LRTKレフィクシア株式会社

電線共同溝の管路導通試験で見落としを防ぐ6つの確認手順

電線共同溝の管路導通試験は、ケーブルを収容する前に管路内の通過性を確認し、閉塞、変形、継手部のずれ、異物残留などの疑いを早期に把握するための重要な工程です。試験器具が片方向に一度通過しただけで合格と判断すると、適用する基準で求められる確認を満たさなかったり、後のケーブル引込み時に抵抗が増えたり、予定していた管路が使用できなかったりするおそれがあります。国土技術政策総合研究所の「電線共同溝 管路材試験実施マニュアル(案)」では、管路敷設完了後、すべての管路について、管路サイズに合った試験器により管路の両端から通過性能試験を行い、試験器が抵抗なく通過することを確認する方法が示されています。実際の工事では、設計図書、特記仕様書、発注者の基準、電線管理者の基準を確認し、適用される方法を優先します。

見落としを防ぐには、単に試験を実施するだけでは足りません。どの区間のどの管を確認したのか、判定基準は何か、清掃や排水は十分か、試験具の寸法や状態は適切か、通過時に異常な抵抗がないか、試験後の記録と復旧が完了しているかを一連の手順として管理する必要があります。本記事では、電線共同溝の実務担当者が管路導通試験を確実に進めるための6つの確認手順を、準備、実施、記録、是正まで含めて解説します。

電線共同溝の管路導通試験で確認する目的

電線共同溝の管路導通試験で直接確認する中心項目は、所定の試験器が管路内を支障なく通過できることです。試験器の種類や寸法は管径、管種、曲げ半径などで異なり、電力管ではボビン、通信管ではマンドレル、ケーブルテストピース、通過球体を用いる例が示されています。したがって、単に何らかの器具が通ればよいのではなく、対象管路に適合する試験器と基準を選ぶことが必要です。

実務上は、通過中の異常な抵抗、回収した試験具の傷、排出された異物、管口の状態なども確認し、閉塞、局部変形、継手段差、異物残留の疑いを見逃さないようにします。ただし、導通試験だけで水密性、管材強度、継手性能などのすべてを証明できるわけではありません。国土交通省関係資料でも、導通性試験と水密性試験は別の試験項目として整理されています。導通試験は、設計図書等で求められる外観確認、水密性確認、出来形確認などと組み合わせて評価する必要があります。([国土交通省 Hong Kong DWG][1])

管路導通試験は、施工者だけで完結する作業ではありません。道路管理者、監督担当者、占用企業、後続工程の施工者など、複数の関係者が結果を利用します。そのため、判定の根拠が曖昧なまま「通った」「問題なかった」と記録しても、後から試験対象や判定方法を再現できません。特に多条管路では、隣接する管を取り違えたまま試験を終えることや、同じ管を重複して確認し、別の管が未確認になることに注意が必要です。

また、管路導通試験は完成直前だけに行えばよいとは限りません。施工延長が長い場合、埋戻し後に異常が見つかると原因箇所の特定が難しくなるため、施工区間や特殊部間の管理単位ごとに段階的な確認を組み込む方法があります。ただし、正式な合否判定の時期、対象範囲、立会い条件は、設計図書、施工計画、発注者の基準、占用企業との協議内容によって異なります。現場独自の判断で正式試験を省略せず、承認された手順に合わせることが基本です。

手順1 試験対象と判定基準を確定する

最初に行うべき確認は、試験する管路を一意に特定することです。電線共同溝では、同じ特殊部間に複数の管路が並び、通信系、電力系、予備管などで利用区分が異なる場合があります。平面図だけでは上下左右の配置を誤認しやすいため、管路配置図、特殊部の管口番号、縦断条件、施工記録を照合し、始点と終点を明確にします。現地では、管口に仮番号を表示するだけでなく、図面上の番号と現物の位置関係が一致していることを複数人で確認すると、取り違えを減らしやすくなります。

試験対象の管理単位は、少なくとも路線名、区間、始点側特殊部、終点側特殊部、管路番号、呼び径、用途区分が識別できる形にします。延長の長い区間や曲線が連続する区間では、必要に応じて中間確認位置を設定し、異常が生じた場合に範囲を絞り込めるようにします。施工中に管路番号の変更や配列変更があった場合は、設計図だけで判断せず、承認済みの変更資料と現地表示を一致させる必要があります。

