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出来形管理の道路工事で延長不足を防ぐ6つの確認手順

道路工事の出来形管理では、幅員、厚さ、基準高、勾配、平たん性など、多くの確認項目を工事内容に応じて管理します。その中でも延長は、工事範囲そのものに関わるため、わずかな不足でも手戻りや追加施工、検査時の確認事項につながるおそれがある重要項目です。特に道路改良、舗装、側溝、縁石、区画線、防護柵、路肩整備などでは、起終点の認識違い、測点管理のずれ、図面変更の反映漏れ、現地障害物への対応不足によって、完成後に延長不足が判明することがあります。

なお、出来形管理の測定項目、測定基準、規格値、提出書類は、発注機関、契約図書、特記仕様書、施工管理基準、協議記録によって異なります。本記事では、道路工事で延長不足を防ぐための一般的な確認観点を整理します。実際の判断は、当該工事に適用される設計図書や発注者の基準に従って確認してください。

出来形管理における道路工事の延長不足とは

出来形管理における延長不足とは、設計や契約で求められている施工延長に対して、実際に施工された延長が足りていない状態を指します。道路工事では、延長が数量計算、出来高、検査、精算に関係することがあります。そのため、単に「少し短い」という問題ではなく、施工範囲の未達、設計内容との不一致、出来形資料上の不整合として確認や是正の対象になる可能性があります。

たとえば舗装工で、設計上は100メートル施工する予定であったにもかかわらず、現地で実測すると98.5メートルしか施工されていないケースが考えられます。側溝や縁石、防護柵、区画線などでも同様に、起点側または終点側で数十センチから数メートルの不足が発生することがあります。施工直後に気づけば補修や追加施工で対応できる場合もありますが、完成検査の直前や検査時に判明すると、工程調整、再施工、関係者との協議、写真や出来形資料の修正など、多くの手戻りが発生するおそれがあります。

延長不足が起きる原因は、単純な測量ミスだけではありません。図面上の延長と現地条件の理解が合っていないこと、測点の読み違い、曲線部の延長把握不足、構造物との取り合い処理、既設物の控除、設計変更の反映漏れなど、複数の要因が重なって発生します。特に道路工事では、施工範囲が直線的に見えても、交差点、乗入口、マンホール、既設側溝、橋梁部、民地境界、道路付属物などが絡むため、机上の数量と現地の施工延長が一致しない場面があります。

出来形管理で延長を確実に押さえるには、施工後にまとめて測るだけでは不十分です。施工前、施工中、施工後の各段階で、管理延長を確認し、現地の起終点を明確にし、変更や控除を記録し、最終的に出来形図と実測値を突き合わせる流れが必要です。この記事では、道路工事で延長不足を防ぐための6つの確認手順を、実務担当者が現場で使いやすい形で解説します。

確認手順1 契約図書と設計数量から管理延長を確定する

延長不足を防ぐ最初の手順は、施工前に管理すべき延長を確定することです。ここでいう管理延長とは、現場担当者が出来形管理の対象として追いかけるべき延長です。設計図、数量総括表、特記仕様、標準図、施工範囲図、設計内訳、発注図面などを確認し、どの工種を何メートル施工するのかを明確にします。

この段階で重要なのは、数量表に記載された延長だけを鵜呑みにしないことです。数量表の延長は、図面から算出された結果であり、現地条件や施工区分を完全に表しているとは限りません。道路工事では、同じ延長でも、車道舗装、歩道舗装、側溝、縁石、区画線、防護柵、路肩盛土など、工種ごとに起点と終点が異なる場合があります。舗装の施工延長は100メートルでも、側溝は途中で既設構造物に接続するため95メートル、区画線は交差点手前までのため90メートルというように、管理対象ごとに延長が変わることがあります。

また、設計図の測点表示と数量表の延長が一致しているかも確認が必要です。たとえば、起点がNo.0、終点がNo.5で測点間隔が20メートルであれば、単純には100メートルと考えられます。しかし、終点がNo.5+3.5であれば103.5メートルになり、起点がNo.0-2.0であればさらに延長が変わります。測点表示に追加距離がある場合、図面上の数字を読み飛ばすと、数メートル単位の誤差につながります。

