LRTKレフィクシア株式会社

商品化の相談窓口で製品の清掃性を高める6つの構造設計ポイント

新しい製品を商品化する際、機能や外観、耐久性に注目する一方で、見落とされやすいのが清掃性です。製品の使用中に汚れが蓄積したり、清掃しにくい部分が残ったりすると、利用者の負担が増えるだけでなく、性能低下や故障、衛生上の問題につながる可能性があります。

特に、食品関連機器、製造設備、作業工具、屋外機器、業務用装置などでは、日常的な清掃や定期的なメンテナンスを前提とした構造設計が重要です。製品が正常に動作することだけでなく、使用後に汚れを除去しやすく、必要な状態を維持できることも商品価値を左右します。

しかし、商品化を初めて進める企業や、新しい用途の製品を開発する担当者にとって、どの段階で清掃性を検討すればよいのか、どのような構造が適しているのかを判断することは簡単ではありません。

そこで活用したいのが、商品化の相談窓口です。製品設計や加工方法、材料選定、試作評価に詳しい専門家へ早い段階で相談することで、使用環境に適した清掃構造を検討しやすくなります。

本記事では、商品化の相談窓口を利用して製品の清掃性を高めるために重要な6つの構造設計ポイントを解説します。汚れが溜まりにくい形状、分解しやすい構造、接合部の設計、排水と乾燥、材料と表面仕上げ、部品交換のしやすさまで、実務で確認したい内容を具体的に紹介します。

商品化の相談窓口で清掃性を検討する重要性

商品化における清掃性とは、単に製品の表面を拭き取りやすいことではありません。使用によって付着する汚れを、想定された清掃方法で無理なく除去でき、清掃後も必要な機能や安全性を維持できる性質を指します。

例えば、外観が平滑な製品でも、内部に液体が入り込む隙間があれば、汚れや水分が残留する可能性があります。また、分解しなければ清掃できない構造では、分解作業が複雑になるほど日常的な清掃が負担になります。

製品の清掃性を考える際には、汚れの付着を抑える設計と、付着した汚れを取り除きやすくする設計の両方が必要です。

汚れを完全に防ぐことは難しくても、付着する場所を限定したり、工具を使わずに清掃対象へアクセスできるようにしたりすることで、清掃作業の負担を軽減できる場合があります。

清掃性を商品化の後半で検討すると、構造変更が難しくなることがあります。すでに筐体の形状や固定方法、部品配置が決まっている場合、清掃のために隙間を減らしたり、部品を着脱式に変更したりするには、周辺部品も含めた再設計が必要になる可能性があるためです。

特に、金型を使用する樹脂部品や、複数の加工工程を必要とする金属部品では、設計変更が製造工程にも影響します。そのため、商品化を進める初期段階から清掃性を要求事項に含めることが望まれます。

商品化の相談窓口を活用するメリットは、清掃性を製品全体の設計条件として検討できることです。

製品設計だけでなく、材料加工、組立、表面処理、品質評価などの観点から、実現可能な構造を比較できます。相談先によって対応範囲は異なりますが、複数の技術分野を横断して検討できる窓口であれば、設計段階の問題を早期に発見しやすくなります。

また、清掃性の向上は利用者の使いやすさにも関係します。

清掃に特別な工具や複雑な手順が必要な製品では、利用者によって清掃状態に差が生じる可能性があります。一方、清掃箇所が分かりやすく、操作が単純な製品は、定められた清掃手順を実施しやすくなります。

ただし、清掃しやすい構造がすべての製品に共通するわけではありません。防水性を重視する製品と、内部を容易に開放できる製品では、適した設計が異なります。

そのため、商品化の相談では、製品の用途や使用環境に合わせて必要な清掃性能を定義することが重要です。

商品化の相談前に整理しておきたい清掃条件

清掃性の高い製品を設計するには、どのような汚れが付着し、誰が、どの程度の頻度で、どのような方法によって清掃するのかを把握する必要があります。

例えば、粉体を扱う装置と液体を扱う装置では、汚れが残りやすい場所が異なります。粉体の場合は角部や狭い隙間への堆積が問題になりやすく、液体の場合は凹部への滞留や、乾燥後の付着物が問題になることがあります。

