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NETIS活用で緊急工事に対応するための5つの事前準備策

豪雨、地震、土砂災害、道路損傷、河川施設の異常、設備故障などによって緊急工事が必要になると、通常工事とは異なる判断の速さが求められます。現場では安全確保を最優先にしながら、被害状況の把握、施工方法の決定、必要な人員と資機材の手配、発注者との協議、施工記録の作成までを短時間で進めなければなりません。このような状況で新しい技術を活用しようとしても、発災後に一から技術を探し始めたのでは、比較や確認に時間がかかります。

そこで重要になるのが、NETISを平常時から情報収集と技術選定に活用し、緊急工事で使う可能性のある技術を事前に整理しておくことです。NETISは、公共工事などで新技術の情報を収集・提供し、技術活用の検討に役立てるために整備されている仕組みです。一方、NETISへの掲載そのものが個々の現場への適合性や性能を一律に保証するものではありません。そのため、掲載情報を確認したうえで、現場条件、要求品質、安全条件、施工体制などを踏まえて適用可能性を判断することが欠かせません。

緊急工事への対応力を高めるポイントは、特別な技術を数多く知ることだけではありません。どの状況で何を確認し、誰が判断し、どのような情報を残すのかを平常時に決めておくことが重要です。本記事では、「NETIS」で情報を探している建設・土木分野の実務担当者に向けて、緊急工事で新技術を活用しやすくするための5つの事前準備策を解説します。

緊急工事ではNETISを発災前から活用することが重要

NETISを緊急工事に活用すると聞くと、災害や事故が発生してから検索し、その場で使えそうな技術を選定するイメージを持つかもしれません。しかし、実務では発災後の時間が限られているため、平常時の準備が大きな意味を持ちます。

緊急工事では、最初に安全確保と被害状況の把握を行い、その後、応急措置や復旧方法を検討します。道路であれば通行規制、河川であれば増水や洗掘、斜面であれば崩落や二次災害など、通常工事にはない制約が生じる可能性があります。現場への進入可能時間が限定される場合もあり、十分な測量や詳細調査を実施してから施工方法を決められるとは限りません。

こうした状況では、新技術に関する情報を発生後に集めるのではなく、あらかじめ「どのような緊急事象に、どの種類の技術が使えそうか」を整理しておく方法が有効です。

例えば、短時間で現況を記録する技術、離れた位置から状態を把握する技術、測量作業を省力化する技術、施工位置を確認しやすくする技術、出来形や施工状況を記録する技術など、緊急工事で必要になりやすい機能を分類しておくと、発災後の検索範囲を絞れます。

NETISは、新技術に関する情報を検索し、公共工事などでの活用を検討する際の情報源として利用できます。発注者側でも掲載情報を検索して検討でき、情報共有に利用できる仕組みとして位置付けられています。

ただし、NETISに掲載されているからといって、あらゆる緊急工事でそのまま利用できるわけではありません。地形、施工規模、天候、通信状況、必要精度、施工時間、周辺環境などによって適否は変化します。また、契約条件、設計図書、現場の安全管理上の要求、発注者との協議内容も確認する必要があります。

そのため、NETIS活用における事前準備とは、単に登録技術の名称を一覧化することではありません。緊急工事で発生しそうな課題と技術の機能を対応付け、実際に使える状態まで準備しておくことが重要です。

事前準備策1 緊急工事の想定場面と解決したい課題を整理する

最初の準備は、自社や担当現場でどのような緊急工事が発生する可能性があるのかを想定することです。NETISで技術を検索する前に、「何を解決するための技術なのか」を明確にしておかなければ、候補を効率よく絞り込めません。

例えば道路工事に関わる場合、豪雨による路肩の崩壊、法面の変状、舗装面の陥没、構造物周辺の損傷などが考えられます。河川工事であれば、護岸の損傷、洗掘、堆積、越水後の地形変化などが想定されます。造成や斜面工事では、盛土の変状、法面崩壊、排水施設の損傷などが緊急確認の対象になる可能性があります。

この段階では、具体的な技術から考えるよりも、現場で必要になる作業を整理することが重要です。

例えば、被災範囲を短時間で把握したい、危険箇所に長時間立ち入らずに記録したい、施工前後の地形を比較したい、復旧位置を現場で確認したい、発注者へ現況を迅速に説明したい、といった形で目的を明確にします。

