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電線共同溝の管路気密不良を発見する6つの試験手順

電線共同溝の管路は、電力線や通信線などを収容するための重要な設備です。設計図書や試験要領で気圧試験、管路接続性能試験などの対象とされた管路では、継手、端部、特殊部との接続箇所などに漏えいがないかを確認することで、接続不良や水密性に関わる不具合の兆候を把握できます。

ただし、空気を使う試験は、すべての管種や管径へ一律に適用されるものではありません。公的な電線共同溝の管路試験要領の一例でも、管種と管径によって気圧試験の適用可否が分かれ、通過試験と気圧試験が区別されています。したがって、現場で独自に試験を追加したり、他現場の数値をそのまま流用したりせず、まず適用図書を確認する必要があります。([CGR][1])

また、管路に空気を送り込んで圧力を確認するだけでは、信頼できる判定にはなりません。試験区間の設定、管内清掃、端部封止、試験設備自体の漏れ確認、加圧後の安定化、温度変化の記録、漏えい箇所の絞り込みまでを一連の手順として管理することが重要です。準備が不十分なまま試験を実施すると、管路本体に問題がないにもかかわらず、仮設栓や測定機器からの漏れによって不合格と判断するおそれがあります。

電線共同溝の構造、使用する管材、継手形式、管径、延長、施工条件は現場ごとに異なります。そのため、試験圧力、保持時間、許容される圧力低下量などは一律に決めず、設計図書、特記仕様書、管路試験要領、発注者の基準、占用事業者との協議内容、管材と試験器具の仕様を確認して設定します。公的要領の中でも、特定の通信管路について個別の試験圧力、保持時間、許容低下量を示す例があるため、数値条件は対象管路に適用される文書を根拠に決める必要があります。([CGR][1])

この記事では、設計図書などで空気による気密性または接続性能の確認が求められる電線共同溝の管路を対象に、6つの試験手順を準備段階から不良箇所の特定、補修後の再試験まで順番に解説します。

電線共同溝の管路で気密試験が必要になる理由

電線共同溝の管路は、施工後にケーブルを収容するための通路として使用されます。管路内部に土砂、地下水、モルタル、異物などが入り込むと、通線用ロープが通らない、ケーブルが途中で引っ掛かる、必要な通過断面を確保できないといった問題につながるおそれがあります。

空気による試験は、管路の接続状態や漏えいの有無を間接的に確認する方法です。空気が漏れる箇所が見つかった場合は、水や細粒分が浸入する可能性も含めて接続部の健全性を詳しく調べる必要があります。ただし、空気漏れの有無だけから、実際の地下水流入量や将来の浸水を直接算定できるわけではありません。

気密試験は、すべての電線共同溝管路に必須となる共通試験ではありません。管種、管径、用途、占用者の仕様、発注者の試験要領によっては、通過試験を実施し、気圧試験を適用しない場合や、省略可能とする場合があります。試験の目的を「とりあえず圧力をかけること」とせず、適用図書が求める試験項目と判定対象を最初に確認することが大切です。

管路の気密不良や接続不良が起こりやすい箇所としては、管と管を接続する継手部、管路と特殊部の取り付け部、ベルマウスや端末部、曲線施工部、切り回し部、現場加工部などが考えられます。継手の差し込み不足、接合面への土砂付着、ゴム輪のねじれ、接着工程の不備、管端の変形、埋戻し時の移動などが重なると、完成後に所定の接続性能を確保できない場合があります。

特に地下水位が高い場所、降雨時に水が集まりやすい場所、道路縦断の低い部分、特殊部周辺、埋戻し時に管路へ外力が加わりやすい場所では、接続部の状態を慎重に確認します。ただし、現場条件だけを理由に試験圧力を上げるのではなく、適用基準の範囲内で試験し、必要に応じて目視、通過試験、施工記録の照合などを追加します。

気密試験は管路のすべての品質を確認できる試験ではありません。圧力が保持されても、管内に段差、偏平、局部変形、異物残留がある可能性は残ります。そのため、適用図書に従い、通過試験、導通確認、管内清掃、内面確認などと組み合わせて総合的に品質を判断します。

空気による気圧試験と、実際に水を用いる水圧試験や水密試験も同じものではありません。空気による試験は、接続部の水密性を確認するための代替的または間接的な方法として用いられることがありますが、現地の地下水圧、長期作用、地盤変位まで再現するものではありません。反対に、温度変化や試験器具の漏れによって圧力が低下しても、直ちに管路本体の不良とは断定できません。試験の目的、適用範囲、限界を理解したうえで条件を設定することが重要です。

