地籍調査の準備や一筆地調査を進めていると、現在の登記上は一筆の土地であるにもかかわらず、過去の公図、固定資産関係資料、道路台帳、契約書などに複数の地番が現れ、合筆履歴の確認が必要になることがあります。合筆後の資料だけを見ていると、旧地番の配置、合筆前の登記地積、過去の測量成果などが分からず、現地の石積み、塀、畦畔、側溝が何を示すのか判断しにくくなります。
地籍調査は、主に市町村などが実施主体となり、一筆ごとの土地の所有者、地番、地目を調査し、筆界の位置と面積を測量して地籍図と地籍簿を作成する事業です。成果の写しは登記所へ送付され、登記簿の記載や登記所備付地図の更新に利用されます。([地籍情報提供システム][1])
合筆履歴がある土地では、現在の登記情報だけでなく、合筆前の登記記録と図面をさかのぼり、「現在の一筆がどの旧筆から構成されたか」を時系列で整理することが重要です。ただし、過去の内部線を復元できても、その線が現在の筆界であるとは限りません。本記事では、実務上の出発点となる4資料と、その照合方法を解説します。
地籍調査で合筆履歴の確認が必要になる理由
合筆とは、登記上別々の複数の土地を一筆にまとめる登記です。合筆の登記では、合筆先となる土地の登記記録に合筆後の表題部の事項などが記録され、合筆される側の土地の登記記録は閉鎖されます。したがって、現在の登記事項証明書と現在の地図だけでは、合筆前の各筆の履歴や配置を十分に読み取れない場合があります。([e-Gov 法令検索][2])
地籍調査では、現地で調査する筆界と、登記所の地図や登記記録に示される一筆の単位を対応させる必要があります。しかし、合筆前の旧筆間の線は、合筆後には一筆の内部に取り込まれています。現地に古い境界標や塀が残っていても、それが現在の隣接地との筆界なのか、合筆前の旧筆間の線なのか、単なる利用区分なのかを区別しなければなりません。
また、地番と面積の変遷は、合筆だけで完結するとは限りません。合筆の前後に分筆、地積更正、地目変更、換地、住居表示の実施、町名・字名や地番区域の変更などがあると、現在地番から一段階さかのぼるだけでは経緯を整理できないことがあります。実務では、原因と日付を並べ、どの時点で何筆が一筆になったのかを時系列で確認します。
合筆履歴の調査は、過去の線をそのまま現在の筆界として復活させる作業ではありません。目的は、現在の筆界を調査する際に、古い標識や図面が何を示す資料なのかを適切に評価することです。古い図面に線があることと、その線が現在の筆界であることは同じではありません。
合筆後の土地で起こりやすい実務上の問題
第一の問題は、現場に残る構造物と現在の登記上の筆界が一致しないことです。合筆前の旧筆間に設置されていた境界標、石垣、畦畔、樹木列、排水溝などが残っていると、所有者や近隣関係者がそれを現在の境界と認識していることがあります。しかし、合筆によって旧筆間の線が一筆内部の履歴線となっていれば、その構造物は現在の筆界を示すものではない可能性があります。現地では、設置時期や目的を聞き取り、登記資料や測量成果と照合します。
第二の問題は、面積差の理由を説明しにくいことです。合筆後の登記地積と、合筆前の各筆の登記地積を合計した数値が一致しない場合があります。原因として、合筆の前後に地積更正や分筆、換地などが行われたこと、旧来の登記地積が実測値ではなかったこと、記録年代による端数処理の違いなどが考えられます。差がある場合は、単に測量誤差と決めつけず、どの登記原因によって数値が変わったのかを確認します。
第三の問題は、旧地番に関係する契約や利用経緯を現在地へ対応させにくいことです。通行、用水、賃貸借、担保、公共用地の取得経緯などを調べる場面では、過去の文書に記載された旧地番が現在地のどの部分に当たるのかが問題になります。ただし、登記記録や旧図面だけで私法上の権利範囲が確定するとは限らないため、資料の作成目的と法的な位置付けを区別して評価する必要があります。
