LRTKレフィクシア株式会社

現場で土量管理の法面吹付前整形土を見落とさない4項目

法面吹付前の整形土が現場で土量管理から抜けやすい理由

現場で土量管理を行うとき、掘削や盛土の大きな数量には注意を向けていても、法面吹付の直前に行う整形によって発生する土量は見落とされやすい項目です。道路、造成、砂防、河川、斜面対策などの工事では、掘削によっておおむね法面形状ができた後、そのまま吹付工程へ移るとは限りません。法面に残った凹凸を修正し、浮石や不安定な土砂を取り除き、法肩や法尻、小段の納まりを整え、施工条件に応じて吹付けの下地となる面を整える作業が入ります。

この段階で発生する土砂は、一か所だけを見れば小さな量に感じられます。しかし、法面延長が長い現場や複数段の法面が連続する現場では、数センチから数十センチ程度の局部的な整形が広い面積に積み重なるため、全体では無視できない土量になることがあります。特に法面の凹凸が大きい場所、軟弱部が部分的に残る場所、法肩の施工幅を確保する場所などでは、当初想定より掘削量が増えることもあります。

ここで重要なのは、「吹付前に削ったものはすべて同じ整形土」と一括りにしないことです。現場で土量管理を正確に行うには、設計断面を形成するために必要だった掘削なのか、施工上の下地調整として追加された整形なのか、不安定土砂や崩落土の除去なのかをできるだけ区別して考える必要があります。工事数量の扱いは契約図書、設計図書、施工条件、発注者との協議内容によって異なるため、名称だけで数量区分を決めることは避けなければなりません。

また、土量管理では「削った体積」と「ダンプなどで搬出した量」が同じとは限りません。地山状態の土砂を掘削すると、ほぐれによって体積が変化します。逆に現場内で再利用して締め固める場合には、締固め後の体積も異なります。そのため、法面吹付前の整形土を把握するときは、どの状態の体積を管理しているのかを明確にすることが基本です。

現場で土量管理の精度を高めるには、大規模な掘削の数量だけを見るのではなく、工程の境目で発生する小さな数量まで追う視点が欠かせません。法面吹付前整形は、まさにその代表例です。ここからは、見落としを減らすために確認したい4項目を順に解説します。

1.設計断面と施工前法面の差から整形土を拾う

法面吹付前の整形土を見落とさないための第一歩は、設計上の法面形状と実際の施工途中の法面形状を区別して把握することです。

現場で土量管理をするとき、掘削前地形と完成設計面だけを比較して土量を算出する方法は分かりやすく、全体数量を確認するうえでも有効です。しかし、工程途中でどの程度の土砂が追加発生したのかを追跡したい場合には、掘削前と完成後の2時点だけでは情報が不足します。

例えば、掘削作業がいったん完了した段階では設計法面に近い形状になっていたものの、吹付工の施工班が入る前に表面の凹凸を整えるため再度削ったとします。この追加掘削を最終形状だけで確認すると、最初の掘削作業に含まれているように見えてしまいます。その結果、どの工程で土量が発生したのかが分からなくなります。

そこで重要になるのが、吹付前整形を開始する直前の法面を一つの管理時点として残すことです。掘削完了時、整形前、整形後など、工程の節目で状態を記録しておけば、その間で変化した体積を比較できます。

ただし、単純に二つの面を比較した差のすべてを整形土として扱えばよいわけではありません。施工中に一部が自然に崩れた場合や、重機の走行に伴って土砂が移動した場合、降雨によって表面が流出した場合など、整形作業とは別の要因で形状が変化することもあります。したがって、現場での作業記録や写真と合わせて確認する必要があります。

法面の整形量を考えるうえでは、平均的な削り厚だけで判断しないことも大切です。例えば法面積が1,000平方メートルあり、平均5センチ削ったと単純に仮定すると50立方メートルになります。しかし実際の法面は均一ではありません。ほとんど削っていない部分と、局部的に20センチ以上削った部分が混在する可能性があります。平均厚による計算は概算には使えますが、実績数量を管理する場合には実際の形状をできるだけ反映させる必要があります。

特に注意したいのが、法面に生じた凸部です。凹部は吹付材料などで表面が覆われるため見た目に残りやすい一方、凸部は施工前に削り取られるため、整形後には存在していたこと自体が分かりにくくなります。施工後だけを計測しても、どこをどの程度削ったのかを復元することは難しくなります。

