LRTKレフィクシア株式会社

製品化アイデアの相談で組立工数を削減する5つの設計改善策

製品化のアイデアを具体的な製品へと発展させる際、機能や外観、性能だけでなく、組立工数を意識した設計が重要になります。試作品では問題なく動作していても、実際の製造工程では部品の取り付けに時間がかかったり、作業者によって組立品質にばらつきが生じたりすることがあります。こうした問題を放置したまま製品化を進めると、量産段階で設計変更や工程の見直しが必要になる可能性があります。

特に、アイデアを製品化するために外部の設計会社や製造委託先へ相談する場合、組立作業の効率まで含めて検討することが大切です。部品点数の削減、締結方法の見直し、位置決め構造の改善、配線作業の簡略化などを設計段階から取り入れることで、組立時間の短縮だけでなく、作業ミスの低減や品質の安定化も期待できます。

ただし、単純に部品を減らせばよいわけではありません。製品の強度、耐久性、修理のしやすさ、製造方法との適合性を考慮しながら、全体として効率のよい構造を選ぶ必要があります。

この記事では、製品化アイデアの相談時に検討したい組立工数削減の設計改善策を5つ紹介します。具体的な改善方法に加え、試作段階での検証方法、相談先へ伝えるべき情報、設計変更時の注意点まで解説します。アイデアを形にしたい開発担当者や、試作品から量産への移行を検討している実務担当者は、ぜひ参考にしてください。

製品化の相談で組立工数が重要になる理由

製品開発では、求められる機能を実現することが最初の目標になりがちです。しかし、製品として継続的に製造するためには、設計された部品を安定して組み立てられることが欠かせません。

組立工数とは、製品やユニットの組立作業に必要な作業量を指します。一般的には、部品の準備、位置決め、締結、配線、調整、確認などに要する時間を基に管理します。現場によって工数の定義や集計範囲は異なりますが、組立作業に必要な時間を把握することは、製造工程の改善を進めるうえで重要な出発点です。

例えば、複数の部品を個別にねじで固定する構造では、部品を取り出す、向きを確認する、位置を合わせる、ねじを挿入する、工具で締め付けるといった作業が発生します。締結箇所が多くなるほど、作業回数が増えるだけでなく、ねじの入れ忘れや締め付け不足を確認する負担も増える傾向があります。

また、組立順序が複雑な製品では、途中まで組み立てた部品を一度取り外したり、狭い場所で工具を操作したりする必要が生じます。こうした作業は、熟練者であれば対応できても、初めて担当する作業者にとっては時間がかかり、品質のばらつきにつながる場合があります。

試作品を少数だけ製作する段階では、設計者自身が時間をかけて組み立てることも可能です。しかし、製造数量が増えると、個々の作業に必要な時間が製造全体へ影響します。製品化を検討する際には、試作品が正常に動作することに加え、同じ品質の製品を繰り返し組み立てられるかを確認する必要があります。

このとき重要なのが、組立性を考慮した設計です。組立性とは、部品の取り扱いやすさ、位置決めの容易さ、工具の使いやすさ、誤組立の起こりにくさなどを含む考え方です。機能を満たすだけでなく、作業者が迷わず組み立てられる構造にすることで、作業時間と品質管理の負担を抑えやすくなります。

製品化アイデアの相談では、こうした組立工程の課題を早い段階で共有することが有効です。設計が確定する前であれば、部品形状や固定方法、組立順序について複数の方法を比較できます。一方、金型や専用治具を製作した後では、変更できる範囲が限られることがあります。

したがって、組立工数の削減は製造現場だけの改善活動ではなく、製品の構想段階から取り組むべき設計課題といえます。

製品化アイデアの相談前に整理したい組立条件

アイデアを製品化するために相談する際、完成形の図面が必ずしも用意されている必要はありません。構想図や簡単なスケッチ、試作品、参考となる部品などから検討を始められる場合もあります。

ただし、組立工数を削減する設計改善まで求める場合には、製品の使用条件や組立工程に関する情報を整理しておくことが重要です。

最初に明確にしたいのは、製品が実現すべき機能です。どの部品が荷重を受けるのか、どの部分に高い位置精度が必要なのか、どの部品を交換できるようにするのかによって、適切な構造が変わります。機能上の制約を把握しないまま部品点数を削減すると、強度不足や保守性の低下につながるおそれがあります。

