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太陽光 施工でスクリュー杭の傾きを防ぐ6つの打設確認

太陽光発電設備の施工では、架台を支える基礎の精度が、モジュール配置や構造全体の仕上がりを左右します。なかでも地上設置型の太陽光施工で使用されるスクリュー杭は、掘削やコンクリート打設を減らしやすく、施工速度を確保しやすい基礎形式です。一方で、打設時に杭が傾くと、杭頭位置のずれ、架台部材の取付不良、レールの通り不良などにつながる可能性があります。

スクリュー杭は地中へ回転させながら貫入するため、地表から見た杭芯だけを合わせても、地中の石や硬い地層に先端が当たると進行方向が変化することがあります。打設機を最初に鉛直へ合わせていても、施工中の反力や機械の沈下によって回転軸が傾く場合もあります。そのため、着手前の位置出しだけではなく、初期貫入、打設途中、所定深度への到達後まで、複数の段階で確認することが重要です。

本記事では、太陽光施工でスクリュー杭の傾きを防ぐために確認したい6つの打設管理について解説します。設計図書や施工計画書、採用する杭や架台の施工要領を優先しながら、現場で確認すべきポイントを整理していきます。

太陽光施工でスクリュー杭の傾きが問題になる理由

スクリュー杭の傾きは、単に杭が斜めに見えるという外観上の問題ではありません。杭頭に取り付ける架台部材の位置や角度が変わり、隣接する杭との高さ関係や水平距離にも影響する可能性があります。杭一本の誤差が小さく見えても、同じ列で複数の杭が異なる方向へ傾いていると、架台を組み立てた段階で通りが合わなくなることがあります。

架台の柱や梁を無理に引き寄せて接合すると、部材の接合部や締結部へ意図しない力が加わるおそれがあります。穴位置が合わない状態で部材を押し込んだり、ボルトで強制的に寄せたりすると、設計時に想定していない変形を残す可能性もあります。モジュールを支持するレールの直線性や平面性が崩れれば、モジュール枠の取付状態にも影響します。

また、杭が傾くと、杭頭の中心位置が設計上の杭芯から外れます。たとえば杭が地中で傾斜した状態のまま一定の深さまで打設されれば、地表付近では小さかった位置ずれが杭頭や支持部で目立つことがあります。杭頭金具に調整余裕がある場合でも、その範囲には限度があります。調整機構があることを前提に打設精度を下げるのではなく、まず杭自体を所定の位置と方向へ施工することが基本です。

スクリュー杭の支持性能についても、傾きだけを見て一律に良否を判断することはできません。地盤条件、杭の形状、貫入深さ、回転時の抵抗、架台から伝わる荷重などを含めて評価する必要があります。必要な精度や許容範囲は、設計条件や使用する工法によって異なります。現場担当者の感覚だけで「この程度なら問題ない」と決めず、設計図書や施工要領で定められた管理基準に照らして判断することが大切です。

太陽光施工では多数の杭を連続して打設するため、一度ずれが発生すると、後続の杭も誤った基準に合わせてしまうことがあります。最初の数本で通りや高さを確認し、基準となる施工状態を確立することが、全体の品質を安定させるうえで重要です。

打設確認1 杭芯と架台の通りを正確に位置出しする

スクリュー杭の傾きを防ぐ第一歩は、正確な位置出しです。杭の傾きと杭芯のずれは別の問題ですが、最初の杭芯が不明確であれば、打設中にどの方向へ修正すべきか判断しにくくなります。杭芯、架台列の基準線、通り芯、基準高さを現場で明確にし、作業員と打設機の操作者が同じ基準を共有する必要があります。

位置出しでは、個々の杭位置だけを地面へ示すのではなく、架台列全体の関係を確認します。測点ごとの杭芯が設計座標に合っていても、隣接する列との間隔や対角方向の整合が取れていなければ、架台組立時に誤差が表面化します。起点と終点だけを基準に中間位置を目測で決める方法は、距離が長くなるほど誤差が蓄積しやすくなります。

