LRTKレフィクシア株式会社

製品開発の相談窓口で製品寿命を見据えた材料選定を進める6つの視点

製品開発では、機能や形状、製造方法と並んで、材料選定が製品の品質と寿命を大きく左右します。開発初期には要求性能を満たしていた材料でも、長期間の使用によって摩耗や腐食、変形、強度低下が進み、想定より早く不具合が発生する場合があります。こうした問題を防ぐには、初期性能だけでなく、使用環境や製造工程、保守条件まで考慮して材料を選ぶことが重要です。

しかし、材料には金属、樹脂、複合材料など多様な選択肢があり、それぞれに異なる特性があります。強度が高い材料が必ずしも長寿命とは限らず、耐食性に優れた材料でも加工方法や接合条件によっては十分な性能を発揮できないことがあります。また、材料そのものが適切でも、調達が難しくなれば製品の継続生産や保守部品の供給に影響する可能性があります。

そこで役立つのが、設計・試作・製造・組立などを横断して相談できる製品開発の相談窓口です。材料の仕様だけを個別に検討するのではなく、製品全体の要求条件を整理し、複数の専門的な視点から材料を評価することで、開発後半の設計変更や量産開始後の品質問題を減らしやすくなります。

本記事では、製品開発の相談窓口を活用しながら、製品寿命を見据えた材料選定を進めるための6つの視点を解説します。使用環境の整理から劣化評価、加工・組立、耐久試験、調達継続性、保守まで、実務担当者が確認しておきたい判断基準を具体的に紹介します。

製品寿命を見据えた材料選定が重要な理由

製品開発における材料選定は、単に必要な強度や硬さを満たす材料を探す作業ではありません。製品が使用される期間を通じて、求められる機能、安全性、寸法精度、外観などをどの程度維持できるかを考える必要があります。

例えば、屋外で使用する機器の筐体を設計する場合、初期状態で十分な強度があっても、紫外線や雨水、温度変化の影響によって材料が劣化する可能性があります。表面の変色だけで済む場合もあれば、樹脂の脆化や金属の腐食が進み、固定部の破損や防水性能の低下につながる場合もあります。

一方、屋内で使用する産業機器であっても、振動、繰り返し荷重、熱、潤滑剤、洗浄剤などの影響を受けることがあります。使用環境が比較的安定しているからといって、材料の経年変化を無視できるわけではありません。

さらに、製品寿命は材料単体の耐久性だけで決まりません。部品同士の組み合わせ、加工によって生じる残留応力、締結構造、表面処理、使用者による保守状況などが相互に影響します。同じ材料を採用しても、設計構造や使用条件が異なれば、劣化の進み方も変わります。

ここで整理しておきたいのが、製品寿命と保証期間の違いです。製品寿命は、定められた使用条件や保守条件のもとで要求機能を維持することを目指す期間として設計上設定されます。一方、保証期間は契約や販売条件に基づいて定められるものであり、両者が必ず一致するわけではありません。

また、製品の使用期間中に交換を予定する消耗部品と、基本的に交換しない主要構造部品では、材料選定の考え方も異なります。主要構造部品には長期的な安定性が求められる一方、交換を前提とする部品では、適切な交換周期を設定したうえで加工性や供給継続性を重視する判断も考えられます。

製品開発の相談窓口では、このような条件を開発初期に整理することが重要です。材料メーカーの仕様情報だけでは判断しにくい項目についても、設計、加工、組立、品質管理などの立場から検討することで、実際の製品に適した材料選定へとつなげられます。

視点1 使用環境と要求寿命を具体的な条件にする

製品寿命を考慮した材料選定の第一歩は、製品がどのような環境で、どの程度の期間使用されるかを明確にすることです。使用環境の情報が曖昧なまま材料を決めると、実際の使用条件に対して耐久性が不足したり、反対に必要以上の性能を持つ材料を選んで加工や調達の制約を増やしたりする可能性があります。

まず確認したいのは、温度と湿度の条件です。通常使用時の温度だけでなく、保管時、輸送時、停止時、起動時に想定される温度も考慮します。特に温度変化が大きい製品では、材料の熱膨張や収縮によって部品間のすき間や締結状態が変化する場合があります。

