LRTKレフィクシア株式会社

電線共同溝の予備管を将来使えなくしない5つの封止管理

電線共同溝の予備管が使えなくなる主な原因

電線共同溝の予備管は、将来のケーブル増設、既設ケーブルの更新、障害発生時の切替え、道路管理用設備の追加などに備えて確保される管路です。整備直後には使用予定がなくても、必要なときに通線できる状態を維持することが求められます。道路管理者の設計要領には、メンテナンス等への対応を目的とする管路を位置付ける例があります。ただし、必要な孔数や管理区分は地域、発注者、参画事業者の協議によって異なるため、対象工事の設計図書を確認する必要があります。

ところが、完成時には問題がなかった予備管でも、数年後や十数年後に使用しようとすると、管内に泥水がたまっている、土砂が入り込んでいる、引通し線が切れている、封止材が固着して外しにくい、どの管が予備管なのか分からないといった問題が見つかることがあります。

予備管が使用困難になる原因は、封止材そのものの性能不足だけではありません。施工時の清掃不足、管口周辺の仕上げ不良、管内に残った水分、特殊部への浸水、管番号の記録漏れ、点検時の復旧忘れなど、施工から維持管理までの小さな不備が重なって発生します。

特に注意したいのが、予備管はケーブルが入っていないため、日常の設備点検で優先順位が下がりやすい点です。使用中の管路であれば異常が設備障害として表面化することがありますが、空の予備管では、管内に水や異物が入ってもすぐには問題になりません。そのため、将来使おうとした段階で初めて不具合が判明し、道路掘削や管路補修の検討が必要になる場合があります。

予備管を守るには、単に管口をふさぐだけでは不十分です。封止前に管内を正常な状態に整え、管路両端の封止状態を確認し、位置と番号を記録し、完成後も管理基準に沿って点検する必要があります。封止を一回限りの作業として扱わず、将来利用まで続く管理工程として考えることが重要です。

予備管の封止管理で守るべき基本

予備管の封止管理で最初に整理すべきことは、何を防ぎ、何を残すのかという目的です。防ぐ対象には、雨水、地下水、特殊部内の滞水、土砂、粉じん、コンクリート片、充填材、虫や小動物などがあります。一方で、将来の通線に必要な管内空間、引通し線、管口の識別情報、再開放できる構造は確実に残さなければなりません。

封止を強固にすれば安全とは限りません。除去することを想定していない硬質な材料を管内深くまで充填すると、漏水を抑えられる場合があっても、将来の開放時に管を損傷する可能性があります。反対に、簡易的なふたを差し込んだだけでは、水圧、温度変化、振動、点検作業時の接触などによって外れるおそれがあります。

適切な封止とは、必要な防水性や異物侵入防止性能を確保しながら、将来の開放作業ができる方法です。そのため、設計図書、道路管理者の基準、管路材と封止材の仕様、封止部の設置環境を確認し、適合する方法を選ぶ必要があります。

また、管路は特殊部と特殊部の間で連続しています。片側だけを確実に封止しても、反対側の封止が外れていれば、そこから水や異物が入る可能性があります。管路の途中で接続不良や変形があれば、封止状態が正常でも通線できません。予備管は両端、管路途中、特殊部内の環境を一つの系統として管理することが基本です。

完成検査で確認した状態を維持管理へ引き継ぐことも欠かせません。施工担当者が把握していた管番号や封止方法が、完成図や設備台帳に反映されていなければ、数年後の担当者は現地で一から確認しなければなりません。封止材を外して確認した結果、復旧を忘れると、新たな侵入経路を作ることになります。

予備管管理では、施工品質と情報品質を同じ程度に重視する必要があります。物理的に使える管を残すことと、その管を迷わず特定できる記録を残すことの両方がそろって、初めて将来利用しやすい予備管になります。

管種と環境に合った封止方法を選ぶ

一つ目の封止管理は、管種、管径、管口形状、設置環境に合った封止方法を選ぶことです。同じ電線共同溝でも、使用される管路材や管径、特殊部への取り付け方法は一様ではありません。管口の内面に取り付ける方式、外周を覆う方式、機械的に締め付ける方式などがあり、それぞれ適用条件が異なります。

封止材を選ぶ際は、まず管路材との適合性を確認します。管口の内径や外径だけでなく、内面の凹凸、端部の肉厚、接続部の形状、管口の突出量なども確認が必要です。寸法が合っているように見えても、管口が変形していたり、切断面にばりが残っていたりすると、封止材が均等に密着しないことがあります。

