LRTKレフィクシア株式会社

オリジナル製品の製造依頼で樹脂成形のウェルドラインを減らす5つの対策

オリジナル製品の製造でウェルドラインが問題になる理由

オリジナル製品の製造を外部の工場へ依頼する際、樹脂部品の外観品質や強度を左右する成形不良の一つがウェルドラインです。製品の設計段階では問題が見つからなくても、実際に射出成形を行うと、表面に細い線状の模様が現れることがあります。特に外装カバーや操作パネル、精密機器の筐体など、見た目が製品の印象に影響する部品では、ウェルドラインの発生位置や目立ちやすさが品質上の課題になります。

ウェルドラインとは、金型内部を流れる溶融樹脂が複数の流れに分かれ、その流動先端同士が再び合流する部分に形成される境界です。例えば、樹脂が穴や突起物を回り込むと流れが二方向に分かれ、その下流側で合流します。このとき、樹脂の温度や流動状態によっては、合流部分に線状の跡が残ります。

ウェルドラインは単なる外観上の問題とは限りません。樹脂の流動先端が十分に融合しない場合、周囲の部分と比較して接合部の強度が低下する可能性があります。特に、ねじ締結部やスナップフィット、繰り返し荷重が加わる部分にウェルドラインが形成されると、製品の耐久性に影響することがあります。

ただし、ウェルドラインが存在するだけで必ず不良品になるわけではありません。製品の用途、材料、発生位置、要求強度によって許容できる状態は異なります。外観部品では目立たないことを重視し、機能部品では強度や気密性などを優先する場合もあります。

そのため、オリジナル製品の製造依頼では、ウェルドラインを完全になくすことだけを目標にするのではなく、発生しやすい位置を予測し、重要な部分への影響を抑えることが大切です。

ウェルドラインの発生には、ゲート位置、製品の肉厚、樹脂材料、成形温度、射出速度、金型内部のガス排出など、複数の要因が関係しています。成形後に見つかった不具合を成形条件だけで改善しようとしても、製品形状や金型構造が原因であれば十分な効果を得られない場合があります。

また、製造を依頼する担当者と成形工場の間で、品質要求が十分に共有されていないことも問題になります。例えば、外観面に線が残ることを許容できない製品であっても、その条件を事前に伝えていなければ、工場側が一般的な成形品質を前提に金型を設計する可能性があります。

こうした認識の違いを防ぐには、製品設計、金型設計、成形条件、検査方法を一体として検討する必要があります。ここからは、オリジナル製品の製造でウェルドラインを減らし、品質の安定化につなげるための5つの対策を解説します。

対策1:ゲート位置と樹脂の流動経路を最適化する

ウェルドライン対策で最初に確認したいのが、金型内へ樹脂を流し込むゲートの位置です。ゲートは溶融樹脂が製品形状を形成する空間へ流入する入口であり、その配置によって樹脂の流れ方や合流位置が変わります。

射出成形では、ゲートから流れ込んだ樹脂が金型内部を充填していきます。流動経路に穴や突起がある場合、樹脂はそれらを避けるように分岐し、再び合流します。また、複数のゲートを設けた場合には、それぞれから流入した樹脂が合流する位置にウェルドラインが形成されることがあります。

そのため、ゲート位置を決める段階では、どの方向から樹脂を流し、どの場所で合流させるかを検討することが重要です。

例えば、電子機器の樹脂製カバーを製造する場合、外観上重要な正面部分にウェルドラインが発生すると、製品の見栄えに影響します。一方、背面や内部など、通常の使用状態では目立たない位置であれば、一定の外観上の許容範囲を設定できる場合があります。

このような製品では、ゲート位置を調整することで、ウェルドラインを外観上重要でない部分へ移動できる可能性があります。ただし、外観面から移動した結果、ねじ穴や荷重が集中する部分にウェルドラインが形成されると、別の品質問題につながることがあります。

したがって、ゲート位置の判断では外観と強度の両方を評価する必要があります。

ゲートの数についても注意が必要です。樹脂の充填性を改善するために複数のゲートを設けることがありますが、ゲート数を増やすと流動先端が合流する場所も増える可能性があります。

反対に、ゲートを減らして流れを単純化すると、ウェルドラインの発生箇所を減らせる場合があります。しかし、樹脂の流動距離が長くなり、充填不足や圧力損失が発生する可能性もあります。単純にゲートを少なくすればよいわけではありません。