第四の問題は、資料ごとに作成年代、作成目的、精度が異なることです。登記所に備え付けられている地図や図面には、明治期の地租改正時の資料などを基礎とするものがあり、現地の形状や正確な位置と一致しない場合があります。一方、地籍調査の地籍図は測量成果に基づいて作成されます。新旧図面を比較するときは、見た目だけでなく、縮尺、座標の有無、作成年代、測量方法を確認することが重要です。([地籍情報提供システム][3])
確認資料1:現在の登記事項証明書
最初に確認する資料は、対象地の現在の登記事項証明書です。表題部で、所在、地番、地目、地積、原因およびその日付を確認します。合筆によって現在の土地が成立している場合は、記載されている範囲から合筆の事実や処理時期、合筆された地番を把握できることがあります。
確認時は、「合筆」という記載だけでなく、その前後の分筆、地積更正、地目変更、所在の変更なども続けて確認します。例えば、合筆後に地積更正が行われていれば、現在地積は旧筆地積の単純合計と一致しないことがあります。原因と日付を時系列に転記し、地番変遷表を作ると整理しやすくなります。
権利部は、所有権の登記名義人、共有持分、記載されている住所変更、担保権などを確認する手掛かりになります。ただし、権利部の記載は筆界の位置を直接示すものではありません。また、証明書の種類や記載範囲によって過去の事項がすべて表示されるとは限らないため、必要に応じて閉鎖記録や過去の登記簿を追加確認します。
現在の登記事項証明書、地図証明書、地積測量図などは、登記所の窓口、郵送、オンライン請求など所定の方法で取得できます。一方、閉鎖された資料は、資料の種類、年代、電子化状況によって請求方法が異なることがあるため、管轄登記所へ確認するのが安全です。([法務局][4])
確認資料2:合筆で閉鎖された登記簿・登記記録
二つ目の資料は、合筆によって閉鎖された旧地番の登記簿または登記記録です。現在の登記情報が合筆後の状態を示すのに対し、閉鎖記録は合筆前の各筆の履歴を確認する資料になります。交付申請書にも、合筆や滅失などによる閉鎖登記簿・記録を請求する区分が設けられています。([法務局][5])
閉鎖記録では、旧地番の所在、地番、地目、地積、分筆元、地積更正の有無、合筆による閉鎖の記載などを確認します。旧地番がさらに別の地番から分筆された土地であれば、必要に応じて分筆元の記録までさかのぼります。現在地番側の履歴と照合し、どの土地が合筆先となり、どの土地の登記記録が閉鎖されたのかを整理します。
登記記録のコンピュータ化をまたぐ案件では、合筆などによる閉鎖登記記録とは別に、コンピュータ化に伴って閉鎖された紙の登記簿を確認する必要が生じることがあります。現在の証明書に表示される履歴だけで必要年代までつながらない場合は、どの種類の閉鎖資料を請求すべきか管轄登記所に確認します。
閉鎖記録だけで必要な沿革を確認できない場合は、旧土地台帳、土地台帳附属地図、保存されている登記申請情報・添付情報、自治体の地籍調査関係資料などが補助資料になることがあります。ただし、保存期間、閲覧資格、個人情報の取扱い、提供方法は資料ごとに異なり、必ず閲覧・交付を受けられるとは限りません。取得できた資料と取得できなかった資料を調査記録に分けて残すことが大切です。
閉鎖登記簿・閉鎖登記記録は、旧筆の存在や登記上の履歴を示しますが、それだけで旧筆の正確な位置や形状を確定できるわけではありません。地番と地積が分かっても、現在地のどの部分に位置していたかは図面との照合が必要です。
確認資料3:地図・地図に準ずる図面・地籍図
三つ目の資料は、登記所に備え付けられている地図関係資料です。一般に「公図」と呼ばれることがありますが、実務では、不動産登記法上の地図と、地図に準ずる図面を区別して確認します。地図に準ずる図面は、土地の配列や形状の概略を把握する資料として有用である一方、面積や距離の正確性が低い場合があります。([法務局][6])
