LRTKレフィクシア株式会社

電線共同溝の樹木根による管路損傷を防ぐ6つの離隔確認

電線共同溝で樹木根への対策が必要な理由

電線共同溝は、電力線や通信線などを地下に収容し、道路上の電柱や架空線を減らすために整備される施設です。管路、特殊部、引込部、接続部などから構成され、道路本体や歩道、沿道施設、排水設備、既設埋設物と位置を調整しながら計画されます。歩道内に管路を設置する場合は、街路樹や植樹ますとの位置関係も重要な設計条件になります。

樹木の根は、施工時点の位置にとどまるものではありません。樹木の成長に伴って伸長し、次第に太くなります。根が伸びる方向や深さは、樹種、樹齢、土壌、水分、通気性、周囲の構造物、地盤の締まり具合などによって変わります。そのため、管路と樹木が施工時に接触していなくても、供用後の成長によって根が管路周辺へ接近する可能性があります。

根が管路の外面へ接近すると、周辺の埋戻し材を押し動かしたり、継手付近へ局部的な力を加えたりすることがあります。根の成長に伴って舗装や縁石が持ち上がり、その変位が管路周辺へ影響することも考えられます。また、管路そのものに大きな損傷がなくても、特殊部周辺の舗装に段差が生じたり、植樹ますの縁石がずれたりすれば、歩行者の安全や道路排水に影響するおそれがあります。

ただし、樹木根が近くに存在するだけで、必ず管路が破損するわけではありません。管材の材質や剛性、継手構造、管路の配列、埋設深さ、埋戻し材、締固め状態などによって影響は異なります。そのため、特定の距離だけを基準に安全か危険かを判断するのではなく、複数の条件を組み合わせて検討する必要があります。

電線共同溝と樹木の離隔確認では、完成後の管路位置だけでなく、植栽工事の施工範囲や将来の維持管理空間も確認します。管路を樹木から離して配置できたとしても、植穴の掘削時に管路へ接触するような計画では施工上の問題が残ります。反対に、管路工事の掘削によって既存樹木の主要な根を切断すれば、樹勢の低下や倒木の危険につながる可能性があります。

樹木根による管路損傷を防ぐためには、管路だけを守るのではなく、樹木の健全な生育と道路施設の維持管理を両立させる視点が欠かせません。設計、施工、植栽管理、道路管理の各担当者が位置情報を共有し、現場条件に合った対策を選ぶことが重要です。

離隔確認1 樹幹と管路外面の水平距離を確認する

最初に確認するのは、樹幹と電線共同溝の管路外面との水平距離です。平面図では管路中心線と樹木の位置が離れているように見えても、複数の管を並べる管路群では、樹木側の最外管が想定以上に接近している場合があります。離隔を確認するときは、管路中心線ではなく、管路群や防護構造を含めた外形からの最短距離を見る必要があります。

樹木側の基準位置についても明確にします。樹幹中心からの距離だけを測定しても、根の広がりや植栽工事の範囲を把握することはできません。樹幹外周、植樹ます外周、根鉢、植穴、支柱基礎など、それぞれの位置から管路までの距離を確認します。

新設する街路樹では、設計図に示された樹幹中心だけでなく、搬入される根鉢の大きさを確認することが重要です。植樹ますの開口寸法よりも植穴の掘削範囲が広い場合、植樹ますと管路が離れていても、施工時には掘削範囲が重なる可能性があります。支柱や地下固定部材を使用する計画では、それらの設置範囲も管路と干渉しないか確認します。

既存樹木では、根が植樹ますの範囲内に収まっているとは限りません。歩道舗装の下や縁石の外側まで根が広がっている場合があります。植樹ます周辺に舗装の盛り上がり、ひび割れ、縁石のずれなどが見られるときは、根が地中で広がっている可能性を考慮します。

