LRTKレフィクシア株式会社

新製品開発の相談で防水・防塵性能を高める6つの筐体設計ポイント

新製品開発の相談では、機能や外観、操作性を優先して検討する一方、防水・防塵性能の具体的な条件が後回しになることがあります。しかし、電子機器やセンサーを内蔵する製品では、わずかな水分や粉じんの侵入が誤作動、腐食、絶縁性能の低下につながる可能性があります。製品が完成してから対策を追加しようとしても、筐体の分割位置や開口部、部品配置を変更する必要が生じ、開発全体の手戻りにつながりかねません。

防水・防塵性能は、単に隙間をふさいだり、密閉性の高い部品を選んだりすれば確保できるものではありません。使用環境の想定、筐体の合わせ面、操作部や配線の貫通箇所、材料の変形、発熱や結露、組立品質などが互いに影響します。新製品開発を外部の設計会社や製造会社へ相談する際も、必要な性能と評価方法を早い段階で共有することが重要です。

この記事では、新製品開発の相談を担当する企画・設計・調達・品質管理の実務担当者に向けて、防水・防塵性能を高めるための6つの筐体設計ポイントを解説します。目標性能の決め方から量産時の検査までを一連の流れで捉え、過剰な仕様設定や確認漏れを避けながら、現実的な開発計画につなげるための考え方を整理します。

新製品開発の相談前に使用環境と要求仕様を整理する

防水・防塵対策の第一歩は、製品がどこで、誰によって、どのように使われるかを具体化することです。「屋外で使用する」「水に強くしたい」という説明だけでは、設計側が想定する条件と実際の使用条件に差が生まれます。軒下で固定して使用する制御装置と、雨天に持ち運ぶ計測機器では、水の当たり方も温度変化も異なります。粉じんについても、一般的な室内のほこりと、建設現場で舞う細かな土砂では、考慮すべき侵入経路や清掃方法が変わります。

相談前には、通常の使用場所に加えて、保管、輸送、設置、点検、清掃の各場面を思い描くことが大切です。使用中は雨にさらされなくても、運搬時に濡れることがあります。日常的には乾燥した場所で動かす機器でも、清掃の際に水拭きや洗浄液が使われる可能性があります。利用者が手袋を着用するのか、繰り返しふたを開閉するのか、ケーブルを毎日抜き差しするのかといった運用も、筐体設計の判断材料になります。

また、要求を「必ず満たす条件」と「できれば満たしたい条件」に分けて伝えると、設計上の優先順位が明確になります。例えば、通常使用中の雨水への耐性は必須でも、一時的な水没まで想定する必要がない製品もあります。逆に、洗浄時に強い水流が当たる装置では、単なる雨対策では不十分です。誰がどの状態で使うかを確認し、想定外の取り扱いまで無制限に保証しようとせず、合理的な適用範囲を定めます。

新製品開発の相談時点で全条件を確定できなくても問題ありません。ただし、未確定項目を曖昧なまま図面化するのではなく、仮の設計条件として記録し、いつまでに誰が判断するかを決める必要があります。要求仕様を更新した際に試験方法や構造へどのような影響が出るかを追跡できれば、試作段階での認識違いを減らせます。

使用環境に合わせて防水・防塵等級と評価条件を決める

防水・防塵性能を外部の設計担当者と共有する際には、感覚的な表現だけでなく、必要に応じてIPコードなどの保護等級を使うと意思疎通がしやすくなります。一般的なIPコードは、最初の数字が固形物や粉じんに対する保護の程度、次の数字が水の侵入に対する保護の程度を示します。ただし、等級は特定の条件による試験の区分であり、「どのような環境でも故障しない」という意味ではありません。製品の使用目的に合わせて、何を検証するための等級なのかを明確にすることが重要です。

例えば、雨や水しぶきを想定する製品と、ホースによる洗浄を受ける製品とでは、確認すべき水の当たり方が異なります。一時的な水没に対する保護を示す等級を選んだからといって、強い噴流水への耐性まで自動的に確認されたことにはなりません。必要な場合は、それぞれに対応する試験要求を別途定めます。粉じんについても、粒子の侵入をどこまで許容できるかは内部部品への影響によって変わるため、等級の名称だけで設計を終わらせない姿勢が必要です。

