中小企業の不良解析で最初に整理すること
製造現場で不良品が発生したとき、最も困るのは不良そのものだけではありません。原因が分からないまま検査を増やしたり、設備の設定を変更したりすると、一時的に不良が減っても再発するおそれがあります。納入先からの問い合わせへの回答が遅れ、現場の負担が大きくなることもあります。中小企業では品質管理の専任者が少なく、製造、設計、調達を兼務している場合もあるため、限られた情報から効率よく調査を進める工夫が必要です。
「中小企業 技術相談」と検索する担当者の中には、専門機関に何を伝えればよいか、どの分析手法から始めるべきか迷っている人もいるでしょう。不良の原因究明では、高度な試験装置よりも先に、事実を整理して仮説を立てることが重要です。目視で分かる傷なのか、寸法が規格から外れているのか、組立後にだけ動作しなくなるのかによって、必要な調査は異なります。
まず「不良」と判断した根拠を明確にします。図面の寸法公差、外観の判定基準、機能試験の条件などを確認し、良品と不良品を同じ条件で比較できる状態にします。現物は可能な範囲で識別して保全し、発見日時、ロット、工程、設備、作業条件、検査結果を関連付けます。対象製品の安全に関わる場合は、原因調査より先に出荷や使用の停止、対象範囲の隔離など、リスクに応じた封じ込めを判断する必要があります。
原因調査では、不良を作り込んだ「発生原因」と、次工程や顧客への流出を許した「流出原因」を区別します。例えば加工時に傷が付いた理由と、出荷検査で傷を見逃した理由は別です。さらに、なぜ管理上の弱点が残っていたのかを調べることも再発防止につながります。以下では、比較的少ない人員でも着手しやすく、必要に応じて外部の技術相談へ発展させられる7つの分析手法を解説します。
分析手法1:層別で発生条件を絞り込む
層別とは、集めたデータを共通の条件ごとに分け、違いを比較する方法です。不良率が全体で同じ水準に見えても、設備別、作業時間帯別、材料ロット別に分けると、特定の条件に偏っていることがあります。中小企業の技術相談でも、最初に層別結果を示すと、調査対象となる工程や機器を絞り込みやすくなります。
例えば金属部品の穴位置ずれが発生した場合、加工設備、治具、加工プログラムの版、材料ロット、作業日ごとに発生件数を整理します。特定の設備で目立つなら、その設備の固定状態や工具交換履歴を確認する価値があります。一方、複数設備で同じ材料ロットに集中するなら、材料の寸法や変形の影響も検討できます。ただし偏りが見つかっただけで、その条件が原因だと断定してはいけません。
比較するときは不良件数だけでなく、検査した数量を合わせて確認します。ある設備で不良が10件、別の設備で5件という数字だけでは、どちらの状態が悪いか判断できません。生産数量が大きく違えば、不良率の評価が逆転する可能性があります。検査頻度や抜取方法が異なる場合も、見かけの発生率が変わるため、条件をそろえて解釈します。
層別項目を増やしすぎると各区分の件数が少なくなり、偶然の偏りに左右されやすくなります。最初は製品、工程、設備、日時など、記録が比較的確実な項目から始め、特徴が見えた段階で細かく分ける方法が現実的です。結果に基づいて「どの条件で不良が多いか」「同じ条件でも良品は存在するか」を確認すると、次の仮説が立てやすくなります。
層別を継続するには、製造日や設備番号の記入方法を統一しておくことも重要です。記録が自由記述のままだと同じ設備が別名として集計されることがあります。少人数の現場でも項目名と記録単位をそろえるだけで、後から比較できる情報が増え、不良発生時の初動を速められます。
分析手法2:パレート分析で優先課題を決める
パレート分析は、不良の種類や発生工程を件数などの大きい順に並べ、どこに重点を置くかを見極める方法です。傷、寸法外れ、異物混入、組立不良など、複数の問題が同時に起きている現場では、すべてを同じ深さで調査するより、影響の大きい課題から検討するほうが取り組みを進めやすくなります。
実施するときは、まず一定期間に発生した不良を重複しない分類で記録します。分類基準が曖昧だと、同じ傷が「外観不良」と「加工傷」に分かれて集計され、実態を読み違えます。複数の不具合が一つの製品に発生している場合は、製品数を数えているのか、不具合件数を数えているのかも明記します。集計単位を統一したうえで発生頻度を比較すれば、改善対象を絞りやすくなります。
