現場で発生した掘削土や搬入する盛土材の数量を、その場で素早く把握したい場面は少なくありません。「現場で即土量」を確認したいとき、身近な情報の一つがダンプ車両などの荷台寸法と搬出台数です。荷台の内寸と実際の積載高さから見掛け体積を求め、台数を掛ければ、施工中の概算土量を素早く把握できます。
ただし、荷台容量だけを使った土量換算には注意が必要です。土砂は水のように常に一定の形状や密度を保つ材料ではありません。土質、含水状態、掘削によるほぐれ、締固め状態、積み方、荷台上面の山盛り形状などによって、同じ質量でも見掛け体積が変わります。そのため、「荷台が5m³だから10台で50m³」と固定的に計算すると、施工数量や搬出数量との間に差が生じることがあります。
そこで有効なのが、荷台から算出した体積だけでなく、実際に計量した車両の積載質量を組み合わせて確認する方法です。車両ごとの積載質量と、そのときの積載状態を関連付ければ、現場の土砂について単位体積当たりの質量を求めやすくなり、台数や計量値から土量へ換算する際の根拠を増やせます。
なお、本稿では現場で一般に使われる「重量」という表現をタイトルなどに用いていますが、tで表す値は厳密には質量です。土質工学でいう単位体積重量は通常kN/m³で表されます。土量換算で「1m³当たり何t」と扱う場合は、単位体積当たり質量や湿潤密度に相当する値として整理すると混同を避けやすくなります。
重要なのは、荷台容量と計量値のどちらか一方を正解として扱うことではありません。荷台計測は体積側から、車両計量は質量側から同じ積荷を確認する手段です。二つの情報を同じ積荷について照合し、さらに土質や含水状態の変化を記録することで、現場ごとの換算条件を作っていくことができます。
この記事では、「現場で即土量」を把握したい実務担当者に向けて、荷台容量と実測重量を照合しながら土量換算の精度を高める4つの手順を解説します。掘削土の搬出管理、盛土材の搬入管理、残土数量の確認、施工数量の途中確認などに応用できる考え方として整理します。
現場で即土量を求めるとき荷台容量だけでは誤差が出る理由
土砂の搬出入管理では、「何台運んだか」が分かりやすい管理指標です。例えば、1台当たりの積載体積を5m³と仮定し、20台搬出したのであれば、計算上は100m³となります。現場で途中数量をすぐ確認したい場合、この方法は簡単で、速報値を出しやすいのが利点です。
ただし、この5m³という値が毎回同じとは限りません。荷台の内寸から求められる容積は、一定高さまで均一に積んだ場合の幾何学的な値です。実際の土砂は中央部が盛り上がったり、荷台の隅まで十分に入らなかったりします。粘性のある土は塊として積まれることがあり、粒径構成や積込方法によって空隙の状態も変わります。
さらに、掘削した土は地山に存在していたときと同じ体積を保つとは限りません。国土交通省の積算基準でも、土量は地山の土量、ほぐした土量、締固め後の土量に分けて扱われ、状態間の換算には土量変化率が用いられます。つまり、掘削前、運搬時、締固め後では、同じ土であっても体積の意味が異なります。
質量についても条件の影響を受けます。同じ見掛け体積でも、含水状態や土質が変われば積載質量は変化します。雨天後の土砂と乾燥が進んだ土砂を、同一の単位体積当たり質量で換算すると差が広がる可能性があります。
このため、実務では「1台何m³」という固定値だけに頼るのではなく、実際の荷台形状と計量した積載質量を組み合わせ、現在の土砂状態に合った換算条件を確認することが重要です。
現場で即土量を求めるために、すべての積荷を高精度な測量で管理する必要はありません。台数管理を速報値に使いながら、代表的な積荷について体積と質量を照合し、条件が変化したときに換算値を見直すことで、速報性と再現性を両立しやすくなります。
手順1 荷台寸法と積載形状から1台当たりの体積を把握する
最初の手順は、車両1台が実際にどの程度の土砂を積んでいるかを体積側から確認することです。
基本となるのは荷台の内側寸法です。荷台内部を直方体として近似でき、土砂上面もおおむね平らである場合は、内側の長さ、幅、平均積載高さを掛け合わせて概算体積を求められます。長さをL、幅をW、平均積載高さをHとすれば、概算体積Vは「V=L×W×H」です。
