LRTKレフィクシア株式会社

地中埋設管の地盤改良近接で固化材付着を防ぐ5つの養生

地中埋設管の近くで地盤改良を行うときに養生が重要な理由

地中埋設管の近くで地盤改良を行う現場では、改良地盤の品質だけでなく、既設または施工済みの地中埋設管をどのように保護するかが重要です。セメント系などの固化材を使用する地盤改良では、工法や材料供給方式によって粉体を扱う場合とスラリーを扱う場合があり、施工条件に応じて飛散や飛沫、排泥、洗浄に伴う汚れなどへの対策が必要になります。セメント協会も、粉体の飛散に留意すべき現場では発塵抑制型固化材やスラリー添加による施工を選択肢として示しています。([JCassoc][1]) それらが露出している地中埋設管や継手、付属設備へ付着すると、後から清掃や確認が必要になり、工程にも影響する可能性があります。

固化材が少量付着しただけで、すべての地中埋設管に直ちに性能上の問題が生じるわけではありません。実際の影響は、管の材質、外面被覆、継手構造、固化材の種類、付着量、付着していた時間、施工環境などによって変わります。そのため、「付着すると必ず管が劣化する」と一律に考えるのではなく、そもそも不要な付着を発生させないことを基本に施工管理を行うことが大切です。

とくに注意したいのが、掘削によって管が露出している場所、地盤改良範囲と管路が近接する場所、弁室やマンホールなど地上側に開口部がある場所です。地中にある管そのものには材料が届かなくても、開口部から固化材を含む泥水が流れ込んだり、継手周辺に改良土が入り込んだりする場合があります。

また、養生は単にシートを掛ければ終わる作業ではありません。どこに地中埋設管があるのかを確認し、どこまでが地盤改良の影響範囲なのかを把握し、その位置関係をもとに保護対象を決める必要があります。さらに施工中には、養生材がずれていないか、破れていないか、排泥の流れが変化していないかを確認する必要があります。

地盤改良は施工機械、材料供給設備、作業員、運搬車両などが同時に動くことが多い作業です。施工開始時には問題がなくても、作業の進行によって機械の位置や地表の状態が変わり、固化材が地中埋設管へ到達する経路が生まれることがあります。そのため、養生を「施工前だけの作業」と考えず、施工前、施工中、施工後まで継続する管理項目として扱うことが重要です。

養生1 地中埋設管の位置と地盤改良範囲を施工前に照合する

固化材付着を防止する最初の養生は、養生材を設置することではなく、地中埋設管がどこにあるのかを明確にすることです。管の位置を誤って認識していれば、どれだけ丁寧に養生しても保護すべき箇所を外してしまう可能性があります。

施工前には、埋設物に関する図面や施工記録などを確認し、地中埋設管の平面位置、深さ、管径、管種、継手、分岐、弁類などの情報を整理します。既設管の場合は、図面と実際の位置が完全に一致しているとは限りません。国土交通省の「土木工事安全施工技術指針(令和8年3月)」では、埋設物が予想される場所で施工するときは台帳と照合して平面位置と深さを確認したうえで試掘を行い、種類、位置、規格、構造などを原則として目視で確認することとされています。 現場では適用される発注条件や埋設物管理者の指示に従い、試掘や適切な探査を組み合わせて位置を確認することが重要です。

地中埋設管の中心位置だけでなく、管径を考慮した外周位置も意識します。管中心と地盤改良位置との離隔だけを見て十分な距離があると判断しても、大口径管であれば管外面と改良範囲との実際の離隔は小さくなります。施工機械の撹拌部や掘削部が通る範囲についても、中心位置だけではなく施工上の有効幅を考える必要があります。

深さ方向の位置関係も重要です。平面上では離れているように見えても、斜め方向に施工する機械や改良範囲が広がる施工条件では、地下で地中埋設管へ近づく場合があります。一方、平面上で近接していても深さが大きく異なる場合があります。そのため、可能であれば平面位置だけでなく高さ情報を含めて三次元的に関係を整理することが望まれます。

埋設管が施工の影響範囲に入ることが分かった場合は、現場だけで防護方法を決めず、適用される基準や発注条件に従って埋設物管理者や関係機関と協議します。国土交通省の同指針では、掘削影響範囲に埋設物がある場合、管理者・関係機関と協議して防護方法、立会いの必要性、緊急時の通報先などを決め、工事関係者へ確実に伝達することとされています。 地盤改良の近接施工でも、施工条件に応じてこうした管理者との調整を施工前に済ませておくことが安全側です。