水平離隔を検討する際は、管路完成後の状態だけでなく、将来の補修掘削も想定します。管路を点検または補修するために掘削する範囲と、樹木の根を保護する範囲が重なる配置では、維持管理時に選べる施工方法が限られます。完成時には問題がなくても、更新時に太い根を切断しなければ管路へ到達できない配置は、長期的な管理を難しくします。

道路幅員が限られている場所では、樹木と管路の間に十分な距離を確保できないことがあります。この場合は、管路だけを移動させるのではなく、植樹ますの位置や形状、管路の配列、特殊部の位置、防根対策などを含めて調整します。管路を樹木から遠ざけた結果、排水施設や他の地下埋設物との離隔が不足することもあるため、道路全体の平面配置を確認しなければなりません。

設計図には、管路中心線だけでなく管路群の外形を表示し、樹幹、植樹ます、根鉢、植穴との距離を寸法で示します。離隔の測定基準を明確にしておけば、施工段階で異なる解釈が生じにくくなります。

離隔確認2 根鉢と植栽基盤の範囲を確認する

二つ目の確認は、根鉢と植栽基盤の範囲です。新たに樹木を植える場合、根鉢は施工時に必要な空間ですが、植栽基盤は樹木が将来にわたって根を伸ばすための空間になります。管路との離隔を検討するときは、根鉢だけでなく、植栽基盤全体との関係を確認することが大切です。

植栽基盤は、単に植樹ますの真下だけに設けられるとは限りません。歩道下へ連続する土壌空間や、複数の植樹ますをつなぐ基盤が計画される場合があります。図面上では樹木と管路が離れていても、植栽基盤と管路の埋戻し範囲が接していれば、将来的に根が管路周辺へ伸びる可能性があります。

樹木の根は、土壌中の水分や酸素を得やすい方向へ伸びる傾向があります。管路工事で形成された埋戻し部分が周囲の地盤より柔らかく、通気性や透水性が高い場合、その部分が根の伸長経路になることも考えられます。管路と植栽基盤の間に距離があっても、埋戻し帯が連続している場合は、その経路を含めて評価する必要があります。

植栽基盤の範囲は、樹木の健全な成長を支えるために必要です。管路を守ることだけを優先して植栽基盤を狭くすると、根が限られた浅い範囲へ集中し、舗装の持ち上がりや樹木の生育不良につながるおそれがあります。電線共同溝と植栽基盤を同じ道路空間に配置する場合は、地下空間を奪い合うのではなく、双方に必要な範囲を整理して調整します。

既存樹木では、根鉢や植栽基盤の境界が明確でないことが一般的です。植栽時の資料が残っていない場合は、現地の樹幹位置、樹冠、舗装変状、過去の補修履歴などを確認し、根の広がりを推定します。必要に応じて慎重な試掘や非破壊的な調査を検討しますが、調査によって根を傷つけないよう、植栽管理者と方法を協議することが重要です。

将来の成長を考慮するときは、樹種名だけで根の広がりを決めつけないようにします。同じ種類の樹木でも、土壌条件、水分、樹齢、剪定状況などによって生育状態は異なります。植栽設計の担当者や樹木管理の専門的な知見を持つ関係者から、成長後の樹高、樹冠、根系の特徴、必要な土壌容量などを確認します。

図面には根鉢の施工時範囲と、植栽基盤の計画範囲を分けて示すと分かりやすくなります。施工時の干渉防止と将来の根の成長対策では、確認すべき範囲が異なるためです。両者を区別して管理することで、完成時だけでなく長期的な離隔を検討できます。

離隔確認3 管路の土被りと根の成長深さを確認する

三つ目は、管路の土被りと根が成長する深さの関係です。平面上では管路と樹木が接近していても、垂直方向に十分な距離があれば干渉を抑えられる場合があります。一方、水平距離があるように見えても、根が斜め下方へ伸びて管路と同じ深さへ到達すれば、局部的に接近する可能性があります。

垂直方向の離隔を確認するときは、管路上端、管路下端、掘削底面、根鉢底面、植栽基盤底面などの高さを断面図で比較します。単に地表面から管路中心までの深さを見るのではなく、樹木側に最も近い管の外面と、根が存在または成長すると考えられる範囲との最短距離を確認します。