ただし、「荷台側板の高さ」と「実際の土砂の平均高さ」を混同しないことが重要です。側板上端まで常に土砂が入っているとは限りません。また、中央だけが高く盛られている場合、側板高さだけを使うと山盛り部分が反映されません。
そこで、実際の積載状態を代表できるよう、前後や中央など複数位置の高さや断面を確認し、平均的な積載形状を近似します。山盛り部分を評価する場合も、すべてを直方体として加算するのではなく、実際の形状に近い断面や3次元形状として扱う方が誤差を抑えやすくなります。
重要なのは、数学的に完全な形状を毎回求めることより、現場で再現できる測定ルールを決めることです。ある日は側板上端までを基準とし、別の日は中央部の山盛りまで含めると、同じ「1台分」でも計算条件が変わってしまいます。
そのため、積載完了後に一定の方法で代表高さを測る、あるいは必要に応じて積荷表面を3次元計測するなど、測定条件をそろえることが有効です。
荷台の形状そのものにも注意します。荷台内部が完全な直方体ではなく、側面や前後面に傾斜がある場合は、外寸ではなく実際に土砂が入る内部形状を基準にします。底面と上面の寸法が異なる場合、単純な長さ×幅×高さだけでは実容積との差が大きくなることがあります。
一度、使用車両ごとに荷台内形状を把握して基準容積を作っておけば、同じ車両では毎回すべての寸法を測り直さず、積載高さや山盛り形状の違いを中心に確認できます。
また、車両の呼称や荷台の見掛け容積と、実際に積載できる土砂量は分けて考える必要があります。土砂は体積だけでなく積載質量の制約も受けるためです。見掛け上は荷台に空間が残っていても、土質や含水状態によっては最大積載量などの制約が先に効くことがあります。
したがって、荷台容量の把握は「限界まで積める体積を決める作業」ではなく、「適正に積載された状態で、実際に運搬している土砂の見掛け体積を把握する作業」と考えるのが適切です。
この段階で1台当たりの代表体積を設定しておくと、搬出台数を掛けるだけで即時の概算土量を出せます。しかし、これだけでは換算条件が安定しているか判断できないため、次に質量側から同じ積荷を確認します。
手順2 空車重量と積載重量から土砂の実測重量を求める
次の手順では、同じ車両を計量し、積載した土砂の質量を求めます。
考え方は、積載状態で計量した車両の総質量から、できるだけ同条件で計量した空車時の車両質量を差し引く方法です。
例えば、積載状態の計量値が12.0t、空車時の計量値が7.5tであれば、その差は4.5tです。この4.5tを、その時点で車両に積まれていた土砂等の積載質量の概算値として扱えます。
ただし、差し引きの前提は、空車時と積載時で土砂以外の条件をできるだけそろえることです。燃料量、乗員、常備品、付着土や水分などが変われば、その差も積載質量の計算に入り込みます。
そのため、精度を高めるなら、カタログ上の車両重量だけを固定値として使うのではなく、実際の運用状態に近い空車時の計量値を基準にし、必要に応じて再確認します。長期間の工事では、付着土や搭載物の変化にも注意が必要です。
また、計量値を土量管理に使う場合でも、最大積載量や車両総重量など、車両ごとに定められた積載条件を超えてよいわけではありません。土量を増やす目的で積載限度を超える運用は避け、適正な積載状態で得られたデータだけを換算に使います。
車両計量の目的は、単に運搬管理を行うためだけではありません。荷台から算出した見掛け体積と組み合わせることで、その時点の土砂について「1m³当たり何tか」という単位体積当たり質量を把握するためです。
例えば、荷台上の見掛け体積を3.0m³と評価し、積載土砂の質量が4.5tだった場合、単純計算では1m³当たり1.5tです。この値は、その測定時点の土質、含水状態、ほぐれ状態、積み方を反映した換算値として利用できます。
反対に、同じ条件での単位体積当たり質量が十分に確認できていれば、計量した積載質量をその値で割ることで見掛け体積を推定できます。
ただし、ここで得た値を工事期間中ずっと固定して使うのは避けた方が安全です。同じ掘削現場でも、掘削位置や深度が変われば土質が変化することがあります。表層と深部、砂質土主体の区間と粘性土主体の区間では、体積と質量の関係が異なる可能性があります。
降雨などによって含水状態が変化した場合も同様です。水分が増えると、同じ見掛け体積でも計量値が増えることがあり、過去の換算値をそのまま使うと、質量から逆算した体積が実態からずれる可能性があります。