ゲート寸法やランナーの設計も重要です。流路が適切でなければ、流動抵抗や温度低下によって樹脂の充填状態が不安定になることがあります。ゲートの断面形状、配置、樹脂が流れる距離などを総合的に検討することが求められます。

オリジナル製品の製造依頼では、金型製作に入る前に、樹脂流動解析を利用して充填状態を予測する方法も有効です。解析によって、樹脂が分岐する位置、合流位置、充填末端などを把握し、設計変更の必要性を検討できます。

ただし、流動解析の結果は材料物性や設定条件、モデルの精度に左右されます。予測結果だけで品質を保証できるわけではないため、実際の試作成形による確認が必要です。

製造工場へ依頼する際には、外観上重要な面と強度上重要な部分を図面上で明確にし、ゲート位置の候補について事前に協議することが大切です。

金型完成後にゲート位置を大きく変更する場合、金型構造の修正が必要になることがあります。設計初期に流動経路を検討しておくことで、後工程での手戻りを抑えやすくなります。

対策2:肉厚や穴・リブ周辺の製品形状を見直す

ウェルドラインは金型設計だけでなく、製品そのものの形状によっても発生しやすさが変わります。特に、肉厚の急激な変化、貫通穴、リブ、ボスなどは、樹脂の流れに影響する代表的な形状です。

樹脂は一般に、流動抵抗の小さい経路を通りやすい性質があります。製品内部に厚肉部と薄肉部が混在すると、それぞれの部分で樹脂の流動速度や温度低下の状態が異なり、流動先端が合流する位置が変化することがあります。

このような流動の不均衡によって、意図しない場所にウェルドラインが形成される場合があります。

対策として重要なのは、製品の機能を維持しながら、可能な範囲で肉厚を均一に近づけることです。

例えば、薄いカバーの一部分だけを急に厚くすると、樹脂の流れ方が変化し、ウェルドラインだけでなく、ひけや反りなどの原因になる可能性があります。必要な強度を確保するために厚肉部を設ける場合でも、急激な断面変化を避け、形状のつながりを滑らかにすることが有効な場合があります。

ただし、肉厚を均一にすればウェルドラインが必ずなくなるわけではありません。穴や障害物による流動の分岐は残るため、形状全体での確認が必要です。

貫通穴の配置も重要な検討項目です。射出成形で穴を形成する場合、金型内のコアを樹脂が回り込むため、その下流側にウェルドラインが形成されやすくなります。

特に、固定用のねじ穴や位置決め穴の周辺では、製品の使用時に荷重が加わることがあります。穴の近くにウェルドラインが形成される場合、外観だけでなく、締結時の破損や繰り返し荷重に対する強度を確認する必要があります。

設計上の自由度がある場合には、穴の位置や形状、ゲートからの距離を見直すことで、ウェルドラインの発生位置を調整できる可能性があります。

また、用途によっては、成形時に穴を形成するのではなく、成形後に加工する方法を検討することもあります。ただし、追加加工による寸法精度、加工部分の品質、量産時の作業性などを考慮しなければなりません。

リブやボスの設計にも注意が必要です。リブは薄肉部の剛性を高めるためによく用いられますが、配置によっては樹脂の流動を偏らせることがあります。

リブの厚さ、高さ、根元の形状、周囲との接続方法を適切に設定することで、樹脂の充填状態を改善できる場合があります。一方、リブを増やしすぎると樹脂の流れが複雑になり、外観不良や成形ひずみにつながる可能性があります。

製品設計では、強度を確保するための形状と、成形しやすい形状を両立させることが重要です。

さらに、ウェルドラインが形成される部分の角部にも配慮が必要です。鋭い角や急激な断面変化は応力集中を招く場合があるため、必要に応じて曲面や適切な丸みを設けることを検討します。

オリジナル製品の製造依頼では、製品の三次元形状データを成形工場へ共有し、金型設計の前に成形性の観点からレビューを受けることが有効です。

デザイン上変更できない部分と、成形性を優先して調整できる部分を分けて伝えておくと、工場側も具体的な改善提案を行いやすくなります。

対策3:樹脂材料の特性と成形前の管理条件を確認する

ウェルドラインの状態は、使用する樹脂材料によっても異なります。同じ製品形状と金型を使用しても、樹脂の種類やグレードが変われば、流動性や固化特性が変化し、ウェルドラインの見え方や強度に影響することがあります。