そのため、法面吹付の直前になってから数量を考えるのではなく、掘削工程の段階から「整形前の状態を残す」という管理ルールを設定しておくことが有効です。

さらに、設計面の扱いにも注意が必要です。設計図面に示された法面勾配や法肩、法尻、小段の位置が、現場で使用している座標データと一致しているかを確認します。古い図面や変更前のデータを基準に比較すると、実際には設計変更で認められた形状差まで整形量として計算してしまうことがあります。

現場で土量管理を行う際には、数量計算の前に「どの設計面を正として比較しているのか」を固定することが重要です。最新版の施工図や設計変更資料などを確認し、現場で使用する基準を統一しておけば、後から計算結果の根拠を説明しやすくなります。

高さ基準や座標系も同様です。異なる基準で計測された点群や測点を比較すると、法面全体がわずかにずれ、そのずれが大きな土量差として表れることがあります。例えば高さ方向に数センチずれたデータを広い法面全体で比較すれば、実際には存在しない差分が体積として計算される可能性があります。

したがって、整形前後を比較する場合には、既知点などを利用して位置と高さの整合を確認し、同じ基準で取得されたデータとして扱える状態にしてから土量を算出します。

現場で土量管理をする実務担当者にとって大切なのは、高度な計算方法を使うことよりも、「どの時点とどの時点を比較しているのか」を明確にすることです。法面吹付前整形土は工程途中で姿を消す数量だからこそ、整形前の形状を確保することが第一の確認項目になります。

2.小段・法肩・法尻の局部整形を分けて管理する

法面吹付前の整形土は、法面中央だけで発生するわけではありません。実際の現場では、法肩、小段、法尻、構造物との接続部など、境界となる部分で追加の整形が発生しやすくなります。

こうした局部整形は、一つ一つの範囲が狭いため全体数量の中に埋もれやすい一方、現場で土量管理を行う際には注意が必要です。

まず法肩です。法肩は法面と上部地盤が切り替わる場所であり、施工時の安全性や排水、吹付けの端部処理などを考慮して形状を整えることがあります。掘削機械で大まかに成形した段階では肩部が角張っていたり、逆に余分な土砂が残っていたりすることがあります。その後、人力や小型機械などで修正すれば、その分の土砂が追加発生します。

法肩周辺は完成後に植生や別の仕上げで覆われるケースもあるため、整形前の状態を記録していないと、どの程度削ったのか確認することが難しくなります。

次に小段です。複数段の法面では小段が連続し、排水や施工上の通路として機能する場合があります。小段では幅員、横断方向の形状、縦断方向の排水などを考慮しながら整形が行われます。そのため、法面本体とは異なる方向に土砂を削ることがあります。

法面全体を一枚の面として簡略化すると、この小段の変化を正しく拾えないことがあります。例えば設計上は水平に近い小段でも、排水条件などを踏まえて実際の形状が調整される場合があります。こうした形状の扱いは現場条件や設計図書に従う必要がありますが、少なくとも数量管理上は「法面部分」と「小段部分」を意識して確認することが有効です。

法尻も重要です。法尻には側溝、排水施設、擁壁、基礎、張りコンクリートなど別工種が接続するケースがあります。法面掘削の段階では余裕をもって土を残し、後工程で構造物の位置に合わせて最終的に削ることがあります。

この追加掘削が排水施設側の掘削なのか、法面整形なのか、別の掘削工なのかは契約上の数量区分によって異なります。そのため、自動的に「整形土」と判断するのではなく、発生場所と作業目的を記録しておくことが重要です。

さらに見落としやすいのが、法面と構造物が交差する部分です。例えば擁壁端部、排水管周辺、集水施設周辺、落石対策施設の基礎周辺などでは、機械掘削だけでは最終形状を作りにくく、施工直前に細かな修正が発生します。

こうした場所を一つずつ別数量として管理する必要があるとは限りません。しかし、現場で土量管理をする担当者は、少なくとも「中央部の一般的な法面整形だけを見ていないか」を確認する必要があります。

有効なのは、工区や測点、法面段数などによって管理範囲を区切る方法です。例えば上段法面、中段小段、下段法面、法尻というようにエリアを分けて変化量を確認すれば、どこで想定以上の土砂が発生しているのか把握しやすくなります。