次に、封止部に作用する条件を整理します。特殊部内に水がたまりやすい場所では、一時的な水没や想定される水圧を考慮する必要があります。温度変化が大きい場所では、封止材と管路材の膨張や収縮の違いによって緩みが生じる可能性があります。交通振動の影響を受ける場所、点検作業者やケーブルが接触しやすい場所では、外れや損傷を防ぐ固定方法が求められます。

将来の取り外し方法も選定時に確認します。専用工具がなければ外せない構造であれば、必要な工具と作業方法を設備台帳に記録します。封止材を切断して除去する場合は、管内面を傷つけない作業空間が確保できるかを確認します。除去時に破片が管内へ落下しやすい構造は、回収方法まで検討しておく必要があります。

封止材を管内へ必要以上に押し込むことも避けなければなりません。奥に入り過ぎると、将来の撤去が難しくなるだけでなく、撤去工具が届かない、封止材の一部が管内に残るといった問題につながります。取り付け位置を統一し、管口端面からの位置を施工記録に残しておくと、将来の開放作業が行いやすくなります。

シーリング材などを併用する場合は、使用量と施工範囲を明確にします。隙間をなくそうとして大量に充填すると、材料が管内側へはみ出し、通線断面を狭めるおそれがあります。硬化した材料の突起は、ケーブルの外装を傷つける原因にもなります。発注仕様によっては、特殊部への取り付け部で管口と管路材内部を平滑に仕上げ、電線やケーブルを傷つけないことが求められています。対象工事では、設計図書に示された仕上げ方法を優先します。

封止方法を現場判断だけで変更しないことも大切です。設計時に想定された方法で施工できない場合は、管路材の状態や特殊部内の条件を整理し、監督担当者や関係者と協議したうえで変更します。取り付けやすさだけで封止方法を選ぶと、維持管理段階で取り外しにくい、想定した止水性能を確保できないといった問題が生じる可能性があります。

清掃・通過確認後に封止する

二つ目の封止管理は、管内清掃と通過確認を完了してから封止することです。封止材が正常に取り付けられていても、封止前から管内に土砂、砕石、接着剤、切りくずなどが残っていれば、予備管の機能は確保できません。

管路敷設中は、管口が一時的に開放される場面が発生します。降雨時に泥水が入る、埋戻し材が落ちる、切断作業で生じた削りくずが残る、養生材の一部が管内に入るといったことが考えられます。作業終了時に仮ふたをしていても、次の工程で外したままになれば異物が侵入します。

そのため、管路の接続後は、管内清掃と通過確認を行い、正常な状態を確認した直後に封止する流れを工程として決めておきます。発注仕様によっては、埋戻し後などに全ての管または孔について通過試験を行い、管路の接続状態を確認する手順が定められています。また、引通し線に清掃用品を取り付けて管内を清掃した後、管種に応じた試験器を用いる方法が示される場合があります。対象工事では設計図書と監督職員の指示を優先します。

通過確認では、試験器が通ったという結果だけでなく、通過時の抵抗や回収物の状態も確認します。途中で急に抵抗が増えた場合は、管路のつぶれ、継手部の段差、曲線部の変形、異物残留などの可能性があります。無理に引き抜いて試験完了とせず、原因を確認することが重要です。

清掃後に回収した布やブラシに泥、接着剤、樹脂片などが付着していた場合は、一回の清掃で終わらせず、必要に応じて再清掃します。管内に水が残っている場合は、可能な範囲で排出し、管路の勾配や特殊部内の排水状態も確認します。

引通し線を残す場合は、材質、太さ、連続性、固定方法を確認します。線が細すぎたり、長期使用に適さない材質だったりすると、経年劣化や将来の引き込み荷重によって切れる可能性があります。管口付近で強く折り曲げたり、封止材に挟み込んだりすると、その部分から損傷しやすくなります。

引通し線の端部は、管内へ引き込まれないように管理しながら、点検作業や蓋の開閉を妨げない位置に固定します。端部を特殊部内に長く垂らすと、作業者が引っ掛ける、他のケーブルと絡む、水中に浸かった状態が続くといった問題が起こります。余長は整理し、どの管の引通し線か分かる表示を付けます。

封止直前には、管口の水分、泥、油分、粉じんを除去します。接触面が汚れていると、封止材が正しい位置に取り付けられず、局所的な隙間が残る可能性があります。管口が欠けている、変形している、端面が斜めになっている場合は、そのまま封止材を押し込まず、補修や端部処理の方法を協議します。