道路には縦断勾配や横断勾配があるため、同じ管路区間でも土被りは一定とは限りません。植樹ます付近だけ地表面の高さが変わっている場合もあります。代表断面だけを用いて判断すると、局部的に土被りが小さくなる地点を見落とす可能性があります。樹木に接近する区間では、必要な位置ごとに断面を確認します。

根の深さは、樹種だけで決まるものではありません。土壌の通気性、水分、地盤の硬さ、地下水位、構造物の配置などに左右されます。一般に浅い層へ広がる根であっても、植栽基盤や排水条件によっては深い位置まで伸びることがあります。反対に、深く根を伸ばす性質がある樹木でも、下層地盤が硬い場合は浅い層へ集中することがあります。

管路周辺の埋戻し材も確認が必要です。管路掘削部の埋戻しが周囲より柔らかい場合、根がその部分へ入り込みやすくなる可能性があります。特に植樹ますの土壌と管路上部の埋戻し材が連続している場合は、垂直方向だけでなく、斜め方向の進入経路を検討します。

根を避けるために管路を深くすればよいとは限りません。管路を深くすると、特殊部への接続、沿道への引込、他の埋設物との交差、掘削量、土留め、排水、安全管理などへ影響します。特殊部全体を深くする必要が生じれば、点検や維持管理の負担も増える可能性があります。

反対に、管路を浅く配置すると、樹木根だけでなく舗装工事や道路附属物の基礎、将来の道路改修による損傷リスクが高まります。土被りは、道路管理者の基準や設計条件を満たしたうえで、樹木との離隔を調整します。

施工時には、管路を敷設した段階で高さと土被りを測定します。埋戻し後は管路外面を直接確認できなくなるため、敷設時の測定値と写真を残すことが重要です。植栽工事が管路工事より後に行われる場合は、植栽担当者へ完成位置と土被りを引き継ぎ、植穴掘削による接触を防ぎます。

離隔確認4 継手や曲線部との最短距離を確認する

四つ目は、継手、曲線部、分岐部、特殊部への取付部など、管路の形状や構造が変化する場所の離隔確認です。直線区間で十分な距離が確保されていても、管路が曲がる箇所では樹木側へ張り出す場合があります。管路中心線だけを確認していると、この局部的な接近を見落としやすくなります。

複数条の管路を配置する場合は、曲線部の最外管を基準にします。曲線の内側と外側では管路間隔や外形が異なることがあり、固定部材や管路防護を含めると必要な空間がさらに広がります。平面図では線として表示されている管路も、実際には外径と配列幅を持つ構造物であることを意識する必要があります。

継手部は、直管部より外径が大きくなる場合があります。また、管を接続するための作業空間も必要です。設計上の完成位置だけでは離隔が確保されていても、接続作業の際に樹木根や植樹ますへ干渉することがあります。継手位置を事前に計画し、樹木へ近接する位置に継手が集中しないよう調整することが重要です。

継手の接続状態が不十分な場合、周辺地盤の変位による影響を受けやすくなる可能性があります。樹木に近い区間では、差込みや固定、接続状態などを施工時に重点的に確認します。継手位置と施工状況を記録しておけば、供用後に変状が見つかった際の調査にも役立ちます。

特殊部は管路より外形が大きく、側壁、底版、蓋、管口、排水設備などを備えます。特殊部本体と樹木が離れていても、施工時の掘削幅、土留め、型枠、埋戻し、蓋交換に必要な空間が樹木の根と重なることがあります。特殊部周辺では、完成構造物の外形だけでなく、施工と維持管理に必要な範囲を含めて確認します。

特殊部の蓋周辺に樹木根の影響が及ぶと、舗装の持ち上がりや段差が生じる可能性があります。管路に直接的な損傷がなくても、蓋周辺の段差は歩行者や車両の安全に影響します。植樹ますの縁石や舗装境界との位置関係も合わせて確認します。

