LRTKレフィクシア株式会社

座標ナビで電線共同溝の分岐管位置を舗装前に出す6つの方法

電線共同溝の分岐管位置を舗装前に出す意味

電線共同溝工事では、管路や特殊部を施工して埋め戻した時点で、重要な構造物の多くが地表から見えなくなります。電線共同溝は道路地下に管路などを整備する工事であり、施工前には既設埋設物の状況を把握し、現地条件と設計図書を照合しながら施工することが重要です。国の工事仕様でも、電線共同溝の位置や線形について事前に地下埋設物や現状を測量・調査することが示されています。

その中でも管理が難しくなりやすいのが分岐管の位置です。分岐管は本体管路や特殊部から沿道側などへ向かうため、道路中心線と平行ではない場合があります。さらに、施工時には既設埋設物を避けるために平面位置や方向が調整されることがあり、設計図だけを見ても完成後の正確な位置を判断できない場合があります。

管路が露出している間であれば、現物を見ながら位置を確認できます。しかし埋戻しが進み、路盤が施工され、最終的に舗装されると、分岐管は完全に地下へ隠れます。その後に引込工事や追加施工、維持管理などで位置を探そうとすると、平面図に記載された寸法や周辺構造物からの距離を頼りに位置を復元しなければなりません。

ここで役立つ考え方が座標ナビです。分岐管の位置を単なる「縁石から何m」「特殊部から何m」という寸法だけではなく、現場で再現できる座標として管理しておけば、埋め戻した後でも目的位置へ直接近づけます。

座標ナビで重要なのは、単にGNSS受信機を持って目的点へ移動することではありません。どの点を分岐管位置として定義するのか、どの座標系を使用するのか、施工変更をどのタイミングで反映するのか、どの程度の誤差を許容するのかまで決めて初めて、実務で利用できる位置管理になります。

また、「舗装前に出す」とは、必ずしも分岐管そのものを掘り出すことを意味しません。ここでは、埋戻しや路盤施工後の段階で、地下にある分岐管の位置を地表上へ復元し、マーキングや確認点として示せる状態にすることを指します。これによって舗装後に位置情報が失われることを防ぎ、後工程へ引き継ぎやすくなります。

国土交通省が示す電線共同溝整備の一般的な工程でも、管路敷設などの地下工事を経て舗装復旧へ進みます。つまり、地下構造物を直接確認できる期間には限りがあります。 分岐管を座標として記録し、さらに舗装前に座標ナビで再確認することには大きな意味があります。

方法1 設計図から分岐管の座標を整理する

最初の方法は、施工前に設計図から分岐管の位置情報を整理し、座標ナビで利用できる形へ変換することです。

座標ナビを現場で使用するためには、目的地点の座標が必要です。ところが電線共同溝の図面では、すべての分岐管位置がそのまま平面直角座標などで記載されているとは限りません。道路測点、道路中心線、官民境界、特殊部、縁石などを基準として寸法表示されている場合もあります。

そこで、まず図面上で何を分岐管の管理点とするかを決めます。例えば、分岐開始位置、管端位置、道路境界付近の通過位置などです。同じ「分岐管位置」という言葉でも、担当者によって認識している点が異なると、座標ナビで誘導した場所と実際に確認したい場所が一致しません。

特に注意したいのが管端と分岐開始点の混同です。数mの分岐管であれば、入口と出口では当然ながら位置が異なります。管理点名称を単純に「分岐1」とするのではなく、どの部分を示しているかが後から分かる名称にしておくと、再利用するときの間違いを減らせます。

設計図上の寸法から座標を求める場合は、道路中心線や基準となる座標点との関係を確認します。道路線形が直線であれば比較的分かりやすいものの、曲線区間では単純な東西南北方向への距離換算では位置を求められません。道路測点や線形計算に基づき、設計上の位置を適切に座標へ変換する必要があります。

さらに、平面位置だけでなく高さも必要かどうかを最初に判断します。後工程で「この地点の地下に分岐管がある」ことだけを知りたいのであれば平面座標が中心になります。一方、掘削深さの検討や他の地下埋設物との離隔確認まで行うのであれば、高さ情報も重要です。