油分を含む汚れでは、単純な水洗いだけでは十分に除去できない場合があります。清掃に使用する薬剤や温度によっては、樹脂やゴムなどの部材が劣化する可能性もあります。

このように、汚れの種類と清掃方法を切り離して考えることはできません。

相談前には、製品が使用される環境をできるだけ具体的に整理しておくことが大切です。

屋内と屋外では、想定する汚れや水分の条件が異なります。屋外で使用する製品では、雨水、泥、砂ぼこりなどが付着する可能性があります。また、工場内で使用する設備では、切削油、加工粉、潤滑剤、洗浄液などへの対応が必要になる場合があります。

製品の利用者についても確認します。

専門的な教育を受けた作業者が清掃するのか、一般利用者が清掃するのかによって、許容できる作業の複雑さが変わります。

専門作業者が定期的に分解する設備であれば、所定の工具を使用した清掃を前提にできる場合があります。一方、一般利用者が日常的に扱う製品では、分解箇所を減らし、清掃手順を直感的に理解できる構造が適していることがあります。

清掃頻度も重要な検討項目です。

毎回使用後に洗浄する製品と、定期点検時に清掃する製品では、必要な構造が異なります。清掃頻度が高い部分では、着脱を繰り返すことによる摩耗や破損にも配慮が必要です。

さらに、清掃後に求める状態を明確にします。

目視で汚れが確認できない状態を目標とするのか、異物残留量を管理するのか、衛生管理上の追加検査が必要なのかによって、評価方法が変わります。

食品関連機器や医療用途など、衛生面で特別な要求がある製品では、用途に応じた法令や規格、洗浄・消毒・滅菌などの要求事項を個別に確認する必要があります。

これらの情報を商品化の相談窓口へ伝えることで、単なる形状改善ではなく、実際の使用条件に適した設計検討につなげやすくなります。

ポイント1:汚れが溜まりにくい形状と内部構造を設計する

製品の清掃性を高める最初のポイントは、汚れが蓄積しにくい形状を採用することです。

製品の外観だけでなく、内部構造や部品の配置を含めて、汚れが入り込みやすい場所や残留しやすい場所を確認します。

特に注意したいのは、深い凹部、狭い溝、鋭い内角、複雑な段差、清掃工具が届きにくい空間です。

これらの場所は、製品の使用中に粉じんや液体、油分などが溜まりやすくなる場合があります。また、清掃時にブラシや布が届きにくいため、汚れが残留する原因にもなります。

例えば、筐体の底部に深い溝が存在する場合、その溝に粉体や液体が入り込む可能性があります。機能上不要な溝であれば、形状を単純化することで清掃性の改善が期待できます。

ただし、溝には位置決めや補強、排水などの機能が与えられていることもあります。単純に削除するのではなく、その形状が必要な理由を確認したうえで変更することが大切です。

内角部の設計では、角を適切な曲面に変更する方法が考えられます。

鋭い内角は清掃用の布やブラシが十分に接触しにくい場合があります。角部に適切な丸みを設ければ、工具が届きやすくなり、汚れの除去を補助できることがあります。

ただし、曲面の大きさは製品の寸法、加工方法、汚れの種類、清掃工具などによって決まります。一律の寸法を設定するのではなく、使用条件に合わせて検討する必要があります。

複雑な内部構造を持つ製品では、部品配置の見直しも効果的です。

例えば、複数の配線や配管が密集している場所では、その周辺に清掃しにくい空間が生まれることがあります。可能であれば配線経路を整理したり、汚れが発生する領域から部品を離したりすることで、清掃対象となる空間を単純化できます。

また、固定具や補強部材の配置にも注意します。

補強リブや取付ブラケットが必要以上に複雑な形状になっていると、その周辺に清掃しにくい隙間が発生する場合があります。強度を維持しながら形状を簡素化できないか検討することが重要です。