したがって、車両計量は「一度測れば係数が決まる作業」ではなく、「現在使っている換算値が今の土砂状態にも適用できるかを確認する作業」と捉えることが重要です。
手順3 体積と重量を照合して現場固有の換算値を作る
3つ目の手順が、土量換算精度を高める中心となる工程です。荷台から求めた見掛け体積と、計量によって求めた積載土砂の質量を、同じ積荷について対応させます。
ここで大切なのは、「体積を測った積荷」と「質量を測った積荷」を確実に一致させることです。別々の車両や別の積荷を組み合わせると、土質、含水状態、積み方の違いが混ざり、換算値の意味が曖昧になります。
同じ積荷について見掛け体積がV、積載土砂の質量がMと分かれば、「M÷V」によって単位体積当たり質量を求められます。
例えば、見掛け体積が4.0m³、積載土砂の質量が6.0tであれば、その積荷では1m³当たり1.5tです。この条件が別の積荷にも十分近いと確認できる場合、別車両の積載土砂質量が6.3tなら、6.3÷1.5から見掛け体積は約4.2m³と推定できます。
この換算値を現場で使える形に整理すれば、「今日は何台運んだか」「積載土砂の合計質量は何tか」という情報から、運搬時のほぐし土量を概算しやすくなります。
ただし、1回の測定値だけで代表値を決めると、荷台形状の近似誤差や計量条件の違いをそのまま係数へ取り込むおそれがあります。複数の積荷について同じ方法で測定し、値のばらつきと条件差を確認してから代表値を設定する方が安全です。
例えば複数の計測値が1m³当たり1.45t、1.48t、1.51t、1.49t、1.47tのように近い範囲へ集まっていれば、その条件下では比較的安定した換算値として扱いやすいと判断できます。
一方で、1.2tから1.8tまで大きく散らばる場合は、一つの係数にまとめる前に原因を確認します。土質や含水状態が混在しているなら、掘削区画や土質区分ごとに換算値を分けた方が実態に合う場合があります。積載形状の測り方や空車時計量の条件にばらつきがないかも確認します。
この考え方は、搬出台数だけで土量を管理していた現場にも導入できます。まず代表的な複数の積荷を詳しく測り、その結果から1台当たりの平均見掛け体積や単位体積当たり質量を設定し、台数管理へ反映します。
例えば、同一条件のデータから1台平均4.2m³という運搬時の代表値が得られれば、30台の搬出は概算126m³です。その後も条件変化のタイミングで再測定し、4.2m³という値が現在も妥当か確認します。
こうすると、全車両を毎回詳細に測定する負担を増やし過ぎずに、台数管理の根拠を更新できます。
手順4 複数台の記録から換算値を更新して土量精度を高める
4つ目の手順は、現場固有の換算値を継続して更新することです。
土量換算では、最初に決めた係数を最後まで固定すると、工事が進むにつれて実態との差が広がる場合があります。掘削場所、地層、天候、含水状態、積込方法などが変化するためです。
そこで、日々の搬出記録に、台数だけでなく代表的な計量値と積載状態を関連付けます。
例えば掘削区画が変わったとき、目視で土質が変わったとき、降雨後など含水状態が変化したと考えられるときに、代表的な積荷を再び計測します。その結果、従来の換算値との差が小さければ継続して使い、大きく変化していれば条件を分けるか換算値を更新します。
ここで役立つのが平均値だけでなく、ばらつきを見る考え方です。
平均1台4.0m³だったとしても、ほとんどの車両が3.9m³から4.1m³程度に収まる場合と、3.0m³から5.0m³まで大きく散らばる場合では、同じ平均4.0m³でも管理上の意味が異なります。
後者では「1台=4.0m³」を個別車両へそのまま当てはめる精度は高くありません。複数台の合計を概算する場合も、積載方法や土質に偏りがあれば平均化だけで差が解消するとは限らないため、ばらつきの原因を確認することが重要です。
必要な精度は、土量を使う目的によっても変わります。施工中の進捗を概算したいのか、配車計画に使いたいのか、契約数量や出来形数量の根拠として扱いたいのかで、求められる計測方法や確認手順は異なります。
「現場で即土量」を把握する目的であれば、速報値と確定値を分ける方法が有効です。施工中は台数と現場換算値から速報値を出し、必要に応じて施工前後の3次元計測や所定の数量算出方法で全体数量を確認します。