ただし、高さは地表へ位置を出す作業とは別の誤差要因を含みます。座標ナビによる水平位置の誘導と、管底高や管中心高などの出来形管理を同一の精度だと考えないことが重要です。高さについて厳密な管理が必要な場合は、施工計画や仕様に応じた測量方法と組み合わせます。

設計段階で座標データを整理する最大のメリットは、現場で図面を見ながら毎回位置を計算しなくてよくなることです。施工前、管路施工時、埋戻し前、舗装前という複数のタイミングで同じ座標を呼び出せるため、位置確認の基準を統一できます。

ただし、設計座標はあくまで施工前の基準です。既設埋設物との干渉などによって現地で位置を変更した場合、設計座標をそのまま完成位置として扱ってはいけません。後述する出来形座標へ更新する仕組みまで含めて運用することが重要です。

方法2 現場基準点と座標系を施工前に照合する

2つ目の方法は、座標ナビを開始する前に、現場で使用している基準点と座標系を照合することです。

座標ナビで目的座標を入力できても、座標の基準が違っていれば正しい場所には誘導されません。数値の桁が似ているため一見すると問題なく見えても、異なる座標系や現場独自の座標を混在させると、大きな位置ずれにつながる可能性があります。

電線共同溝工事では、道路工事の測量成果、設計図、施工用データ、既設構造物の測量成果など、複数のデータを扱う場合があります。そこで座標ナビへ点を登録する前に、使用する座標系、測地基準、標高の扱い、座標軸の向きなどを確認しておきます。

確認方法として有効なのが、既知点での照合です。現場に座標が確定している基準点や確認点がある場合、その地点で座標ナビの表示値と既知座標を比較します。目的点へ誘導する前に既知点で整合性を確認することで、座標設定の間違いやデータ入力の問題を早い段階で見つけやすくなります。

この照合作業は、初日に一度行えば終わりとは限りません。受信環境や補正情報の状態、機器の設定、現場条件などが変化する可能性があります。重要な位置出しを行う前には、基準となる点で再確認する運用が安全です。

また、現場独自の任意座標を使っている場合は特に注意が必要です。設計図上ではX、Yの数値が与えられていても、それが公共座標なのか、工事内だけで使用する任意座標なのかによって扱いは変わります。座標ナビへ取り込む前に、座標データの出所を明確にします。

座標系の取り違えは、現場で数cmを詰める以前の問題です。高精度な測位ができていても、入力している目的座標そのものが別の基準であれば正しい位置には到達できません。そのため、座標ナビ運用では「機器の精度」より前に「座標の整合」を確認することが基本になります。

施工班と測量担当者の間でも共通認識を作ります。例えば同じ点名を使用し、同じ座標ファイルを参照し、変更が生じた場合は旧データをそのまま使わないよう管理します。座標ナビを複数人で使用する現場ほど、このデータ管理が重要になります。

方法3 分岐管の中心点と方向点をセットで座標化する

3つ目の方法は、分岐管を1点だけで管理せず、方向が分かるように複数の管理点を設定することです。

分岐管の位置管理では、管端の1点だけを記録すれば十分だと考えやすいのですが、後から掘削するときには「その点から管がどちらへ伸びているか」も重要です。1点だけでは、地下の管路方向を判断できません。

そこで、分岐開始点と管端、あるいは管路上の2点以上を座標として記録します。2点が分かれば、平面上で分岐管のおおよその方向を復元できます。分岐管が折れ曲がっている場合には、曲がり位置にも管理点を設けます。

例えば、特殊部から沿道方向へ直線的に分岐している場合、特殊部側の分岐位置と管端位置を記録します。舗装後に管端位置を確認したいときは管端座標へ誘導でき、管路途中を確認したいときは2点を結ぶ線から概略位置を判断できます。

これは地下構造物の維持管理でも役立ちます。将来、別工事で掘削範囲を検討するとき、単独の点情報よりも線として位置を把握できる方が干渉範囲を判断しやすくなります。

さらに、分岐管に複数条の管が並ぶ場合には、何を代表点として測定したのかを明確にします。管群の中心なのか、外側の管中心なのか、管端の中心なのかが曖昧だと、後で座標を利用するときに解釈が分かれてしまいます。

座標値だけを保存するのではなく、点名そのものにも意味を持たせると管理しやすくなります。例えば地点番号と役割が結び付く命名規則を現場内で決めておけば、数か月後や別担当者が確認するときにも理解しやすくなります。

