LRTKレフィクシア株式会社

製品設計の外注で製品重量を抑える6つの軽量化設計手法

製品設計を外注する際、製品重量の削減は重要な設計課題の一つです。製品が重すぎると、持ち運びや設置に負担がかかるだけでなく、輸送効率や作業性、駆動部の負荷にも影響する場合があります。一方で、重量を減らすことだけを優先すると、強度不足や変形、振動、耐久性の低下といった問題が発生するおそれがあります。

軽量化設計では、材料を単純に薄くしたり、小さな部品に置き換えたりするだけでは十分ではありません。製品に必要な機能や荷重条件を整理し、材料特性、構造形状、部品構成、製造方法を総合的に検討することが重要です。

特に外部の設計会社へ製品設計を依頼する場合は、軽量化の目標と維持すべき性能を明確に伝える必要があります。要求条件が曖昧なまま設計を進めると、試作後に強度不足が判明したり、軽量化によって製造が難しくなったりする可能性があります。

この記事では、製品設計の外注で製品重量を抑えるための6つの軽量化設計手法を解説します。材料選定から構造最適化、部品点数の削減、試作評価まで、設計を依頼する実務担当者が確認すべきポイントを具体的に紹介します。

製品設計の外注で軽量化が重要になる理由

製品の軽量化は、単に製品を持ちやすくするためだけの設計活動ではありません。製品の用途によっては、操作性、輸送性、設置性、エネルギー効率、耐久性など、さまざまな性能に関係します。

例えば、作業者が手で持って使用する製品では、重量が大きいほど長時間作業の負担が増える可能性があります。持ち運びが必要な測定機器や作業用機器では、軽量化によって取り扱いやすさが改善する場合があります。

移動機構を持つ製品では、可動部分の質量を減らすことで、加減速時に必要な力や駆動機構への負荷を抑えられる可能性があります。ただし、実際の効果は駆動方式や動作条件によって異なるため、重量削減量だけで性能改善を判断することはできません。

屋外設備や据付型の製品では、重量が運搬方法や設置作業にも関係します。製品全体の質量が小さくなれば、搬入や位置調整が容易になる場合があります。一方で、軽量化によって重心位置や支持条件が変わると、転倒安定性や振動特性を再確認する必要があります。

このように、軽量化には多くの利点がありますが、製品重量を小さくすれば必ず性能が向上するわけではありません。使用時の荷重に対して十分な強度を維持できるか、変形によって機能が損なわれないか、長期間の使用に耐えられるかといった点を同時に評価することが重要です。

製品設計の外注では、最初に軽量化の目的を明確にすることが成功のポイントになります。

例えば、既存製品の重量が5kgである場合、目標重量を4.5kg以下と設定すれば、設計会社は削減すべき重量を具体的に把握できます。ただし、その目標が技術的に妥当かどうかは、製品の構造や必要性能を確認したうえで判断しなければなりません。

また、重量の管理対象も明確にする必要があります。筐体だけの重量なのか、締結部品や内部機器を含めた完成品重量なのかによって、設計の進め方は変わります。設計部品単体では軽量化できていても、補強部材や追加部品が必要になれば、完成品全体では十分な削減効果が得られないこともあります。

製品設計を外注する際は、軽量化目標とともに、必要な強度、剛性、耐久性、安全性、使用環境を整理し、複数の条件を満たす設計を依頼することが重要です。

軽量化設計手法1:材料の選定を見直して重量を削減する

製品重量を抑える代表的な方法が、材料の見直しです。製品の形状を大きく変更しなくても、使用する材料を変更することで重量を削減できる場合があります。

ただし、材料選定では密度だけでなく、強度、剛性、疲労特性、耐熱性、耐食性、加工性などを総合的に判断する必要があります。

同じ体積であれば、密度の小さい材料ほど重量は小さくなります。しかし、密度が小さい材料は必ずしも同じ厚さで必要な強度や剛性を確保できるとは限りません。材料を変更した結果、補強や肉厚の増加が必要になれば、期待した軽量化効果が得られない場合があります。

例えば、金属部品を別の低密度金属材料へ変更する場合、必要な荷重に対して十分な耐力を持つか確認する必要があります。特に、曲げ変形が問題となる部品では、材料の弾性係数が重要です。材料の強度が十分であっても、変形量が大きくなると位置決め精度や組立精度に影響することがあります。