次に、何をもって合格とするかを確定します。国土技術政策総合研究所のマニュアル(案)では、敷設完了後のすべての管路を対象とし、管路サイズに合った試験器を用いて両端から試験し、抵抗なく通過することを確認する方法が示されています。電力管の一部は管径と曲げ半径に応じたボビン、通信管の一部は管径に応じたマンドレル等を用い、対象外の管は電力会社または通信会社の基準に準拠するとされています。実案件では、この考え方を踏まえつつ、設計図書、特記仕様書、発注者の基準、電線管理者の仕様を照合し、試験器の形状と寸法、試験方向、回数、立会い、記録様式を確定します。

現場で使いやすいという理由だけで、規定より小さい試験具を使用すると、内径不足や局部変形を見逃すおそれがあります。反対に、管径や曲げ条件に適合しない試験具を無理に通すと、正常な曲線部でも過大な抵抗が生じ、管路、試験具、ロープを傷める可能性があります。試験具は名称だけで選ばず、適用する仕様に記載された外径、長さ、構造、取付間隔などを確認します。

判定基準は、試験開始前の打合せで共有しておくことが大切です。試験中に抵抗を感じた場合、どの段階で中止するか、再清掃後に再試験するか、管内調査へ切り替えるかを事前に決めておけば、担当者ごとの感覚差を抑えられます。試験結果を合格、不合格だけで記録するのではなく、異常なし、異常な抵抗あり、清掃後に再試験、位置特定が必要など、後続対応につながる状態区分を設定しておくと、是正漏れを防ぎやすくなります。ただし、独自の状態区分を設けても、正式な合否判定は適用基準に従います。

手順2 特殊部内と管口周辺の安全を確保する

管路導通試験は、特殊部やハンドホールの開口部付近で作業することが多く、転落、酸素欠乏、有害ガス、浸水、通行車両との接触、器具の跳ね返りなど複数の危険が伴います。特殊部内へ立ち入る場合は、その場所が酸素欠乏危険場所等に該当するかを確認し、該当する作業では関係法令に基づく作業主任者、濃度測定、換気、監視、保護具、救助手順などを整えます。厚生労働省の資料では、酸素欠乏危険場所で作業する場合、作業開始前等の酸素濃度測定と換気を行い、酸素濃度を18%以上に保つことなどが示されています。現場のリスクアセスメントと安全基準を優先し、測定や換気を形式的な確認で終わらせないことが重要です。([厚生労働省][2])

開口部周辺では、蓋の撤去前に交通規制や立入防止措置を設けます。車道上や歩道上では、作業帯が第三者の動線と交差しないようにし、牽引ロープやホースが通行範囲へはみ出さないよう整理します。蓋や工具を開口部の縁に置くと落下の原因になるため、安定した仮置き場所を確保します。降雨時や降雨後は、特殊部への急な流入や水位上昇の可能性を確認し、作業手順で定めた中止基準や現場責任者の判断に従います。

管口周辺では、手や衣服が牽引ロープに巻き込まれない配置を取ります。機械を使用して牽引する場合は、担当者間の合図を統一し、始点側と終点側の双方で連絡が取れる状態にします。ロープの延長上には立たず、試験具が管口から急に飛び出す可能性を想定して退避位置を決めます。特に抵抗が急に抜けたときは、ロープや試験具が大きく移動するため、出口側で直接手を添えて待つ方法は避けます。

試験前には、管口の欠け、バリ、鋭利な部分、仮固定材の残りも確認します。管口に損傷があると、牽引ロープが擦れて切れたり、試験具の通過状況を誤って判断したりする原因になります。必要な保護具を取り付け、ロープが管口の角に集中して接触しないようにします。安全措置と品質確保は別々の作業ではなく、安定した条件で試験結果を得るための同じ準備工程として扱うことが重要です。

手順3 管路内の清掃と排水を先に行う

管路導通試験で見落としを減らすには、試験具を通す前の清掃が欠かせません。管内に土砂、泥水、モルタル片、切粉、養生材、結束材などが残っていると、異物による抵抗と管路変形等による抵抗を区別しにくくなります。導通試験を清掃の代わりに使うのではなく、清掃後の通過性を確認する試験として位置付けます。