ただし、点名を細かくしすぎると入力間違いが増えるため、現場で継続できる程度に統一します。大切なのは、座標値を見た人が「何を測った点なのか」を判断できることです。

また、分岐管の方向を地表へ復元するときは、2点を座標ナビで順番に出す方法が利用できます。最初に管端位置を地表へマーキングし、次に分岐開始側の点をマーキングすれば、その2点を結ぶことで地下の管路方向を現場上に表現できます。

1点の位置出しから線形の復元へ広げることで、座標ナビは単なるポイント探索ではなく、地下構造物の配置を地表上で理解するための道具になります。

方法4 埋戻し前の実測座標を出来形情報として残す

4つ目の方法は、分岐管が見えている段階で完成位置を測り、実測座標として保存することです。6つの方法の中でも、特に重要な工程です。

設計図には施工予定位置が示されていますが、地下工事では既設埋設物、構造物、施工空間などの条件によって現地調整が発生することがあります。電線共同溝の設置位置や線形についても、現場条件を確認し、必要な場合には設計図書に基づく適切な手続きを経て対応することが求められます。

したがって、舗装前に設計座標だけを使って分岐管位置を出しても、実際の施工位置と一致しているとは限りません。重要なのは、埋戻し前に現物を確認できる状態で測った出来形座標を残すことです。

測定する位置は、方法3で決めた管理点と統一します。設計段階で管端を管理点としたのであれば、出来形測定でも同じ管端を測ります。設計では中心、出来形では管外面というように測る対象が変わると、座標差が施工誤差なのか測定位置の違いなのか判断できなくなります。

管端を測定する場合は、受信機の測定位置と実際の管端位置との関係にも注意します。地下に少し入った位置を測るためにポールを斜めにしたり、適当な位置から目測でずらしたりすると、その量が座標誤差になります。直接測定が難しい場合は、測定可能なオフセット点を設け、その関係を記録しておく方が再現しやすくなります。

埋戻し前には写真も併せて残すと有効です。座標は位置を数値として残せますが、写真は周辺構造物との関係、管の方向、管の並び方などを視覚的に確認できます。座標と写真を対応付けることで、どちらか一方だけを残すよりも理解しやすい記録になります。

また、測定日時も重要です。分岐管施工直後なのか、埋戻し直前なのかが分かるようにしておけば、施工途中で変更された可能性を追跡しやすくなります。

出来形座標を記録したら、設計座標と区別して保存します。施工前の「予定位置」と施工後の「実測位置」を同じ点名で上書きすると、後から差を確認できなくなることがあります。用途に応じてデータを分け、最終的にどちらを維持管理用座標として使用するのか決めます。

座標ナビで舗装前に位置を出すときは、原則として現地で確認済みの出来形情報を優先する運用が分かりやすくなります。ただし、正式な出来形成果や管理方法については工事ごとの設計図書、施工計画、発注者の基準に従う必要があります。座標ナビの記録だけを正式な出来形管理の代わりにするのではなく、必要な測量や書類作成と組み合わせて使用します。

方法5 座標ナビでオフセット位置へ誘導する

5つ目の方法は、分岐管の真上へ直接マーキングできない場合に、座標ナビでオフセット位置を出すことです。

舗装前の現場では、分岐管位置の真上に資材が置かれていたり、施工機械が通行していたり、縁石や構造物があったりすることがあります。地下構造物の座標が分かっていても、その真上に立てない場面は珍しくありません。

そのようなときに、目的点を無理に直接測設しようとすると、受信機を傾けたり、離れた場所から感覚で位置を移したりすることになり、かえって誤差を増やします。

そこで、分岐管位置から一定距離だけ離したオフセット点を設定します。例えば道路方向や道路直角方向など、現場で再現しやすい方向へ一定距離離した点を作り、その点を座標ナビで地表へ出します。

重要なのは、オフセットの方向と距離を記録することです。単に「このマークの近くに管がある」という状態では、数日後には意味が分からなくなります。どの管理点から、どの方向へ、どれだけ離れたマークなのかを明確にします。

オフセット点は舗装工事との干渉を避ける用途にも使えます。最終舗装で消えてしまう路盤上だけに位置をマーキングするのではなく、工事中に残りやすい場所へ逃げ点を設ければ、舗装後の復元に使える可能性があります。