樹脂材料への置き換えも軽量化手法の一つです。金属部品を樹脂部品へ変更することで重量を減らせる場合がありますが、温度変化による寸法変化や、長期間の荷重によるクリープ変形に注意が必要です。

特に、ねじ締結部や軸受支持部など局所的な力が加わる部分では、材料の変更に合わせて形状や締結方法を見直す必要があります。使用環境によっては、金属部材を部分的に組み合わせる設計も検討対象になります。

繊維で補強した複合材料を使用する方法もあります。複合材料は繊維方向によって力学特性が異なるものがあり、荷重方向を考慮した設計によって軽量化と必要性能の両立を図れる場合があります。

一方で、複合材料は製造方法や繊維配置によって品質特性が変わるため、一般的な金属材料と同じ考え方だけでは設計できません。接合方法や穴加工、層間の強度、損傷時の挙動なども検討する必要があります。

材料を比較する際には、比強度や比剛性という考え方も役立ちます。比強度は材料の強度を密度で評価した指標であり、比剛性は弾性係数を密度で評価した指標です。これらは軽量化に適した材料を比較するための参考になりますが、最終的な部品重量は形状や荷重条件によって決まるため、指標だけで材料を決定しないことが重要です。

外注先には、特定の材料への変更だけを指示するのではなく、必要性能を満たす複数の材料候補を比較してもらうとよいでしょう。

その際は、材料変更による重量削減量だけでなく、必要な肉厚、加工方法、寸法安定性、耐久性、調達性なども確認します。

材料変更後の重量は、実際の設計形状に基づいて評価する必要があります。密度だけで候補を選定するのではなく、部品全体の構造を含めて最適化することが重要です。

軽量化設計手法2:肉厚と断面形状を最適化する

材料を変更せずに製品重量を抑える方法として、部品の肉厚や断面形状の最適化があります。

部品全体に均一な厚さを設定する設計は、製造や管理がしやすい場合があります。しかし、実際にはすべての部分に同じ大きさの荷重が加わるわけではありません。そのため、必要な部分には十分な厚さを残し、荷重が小さい部分では材料を減らすことで軽量化できる可能性があります。

例えば、板状部品では、単純に板厚を薄くすると重量は減りますが、曲げ剛性も低下します。板の曲げ剛性は厚さの影響を強く受けるため、わずかな薄肉化でも変形量が大きくなる場合があります。

したがって、肉厚を減らす際は、強度だけでなく、たわみや振動の変化を確認する必要があります。

箱形や筒形の構造では、材料を外側に配置することで曲げやねじりに対する剛性を効率よく確保できる場合があります。中実部品を中空構造へ変更する方法は、こうした断面形状の特性を利用した軽量化手法です。

ただし、中空構造にすると局所的な座屈やへこみが発生しやすくなる場合があります。荷重が集中する部分や固定部分では、十分な肉厚や補強を確保する必要があります。

製品設計の外注では、外形寸法を変更できるかどうかも重要な条件です。外形寸法を維持しなければならない場合は、内部形状の変更による軽量化が中心になります。一方で、外形寸法に余裕があれば、断面高さを増やして薄肉化するなど、別の設計方法を検討できる場合があります。

また、製造方法によって適切な肉厚設定は異なります。

樹脂成形品では、急激な肉厚変化が収縮差や反り、外観不良の原因になる場合があります。そのため、薄肉化を進める際は、できるだけ滑らかな肉厚変化となるように設計し、必要に応じて成形性を確認することが重要です。

金属の鋳造品では、肉厚分布が凝固や内部品質に影響する場合があります。切削加工品では、薄肉部分の加工中に変形や振動が生じ、加工精度を確保しにくくなることがあります。

そのため、図面上で重量を減らせる形状であっても、安定して製造できるとは限りません。

外注先には、肉厚を変更した部分について、設計上の強度評価と製造上の成立性を確認してもらうことが重要です。

さらに、肉厚変更による軽量化効果は、部品単体だけでなく組立状態でも評価します。部品を薄くした結果、変形防止のために別の支持部品を追加する必要が生じれば、全体重量の削減効果が小さくなる可能性があります。

軽量化設計では、部品の体積を減らすこと自体を目的とせず、必要な性能を満たしながら無駄な材料を削減することが重要です。

軽量化設計手法3:リブや補強構造で剛性を確保する

製品重量を抑えながら必要な剛性を維持する方法として、リブや補強構造の活用があります。

リブとは、板状や薄肉の部品に設ける補強形状のことです。平板を単純に厚くするのではなく、適切な位置にリブを配置することで、使用する材料量を抑えながら曲げ変形などを低減できる場合があります。