そのため、オリジナル製品の製造依頼では、材料の選定段階から成形性を確認することが重要です。

樹脂材料を選ぶ際には、製品に必要な耐熱性、耐衝撃性、剛性、耐薬品性、寸法安定性などを検討します。しかし、これらの性能だけを重視して材料を決めると、複雑な形状の部品では充填性に課題が生じることがあります。

例えば、流動性が低い材料では、細い流路や薄肉部分への充填が難しくなり、流動先端が冷えた状態で合流する場合があります。その結果、ウェルドラインが目立ったり、接合部の強度が十分に得られなかったりする可能性があります。

一方、流動性の高い材料を選ぶと充填性が改善する場合がありますが、材料の機械的特性や収縮特性などが要求に適合するかどうかは別途確認しなければなりません。

特に注意したいのが、ガラス繊維などの補強材を含む樹脂です。補強材を配合することで剛性や強度を高められる場合がありますが、ウェルドライン部分では繊維の配向が接合部の強度に影響することがあります。

樹脂の流れが合流する部分で補強繊維が接合面を十分に横断しない場合、材料全体としての強度が高くても、ウェルドライン部分が相対的に弱くなる可能性があります。

そのため、補強材入り樹脂を使用する場合には、材料メーカーが示す一般的な強度データだけでなく、製品形状や成形条件を踏まえた評価が必要です。

ウェルドラインが発生する場所に大きな荷重が加わる設計では、実際の成形品を用いた強度試験を検討することが重要です。

材料の乾燥管理も見逃せません。

吸湿性のある樹脂では、成形前の水分管理が不十分だと、成形時の材料劣化や気泡、銀条などの不具合につながる場合があります。こうした状態は外観品質や機械的特性を悪化させる可能性があるため、ウェルドライン対策と併せて材料管理を確認する必要があります。

ただし、樹脂を乾燥させればウェルドラインが消えるわけではありません。乾燥は材料品質を安定させるための管理であり、流動分岐そのものをなくす対策とは区別して考えることが大切です。

乾燥が必要な材料については、材料に指定された乾燥温度、乾燥時間、許容水分率などを確認します。また、乾燥後に長時間放置することで再吸湿する材料もあるため、成形までの保管条件にも注意が必要です。

再生材料の使用条件も事前に決めておくと安心です。再生材料の混合割合や管理状態によって材料特性が変動する場合があるため、製品の用途に応じて使用可否や管理方法を明確にします。

特に、強度や外観の要求が厳しい製品では、試作時と量産時で材料条件が変わらないようにすることが重要です。

製造工場へ依頼する際には、材料の名称や要求物性だけでなく、乾燥管理、材料変更時の承認方法、ロット管理の考え方まで確認することで、成形品質のばらつきを抑えやすくなります。

対策4:樹脂温度・金型温度・射出速度を適正化する

製品形状や金型構造を変更せずにウェルドラインを改善したい場合、成形条件の調整が重要になります。

特に、樹脂温度、金型温度、射出速度は、樹脂の流動状態や合流部分の融合状態に影響する代表的な条件です。

まず、樹脂温度が低すぎると、金型内部を流れる間に樹脂の流動性が低下し、流動先端が十分に融合しにくくなる場合があります。適切な範囲で樹脂温度を調整することで、ウェルドラインの外観や接合状態が改善する可能性があります。

ただし、樹脂温度を高くすれば必ず品質が向上するわけではありません。

材料の許容範囲を超える温度では、樹脂の熱劣化や変色、ガスの発生などが起こる可能性があります。また、成形収縮や寸法変化への影響も考慮する必要があります。

そのため、樹脂温度は材料の推奨成形条件を基本とし、試作結果を確認しながら調整することが重要です。

次に、金型温度もウェルドラインの品質に関係します。

金型温度が低い場合、金型表面に接触した樹脂が早く冷却され、流動先端の温度が下がりやすくなります。その結果、樹脂が合流する際の融合状態が不十分になる場合があります。

金型温度を適切に高めることで、樹脂の流動性を維持しやすくなり、ウェルドラインの改善につながることがあります。

ただし、金型温度の変更は成形サイクルや収縮、反り、離型性などにも影響します。外観だけを基準に温度を決めるのではなく、製品全体の品質を確認しながら調整する必要があります。

射出速度についても同様です。

射出速度が遅い場合、樹脂が流動している間に冷却が進み、合流部分の温度が低下することがあります。射出速度を適切に上げることで、樹脂が高温の状態で合流し、ウェルドラインの状態が改善する可能性があります。

