LRTKレフィクシア株式会社

製品化支援で封止樹脂の気泡混入を防ぐ5つの注型工程管理

製品化支援で封止樹脂の気泡混入対策が重要になる理由

電子機器や産業用センサー、制御基板、電気部品などの製品化では、内部部品を湿気や汚れ、振動などから保護する目的で封止樹脂が使用されます。封止樹脂を部品の周囲に充填して硬化させる注型工程は、製品の耐久性や絶縁性、耐環境性を確保するための重要な製造工程です。

しかし、封止樹脂の注型工程では、樹脂内部に気泡が混入する問題が発生することがあります。試作段階では外観上の小さな気泡として認識されていても、製品化後には絶縁性能の低下、熱伝導のばらつき、内部部品との密着不足などにつながる場合があります。

特に、電子部品の周辺や狭い隙間に気泡が残ると、局所的な熱の伝わり方や電気的な特性に影響する可能性があります。また、気泡が樹脂と部品の界面に存在すると、振動や温度変化によって剥離や亀裂が発生する要因になることもあります。

製品化支援を依頼する企業にとって重要なのは、完成品の外観だけを確認するのではなく、気泡が発生する原因を注型工程全体から把握することです。

封止樹脂の気泡は、材料の保管状態、計量精度、混合方法、脱泡条件、注型方向、硬化温度など、複数の工程条件が関係して発生します。そのため、脱泡装置を導入するだけで、すべての気泡不良を防止できるわけではありません。

例えば、材料を十分に脱泡していても、注型時に空気を巻き込めば気泡は再び発生します。反対に、注型方法を改善しても、材料中に水分が混入していたり、硬化反応によってガスが発生したりする場合には、内部に空隙が形成されることがあります。

さらに、試作時に問題が発生しなかった注型条件でも、量産時に樹脂の使用量や混合設備、製品の配置方法が変わると、不良が増加する場合があります。

このような問題を防ぐには、製品設計の段階から封止樹脂の材料特性と注型工程を確認し、試作評価によって適切な製造条件を決定することが重要です。

製品化支援では、設計担当者、材料担当者、製造担当者、品質管理担当者が連携し、気泡の発生原因を工程ごとに管理できる仕組みを構築する必要があります。

本記事では、封止樹脂の気泡混入を抑えるために確認したい5つの注型工程管理について、材料選定から硬化後の検査まで実務に沿って解説します。あわせて、試作から量産へ移行する際の注意点や、製造委託先と共有すべき管理情報についても紹介します。

注型工程管理1:封止樹脂の材料特性と保管条件を適切に管理する

封止樹脂の気泡混入を防ぐ最初の管理項目は、使用する樹脂の材料特性と保管条件です。

封止樹脂には、硬化方式や粘度、充填材の有無などが異なるさまざまな材料があります。電子部品の保護に使用される樹脂でも、流動性を重視する材料と、熱伝導性や機械的強度を重視する材料では、注型時に必要な管理条件が異なります。

気泡を抑えるためには、製品の要求性能を満たすことを前提として、注型しやすい材料を選定することが重要です。

樹脂の粘度が高い場合、混合時に取り込まれた空気が内部に残りやすくなります。また、注型時に狭い隙間まで樹脂が流れにくく、部品の周囲に空気が閉じ込められる可能性があります。

一方、粘度が低い樹脂は細かな隙間へ流れ込みやすい傾向がありますが、それだけで気泡の発生を防げるわけではありません。流動性が高くても、注入口の位置や流入速度が適切でなければ、樹脂の流れによって空気を巻き込むことがあります。

そのため、材料選定では単に粘度の数値を比較するだけでなく、実際の製品形状に対する充填性を評価する必要があります。

特に、熱伝導性を高めるために無機充填材を配合した樹脂では、粘度や流動特性が変化することがあります。充填材の種類や配合量によっては、保管中の沈降や混合時の分散状態にも注意が必要です。

沈降が生じる材料を使用する場合は、材料メーカーが指定する再分散方法や撹拌条件を確認します。十分に再分散できていない状態では、注型品ごとの材料特性がばらつく可能性があります。

ただし、再分散のために強い撹拌を行うと、空気を巻き込む原因になる場合もあります。材料の均一性を確保する工程と、気泡を除去する工程を組み合わせて管理することが大切です。

