LRTKレフィクシア株式会社

電線共同溝の昼夜温度差による管路伸縮を抑える5つの設計確認

電線共同溝の管路は、地中に設置されるため温度の影響を受けにくいと思われがちです。しかし、施工途中で管路が露出している期間、特殊部への接続部、橋梁や擁壁に近い区間、舗装直下の浅い区間などでは、昼夜の温度差によって管材が伸縮する可能性があります。管路の伸縮が設計上想定されていないと、継手の抜け、管端の押し込み、曲がり部への応力集中、特殊部壁面との干渉などにつながるおそれがあります。

特に注意したいのは、温度変化そのものだけではありません。管材の種類、管路延長、拘束条件、施工時の温度、埋戻し時期、継手の構造などが組み合わさることで、同じ温度差でも管路に生じる変位や応力が変わります。そのため、単純に「地中だから問題ない」と判断するのではなく、設計条件と施工条件を関連付けて確認することが重要です。

本記事では、電線共同溝の昼夜温度差による管路伸縮を抑えるために、設計段階で確認しておきたい5つのポイントを解説します。なお、具体的な材料特性、継手構造、許容変位、施工方法は採用する製品や道路管理者の基準によって異なります。実際の設計では、契約図書、設計要領、製品仕様書、施工条件および関係者との協議結果を優先してください。

電線共同溝で昼夜温度差による管路伸縮が問題になる理由

電線共同溝の管路には、樹脂系の管材、鋼製の管材、コンクリート系の管路部材など、さまざまな材料が用いられます。物質は一般に温度が上昇すると膨張し、温度が低下すると収縮します。管路に生じる自由伸縮量は、材料の線膨張係数、管路長、温度変化の積によって概算できます。

基本的な考え方は、伸縮量を「線膨張係数×管路長×温度差」で整理するものです。ただし、実際の管路は完全に自由な状態ではありません。土との摩擦、管台や固定部、継手、曲がり部、特殊部壁面などによって変形が拘束されます。そのため、計算上の自由伸縮量がそのまま管端の移動量になるとは限らず、変位の一部が管材や継手に応力として生じる場合があります。

昼夜温度差の影響が大きくなりやすいのは、管路を地上や掘削溝内に長時間露出させる施工条件です。日中に日射を受けた管材の表面温度は、気温より高くなる場合があります。一方、夜間や早朝には温度が低下します。長い管路を日中の高温状態で接続し、その後に気温が下がると、管路が収縮する方向に変位しようとします。

反対に、早朝の低温時に管路を接続し、日中に温度が上昇すると、管路は伸びる方向に変位しようとします。管端に余裕がない場合や継手が所定の位置に組み立てられていない場合には、伸びた管路が特殊部の壁面を押したり、曲がり部に力が集中したりする可能性があります。

埋戻し後は、地中温度の変化が地表より緩やかになる傾向があります。しかし、舗装直下の浅い位置、地表からの熱が伝わりやすい区間、構造物に沿って露出する区間などでは、温度変化の影響を一律に無視できません。また、埋戻し前に生じた伸縮や継手のずれが、そのまま地中に固定されることもあります。

電線共同溝では、管路単体の健全性だけでなく、将来のケーブル入線性も確保しなければなりません。伸縮によって管路の線形が乱れたり、継手部分に段差が生じたりすると、通線具の通過やケーブル引込みに支障が生じることがあります。施工直後には外観上の問題が見えなくても、後工程で初めて不具合が判明する可能性があるため、設計段階から伸縮を考慮する必要があります。

設計確認1 管材の線膨張係数と想定温度差を確認する

最初に確認するのは、採用する管材の熱的な特性です。管材の伸縮量は材料によって異なるため、名称や見た目だけで判断せず、製品仕様書や設計資料に記載された線膨張係数を確認します。同じ樹脂系管材であっても、材質、構造、補強方法、製造仕様などによって設計上参照すべき数値が異なる場合があります。