樹木を避けるために急な曲線を設けると、ケーブルの通線条件に影響する可能性があります。曲線部が連続すれば通線抵抗が大きくなり、施工や更新時の負担が増えます。樹木との離隔だけを優先せず、管路線形の滑らかさや維持管理性を含めて調整する必要があります。

平面図や縦断図だけで最短離隔を判断しにくい場合は、管路と植栽の位置を立体的に確認します。特に管路段数が変化する場所や、上下方向へ曲げる場所では、二次元図面上では問題がないように見えても、実際には局部的に接近していることがあります。

離隔確認5 既存樹木の根と施工時の掘削範囲を確認する

五つ目は、既存樹木の根と施工時の掘削範囲との離隔です。電線共同溝の完成位置が樹木から離れていても、施工時の掘削幅や土留めの設置範囲が根へ接近することがあります。設計段階では管路本体だけでなく、施工に必要な空間を含めて確認します。

掘削範囲には、管路の外形に加えて、作業余裕、基礎、埋戻し、締固め、土留め、支保工、排水設備などの範囲が含まれます。使用する施工方法によって必要幅は変わります。管路位置だけで離隔を判断すると、着工後に樹木根との干渉が判明し、設計変更や施工方法の見直しが必要になることがあります。

既存樹木の近くを掘削すると、図面に示されていない根が現れる場合があります。根の位置は地表から正確に把握することが難しく、樹幹から離れた位置で太い根が見つかることもあります。樹木に接近する区間では、慎重な掘削や試掘を検討し、根を不用意に傷つけないようにします。

根が見つかった場合は、現場の判断だけで直ちに切断しないことが重要です。根の太さだけで切断の影響を判断することはできません。樹木を支える主要な根である可能性や、同じ方向に複数の根が集中している可能性があります。根の切断は、樹勢の低下だけでなく、強風時の安定性にも影響するおそれがあります。

施工前に、根が見つかった場合の連絡先、判断者、記録方法、設計変更手順を決めておくと対応が円滑になります。道路管理者、植栽管理者、設計担当者、施工担当者が確認し、管路の線形変更、深さ変更、根の保護、施工方法の変更などを比較します。

根を避けて管路を移動する場合は、他の埋設物との離隔や特殊部への接続条件も再確認します。現場で数十センチメートル移動しただけでも、隣接する排水管や引込管との位置関係が変わる可能性があります。管路を曲げて避ける場合は、曲線条件や通線性も確認しなければなりません。

根の上側または下側へ管路を通す方法を検討する場合も、慎重な判断が必要です。根の下を掘削すると、根を直接切断しなくても下部の地盤を緩める可能性があります。根の上を通す場合は、必要な土被りや舗装構成を確保できるか確認します。単に接触を避けるだけでなく、施工後の根と管路の支持状態を考慮します。

工事中の資材置場や車両走行にも注意が必要です。樹木周辺へ掘削土や資材を積み上げたり、工事車両が繰り返し通行したりすると、根の周辺地盤が締め固められることがあります。根を切断していなくても、土壌の通気性や排水性が低下すれば樹木へ影響する可能性があります。

既設の管路を更新する工事では、長年の間に根が管路や特殊部の周囲へ伸びている場合があります。古い構造物を撤去する際に根が絡んでいると、無理な引抜きによって根や周辺地盤を大きく動かすおそれがあります。既設構造物と根の状態を確認し、必要に応じて撤去範囲や手順を見直します。

離隔確認6 防根対策と維持管理空間を確認する

六つ目は、防根対策と維持管理に必要な空間の確認です。道路幅員や既設埋設物の条件によって、樹木と電線共同溝の間に十分な離隔を確保できない場合があります。その際は、根の伸長方向を調整する防根材や管路防護などの対策を検討します。