手順1 試験条件と対象区間を明確にする

最初の手順は、気密試験の適用対象、対象区間、判定条件を明確にすることです。現場で試験を始める前に、どの管路を、どの端部から、どの圧力で、どの安定時間と保持時間により確認するのかを整理します。

対象区間が曖昧なまま試験を行うと、試験結果と実際の管路番号が一致しなくなるおそれがあります。電線共同溝では、電力用、通信用、引込用、予備用など、複数の管路が並行して配置されることがあります。特殊部内での管路配置と図面上の番号が一致しているかを確認し、試験対象を現地で識別できるようにしておく必要があります。

最初に、対象管路へ空気による試験を適用できるかを確認します。管材や継手が空気圧試験を前提としていない場合、端部を安全に封止できない場合、設計図書で別の確認方法が指定されている場合は、現場判断で加圧してはいけません。疑義があるときは、発注者、設計者、占用事業者、管材の供給者などと確認し、承認された試験方法を文書化します。

試験区間は、両端を安全かつ確実に封止でき、対象範囲を特定できる区間として設定します。区間が長く管内容積が大きいと、所定圧力までの加圧や温度安定に時間がかかり、不合格時の位置特定も難しくなります。反対に区間を細かく分けすぎると、封止作業と試験回数が増え、仮設部からの漏れを持ち込む機会も増えます。

適切な区間長は、管径、管材、継手数、線形、施工順序、特殊部の配置、試験設備の能力、端部拘束の方法などを考慮して決めます。最初に比較的長い区間を試験し、不合格となった場合に既設の特殊部や点検可能箇所で分割して絞り込む方法もあります。ただし、分割用の開口部がなく、切断しなければ区切れない構造では、事前の施工計画が必要です。

試験圧力と保持時間については、現場担当者の経験だけで決めてはいけません。設計図書、特記仕様書、施工管理基準、管路試験要領、管材と継手の仕様、発注者や占用事業者との協議結果を確認します。基準に明記がない場合は、関係者間で試験の目的、条件、測定方法、合否判定、再試験方法を事前に決め、承認記録を残します。

試験圧力は、高くすれば不良を発見しやすくなるとは限りません。管材、継手、封止栓、ホース、圧力計などのうち、最も低い許容圧力を超えない構成としなければなりません。空気は圧縮されるため、封止部や接続部が破損した場合には蓄積されたエネルギーが急激に解放されます。圧力試験では、この蓄積エネルギーによる重大な危険を前提に、設備選定と立入管理を行う必要があります。([HSE][2])

試験前には、管路番号、試験区間、用途、管径、管材、延長、継手数、試験日、施工時期、周辺温度、使用機器、適用基準、試験条件、判定基準などを試験票に記入します。先に記録様式を整えておけば、試験中の記入漏れを減らせます。

施工図と現地の管口配置が一致しない場合は、そのまま試験を進めず、原因を確認します。管路番号の取り違えは、合格した管路を未試験と判断したり、不合格の管路を合格扱いしたりする原因になります。識別表示が消えている場合は、承認された導通確認方法や通線具を利用し、両端の対応関係を確定させてから気密試験を開始します。

手順2 管内清掃と目視確認を行う

対象区間を確定したら、管内清掃と管口周辺の目視確認を行います。管内に水、泥、砂、コンクリート片、接着剤や充填材のはみ出しなどが残っていると、試験結果の解釈を難しくするだけでなく、将来の通線作業にも支障を及ぼします。

まず、両端の管口を確認し、管端に割れ、欠け、変形、偏平、著しい傷がないかを調べます。封止栓が接触する部分に凹凸や異物があると、管路本体ではなく管口と栓の間から空気が漏れる可能性があります。管端面が斜めに切断されている場合や、切断時のばりが残っている場合も、封止不良の原因になります。

管口周辺のモルタルやコンクリートにひび割れ、空洞、剥離などがないかも確認します。特殊部の壁を貫通する部分では、管路と躯体の取り合い部が水や土砂の浸入経路になることがあります。気密試験で管内圧力が低下した場合、管同士の継手だけでなく、特殊部との接続部も確認対象になります。

管内清掃では、施工中に入り込んだ土砂や水分を取り除きます。清掃方法は管径、延長、線形、管路の状態、適用図書に応じて選びます。通線具に清掃用具を取り付けて引き通す方法、吸引設備を使用する方法、承認された清掃具を管内に通す方法などがあります。