管理延長を確定する際は、工種別に起点、終点、設計延長、控除対象、加算対象を整理します。控除対象とは、既設構造物、橋梁部、乗入口、施工しない取合い部など、設計数量から除外される可能性がある部分です。加算対象とは、現地調整や取合い処理によって追加施工が必要になる可能性がある部分です。これらを施工前に把握しておくことで、完成後に「図面上は足りていると思っていたが、実際には不足していた」という事態を防ぎやすくなります。

施工計画書や出来形管理資料を作成する段階では、設計延長をそのまま転記するだけでなく、どの資料を根拠にその延長を管理するのかを明確にします。根拠が曖昧なまま施工に入ると、現場担当者、測量担当者、協力会社、発注者側の監督職員等の間で認識がずれることがあります。特に複数工区に分かれる道路工事や、既設道路を供用しながら進める工事では、施工範囲の境界が曖昧になりやすいため注意が必要です。

この手順の目的は、単に設計延長を確認することではありません。出来形管理上、最終的に何メートルを満たす必要があるのか、どこからどこまでを施工済みとして扱うのか、どの部分を検査対象として整理するのかを、施工前に関係者で共有できる状態にすることです。管理延長が明確になっていれば、以降の起終点確認、測点照合、施工中の記録、完成時の実測を同じ基準で行いやすくなります。

確認手順2 起点と終点を現地で明確にする

管理延長を図面上で確定したら、次に現地で起点と終点を明確にします。道路工事の延長不足は、起点と終点の認識違いから発生することがあります。図面では明確に見える範囲でも、現地では既設舗装の端部、交差点の隅切り、側溝の接続部、民地乗入口、道路境界、構造物の端部などが重なり、どこを始まりとし、どこを終わりとするのか判断に迷うことがあります。

起点と終点を明確にする際は、図面上の測点や構造物位置だけでなく、現地で目視できる基準点を使って確認します。たとえば、既設マンホール中心、道路鋲、境界杭、既設側溝端部、橋台前面、交差点中心、横断構造物の端部など、後から再確認できる目印を基準にすると、施工中や完成時の確認がしやすくなります。ただし、現地の目印だけに頼ると、移動、破損、撤去によって基準が失われることがあります。そのため、測量成果、座標、距離、写真記録と合わせて管理することが大切です。

現地確認では、起点と終点に仮の表示を設けることも有効です。たとえば、舗装端部、側溝施工範囲、縁石設置範囲、区画線施工範囲などを、現場で分かるようにマーキングします。これにより、施工班が範囲を誤って短く施工することを防ぎやすくなります。特に複数の作業班が入る現場や、昼夜で作業者が変わる現場では、口頭説明だけでは伝達漏れが起きやすくなります。現地表示があると、施工範囲の認識を統一しやすくなります。

注意したいのは、道路工事では工種ごとに起終点が異なる場合があることです。舗装の起点と側溝の起点、縁石の起点、区画線の起点が必ずしも一致するとは限りません。たとえば、舗装は交差点内まで施工するが、区画線は停止線や横断歩道との関係で別の位置から始まることがあります。側溝は既設排水施設に接続するため途中から始まる場合もあります。したがって、起終点の現地確認は工事全体で一つだけ行うのではなく、主要な工種ごとに行う必要があります。

また、起終点の決定に疑義がある場合は、施工前に協議し、記録を残しておくことが重要です。現地条件によって設計図どおりの施工が難しい場合、現場判断だけで延長を短くしてしまうと、後で延長不足として扱われる可能性があります。たとえば、既設構造物があるため終点まで施工できない、民地乗入口との取り合いで端部処理が必要、交通規制上の都合で施工範囲を分ける必要があるといった場合は、理由、位置、延長への影響を整理しておくべきです。

起終点を明確にすることは、出来形管理の基準線を定める作業です。ここが曖昧なまま施工を進めると、どれだけ丁寧に延長を測っても、測る範囲そのものがずれてしまいます。施工前の現地確認で起点と終点を固定し、写真、測量記録、施工図、現地表示によって関係者が同じ範囲を認識できる状態にしておくことが、延長不足防止の基本です。

確認手順3 測点と追加距離を施工前に照合する

道路工事では、延長を測点で管理することがあります。測点は施工範囲や構造物位置を把握するための便利な基準ですが、読み違いや計算違いがあると延長不足の原因になります。特に、No.表示、追加距離、曲線区間、片側施工、上下線別施工などが絡む現場では、施工前の照合が欠かせません。