また、樹脂の保管温度と湿度も重要な管理項目です。

一部の封止樹脂や硬化成分は、水分の影響を受けて物性が変化したり、反応によってガスが発生したりすることがあります。材料中の水分だけでなく、容器内部や注型対象部品の表面に付着した水分が問題になる場合もあります。

材料を低温環境で保管した後、十分に温度をなじませずに開封すると、周囲の条件によっては容器や材料表面に結露が生じる可能性があります。

このような状態で注型すると、水分が気泡発生や硬化不良の要因になるおそれがあります。

製品化支援では、材料の保管温度、開封条件、使用期限、開封後の使用可能期間を確認し、現場で守れる管理方法として定めることが重要です。

加えて、材料ロットの管理も欠かせません。

同じ種類の封止樹脂であっても、実際の製造では材料ロットや保管履歴による状態の違いを確認する必要があります。気泡不良が発生した際に材料ロットを追跡できれば、材料要因と設備要因を切り分けやすくなります。

試作段階では、材料名だけでなく、使用ロット、開封日、保管条件、使用時の材料温度などを記録しておくと、量産条件の再現性を高めることにつながります。

なお、樹脂を加温すると粘度が低下する場合がありますが、加温が常に有効とは限りません。材料によっては反応が進み、使用可能時間が短くなることがあります。

材料温度の設定は、粘度だけでなく硬化反応、発熱特性、使用可能時間を考慮し、材料の技術資料と試作結果に基づいて決定する必要があります。

注型工程管理2:計量・混合工程で空気の巻き込みを抑える

封止樹脂の気泡混入では、計量と混合工程が大きな影響を与えます。

特に二液混合型の封止樹脂では、主剤と硬化剤を所定の比率で計量し、均一に混合する必要があります。混合が不十分な場合、硬化状態や材料特性にばらつきが生じる可能性があります。

一方、十分に混合しようとして撹拌速度を上げすぎると、液面に渦が形成され、周囲の空気を樹脂内部へ巻き込む場合があります。

製品化支援では、混合不足を防ぐことと、空気の巻き込みを抑えることを両立させる必要があります。

最初に確認したいのが、計量精度です。

二液混合型樹脂では、材料ごとに指定された混合比率を守る必要があります。指定された比率が質量基準なのか体積基準なのかを確認し、適切な計量方法を採用することが重要です。

質量比と体積比は、各成分の密度によって異なる場合があります。そのため、指定された質量比を確認せず、同じ数値の体積比で混合すると、正しい配合にならない可能性があります。

配合比率のずれは、硬化不良や物性低下の原因になるだけでなく、条件によっては硬化反応中の空隙形成にも関係します。

計量装置を使用する場合には、設定値だけでなく、実際に吐出された材料の量や比率を定期的に確認します。

次に、混合方法を管理します。

手作業で混合する場合は、撹拌工具を液面から頻繁に出し入れすると、空気が混入しやすくなることがあります。容器の底部や側面に未混合部分が残らないようにしながら、過剰な空気を取り込まない方法を検討します。

また、撹拌工具の形状や容器の大きさによって、樹脂の流れ方が変わります。小さな容器で成立した混合条件を、そのまま大きな容器に適用しても、同じ混合状態が得られるとは限りません。

