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地中埋設管の既設管撤去跡で陥没を防ぐ5つの充填確認

既設管撤去跡で陥没が起こる理由

地中埋設管の更新工事では、新しい管を設置する作業だけでなく、使用を終えた既設管を撤去した後の復旧までを一連の工程として管理する必要があります。開削して管を取り除いた場合は掘削溝が残り、引抜きや部分撤去を行った場合は、管があった位置やその周囲に不規則な空隙、緩んだ地盤、崩れた土砂が残る可能性があります。

撤去跡の形状は、必ずしも管の外径と同じまま残るわけではありません。管を動かした際に周囲の土が崩れ込むこともあれば、管周辺の埋戻し材が引きずられて想定より広い緩みが生じることもあります。そのため、図面上の管径だけから充填量や施工範囲を決めるのではなく、撤去方法、土質、地下水、埋設深さ、周辺構造物の状況を含めて実際の復旧範囲を確認することが重要です。

地中の空隙や緩みが残り、そこへ水の流れや繰り返し荷重が作用すると、細粒分の移動や地盤の沈下が進み、路面下空洞や陥没につながることがあります。国の技術資料でも、地下埋設物の破損、構造物周辺の沈下、埋設物周辺の転圧不足などが路面下空洞の推定原因として整理され、浅い空洞ほど路面陥没の危険性が高まるとされています。([国土交通省交通政策研究所][1])

また、下水道管路の破損部へ周辺地盤の材料が引き込まれ、空洞や緩みが形成される仕組みも公的研究で示されています。ただし、既設管撤去跡が必ず同じ経過をたどるわけではありません。陥没の発生には、土質、地下水位、降雨、残置管の状態、上部荷重など複数の条件が関係するため、単一の原因に決めつけず、現場ごとにリスクを整理する必要があります。([国土交通省道路局][2])

既設管撤去跡の復旧で注意したいのは、表面だけを締め固めても、底部、側部、構造物際、別の埋設物の下側、残置管の端部などに未充填箇所が残り得ることです。特に深い掘削、狭い作業空間、高い地下水位、近接埋設物がある現場では、一般的な締固め機械が十分に使えない場合があります。

陥没を防ぐためには、撤去前の情報整理、撤去直後の状態確認、排水、材料選定、充填順序、施工中の観察、出来形と記録を連続した管理項目として扱うことが大切です。以下では、現場で確認したい五つの充填確認を順番に解説します。

充填確認1 撤去範囲と残存空洞を把握する

最初の確認は、実際にどこまで既設管を撤去し、どこに空隙や緩みが残る可能性があるのかを明確にすることです。設計図や竣工図に記載された管路と、現地に存在する管路が完全に一致するとは限りません。過去の改修、応急復旧、分岐の追加、用途廃止などによって、図面に反映されていない管や接続部が存在する場合があります。

着手前には、平面図、縦断図、横断図、占用関係資料、設備台帳、過去の工事記録を照合し、管種、呼び径、深さ、勾配、分岐位置、接続先、使用中か廃止済みかを整理します。図面は重要な手掛かりですが、作成時点や測量方法が異なれば位置精度にも差があります。必要に応じて試掘、露出確認、探査、管理者への照会を行い、現況を基準に撤去範囲を確定します。

撤去後は、底面と側面の状態をできるだけ早い段階で確認します。管片、継手、基礎材、支持材、土のう、木片、仮設材などが残っていると、その陰に材料が回り込みにくくなります。設計上残置するものを除き、充填の妨げになる残材は取り除きます。

管を引き抜いた場合は、引抜き口だけを見て空隙の全体を判断しないことが重要です。途中で土砂が崩れて閉塞していても、その先に空間が残っている可能性があります。反対に、周辺地盤が大きく崩れ込み、想定より充填範囲が広がっていることもあります。撤去時の抵抗、地表面の変化、土砂の流出量、引抜き後の孔の状態を記録し、必要に応じて確認孔や追加掘削の要否を検討します。

既設管を途中で切断した場合は、切断位置、残置側の延長、分岐や接続の有無、管端の状態を確認します。管端が土砂でふさがっているように見えても、それだけで閉塞処理が完了したとは判断できません。残置管内へ水や土砂が移動する経路がないか、使用中の管路や桝とつながっていないかを確認し、処理方法を施工計画に明記します。

撤去区間の両端にマンホール、弁室、桝、擁壁、共同溝、基礎構造物などがある場合は、取り合い部を重点的に確認します。構造物の背面や基礎下は施工空間が狭く、締固め不足が生じやすい場所です。撤去によって基礎が露出していないか、周辺地盤が緩んでいないか、既設設備に変位や損傷がないかを確認してから充填へ移ります。

