LRTKレフィクシア株式会社

電線共同溝の蓋のがたつき音を抑える6つの据付調整方法

電線共同溝の特殊部や分岐部に設置される蓋は、道路利用者の安全を確保しながら、内部設備の点検やケーブル作業に必要な開口部を保護する重要な部材です。ところが、車両が通過するたびに「カタン」「ガタン」といった音が発生すると、沿道からの苦情につながるだけでなく、蓋と受枠の接触状態、固定部、周辺舗装、高さ調整部などに異常が生じている可能性も考えなければなりません。 がたつき音は、単に蓋が軽く動いているだけとは限りません。受枠が部分的に浮いている、蓋と受枠の接触面に砂や舗装材が挟まっている、固定ボルトや施錠部が適切に機能していない、周辺舗装が沈下して車輪荷重が受枠へ集中しているなど、複数の要因が重なって発生することがあります。そのため、音が出た箇所だけに応急的な材料を挟み込むのではなく、蓋、受枠、高さ調整部、特殊部本体、舗装を一つの構造として確認することが重要です。 本記事では、電線共同溝の蓋のがたつき音を抑えるために、施工時と補修時に確認したい6つの据付調整方法を解説します。現場ごとに蓋の構造、固定方法、道路条件、管理者の仕様が異なるため、具体的な施工は設計図書、承認図、施工要領、道路管理者の指示を優先してください。

電線共同溝の蓋でがたつき音が生じる仕組み

電線共同溝では、ケーブルの接続、分岐、引込み、地上機器との接続などを行うために特殊部が設けられ、その開口部に蓋と受枠が設置されます。国土交通省が示す電線共同溝の整備手順例でも、特殊部本体の施工に続いて特殊部蓋を設置する工程が紹介されています。蓋は路面の一部として荷重を受ける一方、必要時には安全に開閉できなければならないため、強度だけでなく、据付高さ、勾配、支持状態、固定機能、開閉性を同時に成立させる必要があります。 蓋のがたつき音は、車輪が蓋へ乗り移る際に蓋がわずかに動き、受枠へ衝突することで発生する場合があります。動きが目視できない程度でも、接触点が限られていると局部的な衝撃が繰り返され、金属同士の打音として周囲に響きます。長方形で複数枚に分かれた蓋では、一枚ごとの支持状態だけでなく、隣接する蓋との関係や受枠全体のねじれも確認しなければなりません。 原因の一つは、蓋と受枠の接触面の摩耗です。接触面が経年で摩耗すると隙間が生じ、がたつきや跳ね上がり、受枠や周辺舗装の損傷につながる可能性があります。また、固定ボルトや施錠装置の緩みや破損も、蓋の動きを抑えられなくなる要因になります。国土交通省の電線共同溝に関する管理・点検資料でも、上蓋のがたつきや騒音、上蓋と受枠の段差、受枠の摩耗や破損、周辺舗装の異常、固定部や施錠部の状態などが確認項目として整理されています。 もう一つの原因は、受枠の下側にあります。受枠が高さ調整部へ均等に支持されていない場合、車両荷重を受けるたびに受枠自体が微小に動きます。この状態では、蓋と受枠の接触だけを調整しても音が再発しやすくなります。充填材の欠損、空隙、ひび割れ、剥離、硬化不足、調整部材の偏り、特殊部首部のずれなどがないかを確認し、荷重が受枠から下部構造へ安定して伝わる状態をつくる必要があります。 周辺舗装の影響も見逃せません。受枠が舗装面より高いと車輪が受枠へ強く当たり、逆に低いと段差を乗り越えた車輪が蓋へ衝撃的に載ることがあります。舗装が局部的に沈下している場合や、受枠際の締固めが不足している場合は、供用後に段差が拡大し、当初は静かだった蓋から音が出始めることがあります。したがって、がたつき音を抑えるには、蓋だけを調整対象にするのではなく、荷重の入口となる舗装面から、蓋、受枠、高さ調整部、特殊部本体までを連続して確認する視点が欠かせません。

