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土木CADでブロック部品を再利用して作図を速める5つのコツ

土木CADでブロック部品を再利用すると作図が速くなる理由

土木CADを使った図面作成では、すべての図形を毎回ゼロから描く必要はありません。道路、造成、河川、上下水道、構造物、外構などの図面を見ていると、現場が変わっても何度も登場する図形が数多くあります。たとえば、側溝、桝、マンホール、縁石、標識、照明柱、車止め、樹木、フェンス、排水施設、仮設物、安全設備などです。

こうした繰り返し使用する図形をブロック部品として登録し、必要なときに呼び出して再利用できるようにすると、土木CADでの作図時間の短縮につながります。単純な図形であれば数分で描けるかもしれませんが、数十個、数百個と配置する図面になると、その積み重ねが大きな作業時間になることがあります。

ブロック部品のメリットは、単に「描かなくてよくなる」ことだけではありません。形状、線種、レイヤ、文字の位置、寸法の考え方などをあらかじめ統一しやすくなるため、図面品質のばらつきを抑える助けになります。担当者ごとの描き方の違いも減らしやすいため、複数人で作図する業務でも活用しやすい方法です。

土木CADの実務では、図形そのものを描く時間以上に、「以前の図面を探す」「必要な部分だけコピーする」「縮尺を合わせる」「不要な線を消す」「レイヤを直す」といった細かな操作に時間を取られることがあります。ブロック部品を適切に管理すると、こうした周辺作業も減らしやすくなります。

一方で、何でもブロック化すればよいわけではありません。大量の部品を無計画に登録すると、今度は目的の部品を探す時間が増えたり、似たような部品が乱立したりします。土木CADを効率的に使うには、登録方法だけでなく、基点、尺度、名称、分類、更新方法まで含めた運用を考えることが重要です。

なお、ブロック、属性、レイヤなどの名称や挙動はCADソフトによって異なります。本記事では、これらの機能を備えた一般的なCADを前提に考え方を解説します。

ここからは、土木CADでブロック部品を再利用し、実際の作図速度を高めるための5つのコツを具体的に解説します。

コツ1:繰り返し使う図形をブロック部品として整理する

最初のコツは、日常的に繰り返し描いている図形を洗い出し、再利用できるブロック部品として整理することです。

土木CADを使っていると、同じような形を何度も描いていることに気づきます。しかし、その都度コピー元となる過去図面を探している状態では、十分な効率化とはいえません。過去図面のどこに目的の図形があるのか分からなければ、ファイルを開いて確認するだけでも時間がかかります。

まずは、自分や部署が頻繁に使用している図形を整理します。道路関係であれば排水施設、縁石、道路付属物、区画線に関連する記号などが候補になります。造成図では桝、排水方向を示す記号、法面関連の表示、擁壁の記号などが考えられます。上下水道関係では、管路に付随する各種施設や接続部分など、一定の形状で繰り返し配置するものが対象になります。

重要なのは、単に使用頻度が高いものだけでなく、「描くのに手間がかかる図形」を優先することです。数本の線だけで表現できる記号を登録するより、複数の円や線、文字、ハッチングなどを組み合わせる必要がある図形を部品化したほうが、削減できる作業時間は大きくなりやすいでしょう。

また、ブロック部品には完成された構造物だけでなく、作図途中で使う補助的な図形を含めても構いません。断面図を描くときに頻繁に使用する寸法補助の形状や、数量を示す記号、施工範囲を示す枠なども、毎回同じ形で使用しているのであれば再利用の候補になります。

このとき注意したいのが、過去図面からコピーした図形をそのまま登録しないことです。コピー元の図面には、不要なレイヤ、見えない線、不要な文字、古い注記などが含まれている場合があります。その状態で部品化すると、配置するたびに不要な情報まで増えてしまうことがあります。

登録前には、図形の形状を確認し、必要な線だけに整理します。線種や線幅の考え方も統一し、不要な文字や補助線を削除しておきます。こうして「再利用するための原本」を作ることが重要です。

土木CADの作業を速くするには、過去図面を再利用するのではなく、再利用することを前提として整えた部品を使うという考え方に切り替えることが有効です。最初の整理には多少時間がかかりますが、一度作成した部品は複数の案件で使用できます。使用回数が増えるほど、最初にかけた整理時間を回収しやすくなります。