測点管理で起こりやすいミスは、測点間隔を一律に考えてしまうことです。図面上で20メートル間隔として扱っている場合でも、現場によっては補助測点や追加距離が設定されている場合があります。起点がNo.1+5.0、終点がNo.6+12.0であれば、単純にNo.1からNo.6までの5区間だけを見るのではなく、起点側の追加距離と終点側の追加距離を加味して計算する必要があります。この確認を怠ると、実際の施工延長と管理延長に差が生じます。

また、道路線形が曲線を含む場合は、平面図上の見た目の距離と中心線上の延長が異なることがあります。舗装や側溝などの管理延長を中心線で見るのか、施工位置の実延長で見るのかによって、必要な延長が変わる場合があります。たとえば、道路中心線に対して外側に設置する縁石や側溝は、曲線部で中心線より長くなることがあります。設計数量がどの線を基準に算出されているのかを確認しないまま施工すると、現地実測で不足または過不足が出る可能性があります。

施工前の照合では、設計図面の測点、現地の測量杭、施工図の寸法、数量表の延長を突き合わせます。図面上ではNo.0からNo.10までと記載されていても、現地の杭がすべて残っているとは限りません。工事着手時には、既設舗装の補修、除草、仮設工、他工事の影響などによって測点杭や目印が失われていることがあります。そのため、現地に残っている杭だけを基準にせず、必要に応じて再測量し、施工範囲を復元することが重要です。

さらに、測点と施工延長の関係を作業員に伝わる形に落とし込む必要があります。現場担当者が図面上で理解していても、実際に施工する作業員が「この印からこの印まで」としか認識していなければ、測点の意味が伝わらないことがあります。施工前の打合せでは、起点、終点、途中の主要測点、構造物との取り合い、施工しない区間を現地で確認し、測点表示と現地表示を対応させます。これにより、測点の読み違いによる施工範囲の不足を防ぎやすくなります。

測点照合では、測量担当者だけでなく、施工管理担当者も内容を理解しておくことが大切です。出来形管理資料を作成する担当者が、どの測点からどの測点までを管理しているのか把握していないと、写真整理や出来形図作成の段階で不整合が生じます。特に延長の出来形写真を撮影する場合、どの位置を起点として撮影しているのか、スケールや測距記録が何を示しているのかが分かるようにしておく必要があります。

施工前に測点と追加距離を照合しておけば、施工中に「あと何メートル必要か」を判断しやすくなります。延長不足は完成後に初めて分かるものではなく、施工前の測点確認で多くを予防できます。図面、数量、現地、施工班の認識を一致させることで、延長管理の精度は大きく向上します。

確認手順4 施工中に中間延長を記録して不足を早期発見する

延長不足を防ぐうえで、施工中の中間確認は有効です。完成後にまとめて延長を測るだけでは、不足が判明した時点で手戻りが大きくなることがあります。舗装であれば端部の再施工、側溝であれば構造物の追加設置、区画線であれば再規制や再施工が必要になることがあります。施工中に中間延長を記録しておけば、不足の兆候を早い段階で発見し、工程内で修正しやすくなります。

施工中の中間確認では、日々の施工延長を記録することが基本です。たとえば、当日の施工開始位置と終了位置、施工した延長、残延長、未施工部分の理由を記録します。舗装工であれば、打設または敷均しの開始点と終了点、端部処理の位置、施工幅の変化点を確認します。側溝や縁石であれば、設置済みの本数や延長、端部の接続状況、未施工部の有無を確認します。区画線や防護柵であれば、施工済み区間と未施工区間を図面上または記録上で明確にします。

ここで重要なのは、出来形管理として最終値だけを残すのではなく、途中経過を把握することです。延長不足は、施工初日から少しずつ蓄積する場合があります。たとえば、起点側で50センチ短く始まり、途中の取合いで1メートル控除したつもりになり、終点側でさらに50センチ手前で止めると、最終的には2メートルの不足になります。一つ一つの差は小さくても、積み重なると検査や社内確認で説明が必要な延長差になることがあります。