次に、想定する製造数量と製造方法を整理します。少量生産では、既存の加工方法や汎用工具を活用できる構造が適する場合があります。一方、継続的な量産では、専用の位置決め構造や一体成形などが組立効率の改善につながることがあります。ただし、どちらが適切かは製品形状、材料、数量、設備条件によって異なります。

組立工程がすでに存在する場合には、作業の流れも確認します。部品の準備から完成検査まで、どの作業に時間がかかっているのかを把握すると、改善対象を絞り込みやすくなります。特に、部品の向きを何度も変える作業、位置合わせを繰り返す作業、工具が入りにくい場所での締結、配線の取り回しなどは、設計変更によって改善できる可能性があります。

まだ試作品がない場合は、想定する組立順序を書き出し、部品をどの方向から取り付けるかを考えるだけでも有効です。簡易的な模型や立体モデルを用いて、手や工具が入る空間を確認すると、設計上の問題を早期に発見しやすくなります。

さらに、外観品質、防水・防塵性能、耐振動性、電気的安全性、清掃性など、製品に求められる条件も伝える必要があります。例えば、ねじを減らすために固定方法を変更する場合でも、使用環境に適した保持力や耐久性を確保できなければ改善とはいえません。

製品化の相談では、単に組立を簡単にしたいと伝えるのではなく、部品の位置合わせに時間がかかる、作業者によって配線経路が変わる、組立後の検査が難しいといった具体的な課題を共有することが大切です。問題が明確になるほど、設計会社や製造委託先も実現可能な改善方法を提案しやすくなります。

改善策1:部品点数と締結箇所を減らす

組立工数を削減するうえで、最初に検討したいのが部品点数と締結箇所の見直しです。製品を構成する部品が多いほど、部品の準備、取り付け、位置合わせ、固定、検査などの作業が増えやすくなります。

ただし、部品点数を削減すること自体が目的ではありません。必要な機能を維持しながら、組立作業の回数や複雑さを減らすことが重要です。

例えば、板金部品を複数のねじで組み合わせて箱状の構造を作っている場合、板金の曲げ加工を活用して一部を一体化できないか検討します。別々の部品を固定する構造から、一枚の板材を曲げて形状を作る構造へ変更できれば、組立時の位置合わせや締結作業を削減できる可能性があります。

樹脂部品の場合には、複数の部品を一体成形する方法も考えられます。従来は別部品として取り付けていた位置決め用の突起や支持部を製品本体に設けることで、追加部品の取り付けを省略できる場合があります。

一方、一体化によって金型構造が複雑になったり、一部が破損した際に全体交換が必要になったりすることもあります。そのため、組立工数の削減効果だけでなく、加工性、強度、修理性まで含めて判断する必要があります。

締結方法の見直しも有効です。ねじ固定が必要な部分と、別の固定方法でも要求性能を満たせる部分を区別します。例えば、位置決めを別構造で確実に行える場合、すべてのねじに位置決め機能を持たせる必要はありません。適切な固定箇所を検討することで、締結作業の効率化につながる可能性があります。

また、樹脂製のカバーなどでは、弾性を利用して部品を保持するはめ込み構造が選択肢になることがあります。工具を使わずに取り付けられる構造であれば、ねじの準備や締め付け作業を削減できる可能性があります。

ただし、はめ込み構造には材料の弾性、爪の形状、繰り返し着脱による損傷、温度変化などの検討が必要です。頻繁に開閉する部分や大きな荷重が作用する部分では、適切な耐久性評価を行わなければなりません。

部品点数の削減では、現在の構造をそのまま簡略化するだけでなく、各部品が担っている役割を整理することが重要です。部品の支持、位置決め、固定、保護といった機能を確認し、複数の機能を一つの部品にまとめられるかを検討します。

製品化アイデアを相談する際には、部品ごとの役割を説明し、どの部品が一体化できるか、どの締結箇所が必要かを設計担当者と検討すると効果的です。

特に、試作品から量産へ移行する段階では、部品点数だけでなく、組立作業の総数を比較することが重要です。部品を一つ減らしても新たな調整作業が必要になる場合には、期待した工数削減効果が得られないことがあるためです。

改善策2:組立方向を統一して位置決めを容易にする

組立工数の削減では、部品をどの方向から取り付けるかも重要な設計要素です。

製品の上下左右から部品を取り付ける構造では、作業者が製品を何度も持ち替えたり、回転させたりする必要があります。製品を固定する治具の向きを変更する場合には、その操作時間も組立工数に含まれることがあります。