据付調整前に確認すべき基本条件

据付調整を始める前に、対象となる蓋の構造と管理条件を確認します。同じ電線共同溝でも、設置年代、特殊部の種類、蓋の形状、分割数、固定方式、開閉方式、舗装種別、車道か歩道かによって調整方法が変わります。既設蓋を補修する場合は、外観だけで構造を推定せず、完成図、蓋の承認図、過去の点検記録、補修履歴を確認し、使用されている部材と本来の固定方法を把握することが大切です。 最初に確認したいのは、音が発生する条件です。大型車だけで鳴るのか、普通車でも鳴るのか、進行方向によって変わるのか、蓋のどの位置を車輪が通過したときに発生するのかを観察します。雨天時だけ音が変わる場合は、接触面への水や細粒分の影響、排水状態、周辺舗装の変形も確認対象になります。交通規制や安全確保が必要な場所では、無理に車道上で観察せず、道路管理者と協議した方法で調査します。 次に、蓋と受枠の外観を確認します。蓋の割れ、欠け、曲がり、摩耗、腐食、受枠の変形、固定部の欠損、施錠部の動作不良、異物のかみ込み、開閉時の引っ掛かりなどを順に見ます。蓋の表面に異常がなくても、裏面に亀裂や局部摩耗が生じている場合があります。安全に開放できる条件を整えたうえで、必要に応じて裏面や受け面も確認します。 受枠と路面の高さ関係は、一点だけでは判断できません。蓋の四隅、長辺中央、短辺中央、車輪通過位置など、複数点で確認し、道路の横断勾配や縦断勾配との整合を見ます。周辺舗装の局部的なわだちや沈下がある場合は、受枠そのものの高さだけでなく、一定範囲の路面形状を把握しなければ原因を取り違えることがあります。 調整作業に入る前には、交換が必要な損傷と、据付調整で改善できる不具合を分けることも重要です。蓋や受枠に明らかな変形、亀裂、著しい摩耗がある場合、接触面の清掃やボルト調整だけでは安全な状態に戻せない可能性があります。構造部材の健全性に疑いがあるときは、無理に再使用せず、管理者、設計担当者、占用事業者などの関係者と協議し、交換や詳細調査を検討します。

方法1 受枠の支持状態と水平・勾配を整える

最初の据付調整方法は、受枠を安定して支持し、道路面に合った高さと勾配へ整えることです。がたつき音が蓋から聞こえていても、実際には受枠が下部で浮いていることがあります。受枠が数点だけで支持されている、調整部材が片側へ偏っている、下部の充填が途切れているといった状態では、車両荷重のたびに受枠がたわみ、蓋との接触位置も変化します。 新設時は、受枠を仮固定した段階で、特殊部首部との位置関係、開口寸法、向き、中心位置、高さ、縦断勾配、横断勾配を確認します。水平にすべき蓋と、道路勾配へ合わせる蓋を混同しないことが大切です。設計上の基準面が道路計画高なのか、仕上がり舗装面なのか、既設路面へのすり付け面なのかを事前に統一し、測定者によって判断が変わらないようにします。 調整ボルト、ナット、支持具、調整駒などが指定されている構造では、それらを用いて受枠を仮支持します。対角方向の高さを交互に確認し、一か所だけを急に上げ下げしないように調整します。長方形の受枠では、四隅の高さが合っていても長辺中央が浮くことがあるため、辺の中央部や分割蓋の境界付近も確認します。受枠全体にねじれが残ったまま固定すると、蓋を入れたときに特定の角だけが接触し、足踏みでは分からなくても車両荷重で音が出ることがあります。 既設補修では、受枠を揺すったときの動きだけでなく、周辺舗装と一体になって動いていないかを確認します。受枠単体が動く場合は高さ調整部や固定部の不具合が疑われますが、舗装ごと沈む場合は路盤や埋戻し部まで影響している可能性があります。表面だけを切削して高さを合わせても、支持層が不安定なままでは再発しやすいため、必要な補修範囲を適切に設定します。 薄い金属片や現場にある端材を無計画に差し込み、局部的に高さを合わせる方法は避けるべきです。点支持が増えるように見えても、荷重が一部へ集中したり、腐食や脱落の原因になったり、受枠下への充填を妨げたりするおそれがあります。使用できる調整部材、設置位置、残置の可否は、蓋構造の施工要領と管理者の仕様に従います。 高さと勾配を整えたら、受枠の対角寸法や開口寸法も確認します。固定作業によって受枠が内側へ変形すると、蓋が入りにくくなったり、施錠部が正しく動作しなくなったりします。逆に開口が広がると接触状態が変わり、がたつきの原因になります。受枠は単に路面高さへ合わせるだけでなく、蓋が本来の位置で均等に支持される形状を維持することが重要です。