さらに、複数人で作図している場合は、個人ごとに部品を作るのではなく、共通部品として管理する方法も有効です。同じ構造物について担当者ごとに異なるブロックが存在すると、図面を統合したときに表現がばらつく可能性があります。共通部品を使用すれば、作図時間の短縮と図面表現の統一を進めやすくなります。

コツ2:基点と尺度を統一して配置作業を速くする

ブロック部品を登録しても、配置するたびに位置や大きさを調整していると、作業効率はあまり上がりません。そこで重要になるのが、ブロック部品の基点と尺度を統一することです。

基点とは、ブロックを配置するときの基準となる位置です。この基点が適切に設定されていれば、目的の位置を指定して部品を配置しやすくなります。逆に基点が図形から離れた場所にあったり、構造物との関係が分かりにくい位置に設定されていたりすると、配置後に移動や位置合わせが必要になることがあります。

土木図面では、構造物ごとに配置の基準となる位置があります。円形の施設であれば中心、矩形の施設であれば中心または特定の角、道路付属物であれば道路線形との関係が分かりやすい位置など、実際の配置作業で使いやすい場所を基点にします。

たとえば平面図上で桝を配置する場合、中心座標を基準に位置を決めることが多いのであれば、ブロックの基点も中心にしておくと効率的です。座標入力に対応するCADであれば、座標値を指定して配置する方法も使えます。

方向を持つ部品については、回転の基準も意識します。道路に沿って配置する部品や、流向に合わせる必要がある部品の場合、基点と初期方向を統一しておけば、配置時の角度調整を簡略化しやすくなります。

尺度についても同様です。土木CADでは図面の縮尺や単位設定が複数の方法で運用されることがあるため、異なる作り方をした部品が混在すると、配置するたびに拡大や縮小が必要になる場合があります。

そこで、部品を作成するときの基準寸法を決めておきます。実寸を基準とするのか、図面上の表現寸法を基準とするのかを統一し、担当者全員が同じルールで作成することが重要です。

特に注意したいのが、実際の構造物寸法を表す図形と、単なる記号として表示する図形の違いです。構造物の平面形状を示す部品であれば、基本的には実際の寸法との整合が重要になります。一方、方向を示す記号や注記用の記号などは、図面上で読みやすい大きさを優先する場合があります。

この2種類を混同すると、縮尺や表示設定を変更したときに見え方が不自然になったり、数量確認に使う図形の寸法が実際と合わなくなったりするおそれがあります。ブロック部品を登録する際には、「実寸部品なのか」「表示用記号なのか」を明確にしておくことが大切です。

基点と尺度の統一は地味な作業ですが、部品の使用回数が多くなるほど効果が積み上がります。1回の配置で数秒しか違わなくても、100回、500回と配置すれば差が大きくなる可能性があります。土木CADの作図速度を高めるには、1回の操作を速くするだけでなく、同じ調整操作そのものを発生させにくい仕組みを作ることが重要です。

コツ3:用途別の部品ライブラリを作って探す時間を減らす

ブロック部品が増えてくると、次に問題になるのが「目的の部品がどこにあるのか分からない」という状態です。

作図効率化を目的として数百種類の部品を作成しても、目的の部品を探すのに数分かかっていては効率化の効果が薄れます。そのため、土木CADでブロック部品を本格的に再利用するなら、部品そのものだけでなく、ライブラリの構成を考える必要があります。

基本となるのは、実務の探し方に合わせて分類することです。たとえば道路、排水、造成、構造物、仮設、安全施設、植栽、測量記号など、普段の業務で自然に連想できる単位で分けます。

さらに、同じ分類の中に部品が増えてきた場合は、用途や形状によって整理します。ただし、分類を細かくしすぎると、どこに保存したのか分からなくなることがあります。フォルダ階層を深くするより、少ない階層で名称を分かりやすく統一したほうが、日常の作業では扱いやすいことがあります。

部品名も重要です。「部品01」「新規ブロック」「修正版」といった名前では、数が増えたときに内容を判断できません。名称を見ただけで用途や種類が分かるようにします。

また、同じ部品について複数のバージョンを無計画に保存することも避けたいところです。「修正版」「修正版2」「最新版」「最終版」のようなファイルが増えると、どれを使用すればよいのか分からなくなります。