線膨張係数を確認するときは、単位にも注意が必要です。設計計算で管路長をメートルで扱うのか、ミリメートルで扱うのかによって、係数の単位をそろえなければなりません。計算式そのものが正しくても、単位が混在すると伸縮量を大きく誤るおそれがあります。

次に、設計で想定する温度差を設定します。ここで使用する温度差は、単純な一日の最高気温と最低気温の差だけとは限りません。管材が日射を直接受ける場合には、管材表面の温度が気温を上回る可能性があります。また、濃い色の管材、熱を吸収しやすい養生材の近くに置かれた管材、舗装面の近くに仮置きされた管材などは、周辺条件によって温度上昇の程度が変わります。

反対に、夜間や冬期には、気温低下や放射冷却によって管材温度が下がる場合があります。施工期間が一日で完結せず、数日から数週間に及ぶ場合には、昼夜の温度差だけでなく、施工開始時から埋戻し時までの温度変化も考慮する必要があります。

温度条件を設定するときは、完成後の地中温度だけでなく、保管、運搬、仮置き、配管、接続、検査、埋戻しまでの各段階を整理します。たとえば、日陰で保管されていた管材を日中に掘削溝へ配置し、そのまま夕方に接続する場合と、炎天下で長時間仮置きした管材を接続する場合では、接続時の管材温度が異なる可能性があります。

設計図書に温度条件を記載する際は、気温だけでなく、必要に応じて管材温度を確認する考え方も示しておくと施工管理に活用しやすくなります。ただし、管材表面の測定値が管材全体の平均温度と一致するとは限りません。測定位置、日射条件、測定方法などをそろえ、数値だけを機械的に比較しないことが重要です。

また、地域や施工時期によって想定すべき温度条件は変わります。夏期施工と冬期施工を同じ温度条件で扱うと、現場の実態と設計条件が合わなくなる可能性があります。年間を通じた標準的な温度範囲を設定する方法もありますが、施工時期が明確な場合には、その時期の条件を踏まえて検討することが望まれます。

重要なのは、過度に厳しい温度差を設定することではなく、実際に起こり得る条件と、採用する管路構造の許容範囲を対応させることです。想定温度差の根拠を設計計算書や設計条件書に残しておけば、施工時に条件が変わった場合も再確認しやすくなります。

設計確認2 管路延長と拘束条件から伸縮量を確認する

管材の線膨張係数と温度差を確認したら、次に管路延長を踏まえて伸縮量を検討します。同じ材料、同じ温度差であっても、管路が長くなるほど自由伸縮量は大きくなります。そのため、短い管材一本の伸縮量だけで判断せず、継手を介して連続する区間全体をどこまで一体として扱うかを整理する必要があります。

電線共同溝の管路は、特殊部から次の特殊部まで連続することがあります。また、途中に曲がり、勾配変化、分岐、異なる埋戻し条件などが存在する場合があります。これらの箇所が変位を吸収するのか、逆に変位を拘束するのかを確認しなければなりません。

管路の拘束条件として考えられるものには、埋戻し土との摩擦、管路の固定金具、管台、コンクリートによる巻立て、特殊部への固定、曲線部、管群同士の結束などがあります。拘束が小さい区間では、温度変化が管端の移動として現れやすくなります。拘束が大きい区間では、見かけの移動量が小さくても、管材や継手に軸方向の力が生じる可能性があります。

設計では、管路を完全に自由な状態または完全に固定された状態のどちらか一方として単純化しすぎないことが重要です。実際の拘束状態は、施工段階によって変化します。配管直後は比較的自由に動けても、部分的に埋戻した後は一部が拘束されます。さらに、全区間を埋め戻して締め固めると、管路周辺の摩擦条件が変わります。

特に注意したいのは、埋戻しが区間ごとに進む場合です。一方の区間が先に埋め戻されて固定され、もう一方が露出したまま温度変化を受けると、固定端に近い継手や曲がり部に変位が集中する可能性があります。設計図だけでは全長が均一に拘束されるように見えても、施工順序によって一時的に片側固定の状態が生じることがあります。