量産設備を使用する場合も、混合方式、流量、混合時間、装置内部の滞留状態などが気泡発生に関係します。

例えば、材料供給経路の接続部から空気が入り込んでいる場合には、混合条件を調整するだけでは改善できません。

配管の接続状態、材料容器の交換方法、供給ポンプの状態、吐出開始時の空気抜きなどを確認する必要があります。

特に、材料容器を交換した直後や設備を停止した後の再稼働時には、供給経路内に空気が残っていないか注意が必要です。

また、混合開始から注型完了までの時間も重要です。

二液混合型樹脂では、混合後に硬化反応が進み、時間とともに粘度が変化することがあります。使用可能時間の終盤では流動性が低下し、気泡が抜けにくくなる場合があります。

このため、混合後の待機時間、脱泡時間、注型時間を一連の工程として管理することが大切です。

試作時には、混合直後と一定時間経過後の流動状態を比較し、安定して注型できる時間範囲を確認します。

大量の樹脂を一度に混合する場合には、反応熱によって容器内の温度が上昇し、硬化が進みやすくなることもあります。

小容量の試作と大容量の量産では、樹脂の温度履歴や作業可能時間が異なる可能性があるため、混合量の変更を工程変更として扱うことが重要です。

計量・混合工程の管理では、作業者ごとに方法が変わらないことも欠かせません。

混合比率、混合時間、撹拌条件、材料温度、使用可能時間の判断基準を作業標準として明確にしておけば、作業者の経験だけに依存しない品質管理が可能になります。

製品化支援の段階から量産時の混合設備や作業方法を想定し、再現性を確認しておくことが、気泡不良の安定的な低減につながります。

注型工程管理3:脱泡条件を最適化して樹脂内部の気泡を除去する

封止樹脂の気泡対策として代表的なのが、混合後の樹脂に対する脱泡処理です。

脱泡とは、樹脂内部に取り込まれた空気を除去または低減するための処理です。真空による脱泡や、材料と装置の条件に応じた遠心脱泡などの方法があります。

ただし、脱泡装置を使用すれば、すべての材料で同じ効果が得られるわけではありません。

脱泡性能は樹脂の粘度、気泡の大きさ、材料温度、容器形状、処理時間などによって変化します。

そのため、製品化支援では使用材料に適した脱泡方法を選定し、試作評価によって条件を決定する必要があります。

真空脱泡では、樹脂を減圧環境に置くことで内部の気泡を膨張させ、液面から排出しやすくします。

この方法は混合時に取り込まれた空気の低減に有効な場合がありますが、減圧の程度や処理時間が適切でないと、期待した効果が得られないことがあります。

例えば、減圧によって樹脂内部の気泡が膨張すると、液面が大きく上昇する場合があります。

容器の容量に余裕がないと、樹脂があふれたり、装置内部を汚染したりするおそれがあります。そのため、容器には材料の膨張を見込んだ十分な空間を確保する必要があります。

また、急激な減圧によって激しい発泡が起こる場合には、減圧速度や処理方法を見直します。

真空度を高くすれば必ず脱泡品質が改善するというものではありません。材料によっては揮発成分の放出や過度な発泡が問題になる可能性があるためです。

適切な真空条件は、材料メーカーの指定条件を確認したうえで、使用する設備と材料量に応じて設定します。

脱泡時間についても同様です。

処理時間が短すぎると、樹脂内部に気泡が残る場合があります。一方、長時間の脱泡によって樹脂の硬化反応が進み、注型に必要な流動性が低下する可能性があります。

そのため、単純に脱泡時間を延長するのではなく、気泡の減少状態と使用可能時間の両方を評価する必要があります。

特に、粘度の高い樹脂や充填材を多く含む樹脂では、気泡が液面まで移動しにくい場合があります。

このような材料では、脱泡装置の能力だけでなく、材料の温度管理や混合方法の改善を含めて検討することが重要です。

なお、樹脂の加温によって粘度を下げる方法を採用する場合には、硬化反応への影響を確認します。加温によって使用可能時間が短くなる材料では、脱泡処理後の注型作業に十分な時間を確保できなくなる可能性があります。

さらに、脱泡後の取り扱いも重要な管理項目です。

十分に脱泡した樹脂であっても、別の容器へ勢いよく移し替えたり、注型装置へ供給する際に液面を乱したりすると、空気を再び巻き込む場合があります。

脱泡工程と注型工程を別々に最適化するだけでなく、脱泡後の移送方法まで含めて工程を設計する必要があります。

また、複雑な内部形状を持つ製品では、樹脂自体を脱泡しても、部品の隙間に残った空気までは除去できない場合があります。

このような製品では、樹脂の事前脱泡と注型中の減圧処理などを組み合わせる方法も検討対象になります。ただし、製品内部の部品が減圧に適しているか、材料から揮発成分が放出されないかなどの確認が必要です。