加えて、試験する製品の状態を決めておかなければ評価結果を正しく比較できません。コネクタにケーブルを接続した状態なのか、防水キャップを閉じた状態なのか、電源を入れているのか、設置時の向きはどうなっているのかを整理します。取り外し可能なふたや保守用の開口部がある場合には、通常使用時の閉鎖条件と、開放後に再組立した条件を区別して確認します。どの構成に対して性能を主張するかが不明確だと、試験に合格しても実使用との食い違いが残ります。

また、IPコードの評価対象と製品寿命全体の耐久性は同じではありません。屋外機器では、日射による劣化、温度変化、振動、洗浄剤、腐食などが密閉性を変化させることがあります。必要に応じて、これらの環境負荷を与えた後に防水・防塵試験を行う計画を立てると、初期性能だけでなく使用後の状態も確認できます。ただし、試験条件をむやみに厳しくすると製品の使用実態から離れてしまうため、想定する設置場所や取り扱いに根拠を持たせることが大切です。

相談先には、目標とする保護等級だけを伝えるのではなく、雨、散水、粉じん、清掃、保管といった具体的な状況を併記します。そのうえで、試験の適用規格、試験時の姿勢、開閉部の状態、判定基準、再試験が必要になる設計変更の範囲まで確認します。「侵入が一切ないこと」と「有害な影響が生じないこと」は必ずしも同じ判定ではないため、製品の用途に必要な合否基準を関係者で一致させることが、後工程の議論を安定させます。

パッキンと合わせ面を設計して侵入経路を管理する

筐体の上ケースと下ケース、点検用カバーなどが接する合わせ面は、防水・防塵設計の中心となる部分です。パッキンを入れるだけで安心するのではなく、合わせ面の形状、締結位置、面の平らさ、製造公差を含めて検討します。特に、細長い筐体や大きなカバーでは、ねじを締めた箇所と離れた箇所で押さえる力が変わりやすく、局所的な隙間が発生することがあります。密閉性を維持するには、周囲のどの位置でも必要な接触状態を得られる構造が求められます。

パッキンの材質や断面形状は、求める圧縮量、温度、液体との接触条件、開閉頻度に合わせて選びます。圧縮が不足すると隙間が残り、逆に押しつぶしすぎると変形が戻りにくくなったり、部品に過大な力がかかったりする場合があります。適切な圧縮率は一律に決められるものではなく、選んだ材料や形状の仕様を確認したうえで設定する必要があります。組立時の締め過ぎを防ぐために、パッキンのつぶれ量を構造的に制限する方法も検討できます。

合わせ面に溝を設ける場合は、パッキンの脱落やねじれが起きにくい形状とし、角部での伸びや局所的な押し込み不足に注意します。溝の深さや幅にばらつきがあると、同じパッキンを使っても密閉状態は変わります。成形品の反り、切削面の傷、塗装の厚み、バリなども接触を妨げる要因です。図面にはパッキンの品種だけでなく、重要なシール面の寸法・公差・表面状態と、組立後の確認事項まで記載しておくと認識違いを防ぎやすくなります。

水を受ける向きも重要な視点です。筐体の合わせ目を水がたまりやすい上面に配置すると、汚れや水分が長時間滞留する可能性があります。製品の外形や操作性との兼ね合いはありますが、合わせ目の位置を工夫し、必要に応じて水滴を流しやすい勾配やひさし状の形状を設けることも対策となります。ただし、水を逃がすための溝が別の開口部へ導水してしまわないよう、実際の設置姿勢や傾きも確認しなければなりません。

さらに、ふたの開閉を伴う製品では、使用者がパッキンを正しい位置に戻せるかという作業性も性能に直結します。交換時に挟み込みや異物付着が起きやすい構造では、試作品では問題がなくても現場で性能が低下するおそれがあります。組立担当者だけが理解できる仕組みにせず、点検方法、清掃方法、交換の判断基準を保守手順に反映することで、設計時に狙った密閉性を使い続けやすくなります。

コネクタや操作部など開口部の防水・防塵対策を統一する

筐体本体の合わせ面を適切に設計していても、配線の引き込み部、充電口、スイッチ、表示窓、音を通す穴などから水や粉じんが侵入することがあります。防水・防塵性能は、一つの部品だけで決まるわけではなく、筐体に設けられた全ての侵入経路を含む完成状態で評価する必要があります。特に開口部は、使いやすさや組立性を優先して後から追加されやすいため、新製品開発の早い段階で一覧化し、担当者間で漏れなく共有することが大切です。