圧縮空気を清掃や線通しに使用する場合は、管内の異物が反対側から勢いよく飛び出す危険があります。排出口の正面に人を立たせず、飛散防止と立入規制を行います。管路内に水がたまっていると、水や泥が噴出する可能性もあるため、排出方向と周辺設備への影響を確認します。

清掃後は、適用図書に従って管内の通過性を確認します。適切な寸法のマンドリル、確認具、試験棒、テストケーブルなどを通すことで、管内の著しい変形、継手部の段差、異物残留などを発見できる場合があります。ただし、確認具の寸法と形状は、管路の内径、曲線条件、管種、発注者や占用事業者の基準に合わせて設定します。

確認具を無理に引っ張ると、管内で詰まったり、継手部や管内面を傷めたりするおそれがあります。途中で抵抗が急に増えた場合は、強引に作業を続けず、通過位置や施工記録から原因を確認します。気密試験の前に通過性を確認しておくことで、圧力保持性能と管路内断面の問題を区別しやすくなります。

管内に水が残っていると、空気が占める有効容積が変わり、水の移動によって圧力挙動が不安定になることがあります。また、低部にたまった水が空気空間を複数に分けるような状態では、加圧側で読んだ圧力だけから区間全体の状態を評価しにくくなります。水があるから必ず圧力が伝わらないと断定するのではなく、試験条件が再現できない要因として扱い、排水可能な水を除去したうえで試験します。

管内の残水量や位置を正確に把握できない場合は、圧力低下量を単純比較しても信頼性が低くなります。排水が困難なときは、適用図書と関係者協議に基づき、別の確認方法や再試験条件を決めます。現場の都合で判定基準だけを緩和してはいけません。

清掃後に再び土砂や雨水が入らないよう、試験まで時間が空く場合は仮蓋や養生を行います。管口を開放したままにすると、短時間でも異物や小動物が入り込むことがあります。清掃完了日時と養生状態を記録し、試験直前にも管口を再確認します。

手順3 管口を確実に封止して試験設備を組み立てる

気密試験では、試験対象となる管路の両端を確実に封止します。一方の端部には、加圧用の配管、圧力調整器、圧力計、遮断弁、排気弁、必要な安全装置などを接続し、反対側には管径と試験条件に適合した封止栓を取り付けます。

封止栓には、管内に差し込んで拡張固定する形式や、管口を外側から覆う形式などがあります。どの形式を使用する場合でも、対象管の内径または外径に適合し、予定する試験圧力と管路条件に使用できることを仕様書で確認します。寸法や用途が合わない栓を無理に使用すると、漏れ、移動、脱落の原因になります。

封止前には、栓と接触する管内面または管外面を清掃します。砂粒、泥、油分、切削くずなどが挟まると、密着性が低下します。ゴム部分に傷、硬化、変形がある場合や、金具に腐食、変形、ねじ損傷がある場合は使用せず、正常な部品へ交換します。

栓を締め付ける形式では、片側だけを強く締めるのではなく、器具の取扱説明に従って均等に固定します。締め付け不足は漏れや脱落の原因になりますが、過度な締め付けも管端やゴム部品を損傷させる可能性があります。使用前点検、取り付け寸法、締め付け状態を確認し、必要な場合は確認者を置きます。

封止栓には、内圧と管口面積に応じた押し出し力が作用します。そのため、摩擦だけに依存した不適切な固定を避け、器具の仕様と試験計画に基づく抜け止め、拘束、飛来防止措置を講じます。栓の正面、背面、延長線上を危険区域として扱い、加圧中は立ち入らせません。

加圧側には、空気の流入を停止できる遮断弁を設けます。加圧源を接続したまま保持試験を行うと、微量の空気が供給され続け、管路に漏えいがあっても圧力が維持されることがあります。規定圧力まで加圧した後は、試験要領に従って試験区間を加圧源から切り離すか、確実に遮断し、保持対象の範囲を明確にします。

圧力調整器は、加圧源の圧力を直接管路へ作用させないために使用します。さらに、試験設備の構成と危険度に応じて、安全弁や逃し機構などにより意図しない過圧を防止します。設定値は管路、継手、栓、ホース、バルブ、計器の許容範囲を超えないようにします。

圧力計は、試験圧力を読み取りやすい測定範囲のものを選びます。測定範囲が広すぎる圧力計では、許容される小さな圧力低下を読み取りにくくなります。反対に、上限付近で使用すると、過圧時に測定範囲を超えるおそれがあります。試験条件に適した測定範囲、分解能、精度を持つ機器を使用します。