防根材を設置すれば、将来にわたって完全に根を遮断できるとは限りません。設置深さや延長が不足していると、根が上部、下部、側部から回り込む可能性があります。接続部に隙間がある場合や施工中に損傷した場合も、想定した効果を得られないことがあります。

防根対策を計画するときは、材料の位置、高さ、延長、端部、接続方法、固定方法を明確にします。図面に材料名だけを記載しても、現場で正確な位置を再現することは困難です。管路外面、植樹ます、植栽基盤との距離を示し、どの範囲を保護する対策なのかを明確にします。

防根材を管路のすぐ近くへ配置すると、防根材と管路の間に根が入り込んだ場合の除去が難しくなる可能性があります。また、管路の補修時に防根材を損傷しやすくなります。防根対策自体にも施工や更新のための空間が必要であるため、完成後の維持管理を想定して位置を決めます。

根の伸長方向を変える場合は、誘導された根が別の道路施設へ影響しないか確認します。電線共同溝を避けた根が、排水施設、縁石、歩道舗装、建物基礎などへ集中すれば、新たな変状の原因になる可能性があります。防根対策は、対象となる管路だけでなく周辺施設を含めて評価します。

管路を保護するために局部的な防護構造を設ける場合は、その始点と終点にも注意します。剛性が急激に変化する部分では、地盤変位の影響が集中する可能性があります。防護範囲を決める際は、樹木との最短距離だけでなく、周辺地盤や継手位置との関係を確認します。

植栽基盤を区画する方法では、樹木に必要な土壌容量や排水性を確保することが重要です。根の成長空間を過度に制限すると、根が浅い部分へ集中し、舗装の持ち上がりや樹木の生育不良につながることがあります。管路保護と樹木の生育を両立できるよう、植栽管理の観点を含めて検討します。

施工後は防根対策の位置を測定し、写真を記録します。埋戻し後は地表から確認できなくなるため、完成図や施設台帳へ反映する必要があります。将来の道路工事や植栽工事で防根材の存在が分からなければ、掘削時に損傷したり、誤って撤去したりする可能性があります。

設計段階で樹木と管路の位置を調整する手順

樹木根による管路損傷を防ぐには、設計の早い段階から植栽計画と電線共同溝計画を重ねて確認することが重要です。管路の線形が決まった後で街路樹との干渉を確認すると、特殊部や他の埋設物との調整が難しくなります。

最初に、現況の樹木、計画植栽、植樹ます、植栽基盤、既設埋設物、計画管路、特殊部などを同じ平面図へ重ねます。管路中心線だけでなく、管路群の外形や掘削想定幅も表示します。植栽側も樹幹中心だけでなく、根鉢や植穴の範囲を表示します。

次に、接近する箇所を抽出し、水平距離と垂直距離を確認します。直線区間だけでなく、曲線部、継手、特殊部、引込部など、局部的に外形が変化する場所を重点的に確認します。道路縦断や横断勾配によって高さが変わる場合は、複数の断面を作成します。

離隔が不足する箇所では、管路の移動、植樹位置の変更、植樹ます形状の変更、管路配列の見直し、特殊部位置の調整、防根対策などを比較します。一つの方法だけで解決しようとすると、他の施設へ影響が移る可能性があります。

位置を調整した後は、施工可能性を確認します。完成時の離隔が確保されていても、植穴、管路掘削、土留め、締固めなどの作業範囲が重なっていれば、施工時に干渉します。工事の順序や仮設設備の位置も確認し、管路工事と植栽工事の担当者間で情報を共有します。

既存樹木がある場合は、現地調査の結果を設計へ反映します。図面上の樹幹位置と現地が一致しているか、舗装変状がないか、根が露出していないかを確認します。現地と図面に差がある場合は、実測結果を基準に調整します。

最終的には、離隔の確保方法と判断根拠を設計記録へ残します。十分な距離が確保できなかった箇所では、採用した防根対策や点検方針を明記します。設計時の判断が施工担当者や維持管理担当者へ伝わるようにすることが重要です。