封止後には、取り付け状態を目視で確認し、仕様に反しない範囲で緩みや浮きがないかを確かめます。封止材を過度にたたいたり、必要以上に締め付けたりすると、管口や封止材を損傷する可能性があります。所定の施工方法に従い、取り付け前、取り付け中、取り付け後の状態を写真で残すことが有効です。

水の侵入経路を管路全体で管理する

三つ目の封止管理は、管口だけでなく、管路全体の水の流れを確認することです。予備管内への浸水は、封止材の隙間だけから起こるとは限りません。管路の反対側、継手部、損傷部、未封止の分岐部などから入った水が、勾配に沿って移動することがあります。

道路管理者の設計要領では、管路内に滞水しにくい線形とし、管内面に生じる結露水の排出を考慮して勾配を確保する考え方が示される例があります。ただし、実際の施工では、既設埋設物との干渉回避、道路勾配、特殊部の高さ、管路の変形や沈下などによって局所的な低部が生じる可能性があります。

管内に水が見つかった場合は、目の前の封止材だけを交換して終わらせず、どこから入った水かを確認します。片側の特殊部が乾いていても、反対側の特殊部に滞水していれば、そちらから流入している可能性があります。また、管内の水が外部からの漏水ではなく、温度差による結露に由来する場合もあります。

特殊部内の排水状態も重要です。蓋周辺からの流入、壁面からの漏水、排水設備の閉塞などによって特殊部内の水位が上がると、通常は水に触れない高さの管口まで水没することがあります。封止材が一時的な飛沫を想定したものなのか、一定時間の水没や所定の水圧にも対応するものなのかによって、必要な管理が変わります。性能範囲は製品仕様と設計条件で確認します。

点検時には、特殊部内の水位跡、泥の付着位置、封止材表面の変色、管口周辺の析出物などを確認します。現在は水がなくても、壁面に残る水位跡から過去の浸水状況を推定できることがあります。管口周辺だけが濡れている場合は、管内から特殊部側へ水が出ている可能性も考えられます。

封止材の外周に泥が筋状に付着している場合や、封止材の下部だけに水滴が続いている場合は、隙間からの流出が疑われます。ただし、外観だけで侵入経路を断定せず、反対側の状態、降雨履歴、特殊部内の排水状況を含めて判断します。

管路途中の低部に滞水していると、封止を外した際に水が流出することがあります。将来開放時の安全を確保するため、管路の高低関係や想定される水頭を完成図と点検記録に残しておくことが重要です。特に高低差のある区間では、低い側から不用意に封止を外さないよう注意事項を記録します。

水の管理では、完全に乾燥した状態を常に維持するという考え方だけでは対応できません。地下構造物では湿気や結露が生じる可能性があるため、水が発生した場合にどこへ流れるか、特殊部内でどのように排出するか、封止材がどの範囲の水圧に対応するかを組み合わせて管理します。

封止の点検と特殊部の排水点検を別々の作業として扱わず、同じ点検機会に確認すると効率的です。封止材に異常がなくても特殊部の排水機能が低下していれば、将来の浸水リスクは高まります。反対に、特殊部が乾燥していても管内から泥水が出ていれば、反対側や管路途中の異常を疑う必要があります。

管番号・用途・封止状態を確実に記録する

四つ目の封止管理は、予備管の位置、番号、用途、封止状態を一貫したルールで記録することです。現地で封止が正常でも、対象となる管を特定できなければ、将来の利用時に誤った封止材を外したり、使用中の管路を予備管と誤認したりするおそれがあります。

管番号は、図面、特殊部内の表示、写真、設備台帳で一致させます。例えば、平面図では上段右側を予備管としているのに、現地表示では見る方向が異なり、左右が逆になっていることがあります。方向の基準を明記せずに上下左右だけで表現すると、特殊部の反対側から見たときに解釈が変わります。

管番号の表示では、起点側から見た配置なのか、終点側から見た配置なのか、車道側と民地側のどちらを基準にしているのかを明確にします。特殊部番号、管路区間、段、列、管番号を組み合わせると、同じ番号が複数の場所に現れる混乱を防ぎやすくなります。

予備管の用途も記録します。単に「予備」と書くだけでは、道路管理用なのか、将来の増設用なのか、緊急切替え用なのか判断できません。将来の用途が未確定の場合も、誰が管理する管なのか、使用判断にどの関係者との調整が必要なのかを残します。