そこで検討したいのが、可能な範囲で組立方向を統一する設計です。

例えば、複数の内部部品を筐体の上側から順番に取り付けられる構造にすると、製品を反転させる回数を減らせる可能性があります。同じ方向から部品を挿入できれば、作業者が部品の向きを判断する負担も軽減できます。

ただし、組立方向の統一を優先しすぎると、製品内部の配置が制約されたり、放熱性や強度に影響したりすることがあります。実際には、重要な機能を維持できる範囲で組立方向を整理することが大切です。

次に検討するのが、位置決め構造です。

部品同士を組み合わせる際、取り付け位置を作業者の目視や感覚だけに頼ると、位置合わせに時間がかかる場合があります。ねじを締める前に部品が動いてしまう構造では、片手で部品を保持しながら工具を操作しなければならないこともあります。

こうした問題に対しては、位置決め用の突起と穴、段差、ガイド面などを設ける方法が考えられます。部品を所定の位置へ導く形状を設ければ、組立時の位置合わせを容易にできる可能性があります。

例えば、筐体の内部に取り付ける支持板について、ねじ穴だけで位置を合わせる構造から、ガイドとなる段差と位置決め穴を組み合わせた構造へ変更する方法があります。支持板が自然に所定位置へ収まるようになれば、ねじ締結前の位置調整を減らせます。

さらに、誤った向きでは組み付けられない構造を検討することも重要です。

左右対称に見える部品でも、内部の機能や取り付け条件によっては向きを指定しなければならない場合があります。そのような部品には、位置決め穴の配置を非対称にする、特定の向きでのみ嵌合する形状にするなど、誤組立を起こしにくくする工夫が考えられます。

このような構造は、作業者が説明書を確認する回数や組立後の修正作業を減らすことにもつながります。

ただし、位置決め突起やガイドを追加する場合には、寸法公差を考慮しなければなりません。位置決め箇所を増やしすぎると、部品同士の寸法ばらつきによって組み立てにくくなることがあります。

また、工具のアクセス性も欠かせません。ねじ穴が見えていても、工具をまっすぐ当てられない場合には、締結作業に時間がかかります。組立後に周辺部品が工具操作を妨げないかも確認する必要があります。

製品化の相談では、完成状態の立体形状だけでなく、組立途中の状態を確認することが有効です。部品を取り付ける順序、挿入方向、作業者の手が入る空間、工具の操作範囲を検討することで、組立工程に適した設計へ改善しやすくなります。

改善策3:部品の共通化と公差設計を見直す

部品の共通化も、組立工数削減に有効な方法です。

製品内部で同じ役割を持つ部品が複数種類存在すると、作業者は取り付ける部品を選び分ける必要があります。外観が似ている部品ほど取り違えが発生しやすく、組立作業の確認負担が増える場合があります。

そこで、機能上の問題がない範囲で、ねじ、スペーサー、支持部品、固定金具などの仕様を共通化できないか検討します。

例えば、一つの製品の中で異なる長さのねじを多数使用している場合、使用箇所の条件を確認したうえで、ねじの種類を減らせる可能性があります。同じ種類のねじを複数箇所で使用できれば、部品の選別や工具の切り替えを減らせることがあります。

ただし、ねじの長さや径を統一すると、必要な締結力を確保できなかったり、ねじ先端が周辺部品に干渉したりする場合があります。共通化にあたっては、ねじのかみ合い長さ、締結対象の材料、荷重条件などを確認する必要があります。

同様に、左右で異なる形状の部品を使用している場合にも、共通形状に変更できないか検討する価値があります。ただし、左右共通化によって部品の取り付け方向が分かりにくくなる場合には、誤組立防止の工夫を組み合わせることが重要です。

部品の共通化と合わせて検討したいのが、公差設計です。

公差とは、部品の寸法や形状などに認める許容範囲のことです。個々の部品が図面の公差内で製造されていても、複数の部品を組み合わせた際に寸法ばらつきが積み重なり、組立が難しくなる場合があります。

例えば、筐体の内部に複数の部品を順番に取り付ける構造では、それぞれの寸法公差の組み合わせによって、最後に取り付ける部品の位置が変化することがあります。組立時に穴位置を調整したり、部品を押し込んだりする必要が生じる場合には、公差の設定や基準の取り方に問題がないか確認する必要があります。