管路延長を検討するときは、特殊部間の距離だけでなく、固定点から伸縮を吸収できる位置までの有効長を確認します。途中に管路を拘束する構造がある場合には、その位置を境界として区間を分けて考える必要があります。反対に、継手が軸方向の変位を吸収できる構造であれば、その性能を踏まえて有効長を設定します。

曲がり部では、軸方向の伸縮が横方向の変位や曲げに変換される場合があります。曲線半径が小さい区間、複数の曲がりが連続する区間、管路間隔が狭い区間では、伸縮時に隣接管路と接触しないかも確認します。管路一本ごとの伸縮だけでなく、管群全体の挙動を想定することが必要です。

また、管路の勾配が大きい区間では、温度伸縮に加えて自重や施工時の滑動が影響する場合があります。低い側の特殊部や固定部に管路が寄る可能性があるため、管端の位置、支持方法、滑動防止方法などを確認します。ただし、過度に固定すると温度変化による応力を逃がせなくなることもあるため、固定と追従のバランスが重要です。

伸縮量の計算結果は、単に数値を求めて終わりにせず、どの位置にその変位が現れるかを図面上で確認します。特殊部側へ変位するのか、途中の継手で分散するのか、曲がり部に集中するのかを整理し、必要な接続代や離隔に反映させます。

設計確認3 継手の伸縮追従性と接続代を確認する

管路伸縮を安全に吸収するためには、継手の構造と組立状態の確認が欠かせません。継手には、管端を所定の深さまで差し込んで接続するもの、シール材によって止水性を確保するもの、軸方向の変位に一定範囲で追従するものなどがあります。外観が似ていても、許容される差込み量や変位量は製品によって異なります。

設計時には、継手が温度伸縮を吸収できる構造かどうかを製品仕様書で確認します。「継手があるから伸縮を吸収できる」と一律に判断してはいけません。継手が主に接続や止水を目的とした構造であり、軸方向の繰返し変位を想定していない場合もあります。

差込み式の継手では、接続時の差込み位置が重要です。深く差し込みすぎると、温度上昇時に管端がさらに移動する余裕が不足する可能性があります。反対に、差込みが浅すぎると、温度低下による収縮時に継手が抜けたり、必要な止水性能を確保できなかったりするおそれがあります。

そのため、設計図書や施工要領には、標準的な差込み位置だけでなく、施工時温度や想定伸縮量を踏まえた管理方法を示すことが大切です。管端へのマーキング、差込み長の測定、接続後の確認記録などを組み合わせれば、完成後に見えなくなる継手の状態を管理しやすくなります。

管端の切断面も継手性能に影響します。切断面が斜めになっている場合、差込み長を一方向だけで測定すると、反対側の差込みが不足していることがあります。また、切断時のばりや変形が残っていると、シール材を傷つけたり、所定位置まで差し込めなかったりする可能性があります。

継手部分に異物が付着している場合も注意が必要です。土砂、砂粒、水分、油分などが付着すると、接続作業や止水性能に影響することがあります。継手内部を清掃し、製品ごとに定められた方法で組み立てることが前提となります。

温度伸縮が繰り返される区間では、一回の最大変位だけでなく、継手が繰返し変位に対応できるかも確認します。昼夜の温度差は一度だけ発生するものではありません。施工期間中に日射と冷却が繰り返されると、継手に複数回の変位が生じる可能性があります。

複数の継手が連続する区間では、伸縮量がすべて均等に分散するとは限りません。摩擦や接続状態のばらつきによって、動きやすい継手に変位が集中する場合があります。そのため、一本の継手が理論上吸収できる変位量だけを基に区間全体の安全性を判断するのではなく、変位の集中も考慮します。

管路の継手位置は、後工程の施工性にも影響します。曲がり部の直近、特殊部壁面の直近、管路支持部の近くなど、変位しにくい位置に継手を集中させると、組立誤差や温度伸縮の影響を調整しにくくなることがあります。継手位置を平面図や縦断図で確認し、必要に応じて配置を調整します。