封止記録には、封止した年月日、封止方法、使用材料の種別、取り付け位置、施工者、確認者、引通し線の有無、通過確認の結果などを記載します。製品名だけに依存した記録ではなく、方式、寸法、材質、取り外し方法が分かる情報を残しておくと、将来同じ材料を入手できない場合でも対応を検討しやすくなります。

封止前後の写真も有効ですが、管口だけを大きく撮影した写真では場所を特定できません。最初に特殊部全体と方向が分かる写真を撮り、次に管路配置、最後に対象管口と表示が読める近接写真を撮影します。写真番号と設備台帳を関連付け、どの写真がどの予備管を示すか分かるようにします。

位置情報についても、特殊部の中心点だけではなく、必要に応じて蓋の位置、管口が設けられた壁面、管路の進行方向を記録します。道路改良や舗装更新によって周辺の見た目が変わっても、座標や周辺基準物との関係が残っていれば再確認しやすくなります。

施工中に管路配置を変更した場合は、変更内容を完成図へ反映します。既設埋設物を避けるために管の上下を入れ替えた、特殊部への取り付け位置を変更した、予備管の区間を変更したといった情報が施工図だけに残っていると、維持管理段階で実際の配置と台帳が一致しません。

表示材の耐久性にも注意が必要です。湿気、泥、清掃作業によって文字が消える表示では、数年後に読めなくなる可能性があります。表示を管路材へ直接行う場合は、管路材を傷めない方法を選びます。札を取り付ける場合は、他のケーブルに引っ掛からず、腐食や劣化で脱落しにくい位置に固定します。

点検や工事で封止材を一時的に外した場合も、台帳を更新します。開放した日時、目的、確認結果、再封止した日時を残すことで、封止の復旧漏れを防げます。点検したという記録だけではなく、点検後に正常な状態へ戻したことまで確認する仕組みが必要です。

定期点検と再封止の手順を決める

五つ目の封止管理は、完成後の定期点検と再封止の手順をあらかじめ決めることです。封止材は施工時に正常でも、温度変化、湿気、振動、水没、清掃作業時の接触などによって状態が変化する可能性があります。

点検の時期は、施設の管理基準、特殊部の点検周期、浸水履歴、周辺工事の状況などを踏まえて設定します。全ての予備管を同じ頻度で確認するだけでなく、浸水しやすい特殊部、交通振動の影響を受けやすい場所、過去に封止不良があった区間などは、重点的に確認する方法が考えられます。全国一律の周期があると決めつけず、道路管理者や設備管理者の基準を確認します。

定期点検では、封止材の脱落、緩み、変形、ひび割れ、硬化、膨れ、変色を確認します。管口との間に隙間がないか、封止材が奥へ移動していないか、外周に泥や析出物が付着していないかも見ます。引通し線が封止部に食い込んでいないか、表示が読めるか、他のケーブルに圧迫されていないかも確認対象です。

目視だけで異常が判断できない場合でも、必要以上に封止材を動かさないことが重要です。確認のために引っ張った結果、密着状態を崩す可能性があります。点検方法は封止方式に合わせ、取り外しを伴う点検と外観点検を区別します。

封止材を取り外して管内を確認する場合は、事前に反対側の状態を確認します。管内に水がたまっている可能性があるため、作業者が正面に立ったまま開放しない、周囲の使用中ケーブルを養生する、排水先を確保するといった準備が必要です。作業方法は現場の安全管理計画と封止材の取扱要領に従います。

開放後は、管内への異物侵入を防ぐ仮養生を直ちに行います。点検作業中に工具、清掃材、封止材の破片などを落とさないよう、管口周辺を整理します。作業を中断する場合も、開放したまま放置せず、仮封止を行います。

再封止では、取り外した材料をそのまま再使用できるかを確認します。変形、硬化、傷、締結部の劣化などがある場合は交換を検討します。外観が正常でも、一度の取り外しで密着性が低下する方式もあるため、材料の仕様と管理基準に従います。

再封止後は、取り付け状態を確認し、写真と台帳を更新します。点検前の写真と比較できるよう、できるだけ同じ方向、同じ範囲で撮影すると変化を把握しやすくなります。異常が見つからなかった場合も、点検日と確認結果を残しておくことで、次回点検時の基準になります。

周辺で掘削、舗装更新、特殊部補修、ケーブル工事が行われた場合は、定期点検を待たずに予備管を確認することが有効です。工事中の振動や作業接触によって封止材が動く可能性があり、他工事で一時的に開放された管口が復旧されていない場合も考えられます。