脱泡後の気泡状態を評価する際は、液面の見た目だけで判断しないことも大切です。

表面に大きな気泡が見えなくても、材料内部に微細な気泡が残っている可能性があります。

製品化支援では、必要に応じて試験片を作製し、硬化後の断面観察や適切な非破壊検査によって脱泡条件の効果を確認します。

検査で確認した結果と脱泡時間、圧力履歴、材料温度などを関連付けることで、気泡不良を抑制できる工程条件を明確にできます。

注型工程管理4:注型方法と製品形状を調整して空気の閉じ込めを防ぐ

封止樹脂の気泡混入では、脱泡後の注型方法も重要です。

樹脂内部の気泡を十分に除去できていても、注型時に空気を巻き込んだり、製品内部の空気が逃げられなかったりすると、硬化後に気泡や空隙が残る場合があります。

特に、電子部品や複雑な内部構造を持つ製品では、部品の配置や筐体形状が注型品質に大きく関係します。

製品化支援では、注型設備の条件だけでなく、製品設計そのものが樹脂の充填に適しているかを確認することが重要です。

最初に検討するのが、注型位置と樹脂の流入方向です。

樹脂を高い位置から勢いよく注ぐと、液面が乱れて空気を巻き込むことがあります。また、複数の方向から流れ込んだ樹脂が合流する位置では、空気が閉じ込められる場合があります。

これを抑えるには、樹脂の流れができるだけ安定する注入口の位置や吐出方法を検討します。

製品形状によっては、低い位置から徐々に樹脂を充填し、内部の空気を上方へ逃がす方法が有効です。

ただし、すべての製品で下側からの注型が適しているわけではありません。内部部品の配置や注型設備の構造によって、適切な流入方向は異なります。

試作段階では、樹脂の流れ方や空気の排出経路を確認し、気泡が残りにくい注型方向を決定する必要があります。

次に確認したいのが、空気の逃げ道です。

製品内部に袋小路のような空間がある場合、樹脂が流れ込んでも内部の空気が排出されず、空隙として残ることがあります。

例えば、基板の裏側、部品の下面、深い溝、狭い隙間などは、空気が閉じ込められやすい場所です。

このような部位では、注型方向の変更だけでなく、空気抜きのための構造や製品姿勢の調整を検討します。

ただし、空気抜きのために開口部を追加する場合には、製品本来の防水性や密閉性への影響を確認する必要があります。

樹脂の充填性を改善するための設計変更が、別の品質要求を損なわないようにすることが重要です。

また、注型速度も管理対象になります。

吐出速度が速すぎる場合、樹脂の流れが乱れ、空気を巻き込む可能性があります。一方、流量を過度に小さくすると、注型完了までに時間がかかり、樹脂の粘度変化や硬化の進行によって充填不良が発生する場合があります。

したがって、単に注型速度を遅くするのではなく、充填状態と作業可能時間の両方を考慮して適切な流量を設定します。

注型ノズルの位置や形状も重要です。

ノズル先端と樹脂液面との距離、吐出方向、吐出時の液流状態によって、空気の巻き込み方が変わることがあります。

製造委託先に注型を依頼する際には、吐出量だけでなく、ノズル位置や製品の固定姿勢についても確認するとよいでしょう。

さらに、部品表面の状態にも注意が必要です。

注型対象部品に油分、汚れ、水分などが残っていると、樹脂の濡れ性や密着性が低下する場合があります。その結果、部品表面と樹脂の間に空気が残ったり、硬化後に界面の空隙が形成されたりする可能性があります。

特に、狭い部品間隔や複雑な表面形状では、表面処理や洗浄条件が充填品質に影響することがあります。

ただし、洗浄剤や表面処理剤の残留が樹脂の硬化を妨げる場合もあるため、使用材料との適合性を確認することが必要です。

製品化支援では、設計段階で樹脂の流動経路と空気の排出経路を検討し、試作によって実際の充填状態を確認します。

気泡が発生した場合は、発生位置を記録することが重要です。

毎回同じ部品の下面や同じ角部に気泡が発生する場合には、材料内部の気泡よりも、製品形状や注型方向が原因になっている可能性があります。

気泡の位置と発生頻度を比較することで、材料条件を変更すべきなのか、注型方法を改善すべきなのかを判断しやすくなります。

注型工程管理5:硬化条件と検査基準を統一して気泡不良を管理する

封止樹脂の気泡不良は、樹脂の充填が完了した後にも発生することがあります。

注型直後に気泡が見られなくても、硬化中の温度変化や材料反応、内部部品からのガス放出などによって、硬化後に空隙が形成される場合があります。

そのため、製品化支援では注型完了を工程管理の終点とせず、硬化と検査までを一体として管理することが重要です。

最初に確認するのが、硬化温度と硬化時間です。

封止樹脂には、常温で硬化する材料や、加熱によって硬化を進める材料などがあります。必要な硬化条件は材料によって異なるため、材料メーカーが指定する条件を基準に設定します。