止水性能が求められる区間では、伸縮追従性と止水性を別々に確認することも重要です。軸方向の変位を吸収できても、変位後に止水性能が維持されるとは限りません。地下水位が高い区間や特殊部への漏水が問題となる区間では、設計で想定した変位範囲内で止水性が確保できるかを確認します。

継手の仕様が設計条件に合わない場合には、継手だけで問題を解決しようとせず、管路延長の分割、固定位置の変更、伸縮を吸収できる区間の設定、接続部の構造変更などを検討します。管材、継手、支持、埋戻しを一つの系として考えることが、管路伸縮対策の基本です。

設計確認4 特殊部や異種構造物との接続部を確認する

電線共同溝の管路伸縮で変位や応力が集中しやすいのが、特殊部との接続部です。特殊部は一般に管路より剛性が高く、地中での動きも管路とは異なります。そのため、長い管路が温度変化で伸縮すると、特殊部の壁面付近に相対変位が生じる可能性があります。

特殊部への接続部では、管端が壁面や内部設備に接触しないかを確認します。温度上昇によって管路が伸びる方向に移動した場合、管端が特殊部内部へ突出することがあります。突出量が大きいと、ケーブルの曲げ空間を狭めたり、将来の入線作業を妨げたりする可能性があります。

反対に、温度低下によって管路が収縮すると、壁面側の接続部から管端が離れる方向に移動することがあります。接続部の構造によっては、止水材の追従不足、充填材のひび割れ、管端の抜けなどにつながるおそれがあります。特殊部壁面と管路を完全に固定する構造では、相対変位が管材や壁面周辺に応力として作用することも考えられます。

設計では、管路と特殊部の接続方法を詳細図で確認します。単に壁面の開口位置を示すだけでなく、管端の差込み長、接続部の止水方法、充填材の範囲、可とう性の有無、管路支持位置などを整理します。施工者が現場判断だけで管端位置を決める状態を避けることが重要です。

特殊部の近くに曲がり部がある場合は、さらに注意が必要です。管路の軸方向伸縮が曲がり部で横方向へ変換されると、特殊部の開口部に偏った力が作用する可能性があります。管路が開口部の中心からずれた状態で接続されると、温度変化によって接触や局部的な曲げが生じやすくなります。

管路と特殊部の間に異なる材料が使われる場合には、それぞれの熱的特性と剛性の違いを確認します。樹脂系管材と鋼製部材、管路とコンクリート構造物などでは、同じ温度変化でも伸縮量が異なります。異種材料の境界を完全に一体化すると、温度変化による相対変位が拘束される場合があります。

橋梁、擁壁、ボックスカルバート、建築物などに近接して管路を設置する場合も、異種構造物との相対変位を確認します。これらの構造物には、温度変化、活荷重、乾燥収縮、地盤沈下などによる変位が生じる可能性があります。管路側の温度伸縮だけを検討しても、構造物側の動きを考慮しなければ接続部の安全性を判断できません。

橋梁添架部から地中管路へ移行する箇所では、露出部と地中部で温度環境が大きく異なることがあります。露出部は気温や日射の影響を受けやすく、地中部は温度変化が比較的緩やかです。両者の境界では伸縮差が生じやすいため、支持間隔、固定位置、可とう部、管路の余長などを確認します。

特殊部の設置後に周辺地盤が沈下する可能性がある場合には、温度伸縮と地盤変位が重なることも考慮します。軟弱地盤、埋戻し厚が大きい区間、構造物背面などでは、相対沈下によって管路に曲げが生じる可能性があります。そこへ温度による軸方向変位が加わると、継手や接続部の許容範囲を超えるおそれがあります。

接続部の検討では、平面方向だけでなく縦断方向も確認します。管路の勾配変化、特殊部の高さ、基礎の沈下差、管端の上下位置などを整理し、伸縮時にも必要な離隔が確保されるようにします。