一方、射出速度を過度に高くすると、金型内部の空気が排出されにくくなり、焼けやガス圧縮による不具合が発生する場合があります。また、バリや過剰なせん断発熱などの問題も考慮しなければなりません。

したがって、射出速度の調整は、金型のガス抜き性能や材料特性と組み合わせて検討することが大切です。

保圧条件も確認対象になります。適切な保圧は樹脂の収縮補償や寸法安定性に関係し、条件によってはウェルドライン部分の品質にも影響します。ただし、流動先端が合流した段階で融合が不十分な場合、保圧を上げるだけで根本的に解決できるとは限りません。

成形条件の改善では、一度に多くの条件を変更しないことも重要です。

例えば、樹脂温度、金型温度、射出速度を同時に大きく変更すると、ウェルドラインが改善しても、どの条件が効果をもたらしたのか判断しにくくなります。

試作段階では、変更する条件と評価項目を整理し、結果を比較できる形で記録すると、適切な成形条件を見つけやすくなります。

量産では、良品が得られた際の成形条件を標準化し、設備や作業者が変わっても同等の品質を再現できるよう管理することが重要です。

対策5:ガス抜きと金型の温度分布を改善する

ウェルドラインの改善では、金型内部に残る空気やガスの排出状態も重要です。

射出成形では、溶融樹脂が金型内部を充填する際、もともと存在していた空気を外部へ排出する必要があります。また、材料や成形条件によっては、成形中に発生するガスも考慮しなければなりません。

空気やガスが適切に排出されないと、樹脂の流動が妨げられ、充填不良や焼けなどの原因になることがあります。

特に、複数の流動先端が合流する位置では、空気が閉じ込められる場合があります。合流部分にガスが残ると、樹脂同士の接触や融合が妨げられ、ウェルドラインが目立ちやすくなる可能性があります。

このような問題に対しては、金型のガス抜き構造を確認することが有効です。

金型には、成形時の空気やガスを排出するための微細な通路を設けることがあります。一般的には、金型の合わせ面や充填末端など、ガスが集まりやすい部分に排出経路を設ける方法が検討されます。

ただし、ガス抜き用の通路を大きくすればよいわけではありません。樹脂が通路へ流れ込むとバリが発生する可能性があるため、材料や成形条件に応じた寸法管理が必要です。

ガス抜き構造は、製品形状や金型の分割位置によっても制約を受けます。金型設計の段階で、樹脂の流動方向と空気の逃げ道を併せて検討することが重要です。

また、量産中にはガス抜き部分に樹脂由来の付着物などが蓄積し、排出性能が低下する場合があります。

試作段階では問題がなかった製品でも、量産を続けるうちにウェルドラインの状態が悪化する場合には、金型の汚れやガス抜き経路の閉塞を確認する必要があります。

金型の温度分布も重要な要素です。

金型全体の設定温度が適切でも、実際には冷却回路の配置や製品形状によって温度分布に偏りが生じることがあります。特に、ウェルドラインが形成される部分が周囲より低温になると、樹脂の流動先端が冷えやすくなる可能性があります。

そのため、金型温度を単一の設定値だけで管理するのではなく、必要に応じて温度分布を確認することが有効です。

冷却回路の配置や温度調整方法を見直すことで、局所的な温度差を抑えられる場合があります。ただし、局所的な温度調整は反りや寸法精度などにも影響するため、製品全体の品質評価が必要です。

また、金型の温度分布を均一にすることが常に最適とは限りません。製品形状や流動状態によっては、部分的な温度調整を利用して成形品質を改善する方法もあります。

こうした金型構造の対策は、成形条件の調整だけでは改善が難しい場合に特に重要になります。

オリジナル製品の製造を依頼する際には、金型設計担当者と成形担当者が連携し、ガス抜きと温度管理の両面から改善方法を検討できる体制を確認するとよいでしょう。

試作段階でウェルドラインの品質を確認する方法

ウェルドライン対策を実施した後は、実際の成形品を使って効果を確認する必要があります。

樹脂流動解析や金型設計の検討によって発生位置を予測できても、実際の成形では材料の状態や設備条件などによって結果が変わる場合があります。そのため、試作成形で外観と機能の両方を確認することが重要です。