共通ライブラリとして運用するのであれば、原則として現在使用する正式な部品を一つに決め、旧版が必要な場合は別の保管場所へ移すなど、現行データと過去データを区別します。

土木CADの実務では、作図担当者だけでなく、設計担当者、施工担当者、検査資料を作る担当者など、複数の人が同じデータを扱う場合があります。そのため、特定の担当者だけが理解できる分類方法ではなく、初めて見る人でもある程度判断できる構成にしておくことが重要です。

ライブラリ化の効果は、新しい案件を始めるときにも現れます。従来であれば、類似した過去案件を探し、その中から必要な図形をコピーしていた作業を、共通ライブラリから必要な部品を呼び出す作業に置き換えられます。

過去案件を探す方法では、以前担当した人が休みだったり、保存場所が変わったりすると、必要なデータを見つけにくくなることがあります。共通ライブラリが整備されていれば、案件や担当者に依存せずに部品を利用しやすくなります。

さらに、よく使う部品を上位の分類に置くことも有効です。使用頻度が高いものほど少ない操作で呼び出せるようにしておけば、日々の小さな時間短縮につながります。

大切なのは、最初から完璧なライブラリを作ろうとしないことです。実務で使用しながら、探しにくかった部品の名称を変えたり、分類を調整したりして改善していくほうが現実的です。土木CADの部品ライブラリは一度作って終わりではなく、使いやすさを継続的に改善する業務資産として管理すると効果を発揮しやすくなります。

コツ4:属性情報を持たせて修正と数量確認を効率化する

ブロック部品は、単なる図形の集まりとして使うだけでも作図時間の短縮に役立ちます。さらに、使用しているCADがブロック属性や類似の情報管理機能に対応している場合は、図形に関連する情報を持たせる考え方も有効です。

土木図面では、同じ形状でも種類や規格、番号などが異なるケースがあります。たとえば外形は同じでも管理番号が異なる施設や、同じ記号を使いながら名称だけ変更する設備などです。

このような場合に、図形と文字を毎回別々に作成していると、移動時に文字だけ残ったり、コピーしたあとに番号を書き換え忘れたりすることがあります。図形と関連情報を一つの部品として管理できれば、こうしたミスを減らしやすくなります。

たとえば施設記号に管理番号を持たせられるCADであれば、配置するときに番号を設定し、図形と情報を一体として扱うことができます。位置を変更しても関連情報を一緒に扱えるようにすれば、図面の整合性を保ちやすくなります。

さらに、CADの集計・抽出機能やレイヤ運用と組み合わせて、同じ種類のブロック部品が何個配置されているかを確認できるようにすると、概略数量の確認に活用できる場合があります。

ただし、CAD上の配置数をそのまま正式な数量として扱えるとは限りません。図面表現のために同じ施設を複数箇所へ表示している場合や、撤去対象と新設対象が混在している場合、参考表示として部品を配置している場合もあります。そのため、数量確認に使用する場合は、部品の用途やレイヤのルールまで含めて整理する必要があります。

それでも、図形と情報が一定のルールで管理されていれば、目視だけで一つずつ数えるより確認しやすくなる場合があります。

また、属性情報を活用すると、変更作業にも対応しやすくなります。たとえば管理番号の表示方法や名称の配置位置を統一しておけば、図面全体の見た目をそろえやすくなります。

土木CADでは、設計変更や施工条件の変更によって図面を何度も修正することがあります。初回の作図速度だけを考えるのではなく、2回目、3回目の修正を速くできるデータ構造にしておくことが重要です。

特に施工段階では、現場条件に応じて位置や仕様が変わることがあります。図形と関連情報がばらばらに作られていると、一つの変更に対して複数箇所を修正しなければなりません。修正箇所が多いほど、変更漏れの可能性も高くなります。

ブロック部品を作る際には、「同じ形を速く描く」という目的だけでなく、「あとから速く直せるか」という視点を持つことが重要です。案件によっては修正作業の比重が大きくなるため、再利用可能な部品と情報管理を組み合わせることで、業務全体の効率化につながります。