完成後に確認できない接続部については、施工写真や測定記録を残す方法も設計段階で定めます。管端の位置、差込み状態、止水材の施工範囲などを記録しておけば、将来の点検や補修時に設計条件と照合しやすくなります。

設計確認5 施工時温度と埋戻し工程を設計条件に反映する

管路伸縮の設計では、完成後の状態だけでなく、施工中の一時的な状態を考慮する必要があります。実際に大きな昼夜温度差を受けやすいのは、管路が露出している施工期間です。したがって、配管から埋戻しまでの工程を設計条件に反映することが重要です。

まず確認したいのは、管材を接続する時間帯です。早朝、日中、夕方では管材温度が異なる可能性があります。特に日射を受けた管材は、気温だけでは接続時の温度を判断できません。設計で想定した温度範囲から大きく外れる場合には、接続時期の変更、遮光、仮養生、差込み位置の調整などを検討します。

ただし、現場で温度に応じて自由に差込み量を変える運用は、管理方法が不明確だと施工ばらつきにつながります。調整が必要な場合には、設計者、施工者、製品供給者などの関係者で方法を確認し、管理値と記録方法を明確にします。

次に、配管後から埋戻しまでの露出時間を確認します。配管した当日に埋め戻す計画であっても、検査、天候、資材搬入、他工種との調整によって露出期間が延びることがあります。設計段階では、予定工程だけでなく、工程が遅れた場合の対応も考えておく必要があります。

管路の一部だけを先に埋め戻す場合には、固定される区間と露出する区間の境界を確認します。部分埋戻しによって管路の一端が拘束されると、露出区間の伸縮が境界付近へ集中する可能性があります。埋戻しの区切り位置を継手や曲がり部の直近に設定すると、不利な変形が生じる場合があるため注意が必要です。

埋戻し材の投入方法や締固め順序も、管路の拘束状態に影響します。片側から偏って埋戻すと、管路が横方向へ押され、温度伸縮とは別の初期変形が生じる可能性があります。その状態で管路が伸縮すると、継手や支持部に複合的な力が作用することがあります。

管路周囲の埋戻しは、設計図書や施工要領に基づき、管路を動かさないよう左右のバランスを確認しながら行います。管路間や管底部に空隙が残ると、完成後に局部沈下や管路変形が生じる可能性があります。一方で、締固めによって管路を過度に変形させないよう、使用する機械や一層の厚さも施工条件に合わせて管理します。

管路を仮固定する場合には、その固定をいつ解除するのか、完成後も残すのかを明確にします。施工中のずれを防ぐための仮固定が、温度伸縮を拘束して過大な応力を生じさせる可能性もあります。反対に、必要な固定が不足すると、管路が浮き上がったり、勾配方向へ滑ったりすることがあります。

夏期施工では、直射日光を避ける仮置き方法や、管材の温度が安定してから接続する方法を検討します。冬期施工では、低温による材料特性や接続作業性の変化にも注意します。製品によっては、施工可能な温度範囲や保管条件が定められていることがあるため、仕様書を確認します。

降雨後の急激な冷却や、散水による温度変化にも注意が必要です。高温になった管材へ冷たい水が接触すると、短時間で温度が変化する場合があります。通常の昼夜温度差だけでなく、現場で起こり得る急激な条件変化を把握しておくことが重要です。

工程表には、管材搬入、仮置き、配管、接続、継手確認、通過確認、埋戻し、締固めなどの工程を関連付けて記載します。単に工種名を並べるだけでなく、管路が露出する期間や、拘束状態が変わるタイミングを把握できるようにします。

設計段階で施工時温度の管理方法を定めておけば、現場で条件が変化した際の判断基準になります。設計条件を超える温度や露出期間が確認された場合には、施工をそのまま進めず、継手位置、管端位置、通過性などを再確認する手順を設定しておくことが有効です。

管路伸縮を抑えるための施工段階の確認

設計で管路伸縮を検討しても、施工時に意図が伝わらなければ対策は機能しません。施工計画書や施工要領書には、温度条件、管材の保管方法、継手の接続方法、差込み長の管理、埋戻し順序、検査方法などを具体的に反映します。