このような問題を防ぐためには、組立基準となる面や穴を明確にし、部品間の寸法関係を整理することが重要です。

特に、位置決めに必要な寸法と、機能上それほど厳しい精度を必要としない寸法を区別することが求められます。すべての寸法に厳しい公差を設定しても、必ずしも組立性が改善するわけではありません。むしろ、加工方法によっては製造上の制約が増える可能性があります。

また、組立や機能に必要なすきまを適切に確保することも重要です。部品が干渉せずに取り付けられる寸法関係であれば、組立時の微調整を減らせる場合があります。

一方、すきまを大きくしすぎると、位置精度や剛性が不足することがあります。そのため、必要な位置決め精度と組立の容易さを両立する設計が求められます。

製品化アイデアの相談では、部品図面だけでなく、組立状態で重要となる寸法を共有すると効果的です。どの部分の位置精度を優先すべきかを明確にすることで、過剰な精度指定や不要な調整作業を見直しやすくなります。

改善策4:配線と接続作業を簡略化する

電子回路やセンサー、駆動部などを備える製品では、配線作業が組立工数の大きな要因になることがあります。

配線作業には、ケーブルの準備、経路の確認、コネクターの接続、固定、余長の処理、導通確認など、複数の工程が含まれます。製品内部の空間が狭い場合や、配線経路が複雑な場合には、作業時間が増えるだけでなく、組立品質のばらつきも発生しやすくなります。

そのため、製品化の設計段階では、配線経路をできるだけ単純にすることが重要です。

例えば、複数の電気部品が筐体内部に分散して配置されている場合、部品配置を見直すことで、ケーブルの取り回し距離や交差箇所を減らせる可能性があります。配線経路が短く、分かりやすくなれば、取り付け作業の負担を軽減できる場合があります。

ただし、配線を短くすることだけを優先すると、可動部の動きを妨げたり、必要な保守作業が難しくなったりすることがあります。ケーブルの曲げ半径、可動範囲、振動、熱源との距離、電気的な影響などを考慮しながら経路を決定する必要があります。

次に検討したいのが、接続方法の簡略化です。

個別の電線を一本ずつ接続する構造では、接続順序や接続先の確認に時間がかかる場合があります。用途に適した複数極のコネクターや、あらかじめ必要な配線をまとめたケーブル組立品を採用できれば、最終組立時の接続作業を減らせる可能性があります。

また、似た形状のコネクターが複数存在する場合には、接続先を取り違えない設計も重要です。形状や接続位置を工夫し、誤った接続が起こりにくい構造にすることで、作業ミスの低減が期待できます。

配線の固定方法も見直しの対象です。

ケーブルを多数の固定具で個別に保持する構造では、固定具の取り付けに時間がかかります。筐体側に配線ガイドや保持形状を設けることで、固定作業を簡略化できる場合があります。

ただし、ケーブルを保持する部分では、被覆の損傷や過度な圧迫を防ぐ必要があります。特に振動や繰り返し動作が発生する製品では、ケーブルが擦れる位置や、接続部に引張荷重が加わる構造を避けることが大切です。

さらに、配線作業を組立工程のどの段階で行うかも検討します。

製品をほぼ完成させた後で内部配線を接続する構造では、工具や手が入りにくくなることがあります。部品を取り付ける前にケーブルを接続できる構造や、配線済みのユニットを組み込む構造を採用できれば、作業性を改善できる可能性があります。

ただし、配線済みユニットの取り付け時には、ケーブルの挟み込みや接続部への無理な荷重が発生しないか確認する必要があります。

製品化の相談では、電気回路の機能だけでなく、実際の配線経路や接続手順まで共有することが重要です。電気設計と機構設計を連携させることで、配線作業を含めた組立工数の削減につながります。

改善策5:モジュール化と検査しやすい構造を取り入れる

組立工数を削減する方法として、製品を機能ごとのユニットに分けるモジュール化も有効です。

モジュール化とは、関連する部品を一つのまとまりとして構成し、製品全体へ組み込めるようにする設計方法です。

例えば、駆動機構、制御回路、操作部などを、それぞれ独立したユニットとして組み立てられる構造にする方法があります。あらかじめユニット単位で組立や検査を行い、最終工程では必要なユニットを組み合わせることで、作業を整理しやすくなります。

