LRTKレフィクシア株式会社

設計から製造まで依頼する際の組立工数を減らす6つの設計改善ポイント

設計から製造まで依頼する際に組立工数が重要な理由

新製品の開発や既存製品の改良において、設計から製造までを外部の会社へ依頼する場合、製品の機能や性能だけでなく、組立工数を意識することが重要です。どれほど優れた機能を持つ製品でも、組立作業が複雑で時間がかかる構造では、量産時の生産効率が低下する可能性があります。

特に、部品点数が多い製品や、細かな位置調整が必要な製品、配線や締結作業が集中する製品では、設計段階の判断が組立時間を大きく左右します。製品の形状や構造が確定してから組立工程を改善しようとしても、部品の再設計や製造工程の変更が必要になり、対応が難しくなることがあります。

このような問題を防ぐには、設計段階から製造方法と組立手順を考慮することが欠かせません。

設計から製造までを一括して依頼する方法には、設計担当者と製造担当者が早い段階から情報を共有しやすいという利点があります。加工方法、部品形状、組立順序、検査方法を一体的に検討できれば、製品の要求性能を維持しながら組立作業を合理化しやすくなります。

ただし、一括依頼すれば必ず組立工数が削減されるわけではありません。依頼する側が組立性に関する要求を明確にし、設計レビューや試作評価の段階で確認する必要があります。

組立工数を削減する設計では、単純に作業時間を短くすることだけを目指すのではなく、作業者による品質のばらつきを抑え、組立ミスや手直しを減らす視点も重要です。

例えば、組立時に部品の向きを間違えやすい構造を改善すると、作業時間の短縮だけでなく、誤組付けの防止にもつながります。また、位置決めを容易にする構造を採用すれば、作業者の経験に依存しにくい工程を構築できます。

本記事では、設計から製造までの依頼を検討している実務担当者に向けて、組立工数を減らすための6つの具体的な設計改善ポイントを解説します。製造委託先との進め方や試作時の検証方法も紹介するため、製品開発や量産準備の参考にしてください。

組立工数を削減する前に確認したい作業内容と設計条件

組立工数を削減するには、まず現在の製品構造や想定している組立工程を把握する必要があります。

組立工数とは、製品の組立作業に必要な作業量を指します。一般的には人が作業に投入する時間を基準として評価しますが、実際の製造現場では、設備の稼働時間や段取り時間なども区別して管理することが重要です。

例えば、一人の作業者が製品を完成させるまでに必要な時間と、複数の作業者が分担して組み立てる場合の時間は、そのまま比較できるとは限りません。作業者数、設備の使用条件、作業範囲をそろえて評価する必要があります。

また、部品を組み付ける時間だけでなく、部品の取り出し、向きの確認、工具の持ち替え、位置合わせ、検査、手直しなども組立工程に影響します。

製品構造に問題がある場合、実際に時間がかかっている作業が締結ではなく、その前の位置合わせであることもあります。表面的な作業時間だけを確認すると、改善すべき設計箇所を見誤る可能性があります。

そのため、設計から製造までを依頼する際には、製品の組立工程を可能な範囲で分解し、どの作業に負担が集中するかを整理することが重要です。

新規開発品で実績がない場合は、類似製品の組立工程を参考にしながら、仮の作業手順を作成します。そのうえで、部品を持ち替える回数、組立方向の変更回数、専用工具の必要性、位置調整の難しさなどを検討します。

同時に、製品の使用条件も確認しなければなりません。組立性を優先して構造を単純化した結果、必要な強度や耐久性、気密性、防水性、放熱性、保守性が損なわれては、本来の製品要求を満たせなくなります。

組立工数の削減は、要求性能を確保したうえで進める設計改善です。

製造委託先には、単に組立時間の短縮を求めるのではなく、守るべき性能条件と改善できる設計範囲を明確に伝えることが重要です。これにより、品質と生産効率の両方を考慮した提案を受けやすくなります。