施工前には、採用する管材と継手が設計図書の仕様に一致しているかを確認します。現場で同じ口径に見える管材や継手が混在すると、誤った組合せで施工されるおそれがあります。材質、呼び径、継手形式、製品仕様を照合し、必要に応じて保管場所を分けます。

管材の仮置きでは、局部的な変形や温度上昇を防ぐため、できるだけ平坦な場所に配置します。一部だけが地面や支持材に接触している状態では、日射による温度変化と自重によって変形する可能性があります。長期間の仮置きが見込まれる場合には、製品仕様に適合した支持間隔や積み重ね方法を確認します。

接続前には、管端、継手、シール部などを確認します。差込み位置を示すマーキングを行う場合には、温度条件や製品仕様に基づく位置であることを確認します。マーキング後に管端を追加切断した場合や、管材を別の位置へ転用した場合には、古い印が残って誤認につながらないようにします。

接続後は、外観だけでなく差込み状態を確認します。継手の周囲を一方向から見るだけでは、管路の傾きや斜め差しを見落とすことがあります。可能な範囲で複数方向から確認し、管路中心がずれていないか、継手に偏りがないかを確認します。

管路の線形確認には、通過確認用の器具を利用する方法があります。ただし、通過したことだけで継手の状態や伸縮余裕が適切だと判断することはできません。線形、接続状態、管端位置、通過性を組み合わせて確認することが重要です。

施工中の管路位置を測量で記録する場合には、測点名、管路番号、測定時刻、施工区間などを関連付けます。LRTK Phoneなどの測位機器を活用して管路位置を記録する場合も、衛星測位の結果だけに依存せず、基準点、座標系、測位状態、現地寸法、施工図との整合を確認します。

温度と管端位置の関係を把握したい場合には、同一箇所を異なる時間帯に確認する方法もあります。ただし、測定値には測定誤差や施工中の外力による変位も含まれるため、わずかな差をすべて温度伸縮と断定しないことが重要です。測定条件をそろえ、設計上想定した変位との関係を確認します。

埋戻し前には、特殊部接続部、曲がり部、継手集中部、固定部の近くを重点的に確認します。伸縮による異常がある場合、管端の突出、継手マーキングの移動、管路の蛇行、支持部とのずれなどとして現れることがあります。

問題が確認された場合は、外観を整えるために無理に管路を押し戻すのではなく、原因を確認します。高温による伸び、低温による縮み、継手の組立不良、管路の滑動、埋戻しによる偏圧など、原因によって必要な対応は異なります。

埋戻し直前の状態は、完成後には確認できなくなります。そのため、継手位置、差込み状態、管端位置、管路線形、接続部、測定結果などを施工記録として残します。写真を撮影する場合には、全景だけでなく、対象の管路番号や位置関係が分かるように記録します。

完成後の維持管理に伸縮確認をつなげる方法

電線共同溝の管路伸縮対策は、埋戻しが完了した時点で終わるものではありません。完成後にケーブルを入線する際や、特殊部を点検する際にも、設計時に想定した状態が維持されているかを確認することが大切です。

入線前の確認では、管路内の通過性、管端の状態、特殊部内への突出量、管路番号との整合などを確認します。施工時には問題がなくても、埋戻し後の初期沈下や周辺工事の影響によって、管路線形が変化している可能性があります。

特殊部内部では、管端周辺の止水材や充填材にひび割れ、隙間、漏水跡がないかを確認します。これらの異常がすべて温度伸縮によるものとは限りませんが、管路と特殊部の相対変位を把握する手掛かりになります。

管端が当初の記録より大きく突出している場合には、単に切り縮める前に原因を確認します。管路全体が移動しているのか、継手がずれているのか、特殊部側が変位しているのかによって対応が異なります。原因を確認せずに管端だけを処理すると、別の位置で接続余裕が不足している状態を見逃す可能性があります。