特に、樹脂製の筐体やカバー、金属製の薄板構造などでは、リブの配置が軽量化設計の重要な要素になります。

例えば、大きな平面を持つ部品では、中央部分に荷重が加わるとたわみが生じやすくなります。このような場合、板厚全体を増やす代わりに、荷重方向や支持条件に合わせてリブを配置することで、必要な剛性を確保できる可能性があります。

ただし、リブは追加すればするほどよいわけではありません。過剰なリブは重量増加につながり、製造上の問題を生む場合もあります。

樹脂成形品では、リブの厚さや根元形状によって、表面のひけや反りが発生することがあります。また、リブが複雑に配置されていると、材料の流動や金型からの取り出しに影響する場合があります。

金属部品では、リブの追加によって溶接箇所や加工工程が増えることがあります。補強によって得られる重量上の利点と、製造時の制約を合わせて評価することが必要です。

リブを設計する際は、部品に加わる荷重の方向を把握することが重要です。主に一方向へ曲げ荷重が加わる部品と、複数方向から荷重が加わる部品では、効果的なリブ配置が異なります。

また、ねじ固定部や支持部の周辺には、局所的に大きな応力が発生する場合があります。こうした部分では、単にリブを細く配置するだけでなく、荷重を周囲へ分散させる形状が必要になります。

リブの根元に急激な断面変化があると、応力集中が発生する可能性があります。角部の形状や肉厚の移行部分を適切に設計することも重要です。

さらに、補強構造は製品の振動特性にも影響します。剛性を高めることで変形を抑えられる一方、固有振動数が変化し、使用中の振動との関係が変わる場合があります。振動を受ける機器では、静的な強度だけでなく動的な挙動も確認する必要があります。

製品設計を外注する際は、リブの追加によってどの部分の変形を抑えようとしているのか、設計会社に説明してもらうとよいでしょう。

リブの高さや厚さ、配置方向を変更した場合の重量と変形量を比較すれば、軽量化の効果を具体的に判断しやすくなります。

補強構造の最適化では、材料を増やす場所と減らす場所を適切に分けることが重要です。部品全体を一様に厚くするのではなく、必要な場所へ効率的に材料を配置することで、重量と剛性の両立を目指します。

軽量化設計手法4:構造解析で不要な材料を削減する

製品の軽量化では、構造解析を利用して、部品内部の応力や変形を確認する方法が有効です。

従来の設計では、過去の経験や類似製品の形状を参考に、十分な余裕を持たせて部品寸法を決めることがあります。こうした方法には一定の合理性がありますが、部品の一部に必要以上の材料が残っている可能性もあります。

構造解析を利用すれば、想定した荷重条件に対する応力分布や変形量を把握し、軽量化できる部分を検討しやすくなります。

例えば、支持部品の特定箇所に荷重が集中している場合、その周辺には必要な材料を残し、負荷が比較的小さい部分の形状を変更する方法が考えられます。

ただし、解析結果で応力が小さい部分を単純に削除してよいわけではありません。応力分布は荷重方向、固定条件、接触状態などによって変化します。特定の条件だけを評価すると、実際の使用状態で重要な部分を見落とすおそれがあります。

そのため、構造解析を行う前に、製品の使用条件を整理することが重要です。

通常使用時の荷重だけでなく、運搬時、設置時、組立時、衝撃を受けたときなど、必要な荷重条件を検討します。製品の用途によっては、繰り返し荷重や温度変化による影響も確認する必要があります。

構造解析でよく利用される方法の一つが有限要素解析です。製品の形状を小さな要素に分割し、材料特性や荷重条件を設定して、応力や変形を計算します。

解析によって高い応力が生じる部分を確認できれば、局所的な補強や形状変更を検討できます。一方、十分な余裕がある部分では、肉厚の削減や肉抜き形状の追加を検討できます。

さらに、設計可能な領域に対して、必要な性能を維持しながら材料配置を最適化する手法もあります。こうした構造最適化では、人が直感的に考えにくい形状が得られる場合があります。

ただし、計算上の最適形状が、そのまま製造に適しているとは限りません。複雑な内部形状や細い支持部分などは、採用する製造方法によって実現が難しい場合があります。

また、解析結果の精度は、入力条件や材料モデル、要素分割、接触条件などに左右されます。解析を実施したという事実だけで、安全性や耐久性が保証されるわけではありません。