この方法は、製品内部の作業空間が限られる場合や、複数の作業工程を分担する場合に効果が期待できます。

例えば、筐体内部へ小さな部品を一つずつ取り付ける構造では、奥まった部分での締結や位置合わせが必要になることがあります。一方、作業しやすい状態で小部品を組み立て、その完成ユニットを筐体へ取り付ける構造にできれば、最終組立工程を簡略化できる可能性があります。

また、モジュール化には検査工程を整理しやすいという利点もあります。

製品全体を完成させてから不具合が見つかると、原因を特定するために複数の部品を取り外す必要が生じる場合があります。ユニット単位で動作確認や寸法確認を行える構造にしておけば、不具合の発生範囲を絞り込みやすくなります。

ただし、モジュールを増やすほど、ユニット間の接続部や固定箇所が増える場合があります。接続部の増加によって組立工数がかえって増えることもあるため、分割する単位は慎重に決定する必要があります。

モジュール化を検討する際には、単に部品をまとめるのではなく、組立工程と検査工程をどこで区切ると効率がよいかを考えることが重要です。

さらに、検査しやすい構造を取り入れることも、製品化における重要な改善策です。

例えば、締結状態を目視で確認できる位置にねじを配置する、コネクターの嵌合状態を確認できる空間を確保する、重要な寸法を測定しやすい基準面を設けるといった工夫があります。

検査しにくい構造では、組立後にカバーを取り外したり、専用の確認作業を追加したりする必要が生じる場合があります。設計段階で検査方法まで考慮すれば、不要な分解や再組立を避けられる可能性があります。

ただし、確認しやすい構造に変更したからといって、必要な品質検査を省略できるとは限りません。製品に求められる性能や安全性に応じて、適切な検査項目を設定することが必要です。

また、完成後の修理や部品交換が想定される製品では、モジュール単位で取り外せる構造が保守性の向上につながる場合があります。故障した部分だけを交換できれば、現場での分解範囲を小さくできる可能性があります。

製品化アイデアの相談では、組立工程だけでなく、検査、調整、修理までを含めた製品のライフサイクルを考慮することが重要です。初回の組立時間だけを短縮するのではなく、製造と保守を通じて扱いやすい構造を目指すことが、継続的な製品化につながります。

組立工数の削減効果を確認する試作検証方法

設計改善によって組立工数を削減できるかどうかは、実際の作業を通じて確認する必要があります。

立体モデル上では組み立てやすく見える構造でも、実物では部品を保持しにくかったり、工具が入りにくかったりすることがあります。また、部品点数を削減した結果、組立時に調整が必要となり、かえって作業時間が増える場合もあります。

そのため、設計変更の効果を確認する際には、変更前後の組立工程を比較することが重要です。

まず、組立作業を工程ごとに分けて、どの作業に時間がかかっているかを把握します。部品の準備、位置決め、締結、配線、調整、検査などを区別し、作業に必要な時間を測定します。

このとき、単に完成までの総時間を測定するだけでなく、時間がかかる原因を記録することが有効です。

例えば、ねじの締結時間が長い場合でも、実際にはねじを締める動作ではなく、工具を持ち替える時間や、ねじ穴の位置を探す時間が大きな割合を占めていることがあります。

原因が分かれば、部品形状を変更すべきなのか、工具の配置を見直すべきなのか、組立順序を変更すべきなのかを判断しやすくなります。

次に、設計改善後の試作品を製作し、同じ条件で組立作業を行います。

比較する際には、作業者の経験、工具、部品の供給状態、作業環境などの条件をできるだけそろえることが重要です。条件が大きく異なると、設計変更による効果と作業者の習熟による効果を区別しにくくなります。

また、一度の組立時間だけで判断しないことも大切です。

初めて組み立てる際には手順の確認に時間がかかりますが、作業を繰り返すことで時間が短縮される場合があります。したがって、初回の作業時間と、手順に慣れた状態での作業時間を区別して評価することが有効です。

複数の作業者が組み立てる製品では、作業者による時間のばらつきも確認します。特定の熟練者だけが短時間で組み立てられる構造よりも、手順を理解した作業者が安定して組み立てられる構造の方が、量産工程に適している場合があります。