ただし、現場の固定物へマーキングする場合は、その固定物自体が移動しないか確認します。仮設物、移動可能な柵、資材などを基準にすると、後で位置が再現できません。

座標ナビの利点は、オフセット点そのものも座標として保存できることです。従来のように「縁石角から1.2m」のような寸法だけを残す方法に加え、オフセット点自体を座標化しておけば、基準としていた周辺物が改修された場合でも位置を復元しやすくなります。

また、複数のオフセット点を利用すると確認性が高まります。1方向だけから復元するのではなく、別方向の確認点も用意しておけば、両者から求めた位置が一致するかを現場で確認できます。

分岐管そのものの座標と、現場作業用の逃げ点を分けて管理することも大切です。後からデータを見る人がオフセット点を管中心だと誤認しないよう、名称や属性で明確に区別します。

方法6 舗装前に再測定して最終位置を確認する

6つ目の方法は、埋戻し前に取得した座標を使って舗装前に位置を復元し、その結果を再確認することです。

埋戻し前の測定だけで作業を終えると、「座標は記録されているが、実際にその座標で現場位置を再現できるか」を確認しないまま舗装されることになります。そこで路盤施工後など、舗装によって地表の状況が変わる前に座標ナビを使って分岐管位置をもう一度出します。

まず出来形座標を呼び出し、目的点へ誘導します。目的地点付近まで到達したら、測位状態が安定しているかを確認した上で地表へマーキングします。分岐開始点と管端など複数点を記録している場合は、それぞれを出して管路方向も確認します。

このとき、設計図や出来形図、埋戻し前の写真と照合します。座標ナビで示された場所が写真から判断できる位置関係と大きく異なる場合は、そのままマーキングを確定せず、座標データや測定記録を確認します。

舗装前の再確認は、座標データの入力ミスを発見する最後の機会にもなります。XとYの入力ミス、点名の選択ミス、別区間の座標を呼び出しているなどの単純な間違いは、座標値だけを見ていると気付きにくい場合があります。現場の構造物との関係を見ることで異常を発見しやすくなります。

さらに、必要に応じて位置出しした地表点を再測定します。登録してある目的座標と実測値との差を確認すれば、誘導結果がどの程度一致しているか判断できます。

ここで重要なのは、座標ナビの画面に目的地点へ到着したと表示されたことだけで完了としないことです。GNSSによる位置計測は周囲の環境によって状態が変化します。高い建物、橋梁、樹木、施工機械などによって上空視界が制限される場所では、測位結果を慎重に評価する必要があります。

舗装前の再測定によって問題が見つかった場合は、舗装する前に座標データや記録を修正できます。地下構造物が完全に見えなくなった後では、正誤の確認が難しくなります。その意味でも、舗装前確認を独立した工程として設ける価値があります。

座標ナビで分岐管を出すときに注意したい誤差

座標ナビを利用すれば、登録した目的座標へ効率よく移動できます。しかし、高精度な位置情報を利用する場合でも、常に同じ条件で同じ結果が得られると考えるのは適切ではありません。

まず確認したいのが上空視界です。GNSSは衛星からの信号を利用するため、建物や樹木、仮設構造物、大型車両などによって空が遮られる場所では測位条件が悪化することがあります。

電線共同溝工事は市街地の道路で行われることも多く、沿道建物の影響を受けやすい環境があります。特に高い建物の近くでは、直接受信する信号だけでなく、周囲で反射した信号の影響を受ける可能性があります。

そのため、座標ナビの数値だけを見るのではなく、測位状態や観測値の安定性を確認します。位置表示が短時間で大きく動いている状態でマーキングを確定すると、本来の目的位置からずれる可能性があります。

同じ点を時間を置いて複数回測定することも有効です。1回目と2回目で大きな差がある場合は、その場の測位環境や設定を確認する必要があります。複数回の結果が安定しているかを見ることで、単発値だけに依存することを避けられます。

受信機を取り付けたポールの扱いにも注意します。ポールが傾けば、アンテナ位置と地上へ落としたい点に水平差が生じます。測定時には鉛直を確認し、無理な姿勢で測らないことが基本です。

また、高さ方向については水平位置と分けて考えます。分岐管の真上を地表へ出すだけなら主に水平位置が重要ですが、管の深さまで確認する場合は、標高基準、アンテナ高、管中心や管底など測定対象の定義を統一しなければなりません。