圧力計や記録装置は、必要な精度が確保され、点検または校正の状態を確認できるものを使用します。同じ管路を別の圧力計で測定したときに結果が大きく異なる場合は、管路の不良を疑う前に測定機器、接続方法、ゼロ点の状態を確認します。

配管、継手、ホース、バルブにも漏れがないことを確認します。試験設備そのものから空気が漏れていると、管路不良と同じように圧力が低下します。使用前に試験設備だけを閉止して確認する方法や、材料に適合する漏えい確認液を接続部へ使用する方法などにより、器具側の健全性を確認します。

漏えい確認液を使用する場合は、管材、ゴム部品、金属部品を劣化させず、将来収容するケーブルや管内環境に悪影響を与えないものを選びます。使用可能な液が指定されている場合は、その指示に従い、必要な拭き取りや清掃を行います。

試験設備の組み立て後は、管路番号、加圧側、封止側、圧力計番号、栓の形式、拘束状態、バルブ位置、排気経路、危険区域を確認します。写真を撮影する場合は、管路番号と試験設備の配置が同時に分かる全景と、圧力計や封止状態が分かる詳細を記録します。

手順4 規定圧力まで段階的に加圧して安定させる

試験設備の設置が完了したら、管路内を段階的に加圧します。最初から急激に規定圧力まで上げるのではなく、低い圧力で封止部、接続部、ホース、バルブの状態を確認しながら進めます。

初期加圧の段階で大きな漏れがある場合は、圧力が上がらない、空気音が聞こえる、封止栓周辺に漏れが生じる、栓やホースが動くなどの兆候が現れます。この状態で加圧を続けると、栓の脱落や設備の損傷につながる可能性があります。異常が見られた場合は加圧を停止し、立入規制を維持したまま、定められた排気経路から安全に減圧して原因を確認します。

規定圧力に到達した直後は、適用要領が安定時間を求める場合、その時間を経ずに保持判定を始めてはいけません。加圧された空気は温度が上昇し、その後に周囲温度へ近づく過程で圧力が低下することがあります。この低下を漏えいと誤認すると、健全な管路を不合格と判定する可能性があります。

管内容積が大きい場合は、所定圧力まで空気を充填する時間が長くなります。また、加圧側のホースや露出部と、地中の管路とでは温度条件が異なるため、加圧後の熱的な安定に時間を要することがあります。単に長い管路だから反対側へ圧力が伝わらないと考えるのではなく、残水、閉塞、バルブ状態、温度変化を含めて圧力が安定しない原因を確認します。

安定化の途中で圧力が下がった場合、無制限に空気を追加してはいけません。適用要領で認められた範囲で圧力を調整し、低下の傾向と試験設備の状態を確認します。温度安定による低下であれば、時間の経過とともに変化が小さくなる場合があります。低下が継続する場合は、封止部や試験設備の漏れも疑います。

外気温と日射も試験結果に影響します。直射日光が当たる場所では、圧力計や露出したホースが温められ、測定値が変化することがあります。朝夕の温度差が大きい時間帯や、日なたと日陰が切り替わる場所では、保持中の圧力変化が管路の漏えいだけによるものではない可能性があります。

試験開始時、保持開始時、終了時の気温を記録し、温度計の測定位置も残します。特殊部内と地上部で温度が異なる場合は、代表値だけでなく測定位置を明確にします。より厳密な管理が必要な場合は、管内空気温度、周囲温度、大気圧の扱いを試験要領で定めます。

加圧に使用する空気は、必要に応じて水分や油分の影響に配慮します。加圧設備から多量の油分や水分が送り込まれると、管内を汚染する可能性があります。将来ケーブルを収容する管路では、管材とケーブルに適合する清浄な空気を使用し、必要な分離器やフィルターを設けます。

加圧中は、圧力計だけでなく、封止栓、拘束具、ホース、バルブ、管口周辺を安全な位置から監視します。異常音、栓の移動、ホースの膨れ、接続部の振動などが見られた場合は、作業を中断します。圧力がかかっている状態で締め直しや位置調整を行わず、残圧がないことを確認してから対応します。

規定圧力へ到達し、所定の安定化を行った後、試験要領に従って開始圧力を調整します。その時点を保持試験の開始時刻とし、初期圧力、温度、天候、バルブ状態、測定者、確認者などを記録します。