また、施工機械の位置だけでなく、材料供給ホース、排泥設備、施工機械の旋回範囲、運搬車両の動線なども確認します。地盤改良体そのものが管から離れていても、材料供給経路や排泥経路が地中埋設管の露出部を横切れば、固化材付着のリスクが発生します。

現地では地中埋設管の中心線や近接注意範囲を分かりやすく表示しておくと、施工担当者だけでなく機械オペレーターや誘導員も位置を認識しやすくなります。ただし、地表表示は施工機械の走行、降雨、掘削などによって消えることがあります。表示が消えても復元できるよう、施工の影響を受けにくい位置に基準を残しておくことも大切です。

施工が複数日にわたる場合は、初日の確認結果をそのまま使い続けるのではなく、その日の作業開始前に地中埋設管と改良箇所の位置関係を再確認します。仮設通路や資材配置が変化したり、前日の施工によって地表形状が変わったりするためです。

この段階で最も重要なのは、「どの地中埋設管を、どの施工工程で、どの方向から保護する必要があるか」を明確にすることです。位置確認ができていれば、必要な養生範囲を適切に決めやすくなり、過剰な養生と不足した養生の両方を避けやすくなります。

養生2 管本体と継手部を覆って固化材の直接付着を防ぐ

掘削によって地中埋設管が露出している場合や、施工途中に露出する可能性がある場合には、管本体への直接的な固化材付着を防ぐ養生が必要です。

基本は、固化材、改良土、飛沫、泥水などと管表面が直接接触しない状態をつくることです。養生材を設置する際は、管の上面だけでなく側面まで保護できているかを確認します。施工条件によって材料が下側へ回り込む可能性がある場合には、管下面や周辺にも配慮します。

よくある見落としが、養生材の端部です。管の中央部分をしっかり覆っていても、養生の開始位置や終了位置から泥状物が入り込めば、養生材と管の間へ材料が回り込むことがあります。管軸方向に十分な重なりを確保し、飛散する方向や排泥が流れてくる方向を考えて端部を処理することが重要です。

継手部も重点的に確認します。継手は管本体と比べて凹凸が大きいことが多く、養生材との間に隙間ができやすい場所です。管本体をまっすぐ覆うだけでは継手の下側や側面に空間が残る場合があるため、形状に合わせて養生方法を調整します。

ただし、養生材を固定するために管本体を必要以上に締め付けてはいけません。管種によっては外面に被覆や防食材が設けられている場合があり、固定具によって傷つける可能性があります。養生の目的は地中埋設管を保護することなので、養生作業による損傷を起こさないことが前提です。

施工中には、機械の振動や風、作業員の接触などによって養生材が動くことがあります。最初にきれいに固定できていても、施工途中で端部が外れたり、養生材がめくれたりすることがあります。そのため、設置状態だけでなく固定状態の維持まで確認します。

養生材の表面へ大量の改良土や固化材が堆積した場合も注意が必要です。養生材は材料を長時間ためるための受け皿ではありません。堆積量が増えると自重によって養生が変形し、管に荷重がかかったり、撤去時に固化した材料が管へ落下したりすることがあります。必要に応じて周辺を清掃し、過度な堆積を避けます。

施工終了後の撤去方法も養生計画に含めます。表面に固化材が付着した養生材を勢いよく外すと、固化した材料が砕けて管へ落ちたり、周辺へ飛散したりする可能性があります。周囲の付着物や堆積物を確認したうえで、管表面を傷つけないよう慎重に撤去します。

地中埋設管が長時間露出する場合には、毎日の作業開始時に養生状態を確認することも大切です。前日に問題がなくても、夜間の風雨や別作業によって養生材が破損している可能性があります。養生は一度設置して終わりではなく、地盤改良が完了するまで継続して機能させる必要があります。

養生3 開口部と露出部を保護して固化材や泥水の流入を防ぐ

地中埋設管の養生では、管本体だけではなく地表に開口している設備にも注意が必要です。マンホール、弁室、点検口、桝、仮設開口、施工途中の管端などが地盤改良範囲の近くにあると、固化材や泥水が内部へ流れ込む可能性があります。

地盤改良で発生した材料は、必ずしも直接飛んで開口部へ入るとは限りません。地表に落ちた材料が水と混ざり、地盤の勾配に沿って流れ込む場合があります。降雨時には通常より広い範囲から水が集まり、養生していない開口部へ流入する可能性も高くなります。