方法2 蓋と受枠の接触面を清掃・点検する

二つ目の方法は、蓋と受枠の接触面を清掃し、全面の状態を確認することです。砂、細かな砕石、さび片、硬化した泥、舗装材、充填材のはみ出しなどが接触面に残ると、蓋が本来の位置まで納まらず、一部だけが高くなります。その状態で車両が通過すると、異物を支点として蓋が揺れ、反対側が受枠へ当たって音が出ることがあります。 清掃は、蓋を外して見える範囲だけで終わらせず、受枠の角部、排水溝状のくぼみ、ボルト周辺、施錠部、分割蓋の合わせ部まで行います。清掃後は、接触面に打痕、段付き摩耗、局部的な光沢、さび粉の集中などがないかを確認します。繰り返し衝突している箇所は、周囲より磨かれていたり、微細な金属粉が付着していたりすることがあり、音の発生位置を推定する手掛かりになります。 蓋を再度納める際は、向きや配置を元どおりにします。複数枚蓋では、一見同じ形状でも配置位置が定められていることがあります。入れ替えると接触状態や固定部の位置が変わり、開閉できても荷重時にがたつく場合があります。取り外し前に配置番号や方向を記録し、清掃後も同じ位置へ戻せるようにしておくと確実です。 接触状態は、蓋を静かに納めたときの座り方で確認します。片側だけが先に当たる、角を押すと対角が浮く、蓋を回転させるような動きがある場合は、異物だけでなく、蓋または受枠の変形、接触面の摩耗、受枠のねじれが考えられます。清掃で改善しない場合は、無理にたたき込まず、部材の健全性と受枠形状を再確認します。 現場判断でゴム片、樹脂片、シール材などを接触面へ挟み、音だけを止める対応には注意が必要です。指定されていない材料を挟むと、荷重伝達、排水、施錠、開閉、耐久性に影響し、材料がずれて新たながたつきを生むこともあります。緩衝材を用いる構造であっても、材質、厚さ、設置位置、交換条件が定められていることがあるため、承認された仕様の範囲で施工します。 接触面の摩耗が進んでいる場合は、清掃では解決しません。蓋と受枠は組み合わせて機能する部材であり、片方だけを加工して合わせると、強度や固定機能を損なう可能性があります。研削、肉盛り、現場加工などを行う前に、管理者と協議し、補修可能な範囲か、蓋と受枠を一体で交換すべきかを判断します。

方法3 固定部と施錠部を仕様どおりに調整する

三つ目の方法は、固定ボルト、ナット、キャップ、施錠装置などを仕様どおりに調整することです。固定部は、蓋が外れないようにするだけでなく、荷重時の浮き上がりや横ずれを抑える役割を持つ場合があります。外観上はボルトが付いていても、緩み、欠損、ねじ山の損傷、座面の異物、部材の変形があると、本来の機能を発揮できません。 作業前には、固定部の種類と締付方法を確認します。締付トルク、締付順序、再使用可否、交換部品、潤滑の可否などは構造によって異なります。強く締めればよいと考えて過大に締め付けると、蓋や受枠の変形、ねじ部の損傷、開閉困難につながることがあります。反対に、手応えだけで軽く締めると、供用後の振動で緩む可能性があります。指定された工具と管理方法を用い、均等に締め付けます。 複数の固定点がある場合は、一か所を完全に締めてから次へ進むのではなく、受枠や蓋の変形を防ぐため、対角または所定の順序で段階的に締めます。締付前後で蓋の座りを確認し、締めたことで新たな浮きが生じていないかを見ます。固定によってがたつきが消えても、接触面に無理な力が残っていると、開放時に蓋が外れにくくなったり、経年で局部摩耗が進んだりするため、開閉性との両立が必要です。 施錠装置は、鍵が掛かるかどうかだけではなく、所定の位置まで動作しているか、戻りがあるか、異物やさびで動きが重くなっていないかを確認します。キャップや保護部材がある場合は、欠損や浮きがないかを確認します。固定部周辺へ舗装材や充填材が入り込むと、見かけ上は締まっていても座面が安定せず、供用後に材料が砕けて緩むことがあります。 既設蓋でボルトが固着している場合は、無理な力を加えて破断させないようにします。破断したボルトを残したまま別の位置だけで固定すると、荷重分担が変わり、がたつきや変形につながるおそれがあります。補修方法を決める際は、固定機能を部分的に代替するのではなく、当初の固定状態を回復できるかを基準に判断します。 調整後は、蓋の開閉試験と施錠確認を行います。音を止めることだけを優先して蓋を過度に圧着すると、点検時に開けられない、緊急時の作業が遅れるといった問題が生じます。適切な据付とは、車両荷重で不用意に動かず、必要時には安全に開放でき、再閉鎖後も同じ状態へ戻せることです。