ここで重要なのは、台数換算と3次元計測の結果を比較するときに、同じ土量状態へそろえることです。荷台上の値は通常、運搬時のほぐした土量に近い一方、施工前後の地形差分は地山状態の掘削量や締固め後の盛土量として扱うことがあります。状態が異なる数値をそのまま一致させようとせず、必要に応じて土量変化率などを用いて同じ基準へ換算して比較します。
また、比較範囲、基準面、座標系、計測時点が異なれば、それだけでも差が生じます。換算係数を見直すときは、数値の状態と比較条件が一致しているかを先に確認します。
台数と計量値は施工中の即時管理に向き、3次元計測は対象範囲の形状変化を面的に把握するのに向いています。それぞれの役割を分け、同じ基準へ整理したうえで照合することで、換算条件を次の工程へ反映しやすくなります。
土量換算では地山・ほぐし・締固めの状態を分けて考える
荷台容量と積載質量を正しく測定しても、何の状態の土量を求めているかが曖昧では、数値の意味を取り違える可能性があります。
特に重要なのが、掘削前の地山状態、掘削後のほぐした状態、施工後の締固め状態です。国土交通省の積算基準でも、土量はこの三つの状態に区分され、地山を基準とした体積比として土量変化率が整理されています。
例えば地山状態で100m³存在した土を掘削した場合、ほぐした後の運搬時体積が100m³と同じになるとは限りません。その土を盛土として敷き均し、締め固めた後も、運搬時とは別の体積になります。
そのため、荷台で計測した100m³と、完成した盛土の100m³をそのまま同一視することはできません。どちらも数値は100m³でも、示している土の状態が異なるからです。
「現場で即土量」を確認したい担当者が知りたいのは、その時点でどれだけ搬出したか、あと何台必要か、計画土量に対してどの程度進んだかといった施工管理上の数量であることが多いでしょう。
そのため、計測結果には状態を明確に付けておく必要があります。
荷台上で計測した値であれば「運搬時のほぐし土量」、施工前後の地形差から掘削量を求めたのであれば「対象範囲の地山状態の形状差分」、締固め後の出来形面から求めたのであれば「締固め後の盛土体積」のように意味を区別します。
状態を区別せず数字だけを比較すると、「台数換算では120m³なのに地形差分では100m³しかない」といった混乱が起きやすくなります。
この差は測定ミスだけでなく、地山、ほぐし、締固めという状態差によって生じることがあります。必要なら適切な土量変化率を用いて同じ状態へ換算し、それから比較します。
現場で数値を共有するときは、「何m³か」だけでなく、「どの状態のm³か」をセットで扱うことが土量管理の基本です。
含水状態と土質変化を無視すると重量換算がずれる
質量を利用した土量換算で特に注意したいのが水分です。
土砂は固体粒子だけで構成されているわけではなく、粒子間に水や空気を含んでいます。そのため、同じ場所から掘削した土でも、含水状態が変われば単位体積当たり質量が変化することがあります。
例えば乾燥が進んだ日に作成した「1m³当たり何t」という換算値を、そのまま降雨後の土砂へ適用すると、質量から逆算する体積に差が生じる可能性があります。
降雨後に積荷の計量値が増えたとしても、運んだ土の見掛け体積が同じ割合で増えたとは限りません。水分量の増加によって単位体積当たり質量が変化している場合があるためです。
したがって、質量換算を利用するときは、含水状態が大きく変化したと考えられるタイミングで換算値を再確認することが有効です。
また、掘削深度や区画の変化にも注意します。上部と深部で土質が異なる場合や、砂質土主体の区間から粘性土主体の区間へ移る場合などは、一つの換算係数で工事全体を管理すると誤差が大きくなることがあります。
実務では、地層や土質が変化した区間を換算条件の切り替え候補として扱うと管理しやすくなります。
重要なのは、現場管理上必要以上に細かく分類することではなく、体積と質量の関係が変わったことをデータで確認し、その原因になり得る土質や含水状態を記録することです。
「昨日までは1台平均4.3m³だったのに、今日は同程度の積載質量でも3.7m³程度だった」といった変化が見えたときは、測定誤差だけでなく、土質、含水状態、積載形状の変化も確認します。
数値の変化を異常値として機械的に消すのではなく、現場状況と関連付けて検討することで、その後の換算精度向上につながります。