外部接続用のコネクタを使う場合は、部品単体の表示だけで判断せず、相手側部品を接続した状態と未接続の状態を区別します。防水キャップが必要な構造であれば、キャップの閉め忘れや紛失が現場で起こり得ることも考慮します。ケーブルを通す部品については、適用できるケーブル外径、固定方法、引張力による緩み、取り付け面のシール状態を確認します。コネクタが高い保護等級に対応していても、取付穴の周囲に隙間があれば完成品として同じ性能を得られるとは限りません。

スイッチや操作ボタンでは、押下を繰り返すことによるシール部の摩耗や変形も検討事項です。ボタンの手触りを良くしようとして可動範囲を大きくすると、可動部の保護が難しくなることがあります。必要に応じて、外側の柔軟なカバーと内部の操作機構を分けたり、操作部そのものを密閉領域の外に配置したりする構成を検討します。表示窓についても、接着や圧入の方法、異種材料の熱膨張差、端部への水の滞留を確認し、見た目の仕上がりだけで判断しないことが重要です。

開口部を減らすことは有効な基本方針ですが、単純に全てを密閉すればよいわけではありません。音を出す部品や内部の圧力を調整する部分など、機能上どうしても外気との関係を考える必要がある箇所もあります。その場合は、必要な機能と侵入防止を両立させる部品や内部構造を選び、使用環境に合うことを試験で確認します。防水性のある通気部材を採用しても、配置、取付方法、想定する水圧や洗浄条件によって適否が変わるため、部品仕様だけで完成品の性能を断定しないようにします。

設計上は、開口部ごとに想定する水や粉じんの経路、シール方法、使用状態、組立上の注意、検証方法を関連付けると管理しやすくなります。外観図では小さく見える穴でも、製品全体の保護性能を左右する場合があります。設計変更で接続端子が一つ増えた際も、防水・防塵に関する再確認が自動的に発生する運用にしておくと、試作直前の見落としを減らせます。

材料の変形と経年変化を見込んで密閉性を維持する

新製品の筐体材料を選ぶ際には、強度、重量、外観、加工性だけでなく、使用中に形状がどの程度変化するかを確認する必要があります。樹脂製の筐体では、温度や荷重による変形、成形収縮、長期的なクリープなどが合わせ面に影響することがあります。金属製であっても、温度変化による伸縮、腐食、異種材料との組み合わせによる変形を無視できません。初期の寸法が図面どおりでも、使い続けた後にシール面の状態が変われば、期待した密閉性を維持できない可能性があります。

例えば、締結部の周辺だけに強い力が集中すると、樹脂のねじ受け部分が変形したり、時間の経過とともに締付力が低下したりする場合があります。筐体の肉厚、補強リブ、ねじの配置、締結方法を一体で考え、パッキンを均等に押さえられる構造にすることが重要です。外観や収納スペースを優先して肉厚を薄くしすぎると、ふたの反りが増える可能性があります。一方で、過度な肉厚は成形時の変形や重量増加など別の課題につながるため、試作で実際の変形量を確認しながら調整します。

屋外で使う製品では、日射、寒暖差、湿気、雨水に含まれる成分などによる材料の変化も考慮します。薬品を用いて清掃する製品であれば、筐体材料だけでなくパッキンや接着剤の耐薬品性も確認が必要です。ある材料が水に強くても、洗浄剤や油分に対して同じ特性を示すとは限りません。使用場所で実際に触れる可能性のある液体を把握し、材料の適合性を確認することで、見落としやすい劣化要因を減らせます。

樹脂と金属、透明窓と本体など、異なる材料を組み合わせる場所では、温度による寸法変化の違いに注意します。接合部を強く固定しすぎると熱膨張の差が局所的な応力となり、接着層やシール材に負担がかかることがあります。接着剤の種類だけで対策を考えるのではなく、接合面積、変形の逃げ、部品の固定位置も含めて設計します。落下や衝撃が想定される携帯機器では、衝撃後にケースの合わせ目や窓の端部が変化していないかも確認すべきです。

新製品開発の相談では、目標使用期間と、期間中に受ける代表的な負荷を共有しておくと、材料選定と評価計画を結び付けられます。短期間の試作品に適した製法と、量産品に採用する製法で反りや寸法精度が異なることもあります。試作で得た良好な結果をそのまま量産品の保証とせず、材料、製法、成形条件を切り替えた際には、重要なシール部分の寸法や性能を再確認することが求められます。