さらに、組立工数だけでなく、不具合の発生状況も確認する必要があります。

例えば、ねじの締結箇所を減らしたことで作業時間が短縮されても、部品の浮きや振動による緩みが発生するのであれば、設計改善として十分とはいえません。

設計変更前後で、組立時間、不具合発生率、再調整に必要な時間、検査負担などを比較することが重要です。不具合による手直しや再組立が発生する場合には、その時間も含めて評価すると、実際の製造負担を把握しやすくなります。

測定結果は、どの設計変更によって何が改善したのかを追跡できる形で残します。

例えば、変更した部品の図面番号、設計変更の内容、試作品の識別番号、測定日、作業条件などを記録します。設計変更が複数回行われる場合でも、記録を残しておけば改善効果を比較しやすくなります。

製品化の相談先とこうした情報を共有することで、感覚的な評価ではなく、実測結果に基づいて改善案を検討できます。

製品化の相談先に伝える情報と進め方

アイデアを製品化するために外部へ相談する場合、最初から詳細な設計仕様が完成しているとは限りません。

むしろ、構想段階で相談することによって、組立性や加工性を考慮した設計方法を検討できる場合があります。

ただし、適切な提案を受けるためには、製品に求める機能と、現時点で決まっている条件を整理することが重要です。

まず、製品の用途と使用環境を説明します。屋内で使用する製品なのか、屋外に設置する製品なのか、振動や衝撃が加わるのかによって、適した材料や固定方法が変わります。

次に、製品の外形寸法、必要な機能、想定する製造数量、組立方法について共有します。構想図や試作品がある場合には、可能な範囲で提示すると設計意図を伝えやすくなります。

組立工数削減を重視する場合には、特に改善したい作業を具体的に伝えることが効果的です。

例えば、小さなねじが多く組立に時間がかかる、配線を筐体内部に収める作業が難しい、部品の位置合わせに専用治具が必要になるといった課題です。

これらの情報があれば、相談先は部品一体化、固定方法の変更、位置決め構造の追加など、課題に応じた設計改善を検討しやすくなります。

また、相談先を選ぶ際には、単に部品を製作できるかだけでなく、組立工程を考慮した設計提案が可能かを確認するとよいでしょう。

設計、試作、加工、組立、検査の各工程は相互に関係しています。設計担当者が加工方法を十分に理解していない場合、図面上では成立していても、実際には製作や組立が難しい構造になることがあります。

そのため、機構設計と加工、組立に関する知識を組み合わせて検討できる体制が望まれます。

すべての工程を一つの会社が担当する必要はありません。設計会社と部品加工会社、組立を担当する製造委託先が連携する方法も考えられます。ただし、その場合には、設計変更の承認者や図面の管理責任を明確にすることが重要です。

相談の進め方としては、最初に製品の要求事項を整理し、次に構造上の課題を洗い出します。その後、複数の改善方法を比較し、試作品で組立性と機能を確認してから設計を確定させる流れが考えられます。

この段階では、設計変更の目的を明確にすることが大切です。

例えば、締結箇所の削減を目的とする変更なのか、組立方向の統一を目的とする変更なのかによって、確認すべき項目が変わります。

設計変更の目的と評価方法をあらかじめ決めておけば、試作後に改善効果を判断しやすくなります。

東京をはじめとする製造業の集積地域で相談先を探す場合には、設計会社だけでなく、試作加工や組立に対応する事業者との連携も検討するとよいでしょう。特に小ロットでの製品化では、試作品を確認しながら構造を見直せる体制が役立つことがあります。

また、相談段階で知的財産や機密情報の取り扱いを確認することも重要です。製品の独自構造や開発情報を共有する場合には、情報の利用範囲や管理方法を事前に取り決めておくことが望まれます。

製品化アイデアの相談では、完成品の製作だけを依頼するのではなく、設計改善と試作検証を含めた進め方を検討することで、組立工数削減の可能性を広げられます。

組立工数削減で見落としやすい注意点

組立工数の削減は重要ですが、作業時間だけを優先すると、別の問題が発生する可能性があります。

特に注意したいのが、製品の強度と耐久性です。

例えば、ねじの本数を減らすことで締結作業を短縮できたとしても、必要な保持力が不足すれば、振動や衝撃によって部品がずれるおそれがあります。固定方法を変更する場合には、想定される荷重や使用環境に応じて性能を確認しなければなりません。