商品化の相談窓口では、製品の外観図だけでなく、断面図や内部配置を確認してもらうことが有効です。

まだ正式な図面が完成していない場合でも、手書きの構造図や簡易的な立体モデルを用いて、汚れが発生する場所を説明できます。

清掃性を考慮した形状変更は、製造方法にも影響します。

切削加工で製作する部品と、成形によって製作する部品では、実現しやすい曲面や溝の形状が異なります。そのため、商品化の初期段階から加工方法も含めて相談すると、実現可能な構造を検討しやすくなります。

重要なのは、清掃作業を複雑にしている原因を利用者の作業方法だけに求めず、製品構造そのものから改善できないかを考えることです。

ポイント2:清掃箇所へアクセスしやすい分解構造を採用する

清掃性を左右する重要な要素が、清掃対象となる部分へのアクセス性です。

製品内部に汚れが入り込む構造であっても、清掃対象へ容易にアクセスできれば、清掃作業を実施しやすくなります。

反対に、複数の部品を取り外さなければ汚れに到達できない構造では、清掃に時間がかかり、作業の負担が増える可能性があります。

そのため、商品化の設計段階では、どの部分を日常的に清掃するのかを明確にすることが重要です。

例えば、粉体を扱う小型装置では、容器の内側や排出口周辺に汚れが残る場合があります。これらの部分を清掃するために装置全体を分解する必要があると、日常管理が複雑になります。

清掃が必要な部分だけを取り外せる構造にすることで、作業範囲を限定できる場合があります。

着脱式のカバーやトレー、取り外し可能な容器などは、その一例です。

ただし、着脱しやすいことだけを優先すると、固定力が不足したり、使用中に部品が外れたりする危険があります。

特に、回転体や高温部、電気部品などを備える製品では、安全機構を考慮する必要があります。清掃時に内部へアクセスできる構造であっても、使用中に危険な部分へ触れられないようにすることが重要です。

分解構造を設計する際は、清掃のために取り外す部品と、通常は取り外さない部品を区別します。

頻繁に取り外す部品には、着脱操作が分かりやしく、繰り返し使用しても必要な固定性能を維持できる構造が求められます。

一方、定期点検時にだけ取り外す部品では、作業者が適切な工具を使って確実に固定できる方式が適している場合があります。

組立方向にも注意が必要です。

部品を取り外すために装置を大きく持ち上げたり、狭い場所で複雑な操作をしたりする必要があると、清掃作業が難しくなります。

使用場所で装置を移動できない場合には、設置状態のまま清掃対象へアクセスできるかを確認することが重要です。

また、分解後の再組立も清掃性の一部として考える必要があります。

部品の向きを間違えやすい構造では、清掃後の組立不良が発生する可能性があります。位置決め形状や誤組付けを防ぐ構造を設けることで、再組立時の間違いを減らせる場合があります。