清掃方法は、管路材料、延長、曲線条件、内部の汚れ方、周辺環境に合わせて選びます。通線具や清掃具を使う場合は、管路を傷つけにくい材質と形状を選び、接続部が途中で外れないことを確認します。圧送や吸引を伴う方法を用いる場合は、飛散物の出口を管理し、特殊部内の作業者や周辺設備に影響を与えないようにします。水を使用する場合は、濁水の処理先と排水経路を事前に確認し、関係する排水ルールや現場計画に従って処理します。

管路内に水が残っている場合は、施工中の一時的な雨水なのか、管口や接続部等から継続的に流入しているのかを確認します。ただし、排水後に試験具が通過したことだけで水密性が確保されたとは判断できません。導通性と水密性は別の確認項目であるため、設計図書等で水密性確認が求められる場合は、指定された試験または検査を別途実施します。([国土交通省 Hong Kong DWG][1])

排水後に再び水がたまる場合は、試験を続行する前に現場責任者や監督担当者へ報告し、調査範囲と方法を確認します。流入原因の調査では、管口、接続部、特殊部の状態などが候補になりますが、導通試験の結果だけで原因箇所を断定しないことが大切です。必要な調査と是正は、設計図書、施工要領、協議結果に基づいて進めます。

清掃後は、排出された異物の種類と量にも注目します。モルタル片、破損した管材片、シール材、継手部材に見えるものなどが出てきた場合は、内部状態を追加確認する判断材料になります。排出物を処分する前に写真を残し、どの管路から出たものかを記録しておくと、異常原因の切り分けに役立ちます。ただし、排出物の外観だけで管路損傷や施工不良を確定せず、再試験や管内調査などで確認します。

清掃完了の判断を「目立つ汚れが出なくなった」という感覚だけに頼らないことも大切です。同じ清掃具を再度通し、付着物が増えていないかを確認するなど、現場で再現できる確認方法を決めます。管路が長い場合は、清掃具の移動距離や回収状況を記録し、途中で外れていないことを確認します。清掃具の一部を管内に残したまま導通試験を行わないよう、使用前後の数量と外観も確認します。

手順4 試験具と牽引ロープの状態を確認する

管路内が清浄になったら、導通試験に使用する試験具と牽引ロープを確認します。試験具は、設計図書や施工要領で定められた形状と寸法に適合していることが前提です。摩耗や変形が進んだ試験具は、規定された外径や形状を満たさず、管路の局部的な変形や継手段差を見逃す可能性があります。使用前に主要寸法、外観、表面の損傷、接続部の緩みを確認し、識別番号や確認日を記録しておくと、試験結果の追跡性を確保しやすくなります。

試験具の前後に取り付ける接続金具や回転部も重要です。接続部が突出していると、それ自体が継手や曲線部に引っ掛かり、管路異常と誤認する原因になります。反対に、接続部が弱いと管内で外れ、回収が困難になります。使用する金具は管路内で不用意に開かない構造とし、締結状態を試験前に確認します。ロープとの接続は、結び目や金具が規定試験器の通過条件を損なわず、牽引中に緩まない方法を採用します。

牽引ロープは、毛羽立ち、摩耗、局所的な細り、結び目、油や泥の付着を確認します。劣化したロープを使うと、抵抗が生じた際に切断し、試験具を管内へ残すおそれがあります。過去に強い荷重がかかったロープや、保管状態が不明なロープをそのまま再使用するのではなく、状態を確認して交換の要否を判断します。ロープの長さは対象区間に余裕を持たせ、始点側と終点側で不用意に抜け落ちないよう末端管理を行います。

既設の牽引ロープを使って試験具を通す場合は、そのロープがどの管路につながっているかを必ず確認します。多条管路では、特殊部内でロープが交差し、隣の管路のロープを引いてしまうことがあります。始点側で軽く動かし、終点側で対応するロープが動くことを確認したうえで、管路番号を再照合します。この予備確認を省くと、別管路を試験した結果を誤って記録する可能性があります。

