製品開発で保守性設計を重視すべき理由
製品開発の協力会社を探すとき、加工精度、設計能力、生産能力、品質管理体制などを重点的に確認する企業は多いでしょう。しかし、製品を長期間使用することを考えると、もう一つ重要になるのが保守性設計です。
保守性とは、製品に故障や摩耗が発生したときに、点検、修理、部品交換、調整などをどの程度実施しやすいかという考え方です。正常に動いている試作品だけを見ていると気づきにくいものの、量産後に実際の使用現場へ製品が導入されると、保守性の違いが運用負担として表れます。
たとえば内部にある消耗部品を一つ交換するだけなのに、外装部品や基板、配線、支持部品などを大量に取り外さなければならない構造では、作業時間が長くなります。作業工程が増えれば、取り外した部品を傷つける可能性や、組み戻し時に配線を挟み込む可能性、締結部品を付け忘れる可能性も高まります。
また、故障部品へアクセスするために特殊な工具が必要だったり、製品本体を設置場所から完全に取り外さなければならなかったりすると、保守担当者だけで対応できず、専門作業者の手配が必要になる場合があります。製品そのものの品質が高くても、修理するたびに大掛かりな作業が発生すれば、使用者にとって扱いやすい製品とは言いにくくなります。
こうした問題は量産開始後に修正しようとしても容易ではありません。部品配置を変更すると筐体設計や配線経路、基板配置、安全性、強度、組立工程などに影響するためです。交換部品へのアクセスを改善するために筐体を変更しようとすると、金型や加工部品、治具などまで見直す必要が生じることもあります。
そのため、保守性は製品完成後に検討するのではなく、構想設計や詳細設計の段階から織り込むことが重要です。製品開発を協力会社へ依頼する場合は、「要求された機能を実現できるか」だけでなく、「使用開始後にどのように点検し、故障したらどのように交換するか」まで考えて設計できる会社かを確認する必要があります。
保守性設計に強い協力会社は、単に部品を配置するだけではありません。寿命部品、消耗部品、故障時に交換する可能性のある部品、点検対象部分などを整理し、それぞれに必要なアクセス方法を想定します。そのうえで、分解順序、工具スペース、締結方法、配線長、コネクタ位置などを設計へ反映します。
製品開発の協力会社を比較するときは、完成した製品の外観や仕様だけを見るのではなく、内部へアクセスしたときの構造まで確認することが大切です。ここからは、協力会社の保守性設計力を見るために確認したい5項目を具体的に解説します。
1.交換対象部品へ無理なくアクセスできるか
最初に確認したいのが、交換対象となる部品へのアクセス性です。保守性の高い製品では、点検や交換の可能性が高い部品ほど、比較的少ない工程で到達できるように設計されています。
製品内部には、製品寿命まで基本的に触らない部品と、一定期間ごとの点検や交換を想定する部品があります。すべての部品を同じ優先順位で配置するのではなく、保守頻度を考慮して位置を決めることが重要です。
たとえば交換頻度の高い部品が筐体の最深部に配置され、その手前に複数の部品や配線がある構造では、交換のたびに広範囲の分解作業が必要になります。一方で、点検口やサービス用の開口部から対象部品へ直接アクセスできれば、作業時間や取り外す部品数を減らせます。
製品開発の協力会社を評価するときは、設計図や試作品を見ながら、主要な交換対象部品について実際の作業手順を説明してもらうとよいでしょう。「この部品が故障した場合、最初にどこを開けるのか」「交換対象へ到達するまで何点の部品を外すのか」「製品を設置状態のまま作業できるのか」といった流れを確認すると、保守性への配慮が見えてきます。
アクセス性では、単に目で見える位置に部品があるだけでは十分ではありません。工具を入れるスペースも必要です。ねじが見えていても、その正面に構造物があり工具をまっすぐ挿入できなければ、実際には作業しにくくなります。
また、手を入れるための空間も重要です。設計画面上では十分な隙間に見えていても、実物では指が入らない、コネクタをつまめない、配線を避けながら工具を操作できないといった問題が発生することがあります。三次元モデルだけで判断せず、試作品を使った作業確認まで実施できる協力会社であれば、こうした問題を量産前に見つけやすくなります。
アクセス方法については、製品をどこで修理するのかも考慮する必要があります。工場へ回収して修理する製品と、設置現場で修理する設備では、求められる設計が異なります。現場修理を前提とする製品では、壁際や装置内部など限られたスペースで作業する可能性があります。