施工前には地盤改良箇所の周辺を歩き、地表面の高さや排水方向を確認します。改良箇所から地中埋設管に関連する開口部へ向かって地表が下がっている場合は、とくに流入に注意します。開口そのものを覆うだけではなく、その周囲へ泥水が集まらないようにすることが重要です。

施工途中の管端についても慎重な養生が必要です。将来接続するために開口した状態の管へ改良材や泥水が入ると、後工程で清掃が必要になったり、内部確認が難しくなったりします。外面の汚れとは異なり、管内部への異物混入は確認しにくい場合があるため、開口部を確実に保護します。

ただし、設備の機能を理解せずにすべてを密閉することは適切ではありません。設備によっては排水や換気などが必要な場合があります。対象設備の用途や施工中の管理条件を確認し、必要な機能を妨げない形で養生を行います。

掘削溝が地中埋設管に沿って設けられている場合も注意します。地表からは離れて見える改良箇所であっても、掘削底を通って泥水や排泥が埋設管周辺へ移動する可能性があります。水や泥は低い方向へ流れるため、地中にできた施工上の溝が流路になることを想定します。

さらに、施工機械や材料供給設備を洗浄するときの水にも注意が必要です。改良作業中には十分な養生を行っていても、作業終了後の洗浄水を不適切な場所へ流せば、固化材を含む水が地中埋設管周辺へ流入する可能性があります。洗浄場所や処理方法についても施工前に決めておくことが重要です。

養生を外す際には、開口部の周囲へ固化材が堆積していないかを確認します。周囲が汚れたまま養生材を取り外すと、その瞬間に堆積物が内部へ落下することがあります。必要に応じて周辺を清掃した後に養生を撤去し、内部への流入がないことを確認します。

養生4 飛散と排泥の経路を管理して埋設管へ近づけない

地中埋設管を直接覆うことは重要ですが、養生だけに頼る施工管理は避けたいところです。固化材付着を防ぐには、発生した材料がそもそも地中埋設管へ近づきにくい施工環境をつくることが効果的です。

まず、固化材の供給位置を確認します。粉体やスラリーを取り扱う場所、供給ホースの接続部、施工機械本体、材料を一時的に扱う場所などが地中埋設管のどちら側に配置されるかを確認します。配置を選べる現場では、できるだけ地中埋設管から離れた側へ材料系統を配置することで付着リスクを減らしやすくなります。

粉体を扱う場合は風向きにも注意します。風向きが変われば、施工開始時には問題がなかった地中埋設管が風下側になることがあります。露出管や開口部が風下に位置するときは養生状態を再確認し、飛散の状況によっては施工方法や作業条件を見直します。

スラリー状の材料を扱う場合には、供給配管やホース、接続部からの漏れを確認します。小さな漏れでも、圧力がかかった状態では周囲へ飛散する可能性があります。施工開始前の確認だけでなく、施工中に接続部付近が濡れていないか、材料がにじんでいないかを見ることが重要です。

地盤改良で発生する排泥や余剰土については、どこに集め、どこを通して処理するかをあらかじめ決めます。施工機の周囲で排泥が無秩序に広がると、地中埋設管の露出部や開口部まで到達する場合があります。排泥の受け場所を設け、埋設管から離れる方向へ誘導することが基本です。

ただし、排泥経路は施工中に変化することがあります。施工が進むにつれて地盤が掘られたり、改良土が堆積したりすると地表の高低差が変わり、当初想定していなかった方向へ流れることがあります。施工中は排泥の流れを実際に観察し、地中埋設管へ近づく兆候があれば早めに経路を修正します。

施工機械を引き上げるときにも注意が必要です。撹拌部やロッドなどに付着していた改良土が地表へ落下することがあるため、露出管の真上や近くで材料を落とさないようにします。施工機械の移動や旋回まで含めて、地中埋設管との位置関係を管理する必要があります。

地中埋設管の上を施工機械や運搬車両が横断する場合は、固化材付着とは別に荷重への配慮も必要です。管種、土被り、地盤状態、車両重量などによって必要な対応は異なるため、施工条件に応じて確認します。

重要なのは、地中埋設管を養生材で覆ったから何をしてもよいという考え方をしないことです。材料を漏らさない、飛散させない、排泥を近づけない、最後に地中埋設管を覆うという複数の対策を重ねることで、一つの対策が十分に機能しなかった場合でも固化材の直接付着を防ぎやすくなります。