手順5 保持中の圧力変化を記録して気密性を判定する

圧力が安定したら、定められた時間にわたって圧力を保持し、変化を記録します。開始時と終了時だけを確認する方法が指定される場合もありますが、途中値の記録が認められているときは、測定時刻を決めて記録すると圧力変化の経過を把握しやすくなります。

保持開始直後に低下し、その後は安定している場合は、温度変化、封止部のなじみ、測定系の影響などが考えられます。時間の経過とともに圧力が低下し続ける場合は、継続的な漏えいの可能性があります。ただし、圧力曲線の形だけで原因や漏えい位置を断定せず、温度、残水、試験設備の状態と合わせて判断します。

判定は、事前に定めた試験圧力、安定時間、保持時間、許容圧力低下量、測定精度などに基づいて行います。現場ごとに都合のよい基準へ変更すると、管路間で判定の一貫性が失われます。試験中に条件変更が必要になった場合は、その場で合格扱いにせず、発注者や関係事業者と協議し、変更理由と再試験条件を記録します。

圧力が許容範囲内に保たれた場合でも、試験設備に異常がなかったことを確認します。遮断弁が閉じていない、加圧源から微量の空気が供給されている、圧力計の指針が固着している、記録装置の更新が停止しているといった状態では、正しい判定ができません。

保持試験の終了後に、安全な手順で排気弁を操作し、圧力計が正常に変化するかを確認することも有効です。圧力を抜いても指針が動かない場合やゼロへ戻らない場合は、測定機器の不具合が疑われます。その場合は試験結果を確定せず、機器を交換または確認して再試験します。

試験中に圧力が基準を超えて低下した場合は、まず仮設設備を確認します。封止栓、ホース接続部、圧力計取り付け部、バルブ、分岐部など、目視可能な箇所へ適合する漏えい確認液を使用し、気泡が発生しないかを確認します。耳で聞こえる空気音だけに頼ると、小さな漏れを見逃す可能性があります。

仮設設備に漏れが見つかった場合は、圧力を安全に抜き、残圧がないことを確認したうえで締め直しや部品交換を行い、安定化から試験をやり直します。途中から圧力を追加して保持時間を延長するだけでは、統一された条件での判定になりません。

仮設設備に異常がなく、同じ条件の再試験でも圧力が基準を超えて低下する場合は、管路側の接続不良を疑います。ただし、管内に残った水の移動、温度変化、栓の微小なずれ、計器の誤差なども再確認します。再現性を確認することは有効ですが、不合格試験を合理的な根拠なく何度も繰り返し、偶然の合格値だけを採用してはいけません。

複数の管路を連続して試験する場合は、各管路の開始圧力、途中値、終了圧力、保持時間、温度、判定を個別に記録します。後からまとめて記入すると、数値や管路番号を取り違える可能性があります。試験完了ごとに現場で記録を確定し、測定者と確認者が内容を照合します。

合格となった管路は、試験後に再び異物や水が入らないよう端部を養生します。試験のために取り外した仮蓋や保護材を復旧し、管路番号表示も確認します。試験合格後からケーブル収容までの間に別工事が行われる場合は、衝撃、移動、土砂流入などから管路を保護します。

手順6 漏えい箇所を特定して補修後に再試験する

管路側の気密不良が疑われる場合は、漏えい箇所を特定します。長い区間を一度に試験している場合、圧力低下だけでは不良位置を判断できません。そのため、図面、施工記録、継手位置、埋戻し状況、施工時の異常記録、写真などを確認しながら調査範囲を絞ります。

最初に確認したいのは、特殊部との接続部と管口付近です。これらの箇所は目視や漏えい確認を行いやすく、施工時の位置ずれや固定不足が現れやすい部分でもあります。管路と壁面の取り合い部、端末部品、ベルマウス周辺、露出継手などに空気の漏れがないかを安全な方法で確認します。

次に、管路の継手位置を施工図や写真記録から確認します。継手の差し込み不足、接合面の汚れ、ゴム輪の変形、管端の損傷などがあると、漏えいが発生する可能性があります。ただし、継手は埋戻し後に直接確認できない場合が多いため、無計画に掘削するのではなく、施工記録、地上条件、他工事履歴を利用して可能性の高い箇所を絞ります。

試験区間を既設の特殊部や開口部で分割できる場合は、中間地点で区切り、同じ条件で再度試験します。長い区間を複数に分けて比較すれば、不良が含まれる範囲を狭められます。分割のたびに新しい封止部が増えるため、仮設設備の漏れを管路不良と誤認しないよう、各封止部を確認します。