さらに、「必要な結果は何か」まで決めておくと技術を選びやすくなります。単に現場を撮影できればよいのか、位置情報付きの記録が必要なのか、距離や高さを把握したいのか、三次元データが必要なのかによって適した技術は異なります。

必要精度も重要です。緊急時には迅速な概況把握が優先される場面と、復旧施工の基準として一定の精度が求められる場面があります。両者を混同すると、必要以上に作業時間をかけたり、逆に目的に対して精度が不足したりする可能性があります。

そこで平常時に、「初動確認」「詳細調査」「応急施工」「復旧施工」「完成確認」など、工程ごとに必要な情報を整理しておくと便利です。同じ現場でも、初動では写真と概略位置が重要になり、その後の施工では座標や高さが重要になることがあります。

この課題整理を行っておけば、NETISを検索する際にも、「災害」という広い言葉だけで探す必要がありません。測量、省人化、安全対策、施工管理、出来形確認など、実際の目的に近い観点から技術情報を確認できます。

緊急工事で技術を早く選ぶためには、検索速度よりも検索前の課題整理が重要です。自社が対応する工種や地域特性を踏まえ、どのような事象が起こり、その際に何を確認する必要があるのかを平常時に言語化しておくことが第一の準備策です。

事前準備策2 NETISで候補技術と適用条件を事前に確認する

二つ目は、想定した課題に対応できそうな技術をNETISで事前に確認し、候補を絞っておくことです。

ここで重要なのは、技術名だけを控えるのではなく、その技術がどのような条件で利用できるのかまで確認することです。緊急工事では時間が限られるため、現場に到着してから初めて適用条件を読み込んでいると、初動が遅れる可能性があります。

確認したいのは、技術の目的、従来方法との違い、適用できる工種や条件、必要な機材、施工手順、期待される効果、注意事項などです。

特に重要なのが適用条件です。例えば屋外で使用する技術であっても、降雨、強風、積雪、夜間、高温、低温、粉じんなどの条件によって運用に制約が生じる可能性があります。通信を利用する技術であれば、山間部や地下、災害直後の通信障害時にも運用可能かを確認しておく必要があります。衛星測位を利用する場合には、上空の開け方や周囲の構造物なども結果に影響することがあります。

また、緊急工事で使用する可能性がある場合は、通常時に一度操作しておくことが重要です。資料を読んだだけでは、準備時間、操作方法、データ保存方法、現場から事務所への情報共有方法などの実務上の課題を把握できないことがあります。

実際に試すことで、「電源を入れてから作業開始まで何が必要か」「一人で扱えるか」「手袋を着用した状態で操作できるか」「雨天時の運用方法はどうするか」「データを誰に渡せばよいか」といった具体的な課題が見えてきます。

NETISの情報は、新技術活用を検討するための重要な参考資料ですが、掲載されていること自体を国による性能保証や認証と捉えるべきではありません。公式の案内でも、掲載情報は新技術活用のための参考情報であり、掲載そのものが技術の証明や認証を意味するものではないことが示されています。

したがって、候補技術を選ぶ際には、「NETISにあるから使える」と判断するのではなく、「自社の想定する緊急工事に適用できる条件がそろっているか」という視点で確認することが大切です。

さらに、候補を一つだけに固定しないこともポイントです。同じ目的でも、現場条件によって適した方法が変わるためです。例えば広い場所では有効でも狭い場所では扱いにくい技術や、通信環境の良い場所では効率的でも圏外では十分に機能しない仕組みも考えられます。

平常時に複数の選択肢を確認し、それぞれの適用条件を把握しておけば、緊急時にも現場条件に応じて技術を選びやすくなります。

事前準備策3 発注者との協議と社内判断の流れを決めておく

三つ目の準備は、誰が技術活用を判断し、誰と協議し、どのように実施を決定するのかを決めておくことです。

緊急工事では、優れた技術を準備していても、意思決定の流れが曖昧だと活用開始までに時間がかかります。現場担当者が有効だと考えていても、社内承認の担当者が不明だったり、発注者への説明資料を作成する手順が決まっていなかったりすると、貴重な時間を失う可能性があります。

平常時に決めておきたいのは、現場からの連絡を受ける担当者、技術的な適用可否を判断する担当者、発注者との協議窓口、安全管理を確認する担当者、記録を整理する担当者です。