製品設計を外注する場合は、構造解析の実施範囲だけでなく、解析条件や判断基準を確認することが重要です。

設計会社には、どのような荷重を想定したのか、どの部分を固定したのか、どの程度の変形を許容したのかを説明してもらいます。解析結果についても、最大応力の数値だけでなく、その発生位置や原因、設計変更による改善内容を確認する必要があります。

軽量化の比較では、変更前後の重量だけでなく、応力、変形量、必要な安全余裕などを同じ条件で比較すると判断しやすくなります。

構造解析は材料削減の可能性を見つけるための有効な手段ですが、最終的な設計判断には、製造性と実物評価を組み合わせることが重要です。

軽量化設計手法5:部品点数と締結構造を見直す

製品の軽量化では、個々の部品の形状を変更するだけでなく、製品全体の部品構成を見直す方法もあります。

複数の部品を組み合わせて構成される製品では、部品同士を固定するためのねじ、ナット、ブラケット、補強板などが必要になります。これらの部品にも重量があるため、組立構造を最適化することで全体重量を削減できる可能性があります。

例えば、複数の板金部品を締結して構成している部分を、一体形状の部品として設計できれば、一部の締結部品や補強部品を減らせる場合があります。

また、別部品として取り付けていた支持形状を本体側へ組み込むことで、部品点数を削減できることもあります。

ただし、部品を一体化すれば必ず軽くなるとは限りません。一体化によって全体の肉厚を増やす必要が生じたり、加工上の制約から余分な材料が残ったりする場合があります。

そのため、部品点数の削減効果は、完成品全体の重量で評価する必要があります。

締結構造の見直しでは、必要な締結力や荷重の伝達経路を確認することが重要です。

ねじの本数を減らせば締結部品の重量は削減できますが、残ったねじに加わる荷重が増えたり、接合面の剛性が不足したりする可能性があります。振動を受ける製品では、締結部の緩みや疲労にも配慮が必要です。

また、部品の一体化は保守性にも影響します。

従来は故障した部分だけを交換できた製品でも、部品を一体化すると大きな単位で交換しなければならない場合があります。定期的な分解や清掃が必要な製品では、部品点数を減らすことが作業性の低下につながる可能性もあります。

製品設計の外注では、組立性や保守性に関する条件も事前に共有することが重要です。

さらに、部品を一体化すると寸法公差の考え方が変わる場合があります。複数の部品で調整していた位置関係を一体形状で実現する場合、製造時に必要な寸法精度が厳しくなることがあります。

外注先には、部品点数を削減した場合の重量変化だけでなく、加工方法、組立手順、寸法管理、修理方法まで含めて検討してもらうとよいでしょう。

一方で、必ずしも部品点数を最小にすることが最適とは限りません。荷重が集中する部分だけを別部品として強度の高い材料にすることで、全体重量を抑えられる場合もあります。

製品全体の軽量化では、すべてを一体化する考え方と、必要な機能を適切に分割する考え方の両方が重要です。

部品単位ではなく、製品全体の質量配分と機能を確認しながら、合理的な構成を選択することが求められます。

軽量化設計手法6:試作と評価で軽量化設計を検証する

軽量化設計では、図面や解析上で目標重量を達成しただけでは十分ではありません。実際に製作した部品や製品を評価し、必要な性能が維持されていることを確認する必要があります。

特に、肉厚を減らした部品や材料を変更した部品では、従来の設計と異なる変形や破損が発生する可能性があります。

試作段階では、まず完成品の重量を測定し、設計上の計算値と比較します。重量が想定より大きい場合は、材料の使用量や追加部品、製造上の変更点などを確認する必要があります。

設計上の重量計算では、締結部品、接着剤、配線、表面処理などが十分に反映されていない場合があります。こうした要素を含めた完成状態の重量を確認することが重要です。

重量を測定する際は、どの状態を測定対象とするかも統一します。付属部品の有無や測定条件が異なると、設計変更による削減効果を正しく比較できません。

次に、製品の用途に応じた強度試験や剛性評価を実施します。

例えば、荷重を受ける支持部品では、所定の力を加えたときの変形量や、荷重を取り除いた後の残留変形を確認します。繰り返し動作する部品では、疲労による損傷が問題にならないか評価する必要があります。

持ち運びや移動を伴う製品では、必要に応じて落下や衝撃、振動に関する試験を検討します。屋外で使用する製品では、温度変化や湿度、水分、腐食などの影響も評価対象になります。