荷台への積み方による体積誤差を小さくする方法
荷台から土量を求める場合、積込方法のばらつきも誤差要因になります。
同じ車両でも、積込位置や積込機械の操作によって、荷台前方に土が偏ったり、中央だけが高くなったりすることがあります。
体積換算を安定させたいのであれば、安全と積載条件を守ったうえで、可能な範囲で積載状態をそろえることが有効です。
これは、毎回完全に平らに均すという意味ではありません。重要なのは、積載形状の測り方と積込ルールを一定にし、代表体積の条件を変えないことです。
積み方が比較的そろえば、1台当たりの見掛け体積も安定しやすくなり、台数から算出する速報値のばらつきを抑えやすくなります。
一方で、積載量を増やすために無理に土を積み上げる考え方は避ける必要があります。体積計算以前に、車両ごとの最大積載量、車両総重量、荷崩れ防止など、適正な運行条件を守ることが前提です。
土量管理で確認する荷台体積は、「積載できる限界量」ではなく、「適正に積載された状態で実際に運んだ量」を把握するための数値として扱います。
写真で積載状態を記録する場合は、撮影方向や位置をそろえると比較しやすくなります。ただし、写真だけから高精度な体積を求められるとは限りません。写真は積載状態の変化や偏りを後から確認する補助記録として使い、体積値は寸法計測や3次元計測など、目的に合った方法で求めます。
前日と当日の積み方が違うか、午前と午後で山盛り形状が変わっていないかを確認できれば、台数換算値に変化が出た理由を追跡しやすくなります。
台数管理と実測土量を組み合わせると現場判断が速くなる
現場で即土量を知るという目的では、台数管理には大きな利点があります。
車両が現場を出るたびに記録すれば、現在何台搬出したかをほぼリアルタイムで把握できます。1台当たりの現場換算値が分かっていれば、その場で累積の運搬時土量も推定できます。
例えば平均4.1m³と評価している条件で25台搬出したなら、速報値は約102.5m³です。
計画している運搬時土量が150m³で、同じ換算条件が続くと仮定すれば、差は約47.5m³です。この値を平均4.1m³で割れば、残り台数の概算にも使えます。
こうした速報値は、配車や掘削進捗の判断に役立ちます。
ただし、台数換算値をそのまま出来形数量や確定数量とみなすのではなく、必要に応じて所定の数量算出方法や実測結果と照合する仕組みにしておく方が安全です。
施工前後の地表面を3次元計測できる場合は、同じ対象範囲について二つの地形データから体積差を求めることができます。国土交通省の出来形管理要領でも、条件を満たす3次元計測結果を用いた数量算出が示されています。
ただし、荷台上のほぐし土量と、施工前後の地形差から得た地山土量や締固め後土量を、そのまま数値だけで比較してはいけません。まず同じ土量状態へ換算し、比較範囲、基準面、座標系、計測時点をそろえてから差を確認します。
例えば、台数換算で得た運搬時のほぐし土量と、施工前後の地形差から求めた地山土量を比較するなら、適切な土量変化率を用いて同じ状態へそろえます。そのうえで差が継続的に大きい場合に、1台当たり換算値、計測範囲、未計測部分、付着土や場内移動などの条件を見直します。
台数管理と3次元計測は競合する方法ではありません。
台数は「今どれくらい運んだか」を素早く把握する手段として使いやすく、3次元計測は「対象範囲の形状がどれだけ変化したか」を面的に確認するのに向いています。
目的と土量状態をそろえて組み合わせることで、現場の土量管理を効率化しやすくなります。
現場で即土量を把握するための計測データ管理
荷台容量や計量値を測定しても、後からどの積荷の記録か分からなくなると、換算値の検証ができません。
そこで、測定日時、車両を区別できる情報、積載状態、積載時と空車時の計量値、推定見掛け体積、掘削区画、土質や天候の変化などを、同じ記録単位に関連付けておくことが重要です。
すべてを細かく入力するより、現場で継続できる項目に絞り、「誰が見ても同じ積荷と換算条件を特定できる状態」にすることが大切です。
位置情報を利用できる場合は、どの掘削区画から積み込んだ土砂かを記録すると、換算値の違いを後から検証しやすくなります。
例えばA区画の単位体積当たり質量が平均1.45t/m³、B区画では1.65t/m³という差が継続して確認できれば、工事全体を一つの換算値で管理するより、区画別に条件を分けた方が実態に合う可能性があります。