撤去跡の長さ、幅、深さ、高低差を記録し、計画上の充填体積を算出しておくことも有効です。計算体積と実投入量の差は、未充填、周辺への流出、地盤の崩れ込み、残材の存在などを検討する手掛かりになります。ただし、撤去跡は不整形であり、計算値には誤差が含まれます。数量照合は重要な管理方法ですが、数量だけで充填完了を判定してはいけません。

公共工事の仕様書には、排水管を撤去した後、埋戻しに適した土を用いて締め固めながら埋め戻す旨を定めた例があります。適用する材料、層厚、締固め方法、品質基準は工事ごとに異なるため、実際の施工では契約図書、特記仕様書、道路管理者や施設管理者の基準を優先します。([国土交通省 交通リサーチ][3])

充填確認2 湧水と排水条件を確認する

二つ目は、撤去跡に湧水や滞水がないか、排水によって周辺地盤を乱すおそれがないかを確認することです。水がたまった状態で一般的な土砂を投入すると、材料の分離、細粒分の流出、締固め不足、底面の軟弱化が生じる場合があります。表面が仕上がっていても、下部に不安定な層が残れば、時間の経過とともに沈下する可能性があります。

撤去前には、地下水位、周辺地盤の透水性、近隣の水路や河川、雨水の流入経路、既設管内の残留水を確認します。砂質地盤、旧河道、盛土地盤、地下水位が高い場所では、掘削時に目立った湧水がなくても、管の撤去によって水みちが変わることがあります。

管を切断したときに水が出た場合は、管内に残っていた水なのか、接続先から継続的に流入している水なのかを区別します。流入が続く場合は、誤接続、切離し不足、雨水や地下水の流入などを疑い、原因を確認するまで充填を進めない判断も必要です。

排水設備を設ける場合は、充填中も作業の妨げにならず、底面に水が戻りにくい位置を選びます。一方で、強い揚水や不適切な吸水によって周辺の細粒分を吸い出すと、撤去跡の外側に新たな緩みを生じさせるおそれがあります。排水量の急増、濁り、砂の混入、近接地盤の沈下などを観察し、異常があれば排水方法を見直します。

降雨時の管理も重要です。作業区間を長時間開放すると、表面水の流入や掘削面の軟弱化が起こりやすくなります。天候と施工量を踏まえて一日の撤去範囲を設定し、可能な範囲で撤去と充填の間隔を短くします。作業終了時には、流入防止、排水経路、仮覆い、立入防止などの措置を講じます。

底面が泥状になった場合は、その上から材料を投入して見えなくするのではなく、軟弱化した部分の範囲と深さを確認します。除去、置換え、基礎材の追加などが必要な場合は、設計図書と現場条件を照合し、発注者や監督者と協議して施工方法を決めます。

公的な工事仕様書には、埋戻し箇所が水中の場合は施工前に排水し、やむを得ず水中埋戻しを行う場合は施工方法を協議する旨を定めた例があります。また、残材や廃物を撤去し、締固めながら埋め戻すことも示されています。これらは一般的な注意事項として参考になりますが、現場では対象工事に適用される最新の設計図書と仕様を確認する必要があります。([鹿児島県公式サイト][4])

湧水が止められない場所や締固め機械が使えない場所では、通常の土砂埋戻し以外の方法が候補になることがあります。ただし、材料や工法を変更すると、強度、流動性、硬化時間、将来の再掘削性、周辺地盤や地下水への影響、既設構造物への作用が変わります。現場判断だけで変更せず、必要性能と確認方法を含めて承認を得ることが重要です。

充填確認3 現場条件に合う充填材料を選ぶ

三つ目は、撤去跡の形状、施工空間、地下水、上部利用、将来の維持管理に合う充填材料を選ぶことです。候補には、設計で指定された土、砂、砕石、改良土、流動性を持つ充填材などがありますが、どの材料が適するかは現場条件によって異なります。

開削によって既設管を完全に撤去し、底面と側面を確認できる場合は、指定された埋戻し材を所定の厚さで敷き広げ、各層を締め固める方法が基本になります。一度に厚く投入すると、下部まで締固め効果が届きにくくなるため、施工計画で定めた一層の仕上がり厚さ、締固め機械、転圧回数、含水状態などを管理します。