牽引方法についても事前に決めておきます。人力で行うか、補助機器を使うかにかかわらず、急激な引張りは避け、抵抗の変化を確認できる速度で進めます。大きな力で無理に引けば試験具が通過する場合でも、適用基準が求める「抵抗なく通過する」状態とは評価できない可能性があります。導通試験の目的は、力で通過させることではなく、所定の条件で通過性を確認することです。

手順5 通過状況と抵抗の変化を区間ごとに確認する

試験の実施中は、試験具が最終的に通過したかどうかだけでなく、通過する過程を確認します。一定の速度で牽引し、抵抗が増えた位置、継続時間、抵抗が急に抜けた位置、異音や振動の有無を記録します。曲線部では牽引抵抗が変化することがありますが、適用基準が「抵抗なく通過すること」を求めている場合は、担当者の感覚だけで軽微な抵抗を合格扱いにせず、試験方法と判定基準に従って評価します。

抵抗を感じたときに、勢いを付けて引き抜く方法は避けます。まず牽引を止め、始点側と終点側でロープの状態を確認します。ロープが管口や特殊部内の設備に擦れているだけの場合もあるため、管路内部の異常と外部要因を切り分けます。外部要因がなければ、抵抗位置までのロープ長を測り、図面上の曲線部、継手位置、他埋設物との交差部、施工区切りなどと照合します。

一度戻して再度通過させる場合は、同じ条件で抵抗が再現するかを確認します。毎回ほぼ同じ位置で抵抗が生じるなら、局所的な異常を疑う材料になります。位置が変動する場合は、管内の異物が移動している可能性も考え、必要に応じて再清掃と排出物確認を行います。ただし、試験回数を増やして偶然通過した一回だけを採用するのではなく、適用基準に基づいて合否を判定します。

片方向の試験を終えた後は、適用する基準に従って反対側からも確認します。国土技術政策総合研究所のマニュアル(案)では、すべての管路について両端から通過性能試験を行うこととされています。元本文のように反対方向からの確認を任意の追加確認として扱うと、適用基準を満たさない運用につながるおそれがあるため、試験計画の段階で方向と実施順を明記します。

通過時には、試験具の回収状態も確認します。表面に深い傷、削れ、泥、金属片、モルタル粉などが付着していないかを見ます。特定方向に偏った傷がある場合は、管内の段差や鋭利な部分との接触を疑う材料になります。試験具の使用前後で状態を撮影し、異常がある場合は管路番号と関連付けて保存します。回収後に清掃すると痕跡が失われるため、確認と記録を先に行います。

試験具が通過した後は、牽引ロープの状態も再確認します。ロープの毛羽立ちや局所的な傷は、管口のバリや管内の接触箇所を調べる手掛かりになります。通過した事実だけを合格条件とせず、適用基準による判定に加え、試験具とロープの損傷、牽引中の異常、排出物を記録し、必要な追加確認につなげます。

また、試験の進捗は管路ごとにその場で消し込みます。複数本を連続して試験し、最後にまとめて記録すると、管路番号の転記ミスや未試験の見落としが起きやすくなります。一管ごとに始点、終点、試験方向、開始時刻、終了時刻、担当者、判定、異常の有無を確認し、現地表示にも反映します。途中で作業を中断した場合は、両方向完了、片方向のみ完了、未着手、再試験待ちを区別し、再開時に確認します。

手順6 試験結果を記録し管路を復旧する

導通試験が終わったら、結果を記録し、管路を後続工程へ引き渡せる状態に復旧します。記録には、試験日、天候、試験区間、始点と終点の特殊部、管路番号、用途区分、管種、呼び径、曲げ条件、試験具の識別情報と主要寸法、試験方向、試験方法、担当者、立会者、判定、異常内容、是正内容を含めます。単に「良好」と書くのではなく、どの条件で何を確認した結果なのかが後から分かるようにします。

写真は、管路番号が分かる管口全景、試験具の使用前状態、試験中の状況、回収後の状態、牽引ロープの配置、異常に関する証拠を押さえます。写真だけでは区間を特定できないことがあるため、撮影位置、撮影方向、管路番号、時刻を記録と関連付けます。複数の特殊部で同じような写真を撮る場合は、識別板や電子小黒板などを使い、画像だけを見ても対象が分かるようにします。