分割のために管路を切断すると、新たな接続部が必要になり、通過性と気密性の両方にリスクが増えます。既設の特殊部、中間接続部、点検可能な開口部などを利用できるかを先に検討します。切断が必要な場合は、発注者や関係事業者と補修方法を協議し、必要内径、曲げ条件、継手性能を損なわない方法を選びます。

目視できる部分では、適合する漏えい確認液などを用いて気泡の発生箇所を確認できます。埋設区間では、施工記録との照合、区間分割、必要に応じた専門的な調査方法を組み合わせます。音による確認は周囲の騒音や地盤条件の影響を受けるため、音が聞こえたことだけで掘削位置を断定しません。

漏えい箇所が特定できたら、原因に応じた補修を行います。継手部の不良であれば、損傷部分を適切な範囲で撤去し、設計条件に適合する接続部材で再接続する方法が考えられます。特殊部との接続部であれば、管路の位置、固定状態、周辺の充填状態、防水処理との取り合いを確認し、承認された方法で補修します。

現場判断で管内側へ充填材やシール材を多量に注入すると、気密性が一時的に回復しても、通線断面を狭めたり、ケーブルを損傷させる突起を生じさせたりする可能性があります。使用材料の適合性、耐久性、施工可能温度、硬化条件を確認し、必要な承認を得ます。

補修後は、内径、段差、曲がり、管内清掃状態、端部表示を確認します。適用図書に定める通過試験や導通確認がある場合は、それを再度実施します。気密性だけを優先し、将来のケーブル収容に支障を残してはいけません。

補修完了後は、対象区間を清掃し、原則として最初と同じ適用条件で再試験します。試験圧力や保持時間を低くして合格させることは適切ではありません。条件を変更する必要がある場合は、変更の技術的根拠と承認を記録します。

再試験で合格した場合は、補修位置、原因、補修方法、使用材料、施工日、通過確認結果、再試験結果を記録します。将来の維持管理や改修工事では、補修履歴が重要な情報になります。図面上に位置を反映し、写真と試験記録を関連付けて保存します。

再試験でも圧力低下が続く場合は、別の漏えい箇所が存在する可能性があります。一つ目の不良を補修したことで、別の小さな漏れが判定に現れることもあります。再び仮設設備を確認したうえで、区間分割や施工記録の照合を行い、原因が特定できるまで合格扱いにしません。

試験結果を誤判定しやすい主な原因

電線共同溝の管路気密試験では、管路本体の不良以外にも圧力低下や異常な圧力保持が発生します。誤判定を防ぐには、影響要因を事前に把握し、試験設備と環境条件を含めて確認することが重要です。

代表的な原因は、封止栓の取り付け不良です。管径に合わない栓を使用した場合、締め付けが不足している場合、管口に砂や泥が付着している場合は、栓と管の隙間から空気が漏れます。栓の位置、締め付け、ゴムの状態、拘束方法を試験ごとに確認します。

試験ホースや継手部からの漏れも見逃せません。ホースの劣化、接続金具の緩み、シール部の不良、バルブの閉鎖不足などがあると、管路が健全でも圧力が低下します。試験設備は繰り返し使用されるため、外観上問題がなくても内部部品が摩耗している可能性があります。

温度変化も大きな影響要因です。加圧直後の空気が冷えると圧力は低下し、日射や気温上昇によって温められると圧力が上昇することがあります。開始時と終了時の温度条件が大きく異なる場合は、単純な圧力差だけで原因を判断せず、適用要領に定める扱いを確認します。

管路の一部に水が残っている場合は、空気の有効容積が変わり、水面や水塊の移動によって測定値が安定しにくくなることがあります。管路に縦断勾配があり、低い部分へ水が集まっている場合は、排水状況を確認します。残水によって下流側へ全く圧力が伝わらないと一律に決めつけず、区間内の圧力状態を正しく評価できない要因として扱います。

圧力計の選定不良も誤判定につながります。最小目盛や分解能が判定基準に対して粗い圧力計では、小さな圧力変化を適切に読み取れません。また、指針の視差、読み取り位置、記録時刻のずれなど、人為的な誤差も発生します。測定者ごとに読み方が変わらないよう、記録方法を統一します。

加圧源が完全に遮断されていない場合は、漏えいしている管路でも圧力が維持される可能性があります。反対に、遮断弁や排気弁から空気が漏れ、圧力低下が発生する場合もあります。試験設備の構成を理解し、どの部分までが保持対象になっているかを図示または記録します。