養生5 施工中と施工後に養生状態と付着の有無を確認する

地中埋設管を守る5つ目の養生は、設置した養生を継続的に確認することです。養生は施工開始前の状態が良ければ終わりではありません。地盤改良では施工機械の振動、泥の堆積、作業員の移動、資材の接触、風雨などによって養生状態が変化します。

施工開始前には、養生材の破れ、めくれ、固定状態、端部の隙間などを確認します。前日に設置した養生を翌日も使用する場合には、その日の開始前に改めて確認します。

施工中は、地盤改良位置と地中埋設管の距離が最も近くなる工程を把握し、そのタイミングで重点的に状態を確認します。改良位置が順番に移動する現場では、常に同じ施工点が最も危険とは限りません。あらかじめ近接する施工点を把握しておけば、確認の重点を置きやすくなります。

養生材に固化材が付着した場合は、その量と状態を確認します。表面にわずかに飛沫が付いた程度なのか、大量の改良土が堆積しているのかによって対応は変わります。重量が増して養生材が管へ押し付けられている場合などは、施工を継続する前に状態を整える必要があります。

破損やずれを発見した場合は、小さいから問題ないと判断せず、その隙間から材料が侵入する可能性を確認します。とくに施工機側から地中埋設管へ向かう方向の隙間は、飛沫や排泥の侵入口になりやすいため注意します。

施工後には、養生材を取り外して地中埋設管の状態を確認します。管上面だけでなく、側面、継手周辺、管下部、付属設備など、施工材料が回り込みやすい部分まで見ます。

もし付着物が確認された場合は、管種や表面仕様を無視して力任せに除去することは避けます。硬化した材料を無理に削ることで管表面や被覆を傷つける可能性があります。除去が必要な場合は、対象となる管の仕様や施工条件に適した方法を確認したうえで対応することが大切です。

施工後確認では、固化材だけでなく周囲地盤の状態も確認します。地中埋設管付近に空洞ができていないか、改良土が偏って堆積していないか、施工によって管周辺の支持条件が変わっていないかなども、必要に応じて確認対象とします。

施工前、養生後、施工中、養生撤去後という一連の状態を記録しておくと、施工品質の説明にも役立ちます。後から地中へ隠れてしまう場所ほど、確認できる時点で記録を残しておく意味が大きくなります。

地中埋設管の材質や付属設備に合わせて養生方法を変える

地中埋設管にはさまざまな材質や構造があり、すべてに同じ養生方法を適用すればよいわけではありません。対象管の仕様を確認し、外面被覆や継手構造に応じて養生方法を調整します。

金属系の管では、外面に防食のための被覆が設けられている場合があります。その場合、固定具や養生材との摩擦によって被覆を傷つけないことが重要です。固化材を防ぐための養生が防食層の損傷につながれば、目的と逆の結果になります。

樹脂系の管についても、局所的な締め付けや鋭利な固定具との接触を避けます。管表面へ固定具を直接当てるのではなく、施工条件に合った方法で養生を保持します。

コンクリート系の管など、表面に凹凸がある地中埋設管では、固化材を含む泥状物が表面へ残りやすい場合があります。継手部の形状も含めて、材料が入り込みそうな箇所を確認して養生範囲を設定します。

既設の地中埋設管では、施工前から表面に傷や劣化がある場合があります。地盤改良前に露出状態を写真などで記録しておけば、施工前から存在していた状態と施工後の変化を区別しやすくなります。

弁、継手、ロケーティング用の線材、表示に関係する部材など、管本体以外の設備にも注意します。小さな付属設備は養生の対象から漏れやすく、改良土へ埋まると後から位置を特定しにくくなることがあります。

管理者がいる地中埋設管については、施工の影響範囲に入ることが分かった段階で、適用される基準や発注条件に従って管理者や関係機関と事前に協議します。防護方法、立会いの必要性、緊急時の連絡先などを確認し、現場側だけの判断で養生方法や近接条件を決めないことが重要です。国土交通省の最新指針でも、埋設箇所に関係する工事の施工計画は埋設物管理者との協議を行い、工事方法や防護方法などを打ち合わせて取りまとめることとされています。

地盤改良工法によって固化材付着の注意点は変わる

地盤改良では、施工方法によって固化材の扱い方や地盤との混合方法が異なります。そのため、地中埋設管に対する固化材付着防止も施工方法に応じて考える必要があります。

地表に近い範囲を改良する施工では、固化材の投入や土との混合が地中埋設管に近い高さで行われる可能性があります。浅い位置に埋設されている管や、掘削によって露出した管では、飛散や施工機械との接触に注意します。