改善ポイント1:部品点数の削減と部品共通化で組立工程を短縮する

組立工数を減らすうえで、最初に検討したいのが部品点数の削減です。

一般に、部品が増えると、部品の取り出し、向きの確認、位置合わせ、固定などの作業が増える可能性があります。また、部品管理や組立順序も複雑になりやすいため、部品点数の削減は製品設計の重要な改善テーマです。

例えば、複数の板金部品を締結して構成している筐体について、一部を一体形状に変更できれば、組立工程を省略できる場合があります。

樹脂部品の場合も、別体として設けていた固定部や位置決め部を本体形状に組み込むことで、追加部品を減らせる可能性があります。

ただし、部品を一体化すれば必ず有利になるわけではありません。一体化によって形状が複雑になると、加工性や成形性が悪化したり、寸法管理が難しくなったりする場合があります。

また、破損時に一部分だけ交換できなくなるなど、保守性への影響も考慮する必要があります。

設計改善では、部品を減らすこと自体を目的にするのではなく、製造から組立、検査、保守まで含めた全体の合理性を判断します。

部品点数の削減と併せて検討したいのが、部品の共通化です。

例えば、製品内で複数種類のねじを使用している場合、強度や締結条件が許す範囲で種類を統一できれば、組立時の部品選択や工具交換の負担を減らせる可能性があります。

共通化は、ねじや座金などの締結部品だけでなく、支持部品、固定金具、カバー、接続部品などにも適用できます。

複数の製品系列を開発する場合には、共通部品を利用できる設計にすることで、組立手順の標準化にもつながります。

ただし、共通化のために必要以上に大きな部品や高い性能を持つ部品を採用すると、重量や加工負担が増える場合があります。共通化の判断では、要求機能と製造条件の両方を確認することが必要です。

設計から製造までを依頼する際には、製造委託先に対して部品点数の削減余地を確認するとともに、部品の一体化による加工上の問題がないか検討してもらうとよいでしょう。

具体的には、複数部品を一体化できる箇所、同じ形状へ統一できる部品、固定部品を省略できる構造などについて、設計レビューの段階で意見を求めます。

このとき、変更前後の部品点数だけでなく、実際に省略できる組立作業も確認することが重要です。

部品を一つ減らしても、代わりに複雑な位置調整が必要になれば、工数削減につながらない可能性があります。

部品点数の削減効果は、組立作業全体の変化を見て判断する必要があります。

改善ポイント2:組付け方向と位置決め構造を単純化する

組立作業では、部品をどの方向から取り付けるか、どのように位置を決めるかによって作業効率が変わります。

特に、製品を何度も反転させたり、複数方向から部品を挿入したりする構造では、作業者の持ち替えや治具への再固定が必要になる場合があります。

このような工程を減らすには、設計段階から組付け方向を意識することが重要です。

例えば、可能な範囲で部品を同じ方向から順番に組み付けられる構造にすると、製品姿勢の変更を減らせる可能性があります。

上方向から部品を配置し、そのまま固定できる構造であれば、重力を利用して部品を安定させながら作業できる場合もあります。

ただし、すべての製品で一方向からの組立が最適とは限りません。製品の大きさや重量、安全性、使用する設備によって適切な組立方向は異なります。

重要なのは、不要な持ち替えや反転が発生しない構造を検討することです。

組付け方向と同じくらい重要なのが、部品の位置決め構造です。

例えば、平らな板同士を重ねてねじで固定する構造では、締結する前に部品の位置を合わせる作業が必要になることがあります。

一方、位置決め用の突起や穴、段差などを設ければ、部品を置いた時点で一定の位置関係を作りやすくなります。

このような構造は、組立時間の短縮だけでなく、組立品質の安定にも役立ちます。

位置決めを作業者の目視や感覚に依存させる場合、作業者の熟練度によって仕上がりに差が生じる可能性があります。

設計段階で位置決め機能を持たせることで、作業方法を標準化しやすくなります。

また、部品の向きを間違えない構造も重要です。

左右対称に見える部品でも、内部の形状や機能が異なる場合があります。このような部品を誤った向きで組み付けられる構造にすると、組立後の検査で不具合が判明し、分解や再組立が必要になる可能性があります。