ただし、頻度の高い不良が必ず最優先とは限りません。発生件数が少なくても、安全性や法令適合性、製品機能に重大な影響を与える不良には、直ちに対策が必要な場合があります。選定時には発生頻度に加え、影響の重大性、検出の難しさ、対象範囲などを確認することが大切です。パレート分析は優先順位を検討する材料であり、危険度を自動的に決める手法ではありません。
例えば外観の軽微な擦れが多く、組立後の固定不良が少数発生している場面では、集計の最多項目だけを改善しても顧客への影響を十分に減らせない可能性があります。技術相談の際には件数の多い問題と、件数が少なくても重大な問題を分けて提示すると、相談先も検証計画を立てやすくなります。
また、対策前後の比較にパレート分析を用いると、主要な不良が減る一方で別の不良が増えていないか確認できます。生産品種や数量が変わった期間を単純比較するのではなく、構成比と発生率を併用して見ることが、改善効果の誤認を避けるポイントです。
分析手法3:特性要因図で原因候補を洗い出す
特性要因図は、問題となっている不良を結果として置き、その結果に関係しそうな要因を体系的に整理する手法です。原因の候補を人、設備、材料、方法、測定、環境などの観点で検討すると、担当者の経験だけに依存した思い込みを減らせます。図として表現することが一般的ですが、相談の準備段階では項目ごとの文章整理でも考え方を活用できます。
例えば樹脂部品の反りを扱うなら、材料の保管状態、成形条件、金型温度、冷却時間、取り出し方法、測定までの経過時間などを候補に挙げます。各候補について「どの記録を見れば確認できるか」「良品と不良品で何が違うか」を書き添えると、単なる意見の出し合いで終わりません。製造担当者だけでなく、検査、保全、設計、調達の関係者に聞くと、工程間の見落としも減らせます。
ここで重要なのは、特性要因図に書かれた項目がすべて実際の原因ではないという点です。図は仮説の一覧であり、証明書ではありません。「作業者の注意不足」といった説明だけに集約すると、治具の使いにくさ、手順書の曖昧さ、部品供給のばらつきなど、改善できる条件を見落とします。個人を責めるのではなく、同じ条件なら誰でも問題を起こし得る仕組みがないかを確認します。
候補が多くなったときは、発生時刻との一致、既存データでの差、変化があった工程条件、過去の類似事例などを基準に、検証の順番を決めます。材料ロットが切り替わった直後から発生した不良であれば、まず材料特性を確認することには合理性があります。ただし同時期に設備点検も行われていたなら、両方を候補として残す必要があります。
技術相談では、原因候補とそれぞれの根拠、未確認事項を区別して示すと議論が進みます。「材料が悪いと思う」と伝えるより「切替後に発生率が変化したが、寸法測定は未実施」と伝えるほうが、必要な分析や試験を具体的に決められます。
分析手法4:なぜなぜ分析で発生と流出の仕組みを掘り下げる
なぜなぜ分析は、確認された現象に対して「なぜ起きたのか」を繰り返し問い、背後の工程条件や管理上の弱点を探る手法です。手軽に始められるため中小企業の品質改善で活用しやすい一方、答えを推測だけで積み重ねると、誤った結論に到達するおそれがあります。問いを重ねる回数そのものより、各段階を事実で裏付けることが重要です。
例えばねじの締付不足が見つかった場合、「締付作業が完了していなかった」「完了状態を確認できなかった」「確認方法が工程内で明確でなかった」というように掘り下げられます。しかし本当に締付不足なのか、ねじの緩みや部品の座面変形によって結果が変わったのかは、現物や作業記録を使って確認する必要があります。最初の現象の捉え方が違えば、その後の分析もずれてしまいます。
さらに、発生原因と流出原因を別々の経路として検討します。締付不足が起きた事情と、検査でそれを検知できなかった事情は同じとは限りません。発生側には作業方法や工具管理、流出側には検査項目や判定手順が関係している可能性があります。両方を分けて考えることで、製造条件の改善だけでなく、顧客に届く前に検出する仕組みも強化できます。