施工中に想定外の根が見つかった場合の対応

施工中に想定していなかった樹木根が見つかった場合は、そのまま掘削を進めず、根と管路の位置関係を確認します。急いで根を切断したり、管路を無理に曲げたりすると、樹木や管路の双方へ長期的な影響を残す可能性があります。

まず、根の深さ、太さ、方向、樹幹からの距離を測定します。管路予定位置、掘削底面、既設埋設物との関係も記録します。写真を撮影するときは根だけを大きく写すのではなく、周囲の縁石、植樹ます、管路、測定位置が分かる写真も残します。

掘削した根を長時間露出させると、乾燥や損傷が進む可能性があります。協議に時間を要する場合は、根の状態を維持するための仮保護を検討します。ただし、具体的な保護方法は樹木の状態や施工環境によって異なるため、植栽管理者などと協議します。

管路の位置を変更できる場合は、平面方向と高さ方向の両方を検討します。変更後の管路が他の埋設物へ接近しないか、通線条件を満たすか、特殊部へ接続できるかを確認します。変更範囲を小さくするために急な曲線を設けると、通線性が低下する可能性があるため注意が必要です。

根を残したまま管路を施工する場合は、根の周辺に不要な空隙を生じさせないようにします。根へ直接荷重を加えたり、固い材料で過度に拘束したりすることが適切とは限りません。管路の支持と樹木の生育の双方を考慮して施工方法を決めます。

根の切断が避けられない場合は、樹木の状態や根の役割を確認したうえで判断します。太い根だけが重要で、小さな根なら自由に切断できるという単純な判断はできません。切断する根の本数や方向、樹木の傾き、周囲の環境などを含めて検討する必要があります。

対応後は、変更した管路位置や防根対策を測定し、設計図と完成図へ反映します。施工中の口頭協議だけで終えると、将来の補修時に実際の位置が分からなくなります。発見した根の位置、変更理由、協議内容、完成位置を一連の記録として残します。

完成後の点検で確認したい変状

電線共同溝が完成した後も、樹木は成長を続けます。設計時に離隔を確保していても、将来の根の伸長や肥大によって状況が変化する可能性があります。そのため、樹木に近接する区間では、地表と地下施設の変状を継続的に確認することが重要です。

地表で確認しやすい変状には、植樹ます周辺の舗装の盛り上がり、ひび割れ、縁石のずれ、特殊部蓋の段差、局部的な沈下などがあります。これらの変状は樹木根以外の原因でも発生するため、見つけた時点で原因を断定せず、位置や進行状況を記録します。

舗装の盛り上がりが年々拡大している場合は、根の成長が関係している可能性があります。過去の写真や測定記録と比較し、変状の方向が樹幹や植樹ますとどのような関係にあるかを確認します。道路補修を繰り返している箇所では、補修履歴も合わせて確認します。

特殊部内部を点検できる場合は、管路接続部のずれ、側壁や管口周辺のひび割れ、漏水、土砂流入などを確認します。根が直接見えなくても、周辺地盤の変位によって接続部に異常が表れる可能性があります。

管路内部の確認を行う機会がある場合は、局部的な変形、異物、通線性の変化などを確認します。ただし、管路内の異常は樹木根だけでなく、施工時の曲がり、土砂、接合状態など複数の原因で生じます。樹木との位置関係や過去の記録を照合し、総合的に判断します。

離隔が小さい区間や防根対策を設けた区間は、重点的に管理する方法があります。すべての区間を同じ頻度で点検するのではなく、樹木の成長状況、過去の変状、管路構造、周辺の舗装状態などに応じて点検対象を設定します。

樹木の植え替え、伐採、植樹ます改修が行われた場合は、電線共同溝への影響も確認します。伐採後は根が直ちに消失するわけではなく、時間をかけて腐朽します。根が失われた部分に空隙が生じ、地盤が局部的に沈下する可能性もあるため、植栽工事後の状況を記録します。