樹脂材料では、高温環境に長期間さらされることで剛性や寸法安定性が変化することがあります。金属材料でも、使用温度によって強度や靭性、熱膨張の影響を確認する必要があります。材料の耐熱温度として示される数値だけで判断せず、荷重が加わる状態でどの程度の変形が許容されるかまで検討することが重要です。

次に、製品に作用する力を整理します。静的な荷重だけでなく、振動、衝撃、繰り返し荷重などがある場合には、それぞれを区別して考えます。例えば、常に一定の荷重を受ける支持部品と、頻繁に動作する機構部品では、重要となる材料特性が異なります。

支持部品では長期荷重による変形や座屈、機構部品では疲労や摩耗が問題になる場合があります。樹脂部品の場合、比較的小さな荷重でも長期間作用することで徐々に変形するクリープ現象が設計上の課題になることがあります。

使用回数や稼働時間についても、できるだけ具体的な条件を設定します。例えば、1日に何回動作するのか、年間でどの程度稼働するのか、停止状態と稼働状態のどちらが長いのかによって、材料に求められる特性は変わります。疲労に関しては、単純な動作回数だけでなく、応力の大きさや変動幅、荷重の方向なども重要です。

屋外で使用する製品では、降雨、結露、紫外線、粉じん、塩分などの影響も検討します。沿岸部や薬品を扱う設備では、一般的な屋外環境より厳しい腐食条件になることがあります。ただし、同じ地域であっても設置場所や防護構造によって暴露条件は異なるため、実際の使用状況に即した評価が必要です。

要求寿命については、製品全体の目標期間と部品ごとの必要寿命を分けて考えると整理しやすくなります。製品全体を長期間使用する計画であっても、すべての部品を同じ期間交換せずに使う必要があるとは限りません。交換可能な部品と交換困難な部品を区別すれば、材料選定の優先順位を合理的に設定できます。

製品開発の相談窓口には、使用環境を単に「屋外」「高温」「長寿命」と伝えるだけでなく、想定する温度範囲、荷重条件、動作頻度、設置方法、必要な使用期間などを可能な範囲で具体化して伝えることが有効です。

条件がまだ確定していない場合は、確定事項と仮定条件を分けて共有します。相談先とともに評価すべき条件を整理することで、過不足の少ない材料候補を絞り込みやすくなります。

視点2 劣化要因と材料特性の適合性を確認する

材料選定の第二の視点は、使用期間中に発生する劣化要因を洗い出し、それぞれに対して材料が適しているかを確認することです。初期の引張強さや硬さが要求値を満たしていても、長期使用後の性能が十分とは限りません。

金属材料では、腐食、疲労、摩耗などが代表的な劣化要因になります。特に水分や腐食性物質にさらされる環境では、材料自体の耐食性だけでなく、表面処理や接合部分の構造も重要です。

例えば、異なる種類の金属を組み合わせて使用する場合、水分などの電解質が介在すると、接触部周辺で異種金属接触腐食が進む可能性があります。この問題は、単に耐食性の高い材料を採用するだけでは解消できない場合があります。接触する材料の組み合わせや絶縁方法、排水性なども含めて検討する必要があります。

樹脂材料では、紫外線、温度、湿度、薬品、継続的な荷重などによる物性変化が重要です。例えば、屋外で長期間使用する樹脂部品では、紫外線による表面劣化や強度低下への対策が必要になる場合があります。また、特定の樹脂は水分を吸収することで寸法や機械的特性が変化するため、湿度の高い環境で精密なはめあいを要求する部品には注意が必要です。

薬品に触れる製品では、材料の耐薬品性を個別に確認します。同じ樹脂系統の材料であっても、配合や添加剤、成形条件によって適合性が異なる場合があります。使用する洗浄液や潤滑剤、接着剤との組み合わせも評価対象になります。

さらに、複数の劣化要因が同時に作用することを考慮する必要があります。例えば、温度が高く、薬品にも接触し、さらに繰り返し荷重が加わる環境では、それぞれの条件を単独で評価した結果だけでは実際の耐久性を十分に判断できない場合があります。

材料の劣化を考える際には、どのような状態になったら製品寿命に達したと判断するのかも明確にします。破断や機能停止だけが寿命の判断基準ではありません。変形によって組立精度が維持できなくなる、摩耗によって動作音が増える、腐食によって外観要求を満たさなくなるといった状態も、用途によっては寿命判定の対象になります。