樹脂部品のはめ込み構造でも、材料の特性や使用温度によって保持力が変化する場合があります。繰り返し着脱する部分では、摩耗や変形によって固定力が低下する可能性もあります。

また、部品を一体化する際には、加工方法との適合性も考慮する必要があります。

複雑な形状を一つの部品にまとめることで組立作業を削減できても、加工が難しくなったり、製造時の不良が増えたりする場合があります。部品単体の製造工程と製品全体の組立工程を合わせて評価することが重要です。

次に注意したいのが、保守性です。

製品によっては、使用開始後に部品交換や清掃、点検を行う必要があります。組立時間を短縮するために分解しにくい構造を採用すると、修理や保守作業の負担が増える可能性があります。

特に、屋外設備や長期間使用する機器では、現場で交換する可能性がある部品と、通常は取り外さない部品を区別することが大切です。

例えば、頻繁に交換する部品を一体化すると、交換時に周辺部品まで取り外す必要が生じる場合があります。そのため、部品の一体化とモジュール化は、製品の保守条件に応じて使い分ける必要があります。

品質検査についても注意が必要です。

組立工数を削減するために検査工程を単純にする場合でも、必要な品質確認を省略してよいとは限りません。重要な締結部、電気接続部、安全性に関係する部分などについては、要求事項に応じた確認方法を設定する必要があります。

さらに、設計変更の影響範囲を十分に確認することも重要です。

例えば、部品の共通化を進める際、ある箇所では問題なく使用できる部品でも、別の箇所では荷重条件や必要精度が異なる場合があります。外観が似ているという理由だけで共通化すると、機能上の問題が発生するおそれがあります。

こうした問題を防ぐためには、設計変更ごとに機能、強度、製造性、組立性、検査性、保守性を確認することが有効です。

また、試作段階で良好な結果が得られても、量産時に同じ状態が再現できるとは限りません。試作と量産では、加工設備、製造条件、部品の供給状態、組立作業者などが変わる場合があります。

そのため、量産移行前には、実際に想定する部品や作業環境を用いて組立性を確認することが重要です。

組立工数の削減を成功させるためには、作業時間の短縮だけでなく、製品品質と製造工程の安定性を両立させる視点が欠かせません。

まとめ:製品化アイデアは組立工程まで考えて相談する

製品化アイデアを実際の製品へと発展させる際には、機能や外観だけでなく、組立工程を考慮した設計が重要です。

組立工数を削減するためには、部品点数と締結箇所の削減、組立方向の統一、位置決め構造の改善、部品の共通化、配線作業の簡略化、モジュール化など、さまざまな方法があります。

ただし、どの改善方法が適しているかは、製品の用途、材料、加工方法、製造数量、使用環境によって異なります。

重要なのは、単に部品点数や作業時間を減らすことではなく、必要な機能と品質を維持しながら、安定して組み立てられる構造を実現することです。

そのためには、製品化の構想段階から設計担当者や製造委託先へ相談し、試作品を通じて組立性を検証することが有効です。実際の作業時間や不具合の発生状況を確認しながら改善を進めることで、量産工程で発生する問題を早期に発見しやすくなります。

また、製品化した機器を建設現場や屋外設備などで使用する場合には、製造時の組立記録だけでなく、設置後の状態や施工履歴を管理することも重要になります。

例えば、現場に設置した機器の位置、施工時の写真、設置状況、点検記録などを整理しておけば、後日の確認や保守作業に役立ちます。製品の設計改善を進める際にも、現場で発生した組立上の問題や設置条件を把握できれば、次の設計変更に反映しやすくなります。

こうした現場情報の記録と管理には、LRTK Phoneの活用も選択肢となります。LRTK Phoneを利用して取得する位置情報付きの現場写真は、設置場所や作業状況を記録する用途に活用できます。ただし、記録される位置情報の精度は測位環境や使用条件によって異なるため、必要な精度に応じた確認が重要です。また、取得した写真や位置情報を適切に整理し、関係者間で共有することで、現場で得られた情報を設計や施工の検討へつなげることも考えられます。

製品化は、アイデアを形にして終わりではありません。製造しやすさ、組立品質、現場での使いやすさ、保守性まで見据えて設計することが大切です。組立工数を削減する5つの設計改善策を出発点として、設計・製造・現場の情報を適切に共有しながら、継続的に製造しやすい製品づくりを進めていきましょう。

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