「教育が不足していた」「確認が甘かった」という表現で分析を終えないことも大切です。なぜ教育内容が作業に反映されなかったのか、手順が理解しにくかったのか、作業条件が変更された際に文書が更新されなかったのかまで調べると、実行可能な改善策に近づきます。原因は必ず一つとは限らず、複数の条件が重なって初めて発生する不良もあります。
分析結果は、現象、確認済みの事実、推定した因果関係、追加で確認すべき事項を分けて記録します。技術相談先に提出する場合も、事実と仮説の境界が明確であれば、担当者間で同じ前提を共有しやすくなります。
分析手法5:測定システム解析で検査の信頼性を確かめる
不良を調べる際に意外と見落とされるのが、測定結果そのものの信頼性です。同じ部品を測り直すたびに数値が変わる、検査担当者によって合否が異なるといった状態では、製造工程の変化と測定によるばらつきを区別できません。測定システム解析は、測定器だけでなく測定方法、治具、作業者、周囲環境を含めて評価する考え方です。
例えば穴径を測定している場合、測定器の校正状態、測定位置、部品温度、測定圧、固定姿勢などで結果が変わる可能性があります。測定器に表示される桁数が多いからといって、必要な精度が保証されるわけではありません。まず製品に要求される公差と、測定方法の不確かさや分解能が釣り合っているかを確認します。校正記録だけで、日常の測定手順まで十分と判断することも避けます。
繰返し性は、同じ条件で同じ対象を測ったときのばらつきを指します。再現性は、測定者などの条件が変わった際のばらつきに着目します。実務では複数の代表的な部品を選び、複数の測定者が決めた手順で測定するなどして、測定の変動を調べます。どのような評価設計が適切かは測定対象、測定特性、破壊を伴うかどうかによって異なるため、必要に応じて専門家へ相談します。
外観検査のような数値化しにくい判定でも、限度見本や評価基準を使い、担当者間の一致状況を確認できます。判定基準が曖昧なまま不良率を集計すると、実際には製品品質が変わっていなくても、検査員の交代だけで数値が変化することがあります。技術相談では良品、不良品、判定が分かれた境界品を持参すると、基準をすり合わせやすくなります。
測定の信頼性を確認することは、製造側の問題を否定するためではありません。誤ったデータを根拠に設備を調整すると、かえって品質を悪化させるおそれがあるためです。製造条件の調査と並行して測定方法も点検することで、原因究明の土台を整えられます。
分析手法6:管理図で工程の変化点を捉える
管理図は、製造工程などで時間とともに得られるデータを並べ、通常のばらつきとは異なる変化の兆候を捉えるための手法です。単純な平均値の比較だけでは見逃しやすい、突然の水準変化や継続的な偏りを調べる際に役立ちます。加工寸法、設備の温度、工程内の不良率など、対象とするデータの性質に合わせて管理図の種類を選びます。
例えば同じ仕様の部品を継続して加工している工程で、寸法が徐々に片側へ寄る傾向が見られたとします。工具の摩耗や設備温度の変化などが候補になりますが、管理図だけで原因を決めることはできません。傾向が始まった時期に、工具交換、材料変更、設定変更、設備停止などがなかったかを履歴と照合することで、調査の手掛かりを得られます。
管理図の管理限界と、製品図面に定める規格限界は目的が異なります。管理限界は工程データの変動から統計的な管理状態を判断するための目安であり、規格限界は製品が要求事項を満たすかを判定する基準です。管理状態が安定していても規格外品が発生する工程はあり得ます。逆に製品が規格内に収まっていても、工程の変化を示す信号が出ることがあります。
適切な管理図を作るには、採取間隔、群分けの方法、測定条件、管理限界を設定するためのデータが重要です。少数の測定値から安易に限界線を決めたり、異なる製品や設備のデータを無条件に混ぜたりすると、誤判定につながります。データが少ない場合は、まず時系列の記録を整えて変化点を把握し、統計的な判定方法については専門家の助言を受けるとよいでしょう。
管理図で異常の兆候を見つけたら、その直後に行った調整だけでなく、発生前の条件変更にも目を向けます。分析結果と現場の日報、保全履歴、材料受入記録を結び付けることで、不良の発生時点をより正確に推定でき、影響を受けた製品の範囲を絞る判断にも役立ちます。
分析手法7:再現試験と比較実験で仮説を検証する