放熱・圧力変化・結露を考慮して内部環境を守る

防水・防塵性能を高めようとして筐体を密閉すると、内部にこもる熱への対策が必要になることがあります。電子回路、電源部、通信部品などが発する熱を逃がしにくくなると、内部温度の上昇によって部品の特性や寿命に影響する場合があります。したがって、防水・防塵設計と熱設計は別々に完成させるのではなく、製品の使用時間、周囲温度、発熱量、設置姿勢を踏まえて同時に進めることが重要です。密閉性を強めた結果、性能維持に必要な放熱が不足していないかを確かめます。

放熱方法としては、内部部品から筐体への熱の伝わり方を整える、放熱面積を確保する、熱源と温度に弱い部品の距離を見直すなどの選択肢があります。外気に直接通じる開口を設けずに熱を逃がせる構造が適している場合もありますが、筐体材料や部品配置によって効果が異なります。冷却機構を設ける場合も、その設置部が新たな水の侵入経路にならないか確認が必要です。机上計算に加え、想定する最高周囲温度や連続運転などの条件で実測することが欠かせません。

密閉された筐体の内部では、温度変化に伴って内外の圧力差が生じることがあります。日中に温められ、夜間に冷やされる製品では、圧力の変動が合わせ面やシール部に負担をかける場合があります。圧力を調整するための通気部材は選択肢の一つですが、必要な防水・防塵性能を維持できる仕様かを確認し、取付位置や目詰まりの可能性も評価します。通気性があれば常に結露を防げるわけではないため、設置環境や内部の湿気の条件を分けて検討する必要があります。

結露は、外から水が侵入していなくても起こり得る現象です。組立時に筐体内へ入った湿った空気が冷却されると、温度の低い内壁や部品表面に水滴が生じる可能性があります。そのため、防水試験で漏水が認められなかったことだけを根拠に、結露への対策が十分だと判断することはできません。組立環境の湿度管理、部品の乾燥、内部配置、必要に応じた防湿処理などを検討し、現実的な温湿度変化の中で状態を確認します。

また、水分が入りにくい構造と、万一の水分が製品の重要部分に到達しにくい構造を組み合わせる考え方もあります。例えば、配線や基板の位置を水がたまりやすい底面から離す、結露水が重要部品へ流れ込まない配置にするといった工夫です。ただし、排水口を安易に追加すると保護性能との両立が難しくなる場合があります。内部での水分の動きまで想定し、防水・防塵、放熱、結露対策を相互に矛盾しない設計としてまとめることが重要です。

試作評価と量産管理を結び付けて性能を再現する

防水・防塵性能は、図面上の検討だけで確定できません。試作した筐体を使い、設計時に想定した条件で評価することで、初めて確認できる課題があります。試作段階では、シール面の隙間、パッキンのずれ、ねじ締結による変形、コネクタ周辺の漏れなど、部品単体では見えなかった問題が明らかになることがあります。新製品開発の相談では、何回試作するかという回数だけでなく、それぞれの試作で何を判断し、どの結果を次の設計へ反映するかを合意しておくと進行しやすくなります。

初期試作では、筐体構造そのものの成立性を重点的に確認します。合わせ面が均一に接触しているか、組立手順に無理がないか、開口部のシールが適切かなどを点検し、必要に応じて水や粉じんの侵入経路を調べます。この段階で見つけた課題を図面に戻して修正することが、量産に近づいてからの大幅な設計変更を避ける助けになります。試作品の製法が量産方法と異なる場合は、その差が寸法や材料特性に及ぼす影響も記録しておきます。

設計が進んだ段階では、目標とする保護等級に対応した試験を、対象となる製品構成と合否基準に沿って実施します。さらに必要に応じて、温度サイクル、振動、開閉の繰り返し、落下や清掃などを模擬した後に、防水・防塵性能が維持されているかを評価します。使用後の状態を検証する場合は、試験順序によって結果が変わる可能性があるため、どの負荷をどの順序で与えたのか明確にします。試験条件を事後的に変更するのではなく、評価前に目的と判定方法を定めておくことが重要です。

試験に不合格となった場合は、単にパッキンを厚くするなどの対症療法で終わらせず、侵入位置と原因を切り分けます。部品の公差、締結力、組立順序、材料の変形、試験時の取付状態などを調べ、原因に応じた修正を選びます。修正後は問題箇所だけでなく、変更が別の開口部や放熱性、操作性に影響していないかも確かめます。評価記録には、試作品の識別、設計版数、組立条件、試験条件、観察結果、判定を残すと、後から同じ問題を検討する際にも役立ちます。