方法4 高さ調整部を隙間なく充填する

四つ目の方法は、受枠下の高さ調整部を適切に施工し、荷重を安定して下部構造へ伝えられるようにすることです。受枠を調整部材で所定位置へ合わせても、その下側に空隙が残れば、供用後の荷重で調整部材や受枠が微小に変位し、がたつき音が再発する可能性があります。 高さ調整部に充填材を使用する構造では、施工要領で指定された材料、配合、水量、練混ぜ方法、可使時間、施工厚、養生時間を守ります。特殊部蓋の構造には、受枠下に調整モルタルを設け、高さ調整ボルトなどを組み合わせる例があります。ただし、使用材料、調整方法、寸法、施工条件は蓋構造や施設ごとに異なるため、他工事の数値や方法をそのまま転用せず、対象工事の設計図書、承認図、施工要領を優先します。 充填前には、受枠下面と調整部上面の泥、油分、レイタンス、脆弱部、浮き石などを除去します。下地が乾燥しすぎている場合や水がたまっている場合は、指定材料の施工条件に合わせて処置します。型枠を設ける場合は、漏れによって充填高さが不足しないようにし、開口内部や固定部へ材料が流れ込まないよう養生します。 充填時は、外周から見える部分だけを埋めるのではなく、受枠下へ材料が連続して回っているかを確認します。狭い隙間や複雑な形状では、空気が逃げずに空洞が残ることがあります。施工可能時間を過ぎた材料を追加して押し込む、途中で性状の異なる材料を継ぎ足すといった作業は、境界部の弱点になりやすいため避けます。 受枠の高さは、充填中にも変化する可能性があります。材料の圧力、作業員の接触、型枠の締付、振動などによって受枠が動かないように固定し、施工前、施工中、施工後に高さと勾配を確認します。特に長方形の受枠では、長辺中央の浮きや反りがないかを見ます。充填後に高さがずれていることが分かっても、硬化が始まった材料を無理に動かすと空隙や剥離を生むため、適切な時点で作業を止めて再施工を検討します。 養生は、がたつき防止の成否を左右します。必要な強度が得られる前に車両荷重を受けると、外観では分からない微細なひび割れや界面剥離が生じることがあります。気温、降雨、乾燥、振動などの条件を考慮し、材料の仕様と施工計画に基づく養生期間を確保します。早期開放が必要な工事でも、名称だけを見て判断せず、現場条件で必要性能を満たすことを確認してから交通開放します。

方法5 周辺舗装との段差と不陸を抑える

五つ目の方法は、蓋と受枠だけでなく、周辺舗装との段差と不陸を抑えることです。蓋の据付が正しくても、周辺舗装の仕上がりが悪いと、車輪が受枠へ衝突したり、蓋へ急激に載荷したりして音が発生します。受枠際の舗装は施工幅が狭く、締固め機械が入りにくいため、局部的な締固め不足や材料分離が生じないように注意します。 仕上げ高さは、受枠の一点を基準にするのではなく、道路の縦断方向と横断方向の両方で確認します。車輪の進入側と退出側に段差がないか、長辺に沿って波打ちがないか、四隅に局部的な低下がないかを見ます。受枠周辺だけをなだらかに見せても、その外側に不陸が残ると車両が上下動し、蓋へ加わる衝撃が増えることがあります。 舗装復旧前には、受枠周囲の掘削範囲、路盤の状態、既設舗装の切断面、締固め可能な作業幅を確認します。狭すぎる帯状補修では、端部処理や締固めが難しくなる場合があります。補修範囲は、施工性と既設舗装の健全性を踏まえて設定し、ひび割れや浮きが残る部分まで無理に温存しないことが大切です。 舗装材を敷きならすときは、受枠際へ材料を押し込むだけで終わらせず、空隙が残らないように施工します。一方で、締固め機械を受枠へ直接強く当てると、据付直後の受枠や高さ調整部を動かす可能性があります。使用機械、転圧方向、転圧回数、受枠際の締固め方法を事前に決め、受枠の固定状態と充填材の強度を考慮して施工します。 舗装完了後は、直線定規や高さ測定機器などを用いて、蓋、受枠、周辺舗装の連続性を確認します。見た目で平らに見えても、わずかな局部段差や傾きの変化でも、車輪通過時の衝撃につながることがあります。ただし、許容値は道路種別や管理者の基準によって異なるため、現場独自の数値を設定するのではなく、適用される出来形管理基準や施工仕様に従います。 排水にも配慮します。音を避けるために受枠周囲を不自然に高くすると水がたまり、逆に低くすると表面水が蓋周辺へ集まりやすくなります。排水勾配を損なわず、路面の連続性を確保することが必要です。降雨後に水たまりが生じる箇所では、舗装高さだけでなく、周辺の排水経路や沈下状況も確認します。