施工中の記録は、現場写真とセットで残すと確認しやすくなります。起点、終点、中間点、変化点、取り合い部などを撮影し、どの位置を示しているか分かるようにします。写真だけでは距離が分かりにくいため、必要に応じて測距状況やスケール、測点表示を含めます。ただし、写真を大量に撮るだけでは管理にはなりません。後で確認したときに、どの工種のどの延長を示す記録なのか分かる整理が必要です。

中間延長の確認では、残延長を常に意識することも大切です。施工済み延長だけを見ていると、全体に対して足りているかどうかの判断が遅れます。設計延長が120メートルで、当日までに85メートル施工済みであれば、残りは35メートルです。現地の未施工区間が35メートル以上あるか、障害物や取り合いで施工できない部分がないかを確認します。もし現地の残区間が設計上の残延長より短い、または長い場合は、どこかで計算や範囲認識にずれがある可能性があります。

また、施工中の変更や現場判断を記録せずに進めることは避けるべきです。道路工事では、現地の状況に合わせて端部位置を微調整することがあります。しかし、調整した位置を記録していないと、完成時に設計延長との差を説明できません。現場で「ここまででよい」と判断した場合でも、その根拠が設計図、協議記録、監督職員等の確認、現地障害物の有無などに基づいているかを明確にしておく必要があります。

中間延長の記録は、施工管理担当者だけのためではありません。協力会社との情報共有、発注者との協議、完成書類の作成、検査時の説明にも役立ちます。施工中から延長の推移を残しておくことで、完成時の出来形値がどのように形成されたのかを説明しやすくなります。延長不足を防ぐには、完成時の一発測定に頼るのではなく、施工中に小さなずれを見つけて修正する仕組みを持つことが重要です。

確認手順5 変更箇所と控除箇所をその都度反映する

道路工事では、施工中に設計変更や現地調整が発生することがあります。延長不足を防ぐためには、変更箇所と控除箇所をその都度管理延長に反映する必要があります。変更内容を現場では理解していても、出来形管理資料や出来形図に反映されていなければ、完成時に数量や延長の整合が取れなくなります。

変更箇所とは、施工範囲が延びる、短くなる、位置が変わる、構造が変わるといった部分です。たとえば、排水施設の接続位置を変更したため側溝延長が変わる、舗装範囲を交差点側に延ばす、既設構造物との取り合いで縁石の端部位置を変える、防護柵の設置範囲を調整するなどが該当します。これらは現場で起こり得る調整ですが、延長に影響する場合は出来形管理上の重要事項です。

控除箇所とは、設計上の延長から除く部分です。既設構造物が残る区間、施工対象外の乗入口、橋梁やボックス周辺、マンホール周り、既設側溝との接続部、別工種との重複部分などが考えられます。控除が正しく整理されていないと、施工していない部分が延長不足に見える場合があります。反対に、控除すべきでない部分を勝手に控除してしまうと、実際の施工延長が足りない状態になります。

変更や控除を管理する際は、位置、理由、延長への影響、確認日、関係者の確認状況を記録します。単に「現地調整により変更」とだけ書いても、後から内容を追跡できません。どの測点付近で、何メートル減ったのか、または増えたのか、どの図面や協議に基づくのかを整理することが大切です。道路工事の完成書類では、最終的な出来形値だけでなく、その値に至る経緯を説明できる状態にしておくと確認がスムーズです。

特に注意すべきなのは、軽微な変更を記録しないまま積み重ねてしまうことです。現場では、数十センチ程度の調整を「大きな変更ではない」と考えがちです。しかし、複数箇所で同じような調整が発生すると、合計で数メートルの差になることがあります。舗装端部、縁石端部、区画線端部、防護柵端部などは、端部処理の都合で少しずつ位置が変わりやすい部分です。小さな変更でも延長に影響する場合は記録し、管理延長を更新する必要があります。

また、変更内容は関係者間で共有することが重要です。施工管理担当者だけが変更を把握していても、測量担当者や出来形書類作成担当者に伝わっていなければ、古い延長のまま出来形管理が行われる可能性があります。協力会社が現地調整を行った場合も、施工後に報告を受けるだけでなく、施工前または施工中に管理延長への影響を確認する流れを作るべきです。