量産では、試作品を丁寧に組み立てれば合格するという状態から、作業者や製造時期が変わっても必要な品質を安定して再現できる状態へ移行する必要があります。そのために、ねじの締結条件、パッキンの装着位置、シール面の清掃、接着工程の管理、重要寸法の検査などを作業手順と検査項目に落とし込みます。全数で実施する検査と、抜取や定期的な確認で管理する試験は、製品のリスクや工程能力に応じて設計します。量産初期の不具合傾向を設計側へ戻す仕組みまで整えることが、防水・防塵性能の安定につながります。

新製品開発の相談で設計会社と共有したい情報

防水・防塵性能を備えた新製品を開発する際には、外部の設計会社や製造会社へ「防水仕様でお願いします」と伝えるだけでは十分ではありません。まず、製品の使用目的、設置場所、想定する水や粉じんへのさらされ方、温度条件、清掃方法、開閉頻度などを具体的に説明します。製品の大きさや外観、使用する電子部品、必要な接続端子、操作方法も早期に共有すると、性能と使いやすさの両面から提案を受けやすくなります。

次に、目標性能を確認する方法と責任範囲を明確にします。仕様の整理を誰が行い、筐体設計、部材選定、試作組立、試験、設計変更、量産工程の管理を誰が担うのかを取り決めておくことが重要です。評価試験を実施する主体と、試験報告書の取り扱い、設計変更後の再評価条件についても事前に合意します。試験に合格している部品を使うことと、完成品として要求性能を満たすことは異なるため、最終的な判断対象を製品の構成とともに示しておきます。

相談時点で懸念点がある場合は、過去の不具合状況や想定できる故障の仕方も共有すると、設計の優先順位を決めやすくなります。例えば、ケーブルを強く引かれる、砂が付着したままカバーを閉じる、結露が生じやすい温度環境で使うといった状況は、寸法図だけでは読み取りにくい情報です。現場での取り扱いを設計条件に変換し、試験や保守手順に反映することで、設計側と利用側の認識差を小さくできます。

最後に、試作から量産へ移る判断のタイミングを明確にします。外観を確定する時点、主要部品を変更しにくくなる時点、金型など量産用の準備を進める時点で、必要な試験結果や未解決項目を確認します。防水・防塵性能は複数の設計要素にまたがるため、ひとつの担当部署だけで完結させず、機構、電気、製造、品質管理の関係者が同じ要求仕様と評価記録を参照できる状態をつくることが効果的です。

まとめ:防水・防塵性能を製品全体の設計品質として考える

新製品開発の相談で防水・防塵性能を高めるには、使用環境に見合った等級と試験条件を定め、パッキンと合わせ面、コネクタなどの開口部、材料の変形、熱や結露、量産時の組立品質までを一体として考える必要があります。一つひとつの部品が高い性能を持っていても、完成品の構造や使い方が想定と異なれば、目的とする保護性能を得られない場合があります。設計開始時に要求を整理し、試作で検証しながら判断を積み重ねることが、手戻りを抑える基本です。

特に重要なのは、試験に合格した時点を終点と考えないことです。保守のためにカバーを開ける、屋外に長期間設置する、清掃時に水がかかるなど、実際の使用では初期試験だけでは捉えきれない条件が生じます。必要な情報を図面、組立手順、点検方法、評価記録へ継続して反映すれば、開発担当者が変わっても設計の意図を共有しやすくなります。防水・防塵性能は、筐体の付加機能ではなく、製品の信頼性を支える設計品質の一部として管理することが大切です。

また、現場で使用する製品の場合、試作機の設置場所や試験時の状態、使用後に見つかった異常を正確に記録しておくことが改善活動に役立ちます。現場写真と位置情報、施工記録を結び付けて管理する手段として、LRTK Phoneの活用も検討できます。筐体の防水・防塵性能そのものを判定する試験の代わりにはなりませんが、現地で得た状況を関係者が確認しやすい形で残すことで、設計上の仮定と実使用の差を把握する助けになります。新製品開発の相談段階から設計・評価の記録方法まで整え、現場で長く使える製品づくりにつなげていきましょう。

ものづくりの次の一歩を、
相談から始めてみませんか。

加工・製造の外注先や共同開発のパートナー探しに。大田区産業振興協会の受・発注あっせん相談サービスをご利用いただけます。

ものづくり 外注先を探す。公益財団法人大田区産業振興協会の受・発注あっせん相談。無料でプロに相談!公的機関だから安心!
ものづくりの協力先探し大田区産業振興協会無料相談