深い位置まで改良する施工では、施工ロッドや撹拌部を地中から引き上げる際に、付着した改良土が地表へ落ちる場合があります。管の近くで付着土を落とさないよう、施工位置や機械操作を管理します。

液状の材料を供給する方式では、ホースや配管の接続部からの漏れが主な確認点の一つになります。一方、粉体を取り扱う場合は風による飛散にも注意が必要です。同じ固化材を使用する場合でも、供給方法によって重点的に見る場所は変わります。

地盤改良の施工順序によってもリスクは変化します。埋設管から離れた施工点から近接部へ進む場合は、最後に近接施工が集中します。逆に近接部から始める場合は、施工初期から養生管理を徹底する必要があります。

現場条件の変更によって追加改良が発生する場合もあります。追加施工位置が当初の養生範囲より地中埋設管へ近づくなら、そのまま施工せず、位置関係と養生範囲を改めて確認します。

固化材付着だけでなく地盤変位や施工荷重にも注意する

地盤改良と地中埋設管が近接する現場では、固化材の付着を防ぐだけでは十分ではありません。施工による地盤変位、機械荷重、掘削による支持状態の変化なども確認する必要があります。

施工機械が地中埋設管の直上や近くを走行する場合には、管へ伝わる荷重を考えます。通常時には十分な土被りがあっても、地盤改良に伴う掘削によって一時的に土被りが小さくなっている場合があります。

地中埋設管の周囲を掘削して露出させると、周辺土によって支えられていた状態が変わります。養生材を設置する際に管へ寄りかかったり、資材を載せたりすると、不必要な荷重を与える場合があります。

また、地盤改良によって周辺地盤が変形する可能性についても、施工条件に応じた検討が必要です。対象となる地中埋設管の重要度、継手構造、経年状態などによって確認内容は異なります。

このため、地中埋設管の近接施工では、「固化材が付かなかったから問題ない」と単純に判断せず、施工中の機械接触、荷重、周辺地盤、管の支持状態なども合わせて確認することが重要です。

地中埋設管と地盤改良範囲の位置を記録する

地中埋設管は完成後に再び地中へ隠れるため、施工中にしか確認できない情報が多くあります。施工時に位置や状態を記録しておくことで、後工程や維持管理にも活用しやすくなります。

記録する際には、地中埋設管の位置だけではなく地盤改良範囲との関係が分かるようにします。埋設管中心、管外面、継手、付属設備、施工点などを同じ基準で整理しておけば、どこが最も近接していたかを後から確認できます。

写真記録では、管表面だけを撮影するのではなく、周囲の施工位置との関係が分かる全景も残します。一方、全景だけでは継手や養生材端部の状態が分かりにくいため、必要な箇所では近景も記録します。

施工前の状態を記録し、養生設置後、地盤改良施工中、養生撤去後の順に記録すると、施工状況の変化を追いやすくなります。

位置情報と写真を関連付けておけば、複数の地中埋設管や施工箇所がある現場でも整理しやすくなります。「どの写真がどの管だったか分からない」という状態を防ぐには、撮影時点で場所を特定できる仕組みを整えることが重要です。

地盤改良施工が終わった後に埋戻しを行うと、管の位置や養生状態を直接確認できなくなります。そのため、見える状態のうちに必要な情報を残しておくことが施工管理上のポイントになります。

地中埋設管近接施工で起こりやすい養生の見落とし

地中埋設管近接での養生では、養生そのものを忘れるより、養生したことで安心して細かな部分を見落とすケースに注意が必要です。

代表的なのが、管上面だけを保護して側面や継手を確認していない状態です。固化材を含む泥水は上から落ちるだけではなく、地表を流れたり掘削底から回り込んだりします。材料がどの方向から到達するのかを考えずに一方向だけ覆うと、想定外の場所に付着する可能性があります。

また、養生材の重ね部分も見落とされやすい箇所です。見た目には管全体が覆われていても、重ね方向が排泥の流れと逆になっていると、養生材の間へ泥水が入り込みやすくなります。施工条件に合わせて端部の処理を考える必要があります。

施工範囲変更への対応も重要です。当初の改良範囲から離れている地中埋設管だったとしても、現場判断で改良範囲が広がれば近接条件が変化します。施工位置が変わったときは、養生も再評価します。

別工種による養生材の破損にも注意します。地盤改良担当者が十分に養生していても、その後に別の作業員が資材を移動させたり、管周辺を通行したりすることで養生がずれる場合があります。養生範囲を現場内で共有しておくことが大切です。