商品化の相談窓口では、分解手順を説明するだけでなく、実際の作業姿勢や工具の使用条件も伝えることが有効です。

試作品が完成した段階では、設計者以外の作業者にも分解と再組立を行ってもらい、操作が分かりにくい部分を確認するとよいでしょう。

清掃しやすい分解構造とは、単純に部品を外しやすい構造ではありません。安全性、固定性能、作業性、再組立の確実性を両立させた構造であることが重要です。

ポイント3:接合部や隙間に汚れが残りにくい構造を検討する

製品の清掃性を高めるうえで、接合部や隙間の設計は特に重要です。

複数の部品を組み合わせる製品では、部品同士の境界に隙間や段差が生じます。この部分に液体や粉体が入り込むと、通常の清掃作業では取り除きにくくなる場合があります。

接合部の清掃性を改善するには、まず汚れが入り込む経路を確認する必要があります。

例えば、外装カバーと本体の合わせ面に隙間が存在する場合、その内部に汚れが蓄積する可能性があります。

汚れの侵入が問題になる場合は、接合面の形状を変更したり、適切なシール構造を採用したりする方法が考えられます。

一方、完全に密閉することが難しい場合には、汚れが入り込んでも清掃できるように、接合部を分解可能な構造にする方法もあります。

重要なのは、隙間を一律になくすことではなく、その隙間が製品の清掃性にどのような影響を与えるかを判断することです。

例えば、機械的な動作に必要な可動部の隙間を小さくしすぎると、摩擦や接触、動作不良を引き起こす可能性があります。

また、熱膨張や組立公差を考慮しなければ、使用環境によって部品同士が干渉することもあります。

そのため、可動部では必要なクリアランスを確保しつつ、汚れが侵入しにくい配置や、清掃工具が届く構造を検討します。

シール部品を使用する場合も注意が必要です。

シールによって内部への液体や粉じんの侵入を抑制できる場合がありますが、シール材そのものが汚れの付着箇所になることもあります。

特に、シール溝が複雑な形状になっていたり、シール材の裏側に液体が残留したりする構造では、清掃性が十分に確保できない場合があります。

シールの形状だけでなく、取り付け位置、圧縮状態、交換方法まで検討する必要があります。

ねじ締結部も確認したい部分です。

ねじ頭の周辺や座ぐり穴は、汚れが残留する場所になることがあります。清掃対象となる面では、ねじの配置を変更したり、凹部を減らしたりすることで、清掃作業を容易にできる場合があります。

ただし、固定方法を変更する際には、必要な締結力や振動への耐性、分解の必要性を確認しなければなりません。

接着や溶接などの接合方法についても同様です。

接合部分を連続した形状にできれば隙間の発生を抑えられる場合がありますが、接合不良や変形によって新たな凹凸が生じる可能性もあります。

溶接部では、使用条件に応じて溶接部の形状や仕上げ状態を確認することが重要です。

商品化の相談窓口には、汚れが付着する面と、汚れの侵入を防ぎたい内部領域を分けて伝えると、適切な接合方式を検討しやすくなります。

清掃性を高めるためには、部品単体の表面だけでなく、組み立てた状態の境界部分まで確認することが欠かせません。

ポイント4:排水と乾燥を考慮した構造を設計する

水洗いや洗浄液を使用する製品では、清掃後に液体が残らない構造を検討することが重要です。

清掃によって表面の汚れを除去できても、内部や凹部に水分が残留すると、腐食や汚れの再付着、衛生上の問題につながる可能性があります。

また、洗浄液が残留した場合には、部品材料への影響や、使用時の機能への影響が生じることもあります。

そのため、清掃性は洗浄中の汚れの除去だけでなく、洗浄後の排水と乾燥まで含めて評価する必要があります。

排水を考慮した構造では、液体が溜まりやすい水平面や凹部を確認します。

例えば、容器の底部が複雑な形状になっていると、排水後も一部に液体が残る場合があります。使用時の姿勢を考慮し、液体が排出口へ移動しやすい形状にすることで、排水性の改善が期待できます。