層別や特性要因図で原因候補を挙げても、それだけでは因果関係を確認したことになりません。再現試験と比較実験は、候補となった条件を計画的に変え、結果がどう変化するかを確かめる方法です。特定の設定で不良が繰り返し発生し、その設定を改善した条件で問題が減るなら、原因仮説を支持する材料になります。
例えば接着不良の原因として、接着面の汚れ、乾燥条件、材料の保管状態が考えられる場合を想定します。良品と不良品の記録を確認したうえで、評価対象の条件を整理し、試験片や安全が確保された試作工程で比較します。結果を評価する際は接着強度などの測定項目だけでなく、破壊位置や外観の変化も確認します。実製品の品質に影響する条件変更を、確認なしに量産工程へ持ち込むことは避けるべきです。
一つの条件だけを変更する比較は解釈しやすい反面、複数の要因が相互に影響する場合は実態を十分に捉えられません。条件の組合せを計画して評価する実験計画の考え方が役立つこともあります。試験順序による影響を減らし、必要に応じて繰り返し測定し、条件間の差が偶然のばらつきでは説明しにくいかを検討します。適切な試験数や判定方法は目的と変動の大きさによって異なります。
再現試験で不良が起きなかったからといって、候補を直ちに否定できるとは限りません。現場にしかない振動、湿度、使用履歴などの条件が試験で再現されていない可能性があるためです。試験環境と実際の発生環境の違いを明記し、追加の検証が必要か判断します。逆に一度だけ再現した結果についても、他の条件が偶然重なっていないかを確認することが大切です。
中小企業だけで試験設備をそろえにくい場合は、公的な技術支援機関や外部試験機関への相談を検討できます。依頼時には「何を知りたいか」「どの条件を比較したいか」「どの結果なら仮説を支持すると判断するか」を事前に整理すると、試験の目的が明確になります。
7つの分析手法を組み合わせた原因究明の進め方
7つの分析手法は、順番どおりにすべて実施しなければならないものではありません。問題の性質や記録の充実度に応じて、必要な方法を組み合わせます。例えば寸法外れが急に増えた場合は、まず現物と測定方法を確認し、層別と時系列の分析によって変化が始まった設備や日付を絞ります。その結果を踏まえ、特性要因図で候補を整理し、比較実験で有力な仮説を確かめる流れが考えられます。
仮に切削加工後の寸法外れが増加したとします。全体の不良率を見るだけでは変化の理由が分からなくても、層別すると特定の加工設備に集中していることが判明するかもしれません。さらに管理図で発生時期を確認し、工具交換後から寸法が偏ったという事実が見つかれば、工具の取付状態や補正値が候補になります。ただし同日に材料ロットが変わっていたなら、工具だけを原因と決めず、両方の条件を検証します。
この例で測定器の当て方が担当者ごとに異なっていたと分かれば、測定システム解析も必要です。寸法の偏りが見かけ上のものなのか、実際に加工状態が変わったのかを区別してから、条件の再現試験を行います。原因が特定できた場合でも、なぜ変更後の設定確認で問題を見つけられなかったのか、流出原因を別に調べることで対策が具体的になります。
調査中は、原因候補ごとに確認した証拠と判定状況を残します。「候補に挙げた」「関連が示唆された」「再現試験で支持された」「他の主要な候補も検討した」という段階を混同しないことが重要です。十分な裏付けが得られない場合は、原因不明として扱いながら封じ込めを継続し、追加データの収集計画を立てます。断定を急がない姿勢が、結果的に再発防止の確実性を高めます。
技術相談で持参したい記録と相談先の選び方
外部の技術相談を有効に使うには、「不良が出たので原因を調べてほしい」という説明だけでなく、何が起きており、どこまで確認したかを整理して伝えることが大切です。最初に対象部品の用途、不良の症状、発見工程、初発時期、発生頻度、影響範囲をまとめます。図面や製造条件の記録、検査成績、良品と不良品の写真があれば、相談先が問題を把握しやすくなります。
可能であれば、不良品だけでなく、同時期に製造した良品や不良発生前のロットも比較対象として準備します。現物の保管状態が試験結果に影響する場合もあるため、洗浄、分解、再加工を行う前に記録し、必要に応じて相談先に扱い方を確認します。破壊検査が必要になりそうなときは、試料を失っても追加確認ができるよう、数量や保管方針を事前に考えておくと安心です。