合格した管路には、後続作業で使用する牽引ロープを適切に残し、両端を識別して固定します。ロープの末端が管内へ落ち込まないようにし、管路番号と用途が分かる表示を付けます。ロープが長く露出していると、特殊部内で絡まりやすくなるため、必要な余長を確保しつつ整理します。後続工程まで期間が空く場合は、ロープの劣化や第三者による移動を防ぐ方法を検討します。

管口の仮蓋、止水材、保護材などを取り外して試験した場合は、承認された方法で復旧します。復旧が不十分だと、試験後に土砂や水が流入し、合格時の状態が維持されないことがあります。復旧後は、管口の閉塞または止水状態、表示、ロープ固定、特殊部内の清掃を確認し、工具や資材の置き忘れがないことを点検します。

試験記録と完成図の整合も重要です。施工中に管路配列や番号が変更された場合、試験記録だけを修正して完成図へ反映しないと、後続の占用工事で誤った管路を選ぶ原因になります。現地表示、試験記録、出来形図、完成図の管路番号を同じ管理単位で照合し、変更履歴を残します。最終的な引渡し時には、未試験、片方向のみ完了、再試験待ち、是正済み、合格済みの状態が混在していないかを確認し、全数のステータスを確定させます。

不合格や異常を発見した場合の切り分け方

試験具が通らない場合、すぐに管路全体を不良と決めつけるのではなく、外部要因、試験具と接続部、異物、局所変形、継手部、曲線条件などを順に切り分けます。まず、ロープが管口や特殊部内で引っ掛かっていないか、別の管路のロープを引いていないか、試験具の接続部が変形していないかを確認します。次に、再清掃によって異物が排出されるかを確認し、同じ位置で抵抗が再現するかを見ます。

抵抗位置は、管口から送り込んだロープ長や引き戻した長さを基に概算できます。ただし、曲線部ではロープのたるみや伸びが生じるため、長さだけで位置を断定してはいけません。出来形図の継手位置、曲線開始点、他埋設物との交差、施工日の区切り、埋戻し時の記録などを重ね合わせ、疑わしい範囲を絞り込みます。必要に応じて管内を確認できる調査機器を用い、異物、変形、継手段差、離脱などの有無を確認します。

是正方法は原因に応じて選びます。異物であれば清掃や吸引で除去できる場合がありますが、管路の変形や継手のずれが確認された場合は、周辺を掘削して補修するなどの対応が必要になることがあります。無理な押込みや過大な牽引で一時的に試験具を通しても、適用基準を満たしたことにはなりません。是正後は、設計図書等で定める範囲と方向で再試験し、補修作業による新たな異物混入やロープ損傷がないことを確認します。

不合格管を予備管へ振り替える場合も、現場だけで決定してはいけません。用途区分、将来利用、占用企業の計画、完成図への影響を確認し、必要な協議と承認を経て変更します。振替後は、管路表示、試験記録、完成図、引渡し資料を一括して更新し、元の不合格管の扱いを明記します。使用しない管路として残す場合でも、閉塞位置や状態を記録し、将来誤って使用されないよう管理します。

複数企業が利用する管路で起こりやすい管理ミス

電線共同溝では、複数の占用企業が異なる時期にケーブルを収容するため、導通試験の情報共有が不十分だと工程上のトラブルにつながります。起こりやすいのは、施工者の管路番号と占用企業側の番号体系が一致していないケースです。同じ管を別の名称で管理すると、試験済みの管路が未試験と扱われたり、未試験管を合格済みと誤認したりします。引渡し前に番号対応表を作成し、現地表示と図面の表記を統一します。

また、試験後に別作業で管口を開放し、土砂や水が入ることがあります。導通試験の合格日からケーブル引込みまで期間が空く場合は、管口の管理責任を明確にし、必要に応じて引込み直前に状態を再確認します。試験済みという記録だけで、後日も同じ状態が維持されているとは限りません。特殊部内で他工種が作業した場合は、ロープの抜け、表示の紛失、仮蓋のずれが起きていないかを点検します。

予備管の扱いも注意が必要です。国土技術政策総合研究所のマニュアル(案)では、敷設完了後のすべての管路を施工後導通試験の対象としています。一方、個別案件では契約条件や引渡し範囲が定められるため、対象外とする運用がある場合でも、根拠と状態を明確に記録します。予備管だからという現場判断だけで省略しないことが重要です。