特に製品の安全性に関係する部品では、性能が低下してから交換すればよいという考え方だけでは不十分です。劣化の進行によって重大な故障につながる可能性がある場合には、余裕を持った設計条件や点検方法、交換基準を設定する必要があります。

製品開発の相談窓口では、材料候補の一般的な特性を比較するだけでなく、予想される故障形態を共有し、それぞれの故障にどのような材料特性が関係するかを整理することが有効です。

過去に類似製品で発生した不具合があれば、その情報も重要な判断材料になります。割れ、摩耗、変色、腐食、寸法変化などの症状と、発生までの使用期間、使用環境を整理すれば、新しい製品で重点的に評価すべき材料特性を絞り込めます。

材料選定を材料単体の優劣で判断するのではなく、想定される劣化と必要な機能を照らし合わせて進めることが、長期的な品質確保につながります。

視点3 加工・組立工程が材料性能に与える影響を考える

第三の視点は、材料が製造工程を経た後も、期待する性能を維持できるかという点です。材料の仕様書に記載された物性値は、一定の条件で測定された代表値や規格値であり、完成部品の性能をそのまま保証するものではありません。

実際の製品では、切削、曲げ、溶接、熱処理、成形、表面処理、接着、組立など、さまざまな工程が加わります。こうした工程によって、材料の組織や内部応力、表面状態、寸法などが変化する可能性があります。

例えば、金属部品を切削加工する場合、材料の硬さや延性、熱伝導性などによって加工のしやすさが変わります。加工時の発熱や工具条件、固定方法が適切でなければ、寸法精度や表面性状に影響が生じることがあります。薄肉部品では加工後の変形も検討対象になります。

溶接を伴う構造では、材料の溶接性が重要です。溶接による入熱は接合部周辺の組織や硬さ、残留応力を変化させる場合があります。設計上は十分な強度を持つ材料でも、接合部の施工条件や品質管理が適切でなければ、製品全体として要求性能を満たせない可能性があります。

樹脂部品では、成形温度や冷却条件、金型構造などによって寸法精度や内部応力が変わることがあります。成形後の反りや収縮を考慮せずに材料を決めると、組立時の干渉やすき間の発生につながります。

材料の配合や充填材の有無によって、強度や熱膨張、流動性が変わる場合もあります。そのため、単に樹脂の種類を指定するだけでなく、実際に使用する材料グレードや成形条件まで確認することが重要です。

組立工程についても、材料選定と切り離して考えることはできません。例えば、ねじによる締結では、材料の硬さや弾性、クリープ特性によって締結状態の変化が異なります。樹脂部品を締め付ける場合、初期状態では問題がなくても、時間の経過とともに締結力が低下することがあります。

接着や圧入を利用する構造では、材料同士の相性や表面状態が重要です。温度変化によって異なる材料の熱膨張量に差が生じると、接合部に応力が集中する場合があります。材料単体の耐久性だけでなく、接合状態での耐久性を確認する必要があります。

試作段階と量産段階で加工方法が変わる場合も注意が必要です。試作品を切削加工で製作し、量産品を成形加工へ変更する場合、材料特性や内部応力、表面状態、寸法ばらつきなどが変化する可能性があります。試作評価が良好だったことだけを根拠に、量産後も同等の性能が得られると判断することは適切ではありません。

製品開発の相談窓口を活用する際には、材料候補と同時に想定する製造方法や生産数量、組立構造を共有すると効果的です。設計担当者だけで材料を決めるのではなく、加工や組立の知見を持つ担当者と検討することで、製造上の制約を早い段階で把握できます。

また、材料を変更するときには、部品図面上の材質記号だけでなく、加工条件や検査項目、接合方法などの変更要否も確認します。代替材料が機械的特性の面で近似していても、同じ製造条件で問題なく使用できるとは限らないためです。

材料選定と製造工程の検討を同時に進めることは、製品寿命の確保だけでなく、量産時の品質安定や製造上の手戻りを抑えるうえでも重要です。

視点4 耐久試験と評価基準を開発初期に決める

第四の視点は、選定した材料が要求寿命に適していることを、どのような方法で確認するかという点です。材料候補を比較する段階で評価方法が決まっていなければ、試作品を製作した後に追加試験が必要になり、開発計画へ影響する可能性があります。