協力会社へ設計を依頼するときは、製品単体だけを見て保守性を判断するのではなく、設置方向や周辺設備との位置関係まで含めて検討しているかを確認しましょう。実際の使用環境を想定しながらアクセス経路を設計できる会社は、量産後の保守トラブルも想定している可能性が高いといえます。
2.部品交換時の分解範囲を小さくできているか
2つ目の確認項目は、修理や部品交換のためにどこまで製品を分解する必要があるかです。
保守作業では、交換対象そのものよりも、そこへ到達するまでの分解作業に多くの時間がかかることがあります。外装を外し、別の部品を取り外し、配線を抜き、支持部材を外してからようやく交換対象へ到達する構造では、交換作業が複雑になります。
分解する部品数が増えると、それだけ作業ミスの可能性も増えます。取り外した締結部品を紛失したり、組み戻す位置を間違えたり、配線を誤接続したりする可能性があります。交換対象ではない正常な部品へ触れる工程が増えること自体が、保守作業に伴うリスクになります。
保守性を考えた設計では、交換する可能性の高い部品をある程度まとまりとして扱います。たとえば特定の機能を構成する部品を一つのユニットとして取り外せる構造にすると、故障時に製品全体を細かく分解せずに交換できる場合があります。
ただし、何でもユニット化すればよいわけではありません。交換単位を大きくしすぎると、一部だけが故障しているにもかかわらず正常な部品まで交換することになります。反対に細かく分解しすぎる構造では、現場での作業負担が増えます。
重要なのは、故障モードや部品寿命、修理方針を踏まえて適切な交換単位を決めることです。この判断ができるかどうかは、協力会社の設計経験を見るポイントになります。
協力会社との打ち合わせでは、「この部品が故障した場合はどこまで交換する設計なのか」を確認してみるとよいでしょう。回答が単に「分解すれば交換できます」という内容だけであれば、保守性について十分に検討されていない可能性があります。
一方、交換対象ごとに分解範囲や作業順序が整理されており、「このカバーを外せば対象ユニットへアクセスできる」「この配線を切り離せばユニット単位で取り外せる」と説明できる場合は、保守工程を意識して設計していると判断しやすくなります。
配線の取り回しも分解範囲に大きく影響します。交換対象の部品へ複数の配線が直接はんだ付けされている場合と、適切な位置で着脱できる構造になっている場合では、作業性が大きく異なります。
ただし、着脱部を増やすと接続部品の数が増えるため、信頼性やスペースとのバランスも必要です。保守性だけを優先して設計するのではなく、耐久性、強度、安全性、製造性などとのバランスを取りながら構造を決めることが求められます。
製品開発の協力会社を見るときは、単に「交換できる設計」なのか、「必要以上に分解せず交換できる設計」なのかを区別して評価することが重要です。
3.消耗品と故障しやすい部品を交換しやすく設計しているか
3つ目は、消耗品や寿命部品、使用環境によって劣化しやすい部品への配慮です。
製品には、使用とともに摩耗や劣化が進む部品があります。機械的に動く部分だけでなく、シール材、フィルター、電池、駆動部品、接点部品など、製品の種類によって定期的な確認や交換が必要になる部品は異なります。
これらの部品について保守性を考えず設計すると、製品そのものは正常なのに、一つの消耗部品を交換するためだけに大規模な分解が必要になることがあります。
重要なのは、設計開始時点で交換可能性のある部品を洗い出しているかどうかです。協力会社が保守性を重視している場合、部品表を作るだけでなく、各部品について想定寿命や交換可能性を整理し、設計上の優先順位へ反映します。
製品開発の初期段階では、まだ正確な寿命を判断できない部品もあります。その場合でも、使用条件や部品メーカーの仕様、過去の類似製品などから交換可能性を想定し、将来的に交換が必要になりそうな部品を完全に封じ込めないことが重要です。
たとえば消耗部品の周囲に他の部品を密集させてしまうと、後から交換構造へ変更することが難しくなります。初期設計から一定の作業空間や取り外し方向を確保しておけば、詳細設計段階で保守性を改善できる余地が残ります。
また、部品の取り外し方向にも注意が必要です。交換部品が上方向へ抜ける構造になっていても、製品設置後に上部へ別の設備が配置される場合は取り外せません。製品単体では交換可能でも、設置状態では交換できないという問題は、現場条件を十分に確認していない設計で起こりやすくなります。