座標ナビは便利ですが、すべての条件で単独利用すればよいわけではありません。施工管理上要求される精度、現場の受信環境、地下構造物の重要度などを考慮し、必要に応じて他の測量方法と組み合わせます。

特に分岐管の位置を掘削作業へ使用する場合、座標だけを根拠に地下構造物が存在すると断定するのは避けます。既存資料、出来形記録、現地表示、必要な探査や確認作業などを組み合わせて安全に施工することが重要です。

分岐管位置を後工程へ確実に引き継ぐ記録方法

座標ナビを使った位置管理で見落とされやすいのが、測る作業よりも測った後の管理です。

正確に座標を取得していても、そのデータが担当者の端末だけに保存されていたり、点名の意味が分からなくなったりすると、数か月後には利用できない情報になってしまいます。

まず、点名称の規則を統一します。路線、区間、特殊部、分岐番号、管理位置などが判別できるようにします。名称を見ただけで完全に理解できなくても、図面や管理台帳と対応できる程度の規則性を持たせます。

次に、設計点と出来形点を区別します。設計座標は施工予定位置、出来形座標は現場で完成した位置を示すため、目的が異なります。両者が混在すると、後工程でどちらを使うべきか判断できなくなります。

変更履歴も残します。例えば既設埋設物を避けるために分岐管位置を変更した場合、変更後座標だけを保存するのではなく、なぜ変更したのかが追える状態にしておくと、後から図面との違いを説明しやすくなります。

写真との対応も重要です。埋戻し前の分岐管を撮影し、その写真と座標点が結び付いていれば、位置だけでなく周辺状況も確認できます。写真には可能であれば周辺の固定構造物を含め、近接写真だけで場所が分からなくならないようにします。

測定日、測定者、対象点、施工段階といった情報も残しておくと有効です。同じ地点を施工前、施工中、舗装前の複数回測定した場合でも、どのデータがどの時点のものか判断できます。

座標データは特定の担当者だけが持つのではなく、現場内で必要な人が参照できる形にします。測量担当者、施工担当者、現場代理人などが同じ情報を確認できれば、口頭だけの引継ぎを減らせます。

舗装後に分岐管位置を再利用することまで考えれば、工事完了時点で整理されたデータを残しておくことが重要です。工事中だけ利用できる一時的なマーキングより、座標と関連記録を残す方が長期間利用しやすくなります。

座標ナビを日常業務へ組み込むポイント

座標ナビを電線共同溝工事で有効に使うには、必要になったときだけ利用するのではなく、施工工程へ組み込むことが重要です。

施工前には設計上の分岐管座標を登録します。これにより、管路施工前に予定位置を現場で確認できます。既設埋設物や構造物との関係を早い段階で確認できれば、施工直前になって位置調整が必要になる状況を減らせます。

施工中には、予定位置と実際の管路位置を比較します。分岐方向や管端位置に変更が生じた場合は、その時点で記録します。変更内容を後からまとめて図面へ反映しようとすると、細かな位置関係を忘れやすくなります。

埋戻し前には実測座標と写真を取得します。この段階では管そのものを直接確認できるため、最も信頼性の高い記録を作りやすくなります。

埋戻し後から舗装前には、保存した座標を使って位置を復元します。ここで正しく目的位置へ戻れることを確認できれば、座標データが実際の現場で利用できる状態になっていると判断しやすくなります。

舗装後には、必要に応じて位置情報を維持管理へ引き継ぎます。地表のマーキングは工事進行や交通によって消えてしまいますが、座標データは適切に保存しておけば再利用できます。

このように、設計、施工、出来形、舗装前確認、維持管理という流れで同じ座標情報を使うことが、座標ナビ活用のポイントです。

現場で座標ナビを定着させるには、操作を複雑にしすぎないことも大切です。毎回専門担当者が座標計算をしなければ使えない仕組みでは、日常的な位置確認には向きません。あらかじめ必要な点を登録し、現場担当者が点名を選んで誘導を開始できる状態を作ると運用しやすくなります。