最初に行いたいのは、ウェルドラインの発生位置を記録することです。

製品のどの位置に、どの程度の線が形成されているかを確認し、図面上の位置と対応付けます。複数の試作品を比較すると、毎回同じ位置に発生しているのか、成形条件によって位置や見え方が変わるのかを把握できます。

ウェルドラインが一定の位置に繰り返し現れる場合、製品形状やゲート位置などが大きく関係している可能性があります。一方、発生状態が成形条件によって大きく変化する場合には、温度や射出速度などの調整によって改善できる余地があります。

ただし、外観だけで原因を断定することはできません。必要に応じて、成形条件の記録や樹脂流動の検討結果と照合することが大切です。

外観検査では、照明条件や観察方向を揃えることが重要です。

ウェルドラインは、樹脂の色や表面仕上げ、光の当たり方によって見え方が変わります。ある方向からは目立たなくても、別の角度から見ると線が明確になる場合があります。

そのため、外観品質が重要な製品では、検査時の照明、観察距離、観察角度、判定面などを定めておくと、担当者による評価のばらつきを抑えやすくなります。

また、外観の評価と強度の評価は分けて考える必要があります。

ウェルドラインが目立たない場合でも、接合部の強度が十分とは限りません。反対に、外観上は線が確認できても、製品の要求性能を満たしている場合があります。

特に、ねじ締結部やスナップフィットなど、実際の使用時に荷重が加わる部分では、用途に応じた強度試験を検討することが重要です。

例えば、組立時に繰り返し変形する部分では、組立・取り外しを想定した耐久試験が有効です。ねじ締結部では、締結条件に応じた破損や変形の確認が必要になる場合があります。

荷重を受ける構造部品では、想定される負荷方向に対してウェルドライン部分が十分な強度を持つか確認することが求められます。

気密性や水密性が必要な部品では、ウェルドラインが密封性能に影響していないかも評価対象になります。ただし、密封性能は製品形状、組立構造、シール部材などにも左右されるため、ウェルドラインだけを原因と考えず、製品全体として確認する必要があります。

さらに、試作では成形条件を変えた比較試験が有効です。

例えば、材料や金型を変えずに、適切な範囲で金型温度や射出速度を調整し、ウェルドラインの外観と強度を比較します。

このとき、ウェルドラインだけでなく、寸法、反り、ひけ、バリ、充填状態なども同時に確認することが重要です。一つの不具合が改善しても、別の品質問題が発生していれば、量産条件として適切とは限りません。

試作評価では、良品が得られた条件だけを記録するのではなく、不具合が発生した条件も残しておくと役立ちます。

どの条件で外観が悪化し、どの条件で安定したかを把握することで、量産時に不具合が再発した場合の原因調査を進めやすくなります。

最終的には、試作で確認した品質が量産でも再現できることが重要です。試作品が数個良好であったというだけでなく、一定数の成形品を確認し、品質のばらつきを評価することが望まれます。

製造依頼時に共有したい仕様と品質管理のポイント

オリジナル製品の製造依頼でウェルドラインの問題を減らすには、製造工場へ渡す情報の整理も欠かせません。

製品の形状データだけを共有し、細かな品質条件を工場側の判断に任せてしまうと、発注者が期待する品質と実際の成形品質に差が生じる場合があります。

特に、ウェルドラインは完全に発生を防ぐことが難しい形状もあるため、どの位置でどの程度まで許容するかを事前に協議することが重要です。

まず、製品の用途と使用環境を明確にします。

例えば、一般的な外装部品と、繰り返し荷重を受ける機構部品では、重視すべき品質項目が異なります。屋外で使用する製品では、温度変化や紫外線、湿度などの使用環境も考慮する必要があります。