また、施工前後の現場形状を3次元的に記録できれば、荷台単位の管理とは別に、対象範囲の形状変化から数量を確認できます。
土量算出には平均断面法などが用いられてきましたが、現在は、所定の条件を満たす3次元点群データや3次元モデルを利用して数量を算出する方法も実務で用いられています。計測点群から体積差を求める場合も、基準面、対象範囲、点群の品質、座標系などの条件をそろえる必要があります。
こうした面的な計測と荷台管理を組み合わせると、「何台出たから何m³」という推計だけではなく、「対象範囲の形状はどれだけ変化したか」という別の視点から検証できます。
特に、仮置き土の体積や掘削範囲の途中数量を知りたい場合、現場形状を直接計測できると有効です。
例えば仮置き土の山を3次元計測し、設定した基準面との差から体積を算出します。その結果と搬入台数から求めた累積のほぐし土量を比較する場合は、仮置き後の沈下や締まり、こぼれ、基準面の設定などによって差が生じる可能性も踏まえ、完全一致を前提にせず換算条件の検証材料として扱います。
このように「台数」「積載質量」「3次元形状」の三つを完全に独立した管理方法として扱うのではなく、土量状態と計測条件をそろえたうえで互いを検証する情報として利用することで、土量管理の信頼性を高められます。
まとめ 荷台容量と重量の両面から土量を確認する
現場で即土量を把握したいとき、荷台容量と搬出台数による計算は使いやすい方法です。しかし、土砂は積み方、土質、含水状態、掘削後のほぐれなどによって体積と質量の関係が変わるため、「1台は常に一定のm³」と固定して管理すると、施工条件の変化に追従できないことがあります。
土量換算の精度を高める第一歩は、実際の荷台内寸と積載形状から、1台当たりの見掛け体積を同じルールで把握することです。
次に、積載時と空車時の実測車両質量の差から、積載土砂の質量を求めます。
そして同じ積荷について見掛け体積と積載質量を照合し、「この現場、この土質、この状態では1m³当たりおおよそ何tか」という換算値を作ります。t/m³で整理する場合は、単位体積当たり質量として扱うと、kN/m³で表す単位体積重量との混同を避けられます。
さらに複数の積荷データを蓄積し、掘削場所、天候、含水状態、土質、積込方法が変化したタイミングで換算値を再確認します。
この4手順を繰り返すことで、単純な台数管理よりも現在の施工条件を反映した土量を把握しやすくなります。
同時に忘れてはいけないのが、地山土量、ほぐし土量、締固め後の土量を区別することです。同じ土砂でも状態によって体積が変化するため、比較する数値がどの状態を示しているかを明確にします。
実務では、施工中のすべての車両について詳細な体積計測を行う必要があるとは限りません。代表的な積荷を複数確認し、その結果を台数換算に反映し、条件が変わったときに再測定する方法でも、施工中の概算管理に利用できます。
さらに精度を確認したい場合は、車両単位の管理だけでなく、実際の現場形状から土量を算出する方法を組み合わせることが有効です。
掘削前後の地形や仮置き土の形状を3次元データとして取得できれば、対象範囲の形状差から数量を確認できます。ただし、荷台上のほぐし土量と地形差から得た地山土量や締固め後土量を比較する場合は、同じ土量状態へ換算してから照合することが前提です。
台数は速報性、積載質量は換算条件の確認、3次元形状は対象範囲の形状変化の確認というように役割を分けることで、土量管理の意味が整理しやすくなります。
「現場で即土量」を実現するうえで重要なのは、複雑な計算式を増やすことではありません。現場で取得できる情報を同じ基準で継続的に記録し、異なる方法で求めた数量を同じ土量状態と対象範囲にそろえて照合できる仕組みを作ることです。
荷台容量、積載質量、積載台数、現場形状を一つの流れとして管理できれば、掘削途中でも現在の土量を判断しやすくなり、搬出計画や施工進捗の確認にもつなげられます。
さらに、現場で土砂形状を手軽に記録し、その場で面積や体積を確認できる環境を整えれば、台数換算だけでは判断しにくい仮置き土や不整形な掘削箇所についても、実測値を基準に確認しやすくなります。こうした現場計測と日常の土量管理をつなげたい場合は、LRTK Phoneを活用した現場計測も次の選択肢になります。