コツ5:現場ごとの差分だけを修正する運用に切り替える

5つ目のコツは、新しい現場ごとに図面を最初から作るのではなく、標準部品を配置したうえで、その現場だけの差分を修正する運用に切り替えることです。

土木工事では、地形、道路幅員、地下埋設物、周辺構造物、施工条件などが異なるため、最終的な図面は現場条件に合わせて作成する必要があります。

しかし、図面に登場するすべての要素まで現場固有とは限りません。共通化できる部分と現場ごとに変わる部分を分けて考えると、作図の進め方を変えられます。

たとえば標準的な構造物については共通部品を配置し、現場条件によって形状が変わる部分だけを編集します。これにより、基本形状を毎回描き直す作業を減らせます。

この考え方は、平面図だけでなく断面図や詳細図にも応用できます。似た構造を何度も描くのであれば、基本形をテンプレートとして保持し、寸法や高さ、周辺条件だけを変更します。

重要なのは、変更する部分を最初から想定して部品を作ることです。形状を細かく作り込みすぎると、現場ごとの修正が難しくなることがあります。反対に、分割しすぎると配置する部品数が増えてしまいます。

どこまでを一つの部品にするかは、その図形が実際の業務でどのように変更されるかを基準に判断します。一緒に変更することが多い要素はまとめ、個別に変更することが多い要素は分けておくと扱いやすくなります。

また、標準部品そのものを直接変更して現場専用にしてしまうのではなく、共通部品と現場固有データを区別することも大切です。

標準ライブラリに登録した原本を案件ごとに上書きしてしまうと、別の案件で使う部品管理に影響する可能性があります。標準となる原本は保持し、必要に応じて案件内で複製や編集を行うなど、原本と案件データを分ける運用にすると安全です。

この方法を続けていると、現場で頻繁に発生する変更パターンも見えてきます。「この部品はほとんどの案件で同じ修正をしている」という状況が分かれば、その内容を新しい標準部品へ反映する判断材料になります。

つまり、ブロック部品を再利用する仕組みは、単なる作図時短の仕組みだけでなく、設計や施工図作成のノウハウを整理する仕組みにもなります。

経験者が頭の中で覚えていた作図方法を共通部品として形にしておけば、新しい担当者でも一定のルールに沿って作業を始めやすくなります。担当者による作図方法の差が大きい組織では、こうした標準化が役立つことがあります。

土木CADの生産性を高めるには、作図操作を速くするだけでなく、再利用、標準化、差分修正という流れを作り、そもそも描く量を減らすことが重要です。

ブロック部品を再利用するときに起こりやすい失敗

ブロック部品を活用すると土木CADの作図を速めやすくなりますが、運用方法が整理されていないとかえって扱いにくくなることがあります。

代表的なのが、似たような部品が大量に作られてしまうケースです。担当者がそれぞれ自分用の部品を登録すると、同じ構造物について微妙に形の異なる部品が複数存在するようになります。

どれが正式なものか分からなくなると、作図者は毎回内容を確認しなければなりません。これでは再利用による時間短縮効果が薄れてしまいます。

これを防ぐためには、標準として使用する部品を明確にします。新しい部品を追加するときも、既存のライブラリに同じ用途のものがないか確認してから登録する運用が有効です。

次に注意したいのが、不要な情報を含んだまま部品化することです。過去図面からそのまま部品を登録すると、不要なレイヤや補助線、文字情報などを含んでいることがあります。

配置時には見えなくても、図面データの中に不要な要素が増えると、後から編集するときに混乱する原因になります。ブロック部品は再利用される回数が多いからこそ、原本をできるだけ整理しておく必要があります。

尺度の混在も起こりやすい問題です。同じ用途の部品なのに、作成された図面の縮尺や単位設定によって大きさが違う状態になっていると、配置後の調整作業が増えます。

特に過去図面からコピーを繰り返している環境では、いつの間にか基準寸法の異なる図形が混在していることがあります。標準部品を作る際に寸法や縮尺の考え方を決めておくことが重要です。

レイヤについても同様です。ブロック内部に多数のレイヤが含まれていると、表示や出力を制御するときに扱いにくくなる場合があります。どの情報をどのレイヤで管理するかという基本ルールを決め、部品もそのルールに合わせます。

また、部品化したことで安心し、内容を確認せずに使用してしまうことにも注意が必要です。標準部品であっても、設計条件や施工条件が変われば、そのまま使用できない場合があります。