材料評価では、初期性能を測定する試験と、経時変化を確認する試験を区別することが重要です。初期性能の確認では、強度、硬さ、寸法、表面状態など、要求機能に直接関係する項目を測定します。

一方、耐久評価では、実際の使用条件を想定して一定期間または一定回数の負荷を与え、その前後で性能がどのように変化したかを確認します。例えば、繰り返し荷重が加わる部品では疲労に関する評価が必要になる場合があります。温度変化の影響を受ける製品では、温度サイクルによる寸法変化や接合部の状態を確認する方法が考えられます。

屋外使用を想定した材料では、耐候性や耐食性に関する試験が検討対象になります。ただし、特定の試験に合格したことが、そのまま実使用環境での一定年数の寿命を保証するわけではありません。試験条件と実際の劣化環境との関係を確認し、試験結果を適切な範囲で解釈する必要があります。

特に加速試験を利用する場合には注意が必要です。加速試験は、温度や湿度などの条件を厳しくすることで、比較的短い期間で劣化傾向を調べる方法です。しかし、条件を厳しくしすぎると、実際の使用環境では起こりにくい劣化が優先的に発生する場合があります。

そのため、加速試験の結果から寿命を推定する際には、劣化の仕組みが実使用条件と整合しているかを検討しなければなりません。十分な根拠がない状態で、試験時間を単純に実使用年数へ換算することは避けるべきです。

評価基準についても、試験を開始する前に明確にすることが望まれます。例えば、試験後に破損がないことだけを合格条件にするのか、寸法変化や強度保持率、作動性能なども確認するのかによって、試験内容が変わります。

製品の使用目的によっては、初期値からの変化量が重要になります。機械部品であれば、摩耗量やすき間の変化が機能に影響する場合があります。外装部品であれば、変色や表面劣化が商品性に関係する場合もあります。

実務では、材料単体の試験と製品状態での試験を組み合わせることが有効です。材料試験によって候補間の特性差を把握し、組立品での試験によって接合部や構造全体の問題を確認します。この二段階の評価によって、材料自体の問題と設計構造による問題を区別しやすくなります。

製品開発の相談窓口では、試験方法の選定だけでなく、試験対象の数量、サンプルの製造条件、測定項目、判定基準、試験後の分析方法まで相談するとよいでしょう。

また、試験結果が不合格だった場合の対応も想定しておきます。材料変更が必要なのか、形状変更で対応できるのか、表面処理や組立条件を見直すべきなのかを判断できるように、試験で得られる情報を整理します。

評価計画を開発初期に整えることは、材料選定に必要な根拠を蓄積し、量産移行時の判断を明確にするための重要な取り組みです。

視点5 長期調達と代替材料の確保を検討する

第五の視点は、製品の使用期間や生産期間を通じて、必要な材料を継続して調達できるかという点です。製品寿命を長く設定していても、途中で材料の供給が終了すれば、追加生産や保守部品の製作に支障が生じる可能性があります。

材料選定では、機械的特性や耐久性に目が向きやすい一方、調達継続性は開発初期に見落とされることがあります。特に特殊な組成や限定された製造方法に依存する材料では、供給先が少ない場合があります。

また、同じ材料名称で流通していても、製造元や材料グレードによって特性が異なることがあります。一般的な材質区分だけで代替可能と判断すると、成形性、加工性、耐久性などに差が生じる可能性があります。

そのため、長期生産を予定する製品では、材料をどの程度具体的に指定するかを検討する必要があります。材料の種類だけでなく、必要な物性範囲、寸法規格、表面状態、品質確認方法などを明確にしておくと、将来の代替材料の検討が進めやすくなります。

ただし、必要以上に細かい材料指定を行うと、調達先の選択肢が狭くなる場合もあります。製品機能に直接関係する重要特性と、一定の範囲で変更を許容できる特性を区別することが重要です。

例えば、耐摩耗性が重要な摺動部品では、材料の硬さだけでなく、相手材との組み合わせや潤滑条件を含めた性能が重要になります。一方、外観や寸法に主な要求がある部品では、別の材料でも必要な性能を満たせる可能性があります。

代替材料を事前に検討しておけば、材料供給に問題が生じた際の対応を円滑に進めやすくなります。ただし、候補材料を登録しておくだけでは十分ではありません。変更時に再評価が必要となる項目や、製造工程への影響をあらかじめ把握することが望まれます。