長い法面では、延長方向にも区切ります。現場全体で「整形土80立方メートル」とだけ記録していると、その数量が妥当かどうか後から検証することが難しくなります。一方、測点間や施工ブロックごとに概算量を残していれば、搬出台数や施工日報との比較ができます。

例えば一つの施工区間だけ極端に整形量が大きければ、その区間で地山の凹凸が大きかったのか、崩落が発生したのか、設計面の変更があったのかを確認できます。このように、土量管理は単なる集計ではなく、異常な数量を見つけるための施工管理情報としても活用できます。

法面吹付前の整形は、全面が均等に数センチ削られるような単純な作業ではありません。むしろ局部的な修正が点在し、その積み重ねが土量になります。したがって法面中央の平均厚だけで管理するのではなく、法肩、小段、法尻、構造物との接続部といった変化が発生しやすい場所を意識して確認することが第二のポイントです。

3.整形土の発生量と搬出・流用量を混同しない

現場で土量管理を行うときに起こりやすい混乱が、「現場で削った土量」と「運搬した土量」を同じ数字として扱ってしまうことです。

法面吹付前整形で発生した土砂がすべて場外へ搬出されるとは限りません。現場内の仮置場へ運ぶ場合もあれば、条件を確認したうえで別の場所に流用される場合もあります。また、不適切な材料や混入物を含む土砂など、施工条件によって扱いを分ける必要が生じることもあります。

そのため、土量管理では少なくとも「どこから発生したのか」と「どこへ移動したのか」を分けて考える必要があります。

例えば法面整形によって地山状態で30立方メートル相当の土砂が発生したとしても、それを掘削してほぐした状態では見掛けの体積が変わる可能性があります。さらに運搬車両の積載状態では、山積みの形状や空隙などによって体積の見え方が異なります。

反対に、現場内の盛土材料として使用する場合には、敷き均しと締固めによって体積が変化します。このため「法面から30立方メートル削ったので、盛土が30立方メートル増える」と単純には考えられません。

土砂の体積変化を考慮する必要がある場合には、地山、ほぐした状態、締固め後など、どの状態を基準に数量を扱っているかを明確にします。適用する考え方や係数は土質、施工条件、設計図書や積算上の扱いなどによって異なるため、現場独自の思い込みで一律の係数を設定するのは避けるべきです。

現場で土量管理をする際に実務上使いやすいのは、まず発生源側の数量を形状計測などによって把握し、その後に運搬記録や仮置量、流用先の数量と照合する方法です。

法面整形前後の形状比較から20立方メートル程度の掘削変化が確認されたにもかかわらず、その日の運搬記録が大きく異なっている場合には、その差の理由を確認します。前日分が仮置きされていたのか、別工区の土砂が混ざっていたのか、現場内流用があったのかなど、施工の流れを追うことで数量の整合性を確認できます。

逆に運搬記録だけで整形土量を管理すると、別工種から発生した残土まで混ざってしまう可能性があります。法面整形と側溝掘削、基礎掘削、崩落土の撤去などを同じ仮置場に集めた後で搬出すれば、車両台数だけから法面整形分を逆算するのは難しくなります。

そこで、発生時点で工区や作業内容を記録しておくことが有効です。複雑な管理システムが必要なわけではありません。施工日、工区、作業内容、概算数量、移動先などを一貫したルールで記録しておけば、後から照合しやすくなります。

注意したいのは、法面整形中に発生する崩落土です。整形作業によって不安定な部分を除去した際、予定していた整形範囲より広く土砂が落ちる場合があります。この数量をすべて通常の整形土に含めるべきかどうかは、施工条件や契約上の扱いによって判断する必要があります。

重要なのは、その場で区別できる情報を残しておくことです。例えば「通常の表面整形」と「局部的な不安定部の除去」を施工記録上区別しておけば、後から数量について協議する必要が生じた場合にも状況を説明しやすくなります。

降雨後の法面も同様です。整形前に雨で表層土が流出した場合、その減少量まで人為的な整形量として扱うと実態と合いません。一方、雨によって緩んだ表層を施工上の判断で除去した場合には、その作業による発生土が存在します。