協力会社を選ぶときは、「どの部品を保守対象として設定しているか」「交換方向をどのように決めたか」「交換作業をどこで行う想定か」と質問すると、保守性についてどこまで考えているかを確認できます。
さらに、交換後の調整や確認まで考える必要があります。部品を物理的に交換できても、その後に複雑な位置調整や校正が必要であれば、保守時間は長くなります。
交換部品の位置決めを構造的に再現できるようにしたり、組付け方向を間違えにくい形状にしたりすることで、交換後の作業を簡素化できる場合があります。反対向きでも組み付けられてしまう構造や、微妙な位置調整を作業者の感覚だけに依存する構造では、修理後の品質にばらつきが出る可能性があります。
保守性設計では、「部品を取り出せるか」だけでなく、「交換後に元の性能へ戻しやすいか」まで考えることが重要です。こうした視点を持つ協力会社であれば、製品のライフサイクルを意識した設計を期待しやすくなります。
4.組立方向や締結方法が保守作業を妨げていないか
4つ目の確認項目は、ねじや固定部品などの締結方法です。
製造時には組み立てやすい構造でも、保守時には作業しにくい場合があります。量産ラインでは専用治具を使用できても、修理現場では一般的な工具しか使えないことがあるためです。
たとえば製品内部の狭い位置に複数種類の締結部品が使われていると、作業者は工具を頻繁に交換する必要があります。また、外観が似ているのに長さだけが異なる締結部品を多数使用すると、組み戻す際に位置を間違える可能性があります。
締結部品の種類を必要以上に増やさないことは、製造工程だけでなく保守工程でも有効です。同じ作業範囲で使用する工具を可能な範囲で統一できれば、作業負担を軽減できます。
ただし、製品の強度、安全性、材料、締結荷重などによって必要な締結方法は異なります。そのため、単純に部品種類を減らせばよいというものではありません。重要なのは、それぞれの締結方法を採用する理由が明確であることです。
協力会社へ「なぜこの位置だけ異なる締結方法なのか」と聞いたとき、強度、振動、材料条件、組立性などの理由を説明できるか確認するとよいでしょう。明確な設計意図がある場合と、過去図面をそのまま流用しただけの場合では、設計品質に差が出ます。
また、工具を操作する方向も重要です。製造時には製品を自由に回転させられるため問題なく締結できても、設置後の保守では製品を動かせないことがあります。壁面側からしか工具を入れられない構造になっていると、現場では作業できない可能性があります。
製品の上面、下面、側面など、どの方向から保守するのかをあらかじめ決め、その方向から主要な締結部分へアクセスできるよう設計する必要があります。
締結部品だけでなく、カバーやケースの取り外し方も確認しておきたいポイントです。ねじを外した後に爪を強く変形させなければ取り外せない構造では、繰り返しの保守で破損する可能性があります。保守のたびに交換する前提なのか、何度も着脱する前提なのかによって、適した構造は変わります。
さらに、締結部品を完全に取り外す必要があるのか、緩めるだけでカバーを外せるのかという違いも作業性へ影響します。小さな締結部品を設備内部へ落とすと回収が難しい環境では、部品を脱落させにくい構造が有効な場合もあります。
保守性を重視する協力会社は、製造工程だけでなく修理工程でも実際に工具を使用して検証します。試作品の分解と再組立を行い、工具の干渉、作業姿勢、部品の保持方法などを確認する会社であれば、図面上だけでは分からない問題を発見しやすくなります。
製品開発を依頼するときは、完成状態だけを評価するのではなく、一度分解して再び組み立てるところまで確認することが有効です。
5.保守手順と製品情報を設計段階から整備しているか
5つ目は、保守作業に必要な情報を設計と同時に整備しているかという点です。
どれほど分解しやすい製品でも、作業手順が分からなければ安全で確実な保守はできません。どこから開けるのか、どの部品を先に外すのか、どの配線を切り離すのか、組み戻すときにどの部分を確認するのかといった情報が必要になります。
保守性設計に強い協力会社では、製品が完成してから説明書を作るのではなく、設計段階から保守手順を想定しています。設計者自身が分解順序を説明できる状態になっていれば、構造上の問題にも早く気づけます。
たとえば保守手順を書き出してみると、一つの部品を交換するために十数工程必要になっていることが明確になる場合があります。図面だけでは複雑さを感じなくても、実際の作業手順へ置き換えることで改善点が見えることがあります。