方法6 荷重確認と再点検で微小ながたつきを残さない

六つ目の方法は、据付調整後に荷重を与えて確認し、微小ながたつきを残さないことです。蓋を置いただけの状態では安定して見えても、実際の荷重が加わると接触点が変わり、音が発生することがあります。調整の最終段階では、安全を確保したうえで、足踏みや軽い打撃などにより蓋の動きと音を確認します。国土交通省の電線共同溝点検要領の例でも、上蓋のがたつき・騒音を確認する方法として、ハンマー打撃や足踏みなどが示されています。 足踏み確認では、蓋の中央だけでなく、四隅、辺の中央、分割蓋の合わせ部、車輪通過が想定される位置を順に確認します。作業員の体重では動かなくても、押す位置によって金属音が変わる場合は、接触が不均一な可能性があります。打撃確認を行う場合は、部材を損傷させるような強打を避け、音色の違いを比較する程度にとどめます。 施工直後に静かでも、固定部の締付、充填材の硬化、舗装の冷却や締固めによって状態が変わることがあります。そのため、工程の節目ごとに確認することが有効です。受枠仮固定後、充填後、蓋設置後、舗装復旧後、交通開放前というように、前工程で問題がなかったことを確認してから次へ進めば、不具合が見つかったときに原因を絞り込みやすくなります。 車両を用いた確認が必要な場合は、道路管理者の承認と安全な交通規制のもとで実施します。一般交通を利用して作業員が路上で音を確認するような危険な方法は避けます。試験車両の通過位置、速度、進行方向、車種条件などを記録し、同じ条件で比較できるようにします。音だけでなく、蓋や受枠の目視できる動き、周辺舗装の沈み、固定部の緩みも確認します。 確認で音が出た場合は、すぐに接触面へ何かを挟むのではなく、どこが動いたかを切り分けます。蓋だけが動くのか、受枠も動くのか、舗装と一緒に沈むのかで対策が異なります。蓋だけなら接触面、摩耗、固定部を再確認し、受枠が動くなら高さ調整部や固定状態を確認します。舗装まで動く場合は、路盤や埋戻し部を含む補修が必要になる可能性があります。 最終確認では、がたつき音がないことに加え、蓋と受枠の段差、受枠と路面の段差、開閉性、施錠状態、ボルトやキャップの状態、周辺舗装のひび割れや浮き、排水状態を確認します。一つの評価項目だけを満たしても、他の機能を損なっていれば適切な据付とはいえません。安全性、静音性、維持管理性をまとめて確認することが重要です。