相談先は問題の内容によって選びます。材料の破損や異物の分析なら材料評価に詳しい機関、寸法測定の問題なら計測技術を扱う機関、加工条件の改善なら生産技術に詳しい専門家が候補になります。地域の公的技術支援機関では、技術相談や設備利用、試験依頼などの支援を提供している場合がありますが、対応分野や利用条件は機関ごとに異なるため事前確認が必要です。
技術相談では、得たい結論を具体的に伝えると調査方針を合わせやすくなります。例えば「破断面から破損の特徴を把握したい」「測定のばらつきが合否判定に影響するか知りたい」「材料変更と不良発生の関係を検証したい」という相談であれば、必要な専門分野を特定しやすくなります。一方、原因が分からない段階で特定の分析装置の使用を前提にするより、まず現象と目的を共有したほうが適切な手段にたどり着けることがあります。
顧客情報、設計図面、製造条件などの機密情報を提供する際は、共有範囲や取扱条件も確認します。相談で得た結果は、口頭で終わらせず、試料番号、試験条件、観察結果、結論の限界を記録して社内へ戻すことが重要です。社内担当者と外部専門家が同じデータを見られる状態をつくれば、調査のやり直しや解釈の食い違いを減らせます。
原因を特定した後の再発防止と効果確認
原因が有力と判断できても、改善策を実施しただけで調査を終了するのは早計です。対策は、不良を発生させる条件を取り除くものと、不良が次工程へ流出しないよう検出するものに分けて考えます。例えば治具の位置決め不足が原因であれば、固定機構や作業手順の見直しが発生対策になります。検査方法に見落としがあった場合は、判定基準や検査位置の見直しが流出対策になります。
対策の有効性は、変更前後の不良率だけでなく、測定条件と生産条件を合わせて評価します。生産品種や材料が変わっていると、不良件数の減少を対策の効果と誤認する可能性があります。試作で良い結果が得られても、量産時の作業速度や設備稼働時間が違えば同じ成果が出るとは限りません。一定期間は監視を続け、作業条件が変わっても改善状態が維持されるか確認します。
再発防止では、変更した条件を標準作業や検査基準へ反映させ、関係者に共有することも必要です。設計変更や材料変更が入った際に再評価を行う仕組みを設ければ、同じ問題を繰り返しにくくなります。ただし管理項目をむやみに増やすと、現場で記録が続かなくなることがあります。重要な条件を選び、誰が、いつ、何を確認するのかを明確にして運用できる形に整えます。
顧客へ調査結果を説明する場合は、確定した事実、推定される原因、実施済みの封じ込め、恒久対策、効果確認の状況を区別して伝えます。調査途中である事項を確定事項のように説明すると、後から情報を訂正する必要が生じます。未解明の点は未解明と明示し、追加調査の方針を共有することで、品質対応の透明性を高められます。
まとめ:現場の記録を次の品質改善につなげる
中小企業の不良解析では、一つの分析手法に頼るより、層別で発生条件を絞り、パレート分析で優先課題を把握し、特性要因図となぜなぜ分析で原因候補を整理することが効果的です。さらに測定システム解析でデータの信頼性を確かめ、管理図で時間的な変化を捉え、再現試験や比較実験で因果関係を検証します。大切なのは、データから分かることと、まだ仮説にとどまることを区別する姿勢です。
技術相談を受ける際も、現物と記録が対応していれば、専門家が確認すべき条件を特定しやすくなります。不良品の発見時だけ記録を集めるのではなく、日頃から作業条件、点検内容、検査結果、変更履歴を残しておくと、原因究明に必要な情報を探す負担が軽くなります。現場に根付く記録方法を整えることが、限られた人員で品質改善を続ける基盤になります。
設備の据付や屋外施工に関わる不具合では、部品の状態に加えて、発見場所や施工時の状況を振り返る必要があります。こうした現場記録の整理には、位置情報付きの写真や施工記録を扱えるLRTK Phoneも活用できます。測位条件に応じた位置情報の確認を行いながら、現場写真と関連記録を残しておけば、後日の技術相談や関係者との状況共有を進めやすくなります。不良の分析手法と現場の記録管理を組み合わせ、原因の早期把握と再発防止につなげていきましょう。
ものづくりの次の一歩を、
相談から始めてみませんか。
加工・製造の外注先や共同開発のパートナー探しに。大田区産業振興協会の受・発注あっせん相談サービスをご利用いただけます。