ただし、役割を細かく分けすぎると、緊急時に担当者へ連絡できない場合に対応できなくなります。そのため、主担当だけでなく代替担当まで決めておくことが有効です。

さらに、発注者へ説明するときに必要になる情報も事前に整理しておきます。例えば、なぜその技術を使うのか、従来方法ではどのような課題があるのか、どの工程で使用するのか、安全上の問題はないか、得られた結果を何に利用するのか、といった情報です。

この説明内容のひな型を平常時に作っておけば、緊急工事ごとに一から文書を作成する負担を軽減できます。ただし、現場条件は毎回異なるため、ひな型をそのまま使用するのではなく、現地状況に合わせて内容を確認する必要があります。

NETIS技術を活用する工事では、案件や技術の扱いなどに応じて、活用計画や実施結果、活用効果に関する手続きが関係する場合があります。国土交通省の案内でも、活用する技術等によって作成する内容が異なることが示されています。

そのため、「緊急だから記録や手続きは後で考えればよい」という運用は避けたほうがよいでしょう。何が必要になるかを事前に確認し、可能な範囲で準備しておくことが重要です。

一方で、NETIS活用の手続きを優先するあまり、緊急時の安全確保や契約上必要な確認を後回しにしてはいけません。現場では発注条件、設計図書、施工計画、安全管理上のルール、発注者との協議結果などを踏まえて判断する必要があります。

NETISを活用しやすい会社は、技術を多く知っている会社だけではなく、「使いたい技術が出てきたときに誰が何をするか」が決まっている会社です。緊急工事ほど、この連絡と判断の流れを平常時に整えておく効果が大きくなります。

事前準備策4 人員・機材・通信環境まで含めて実施体制を準備する

四つ目は、選んだ技術を現場で実際に使用できる体制を準備することです。

技術情報を確認し、社内で採用候補として整理していても、必要な機材が手元になければ緊急工事では役に立ちません。また、機材があっても操作できる担当者が一人しかいなければ、その担当者が別現場へ出ていると対応できない可能性があります。

そこで事前準備では、「技術」ではなく「作業一式」として考える必要があります。

まず確認したいのが人員です。操作できる人を複数育成し、基本的な使用方法だけでなく、現場で起こりやすいトラブルへの対応も共有します。緊急時は通常より少ない人数で現場へ向かう場合もあるため、最低何人で運用できるのかを確認しておくことも大切です。

次に機材です。本体だけでなく、電源、予備電源、保護用品、固定具、記録媒体、充電手段など、作業を成立させるために必要なものを確認します。災害対応では長時間の停電や電源確保の難しさも考えられるため、通常工事と同じ準備では不足する可能性があります。

通信環境への対応も重要です。クラウドを利用する仕組みや外部とのデータ共有を前提とする場合、通信障害が発生したときの運用を決めておきます。通信できなければ作業そのものが停止するのか、現場内には保存でき後から送信できるのかという違いは、緊急工事では大きな差になります。

また、現場へ持ち出す機材を毎回一から集めるのではなく、必要なものをすぐ確認できる状態にしておくと初動時間を短縮できます。保管場所や充電状態、点検担当者を決め、定期的に動作を確認しておく方法が有効です。

測量や位置情報を扱う場合は、現場で利用する座標や高さの基準にも注意が必要です。緊急時には複数の担当者や協力会社が同時に作業することがあり、それぞれが異なる基準で記録すると、後から情報を統合するときに問題が生じます。

そこで、どの座標系を利用するのか、高さは何を基準にするのか、既知点をどのように確認するのかといった基本条件をあらかじめ共有しておきます。緊急時に仮の基準を設定した場合は、その内容を記録し、後日正式な基準との関係を確認できるようにしておくことも重要です。

さらに、技術が使用できない状況も想定します。機材故障、通信障害、電池切れ、悪天候、立入規制などによって予定していた方法が利用できないことがあります。緊急工事では一つの機材や一つの方法への依存を避け、最低限必要な作業を継続できる代替手段を準備しておくことが安全な運用につながります。

事前準備策5 写真・位置情報・施工結果を記録できる状態にする

五つ目は、緊急工事の記録方法を事前に決めることです。

緊急工事では、施工そのものを早く終わらせることに意識が集中しやすく、記録が後回しになることがあります。しかし、緊急時ほど施工前の状況、判断の根拠、施工位置、施工後の状態を記録しておくことが重要です。