硬化温度が適切でない場合、硬化不良や材料特性のばらつきが生じる可能性があります。

また、硬化過程で温度が上昇すると、樹脂内部に残った気体が膨張する場合があります。樹脂が十分に流動できない段階で気泡が膨張すると、内部に空隙が固定されることがあります。

特に、厚みの大きい封止部や、一度に大量の樹脂を充填する製品では、硬化反応による発熱にも注意が必要です。

一部の樹脂では、反応熱によって内部温度が外部の設定温度より高くなる場合があります。

このような状態では、製品の中心部と表面で硬化の進行状態が異なり、内部応力や空隙形成に影響する可能性があります。

製品化支援では、必要に応じて試作品の内部温度や表面温度を測定し、硬化中の温度履歴を確認します。

加熱硬化を採用する場合は、温度上昇の速度や保持時間、冷却方法も検討対象になります。

段階的に温度を上げる方法が有効な材料もありますが、すべての樹脂に適しているわけではありません。

硬化条件を変更すると、硬化度、機械的特性、電気的特性なども変化する可能性があるため、気泡の低減だけを目的に条件を決定しないことが重要です。

次に、検査基準を明確にします。

気泡不良の評価では、気泡の有無だけでなく、位置、大きさ、数、分布状態を確認する必要があります。

例えば、製品表面に存在する小さな気泡と、重要な電気絶縁部に存在する内部空隙では、製品性能への影響が異なる場合があります。

熱伝導を重視する封止構造では、発熱部品と放熱部材の間に存在する空隙が問題になる可能性があります。

また、防湿性や密着性を重視する構造では、樹脂と部品の界面に連続した空隙が存在すると、保護性能に影響することがあります。

そのため、単純に気泡の個数だけで合否を決めるのではなく、製品機能に基づいた検査基準を設定することが重要です。

検査方法についても、目的に応じた選定が必要です。

透明な樹脂では外観観察によって一部の気泡を確認できる場合がありますが、不透明な樹脂では内部の空隙を直接確認できないことがあります。

その場合には、断面観察や適切な非破壊検査などを検討します。

ただし、非破壊検査にも検出可能な欠陥の大きさや位置に限界があります。対象となる樹脂や部品の材質、構造に対して、検査方法が適しているかを事前に確認する必要があります。

また、重要な製品では、気泡の観察結果と機能試験の結果を関連付けることが有効です。

絶縁性能、熱特性、温度変化に対する耐久性などを評価し、どのような空隙が製品機能に影響するのかを確認します。

これにより、外観上の判断だけに依存しない、合理的な品質基準を構築できます。

検査結果は、材料ロットや注型条件と関連付けて記録することも重要です。

不良品が発生した際に、混合条件、脱泡条件、注型条件、硬化条件を追跡できれば、原因の絞り込みが容易になります。

製品化支援では、試作段階から検査項目と記録方法を整備し、量産時にも同じ基準で評価できる体制を構築することが重要です。

製品化支援で試作から量産へ移行する際の工程管理ポイント

封止樹脂の気泡対策では、試作段階で良好な結果が得られたとしても、その条件を量産で再現できるとは限りません。

製品化支援において重要なのは、試作品を一度完成させることだけでなく、継続して安定した品質を確保できる製造工程を構築することです。

試作では、少量の樹脂を手作業で計量し、個別に脱泡してから注型する場合があります。この方法は条件を調整しやすい一方、量産時の設備や作業方法とは異なることがあります。