このため、設計審査の段階で主要な保守作業について手順を確認する方法は有効です。「外装を開ける」「配線を切り離す」「固定部品を外す」「交換対象を取り出す」といった作業を順番に確認し、不必要な工程がないかを検討します。
保守情報には、部品の識別情報も含まれます。似た部品が複数存在する場合、どれを交換すべきか現場で判断できなければなりません。部品表上では明確でも、実物を見たときに識別できない構造では作業ミスにつながる可能性があります。
また、配線や接続部についても識別しやすさが重要です。同じ形状の接続部が複数並んでいる場合、誤接続を防止する構造や識別方法が必要になることがあります。保守性の高い設計では、作業者が注意深く覚えていなければならない事項を減らし、構造や表示によって間違いにくくする考え方が取り入れられます。
協力会社を評価するときは、過去の開発でどのような保守資料を作成したかを確認する方法があります。機密情報を含む資料そのものを開示できない場合でも、どの段階で保守手順を作成し、誰が確認し、設計へどのようにフィードバックしているのかを質問できます。
さらに、設計変更が発生した場合に保守資料も更新される仕組みがあるか確認することが重要です。設計図面だけが更新され、保守手順書が旧仕様のまま残ってしまうと、量産後の作業で混乱が生じます。
図面、部品表、組立手順、保守手順などの情報を関連付けて管理し、設計変更時に影響範囲を確認できる会社であれば、長期的な保守にも対応しやすくなります。
保守性は機械構造だけで決まるものではありません。正しい情報を必要な人へ伝えられることまで含めて、製品の保守性が成立します。
協力会社の保守性設計力を評価するときの確認方法
ここまでの5項目を確認する際、打ち合わせで「保守性を考慮できますか」と質問するだけでは十分ではありません。多くの協力会社は保守性の重要性を理解しているため、回答だけでは実際の設計力を比較しにくいからです。
有効なのは、具体的な故障や交換場面を設定して説明してもらう方法です。
たとえば試作品や設計データを見ながら、「この内部部品を交換すると仮定した場合、どのような手順になりますか」と確認します。その場で分解経路を説明してもらえば、保守工程まで設計されているかが分かります。
さらに、「この製品を壁際に設置した状態でも交換できますか」「この部品を交換するときに必要な工具は何ですか」「交換後に調整は必要ですか」と条件を追加すると、設計の想定範囲を確認できます。
保守性への検討が十分な会社では、製品の設置条件や作業環境まで確認したうえで回答する傾向があります。反対に、製品単体の構造だけで「交換できます」と判断している場合は、現場条件を踏まえた検討が不足している可能性があります。
過去の不具合から設計改善へつなげた経験も確認するとよいでしょう。たとえば「過去に修理しにくい製品が発生したとき、次の製品ではどのような改善を行ったか」と質問します。
保守時の問題を設計ルールへ反映している会社であれば、アクセス方向の確保、工具スペースの確認、締結部品の統一、交換対象のユニット化など、具体的な改善内容を説明できる可能性があります。
試作品を使用した保守性評価の方法も確認したいポイントです。設計データだけでなく、実物で分解と組立を繰り返して確認している会社であれば、作業者の手が入らない、工具が干渉する、配線が引っ掛かるといった実作業上の問題を発見しやすくなります。
また、評価に誰が参加しているかも重要です。設計者だけでなく、製造担当者、品質担当者、保守担当者など複数の視点が入ることで、設計者だけでは気づきにくい問題を見つけられる場合があります。
協力会社選定では、保守性を一つの評価項目として明文化しておくことも有効です。仕様書に機能や寸法だけを記載すると、協力会社もその条件を満たすことを優先します。保守時の交換対象、想定作業場所、必要な作業時間の考え方、使用可能な工具などを共有すれば、設計初期から保守性を検討しやすくなります。
特に共同開発では、「協力会社なら当然考えてくれるだろう」という前提を置かないことが重要です。発注側と協力会社の保守方針が異なれば、完成後になって認識の違いが判明する可能性があります。
保守性は製品開発初期から協力会社と共有する
保守性の問題は、設計の終盤ほど修正が難しくなります。
製品の内部配置が固まり、筐体寸法や配線経路、基板位置、加工部品などが確定した後で「この部品を交換しやすくしたい」と要求しても、周辺部品との関係から変更できないことがあります。
そのため、製品開発の初期段階で保守方針を整理しておくことが重要です。