変更箇所と控除箇所の反映は、出来形管理の精度を保つための更新作業です。施工開始時に正しい管理延長を設定していても、現場が変われば管理値も変わります。現地条件に合わせた施工を行うこと自体は問題ではありませんが、その変更を記録し、数量と出来形に反映しなければ、延長不足や資料不整合の原因になります。変更が発生したらその場で延長への影響を確認し、最新の管理延長を関係者で共有することが大切です。

確認手順6 完成時に出来形図と実測値を突き合わせる

最後の確認手順は、完成時に出来形図と実測値を突き合わせることです。施工が完了した時点で、設計上または変更後の管理延長に対して、実際の施工延長が満たされているかを確認します。この作業を検査直前に慌てて行うのではなく、完成後できるだけ早い段階で実施することが重要です。

完成時の実測では、起点と終点を再確認し、施工前に決めた基準と一致しているかを確認します。施工前に設定した起点から測っているつもりでも、完成後の端部処理や取り合いの見え方によって、測定位置がずれることがあります。舗装であれば、実際に舗設された端部を測るのか、すり付け部を含めるのか、切削範囲を含めるのかを確認します。側溝や縁石であれば、製品の端部、接続部、端部処理材の扱いを明確にします。区画線であれば、実線部分、破線部分、停止線や文字記号との関係を整理します。

出来形図との突き合わせでは、図面上の延長表示と現地の実測延長が一致しているかを確認します。設計図をそのまま完成図として扱うのではなく、変更箇所、控除箇所、実施工範囲を反映した出来形図になっているかを確認します。出来形図に記載された起点と終点が現地と一致していなければ、実測値が正しくても資料上は不整合になります。反対に、出来形図だけを整えても、現地実測が不足していれば出来形としては問題が残ります。

実測値を確認する際は、測定方法の一貫性も大切です。同じ延長を複数人が測ったときに結果が大きく異なる場合、測定位置や測定ルートが統一されていない可能性があります。直線区間であれば比較的確認しやすいですが、曲線区間、折れ点が多い区間、道路端部に沿って施工する工種では、どの線をたどって測るかによって結果が変わります。施工前に定めた管理基準に沿って測定し、必要に応じて測定状況を写真や記録で残します。

完成時に不足が見つかった場合は、まず原因を切り分けます。実際に施工延長が不足しているのか、測定範囲の認識がずれているのか、変更や控除が反映されていないのか、出来形図の記載が誤っているのかを確認します。原因を確認しないまま追加施工や資料修正を行うと、別の不整合を生むことがあります。実施工が不足している場合は、追加施工の可否、品質確保、交通規制、工程、関係者確認を整理して対応します。資料上の不整合であれば、根拠資料に基づいて出来形図や数量整理を修正します。

完成時の突き合わせは、検査対策だけではなく、工事全体の品質確認です。道路工事では、完成後に供用が始まると、追加測量や手直しが難しくなる場合があります。特に交通量の多い道路では、再規制が必要になり、周辺への影響も大きくなります。そのため、完成直後の段階で延長を確認し、不足や不整合があれば早めに対応することが大切です。

この最終確認によって、施工前に定めた管理延長、施工中に記録した中間延長、変更や控除の反映、完成図の記載、現地実測値が一つにつながります。出来形管理の延長確認は、最後に数字を合わせる作業ではありません。施工の流れ全体を通じて、計画、現地、施工、記録、完成資料を整合させる作業です。

延長不足を防ぐために現場で整えておきたい管理体制

6つの確認手順を確実に実行するには、現場の管理体制も重要です。どれだけ手順を理解していても、担当者ごとに管理方法が違ったり、記録の残し方が曖昧だったりすると、延長不足は防ぎきれません。道路工事では工程が進むにつれて現地状況が変化し、複数の工種が並行して進むこともあるため、情報の整理と共有が欠かせません。

まず整えておきたいのは、工種別の延長管理表です。舗装、側溝、縁石、区画線、防護柵、路肩など、延長管理が必要な工種ごとに、設計延長、変更後延長、施工済み延長、残延長、控除箇所、確認日を整理します。特別な形式である必要はありませんが、現場担当者が見てすぐに現在の延長状況を把握できることが大切です。頭の中だけで管理すると、担当者不在時や引き継ぎ時に情報が途切れます。