施工後の記録と維持管理で再発を防ぐ

蓋のがたつき音は、施工時に問題がなくても、交通荷重、温度変化、周辺舗装の沈下、接触面の摩耗、固定部の緩みなどにより、供用後に発生することがあります。そのため、施工完了時の状態を記録し、点検時に比較できるようにしておくことが再発防止につながります。 記録には、蓋と特殊部の位置、蓋の識別情報、設置方向、分割蓋の配置、高さ測定点、周辺路面との段差、受枠の勾配、使用した高さ調整方法、充填材の施工日時、養生条件、固定部の確認結果、開閉試験、荷重確認、舗装復旧後の写真などを含めます。単に「異常なし」とするのではなく、どこを、どの方法で、いつ確認したかが分かる記録にすると、後日の点検で変化を追いやすくなります。 写真は、蓋の全景だけでなく、四隅、受枠際、固定部、施錠部、周辺舗装、高さ測定状況、充填前後などを同じ方向から撮影します。既設補修では、施工前、開放後、清掃後、調整後、舗装後を対応させると、原因と対策の関係が分かりやすくなります。撮影位置や方位が毎回変わると比較しにくいため、基準となる方向を決めます。 供用後の点検では、音の有無だけでなく、蓋の外れ、蓋と受枠の段差、受枠と路面の段差、表面摩耗、破損や亀裂、固定部、施錠部、開閉状態、周辺舗装の異常を確認します。がたつき音は、接触面や支持状態の変化を知らせる兆候の一つとして扱い、沿道からの苦情が出るまで放置しないことが大切です。点検項目や周期は、施設管理者の点検要領、道路巡回計画、交通条件、過去の不具合履歴に基づいて設定します。 同じ路線で複数の蓋に音が出ている場合は、個別不良だけでなく、施工時期、舗装復旧方法、使用部材、交通条件などの共通要因を整理します。一か所を補修して終わるのではなく、同条件の蓋を抽出して予防点検を行うと、再発や横展開を防ぎやすくなります。特に大型車の走行位置に蓋が連続している区間では、音の発生順序や路面沈下の傾向を路線単位で確認することが有効です。

LRTK Phoneを使った高さ・位置記録の活用

電線共同溝の蓋を据え付けるときは、仕上がり高さと位置をその場で記録し、施工前後を比較できる状態にしておくことが重要です。従来の写真だけでは、どの蓋を撮影したのか、どの測点の高さなのか、後から判別しにくいことがあります。蓋が多数ある路線では、位置情報と写真、測定値、施工履歴を結び付けて管理すると、点検や補修の効率が上がります。 LRTK Phoneを活用すると、現場で取得した位置や高さの情報を、蓋の全景写真、測点名、施工日、補修内容などと関連付けて記録する運用を検討できます。例えば、蓋の四隅と周辺舗装の代表点を同じ命名規則で測定し、施工前、受枠調整後、舗装復旧後のデータを区分して保存すれば、どの工程で高さ関係が変わったかを確認しやすくなります。 ただし、測位結果は上空視界、周辺構造物、受信状態、補正情報、測定方法などの影響を受けます。要求される出来形精度を満たすかどうかは、現場の基準点や既知点との照合、使用条件、管理基準を踏まえて判断しなければなりません。蓋周辺の局部的な段差確認では、必要に応じて水準測量や直線定規など、対象精度に適した方法を併用します。LRTK Phoneは、位置を伴う施工記録や経時比較を支援する手段として使い、すべての高さ判定を単独で置き換えるものではありません。 記録をクラウド上で共有する場合は、施工者、監督担当者、道路管理者、維持管理担当者が同じ測点名と版を参照できるようにします。補修前のデータを上書きせず、施工段階ごとに履歴を残すことが重要です。がたつき音が再発した際に、設置時の高さ、舗装復旧後の状態、過去の点検写真を比較できれば、受枠の変位なのか、周辺舗装の沈下なのかを判断する材料になります。

まとめ

電線共同溝の蓋のがたつき音を抑えるには、蓋と受枠の間だけを見るのではなく、受枠の支持、高さ調整部、固定部、施錠部、周辺舗装までを一体として確認する必要があります。効果的な据付調整は、受枠の高さと勾配を整えること、接触面を清掃して摩耗や変形を確認すること、固定部と施錠部を仕様どおりに調整すること、高さ調整部を適切に充填して養生すること、周辺舗装との段差や不陸を抑えること、荷重確認と再点検で微小な動きを残さないことの6点です。 音だけを一時的に止めるため、指定されていない材料を挟んだり、固定部を過度に締め付けたりすると、開閉性や荷重伝達を損ない、別の不具合を生む可能性があります。設計図書、承認図、施工要領、道路管理者の仕様に従い、原因に応じた調整や交換を行うことが基本です。 施工後は、蓋の位置、高さ、勾配、固定状態、周辺舗装、写真、確認結果を継続して記録します。施工時と点検時の情報を同じ位置情報に結び付けて管理すれば、変化の把握と補修判断がしやすくなります。現場での測定記録、写真、位置情報の整理を効率化したい場合は、LRTK Phoneを活用した電線共同溝の出来形・維持管理記録を検討してみてください。

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