反対に、管端が壁面側へ引き込まれている場合には、継手の抜け、止水部の隙間、管路の収縮などを確認します。見える部分だけを充填材で覆うと、管路の接続状態を確認できなくなるため注意が必要です。

維持管理記録には、異常の有無だけでなく、確認した位置、時期、気象条件、管端位置、漏水状況などを残します。同じ位置を継続して確認すれば、一時的な変化なのか、進行している変化なのかを判断しやすくなります。

管路伸縮による変位は、季節によって変化する可能性があります。夏期点検と冬期点検で管端位置が異なる場合でも、直ちに異常とは限りません。設計上の想定範囲、継手の許容変位、止水状態、ケーブルへの影響などを総合的に判断します。

ケーブルが入線された後は、管路の伸縮がケーブルへ影響しないかも考慮します。管端周辺でケーブルの余長が不足している場合や、曲げが集中している場合には、管路のわずかな変位でもケーブルに力が作用する可能性があります。管路とケーブルは別々に管理するのではなく、特殊部内の配置を含めて確認することが重要です。

補修工事や追加配管を行う際には、既設管路がどの位置で固定され、どの継手が変位を吸収しているかを確認します。既設管路を途中で固定したり、コンクリートで一体化したりすると、それまで分散していた伸縮が別の位置へ集中する可能性があります。

設計時の計算書、施工時の管端位置、継手の記録、完成図、点検記録を関連付けて保存しておけば、異常が生じた際に原因を追いやすくなります。記録形式を統一し、管路番号や特殊部番号を共通の識別情報として使用することが有効です。

まとめ

電線共同溝の昼夜温度差による管路伸縮を抑えるためには、温度差だけを見るのではなく、材料、管路延長、拘束条件、継手、特殊部接続、施工工程を一体として確認する必要があります。

第一の確認は、採用する管材の線膨張係数と、施工中を含む想定温度差を明確にすることです。気温だけでなく、日射を受ける管材の温度や、仮置きから埋戻しまでの温度変化を考慮します。

第二の確認は、管路延長と拘束条件から、伸縮量がどこに現れるかを把握することです。管路が長いほど自由伸縮量は大きくなりますが、実際の変位は土との摩擦、固定部、曲がり部、埋戻し順序などによって変わります。

第三の確認は、継手の伸縮追従性と接続代です。差込みが深すぎても浅すぎても問題につながる可能性があります。製品仕様に基づき、接続時温度、差込み位置、止水性、繰返し変位への対応を確認します。

第四の確認は、特殊部や異種構造物との接続部です。剛性や温度環境が異なる境界では、相対変位が生じやすくなります。管端の突出、引込み、止水材の追従、曲がり部への応力集中などを詳細図で確認します。

第五の確認は、施工時温度と埋戻し工程の反映です。露出期間、接続時間帯、部分埋戻し、仮固定、締固め順序などによって、管路の拘束状態は変化します。完成状態だけでなく、施工中の一時的な状態も設計条件として扱うことが重要です。

管路伸縮の設計は、計算値を求めるだけでは十分ではありません。計算した伸縮量を継手位置、管端位置、支持方法、埋戻し工程、施工記録へ具体的に反映することで、初めて現場で有効な対策になります。

電線共同溝の条件は、道路構造、土質、地下水、管材、特殊部間隔、施工時期などによって異なります。一般的な目安だけで判断せず、採用製品の仕様、道路管理者の基準、契約図書、現地条件を確認し、必要に応じて設計者、施工者、管理者、製品供給者などの関係者間で協議してください。

昼夜温度差による伸縮を設計段階から丁寧に確認することは、継手の抜けや管端の干渉を防ぐだけでなく、将来の入線性、止水性、点検性を確保することにもつながります。設計、施工、記録、維持管理を連続した管理として捉えることが、長期的に安定した電線共同溝を整備するための基本となります。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

LRTK Phoneの使い方・実例を見る
資料請求導入相談
現場をスマホで3DスキャンLRTK Phone実例を見る