製品開発の相談窓口には、生産予定期間、想定する生産数量、保守部品の供給方針などを共有します。これらの情報があれば、材料の供給体制や代替候補を含めた検討を進めやすくなります。

また、材料の受入検査やロット管理も重要です。材料の種類が同じであっても、製造ロット間のばらつきが製品品質に影響する場合があります。必要に応じて材料証明書や検査記録を確認し、どの材料がどの製品に使用されたかを追跡できる体制を整えます。

量産開始後に材料変更が発生した場合は、設計担当者と製造担当者、品質管理担当者などが変更内容を共有し、必要な評価や承認を実施することが重要です。

長期調達の視点を材料選定に組み込むことで、初期開発だけでなく、生産継続や保守対応まで見据えた製品計画を立てやすくなります。

視点6 保守・交換・廃棄まで含めて材料を選定する

第六の視点は、製品の使用開始から保守、部品交換、最終的な廃棄までを考慮することです。製品寿命を長くする方法は、すべての部品に高い耐久性を持たせることだけではありません。適切な保守によって機能を維持し、必要な部品を交換できる構造にすることも重要です。

例えば、摩耗が避けられない摺動部品では、摩耗しにくい材料を選ぶだけでなく、交換しやすい構造を採用する方法もあります。交換作業が容易であれば、製品全体を廃棄せずに使用を継続できる可能性があります。

一方、分解が難しい構造や、交換時に周辺部品を破損しやすい構造では、部品単体の寿命が製品全体の使用期間を制約する場合があります。そのため、材料選定と同時に、交換作業の方法や必要な工具、作業スペースなども検討することが望まれます。

保守作業で使用する薬品や洗浄方法も、材料の耐久性に影響します。例えば、清掃時に使う薬品が樹脂や表面処理に適合していない場合、通常の使用環境では問題がなくても、保守を繰り返すことで劣化が進む可能性があります。

また、摩耗や腐食の進行を確認しやすい材料や構造を選ぶことも、安全性の確保につながります。劣化が外観から判別しにくい部品では、定期的な測定や機能試験が必要になる場合があります。

保守方法を検討する際には、使用者が実施できる点検と、専門的な設備や技術を必要とする点検を区別します。点検できない箇所に重要な劣化要因が存在する場合は、材料や設計構造を見直す必要があるかもしれません。

さらに、製品の使用終了後を考慮した材料選定も重要です。異なる材料を強固に接合した構造では、分解や分別が難しくなることがあります。材料を単純に統一すればよいわけではありませんが、要求性能を満たす範囲で分解性や分別性を考慮することは、廃棄や資源回収を検討するうえで有効です。

材料の再利用や再資源化の可能性についても、実際の処理方法や回収体制によって条件が異なります。一般的に再資源化が可能とされる材料であっても、複合構造や表面処理、汚れの状態などによって処理が難しくなる場合があります。

製品開発の相談窓口では、設計段階から保守方法や交換対象部品を共有することが有効です。材料の耐久性だけでなく、保守による延命効果や交換作業の実現性を検討することで、製品全体の使用期間を合理的に設計できます。

また、保守記録を蓄積することは、次の製品開発にも役立ちます。どの部品が、どのような環境で、どの程度の使用期間を経て交換されたのかを把握すれば、材料選定や構造設計を改善するための情報になります。

製品寿命を見据えた材料選定では、製品を長持ちさせることと、長期間にわたって適切に維持管理できることを一体として考える必要があります。

製品開発の相談窓口に伝えるべき情報と進め方

ここまで紹介した6つの視点を実務に生かすには、製品開発の相談窓口へ適切な情報を伝えることが重要です。相談時の情報が不足していると、材料候補の比較や加工方法の検討が抽象的になり、具体的な設計判断につながりにくくなります。

相談前には、まず製品の目的と主要な機能を整理します。どのような作業に使用される製品なのか、どの部分が荷重を受けるのか、どの機能が停止すると重大な問題につながるのかを共有することで、材料選定で重視すべき特性を明確にできます。

次に、使用環境と要求寿命を説明します。温度、湿度、荷重、振動、薬品への接触、屋外設置の有無などを可能な範囲で具体化します。すべての条件が決まっていない場合は、未確定であることを明示し、相談先とともに検討を進めることが大切です。