試験対象の管路を取り違えることも重大な誤りです。管路番号が多い現場では、加圧側と反対側の対応関係を誤認しやすくなります。試験前に両端の対応を確認し、写真や試験票へ識別表示を記録します。

保持時間の計測開始時点が統一されていない場合も、結果を比較できません。規定圧力に達した瞬間を開始とするのか、所定の安定時間を経過して圧力を調整した時点を開始とするのかは、適用要領に従います。現場ごと、測定者ごとに開始時点を変えてはいけません。

大気圧や温度を補正する必要がある試験方法では、補正方法を統一します。一方、適用要領が短時間のゲージ圧確認として規定している場合に、独自の複雑な補正を加えて合否を変更することも避けます。適用文書が定める測定方法を優先します。

気密試験時に守るべき安全管理

空気を使用する気密試験では、圧縮された空気が持つ蓄積エネルギーに注意が必要です。試験圧力が比較的低くても、管径が大きく区間が長ければ、管内に蓄えられる空気量は増えます。封止栓、継手、ホース、部品が突然外れると、飛来や急激な空気放出による重大な事故につながるおそれがあります。

試験前に、管路、封止栓、拘束具、ホース、バルブ、圧力計、圧力調整器、安全装置の使用範囲を確認します。試験系を構成する機器のうち、最も低い許容圧力を超えないよう、供給圧力と安全装置を設定します。加圧源の最大圧力をそのまま管路へ加えられる構成は避けます。

封止栓の正面と延長線上、ホース継手や仮設配管の飛来方向には立入区域を設け、加圧中は人を近づけません。危険区域の広さは、圧力、管内容積、部品の飛来可能性、周囲の構造を踏まえて試験計画で定めます。注意喚起だけに頼らず、柵や標識などで第三者の進入を防ぎます。

栓の取り付け、締め直し、漏えい確認、部品交換は、必ず加圧源を遮断し、定められた方法で排気し、残圧がないことを確認してから行います。圧力計がゼロを示していても、閉止されたホースやバルブの間に圧力が残る場合があるため、排気経路とゼロエネルギー状態を確認します。

加圧操作は、試験責任者の指示に基づいて行います。複数人が別々にバルブを操作すると、意図しない加圧や急減圧が起こる可能性があります。誰が加圧し、誰が圧力を確認し、誰が危険区域を監視するかを決め、合図と中止条件を共有します。

ホースは車両や作業員の動線を避けて配置します。通路を横断する場合は、踏みつけ、引っ掛かり、車両による損傷を防ぐ措置を行います。ホースが抜けたり、継手が破損したりすると、ホースの暴れや部品の飛散が起こる可能性があります。

特殊部やハンドホールの内部へ立ち入る場合は、圧力試験とは別に、酸素欠乏、有害ガス、浸水、転落などの危険を評価します。雨水や湧水が滞留したマンホールでは酸素欠乏災害の事例があり、作業前の酸素濃度測定、必要な換気、作業主任者、監視、救出用具など、法令と現場条件に応じた措置が必要です。換気したという事実だけで安全と判断せず、測定により確認します。([あんぜんサイト][3])

道路上で試験を行う場合は、交通規制と第三者災害の防止も必要です。試験設備やホースが歩行者、自転車、車両の通行を妨げないように配置し、必要な保安施設を設置します。圧力計の確認担当者と交通監視担当者を分け、作業への集中による周囲確認不足を防ぎます。

減圧時も急激な排気を避けます。空気とともに管内の水、砂、異物が排出口から飛び出す可能性があります。排気方向を安全な場所へ向け、必要に応じて飛散防止措置を設け、周囲に人や設備がないことを確認します。

試験中に異常が発生した場合は、危険区域へ近づいて手で押さえたり、加圧状態のまま締め直したりしてはいけません。安全な位置から加圧源を遮断し、残圧を解放してから原因を調べます。緊急時の停止、退避、連絡方法を試験前に決めておきます。

電線共同溝の品質記録として残すべき情報

気密試験は、実施しただけでは品質証明になりません。どの管路を、どの根拠で試験対象とし、どの条件で試験し、どのような結果が得られたかを追跡できる記録が必要です。

記録には、工事名、施工場所、試験日、試験時刻、天候、気温、温度測定位置、試験担当者、確認者を記載します。試験対象については、路線名、特殊部番号、管路番号、用途、管径、管材、継手形式、区間長、継手数などを整理します。