災害現場では状況が短時間で変化します。崩落した土砂を撤去すれば施工前の状態は残りません。応急的に埋め戻した場所も、その後舗装すれば内部を確認できなくなります。仮設材を撤去すれば、その設置位置や施工状況を写真だけから判断することが難しくなる場合があります。

そのため、記録は「工事が終わってからまとめるもの」ではなく、「工事と同時に取得するもの」と考える必要があります。

事前に決めておきたいのは、写真の撮影方法、撮影位置の扱い、ファイル名や案件名の付け方、施工前後を対応させる方法、データの保管先、現場から事務所へ共有する方法などです。

特に写真は枚数が多くなるほど管理が難しくなります。後から見たときに、どこを撮影した写真なのか分からなければ、記録として利用しにくくなります。緊急工事では複数班が撮影を行うこともあるため、位置情報や時刻、作業区分などを結び付けられる仕組みが有効です。

位置情報についても同様です。「現場北側」「斜面付近」といった説明だけでは、後日詳細な位置を特定できない場合があります。施工箇所、確認箇所、異常箇所などを位置情報と関連付けておけば、発注者への説明や追加調査にも活用しやすくなります。

また、新技術の効果を確認するためには、使用後の結果だけではなく、使用前の条件も記録しておく必要があります。従来方法と比べて作業時間がどう変化したのか、必要人員に違いがあったのか、安全面でどのような変化があったのかなどを検討する場合、比較の基準となる情報がなければ適切に評価できません。

国土交通省では、NETIS登録技術の活用に関し、対象となる場合には活用効果について発注者側と施工者側が情報を整理する仕組みを設けています。 緊急工事であっても、技術を使ったという事実だけを残すのではなく、どこで、どのような条件で、どのような結果が得られたのかを整理できるようにしておくことが重要です。

こうした記録は、NETIS関連の手続きだけを目的とするものではありません。将来同様の災害が発生したときに、「前回はどの方法で対応したか」「どの機材が必要だったか」「どの地点で問題が発生したか」を振り返る社内資料にもなります。

緊急工事を一度限りの対応で終わらせず、次回の初動を速くするための知識として残すことが、長期的な対応力の向上につながります。

緊急時には代替手段まで準備しておく

5つの事前準備策を進める際に共通して意識したいのが、代替手段です。

緊急工事では、平常時には起こりにくい問題が同時に発生する可能性があります。道路が通行できず予定していた機材を運べない、停電によって充電できない、通信障害によってデータを送信できない、悪天候で機器を利用できないなど、さまざまな条件が考えられます。

そのため、準備段階から「第一候補の方法が使えなかったらどうするか」を決めておく必要があります。

例えば、現場と事務所をオンラインで接続する運用を想定しているなら、通信できない場合に現地へデータを保存する方法を決めます。位置情報を利用する作業であれば、良好な測位状態を確保できない場所でどのように記録するかを考えます。自動化された計測方法を利用する場合でも、異常値が出たときに別の方法で確認できる体制を整えます。

これは新技術を信用しないという意味ではありません。緊急工事では、一つの方法に依存しすぎないことがリスク管理として重要だからです。

新技術を活用するときほど、「使える条件」と「使えない条件」の両方を把握しておく必要があります。NETISで候補技術を確認するときも、メリットだけを見るのではなく、適用範囲や注意事項を確認し、自社の現場で問題になりそうな条件を洗い出しておくとよいでしょう。

NETIS活用で起こりやすい事前準備不足

緊急工事でNETISをうまく活用できない原因は、技術そのものの不足より、事前準備の不足にあることが少なくありません。

代表的なのが、候補技術を名前だけで管理している状態です。技術名や概要を一覧にしていても、必要な機材、適用条件、操作できる担当者などが分からなければ、緊急時には再調査が必要になります。

次に、現場条件を確認せずに利用を前提としてしまうケースです。平常時の試験では問題なくても、災害現場では足場、天候、照明、通信、電源などの条件が大きく異なる可能性があります。

また、操作方法を知っている担当者が限定されていることもリスクです。緊急工事はいつ発生するか分かりません。夜間や休日に発生した場合でも対応できるよう、最低限の操作方法を複数人が理解しておくことが望まれます。

