えば、手順が標準化され、初回には必要だった確認作業を減らせる可能性があります。

一方で、利用回数を重ねても継続的に大きな作業が必要なのであれば、その作業は一時的な導入負担ではなく、通常運用として考える必要があります。

その判断に必要なのが実績です。

初期設定にどれだけの時間が必要だったか、毎日の作業に何分程度かかったか、どの工程で効果が出たか、どの場面で追加作業が発生したかを残しておけば、次の工事ではより現実的な役割分担を検討できます。

NETISを通じて新技術を探すことを、単に新しい機器や方法を導入する作業として考えるのではなく、現場の業務そのものを見直すきっかけとして捉えることが重要です。

費用分担についても同じで、支出をどちらへ付けるかだけではなく、現場全体の作業がどのように変わったのかを見ることで、より納得感のある運用につながります。

まとめ

NETIS活用費用を協力会社と分担するときに重要なのは、最初に負担割合を決めることではありません。

まず、新技術を利用することで何の作業が必要になるのかを整理し、従来から行っていた作業と、新たに追加される作業を分けることが出発点です。

次に、誰が技術を導入したのかだけではなく、なぜ導入するのか、誰が実際に作業するのかを確認します。

元請会社か協力会社かという立場だけで判断すると、実際の負担と一致しない場合があります。導入目的、対象工種、利用範囲、担当業務、既存契約との関係を確認し、説明できる形で整理することが重要です。

条件が決まったら、作業開始前に共有します。

対象範囲を曖昧にしたまま負担者だけを決めるのではなく、どの作業を誰が担当するのか、条件が変わったらどのように再確認するのかまで共有しておけば、施工後の認識違いを減らせます。

施工開始後は、利用実績を記録します。

いつ、どこで、どの工程に新技術を使ったのか、誰がどの作業を担当したのかが分かれば、当初計画と実績を比較できます。

工事期間が延びた、対象工区が増えた、入力項目が追加されたといった変化があった場合は、工事終了まで放置せず、変化した時点で内容を残すことが重要です。

小さな作業でも長期間繰り返せば大きな負担になります。一方で、大きく見える変更でも一回だけで終わる場合があります。期間だけ、回数だけといった一つの指標で判断せず、実際の作業内容を確認する必要があります。

また、NETIS活用を費用精算だけの問題として考えないことも大切です。

新技術の導入によって施工、計測、確認、記録整理などがどのように変化したのかを記録しておけば、次の現場で導入可否を判断するときにも活用できます。

初回導入で必要だった準備時間や教育時間、日々の運用工数、利用しやすかった工程、想定外の追加作業などを蓄積すれば、次回は導入前からより現実的な役割分担を設定できます。

特に元請会社と複数の協力会社が関わる現場では、「誰が、いつ、どこで、何を行ったか」を確認できる施工記録が重要になります。

費用を分担するためだけに記録を残すのではなく、施工管理を継続的に改善するための情報として整理しておくと、NETISで確認した新技術を次の工事へ展開するときにも役立ちます。

現場写真・位置情報・施工記録を管理するLRTK Phoneを活用すれば、日々の現場情報を施工場所と関連付けながら整理できます。新技術を利用した場所や日時、施工状況、現場写真などを継続的に残しておけば、後から利用範囲や担当作業を確認しやすくなります。

NETIS活用費用を協力会社と適切に分担するためには、費用そのものだけではなく、その背景にある施工実績を確認できることが重要です。LRTK Phoneを含む記録環境を整え、施工場所、作業内容、写真、利用状況を日常的に蓄積しておくことで、費用分担の説明だけでなく、施工管理の改善や次回の新技術活用にもつながる情報基盤をつくることができます。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

LRTK Phoneの使い方・実例を見る
資料請求導入相談
現場をスマホで3DスキャンLRTK Phone実例を見る

技術記事一覧へ戻る →