ただし、排水のために傾斜を設ける場合には、製品の機能や設置条件との整合性を確認する必要があります。

容器や装置が水平であることを前提に動作する場合には、単純に底面を傾斜させることができない場合もあります。

また、排水口を設ければ必ず清掃性が向上するわけではありません。

排水口の内部に汚れが溜まりやすい場合や、排水経路が細く詰まりやすい場合には、かえって清掃作業が複雑になる可能性があります。

排水経路は液体の流れだけでなく、清掃や点検のしやすさも考慮して設計します。

装置内部で液体を扱う場合には、漏水時の流れも確認するとよいでしょう。

想定外の場所へ液体が流れ込むと、電気部品や駆動部へ影響する可能性があります。そのため、液体が流れる領域と、濡らしてはいけない領域を区分する構造が重要です。

乾燥については、空気が流れにくい閉鎖空間や、液体が残留する狭い隙間に注意します。

必要に応じて通気経路を設けたり、部品を取り外して乾燥できる構造にしたりすることが考えられます。

ただし、通気口は粉じんや水分の侵入経路になることもあります。防じん性や防水性が必要な製品では、通気と密閉の両立について慎重に判断しなければなりません。

商品化の相談窓口では、洗浄時の製品姿勢と、乾燥時の製品姿勢を区別して説明することが有効です。

例えば、使用状態では水平に設置する製品でも、取り外して洗浄する際には向きを変えられる場合があります。その条件によって、適した排水構造が変わります。

試作品の評価では、洗浄後に製品を一定の姿勢で保持し、残留水が発生する箇所を観察すると、設計上の問題を発見しやすくなります。

清掃性を高めるためには、洗いやすさと同時に、液体を残さず管理できる構造を考えることが重要です。

ポイント5:材質と表面仕上げを清掃方法に合わせて選定する

製品の清掃性は、形状だけでなく材料の性質にも影響されます。

同じ形状であっても、使用する材料や表面仕上げによって、汚れの付着状態や洗浄後の状態が異なることがあります。

例えば、表面に細かい凹凸が多い場合には、汚れが入り込み、清掃しにくくなる可能性があります。

一方、平滑な表面は拭き取りやすくなる場合がありますが、すべての用途で最も平滑な仕上げが適しているとは限りません。

滑り止めが必要な部分や、接着・塗装などの後工程を前提とする部分では、必要な表面状態が異なります。

そのため、清掃性を考慮した表面仕上げでは、製品の機能と清掃方法の両方を確認することが大切です。

金属部品では、耐食性や表面の仕上げ状態が重要になります。

水分や薬剤に触れる製品では、使用環境に適した材料を選定する必要があります。耐食性を持つ材料であっても、薬剤の種類や濃度、温度、接触時間によっては腐食が発生する可能性があります。