量産では、計量装置や混合装置、定量吐出装置などを使用し、複数の製品を連続して製造する場合があります。

そのため、試作条件を量産設備へ移す際には、材料の供給方法や混合状態、注型時間などの違いを確認する必要があります。

特に注意したいのが、樹脂の処理量です。

少量の樹脂では問題なく脱泡できても、処理量が増えると気泡が抜けるまでの時間や温度変化の状態が異なる場合があります。

また、混合量が増えることで発熱状態が変化し、作業可能時間が短くなる可能性があります。

製品化支援では、量産時に想定される材料量や連続稼働時間を考慮した試作評価を実施することが重要です。

設備変更による影響も確認する必要があります。

手作業から自動注型へ変更する場合、材料の供給経路や混合方式、吐出条件が変わります。

自動化によって計量精度や作業の再現性を高められる場合がありますが、設備の設定だけで気泡不良がなくなるわけではありません。

材料供給配管への空気混入や、吐出開始時の流量変動など、自動設備特有の管理項目もあります。

そのため、設備を導入した後は、立ち上げ時、定常運転時、停止後の再稼働時など、運転状態ごとに品質を確認することが大切です。

また、製品の配置数が変わる場合にも注意が必要です。

一度に複数の製品へ樹脂を注型する工程では、注型順序によって樹脂の使用開始から充填完了までの時間が変わります。

注型順序の後半で樹脂の粘度が高くなる場合には、製品ごとの充填状態に差が生じる可能性があります。

このようなばらつきを抑えるには、材料の使用可能時間を確認し、注型順序と作業時間を管理する必要があります。

さらに、試作で確立した工程条件を文書化することが重要です。

材料の種類と混合比率、使用時の温度、混合方法、脱泡条件、注型方向、吐出条件、硬化条件などを記録し、量産時の作業標準として共有します。

ただし、試作時の条件を固定するだけでは不十分です。

工程条件の許容範囲を確認し、多少の変動が生じても品質要求を満たせるか評価することが重要です。

例えば、材料温度や注型速度が変化した場合に、気泡の発生状態がどの程度変わるかを確認します。

許容範囲が極端に狭い工程では、量産時に小さな変動が発生しただけで不良が増加する可能性があります。

製品化支援では、品質が成立する条件を見つけることに加えて、安定して維持できる条件を選定することが大切です。

また、材料ロット変更や設備保守後などに、必要な再確認を実施する仕組みも整備します。

初回量産で問題が発生しなかった場合でも、条件変更後に同じ品質を維持できるかは別途確認が必要です。

試作から量産への移行では、工程条件の確立、設備での再現性確認、検査基準の統一、変更管理の整備までを一連の製品化支援として進めることが重要です。

封止樹脂の気泡不良を改善するための製造委託先との連携方法

封止樹脂の注型工程を外部の製造会社に委託する場合、発注側と製造委託先の情報共有が品質に大きく影響します。

特に、気泡不良は複数の工程要因が関係するため、完成品の外観だけを確認しても原因を特定できない場合があります。

製品化支援を依頼する際には、製造委託先がどの工程まで対応できるのか、どのような品質管理を実施しているのかを確認することが重要です。

まず、発注側は製品の要求性能を明確にする必要があります。

封止樹脂に求める役割が電気絶縁なのか、防湿なのか、振動保護なのか、熱伝導なのかによって、重要な管理項目が異なります。

例えば、電気絶縁が重要な製品では、気泡の位置や電極間の構造が品質上の重要事項になる場合があります。

熱伝導を重視する製品では、発熱部品と放熱部材の間に存在する空隙が、熱抵抗に影響する可能性があります。

これらの要求を共有せずに製造を依頼すると、製造委託先が外観を中心とした検査を実施し、製品機能に関係する内部欠陥を十分に評価できないことがあります。

そのため、封止樹脂の使用目的と重要な品質特性を、製造開始前に共有することが大切です。

次に、製造委託先の工程管理能力を確認します。

計量・混合設備、脱泡設備、注型設備、硬化設備などの保有状況だけでなく、それぞれの工程条件をどのように設定し、記録しているかを確認します。

設備があることと、適切な条件で管理できることは同じではありません。

例えば、真空脱泡設備を保有していても、材料の種類によって適切な脱泡条件が異なるため、使用材料に合わせた条件設定と評価が必要です。

また、材料交換時や設備停止後の再稼働時に、どのような確認作業を実施しているかも重要な確認事項です。

気泡不良が発生した場合の対応体制についても、事前に協議しておくとよいでしょう。