管底に相当する狭い部分、構造物際、交差埋設物の下側では、大型の締固め機械を使用できない場合があります。小型機械や人力施工を組み合わせ、狭い部分を先に充填します。材料を上から押さえるだけでは、側壁のくぼみや段差の陰に空隙が残ることがあるため、目視できる段階で仕上がりを確認します。

引抜き跡のような細長い空間や、残置管の内部など、通常の土砂を奥まで均等に入れにくい場所では、流動性のある材料が候補になります。流動性を利用すれば締固め機械が届かない部分へ材料を送り込みやすくなりますが、流動性があるだけで完全な充填が保証されるわけではありません。

材料が流れやすすぎると、周辺地盤の隙間、接続管、排水設備、構造物の目地などへ流出する可能性があります。反対に、流動性が不足すると途中で閉塞し、その先に未充填部が残ることがあります。充填距離、高低差、注入口と排気口の位置、材料の分離抵抗、硬化までの時間、注入圧を含めて施工方法を決めます。

硬化後の性能も確認します。上部荷重に対して必要な支持性を確保する一方、必要以上に高い強度を設定すると、将来の再掘削や設備更新を難しくする場合があります。道路、歩道、建物周辺、農地、緑地など上部の利用条件と、道路管理者や施設管理者が求める性能を整理して選定します。

既設の地中埋設管が近くにある場合は、充填材の重量、打込み高さ、注入圧によって隣接管が浮上、変位、変形しないよう注意します。軽量管、老朽管、継手部、取付管、分岐部の周辺では、施工前後の位置や状態を確認し、必要に応じて段階的に充填します。

材料選定では、施工性だけでなく、受入れ時と施工後に何を確認するかまで決めておくことが重要です。土質材料であれば、材料区分、異物、含水状態、敷均し厚、締固め状況などを確認します。流動性を持つ材料であれば、材料証明、受入れ状態、投入量、施工時間、注入位置、確認口からの到達状況、必要に応じた硬化後の品質を確認します。

材料や工法の採否は、一般論や商品名だけで決めるものではありません。撤去跡の形状、周辺への流出経路、施工時の安全性、要求性能、将来の維持管理を整理し、設計者、発注者、道路管理者、施設管理者などと合意した方法を採用します。

充填確認4 充填順序と空気の逃げ道を確保する

四つ目は、充填材料をどこから入れ、どの順番で進め、空気や水をどこへ逃がすかを施工前に決めることです。流動性のある材料を閉じた空間へ入れる場合、内部の空気や水が抜けなければ、その部分に材料が到達しない可能性があります。

低い側から材料を送り、高い側に確認口や排気口を設ける方法は、空気や水を押し出しやすい考え方の一つです。ただし、管路に逆勾配、局部的な高まり、たわみ、変形、分岐があると、図面上の高低関係だけでは空気だまりの位置を判断できません。実際の管底高や撤去跡の形状を測り、区間ごとに注入口、確認口、排気経路を計画します。

充填区間が長い場合は、一つの注入口から一度に施工するのではなく、区間分割や中間確認口の設置を検討します。反対側の確認口から材料が到達したことを確認できれば、その経路がつながっていることは把握できますが、断面全体に空隙がないことまで証明できるわけではありません。管内上部、分岐部の奥、変形部の周辺には空気が残る可能性があるため、投入量や圧力の変化も併せて確認します。

複数の注入口を使用する場合は、同時に無計画で注入すると、材料同士が途中で合流し、空気や水を閉じ込めることがあります。施工順序を決め、区画ごとに到達を確認してから次へ進みます。注入口を切り替える条件、確認口を閉じる条件、注入を停止する条件も事前に明確にします。

開削された撤去跡へ土砂を入れる場合も、端部から一方向に埋め進めるだけでは、構造物の角、側壁のくぼみ、交差埋設物の下側に空隙が残ることがあります。狭い部分や下側を先に充填し、材料を均等に敷き広げ、各層の締固めを確認してから次の層へ進みます。

充填中は、投入速度、注入圧、材料の戻り、確認口からの流出、地表面の隆起、周辺構造物の変位、隣接管の状態を観察します。想定より抵抗が大きいときに圧力だけを上げると、材料が別の経路へ流出したり、残置管や周辺設備へ過大な作用を与えたりするおそれがあります。流れが止まった場合は、閉塞、排気不足、材料状態、施工区間の長さを確認します。

投入量は、搬入量や車両容量だけでなく、実際に対象区間へ入った量として整理します。ホースやポンプ内に残った材料、洗浄で回収した材料、地表へ漏れた材料を区別し、区間ごとの実投入量を記録します。