特に、接合部や隙間では液体が残留しやすいため、材料単体の耐食性だけで判断しないことが重要です。

樹脂部品では、洗浄剤への耐性や吸水性、温度による変形などを確認します。

樹脂の種類によっては、特定の薬剤によって変色や膨潤、ひび割れが生じる場合があります。

また、繰り返し洗浄によって表面状態が変化する可能性もあるため、初期状態だけでなく、継続使用を想定した評価が必要です。

ゴムや弾性材料を使用する場合には、清掃に伴う劣化にも注意します。

シール材や滑り止め部品などは、洗浄剤や熱の影響を受けることで、硬さや寸法、弾性が変化する可能性があります。

これらの変化が製品の密閉性や操作性に影響しないかを確認する必要があります。

表面処理についても慎重な検討が必要です。

塗装やめっきなどを利用する場合には、表面の清掃性に加えて、処理層の密着性や耐摩耗性、洗浄方法との適合性を確認します。

清掃時にブラシや布による摩擦が繰り返される場合、表面処理層が摩耗することもあります。

表面が傷つくと、そこに汚れが残留しやすくなる可能性があるため、長期使用を考慮した設計が重要です。

商品化の相談窓口では、清掃に使用する水や薬剤、想定温度、接触時間、清掃頻度を共有することで、材料選定の精度を高めやすくなります。

材料の候補が複数ある場合は、実際に使用する清掃方法で比較試験を行う方法も有効です。

例えば、一定回数の清掃操作を繰り返し、変色、表面の傷、寸法変化、機能への影響などを確認します。

評価条件は製品の用途に応じて設定する必要がありますが、商品化前に材料と清掃方法の相性を確認しておくことで、使用開始後の問題を減らすことにつながります。

ポイント6:消耗部品を交換しやすい構造にする

製品を長期間使用する場合、清掃だけでは初期状態を維持できない部品が存在します。

例えば、シール材、フィルター、ブラシ、清掃用の着脱部品などは、使用によって摩耗や劣化が進む可能性があります。

これらの部品が交換しにくい構造になっていると、メンテナンス作業が複雑になり、製品全体の使いやすさにも影響します。

そのため、商品化の設計段階では、清掃によって継続使用する部品と、一定の条件で交換する部品を区別しておくことが重要です。

交換が必要な部品については、どの方向から取り外せるかを確認します。

例えば、フィルターを交換するために複数の外装部品を分解しなければならない場合、交換作業の負担が増える可能性があります。

交換頻度が高い部品では、アクセスしやすい位置へ配置したり、取り外し手順を簡素化したりすることが有効です。

ただし、交換のしやすさを優先しすぎると、使用中の固定性能や密閉性が不足するおそれがあります。

そのため、交換時には容易に取り外せ、使用中には必要な保持性能を確保できる構造を検討します。

部品の向きや取り付け位置を間違えにくくすることも重要です。

交換後に部品が正しく取り付けられていなければ、漏れや異音、性能低下などが発生する可能性があります。

位置決め形状を設けたり、誤った向きでは組み付けられない構造にしたりすることで、交換時の間違いを防ぎやすくなります。

また、消耗部品を交換する際に、周辺の清掃も実施できるか確認します。

部品を取り外すことで内部の汚れが確認できる構造であれば、交換作業と清掃作業を組み合わせやすくなります。

一方、部品を取り外しても清掃対象へアクセスできない場合には、別の開口部や分解構造が必要になることがあります。

消耗部品の交換性は、製品全体の構造にも関係します。

交換が必要な部品を本体と一体化してしまうと、部分的な劣化であっても広い範囲の部品を交換しなければならない場合があります。

必要に応じて部品を独立した構成にすることで、保守作業を合理化できる可能性があります。

ただし、部品を分割すると接合部や締結部が増え、清掃性や強度に影響する場合もあります。

そのため、交換性を高める設計では、部品点数を増やすことによる影響も含めて検討する必要があります。

商品化の相談窓口では、想定する使用期間や交換頻度、保守作業者の条件を伝えることが有効です。

交換対象を明確にしたうえで構造を検討すれば、日常清掃と定期メンテナンスの両方を実施しやすい製品を目指せます。

清掃性に優れた製品とは、最初の状態で汚れを落としやすいだけでなく、長期間の使用中も必要な清掃状態を維持しやすい製品であることが重要です。

試作段階で清掃性を評価する具体的な方法

商品化の設計段階で清掃性を考慮しても、図面だけで実際の清掃作業を完全に評価することは困難です。

そのため、試作品を製作し、使用条件に近い環境で清掃性を確認することが重要です。

試作評価では、まず清掃前の状態を再現します。

実際の使用で発生する汚れを想定し、対象となる面や内部構造へ付着させます。このとき、汚れの種類、付着量、付着位置、放置時間などを記録しておくと、設計変更前後の比較がしやすくなります。

ただし、試験用の汚れを選ぶ場合には、安全性や試験後の処理方法に注意が必要です。実際の汚れを使用できない場合は、用途に応じて適切な模擬汚れを設定する方法があります。