ブロック部品は作図を補助するための仕組みであり、設計判断そのものを自動化するものではありません。配置する構造物の寸法、仕様、位置などが現場条件に適合しているかは、案件ごとに確認する必要があります。

さらに、一度作成したライブラリを長期間見直さず使用し続けることにも注意が必要です。社内ルールや図面の表現方法、標準的な仕様などが変われば、部品側も更新が必要になる場合があります。

使用頻度の高い部品ほど、定期的に内容を確認し、不要になったものを整理することが大切です。

土木CADの作図をさらに速める標準化の進め方

ブロック部品の再利用を個人の工夫で終わらせず、組織の作図ルールとして標準化すると、効率化を進めやすくなります。

最初に整理したいのが、図面作成における共通ルールです。レイヤの名称、線種、文字サイズ、寸法の表現、記号の使い方などが担当者ごとに違う状態では、ブロック部品だけを統一しても十分な効果を得にくくなります。

部品と作図ルールをセットで考えることが重要です。

たとえば、レイヤや表示属性の設定を引き継げるCADでは、共通部品を挿入したときに所定の表現になるよう部品側を整えておくことで、担当者が一つずつ設定する作業を減らせます。単純な操作時間の短縮だけでなく、設定ミスを減らす助けにもなります。

次に、使用頻度の高い部品から標準化します。最初からすべての図形を整理しようとすると、準備だけで大きな負担になります。

まずは毎週、毎月のように使う部品を選び、少数から共通化するほうが進めやすいでしょう。実際の案件で使って問題がなければ、徐々に対象を増やします。

さらに、部品を作った人だけで完成と判断せず、実際に作図を行う担当者にも使ってもらうことが重要です。

作成者には使いやすくても、別の担当者から見ると基点が分かりにくかったり、名称から内容を想像できなかったりすることがあります。複数人が使うことで、ライブラリの改善点が見えやすくなります。

標準化を進めるときは、部品の数を増やすこと自体を目的にしないことも大切です。作図時間を短くし、修正を減らし、品質を安定させることが本来の目的です。

ほとんど使われない部品を大量に作るより、日常的に使用する数十種類を使いやすい状態に整えるほうが効果的な場合があります。

また、標準部品を更新したときには、何が変更されたのか分かるようにしておくと運用しやすくなります。知らない間に形状や設定が変わっていると、担当者が旧部品を使い続ける可能性があります。

共通の保管場所を決め、現在使用するデータを明確にするだけでも、混乱を減らせます。

こうした標準化は、教育にも役立ちます。経験の浅い担当者は、完成した標準部品を見ることで、その会社や部署がどのような表現で図面を作っているのかを理解しやすくなります。

土木CADの操作を一つずつ教えるだけでなく、「この種類の構造物はこの部品を使用する」とルール化できれば、実務への移行を支援しやすくなります。

さらに、標準部品を使うことで、図面チェックの負担を減らしやすくなります。担当者ごとに表現方法が違うと、チェックする側は図形の意味や描き方まで確認しなければなりません。共通部品が使われていれば、標準部分については一定のルールを前提に確認でき、現場固有の部分に集中しやすくなります。

土木CADの効率化というと、ショートカット操作や高速な入力方法に注目しがちです。しかし、実務全体で見ると、描かなくてよいものを描かない仕組みと、迷わなくてよいところで迷わない仕組みを作ることが大きな効果につながる場合があります。

現場計測とCAD作図をつなげて手戻りを減らす

ブロック部品によって土木CADでの作図時間を短縮できても、作図に必要な現場情報が不足していれば、業務全体は速くなりません。

実務では、CAD操作そのものより、現場寸法の確認や位置情報の確認に時間を取られることがあります。

たとえば既設構造物の位置が分からず、図面を作成している途中で現場へ確認に戻るケースです。道路幅員や構造物間の距離、高さ、既設設備の位置などが不足していると、一度作った図面を修正することになります。

そのため、土木CADの作図効率を高めるには、CAD内部の作業だけでなく、現場から必要な情報をどのように取得するかまで考えることが重要です。

現場で取得した位置情報を整理し、CAD図面へ反映しやすい状態にできれば、座標入力や現況図作成の負担を減らせる可能性があります。構造物の配置についても、現場で取得した位置を基準に標準ブロック部品を置くという流れを作れば、ゼロから図形を作る作業を減らせます。