残置管内部を充填する場合は、堆積物、付着物、滞留水、変形、閉塞の有無を事前に確認します。堆積物の上から充填すると、その下に水や空気が残ったり、堆積物が後から圧縮されたりする可能性があります。必要に応じて清掃、排水、内部確認を行い、施工可能な状態に整えます。

充填は、材料を投入した事実だけで完了を判断する作業ではありません。空気、水、障害物、流出経路を管理しながら、計画した範囲へ材料を行き渡らせる工程です。見えない部分ほど、注入方向、確認口、排気口、投入量、圧力、施工時間を組み合わせて判断することが重要です。

充填確認5 出来形と施工記録で充填状態を確認する

五つ目は、充填が計画どおり行われたかを、出来形、品質確認、施工記録を組み合わせて確認できる状態にすることです。撤去跡は埋戻し後に見えなくなるため、完成後の路面や地表だけでは内部の状態を十分に判断できません。

施工前には、既設管の位置、管種、呼び径、深さ、勾配、撤去範囲、残置範囲、分岐、接続部、周辺埋設物を記録します。全景写真と近接写真を使い分け、測点、撮影方向、深さ、対象区間が分かるように整理します。道路境界、マンホール、建物、構造物など、後から位置関係を判断できる対象も写し込みます。

撤去直後には、底面、側面、管端、分岐部、構造物際、残材の撤去状況、湧水の有無を記録します。充填後には確認できなくなる箇所を優先し、写真と施工図、測点番号を対応させます。

土砂を層状に締め固める場合は、各層の仕上がり厚さ、使用機械、施工回数、材料状態、品質確認結果を記録します。流動性のある材料を使用する場合は、施工日時、材料の受入れ、注入口、確認口、区間ごとの投入量、注入圧、材料到達の確認、施工中の異常の有無を記録します。

記録は、単独で完全充填を証明するものではありません。写真、投入量、品質試験、確認口からの到達、出来形測量など、複数の情報を組み合わせることで、未施工や異常の見落としを減らし、施工内容を説明しやすくなります。

投入量の照合では、計画体積と実投入量の差を確認します。差が大きい場合は、撤去時の崩れ込み、残材や堆積物、周辺への流出、ホース内の残量、計測誤差などの原因を整理します。差を単なる数量誤差として処理せず、現場で観察した事実と対応させることが重要です。

必要に応じて、確認孔、地表面の高さ測定、路面下空洞調査など追加確認を検討します。すべての現場で同じ調査が必要とは限りませんが、交通量が多い道路、重要施設周辺、深い撤去跡、地下水位が高い場所、直接確認できない長い充填区間では、リスクに応じた確認方法を選ぶ必要があります。

引渡し時には、完成図や設備台帳に撤去区間と残置区間を区別して記載します。公的な維持管理指針でも、休止管や廃止管の所在を配管図に明記する考え方が示されています。管端処理の位置、内部充填の範囲、使用材料、分岐位置を記録し、将来の掘削担当者が使用中の管と誤認しないようにします。([国土交通省][5])

記録は、施工後にまとめて作るのではなく、工程ごとの確認項目として運用します。記録をその場で確認すれば、撮影漏れ、測定漏れ、区間の重複、未施工に気づきやすくなります。地中に隠れる前の確認を確実に残すことが、品質管理と将来の維持管理の双方に役立ちます。

既設管を全撤去できない場合の注意点

交通規制、掘削深さ、周辺構造物、他の地中埋設管、工期などの条件によっては、既設管を全て撤去できない場合があります。その場合は、残置する理由、範囲、管の状態、処理方法、将来の管理方法を明確にします。

使用を終えた管を空洞のまま残した場合、管種や劣化状態によっては、破損部から周辺土砂が流入し、管外に緩みや空洞が生じる可能性があります。ただし、すべての残置管に同じ処理が必要とは限りません。管の材質、呼び径、埋設深さ、上部荷重、劣化状況、道路管理者や施設管理者の基準を踏まえて、撤去、閉塞、内部充填、存置監視などの方法を検討します。

残置する場合は、使用中の管路や設備から確実に切り離されているかを確認します。分岐管、取付管、桝、弁室、マンホールなどとの接続が残っていると、充填材が使用中設備へ流入したり、水が残置管へ入り続けたりするおそれがあります。図面だけでなく、露出確認や管理者の記録を使って接続状態を確認します。

管端を閉塞する場合は、充填材の圧力や重量、地下水、将来の劣化を考慮した方法を選びます。外見上ふさがっていても、隙間から材料や水が漏れる場合があります。施工前に閉塞部を点検し、必要に応じて少量の材料や水で漏れの有無を確認します。