まず考えたいのは、どのレベルまで現場で修理するのかという方針です。すべての部品を現場交換可能にする必要はありません。製品によってはユニット単位で交換し、故障ユニットを別の場所で修理する方法が適している場合もあります。
どこまでを保守担当者が扱い、どこからを専門技術者が扱うのかを決めることで、必要な設計条件が明確になります。
使用環境も共有しておく必要があります。屋内か屋外か、製品周辺にどの程度の作業空間があるか、停止可能な時間はどの程度か、作業者がどのような装備を使用するかなどによって適切な保守構造は変わります。
設計者に製品単体の仕様だけを伝えるのではなく、実際の使用状況を共有することが重要です。
また、試作段階で保守作業を実施してみることも有効です。故障していなくても、主要な交換部品を実際に取り外し、再組立します。そこで作業時間や分解範囲、工具の使いやすさ、部品の識別性などを確認します。
試作品の評価では、正常に動くかどうかを優先しがちですが、正常状態だけを見ていると保守性の問題は見逃されます。「故障したと仮定して分解する」という評価を加えることで、量産前に問題を発見できる可能性が高まります。
さらに、保守性と製造性を別々に考えないことも大切です。組立しやすい構造は保守もしやすい場合がありますが、必ずしも一致するとは限りません。
製造ラインでは製品を任意の方向へ向けたり専用治具を使ったりできますが、保守現場では同じ環境を用意できません。製造工程では数秒で締められるねじが、設置現場では工具が入らず外せないということもあります。
設計審査では、製造工程と保守工程をそれぞれ想定し、両方の観点から確認する必要があります。
協力会社と長期的に製品開発を進める場合は、量産後の保守情報も設計へフィードバックすると効果的です。どの部品の交換件数が多いのか、どの作業に時間がかかっているのか、どの位置で作業ミスが発生しやすいのかといった情報は、次の設計改善につながります。
製品開発は量産開始で終わるものではありません。市場で使用された後に得られる情報まで活用し、次の製品へ反映することで、協力会社との開発力を継続的に高めることができます。
まとめ|修理しやすさまで考えられる協力会社を選ぶ
製品開発の協力会社を選ぶときは、要求仕様を満たす設計ができるかだけでなく、製品を長く使用するための保守性まで検討できるかを確認することが重要です。
特に確認したいのは、交換対象部品へ無理なくアクセスできること、交換時の分解範囲が必要以上に広くないこと、消耗品や故障しやすい部品の交換を想定していること、締結方法や工具方向が保守作業を妨げていないこと、そして保守手順や製品情報を設計段階から整備していることです。
これらは完成した外観だけでは判断できません。試作品や設計データを使い、実際の故障を想定して交換手順を確認することで、協力会社の考え方が見えてきます。
保守性に優れた設計とは、単に部品を外しやすくすることではありません。安全性、強度、信頼性、製造性などとのバランスを取りながら、必要な部品へ適切な手順でアクセスでき、交換後も安定した状態へ戻しやすくすることが重要です。
そのためには、発注側も使用環境や保守方針を明確にし、協力会社へ早い段階で共有する必要があります。どの部品を現場交換するのか、どこで作業するのか、製品周辺にどの程度の空間があるのかといった条件が分かれば、協力会社も具体的な保守性設計を行いやすくなります。
また、製品が現場へ設置される場合は、設計情報だけでなく実際の設置状況や保守履歴を残すことも重要です。同じ製品でも設置場所によって周辺環境や作業スペースが異なり、保守方法が変わる場合があります。現場写真と位置情報、施工時の記録を関連付けて管理できれば、修理や交換を計画するときに現地の状況を把握しやすくなります。
LRTK Phoneは、現場写真・位置情報・施工記録を管理する自社プロダクトです。製品や設備の設置状況を現場記録として残しておくことで、保守作業を検討する際の情報整理にも活用できます。製品開発段階で保守性を高めるだけでなく、導入後の現場情報まで継続して管理することで、設計、施工、点検、修理の情報を次の改善へつなげやすくなります。
修理しやすい製品をつくるには、故障してから対応方法を考えるのではなく、設計段階から「いつか交換する可能性がある」という視点を持つことが重要です。製品開発の協力会社を選ぶ際は、完成時の性能だけでなく、数年後の点検や修理まで具体的に想像できる会社かどうかを見極めることが、長く扱いやすい製品づくりにつながります。
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