点検計画では、異常を見つけた後の対応区分も決めます。軽微な汚れとして清掃するのか、封止材を交換するのか、管内の通過確認まで行うのか、管路補修を検討するのかを整理しておくと、担当者による判断のばらつきを抑えられます。

工事中に起こりやすい封止管理の失敗

電線共同溝の予備管管理では、完成時の封止作業だけを注意しても不十分です。管路敷設から特殊部施工、埋戻し、舗装、完成検査までの各工程で、管内へ異物が入る機会があります。

よくある失敗の一つが、管路敷設中の仮封止不足です。翌日に接続する予定だからと管口を開放したままにすると、夜間の降雨や周囲の作業によって泥や砕石が入る可能性があります。仮封止は工程の終わりだけでなく、休憩や作業場所の移動など、管口から離れる場面でも必要です。

仮封止材が管内へ落ち込むこともあります。布や薄いシートを管口へ押し込むだけの養生は、見た目では閉じていても、振動や水圧で奥へ移動する可能性があります。管内に残った養生材は、通過試験で押し込まれ、さらに回収しにくくなることがあります。

コンクリート打設や充填作業では、管口周辺から材料が流入しないよう注意が必要です。管口の仮封止が外れていると、少量の材料でも硬化後に障害となる可能性があります。管路内へ材料が入った可能性がある場合は、表面だけを削って封止するのではなく、影響範囲を確認します。

埋戻し時には、管路材の移動や変形も起こり得ます。管口の封止が正常でも、管路途中でつぶれや蛇行が生じれば通線性能は損なわれます。埋戻し後に通過確認を行うのは、施工中に生じた変化を完成前に発見するためでもあります。

通過試験後から本封止までに時間が空くことも問題です。通過試験を実施した時点では正常でも、その後の特殊部内作業で管口が開放されたままになれば、完成時の状態は保証できません。試験日、清掃日、封止日を記録し、期間が空いた場合は再確認するルールを設けます。

引通し線の固定不足も見落とされやすい点です。封止材の取り付け時に線を強く挟むと損傷し、反対に緩く固定すると管内へ引き込まれます。複数の引通し線をまとめて束ねると、どの管に対応するか分からなくなり、誤った線を引く原因になります。

完成写真の撮り方にも注意が必要です。封止材の近接写真だけでは、どの特殊部のどの管か判別できません。黒板や表示板だけが写り、管路配置が見えない写真も管理資料として十分ではありません。全景、配置、近接という順序で記録することが重要です。

施工途中で封止方法を変更したにもかかわらず、変更記録が残っていない例も考えられます。完成図には管番号だけが記載され、実際にどの方式で封止したか分からなければ、将来の開放時に必要な工具や作業時間を見積もれません。変更理由と最終仕様を記録し、維持管理担当者へ引き継ぎます。

将来利用時に予備管を安全に開放する手順

予備管を将来利用するときは、封止材を外してすぐにケーブルを入れるのではなく、記録確認、現地確認、開放、清掃、通過確認という順序で進めます。

最初に、設備台帳と完成図から対象管を特定します。特殊部番号、管路区間、管番号、進行方向、管理区分、反対側の接続先を確認します。記録が不明確な場合は、現地表示だけで判断せず、関係者と照合します。

次に、両端の特殊部を確認します。片側だけで作業を始めると、反対側がすでに使用されている、別工事で閉塞されている、特殊部内に水がたまっているといった状況を見落とす可能性があります。両端の管番号と配置が一致していることを確認してから開放します。

封止材を外す前には、管路の高低差と浸水の可能性を確認します。低い側では管内水が流出する可能性があるため、排水設備、受け容器、周辺ケーブルの養生を準備します。作業者は管口の正面を避け、封止材の取扱要領に従って少しずつ緩め、圧力や流出の有無を確認します。

封止材を除去した後は、部品や破片を全て回収します。管口内面にシーリング材や硬化物が残っている場合は、管路材を傷つけない方法で除去します。管口に傷、欠け、変形が見つかった場合は、そのまま通線作業へ進まず、補修の必要性を判断します。

管内に水がある場合は、排出可能な範囲で処理します。水だけでなく泥やさび状の付着物が出る場合は、侵入経路や管路材の状態を確認します。特殊部内で異臭やガスの発生が疑われる場合は、現場の安全管理基準に従い、必要な換気や測定を行います。

清掃後には、管種と管径に適した方法で通過確認を行います。引通し線が残っていても、長期間使用されていない場合は、その線だけを信用してケーブルを引かないことが重要です。線の劣化や管路途中の異常が考えられるため、通過性能を確認し、必要に応じて新しい引込用の線への更新を検討します。