対策としては、部品の形状や取付位置に方向性を持たせ、正しい向きでしか組み付けられない構造を検討します。

ただし、誤組付け防止の形状を追加する場合も、加工の難しさや部品強度への影響を確認する必要があります。

設計から製造までを依頼する場合には、三次元の設計データだけで判断するのではなく、試作部品を実際に組み付けて確認することが効果的です。

設計画面では十分な空間があるように見えても、実際には指が入りにくかったり、部品が傾いて挿入しにくかったりする場合があります。

部品のつかみやすさ、挿入方向、位置決めのしやすさ、誤組付けの可能性を試作段階で確認することで、量産前に改善点を発見しやすくなります。

改善ポイント3:締結方法と工具アクセスを最適化する

ねじ締結や固定金具の取付作業は、多くの製品で組立工程の一部を占めています。

締結箇所が多い製品では、一か所あたりの作業時間が短くても、製品全体では相応の工数になる場合があります。

そのため、組立工数を削減するには、締結箇所の配置や固定方法を見直すことが有効です。

まず確認したいのが、締結部品の種類と使用箇所です。

複数種類のねじや固定部品を使い分ける構造では、部品の選択や工具の持ち替えが必要になります。要求性能に問題がない範囲で締結部品を共通化できれば、作業手順を単純化できる可能性があります。

次に、ねじを締める際の工具アクセスを確認します。

ねじの周囲に壁や突起がある場合、工具を適切な角度で挿入できず、締結作業が難しくなることがあります。

特に、製品内部の狭い空間に締結箇所を配置すると、工具を傾けて使用する必要が生じたり、部品を一時的に取り外してから締結したりする工程が必要になる場合があります。

このような問題を避けるには、設計段階で工具の外形や作業空間を考慮することが重要です。

締結箇所の周辺には、工具の先端だけでなく、必要な操作範囲も確保する必要があります。

また、組立順序によって締結箇所が隠れてしまわないかも確認します。後から取り付ける部品によって作業空間が狭くなる場合は、締結順序の変更や部品配置の見直しが必要になることがあります。

締結方法そのものを変更することも検討対象です。

例えば、ねじ固定を必要とする箇所について、使用条件に応じて一体型の係合構造や別の固定方式を採用できれば、締結作業を減らせる可能性があります。

樹脂部品では、弾性変形を利用して部品同士を固定する構造が検討されることがあります。

ただし、こうした構造は材質、形状、使用温度、繰り返し着脱の有無などによって適用可否が変わります。固定力の低下や爪部分の破損、長期使用による変形にも注意が必要です。

振動や衝撃が加わる製品では、締結方法を変更することで必要な保持力を確保できなくなる可能性もあります。

締結方法の改善では、作業時間だけでなく、固定性能、耐久性、分解性、検査方法を含めて評価しなければなりません。

設計から製造までを一括依頼する場合には、製造委託先が保有する組立設備や工具も確認するとよいでしょう。

手作業に適した締結構造と、自動化設備に適した締結構造は必ずしも同じではありません。予定している生産数量や設備構成に合わせて設計することで、過剰な設備対応や不要な手作業を避けやすくなります。