ただし、操作を簡単にしても確認工程まで省略してはいけません。目的点名、座標系、測位状態、現場周辺との整合を確認してから位置を確定するという基本は維持します。

LRTK Phoneを活用した分岐管位置管理

電線共同溝のように、施工途中では見えている構造物が完成後に地下へ隠れる工事では、現場で位置を記録し、その位置へ再び戻れる仕組みが役立ちます。

LRTK Phoneを座標ナビに活用する場合も、基本となる考え方は同じです。施工前に分岐管の予定座標を準備し、現場で目的位置を確認します。施工後は実際の分岐管位置を測定し、出来形側の情報として保存します。そして埋戻し後や舗装前に、その座標を呼び出して目的位置へ誘導します。

この一連の流れを現場で行えるようにすると、「図面を見て位置を推測する作業」から「記録した座標へ戻る作業」へ変えやすくなります。

例えば分岐管の管端が見えている段階で座標を記録しておけば、埋戻した後に同じ座標を座標ナビの目的地点として利用できます。さらに分岐開始側と管端側の2点を記録しておけば、地下の管路方向を地表上で確認しやすくなります。

写真や点名などの情報も合わせて管理すれば、座標値だけでは判断しにくい施工状況を確認する材料になります。担当者が交代した場合でも、口頭説明だけに依存せず、現場記録をもとに位置を確認しやすくなります。

また、分岐管以外にも、特殊部、管路変曲点、道路照明関連設備、将来接続位置など、舗装後に見えなくなる地点を同じ考え方で管理できます。電線共同溝工事全体を座標ベースで整理すれば、個別の位置出し作業だけでなく、地下設備情報を現場で再利用する仕組みへ発展させられます。

重要なのは、LRTK Phoneを使えば自動的に正しい位置が得られると考えないことです。元となる座標の正しさ、座標系の設定、測位環境、測定対象の定義、現場で求められる精度などを確認した上で利用する必要があります。

従来の丁張、逃げ寸法、写真、出来形図などを否定するのではなく、それらに座標情報を加えるという考え方が実務的です。複数の情報を対応させることで、舗装後にも分岐管位置を追跡しやすくなります。

座標ナビを一部の測量担当者だけの機能にせず、施工担当者が「この地下設備はどこにあるのか」を確認する日常的な手段として利用できるようにすると、電線共同溝工事との相性を生かしやすくなります。

まとめ

電線共同溝の分岐管は、施工中には確認しやすくても、埋戻しと舗装が完了すると地表から位置を判断しにくくなります。そのため、舗装される前に分岐管位置を座標として確実に記録し、座標ナビで再現できる状態にしておくことが重要です。

1つ目の方法は、設計図から分岐管の管理点を決め、座標として整理することです。2つ目は、現場基準点を使って座標系の整合を確認することです。3つ目は、分岐管を1点だけではなく、中心位置や管端、方向が分かる複数点として記録することです。

4つ目は、埋戻し前に実際の施工位置を測定し、設計座標とは別に出来形情報として残すことです。5つ目は、目的位置へ直接立てない場合にオフセット点を設定して位置を復元することです。そして6つ目が、出来形座標を使って舗装前にもう一度目的位置を出し、現場との整合を最終確認することです。

この流れを採用すると、座標ナビは単なる位置出し機能ではなくなります。設計時の予定位置を確認し、施工後の位置を記録し、埋戻し後に復元し、さらに完成後の維持管理へ引き継ぐための位置情報基盤として利用できます。

特に重要なのは、座標そのものだけを残さないことです。何を測った点なのか、どの施工段階で測ったのか、設計位置なのか出来形位置なのか、管がどちらへ伸びているのかまで判断できる記録にしておくことで、座標の価値が高まります。

また、座標ナビで表示される数値を無条件に正しいと考えず、既知点での照合、測位状態の確認、複数回測定、図面や写真との照合を行うことも欠かせません。要求精度や現場条件によっては他の測量方法と組み合わせ、工事ごとの基準に従って運用します。

地下構造物は、一度舗装されると「見て確認する」ことができなくなります。だからこそ、見えている段階で座標を残し、見えなくなった段階でその座標へ戻れることを確認するという考え方が重要です。

電線共同溝の分岐管位置を舗装前に確実に残したい現場では、座標取得、写真記録、座標ナビによる位置復元までを一連の工程として整えることが有効です。その運用を現場でシンプルに実践する手段として、LRTK Phoneを活用した座標ナビを検討してみてください。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

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