形状計測だけでは、なぜ土が減ったのかまでは判断できません。したがって、現場で土量管理を行う場合は、3次元的な形状情報と施工日報、写真、作業内容を組み合わせることが大切です。

土量には常に「状態」と「移動」があります。どこからどれだけ削ったかという発生量、どこへどれだけ運んだかという移動量、どこでどれだけ使用したかという流用量は、それぞれ別の数字です。

この三つを一つの数字にまとめてしまうと、法面吹付前整形土のような小規模な数量ほど分からなくなります。発生量と搬出・流用量を分けて追うことが、第三の確認項目です。

4.施工前後の計測と写真を同じ基準で残す

法面吹付前整形土を確実に管理するための第四の項目は、施工前後の状態を比較できる形で記録することです。

土量管理というと体積の数字に目が向きがちですが、数字だけでは後から根拠を説明できないことがあります。特に法面整形は施工が進むと元の形状が失われ、さらに吹付工が完了すれば地山表面を直接確認できなくなります。

つまり、整形作業が完了するまでの短い期間が、元の状態を記録できる機会になります。

理想的なのは、整形前と整形後を同じ座標基準で3次元計測し、その差分から体積を確認することです。法面のように傾斜した面では、平面的な面積と単純な平均掘削深さだけでは実形状を表しにくいため、3次元データを用いることで局部的な凹凸を把握しやすくなります。

ただし、3次元計測を行えば自動的に正しい土量が得られるわけではありません。整形前と整形後で測位基準がずれていれば、法面そのものが移動したような差分が生じます。

そこで、計測ごとに既知点や確認点などを利用して位置の整合性を確認することが重要です。特に長い法面では、一か所だけで位置が合っていても、離れた場所で回転方向のずれが生じている可能性があります。複数地点で位置と高さを確認しておくと、比較データの信頼性を高めやすくなります。

法面はGNSSによる測位環境にも注意が必要です。山間部や切土面の近くでは、周囲の地形や構造物、樹木などによって衛星信号の受信条件が変化する場合があります。計測時には測位状態を確認し、条件が十分でないデータを無条件に数量計算へ使用しないことが大切です。

点群などで表面を取得する場合には、植生や浮いた土砂、資材、人、重機など、土量計算に不要な対象物が含まれることもあります。法面表面として扱うデータを適切に選別しなければ、局部的な誤差が数量へ反映されます。

また、整形前後で計測範囲をそろえることも必要です。整形前は法面全体を計測したのに、整形後は一部しか計測していない状態では、単純に全体差を比較できません。比較範囲を施工ブロックや測点間で明確にし、同一範囲について計算することが基本です。

写真記録も重要です。3次元データだけでは、なぜその場所を深く削ったのか判断できない場合があります。整形前に凸部、浮石、緩み、不安定部などを撮影し、整形後の状態も残しておけば、数量差の背景を確認できます。

写真を残す際には、単なる近接写真だけでは位置が分かりにくいため、法面全体の中で場所が判断できる写真と、局部状態が確認できる写真を組み合わせる方法が有効です。測点や施工ブロックなどと関連付けて管理すると、後から探す手間も減らせます。

さらに、計測日と施工日の関係も重要です。整形前計測から実際の整形作業まで数日空いた場合、その間に降雨や小規模な崩落が発生しているかもしれません。その場合、二つの計測データの差がすべて整形作業による変化とは限りません。

できるだけ作業開始に近い時点で整形前を記録し、整形完了後も次工程に入る前に記録することが望ましい管理方法です。

現場では工程に追われ、「あとで測ればよい」と考えがちです。しかし法面吹付が始まると地山面は覆われます。吹付後に整形前の地山形状を再現することは困難です。

そのため、施工計画の段階から整形前後の計測タイミングを工程に組み込んでおくことが有効です。施工班が整形を開始する前に担当者へ連絡する、計測済みエリアを明確にしてから施工するなど、簡単な運用ルールを設けるだけでも取りこぼしは減らせます。

現場で土量管理を安定させるには、測る技術だけでなく「測り忘れない仕組み」が重要です。整形土が消えてから計算しようとするのではなく、消える前に記録することが第四の確認項目になります。

現場で土量管理するときの整形から吹付までの実務手順

ここまでの4項目を実際の施工管理へ落とし込むには、法面掘削から吹付工までの工程を連続した土量管理として考えると整理しやすくなります。

まず、法面掘削を開始する前に現況地形と設計データの基準を確認します。この段階では、対象工区、座標系、高さ基準、使用する設計面の版などをそろえておくことが重要です。