離隔確認の記録を維持管理へ引き継ぐ方法

樹木根と電線共同溝の離隔確認は、現場で確認して終わりではありません。将来の道路工事、植栽工事、管路補修で利用できるよう、位置と判断内容を記録する必要があります。

完成図には、管路中心線だけでなく、管路群や特殊部の外形、植樹ます、樹幹位置、防根対策の位置を反映します。樹木に近接する箇所では、最短離隔が分かる寸法を記載します。管路の高さや土被りも残しておけば、将来の植栽工事で植穴の深さを検討する際に活用できます。

施工中に確認した根については、深さ、太さ、方向、確認位置を記録します。すべての細い根を詳細に記録することは現実的ではありませんが、管路線形の変更や防根対策の追加につながった根は、判断根拠として残すことが重要です。

施工写真は、位置を特定できる形で管理します。街路樹が連続する区間では、写真だけを見ても撮影場所が分からないことがあります。特殊部番号、測点、道路上の基準位置、座標などと関連付けます。

写真には、管路と樹木の位置関係が分かる全景、離隔を測定している状況、継手や防根材の状態、埋戻し前の完成状況などを残します。近接写真だけでは周囲との関係が分かりにくいため、全景と詳細を組み合わせます。

設計変更があった場合は、変更後の位置だけでなく、変更した理由も記録します。根を避けるために管路を移動した事実が残っていなければ、将来の更新工事で当初計画の位置へ戻してしまう可能性があります。変更理由が分かれば、次回の設計でも同じ条件を考慮できます。

電線共同溝の施設台帳と植栽台帳を別々に管理する場合は、位置情報や管理番号を関連付けます。樹木の植え替えや伐採が行われても、その情報が管路管理側へ伝わらなければ、離隔条件の変化を把握できません。反対に、管路補修で根を切断した場合、その情報を植栽管理側へ共有する必要があります。

記録の更新責任も明確にします。設計、施工、点検、植栽工事の各段階で情報が追加されるため、誰が台帳へ反映するのかを決めておかなければ、記録が古い状態のまま残る可能性があります。現場で取得した写真、座標、測定値、協議記録を同じ位置へ関連付けることで、必要な情報を探しやすくなります。

まとめ

電線共同溝の樹木根による管路損傷を防ぐには、完成時の接触だけでなく、樹木の将来成長、施工時の掘削、供用後の維持管理まで含めて離隔を確認することが重要です。

確認したいのは、樹幹と管路外面の水平距離、根鉢と植栽基盤の範囲、管路の土被りと根の成長深さ、継手や曲線部の最短距離、既存樹木の根と掘削範囲、防根対策と維持管理空間の六つです。いずれか一つの距離だけで判断するのではなく、平面、断面、施工範囲、将来の作業空間を組み合わせて確認します。

離隔に関する一律の数値だけを当てはめるのではなく、道路管理者の基準、設計図書、管材や継手の仕様、植栽計画、現地の樹木と地盤条件を照合する必要があります。十分な距離を確保できない場所では、管路線形の調整、防根対策、管路防護、点検の重点化などを組み合わせます。

施工中に想定外の根が見つかった場合は、根を直ちに切断せず、位置と状態を測定したうえで関係者と対応を協議します。管路を変更した場合や防根対策を追加した場合は、埋戻し前に完成位置を測定し、図面や台帳へ反映することが欠かせません。

樹木と地下管路は、どちらも長期間にわたって道路空間を利用する施設です。施工直後だけを見て判断するのではなく、樹木の成長、管路の更新、道路改修を見据えて位置情報を残すことが、将来の損傷防止と維持管理の効率化につながります。

電線共同溝、特殊部、樹木、防根対策などの位置を現地で正確に計測し、写真と座標を関連付けて記録したい場合は、LRTK Phoneを活用することで、施工管理や完成図作成、維持管理台帳の更新を進めやすくなります。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

LRTK Phoneの使い方・実例を見る
資料請求導入相談
現場をスマホで3DスキャンLRTK Phone実例を見る