長い管路を一方向から充填する場合は、途中で材料が分離、閉塞したり、空気が閉じ込められたりする可能性があります。施工区間を分割し、中間の注入口、確認口、排気口を設けることを検討します。曲線部、勾配変化部、分岐部、変形部は重点確認箇所です。

一部撤去と残置管内部の充填を組み合わせる場合は、開削部の埋戻しと管内充填を別工程として管理します。合計投入量だけでは、どの区間へどれだけ入ったか確認できません。施工区間ごとに数量、材料、注入口、確認結果を記録します。

残置管の位置情報が不正確なまま工事を終えると、将来の掘削や更新工事で再び混乱が生じます。管端、分岐、交差部、深さを測定し、周辺構造物との位置関係を完成図へ反映します。撤去済み、残置、内部充填済み、未充填など、状態を区別して記載することが大切です。

埋戻し後の陥没兆候を早期に捉える

充填と埋戻しが完了しても、施工直後に全ての変化が表れるとは限りません。材料のなじみ、交通荷重、降雨、地下水の変動によって、後から地表面に沈下やひび割れが現れる場合があります。施工直後だけでなく、舗装復旧後の状態も確認します。

初期の兆候には、舗装面の局部的なくぼみ、ひび割れ、施工継ぎ目の開き、マンホール周辺との段差、路肩の沈下、歩道ブロックの不陸、縁石際の隙間などがあります。新たな水たまりが生じた場合は、排水施設の不具合だけでなく、地表面の高さ変化も確認します。

定点写真や高さ測定を行う場合は、施工の影響を受けにくい基準点を用い、毎回同じ位置と条件で比較します。基準点自体が動いていないかも確認します。交通量や上部利用の重要度に応じて、施工直後、舗装復旧後、降雨後など確認時期を設定します。

降雨後は、撤去跡に沿った沈下、濁水、路面の変化、排水量の増加を重点的に観察します。異常を発見した場合は、表面だけを補修して隠すのではなく、充填記録、地下水、残置管、周辺埋設物の状態を確認し、原因調査の範囲を決めます。

陥没の開口が小さくても、地中の緩みや空洞が同じ大きさとは限りません。安全確保を優先し、必要に応じて通行規制や立入制限を行い、道路管理者や施設管理者へ連絡します。掘削、空洞調査、試験孔などの方法は、周辺埋設物を確認したうえで計画します。

施工記録が整理されていれば、撤去範囲、充填材料、投入量、地下水の状態、残置管の位置を早く確認できます。異常時の調査範囲を適切に絞るためにも、施工中の記録と完成図を維持管理へ引き継ぐことが重要です。

まとめ

地中埋設管の既設管撤去跡で陥没を防ぐには、表面を埋め戻すだけでなく、撤去によって生じた空隙や地盤の緩みを把握し、現場条件に合う方法で復旧することが重要です。

第一に、撤去範囲、残置管、分岐、構造物との取り合いを確認し、どこに未充填の可能性があるかを明確にします。第二に、湧水や滞水を処理し、排水による細粒分の吸出しや底面の軟弱化がないかを確認します。第三に、空間の形状、地下水、施工機械、上部利用、将来の再掘削を踏まえて充填材料と品質確認方法を選びます。

第四に、注入口、確認口、排気口、施工区間、投入順序を計画し、空気や水を閉じ込めないようにします。第五に、写真、測量、投入量、品質確認、完成図を組み合わせ、施工後も処理内容を確認できる状態にします。

既設管を残置する場合は、空洞のまま残すことを当然の前提にせず、使用中設備からの切離し、管端処理、内部充填の要否、位置記録を関係者と確認します。施工後も路面のくぼみ、ひび割れ、水たまり、段差などを観察し、異常を早期に捉えることが大切です。

地中埋設管の施工では、重要な確認箇所が埋戻し後に見えなくなります。埋める直前の位置、形状、高さ、周辺状況を記録し、施工図や測点と結び付けることが、品質確保と将来の維持管理につながります。

LRTK Phoneは、スマートフォンと組み合わせて測位や点群計測、写真記録、クラウド共有などに利用できる機器です。撤去範囲、管端位置、充填前の形状、周辺構造物との位置関係を記録する手段の一つになります。ただし、取得データは不可視部分の完全充填を直接保証するものではなく、設計図書で定められた出来形管理、品質試験、目視確認、投入量管理の代わりにはなりません。必要な検査と組み合わせ、地中埋設管工事の施工記録を整理する用途として活用を検討することが適切です。([Lefixea Irtk][6])

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