軽量化によって製品の固有振動数が変わる場合があるため、振動を受ける製品では共振の可能性にも注意が必要です。

また、試作品が設計どおりの形状で製作されているかを確認することも欠かせません。

薄肉部品では、加工中の変形や成形収縮によって、設計値と実際の寸法に差が生じる場合があります。寸法が異なれば、強度や組立状態にも影響する可能性があります。

そのため、評価結果に問題があった場合は、設計そのものに原因があるのか、製造上のばらつきが原因なのかを切り分ける必要があります。

試作評価では、初回の試作品だけで判断せず、設計変更後に必要な再評価を行うことが重要です。軽量化のために形状を変更した場合、その変更がほかの性能へ与える影響も確認しなければなりません。

さらに、量産を予定している製品では、量産時の材料や製造条件、寸法ばらつきを考慮する必要があります。試作品では問題がなくても、量産工程で製造条件が変わると、品質特性が変化する場合があります。

製品設計の外注では、設計完了と判断する条件を事前に決めておくことが重要です。

目標重量への適合だけでなく、必要な強度試験や機能試験に合格していること、製造方法が成立していること、図面や仕様書が最終状態に更新されていることなどを確認します。

試作と評価を設計工程の一部として位置付けることで、軽量化と品質の両立を図りやすくなります。

製品設計の外注先に伝えるべき軽量化の要求条件

軽量化設計を外注する際は、設計会社に対して、単に製品を軽くしたいと伝えるだけでは不十分です。

目標重量、必要性能、使用条件、設計変更が可能な範囲などを具体的に整理することで、外注先が合理的な設計を進めやすくなります。

最初に明確にしたいのが、重量の目標値と評価対象です。

既存製品がある場合は、現行製品の重量と目標重量を共有します。新規製品の場合は、製品の用途や取り扱い条件から許容重量を検討します。

このとき、完成品全体の重量なのか、特定部品の重量なのかを区別する必要があります。

また、重量の上限値だけでなく、重量を減らしたい理由も伝えることが重要です。作業者の負担軽減が目的なのか、移動機構の負荷低減が目的なのかによって、優先すべき部品が変わる場合があります。

例えば、可動部分の軽量化が目的であれば、製品全体の重量削減よりも、可動部の質量や慣性特性の改善が重要になることがあります。

次に、荷重条件と必要性能を整理します。

通常使用時に加わる力、想定する最大荷重、荷重の方向、使用回数、使用温度などは、軽量化設計の前提となる情報です。

これらが不明確なままでは、設計会社が独自の想定で安全余裕を設定することになり、必要以上に重い構造になったり、逆に強度が不足したりするおそれがあります。

特に、安全性に関係する部品では、適用される要求事項や社内基準、必要な安全余裕を明確にすることが重要です。

さらに、変更可能な範囲を具体的に伝えます。

外形寸法を変更できるのか、内部構造だけを変更するのか、材料を変更できるのか、既存部品との互換性が必要なのかによって、採用できる軽量化手法が変わります。

既存製品の改良設計では、取り付け位置や接続部分の寸法を維持する必要がある場合があります。こうした制約を設計開始後に伝えると、検討済みの軽量化構造を大きく修正しなければならないことがあります。

製造方法についても、事前の共有が重要です。

切削加工、板金加工、成形加工、鋳造など、想定する製造方法によって実現しやすい形状は異なります。製造方法が決まっている場合は、その条件を外注先へ伝えます。

製造方法を変更できる場合は、軽量化効果だけでなく、品質の安定性や製造工程への影響を含めて比較してもらうとよいでしょう。

設計成果物についても明確にしておく必要があります。

図面や三次元形状データだけでなく、重量計算の結果、材料選定の根拠、構造解析の条件と結果、設計変更履歴などを、必要に応じて成果物に含めます。

特に、設計変更前後の重量を比較できる資料があると、軽量化による効果を確認しやすくなります。

設計レビューでは、重量だけを確認するのではなく、強度、剛性、機能、製造性などを同時に評価することが重要です。

また、設計変更が発生した場合の承認手順も決めておくと安心です。軽量化を進める過程では、材料変更や形状変更が必要になることがあります。変更内容が関係者に共有されないまま設計が進むと、製造部門や品質管理部門との認識が食い違う可能性があります。