さらに、試験記録の共有時に、写真と管路番号の対応が崩れることがあります。ファイル名が撮影時刻だけになっていたり、似た写真が大量に並んでいたりすると、後から正しい区間へ戻せません。記録は管路単位で整理し、図面上の位置、特殊部番号、管路番号、撮影方向を関連付けます。占用企業へ渡す資料は、施工者だけが分かる略号を避け、凡例や番号体系を明確にします。

LRTK Phoneで導通試験の記録を補強する

管路導通試験の見落としを減らすには、試験そのものだけでなく、どこで、どの管路を、どの状態で確認したかを残すことが重要です。LRTK Phoneの測位写真を活用すると、座標付き写真を取得し、LRTKクラウド上で閲覧、共有する運用を組み立てられます。似た形状の特殊部が連続する路線でも、写真に付随する座標、時刻、撮影方向と管路番号を照合すれば、写真の取り違えや区間の誤認を減らす補助になります。([Lefixea Irtk][3])

試験前には、特殊部の位置、管口配列、周辺状況を記録します。試験中は、対象管路の表示、試験具、牽引方向、作業状況を撮影し、試験後は回収した試験具やロープの状態、管口の復旧状況を残します。位置情報と時刻を持つ記録を一連の作業として保存することで、後から試験の流れを追いやすくなります。異常が見つかった場合は、地上で確認できる特殊部、管口、補修箇所などを座標付きで記録し、出来形図や施工記録との照合に利用します。

ただし、位置情報があるだけで管路番号や管内の異常位置が自動的に確定するわけではありません。管口番号の表示、試験記録の入力、図面との照合は現場担当者が確実に行う必要があります。撮影時には、対象管路が画面内で識別できるようにし、隣接管との位置関係も分かる構図を選びます。地下管路内では衛星測位を直接利用できないため、LRTK Phoneは主に特殊部、管口、地上管理点、掘削補修箇所の記録に使い、管内の抵抗位置はロープ長、両端からの確認、出来形図、管内調査結果などを組み合わせて判断します。

LRTKクラウドでは、LRTK Phoneで取得した座標付き写真を閲覧でき、点検データベースや時系列整理に利用できると案内されています。現場担当者、施工管理者、監督担当者、占用企業が共有する際は、位置、写真、管路番号、試験方向、判定、是正状況を同じ管理単位でまとめます。工区が分かれている現場や、複数日にわたって試験する現場では、未着手、片方向完了、両方向完了、再試験待ちなどの状態を写真記録と一覧表で併用すると、抜け漏れを確認しやすくなります。([Lefixea Irtk][3])

まとめ

電線共同溝の管路導通試験で見落としを防ぐには、試験具を通す作業だけに注目せず、対象管路の特定、適用基準の確認、安全確保、清掃と排水、試験具とロープの点検、通過中の抵抗確認、両端からの試験、試験後の記録と復旧までを一つの管理手順として扱うことが大切です。国土技術政策総合研究所のマニュアル(案)では、敷設完了後のすべての管路について、管路サイズに合った試験器を用い、両端から試験して抵抗なく通過することを確認する方法が示されています。個別工事では、設計図書、特記仕様書、発注者および電線管理者の基準を照合して実施します。

異常が生じた場合は、無理に試験具を通して合格扱いにせず、外部要因、試験具、異物、継手、変形、曲線条件などを順に切り分けます。導通試験の合格だけで水密性や他の要求性能まで確認したとみなさず、必要な検査を別途行います。是正後は適用基準で求められる範囲と方向で再試験し、結果を完成図や引渡し資料へ反映します。

導通試験の記録は、後続のケーブル引込みと維持管理を支える品質情報です。位置情報付きの写真や現場記録を効率よく残したい場合は、LRTK PhoneとLRTKクラウドを活用し、特殊部、管口、試験方向、異常に関する地上位置、復旧状況を関連付けて管理する方法を検討できます。ただし、製品の位置情報は管路番号や地下の異常位置を自動確定するものではないため、図面、管口表示、試験記録、ロープ長、管内調査結果との照合を前提に運用します。([Lefixea Irtk][3])

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

LRTK Phoneの使い方・実例を見る
資料請求導入相談
現場をスマホで3DスキャンLRTK Phone実例を見る