次に、想定した清掃手順で作業を実施します。

清掃に使用する工具や洗浄液、作業姿勢、作業時間などを可能な範囲で統一すると、比較結果のばらつきを抑えやすくなります。

清掃作業中には、どの部分で作業が難しくなるのかを観察します。

例えば、ブラシが届かない部分、布を押し当てにくい部分、液体が残留する部分などを記録します。

分解清掃を前提とする製品では、分解から清掃、乾燥、再組立までの工程を評価対象に含めることが重要です。

清掃が短時間で完了しても、再組立に時間がかかったり、取り付け間違いが発生したりする構造では、実際の運用負担が大きくなる可能性があります。

清掃後の確認方法も事前に決めておきます。

外観上の汚れを評価する場合には、目視確認や写真記録を利用できます。

ただし、目視で汚れが確認できないことと、衛生面や品質面で必要な清浄度を満たしていることは同じではありません。

製品用途によっては、残留物の測定や清浄度の検査など、追加の評価が必要になる場合があります。

また、清掃性の評価は一度だけでは十分でない場合があります。

繰り返し使用する製品では、清掃操作によって部品が摩耗したり、表面状態が変化したりする可能性があります。

そのため、想定使用期間や清掃頻度に応じて、繰り返し清掃した後の状態も確認することが望まれます。

試作品の比較では、単純に清掃時間だけで優劣を決めないことが大切です。

清掃時間が短くても汚れが残留する構造では、必要な性能を満たせない可能性があります。

反対に、十分な清掃状態を確保できても、特殊な操作や過大な作業負担が必要であれば、利用者に適した製品とはいえない場合があります。

清掃後の残留状態、作業時間、分解の難しさ、乾燥状態、再組立の確実性などを総合的に評価することが重要です。

商品化の相談窓口では、こうした評価結果を共有することで、どの構造を優先的に改善するべきかを判断しやすくなります。

清掃性と安全性・耐久性を両立させる設計判断

製品の清掃性を向上させる際には、他の要求性能とのバランスを考慮する必要があります。

清掃性だけを優先した結果、製品の強度や安全性、耐久性が低下してしまっては、商品化に適した設計とはいえません。

例えば、清掃しやすくするためにカバーを取り外し式に変更すると、着脱部の固定性能や繰り返し使用による摩耗が問題になる場合があります。

また、汚れが溜まりにくいように部品形状を単純化した結果、必要な補強部分が不足する可能性もあります。

こうした問題を防ぐには、清掃性の改善によって影響を受ける機能を確認することが重要です。

特に、強度を必要とする部品では、肉厚や補強形状を変更する前に、荷重条件や変形の許容範囲を整理します。

必要に応じて解析や試験を行い、変更後の構造が要求性能を満たしているかを確認します。

密閉性が必要な製品では、清掃時の分解性との両立が課題になることがあります。

頻繁に開閉する構造では、シール材の摩耗や組付け状態の変化によって、密閉性能に影響する可能性があります。

そのため、開閉回数や組立手順を想定し、必要な性能を維持できる構造を検討します。

電気部品を内蔵する製品では、水洗いの可否も重要です。

外装が水に触れることを想定していても、内部のすべての部品が洗浄液に対応しているとは限りません。

そのため、洗浄できる範囲と、濡らしてはいけない範囲を明確に区分する必要があります。

場合によっては、外装のみを拭き取る清掃方法と、取り外し可能な部品を水洗いする方法を組み合わせることも考えられます。

さらに、利用者の安全にも配慮します。

清掃中に鋭利な部分へ触れる構造や、重量のある部品を不安定な姿勢で取り外す構造では、作業者に危険が生じる可能性があります。

清掃時の安全性を確保するためには、危険箇所への接触防止、部品の落下防止、適切な作業空間の確保などが必要です。

商品化の相談窓口では、清掃性の改善を単独の要求として扱うのではなく、安全性や耐久性、製造性との関係を整理しながら検討することが重要です。

商品化の相談窓口を効果的に活用する進め方

清掃性の高い製品を商品化するには、適切なタイミングで専門家へ相談し、設計と試作評価を段階的に進めることが重要です。

商品化の相談窓口を利用する際には、完成された図面が必ずしも必要というわけではありません。

製品の構想段階であっても、用途や使用環境、清掃方法、問題になりそうな箇所を整理することで、初期検討を進められる場合があります。

まずは、商品化したい製品の目的を明確にします。

何をするための製品なのか、誰が使用するのか、どのような環境に設置するのかを説明できるようにします。

次に、清掃に関する要求事項を整理します。

例えば、使用後に毎回清掃する必要があるのか、分解して洗浄するのか、拭き取りを基本とするのかによって、必要な構造が変わります。

ここで重要なのは、清掃性について漠然とした要望だけを伝えないことです。

「汚れにくくしたい」という要望だけでは、適した設計を判断するための情報が不足します。

どこに、どのような汚れが付着し、どの方法で取り除きたいのかを説明することで、具体的な構造検討につなげやすくなります。