使用環境を把握できれば、製造工場も材料選定や金型設計、成形条件の検討を進めやすくなります。

次に、外観上重要な面を明確にします。

製品の正面、操作部分、利用者が直接触れる面など、ウェルドラインを目立たせたくない部分を図面や形状データ上で指定します。

一方、外観上の制約が比較的小さい部分についても伝えておくと、ゲート位置やウェルドラインの移動先を検討する際の参考になります。

ただし、外観上重要でない部分でも、荷重が加わる場合には強度の確認が必要です。見た目の許容範囲と機械的な要求を混同しないことが大切です。

品質基準については、できるだけ具体的に決めることが望まれます。

例えば、「ウェルドラインが目立たないこと」という表現だけでは、判定する担当者によって受け取り方が異なる可能性があります。

外観の限度見本を用意する、検査条件を定める、重要面を指定するなど、可能な範囲で判断基準を明確にしておくことが有効です。

強度が重要な部品では、必要な試験方法や合格基準も協議します。製品に求められる性能に応じて、引張試験、曲げ試験、繰り返し荷重試験などの適用を検討します。

ただし、試験片による材料試験の結果と、複雑な形状を持つ実際の成形品の強度は必ずしも一致しません。必要に応じて実製品の試験を組み合わせることが重要です。

また、量産時の品質管理方法も確認しておきたい項目です。

試作段階では良好な品質が得られていても、材料ロットの変更、金型の温度変化、設備状態、金型の汚れなどによって、ウェルドラインの状態が変化する可能性があります。

そのため、初品検査や定期的な外観確認に加え、必要に応じて成形条件の記録や材料ロットの管理を行うことが有効です。

成形条件を変更する際の手順も重要です。

例えば、ウェルドラインを改善するために射出速度を変更した場合、その変更が寸法精度や反りなどの別の品質項目に影響する可能性があります。量産条件を変更するときには、どの範囲の変更で再評価が必要になるかを事前に決めておくと、品質管理を進めやすくなります。

製造工場の選定では、単に射出成形が可能かどうかだけでなく、製品設計と金型設計の段階から品質改善に対応できるかを確認することが大切です。

例えば、ゲート位置の提案、成形性の確認、金型構造の改善、試作品の評価、量産条件の標準化まで対応できる体制であれば、問題が発生した際にも原因を整理しやすくなります。

また、設計変更が必要になった場合に、誰が判断し、どのような手順で承認するかも明確にしておくと安心です。

製品の機能や外観に影響する変更を、発注者の確認なしに進めることがないよう、設計変更管理の方法を共有することが重要です。

オリジナル製品の製造では、初回試作から量産までの間に、形状や成形条件を調整することがあります。変更履歴を残し、どの設計版と成形条件で評価したのかを追跡できる状態にしておくと、問題の再発防止に役立ちます。

ウェルドライン対策は、特定の成形条件だけを調整して完結するものではありません。製品設計、金型設計、材料管理、試作評価、量産管理をつなげて考えることで、品質の安定化につながります。

まとめ

オリジナル製品の製造依頼で樹脂成形のウェルドラインを減らすには、発生した線を後から目立たなくするだけでなく、樹脂がどのように流れ、どこで合流するかを設計段階から検討することが重要です。

特に、ゲート位置の最適化、肉厚や穴周辺の形状改善、材料特性の確認、成形条件の調整、ガス抜きと金型温度分布の管理は、ウェルドライン対策の基本となります。

ただし、これらの対策は互いに関係しており、一つの条件を変更することで別の成形不良が発生する場合もあります。そのため、ウェルドラインの外観だけを基準に判断せず、強度、寸法精度、反り、充填状態などを総合的に評価する必要があります。

また、製品の形状によってはウェルドラインの発生を完全に避けられない場合があります。その場合には、外観上重要な面や荷重が集中する部分を避けて発生位置を調整し、必要な品質を確保する考え方が有効です。

製造工場へ依頼する際には、製品の用途、重要な外観面、強度要求、使用材料、検査基準を明確に伝えることが大切です。試作段階で品質を確認し、量産時の成形条件と検査方法を標準化することで、品質のばらつきや後工程での手戻りを抑えやすくなります。

さらに、オリジナル製品を建設現場や設備設置の現場で使用する場合には、製造時の品質管理に加えて、実際に設置された場所や施工状態を記録することも重要になります。製品単体の品質だけでなく、設置後の状態を追跡できるようにしておくことで、不具合が発生した際の状況確認や関係者間の情報共有を進めやすくなります。

こうした現場の記録管理には、位置情報と現場写真を活用できるLRTK Phoneも役立ちます。LRTK Phoneは、現場で取得した位置情報や写真を活用し、施工記録の整理と共有を支援する製品です。樹脂成形品そのもののウェルドラインを検査する機器ではありませんが、製造した製品が現場のどこに設置され、どのような状態で使用されているかを記録する運用に活用できます。

オリジナル製品の品質を安定させるには、設計・製造段階でのウェルドライン対策と、製品を使用する現場での情報管理をそれぞれ適切に進めることが大切です。製造工程から設置後の管理までを見据えた体制を整えることで、製品の信頼性向上と継続的な品質改善につなげられます。

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