重要なのは、締結箇所の削減数だけでなく、固定性能を維持しながら作業全体を効率化できるかという視点です。

改善ポイント4:寸法公差とはめあいを組立作業から逆算する

組立工数の削減を検討する際には、部品の寸法公差とはめあいにも注意が必要です。

個々の部品が図面どおりに製造されていても、複数の部品を組み合わせたときに位置が合わず、組立作業に時間がかかる場合があります。

これは、各部品の寸法ばらつきが組立状態に影響するためです。

例えば、複数の穴を使って部品を固定する構造では、穴位置のばらつきや部品間の寸法差によって、ねじが挿入しにくくなることがあります。

作業者が部品を押さえながら位置を調整する必要がある場合、組立時間が長くなるだけでなく、部品への無理な力や組立品質のばらつきが生じる可能性があります。

このような問題を防ぐには、個々の寸法だけではなく、組立状態で必要な位置関係を考慮して公差を設定することが重要です。

設計段階では、どの部品を基準として位置決めするのか、どの寸法が機能に直接影響するのかを明確にします。

そのうえで、複数部品の寸法ばらつきが組立性に与える影響を検討します。

必要に応じて、公差の積み上げを評価し、組立可能な寸法範囲を確認します。

ここで注意したいのが、すべての寸法公差を厳しくすればよいわけではないという点です。

公差を過度に厳しくすると、加工や検査の負担が増える可能性があります。組立性に影響しない寸法まで厳しく管理すると、製造工程が複雑になることもあります。

一方、公差を緩くしすぎると、組立時の位置ずれやがたつき、干渉などが発生する場合があります。

重要なのは、機能上必要な精度と組立に必要な許容範囲を整理し、適切な公差を設定することです。

また、位置決め方法にも工夫が必要です。

複数箇所を高精度に拘束する設計では、部品のわずかな寸法差によって組付けが難しくなる場合があります。

必要な方向だけを適切に拘束し、それ以外の方向には設計上許容できる逃げを設けることで、組立性が改善することがあります。

ただし、逃げを設けることで完成品の位置精度や剛性に影響が出ないかは確認が必要です。

組立時の挿入性を高めるために、面取りや案内形状を設ける方法もあります。

部品の入口に適切な案内形状があれば、部品同士の位置がわずかにずれていても、組付けを開始しやすくなる場合があります。

しかし、面取りの大きさや位置によっては、接触面積や強度に影響することもあります。

設計から製造までを依頼する際には、図面上の公差設定だけでなく、試作部品を使用した組立検証を行うことが重要です。

単一の試作品が問題なく組み立てられたとしても、量産時に発生する寸法ばらつきまで確認できたとは限りません。

必要に応じて、異なる寸法傾向の部品を組み合わせる検証を行い、組立性の再現性を評価します。

改善ポイント5:配線・配管・固定部品の取り回しを改善する

電子機器や電気機械、流体を扱う装置などでは、配線や配管の取り回しが組立工数に大きく影響することがあります。

配線が複雑な製品では、部品を取り付ける作業よりも、ケーブルを通す、曲げる、固定する、接続する工程に時間がかかる場合があります。

特に、狭い筐体内部で複数の配線を交差させる構造では、組立順序の制約が増えやすくなります。

このような製品では、設計段階から配線経路を検討することが重要です。

例えば、接続部品の位置を見直すことで、ケーブルの引き回し距離を短縮できる場合があります。また、配線経路を単純化できれば、ケーブルの固定箇所や組立時の取り扱いを減らせる可能性があります。