既存の試作品や類似構造がある場合には、問題箇所の写真を用意すると有効です。

写真によって、汚れが溜まる場所や清掃工具が届きにくい部分を共有できれば、相談先との認識のずれを減らしやすくなります。

正式な設計図面がない場合でも、写真に寸法や説明を加えることで、初期相談に必要な情報を整理できる場合があります。

続いて、清掃性と他の要求性能の優先順位を検討します。

例えば、防水性を最優先にする製品と、日常的な分解清掃を最優先にする製品では、適した構造が異なります。

複数の要求事項が競合する場合には、どの性能が必須条件なのかを明確にすることが大切です。

相談先を選ぶ際には、製品設計だけでなく、試作品の製作や加工方法の検討にも対応できるか確認するとよいでしょう。

複雑な製品では、樹脂加工、金属加工、表面処理、組立など、複数の技術分野が関係することがあります。

そのため、必要に応じて複数の加工先や専門家と連携できる相談体制が役立つ場合があります。

特に、小ロットで商品化を進める場合には、試作品と量産品の製造方法が異なる可能性があります。

試作品では問題のなかった清掃構造が、製造方法の変更によって再現しにくくなることも考えられます。

そのため、試作段階から、将来の製造方法も見据えて形状や材料を検討することが重要です。

商品化の相談窓口を通じて、初期構想、設計、試作、評価、改良という工程を整理すれば、清掃性に関する問題を段階的に確認しやすくなります。

また、設計変更の記録も重要です。

試作品で汚れが残留した場所や、改善した形状、清掃試験の結果などを記録しておくことで、改良の効果を比較できます。

複数の関係者が商品化に参加する場合には、写真や図面、評価結果を共通の管理方法で保存することが望まれます。

情報を共有しやすい環境を整えることで、設計担当者と製作担当者、評価担当者の間で認識の違いが生じることを減らせます。

東京などで商品化に関する相談先を探す場合も、所在地だけで判断するのではなく、対象製品の構造や必要な加工技術に対応できるかを確認することが重要です。

相談窓口を選ぶ際には、清掃性の問題を具体的な設計課題として整理し、試作による確認まで進められる体制かどうかが判断材料になります。

まとめ:清掃性を設計段階から考慮して商品化の完成度を高める

商品化を成功に近づけるためには、製品の機能や外観だけでなく、使用後の清掃や長期的なメンテナンスまで考慮した構造設計が重要です。

清掃性が十分に検討されていない製品では、汚れが溜まりやすい場所が発生したり、清掃のために複雑な分解作業が必要になったりする可能性があります。

こうした問題は、商品化後に改善しようとすると、部品形状や組立構造の変更につながる場合があります。

そのため、構想段階から清掃条件を整理し、設計時に適切な対策を取り入れることが望まれます。

本記事で紹介した6つの構造設計ポイントは、汚れが溜まりにくい形状、清掃箇所へのアクセス性、接合部や隙間の管理、排水と乾燥、材料と表面仕上げ、消耗部品の交換性です。

これらを個別に考えるのではなく、製品全体の構造として組み合わせることで、実際の使用条件に適した清掃性を検討しやすくなります。

また、設計段階で清掃性を考慮したとしても、試作品による確認は欠かせません。

実際に汚れを付着させ、想定した清掃方法を実施することで、図面上では発見しにくい問題を確認できる場合があります。

商品化の相談窓口を活用すれば、こうした問題を設計、材料、加工、組立、評価の各段階から検討しやすくなります。

相談時には、製品の用途や使用環境、汚れの種類、清掃頻度、必要な安全性などを具体的に伝えることが重要です。

さらに、商品化した製品が工場や建設現場、屋外設備などで使用される場合には、設置後の状態やメンテナンス履歴を管理することも大切です。

例えば、清掃対象となる設備の位置、汚れが発生した場所、部品交換を行った箇所などを、現場写真と位置情報に関連付けて記録できれば、現場ごとの状態を把握する際に役立ちます。

こうした現場情報の記録と共有を支援する手段として、LRTK Phoneの活用が考えられます。

LRTK Phoneは、位置情報と現場写真などを関連付けた記録に活用できるため、対応する現場業務では設備の設置位置や施工記録、現場の状況を整理する手段となります。清掃性そのものを自動で評価するものではありませんが、製品の設置状況や現場で発生した課題を記録することで、保守管理や設計改善に必要な情報を共有しやすくなります。

商品化の設計段階では清掃しやすい構造を追求し、商品化後は実際の使用状況や保守記録を次の改良へ活かすことが重要です。

清掃性の高い製品づくりと、現場情報を継続的に活用する仕組みの両方を意識することで、使いやすく、維持管理しやすい製品の実現を目指せます。

ものづくりの次の一歩を、
相談から始めてみませんか。

加工・製造の外注先や共同開発のパートナー探しに。大田区産業振興協会の受・発注あっせん相談サービスをご利用いただけます。

ものづくり 外注先を探す。公益財団法人大田区産業振興協会の受・発注あっせん相談。無料でプロに相談!公的機関だから安心!
ものづくりの協力先探し大田区産業振興協会無料相談