現在の地図では、合筆後の筆形、隣接地番、道路や水路との位置関係を確認します。合筆前の内部線は現在図から読み取れないことがあるため、合筆前の時点に対応する閉鎖地図・閉鎖した地図に準ずる図面が残っているかを確認します。法務局の請求様式には、閉鎖した地図・地図に準ずる図面を請求する区分があります。([法務局][7])
新旧図面は、単純に同じ縮尺で重ねれば一致するとは限りません。古い図面は、土地の配列、隣接関係、旧地番のおおまかな形状を把握する手掛かりとして評価し、正確な距離、角度、座標の根拠は地積測量図や地籍調査成果など別の資料で確認します。紙図面の伸縮、転写、編集によるずれにも注意が必要です。
地籍調査が完了し成果が登記所へ送付された区域では、地籍簿をもとに登記簿が修正され、地籍図が登記所備付地図として利用されます。ただし、その後に分筆、合筆、地図訂正などが行われていれば、現在の備付地図は当初の地籍図から更新されています。自治体が保管する当初成果と現在図を比較するときは、基準時点を明記します。([地籍情報提供システム][1])
また、旧図の内部線と現地の塀や舗装の切れ目がおおむね一致していても、それだけで現在の筆界と判断することはできません。筆界は、土地が登記された際に一筆の範囲を区画するものとして定められた線で、所有権界とは概念が異なり、両者が一致しない場合もあります。([法務局][8])
確認資料4:地積測量図・閉鎖地積測量図
四つ目の資料は、現在地番および旧地番に関する地積測量図です。地積測量図は、作成年代や様式によって記載内容が異なりますが、土地の形状、隣接地番、方位、縮尺、地積、求積方法、筆界点間の距離、座標などが記録されることがあります。([法務省][9])
最初に、現在地番の地積測量図が備え付けられているかを確認します。合筆後に分筆や地積更正が行われていれば、その時点の測量成果が存在する可能性があります。一方、すべての土地に地積測量図があるわけではなく、合筆の履歴があることだけを理由に、旧筆の形状を詳しく示す新たな地積測量図が必ず作成されるわけでもありません。([法務局][10])
現在地番の図面だけで合筆前の形状が分からない場合は、旧地番の地積測量図や閉鎖地積測量図の有無を確認します。法務局の取扱資料には、閉鎖地積測量図証明書が含まれています。旧地番の閉鎖記録を請求する際に、同じ地番の閉鎖図面の有無も確認すると効率的です。([法務局][11])
地積測量図を読む際は、方位、縮尺、隣接地番、作成年月日、登記申請の目的を確認します。分筆時の図面であれば、分筆線と残地の関係が示されていることがあります。地積更正時の図面であれば、その時点の一筆全体の測量成果が示されていることがあります。複数年代の図面がある場合は、新しい図面だけでなく、合筆前後の変化が分かる順に並べます。
古い地積測量図には座標がなく、辺長や概略形状だけが記載されていることがあります。また、現在の測地系や基準点体系へそのまま当てはめられない場合があります。現地復元に利用する場合は、作成年代、測量方法、基準点、精度、後続登記の有無を確認し、必要に応じて土地家屋調査士などの専門家へ相談します。
対象地の地積測量図が存在しない場合もあります。その場合は、地図、閉鎖登記記録、地籍調査成果、道路・水路の管理資料、隣接地の地積測量図などを組み合わせます。隣接地の分筆図に、対象地との共通筆界や境界点が示されていることもあるため、調査範囲を対象地番だけに限定しないことが重要です。
4資料を照合して旧地番を復元する手順
実務では、四つの資料を取得した後の整理方法が調査の精度を左右します。最初に、現在地番を起点とした時系列表を作成します。現在の登記事項証明書から、合筆、分筆、地積更正、地目変更などの原因と日付を転記し、合筆で閉鎖された旧地番の記録から、旧地積、分筆元、閉鎖の記載を追加します。