ただし、配線距離を短くすれば必ずよいわけではありません。

ケーブルには、必要な曲げ半径や可動範囲、接続部への負荷を抑えるための余長が必要になる場合があります。

無理に配線を短くすると、組立時に引っ張りが発生したり、使用中に接続部へ負担が集中したりする可能性があります。

また、電気的なノイズへの配慮や発熱部からの距離、振動による摩耗なども考慮しなければなりません。

配線の組立性を改善するには、作業しやすい経路と製品として必要な信頼性を両立させることが重要です。

接続部品の向きや配置も見直しの対象になります。

例えば、接続部が筐体の奥に向いている場合、作業者が手元を確認しにくく、接続作業に時間がかかることがあります。

接続部の位置を変更し、視認性と作業空間を確保できれば、作業性が改善する可能性があります。

ただし、接続部の配置変更は基板構成や内部部品との干渉、製品外形にも影響します。変更範囲を確認しながら検討する必要があります。

配線を固定する部品についても、組立工程を考慮した設計が重要です。

複数の固定具を個別に取り付ける構造では、固定具の位置合わせや締結作業が発生します。

一方、筐体や支持部品にケーブルを保持するための構造を組み込めれば、一部の固定部品を減らせる場合があります。

ただし、配線の保持力や絶縁性、振動への耐性を確認しなければなりません。

配管についても基本的な考え方は共通しています。

配管の曲がりや接続箇所が多い構造では、接続作業や位置合わせが複雑になる場合があります。配管経路を整理し、必要な接続部を作業しやすい位置に配置することで、組立性の向上が期待できます。