通過試験で抵抗が大きい場合は、強い力で試験器を引き抜かないようにします。異物を奥へ押し込んだり、試験器が抜けなくなったりする可能性があります。両側から距離を確認し、閉塞位置を推定したうえで、調査や補修方法を検討します。

正常に通過できた場合も、管内清掃の結果、試験器の状態、引通し線の更新、管口の状況を記録します。ケーブルを直ちに布設しない場合は、再度適切に封止します。開放後に使用計画が延期されたときこそ、再封止忘れが発生しやすいため注意が必要です。

LRTK Phoneで予備管の位置と状態を記録する

予備管の封止管理では、写真だけでなく、どこにある設備かを関連付けることが重要です。特殊部が連続する区間では、外観が似ているため、写真だけでは撮影場所を特定しにくいことがあります。舗装や周辺施設が更新されると、背景から位置を判断することも難しくなります。

LRTK Phoneには、撮影位置と方向を持つ写真を記録し、地図上で整理して共有する機能があります。特殊部や点検位置の座標を取得し、現地写真や点検結果と関連付ければ、次回点検時の位置確認や設備台帳との照合に活用できます。ただし、得られる測位品質は衛星配置、周辺遮蔽物、補正情報の受信状況、測定方法などに左右されるため、必要精度に応じた確認が必要です。

施工時には、特殊部設置後、管路接続後、封止後、舗装復旧後といった工程ごとに位置情報を残す方法が考えられます。完成後に地表から見えなくなる範囲についても、施工中の記録が残っていれば、将来の掘削や補修計画で参照できます。

撮影時には、座標を取得した対象を明確にします。同じ特殊部でも、蓋の中心を測ったのか、躯体の中心を測ったのか、管口位置を測ったのかによって意味が変わります。測定対象、測定方法、座標系、高さの基準を記録し、担当者が変わっても同じ方法で更新できるようにします。

特殊部内では衛星信号を安定して受信できない場合があるため、地上で取得した基準位置と、内部写真の方向や寸法を組み合わせて管理します。蓋の中心位置を基準として、管口がどの壁面にあるか、車道側か民地側か、起点方向か終点方向かを写真に残すと、内部情報と地上位置を関連付けやすくなります。

点検時には、封止材の状態、浸水跡、管番号表示、引通し線、特殊部内の全景を記録します。前回写真と近い方向から撮影することで、封止材の移動、泥の付着範囲、水位跡などの変化を比較しやすくなります。

異常箇所の位置を座標付きで共有できれば、補修担当者が対象箇所を確認する際の手掛かりになります。点検者が記録した内容を事務所の担当者が確認し、必要な補修範囲や関係者との調整事項を整理する運用にもつなげられます。

ただし、位置情報を取得しただけで管理が完了するわけではありません。特殊部番号、管番号、封止方法、点検日、写真、異常内容を共通の識別番号で関連付ける必要があります。位置情報と設備台帳が別々に管理されると、後から照合する作業が増えてしまいます。

LRTK Phoneによる現地記録を設備台帳の更新工程に組み込み、施工時の記録から完成検査、定期点検、再封止まで同じ設備番号で履歴を残すことで、予備管の状態を長期的に追跡しやすくなります。

まとめ

電線共同溝の予備管は、設置しただけで将来まで使える状態が保たれるものではありません。管内への水や異物の侵入、封止材の劣化、引通し線の損傷、管番号の不一致、点検後の復旧漏れなどによって、必要なときに通線できなくなる可能性があります。

予備管を将来使えなくしないためには、第一に管種と環境に合った封止方法を選び、第二に清掃と通過確認を終えてから封止し、第三に管路両端と特殊部内の水の流れを一体で管理することが重要です。さらに、第四に管番号や封止状態を正確に記録し、第五に定期点検と再封止の手順を決める必要があります。

封止管理は、完成時の一工程ではありません。管路敷設中の仮養生、完成検査、設備台帳への登録、定期点検、工事後の確認、将来開放時の再試験まで続く維持管理です。どこか一つの工程が抜けると、長期間発見されないまま予備管の機能が損なわれるおそれがあります。

現地写真、管番号、点検結果、位置情報を一つの履歴として残せば、担当者が変わっても予備管の状態を追跡しやすくなります。施工時から維持管理までの記録を確実に残す手段の一つとして、LRTK Phoneの活用を検討できます。

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