このとき、地番だけでなく地積も並記します。現在地番の地積、合筆直前の各旧筆の地積、さらに前の分筆元地積を並べると、どの時点で数値が変わったかを確認しやすくなります。差がある場合は、地積更正、分筆、換地、国土調査の成果反映など、登記履歴上の原因を確認します。数値を無理に一致させず、「どの時点で、どの資料上、地積が変わったか」を記録します。
次に、新旧の地図を比較して、旧地番の相対配置を整理します。現在図を基準に、旧図にある地番、隣接筆、道路、水路、字界などの共通要素を探します。共通する外周や隣接関係が確認できれば、合筆前の内部線がおおむねどこにあったかを推定できます。ただし、旧図の線を現在図へ機械的に写すのではなく、検証が必要な仮説として扱います。
その後、地積測量図を年代順に並べ、地図から立てた仮説を検証します。旧筆の辺長、方位、隣接地番、境界点の符号が旧図の配置と整合するかを確認します。対象地の図面だけで不足する場合は、隣接地の分筆図、道路境界資料、水路境界資料、公共事業の用地測量成果なども参照します。複数の独立した資料が同じ配置を示すほど、説明の確度は高まります。
現地調査では、復元した旧筆配置をそのまま現在の筆界として扱わないことが重要です。旧内部線は、合筆後には現在の一筆内部にある履歴上の線です。対応する構造物が残っている場合は検証材料として記録しますが、現在の外周筆界の確認とは分けて整理します。写真やスケッチには、「旧筆界推定線」「現況利用界」「現在筆界の検討線」など、線の性質が混同されない名称を付けます。
最後に、現在地番、合筆年月日、旧地番一覧、旧筆の登記地積、参照した閉鎖記録、新旧図面の対応、地積測量図の有無、現地との整合、未確認事項を一枚の説明資料へまとめます。確定情報、資料からの推定、関係者の申述を区別して記載すると、所有者への説明、庁内協議、委託先との確認、成果検査で判断過程を共有しやすくなります。
市区町村の地籍調査成果を追加確認する場面
四資料を確認しても判断材料が不足する場合は、市区町村など地籍調査の実施主体が保管する成果や関係資料を確認します。地籍調査では、一筆地調査と地籍測量の結果から地籍図と地籍簿が作成され、閲覧を経た成果の写しが登記所へ送付されます。([地籍情報提供システム][1])
確認できる資料の名称と範囲は、実施年度、地域、保管方針によって異なります。地籍図、地籍簿のほか、調査図、地籍調査票、筆界点に関する図面や座標値、面積計算資料、立会いに関する記録などが保管されている場合があります。ただし、作業途中の資料がすべて保存・公開されているとは限らず、個人情報を含む資料には閲覧制限が設けられることがあります。
合筆が地籍調査の過程や成果反映と関係している場合、自治体資料から、調査時の地番構成、確認された外周、成果作成時の経緯を把握できる可能性があります。ただし、完成した地籍図・地籍簿と、作業途中の図面、聞き取り記録、参考資料では証明力や位置付けが異なります。成果資料と作業記録を区別して評価します。
地籍調査後に民間の分筆や合筆が行われている場合、自治体が保管する当初成果と現在の筆構成は一致しません。この場合は、当初の地籍図から現在の登記所備付地図までの間に行われた登記を追い、どの境界点が引き継がれ、どの内部線がなくなったのかを確認します。座標があることだけを理由に、現在の全境界が当初成果と同じであると判断しないことが重要です。
閲覧や照会の前には、調査目的と対象年代を整理します。「現在の筆界点の成果を確認したい」のか、「合筆前の旧地番配置を知りたい」のか、「地籍調査時の確認経緯を知りたい」のかで、必要資料が変わります。登記所資料から判明した合筆年月日、旧地番、対象区域を示すと、保管資料を特定しやすくなります。
合筆履歴の調査で見落としやすい注意点
最も注意したいのは、合筆前の内部線と現在の筆界を混同することです。合筆前に存在した筆界は、旧筆の配置を理解するうえで重要ですが、合筆後の一筆内部では現在の隣接筆との筆界ではありません。古い境界標が残っていても、その標識がどの時点の何を示していたのかを確認します。