記録方法を決めていないことも問題になります。多数の写真や計測データを取得できても、後から撮影場所や施工内容との関係が分からなければ、活用価値は下がります。保存場所が担当者ごとに異なれば、必要な情報を探すだけで時間を要します。

もう一つ注意したいのが、新技術の導入そのものを目的にしてしまうことです。

NETISを活用する目的は、技術を使うこと自体ではありません。現場の課題を解決し、品質、安全性、生産性などの改善につなげることが重要です。現場条件によっては、従来の方法を使用したほうが迅速で確実な場合もあります。

したがって、平常時の準備では「NETIS技術を必ず使う」というルールではなく、「どの条件なら活用を検討するか」という判断基準を作ることが実務的です。

平常時の訓練が緊急工事の初動を変える

緊急工事への準備を完成させるためには、資料を作るだけではなく、実際に動いて確認することが重要です。

例えば、緊急連絡を受けたという想定で、担当者を決め、必要機材を準備し、現場で計測や撮影を行い、結果を事務所へ共有するところまで一度試してみます。これだけでも、書類上では気付かなかった課題が見つかります。

機材を保管している場所が分かりにくい、充電されていない、必要な付属品が別の場所にある、操作できる人が限られている、現場から送られたデータを誰が確認するのか決まっていない、といった問題は、実際に訓練しなければ発見しにくいものです。

訓練では、理想的な条件だけでなく、意図的に問題を設定してみる方法もあります。通信できない、担当者一人が不在、予定していた機材が使用できないといった条件を設定すると、代替手段が本当に機能するか確認できます。

また、訓練後は結果を振り返り、候補技術や手順を更新します。NETISの掲載情報や社内で使用可能な技術、担当者の配置、現場条件などは時間とともに変わる可能性があります。以前作成した一覧を保存するだけではなく、定期的に見直すことが重要です。

このとき、「何月に誰が見直すか」まで社内で決めておけば、担当者任せになりにくくなります。

緊急工事への対応力は、発災後に突然高められるものではありません。候補技術の整理、連絡体制、機材管理、操作教育、記録方法を平常時に積み重ねることで、必要なときに短時間で行動できるようになります。

NETISを単なる検索サイトとして利用するのではなく、こうした準備を進めるための技術情報源として日常業務に取り入れることが、緊急時の実行力向上につながります。

まとめ

NETISを緊急工事に活用するためには、発災後に技術を検索するだけでは十分ではありません。重要なのは、平常時から緊急事象を想定し、現場の課題と候補技術を結び付けておくことです。

第一の準備策は、どのような緊急工事が想定され、そのとき何を把握しなければならないのかを整理することです。第二は、NETISで候補技術を確認し、機能だけでなく適用条件や注意事項まで把握することです。第三は、社内判断と発注者との協議の流れを決め、必要な説明や手続きへ速やかに移れる状態を作ることです。第四は、人員、機材、電源、通信環境などを含めて実施体制を準備することです。そして第五は、施工前後の写真、位置、作業内容、施工結果を後から確認できる記録体制を整えることです。

この5つを準備しておけば、緊急時に「どの技術を使うか」だけでなく、「誰が判断し、何を持って現場へ行き、何を確認し、どのように記録するか」まで一連の行動として整理できます。

同時に忘れてはいけないのが、NETISの掲載情報は技術選定のための参考情報であり、個々の現場での適用性を一律に保証するものではないという点です。現場条件、安全管理、要求品質、設計図書、発注者との協議内容などを確認し、その工事に適した方法を判断する必要があります。

特に緊急工事では、現場写真と位置情報を確実に残す仕組みが重要です。災害直後の状況は復旧作業によって短時間で変化し、施工後には当初の状態を確認できなくなることがあります。撮影場所や時刻、施工内容を整理しながら記録できれば、現況把握だけでなく、発注者への説明、施工前後の比較、追加工事の検討、社内での振り返りにも利用しやすくなります。

こうした緊急時の現場記録を効率化したい場合には、現場写真・位置情報・施工記録を管理できるLRTK Phoneを活用する方法があります。日常の工事から位置情報と現場記録を結び付ける運用に慣れておけば、緊急工事でも同じ考え方で情報を残しやすくなります。NETISによる新技術の事前調査とあわせて、現場で取得した情報を確実に記録・共有できる体制を平常時から整えることが、緊急時の迅速な判断と復旧作業を支える準備になります。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

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