不良品が発生した際に、製品写真だけでなく、気泡の位置、発生数、材料ロット、製造日時、設備条件などを記録できれば、原因調査を進めやすくなります。

さらに、改善策を実施した後には、同じ検査方法で効果を確認する必要があります。

例えば、脱泡時間を変更した場合は、変更前後の気泡状態を比較します。

注型方向を変更した場合には、従来気泡が発生していた位置だけでなく、別の位置に空隙が発生していないかも確認することが重要です。

一つの不良を改善した結果、別の品質問題が発生する可能性もあるため、製品全体の品質を評価する必要があります。

また、発注側と製造委託先の責任範囲を明確にすることも欠かせません。

材料を発注側が支給する場合には、材料の保管条件や使用期限、ロット管理を誰が担当するのか決めておく必要があります。

設計変更によって注型形状が変わる場合には、その変更内容を製造委託先へ確実に伝え、必要な工程条件の再評価を実施します。

製品化支援では、設計情報、製造条件、検査結果を一元的に管理し、関係者が同じ情報を参照できる体制を整えることが重要です。

特に、試作段階で発生した不良と改善履歴を残しておくと、量産時に類似の問題が発生した際の原因調査に役立ちます。

製造委託先を選定する際には、単に注型作業に対応できるかだけでなく、試作評価から工程改善、量産立ち上げまで連携できるかを確認することが望まれます。

まとめ:封止樹脂の気泡対策は材料から検査までの一貫管理が重要

製品化支援において、封止樹脂の気泡混入を防ぐためには、注型工程の一部分だけでなく、材料選定から硬化後の検査までを一貫して管理することが重要です。

封止樹脂の気泡は、材料内部に取り込まれた空気だけでなく、材料の水分状態、混合条件、脱泡不足、注型時の空気の閉じ込め、硬化中のガス発生など、さまざまな原因によって生じる可能性があります。

そのため、気泡が発生した際には、単に脱泡時間を延長するのではなく、どの工程で発生した気泡なのかを確認する必要があります。

材料管理では、樹脂の粘度や保管条件、使用期限、材料ロットを確認します。計量・混合工程では、正しい配合比率と均一な混合状態を確保しながら、過剰な空気の巻き込みを抑えることが大切です。

脱泡工程では、材料特性に適した処理方法を選定し、脱泡時間や減圧条件を評価します。また、脱泡後の移送や注型作業で空気を再混入させないことも重要です。

注型工程では、樹脂の流入方向、吐出速度、空気の排出経路を確認し、必要に応じて製品形状や部品配置を見直します。

さらに、硬化工程では、温度履歴や反応熱の影響を考慮し、内部空隙が形成されにくい条件を検討します。硬化後には、製品の要求性能に応じた検査基準を設定し、気泡の位置や大きさ、機能への影響を確認する必要があります。

製品化支援では、試作で良好な品質が得られた条件を量産で再現できるようにすることが大切です。

特に、手作業から自動設備への変更や、樹脂の混合量の増加などによって工程条件が変わる場合には、改めて充填状態や硬化後の品質を評価する必要があります。

また、製造委託先との連携では、材料情報、設計情報、注型条件、検査結果、改善履歴を共有し、気泡不良が発生した際に原因を追跡できる管理体制を構築することが重要です。

封止樹脂の品質を安定させるためには、製品設計と製造工程を切り離さず、試作段階から量産を見据えた条件設定を進める必要があります。

こうした製品化支援や製造工程の改善では、試作現場や製造現場の状況を正確に記録し、関係者間で共有することも欠かせません。設備の配置、作業場所の状態、不良発生箇所、改善前後の状況などを写真とともに残しておけば、原因調査や工程変更の確認を進めやすくなります。

現場写真や位置情報、施工記録を管理するLRTK Phoneは、こうした現場情報の記録と共有を支援する自社プロダクトです。注型設備の設置や製造ラインの整備、設備周辺の施工状況を記録する場面でも、写真と位置情報を関連付けた管理に活用できます。

封止樹脂内部の気泡検査そのものには専用の検査方法が必要ですが、現場の設備状況や作業環境の記録を整理することは、製造工程の見直しや関係者間の情報共有に役立ちます。

製品化支援を成功させるためには、材料特性に基づいた注型条件の確立と、製造現場での確実な記録管理を組み合わせることが重要です。封止樹脂の気泡対策を工程全体で進めるとともに、LRTK Phoneを活用した現場情報の管理も取り入れることで、試作から量産までの品質改善を継続的に進めやすくなります。

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