次に、登記地番と住居表示上の住所を混同しないことです。現地案内、課税資料、関係者の説明では住所が使われることが多く、登記上の所在・地番と一致しない場合があります。旧地番を追うときは、登記上の所在、字、地番区域を基準にし、町名変更や住居表示の実施がある地域では新旧対照資料も併用します。
合筆年月日だけを見て、同日にすべての資料が更新されたと考えるのも危険です。登記の受付日・完了日、地籍調査成果の認証日、登記所への送付日、地図の更新時期、自治体資料の作成・更新日は一致しないことがあります。日付がずれている場合は、それぞれが何の処理日を示すのかを確認します。
地積の合計が一致しないときに、直ちに測量誤差と結論づけることも避けます。旧来の登記地積の精度、地積更正、分筆、換地、道路・水路への編入など、複数の原因が考えられます。まず登記履歴上の原因を確認し、それでも説明できない差が残る場合に、図面の精度や現地測量との関係を検討します。
図面の新しさだけで優先順位を決めることにも注意が必要です。新しい図面は現在の状態を確認するために重要ですが、合筆前の配置を知るには古い図面の方が直接的な情報を持つことがあります。一方、古い図面は位置精度が低い場合があります。現在形を確認する資料と、履歴を確認する資料の役割を分けて評価します。
所有者や近隣関係者の記憶は重要な手掛かりですが、単独で結論にしないことも必要です。長年の利用状況、以前の所有者から聞いた話、耕作区分などは、図面に現れない情報を補います。しかし、旧筆界、現在の筆界、所有権界、占有・利用の境が混在して語られることがあります。聞き取りでは、いつの時点の話か、誰が構造物を設置したか、売買や交換があったかを具体的に確認します。
さらに、対象地だけを調べて完結させないことが重要です。筆界は隣接地との関係で検討します。対象地の地積測量図がなくても、隣接地の分筆図、道路境界資料、水路資料、公共事業の用地測量成果に共通する境界が示されていることがあります。
筆界未定となっている土地では、分筆などの登記や土地利用・取引に実務上の支障が生じることがあります。対象地または隣接地に筆界未定の表示があるときは、通常の合筆履歴調査とは別に、未定となった範囲と経緯を確認し、管轄登記所や地籍調査実施主体へ相談します。([地籍情報提供システム][12])
境界紛争、登記の更正、公共用地取得、不動産取引など、結論が権利や手続に大きく影響する案件では、資料収集だけで判断を完結させない方が安全です。土地の表示に関する登記と測量は土地家屋調査士、権利関係は弁護士・司法書士など、案件に応じた専門家へ相談し、必要に応じて管轄登記所や地籍調査実施主体の案内を受けます。
まとめ
地籍調査で合筆履歴がある土地を扱うときは、現在の一筆だけを見るのではなく、合筆前の各筆へさかのぼって地番、登記地積、形状、測量成果をつなぐことが重要です。基本となる4資料は、現在の登記事項証明書、合筆で閉鎖された登記簿・登記記録、新旧の地図・地図に準ずる図面・地籍図、現在地番および旧地番の地積測量図・閉鎖地積測量図です。
登記事項証明書では現在地番と合筆の記載を確認し、閉鎖記録では旧地番ごとの履歴を追います。地図関係資料では旧筆の相対配置を把握し、地積測量図では形状、辺長、境界点、座標などの具体的な情報を確認します。四資料で不足するときは、市区町村などが保管する地籍図、地籍簿、座標・面積計算資料、調査関係記録の有無を照会します。
重要なのは、古い図面に描かれた線をそのまま現在の筆界と考えないことです。合筆前の内部線、現況の利用界、所有権界、現在の筆界は意味が異なります。資料の作成年代、作成目的、精度、登記履歴を整理し、複数資料を相互に照合することで、判断過程を説明しやすい調査になります。
合筆履歴の追跡が難しい土地、旧地番と現地の対応が取れない土地、閉鎖図面の読み方に迷う土地では、対象地番、調査目的、取得済み資料、未確認事項を整理したうえで、土地家屋調査士、管轄登記所、地籍調査の実施主体などへ相談してください。