ただし、流体抵抗、圧力、温度、振動、漏れ防止などの性能条件を満たすことが前提です。

設計から製造までを依頼する場合には、配線や配管の設計を製品全体の構造設計と分けて考えないことが重要です。

筐体や内部部品の配置を決めた後で配線経路を検討すると、作業空間が不足し、無理な取り回しになることがあります。

初期設計の段階から接続箇所や配線経路を共有し、組立順序を含めて検討することで、後工程での修正を減らしやすくなります。

改善ポイント6:検査・調整・手直しがしやすい構造にする

組立工数を削減する際に見落としやすいのが、検査や調整、手直しに必要な時間です。

製品の組立作業が短時間で完了しても、その後の検査や調整に長い時間がかかる場合、製造工程全体の効率は十分に改善しません。

特に、組立後に内部部品の位置を調整する必要がある製品や、検査のために一部を分解しなければならない製品では、設計段階から改善を検討する必要があります。

例えば、内部部品の位置を調整する構造では、調整箇所が作業者から見えにくい場合があります。

このような構造では、部品を少し動かしては測定し、再び動かして確認する作業が繰り返される可能性があります。

設計段階で調整方向や調整方法を整理し、作業しやすい位置に調整部を配置できれば、工程を単純化できる場合があります。

ただし、調整機構を省略する場合には、加工精度や部品のばらつきだけで必要な性能を確保できるか検討しなければなりません。

調整作業を減らすために公差を厳しくしすぎると、別の製造負担が増える可能性もあります。

そのため、調整機構の有無は、組立工数だけでなく、加工性や測定方法、製品性能を含めて判断することが重要です。

検査のしやすさも設計改善の対象です。

例えば、完成品の内部にある接続部や固定箇所について、外観から正しい組付け状態を確認できない場合があります。

検査のためにカバーを取り外す必要がある構造では、分解と再組立の時間が発生します。

一方、組立途中で確認すべき箇所を明確にし、工程内検査を適切に配置できれば、完成後の分解検査を減らせる可能性があります。

ただし、工程内検査で確認できる内容と、完成品として確認すべき性能は異なります。

検査方法を変更する場合には、必要な品質保証が維持されるか確認する必要があります。

また、組立不良が発生した場合の手直し方法も重要です。

例えば、ある部品を交換するために製品全体を分解しなければならない構造では、一部の不具合が大きな手直し工数につながることがあります。

製品の機能や強度に影響しない範囲で、交換が必要になりやすい部品へのアクセスを改善できれば、製造時の手直しや保守作業を効率化できる可能性があります。

さらに、検査治具の使用を前提とした設計も有効です。

製品を検査治具にセットする際に、位置決めが難しい構造では、検査前の段取りに時間がかかります。

設計段階から治具で保持しやすい基準面や位置決め箇所を検討することで、検査作業の再現性を高めやすくなります。

設計から製造までを依頼する際には、完成品の検査仕様だけでなく、どの工程で何を確認するかという検査計画も共有することが重要です。

組立作業、検査、調整、手直しを一連の工程として考えることで、単純な組立時間の短縮では見つからない改善機会を把握しやすくなります。

設計から製造まで一括依頼する際の進め方

組立工数を削減するためには、設計改善の内容だけでなく、製造委託先との進め方も重要です。

設計から製造までを一括して依頼する場合には、製品仕様を確定してから製造方法を検討するのではなく、初期設計の段階から組立性について意見を交換することが望まれます。

まず、依頼する側で製品に必要な機能や性能、使用環境、生産数量の見込みを整理します。

この段階では、絶対に変更できない条件と、製造方法に応じて変更できる条件を区別しておくことが重要です。

例えば、製品外形や取付位置は変更できない一方、内部の固定方法や部品分割は見直せる場合があります。

変更可能な範囲を明確にすることで、製造委託先から具体的な設計改善提案を受けやすくなります。

次に、初期設計の段階で製造性と組立性のレビューを実施します。

ここでは、加工できるかどうかだけでなく、部品をどの順番で組み立てるか、作業に必要な工具を使用できるか、検査を実施しやすいかを確認します。

特に、設計担当者だけで判断するのではなく、実際の製造工程を理解している担当者の意見を取り入れることが重要です。

設計上は合理的に見える構造でも、製造現場では組立しにくい場合があります。

反対に、設計上は複雑に見える構造でも、適切な治具や設備を使用することで効率的に組み立てられる場合があります。

このような違いを早い段階で把握できることが、一括依頼の利点です。

初期設計がまとまったら、試作を通じて組立性を確認します。

このとき、試作品が完成するかどうかだけでなく、実際の組立作業にどの程度の時間が必要かを確認することが重要です。

組立中に時間がかかった作業や、作業者が迷った箇所、工具を使用しにくかった箇所などを記録します。

その結果を設計担当者へ戻し、必要な改善を行います。

改善後の試作では、変更した構造が実際に組立工数の削減につながっているか確認します。

設計変更を実施しただけで効果を判断せず、作業実績に基づいて評価することが重要です。

また、一括依頼では設計変更の管理方法も確認する必要があります。

試作段階で変更した部品形状や組立方法が、量産用の図面や作業手順に正しく反映されていなければ、量産開始後に不具合が発生する可能性があります。

図面、部品構成、組立手順、検査仕様の整合性を確認し、正式な製造条件として管理することが必要です。

製造委託先への見積依頼で伝えるべき組立条件

設計から製造までを依頼する際には、見積依頼の段階で組立工数に関係する情報を伝えることが重要です。

単に製品の図面や仕様書を渡すだけでは、製造委託先がどの範囲まで組立性の改善を提案できるのか判断しにくい場合があります。

まず、想定する生産数量を伝えます。

試作段階で少数を製造する場合と、継続的に量産する場合では、適した組立方法が異なることがあります。

少量生産では手作業による柔軟な対応が適していても、量産では治具の導入や作業の標準化が有効になる場合があります。

また、将来的に生産数量が増える可能性がある場合は、その見通しも共有するとよいでしょう。

次に、組立作業をどこまで製造委託先へ任せるかを明確にします。

部品加工のみを依頼するのか、部品調達、組立、配線、調整、検査、梱包まで依頼するのかによって、設計時に考慮すべき内容が異なります。

例えば、完成品の検査まで依頼する場合には、検査方法や治具の必要性も含めて設計を検討できます。

一方、部品加工と組立を別々の会社へ依頼する場合には、工程間での情報共有や責任範囲を明確にする必要があります。

組立工数の削減を重視する場合には、製造委託先に対して、部品点数の削減、組立方向の単純化、締結方法の見直し、配線経路の改善などを検討対象として伝えることが有効です。