次に、通常の掘削が進み、おおむね設計法面が形成された段階で状態を確認します。ここで設計面に対して大きく土が残っている部分があれば、まだ通常の掘削工程が終わっていない可能性があります。どの時点を「掘削完了」「整形開始」とするかを現場内で共有しておかなければ、工程別の数量を分けることはできません。

吹付前整形の開始直前には、法面全体または施工ブロック単位で形状を記録します。法肩、小段、法尻、構造物周辺なども忘れずに対象へ含めます。

この時点で気になる箇所があれば、位置が分かるように写真を残します。後から形状差が大きく出た場所を写真と照合することで、「なぜここだけ多く削ったのか」という疑問を解消しやすくなります。

整形作業中は、想定以上の掘削が発生した箇所を簡単に記録します。例えば浮石除去、不安定部除去、法肩修正、法尻納まり調整など、作業の理由が分かる情報があれば十分です。すべてを細かく分類しすぎると現場運用が続かないため、後で数量差を説明できる程度の分類にします。

整形が完了したら、吹付施工へ進む前に再度形状を記録します。このとき整形前と同じ座標、高さ基準、範囲で取得できているかを確認します。

その後、整形前後の表面差から体積を算出します。施工範囲全体の総量だけでなく、必要に応じて施工ブロックや測点間で分割すると、運搬記録との照合が容易になります。

例えば整形土量が合計60立方メートルという結果だけでは、その数字の妥当性を判断しにくい場合があります。ところが、複数の施工区間に分けて確認し、ある区間だけ25立方メートル、他は数立方メートル程度という結果になれば、25立方メートル発生した区間を重点的に確認できます。

その場所の施工記録に不安定土砂の除去が記載されていれば、数量差の理由を説明できます。何も記録がなければ、計測データの位置ずれや比較範囲の設定ミスなどを疑うきっかけにもなります。

土量計算結果は、搬出台数や仮置量とも比較します。ただし前述したとおり、地山量と運搬時の体積を単純に一致させるのではなく、土砂の状態が異なることを前提に傾向を確認します。

大きな食い違いがある場合には、他工種の土砂が混ざっていないか、仮置きが残っていないか、流用した土がないかを確認します。

こうした流れを継続すると、現場で土量管理が単なる月末集計ではなく、日々の施工判断に使えるようになります。

特に法面工では、施工後に見えなくなる情報が多くあります。吹付材料で覆われる地山面、埋め戻される法尻周辺、次工程で使用される小段などは、後から数量根拠を作ることが難しい部分です。

したがって、現場で土量管理を効率化したい場合には「月末にまとめて計算する」という発想だけではなく、「形状が変わる工程ごとに記録する」という発想が重要になります。

LRTK Phoneを法面整形土の把握に活用する考え方

法面吹付前整形土の管理では、現場で必要なタイミングに形状を記録できることが大きな意味を持ちます。施工前後の状態を比較したくても、計測の準備に時間がかかり、施工工程との調整が難しければ、記録する前に次工程が始まってしまうことがあります。

そこで、現場で扱える測位・3次元計測手段を土量管理に組み込む方法が考えられます。

LRTK Phoneを活用する場合も、単に土量の数字だけを取得するのではなく、これまで説明した4項目に沿って運用することが重要です。

まず、法面整形前の状態を記録します。施工区間を明確にし、法肩、小段、法尻まで含めて必要な範囲を計測します。次に整形後、吹付工程へ入る前に同じ範囲を記録します。

取得した3次元データを比較できれば、法面のどこが削られたのかを面的に確認しやすくなります。従来の測点だけでは把握しにくかった測点間の局部的な凸部や凹凸変化も、データが十分に取得されていれば確認材料にできます。

ただし、計測結果をそのまま工事数量として確定できるとは限りません。工事数量の算定方法や検査方法については、契約図書、設計図書、施工管理基準、発注者との協議内容などを確認する必要があります。3次元計測や土量算出は、現場の数量把握や確認を効率化するための手段として位置付けることが大切です。