たとえば現場で対象物の位置を計測し、その位置情報を基に土木CAD上へ標準部品を配置します。形状が標準化されている施設であれば、位置を決めたあとに必要な属性や現場固有の情報を入力するという進め方ができます。

この流れでは、現場計測とブロック部品の再利用を組み合わせて活用できます。

また、現況の形状を点群として取得できる場合は、既設構造物や地形を確認しながら作図することも可能です。必要な範囲を適切に計測しておけば、現地の状況を確認するためだけに再訪する回数を減らせる場合があります。

特に土木業務では、事務所と現場が離れていることがあります。片道の移動時間が長い現場で再確認が発生すると、図面修正以外にも時間がかかります。

だからこそ、作図開始前に必要な現場情報をできるだけ取得し、後から確認できる状態にしておくことが重要です。

こうした現場とCADの連携を考える際に活用できる選択肢の一つがLRTK Phoneです。

LRTK Phoneは、位置情報の取得や座標付き点群の取得に対応しており、取得データは対応機能を通じてDXF、LAS、CSVなどの形式で出力できます。実際に使用する土木CADが該当形式や点群データの読み込みに対応していれば、現場で取得したデータをCAD作業へつなげることができます。

重要なのは、単に新しい機器や仕組みを導入することではありません。ブロック部品による標準化と同じように、情報を一度取得し、後工程で再利用しやすい状態を作ることです。

現場で取得した位置情報を図面作成に使い、その図面を施工確認や管理資料にも活用できれば、同じ情報を別の担当者が再入力する作業を減らせる可能性があります。

土木CADの効率化は、CADソフトの中だけで完結するものではありません。現場計測、データ整理、作図、修正、確認までを一つの流れとして見直すことで、より大きな業務改善につながる場合があります。

まとめ

土木CADで作図を速くするためには、操作速度を上げるだけでなく、同じ図形を何度も描かない仕組みを作ることが重要です。

側溝、桝、道路付属物、設備記号、仮設物など、繰り返し使用する図形をブロック部品として整理しておけば、必要なときに配置することで作図を進めやすくなります。

その効果を高めるためには、まず繰り返し使用する図形を選んで部品化し、配置しやすい基点と尺度を統一します。さらに、用途別のライブラリとして整理し、目的の部品をすぐ探せる状態にすることが重要です。

使用しているCADが属性情報などの機能に対応している場合は、図形に関連する情報も一緒に管理することで、修正や確認作業の効率化につながります。そして、新しい現場ごとにすべてを描き直すのではなく、標準部品を基準として現場固有の部分だけを変更する運用に切り替えることで、作図量そのものを減らせます。

ブロック部品の再利用は、一度設定すれば終わる単純な機能ではありません。名称、分類、基点、尺度、レイヤ、更新方法などを整え、実務に合わせて改善していくことで効果が高まりやすくなります。

特に複数人で図面を作成する環境では、個人の作図テクニックとして使うのではなく、共通の部品ライブラリとして整備することが重要です。標準化された部品を全員が使えば、作図速度だけでなく、図面表現の統一、修正漏れの防止、教育負担の軽減にもつながる可能性があります。

さらに業務全体を速くしたい場合は、CADの中だけを見るのではなく、現場情報を取得する段階から見直す必要があります。現場の位置や形状を効率よく取得し、その情報を土木CAD上の標準部品と組み合わせることができれば、現地確認から作図までの流れをより効率化できる場合があります。

現場へ戻って測り直す、位置を図面上で推測する、別の資料から同じ情報を再入力するといった手戻りを減らすことが、結果として時間短縮につながります。

土木CADでブロック部品の再利用を始めるなら、まずは毎日のように使っている数種類の図形から整理してみるとよいでしょう。頻繁に使う部品を一つ標準化するだけでも、案件を重ねるほど効果が積み上がります。

そして、作図前に必要となる現場情報の取得まで効率化したい場合は、LRTK Phoneを活用した現場計測との連携も選択肢になります。ブロック部品による「描き直しを減らす仕組み」と、LRTK Phoneを活用した「測り直しを減らすための仕組み」を組み合わせることで、現場から土木CADでの作図まで、無駄の少ない業務フローを検討できます。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

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