施工終了後の撤去時も見落とされやすい工程です。固化材が付着した養生材をそのまま外すと、養生によって防いでいた材料を最後に管へ落としてしまうことがあります。撤去前の清掃と周辺確認まで含めて養生作業と考えます。

地中埋設管の近接施工を安全に進めるための施工前確認

地盤改良を始める前には、地中埋設管近接部について施工関係者の認識を合わせておくことが重要です。

施工担当者が地中埋設管の位置を把握していても、機械オペレーターや材料供給担当者、誘導員が知らなければ、ホースを管上へ置いたり、施工機械を必要以上に近づけたりする可能性があります。図面上の情報を現場の動きへ落とし込む必要があります。

施工前には、どこに地中埋設管があり、どの施工点が最も近接し、どこを養生しているのかを現地で確認します。施工機械がどこから進入し、どこで旋回し、排泥をどちらへ運ぶかまで確認できれば、施工中に起こるリスクを想像しやすくなります。

また、養生材が破れた場合、固化材が漏れた場合、地中埋設管周辺へ排泥が流れ込んだ場合など、通常と異なる状態が発生したときの対応も事前に決めておきます。異常を見つけた人がそのまま作業を進めるのではなく、必要に応じて作業を止め、影響範囲の確認、養生の補修、埋設物管理者への連絡などを行い、安全を確認してから再開できる体制をつくります。国土交通省の指針でも、施工条件が当初計画と一致しなくなった場合は原因を調査し、条件変更を踏まえて対策を立て直すことが示されています。

地中埋設管の位置情報も、図面を見るだけで終わらせないことが重要です。現地で施工位置との離隔を確認し、施工後に再現できる情報として残しておけば、養生状況だけでなく近接施工そのものの管理品質を高められます。

まとめ 地中埋設管近接では養生と位置管理を一体で行う

地中埋設管の近くで地盤改良を行う場合、固化材付着を防ぐためには、管へ養生材を掛けるだけではなく、施工全体の流れを踏まえた管理が必要です。

第一に重要なのは、地中埋設管の位置と地盤改良範囲を、図面や台帳だけで確定したものとみなさず、適用される基準に沿って現地で確認することです。平面位置だけではなく深さ、管径、継手、付属設備なども確認し、どの施工点で最も近接するのかを明確にします。国土交通省の最新指針も、埋設物の位置が正確につかめない場合があることを前提に、事前確認と管理者との協議を求めています。

第二に、露出した地中埋設管や継手を適切に覆い、固化材や改良土が直接付着しない状態をつくります。養生材の端部や継手周辺など、材料が入り込みやすい箇所まで確認することが重要です。

第三に、マンホール、弁室、管端などの開口部から固化材や泥水が流入しないようにします。地表面や掘削底の水の流れも確認し、開口部を覆うだけでなく、材料が近づかない環境をつくります。

第四に、地盤改良機や材料供給設備からの飛散、漏れ、排泥を管理します。地中埋設管を覆うだけに頼らず、材料の発生源と移動経路の双方で対策することで、付着リスクをさらに抑えやすくなります。

第五に、施工中と施工後の確認を継続します。養生材は施工中にずれたり破れたりする可能性があるため、近接施工時には重点的に状態を確認し、施工後には管本体や継手、付属設備に付着物がないかを確認します。

さらに、地中埋設管近接では固化材だけでなく、施工機械による荷重、周辺地盤の変位、掘削による支持状態の変化などにも注意する必要があります。施工条件に応じて複数のリスクを一体的に管理することが重要です。

こうした管理を確実に行うには、「地中埋設管がどこにあるのか」「地盤改良をどこまで行ったのか」「施工前後でどのような状態だったのか」を位置とともに記録しておくことが役立ちます。施工後に埋め戻される地中埋設管は、後になってから直接確認することが難しいため、見えている段階の情報を残す価値が高くなります。

現場で、試掘や施工中に確認・露出した地中埋設管の位置記録、施工箇所の測位、位置情報と関連付けた写真記録を効率化したい場合には、LRTK Phoneを活用する方法もあります。LRTK Phoneの公式情報では、屋外での測位、座標と撮影方位をセットにした測位写真、高精度な位置情報付き点群などの機能が案内されています。([Lefixea Irtk][2]) ただし、LRTK Phone自体を未確認の地中埋設管を直接探知する機器として扱うのではなく、埋設管の存在確認は管理者資料、試掘、適切な探査などで行い、LRTK Phoneは確認済みの位置や状態を記録・共有する用途として使い分けることが重要です。

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