外注先との打ち合わせでは、軽量化の目標、確認する性能、評価方法、成果物の内容を合意しておくことで、設計後半の手戻りを減らしやすくなります。

軽量化設計で失敗しやすいポイントと対策

製品の軽量化では、重量削減の数値ばかりに注目すると、設計上の重要な問題を見落とす可能性があります。

代表的な失敗の一つが、強度だけを確認し、剛性を十分に評価しないことです。

部品が破損しないことと、使用時に必要な変形量以内に収まることは別の条件です。薄肉化によって強度上の問題がなくても、たわみが増えることで位置決め精度や操作性が低下する場合があります。

このような問題を避けるためには、許容応力だけでなく、許容変形量や必要な位置精度も設計条件として設定することが重要です。

次に注意したいのが、局所的な応力集中です。

材料を削減するために肉抜き穴や切り欠きを追加すると、その周辺に応力が集中する場合があります。全体として十分な材料が残っていても、特定部分から疲労亀裂や破損が発生する可能性があります。

そのため、肉抜き形状を設ける場合は、角部の形状や荷重の伝達経路を確認する必要があります。

また、軽量化による重心位置の変化も重要です。

製品全体の重量が減っていても、削減した部品の位置によっては重心が偏る場合があります。手で持つ製品では、重心の変化が操作感に影響することがあります。据付型の製品では、転倒安定性や支持部に加わる荷重の再確認が必要になる場合があります。

製造性を十分に検討しないことも、軽量化設計で起こりやすい問題です。

解析上は成立する薄肉構造であっても、実際の加工では変形が発生したり、必要な寸法精度を確保できなかったりする場合があります。複雑な形状に変更した結果、製造工程が増え、品質管理が難しくなることもあります。

このような問題を防ぐには、設計段階から製造担当者の意見を取り入れ、試作によって成立性を確認することが重要です。

さらに、軽量化の効果を部品単体だけで判断することにも注意が必要です。

例えば、筐体の重量を減らしても、強度確保のために補強部品や締結部品が増えれば、製品全体の重量削減効果が小さくなることがあります。

そのため、軽量化前後の比較は、できるだけ同じ完成状態で実施することが望まれます。

外注先との情報共有が不足している場合も、軽量化設計がうまく進まない原因になります。

設計会社が想定している荷重条件と、実際の使用環境が異なっていれば、解析や設計判断の前提が変わります。使用方法や設置条件、想定される衝撃などは、可能な範囲で具体的に伝えることが重要です。

また、軽量化の目標が途中で変更された場合は、関連する性能条件への影響も確認する必要があります。重量だけを再設定して設計を進めると、安全余裕や製造条件との整合が取れなくなるおそれがあります。

軽量化設計の失敗を防ぐためには、目標重量だけでなく、必要性能、設計根拠、製造条件、試験結果を一貫して管理することが重要です。

まとめ:製品重量と品質を両立する設計外注の進め方

製品設計の外注で軽量化を成功させるためには、材料選定、肉厚と断面形状の最適化、リブによる補強、構造解析、部品構成の見直し、試作評価という6つの設計手法を組み合わせて検討することが重要です。

材料を変更するだけでは、必要な強度や剛性を維持できない場合があります。また、部品を薄くするだけでは、変形や振動、製造不良の原因になる可能性があります。

軽量化設計では、製品に加わる荷重と必要な性能を把握し、必要な部分に適切な材料を配置することが基本になります。

特に製品設計を外注する場合は、重量目標だけでなく、使用条件や製造方法、評価基準まで設計会社へ共有することが大切です。

設計初期に要求条件を整理し、設計途中で重量と性能を確認し、試作評価によって設計の妥当性を検証する流れを確立すれば、品質を維持しながら軽量化を進めやすくなります。

また、屋外で使用する製品や現地設置が必要な機器では、設計段階の評価に加えて、実際の搬入状況や設置作業、使用環境を把握することも重要です。軽量化によって取り扱いや設置作業がどのように変化したかを記録することで、次の製品改良に役立つ情報を蓄積できます。

こうした現場情報の整理には、現場写真や位置情報、施工記録を管理できるLRTK Phoneの活用も選択肢になります。設置場所の状況や施工時の記録を整理し、設計部門と現場部門の情報共有につなげることで、現場の実態を踏まえた製品改善を進めやすくなります。

製品重量の削減を単独の目標として考えるのではなく、設計、製造、設置、使用までを見据えた総合的な改善活動として取り組むことが、実用性と信頼性を備えた軽量化設計につながります。

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