試験条件としては、試験を適用する根拠文書、使用した封止栓の形式、拘束方法、圧力計の識別番号、測定範囲、分解能、点検または校正状態、加圧方法、規定圧力、安定時間、保持時間、許容圧力低下量を記録します。試験要領書や適用基準の名称、版、該当箇所も記載しておくと、後から判定根拠を確認できます。

測定結果には、加圧開始時刻、安定化開始時刻、保持開始時刻、開始圧力、途中圧力、終了時刻、終了圧力、圧力低下量、温度、判定を記載します。途中測定を行った場合は、その時刻ごとの数値を残します。自動記録を使用した場合は、記録間隔、時刻設定、データ欠落の有無も確認します。

不合格となった場合は、仮設設備の確認結果、漏えい箇所の調査方法、特定した位置、推定原因、補修内容、使用材料、通過確認、再試験条件、再試験結果を記録します。不合格の記録を削除して最終結果だけを残すのではなく、問題発生から是正完了までの経過を保存します。

写真記録では、管路番号、試験設備の全体、封止栓と拘束状態、バルブ状態、圧力計の表示などが分かるように撮影します。圧力計だけを近接撮影すると、どの管路の試験結果なのか判断できないことがあります。全景写真と詳細写真を組み合わせ、写真番号を試験票と対応させます。

管路番号の識別札や黒板を写し込む場合は、文字が判読できるかをその場で確認します。撮影後に画像が不鮮明であることへ気付いても、埋戻しや次工程の進行後では再撮影できない可能性があります。撮影日時や位置情報を利用する場合も、管路番号と試験票の対応を優先します。

記録データは、施工図、出来形記録、管路配置図、使用材料、補修履歴などと関連付けて保存します。紙の記録と電子データで管路番号の表記が異なると検索しにくくなるため、名称と番号の付け方を統一します。

完成後に管路の占用者が変わる場合や、長期間経過してからケーブルを収容する場合でも、試験記録が残っていれば施工時の状態を確認できます。ただし、試験後に別工事、地盤変位、車両荷重、掘削などの影響を受けた可能性がある場合は、過去の合格記録だけで現時点の健全性を保証できません。必要に応じて適用図書に基づく再確認を行います。

まとめ

電線共同溝の管路気密不良を発見するには、まず空気による試験が対象管路へ適用されるかを確認する必要があります。管種、管径、用途、発注者や占用事業者の仕様によって、通過試験のみを行う場合、気圧試験を省略できる場合、接続性能試験として個別条件が定められる場合があります。他現場の圧力や保持時間を流用せず、適用図書を根拠に条件を設定します。

試験対象となる場合は、区間と管路番号を明確にし、管内清掃と目視確認を行い、適合する封止栓、拘束具、圧力調整器、圧力計、安全装置を正しく設置します。試験設備そのものの漏れを事前に確認することが、管路不良との誤判定を防ぐ基本です。

加圧時は、規定圧力まで段階的に圧力を上げ、適用要領が定める安定時間を確保します。その後、定められた保持時間にわたって圧力変化を記録し、事前に決めた基準に基づいて合否を判定します。温度、日射、残水、計器精度の影響を考慮しつつも、現場都合で判定条件を変更してはいけません。

圧力が低下した場合は、すぐに管路本体の施工不良と断定せず、封止栓、ホース、バルブ、圧力計などの仮設設備を先に確認します。管路側の漏えいが疑われる場合は、特殊部との接続部、管口、継手位置、施工記録を確認し、可能な範囲で試験区間を分割して不良箇所を絞り込みます。

補修後は、気密性だけでなく管路内の通過性や清掃状態も確認し、原則として当初と同じ条件で再試験を行います。補修によって内径が狭くなったり、管内に段差や突起が生じたりすると、将来の通線作業で別の問題が発生するためです。

圧縮空気を使用する試験では、封止栓の脱落、ホースの暴れ、部品の飛散を想定した安全管理が欠かせません。封止部の正面と延長線上に人を立たせず、抜け止めと立入規制を行い、圧力を完全に抜いてから器具を調整します。特殊部やハンドホールへ立ち入る場合は、酸素欠乏や有害ガスへの対策も別途確実に実施します。

電線共同溝の管路品質を長期的に確保するためには、最終的な合否だけでなく、適用根拠、対象区間、試験条件、温度、使用機器、不合格原因、補修内容、通過確認、再試験結果まで一貫して記録することが重要です。6つの試験手順を現場の適用図書に合わせて標準化することで、誤判定を抑え、接続不良や将来の通線支障を早期に発見しやすくなります。

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