既存製品の改良であれば、現在使用している材料や発生している不具合についても伝えます。例えば、樹脂部品に割れが生じている場合、材質だけでなく、割れの位置、使用期間、使用環境、組立状態などが原因分析に役立ちます。

写真や図面、寸法記録などがあれば、相談先との認識を合わせやすくなります。ただし、写真だけでは確認できない内部状態や材料特性もあるため、必要に応じて現物確認や追加測定を行うことが重要です。

相談の進め方としては、最初から特定の材料を指定するよりも、要求性能を伝えたうえで候補を比較する方法が有効な場合があります。材料を先に固定してしまうと、加工性や供給継続性に優れた別の選択肢を見落とす可能性があるためです。

一方、既存設備との互換性や安全上の制約などによって材料を変更できない場合もあります。その場合は、固定条件と変更可能な条件を明確にし、形状、表面処理、製造工程などで改善できる余地を検討します。

材料候補が絞られた段階では、評価対象と判断基準を関係者で共有します。材料単体の特性を確認する試験、試作品で実施する試験、量産工程を想定した検証を整理し、どの結果をもって次の段階へ進むかを決めておきます。

また、相談窓口がどの工程まで対応できるかも確認するとよいでしょう。材料選定の助言だけでなく、設計変更、試作品製作、加工方法の検討、組立性の確認、品質評価などに対応できる場合は、工程間の情報を共有しながら検討を進めやすくなります。

ただし、一貫対応を掲げる相談先であっても、すべての材料試験や特殊加工を自社内で実施できるとは限りません。外部の専門機関や協力会社を利用する場合には、評価条件や責任範囲、結果の確認方法について認識を合わせることが重要です。

開発途中で材料を変更する場合は、変更理由と影響範囲を記録します。材料の変更によって、部品寸法、加工条件、接合方法、耐久性などに影響が生じる可能性があるためです。変更内容を関係者が共有できる状態にしておけば、評価漏れや旧仕様との混同を防ぎやすくなります。

量産開始後も、材料の受入品質や不具合情報、保守記録などを継続的に確認することが望まれます。設計段階で想定した条件と実際の使用状況に差があれば、その情報を次の改良や材料選定へ反映します。

製品開発の相談窓口は、材料を提案してもらうだけの場所ではありません。要求仕様を整理し、設計から製造、使用後の保守までに関係する課題を明確化するための窓口として活用することで、より実務的な検討を進められます。

まとめ

製品寿命を見据えた材料選定では、初期性能だけでなく、使用環境、劣化要因、製造工程、耐久評価、調達継続性、保守性を総合的に考えることが重要です。

特に製品開発の初期段階では、材料に求める条件が十分に整理されていないことがあります。その状態で材料を確定すると、試作後や量産開始後に問題が明らかになり、設計変更や追加評価が必要になる可能性があります。

今回紹介した6つの視点を活用し、製品の要求寿命と使用条件を明確にしたうえで、必要な材料特性と評価方法を整理することが、適切な材料選定につながります。

また、製品開発の相談窓口を活用する際には、設計上の要求だけでなく、加工方法、組立条件、生産計画、保守方針なども共有すると効果的です。複数の工程を横断して検討することで、材料単体の性能に偏らない判断がしやすくなります。

製品の実使用環境から得られる情報も、将来の材料選定に役立ちます。例えば、屋外に設置する機器や土木関連製品では、設置場所、施工時の状態、使用後の劣化状況、補修履歴などを記録することが重要です。同じ材料を使用した製品でも、設置環境によって劣化状況が異なる場合があるため、現場の情報を整理しておくことで、次の設計改善に活用しやすくなります。

こうした現場情報の管理には、LRTK Phoneの活用も選択肢になります。LRTK Phoneは、現場写真や位置情報、施工記録を扱う際に役立つ製品です。設置場所と関連する現場記録を整理することで、製品の使用環境や施工状況を後から確認するための情報基盤づくりを支援します。

製品寿命を踏まえた材料選定は、設計時点で完結するものではありません。実際の使用状況や保守で得られた知見を継続的に蓄積し、次の製品開発へ反映することが大切です。製品開発の相談窓口による技術的な検討と、LRTK Phoneを活用した現場情報の記録・管理をそれぞれの目的に応じて取り入れることで、設計から製造、施工、保守までを見据えた製品開発を進めやすくなります。

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