LRTK Phoneを使う際にも、基準合わせは欠かせません。整形前後で座標や高さがずれていれば、実際には削っていない場所まで体積差として表れる可能性があります。既知点や確認点を利用し、位置と高さの整合性を確認したうえで比較します。

また、法面付近は測位条件が変わりやすいため、取得時の状態を確認しながら作業することも重要です。計測条件が十分でない場所については、別の確認方法を併用するなど、現場条件に応じた判断が必要です。

LRTK Phoneによる記録の利点は、数量だけでなく位置情報と現場状況を関連付けやすい点にもあります。

例えば、整形量が大きかった場所について座標付きの記録を残しておけば、後から現場へ戻ったときにも場所を確認しやすくなります。写真や点群などを施工ブロックと対応させて保存すれば、施工日報だけでは分かりにくい法面形状の変化を振り返る材料になります。

法面延長が長い現場ほど、担当者の記憶だけに頼った管理は難しくなります。「上段のどこかをかなり削った」「先週、法尻で土が多く出た」といった情報では、月末の土量集計時に正確な場所を追えません。

位置と形状をデータとして残しておけば、「どこで」「いつ」「どの程度変化したか」を確認しやすくなります。

さらに、現場内で土量の認識を共有する際にも3次元情報は役立ちます。数字だけで整形土量を説明すると、削った範囲をイメージしにくい場合があります。整形前後の形状を比較できれば、数量差が大きい場所を確認しながら施工状況を整理できます。

現場で土量管理を効率化する目的は、計算作業そのものを速くするだけではありません。数量の根拠を残し、施工中に異常を発見し、後から確認できる状態をつくることまで含めて考える必要があります。

法面吹付前整形のように、次工程によって元の形状が見えなくなる作業では、この考え方が特に重要です。

従来は「吹付前に少し削っただけ」として流れていた作業も、施工前後の形状を記録する習慣があれば、その土量を把握できる可能性が高まります。現場での計測、位置情報、写真、点群、土量計算を一連の施工記録として扱うことが、見落としを減らすポイントです。

まとめ

現場で土量管理を行う際、法面吹付前の整形土は数量から抜けやすい項目です。大規模な掘削や盛土と比べて一回ごとの作業量が小さく見えるうえ、整形後に吹付施工が進むと元の法面が見えなくなるためです。

見落としを防ぐ第一のポイントは、設計断面だけを見るのではなく、吹付前整形を始める直前の法面形状を残すことです。掘削前と完成後だけを比較していては、どの工程で追加の土量が発生したのか判断できません。工程途中の状態を記録することで、整形前後の変化を把握しやすくなります。

第二のポイントは、法面中央だけではなく、法肩、小段、法尻、構造物との接続部などの局部整形を見ることです。法面整形は全面を均一に削る作業とは限りません。狭い範囲の修正が積み重なって土量となるため、施工ブロックや測点間などで分けて確認する方法が有効です。

第三のポイントは、発生土量と搬出量、流用量を分けることです。地山状態、ほぐした状態、締固め後では土の体積が異なることがあります。また、法面整形で発生した土がそのまますべて場外へ搬出されるとも限りません。「どこから発生したか」と「どこへ動いたか」を分けて管理することで、数量の流れを追いやすくなります。

第四のポイントは、整形前後の計測と写真を同じ基準で残すことです。座標、高さ、比較範囲がそろっていなければ、形状差を正しく評価できません。施工記録や写真も合わせて残しておけば、数量差が大きくなった理由を後から確認しやすくなります。

現場で土量管理の精度を上げるために必要なのは、すべての作業を複雑にすることではありません。重要なのは、土の形状が変わる直前と直後を確実に記録することです。

法面吹付前整形では、吹付工程へ進めば地山面が覆われます。記録できる期間が限られているからこそ、「吹付前に計測する」という工程上のルールをあらかじめ決めておくことが効果的です。

さらに、土量を単なる完成数量として見るのではなく、施工途中の変化として捉えることで、想定外の掘削や局部的な不安定部、工程間の数量差にも気付きやすくなります。

こうした管理を現場で継続するには、必要なタイミングで位置と形状を記録できる環境づくりも重要です。法面整形前後の3次元形状を取得し、位置情報や写真と合わせて管理する方法を検討するなら、LRTK Phoneを現場での土量管理に組み込むことで、見えなくなる前の施工状態を記録し、法面吹付前整形土の把握につなげられます。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

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