その際、製品性能を損なわないこと、必要な品質を維持すること、保守上の制約を守ることなどの条件も共有します。

さらに、提案してもらう成果物を明確にすることも重要です。

例えば、設計改善前後の構造上の違い、変更による組立工程への影響、試作時に確認する項目などについて、共通の認識を持つ必要があります。

組立工数に関する目標がある場合には、その算定範囲も示します。

部品の準備時間を含むのか、組立後の検査時間を含むのか、段取り作業を含むのかによって、工数の評価結果は変わります。

同じ条件で比較できるように、作業範囲と評価方法を事前に決めておくことが重要です。

また、製造委託先を比較する場合には、提示された組立時間だけで判断しないことも必要です。

組立品質、設備条件、検査方法、設計変更への対応力などを含めて評価します。

見積段階で組立条件を具体的に共有することは、製造委託先との認識違いを減らし、設計改善を進めやすくするための重要な準備です。

試作段階で組立工数の削減効果を検証する方法

組立工数を減らす設計改善を行った場合には、試作段階でその効果を検証することが重要です。

設計上は部品点数が減っていても、実際の組立工程では別の作業が増えている可能性があります。

そのため、図面や設計データだけで評価せず、実物を使った組立作業を確認する必要があります。

まず、比較する条件をそろえます。

変更前と変更後で作業者の経験や使用工具、部品の供給方法が異なる場合、組立時間の差が設計変更によるものなのか判断しにくくなります。

可能な範囲で同じ条件を設定し、作業時間を測定します。

ただし、試作初期は作業者が構造や手順に慣れていないため、初回の組立時間だけで量産時の工数を判断することは適切ではありません。

必要に応じて複数回の作業を行い、習熟による影響を確認します。

また、組立時間を製品全体の合計だけで評価しないことも重要です。

例えば、部品の取り出し、位置決め、締結、配線、検査などの工程に分けて時間を確認すると、設計改善の効果を把握しやすくなります。

仮に締結箇所を減らした結果、締結作業の時間が短くなっても、部品の位置合わせに時間がかかるようになれば、全体の工数削減効果は小さくなる場合があります。

工程別の作業時間を確認することで、このような問題を発見しやすくなります。

次に、組立不良や手直しの発生状況を確認します。

組立時間が短くなっていても、誤組付けや部品破損が増えている場合、その設計変更が適切とは限りません。

組立工数の削減では、作業時間と品質を併せて評価することが重要です。

さらに、作業者の負担についても確認します。

作業時間が短くなっていても、強い力を必要とする作業や不自然な姿勢が増えている場合には、安全性や継続的な作業性に問題が生じる可能性があります。

そのため、作業姿勢、力のかけ方、工具の操作性なども評価対象とします。

改善効果を比較する際には、単位製品あたりの組立工数を同じ定義で算定します。

例えば、変更前の組立工数が一台あたり30分、変更後が25分であれば、同じ作業条件において一台あたり5分の削減です。

ただし、この数値は組立工程における比較結果であり、製造工程全体の効率が同じ割合で改善したことを意味するわけではありません。

実際には、部品の製造、検査、設備の段取りなども含めて評価する必要があります。

試作段階で得られた作業時間や不具合情報は、設計改善の根拠として記録しておくとよいでしょう。

記録を残すことで、次の試作で何を改善するのか明確になり、設計変更の優先順位を判断しやすくなります。

組立工数の削減で失敗しないための注意点

組立工数の削減は重要ですが、作業時間の短縮だけを優先すると、製品全体として不利になる場合があります。

特に注意したいのが、部品点数を減らすために製造方法を複雑にしてしまうことです。

例えば、複数の部品を一体化することで組立工程を省略できても、一体化した部品の加工が難しくなり、製造工程に大きな負担が発生する場合があります。

また、形状が複雑になることで寸法精度を確保しにくくなり、結果として組立時の調整が増える可能性もあります。

このような問題を防ぐには、組立工程だけでなく、部品加工から完成品検査までの全工程を確認することが重要です。

次に注意したいのが、試作品だけで組立性を判断してしまうことです。