次に、施工前打合せで延長に関する確認を行うことです。安全、品質、工程の打合せは行っていても、施工延長の起終点や残延長については簡単に済ませてしまう現場があります。しかし、延長不足を防ぐには、作業前に「今日はどこからどこまで施工するのか」「設計上は何メートル必要なのか」「未施工として残す部分はあるのか」を確認する習慣が有効です。毎日の作業指示に延長確認を組み込むことで、施工班の認識違いを減らせます。

写真管理のルールも整えておく必要があります。出来形写真は、検査時に施工内容を説明する重要な資料です。延長に関する写真では、起点、終点、中間点、測定状況、変更箇所、控除箇所が分かるように撮影します。ただし、写真の枚数を増やすだけではなく、どの写真がどの延長を示しているか整理しておくことが重要です。撮影時に位置や工種を明確にし、後から見返しても内容が分かる状態にします。

また、測量結果や現地確認結果をすぐに書類へ反映する流れも必要です。現場で測った延長をメモしたまま放置すると、後でどの数値が最新なのか分からなくなることがあります。特に変更が多い現場では、古い数値が資料に残ったままになりやすく、完成時の不整合につながります。測量後、確認後、変更後には、管理表、施工図、出来形図、写真整理のいずれに反映が必要かを確認する習慣を持つべきです。

さらに、検査を意識した説明性も大切です。出来形管理では、数値が基準を満たしているだけでなく、その数値がどの範囲を示し、どの根拠に基づくのか説明できる状態にしておくことが望まれます。延長不足の疑いを持たれたときに、起点と終点、設計延長、変更内容、実測結果、写真記録を一貫して示せれば、不要な誤解を避けやすくなります。逆に、現地は正しく施工されていても、資料の説明が不足していると、確認に時間がかかります。

管理体制を整えるうえでは、担当者間の引き継ぎも見落とせません。道路工事は工期が長くなることもあり、途中で担当者や施工班が変わる場合があります。引き継ぎ時に延長管理の状況が共有されていないと、同じ確認を繰り返したり、未確認箇所を見落としたりします。設計延長、施工済み延長、残延長、変更協議中の箇所、注意すべき取り合い部を整理しておけば、担当者が変わっても管理精度を保てます。

延長不足を防ぐ管理体制とは、難しい仕組みを作ることではありません。必要な情報を工種別に整理し、施工前に共有し、施工中に記録し、変更を反映し、完成時に突き合わせる流れを現場の標準動作にすることです。この流れが定着すれば、延長不足だけでなく、出来形管理全体の精度向上にもつながります。

まとめ

道路工事の出来形管理で延長不足を防ぐには、完成後の実測だけに頼らず、施工前から完成時まで一貫した確認を行うことが重要です。まず、契約図書や設計数量から工種別の管理延長を確定し、現地で起点と終点を明確にします。そのうえで、測点や追加距離を施工前に照合し、施工中は中間延長を記録して不足の兆候を早期に発見します。さらに、変更箇所や控除箇所をその都度反映し、完成時には出来形図と実測値を突き合わせることで、延長不足や資料不整合を防ぎやすくなります。

延長不足は、単独のミスで発生するとは限りません。起終点の認識違い、測点の読み違い、変更の反映漏れ、現場調整の記録不足、完成図との不一致など、小さなずれが積み重なって発生します。だからこそ、現場担当者は「最後に測れば分かる」と考えるのではなく、施工前、施工中、施工後の各段階で延長を確認する必要があります。

実務では、管理延長を工種別に整理し、現地表示や写真記録を残し、協力会社や測量担当者と情報を共有することが効果的です。特に道路工事は、既設構造物や交通規制、交差点、乗入口、排水施設などの影響を受けやすいため、図面どおりに進まない場面もあります。現地に合わせて調整する場合でも、その内容を記録し、出来形管理資料へ反映しておけば、完成時の説明性を高められます。

出来形管理は、検査のためだけに行うものではありません。設計や契約で求められる品質と数量を確保し、施工範囲を明確にし、完成後に安心して引き渡すための管理です。道路工事で延長不足を防ぎたい場合は、今回紹介した6つの確認手順を現場の標準的な流れとして取り入れ、日々の施工管理に落とし込むことが大切です。延長確認の抜けや資料整理に不安がある場合は、当該工事の設計図書、施工管理基準、協議記録を整理したうえで、発注者側の監督職員等や社内の技術担当者に早めに確認してください。

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