試作品では、設計担当者や熟練した作業者が時間をかけて組み立てる場合があります。

しかし、量産工程では、標準化された手順に従い、安定した作業時間で組み立てられることが求められます。

試作品が問題なく完成したとしても、量産時に同じ品質と作業時間を再現できるとは限りません。

そのため、試作段階から量産を想定した組立手順を確認し、必要に応じて異なる作業者による検証も行うことが望まれます。

さらに、製品の保守性を損なわないことも重要です。

組立時間を短縮するために分解しにくい構造を採用すると、故障時や部品交換時に大きな負担が生じる場合があります。

特に、長期間使用する装置や、定期的な部品交換が必要な製品では、製造時の組立性と使用後の保守性を両立させる必要があります。

もう一つの注意点は、設計変更の効果を適切に比較することです。

組立作業を簡単にするために専用治具を導入した場合、作業時間が短縮されても、治具の準備や管理が必要になります。

また、組立作業を自動化した場合には、設備の段取り、保守、停止時の対応なども考慮しなければなりません。

組立工数の削減効果を評価する際には、単に一工程の時間だけを見るのではなく、実際の生産条件に基づいて判断することが重要です。

さらに、設計改善に伴う品質リスクを整理する必要があります。

締結部品の削減、部品の一体化、公差の変更、配線経路の変更などは、製品性能や耐久性に影響する可能性があります。

設計変更後には、変更箇所に応じた性能確認や組立評価を実施し、必要な品質が維持されていることを確認します。

製造委託先へ設計から製造までを依頼する場合には、改善提案の内容だけでなく、その変更によって発生するリスクや必要な検証も確認することが重要です。

組立工数の削減は、品質を犠牲にして実現するものではありません。

要求性能を満たしながら、無駄な作業や調整、手直しを減らすことが、本来の設計改善の目的です。

まとめ:設計段階から組立性を考慮して製造効率を高める

設計から製造までを依頼する際には、製品の機能や外観だけでなく、組立工程の効率を考慮した設計が重要です。

組立工数を減らすためには、部品点数の削減、組付け方向の単純化、締結方法の最適化、寸法公差の適切な設定、配線や配管の取り回し改善、検査や調整のしやすさという6つの観点から製品構造を見直すことが有効です。

これらの改善は、それぞれ独立したものではありません。

例えば、部品を一体化することで締結箇所を減らせる一方、検査や保守が難しくなる場合があります。また、位置決め構造を変更すると、寸法公差や加工方法にも影響することがあります。

そのため、個別の改善だけで判断するのではなく、製品全体の性能、製造性、組立性、検査性を考慮して設計する必要があります。

設計から製造までを一括して依頼する場合には、初期設計の段階から製造担当者と情報を共有し、試作を通じて組立性を検証することが重要です。

特に、組立工程で発生した作業上の問題を設計へ反映し、その改善効果を実測することで、量産に向けた設計の完成度を高めやすくなります。

また、製品の製造だけでなく、設備への組込みや現地での設置作業まで含む案件では、工場内の組立情報と現場での作業記録を適切につなぐことも重要になります。

例えば、設置位置の確認、現場での部品配置、設備周辺の状況、施工前後の状態などを記録しておけば、設計担当者と製造担当者、現場担当者の間で情報を共有しやすくなります。

こうした現場情報の記録と共有には、位置情報付きの写真や施工記録を扱えるLRTK Phoneの活用も選択肢になります。製造した装置や部品を現場へ設置する案件では、位置情報と写真を関連付けて残すことで、現場状況の確認や設計・施工間の情報共有を支援できます。

組立工数の削減を成功させるには、設計段階での工夫に加え、製造現場で得られた情報を継続的に設計へ反映する仕組みが欠かせません。

設計から製造、検査、現地設置までの作業を一連の流れとして捉え、各工程の無駄を減らすことで、品質と生産効率の両立を目指しましょう。

ものづくりの次の一歩を、
相談から始めてみませんか。

加工・製造の外注先や共同開発のパートナー探しに。大田区産業振興協会の受・発注あっせん相談サービスをご利用いただけます。

ものづくり 外注先を探す。公益財団法人大田区産業振興協会の受・発注あっせん相談。無料でプロに相談!公的機関だから安心!
ものづくりの協力先探し大田区産業振興協会無料相談