杭芯を示す目印は、打設機の乗り入れや旋回によって失われることがあります。地表の一点だけに印を付けるのではなく、必要に応じて逃げ位置へ基準を設け、打設直前に杭芯を復元できる状態にします。機械を杭芯上へ配置した後も、回転軸の中心と杭芯が一致しているかを確認します。地面のマークへ杭先端が合っていても、回転軸の上部がずれていれば、最初から斜めに進入する可能性があります。

施工範囲に高低差がある場合は、斜面上での見かけの位置にも注意が必要です。斜面に沿って巻尺を当てた距離と、設計上の水平距離は同じとは限りません。地表面の傾斜が大きい現場では、設計座標を基準に杭芯を管理し、斜距離だけで位置を決めないことが重要です。

位置出し後は、杭芯と通りを別の担当者が確認する方法も有効です。位置を出した本人だけで確認すると、同じ思い込みによって誤りを見逃すことがあります。基準点、測量機器の設定、入力した座標、杭番号を照合し、打設対象を取り違えていないか確認します。

杭番号の管理も欠かせません。多数の杭が並ぶ太陽光施工では、設計図上の杭番号と現場の杭位置が対応していないと、打設後の測定結果を正しく整理できません。列番号、行番号、架台番号など、現場で理解しやすい規則を設け、図面、位置出し、施工記録で同じ表記を使用します。

正確な位置出しは、傾きを直接止める作業ではありません。しかし、正しい杭芯と通りが明示されていれば、打設途中で発生したずれを早期に判断できます。杭を所定の方向へ導くための基準として、位置出しの精度を確保することが重要です。

打設確認2 地盤状態と地中障害物の可能性を確認する

スクリュー杭が傾く原因は、打設機の操作だけではありません。杭先端や羽根が地中の石、岩塊、既設基礎、埋設物、硬さの異なる地層に当たることで、貫入方向が変化する場合があります。地盤が均一に見える敷地でも、造成履歴や埋戻し状況によって、局所的に抵抗が異なることがあります。

施工前には、地盤調査結果、造成時の資料、既設構造物の図面、埋設物に関する情報などを確認します。ただし、資料があるからといって、現地の状態が完全に把握できるとは限りません。過去の埋戻しや撤去工事が資料へ反映されていないこともあるため、試験施工や先行杭の打設状況を通じて、実際の貫入傾向を確認することが大切です。

先行して打設する杭では、貫入の速さ、回転抵抗の変化、機械の振動、杭頭の横移動などを観察します。一定の深さで急に進みにくくなった場合、単に硬い地層へ到達した可能性もありますが、局所的な障害物へ接触している可能性もあります。無理に回転力や押込み力を増やすと、杭が障害物を避ける方向へ傾いたり、杭本体や接続部へ過大な負担が生じたりするおそれがあります。

地中障害物が疑われるときは、作業をいったん止め、杭の方向、貫入深さ、回転抵抗の変化を確認します。目標深度へ到達することだけを優先し、傾いた状態で押し込むことは避けなければなりません。障害物への対応方法は、設計者、施工管理者、杭工法の担当者などと協議し、必要に応じて位置変更、障害物の確認、除去、杭仕様の再検討といった対応を選びます。

地盤表面の状態も傾きへ影響します。打設機を設置する場所が軟弱であれば、施工中の反力によって片側の接地部が沈み、機械全体が傾くことがあります。雨天後のぬかるみ、盛土直後の緩い地盤、表土が厚い場所、段差の近くなどでは、機械の安定性を慎重に確認する必要があります。

打設機の足元を整える場合は、単に板材などを置いて高さを合わせるだけでなく、施工中の荷重を受けても沈下やずれが生じにくい状態を確保します。打設前には水平だった機械が、杭の貫入に伴って少しずつ傾くこともあるため、設置時の確認だけで終わらせないことが重要です。

地盤状態の確認は、杭の傾き防止と支持性能の管理を分けずに考える必要があります。施工しやすいからという理由だけで杭位置や深さを変更すると、設計条件との不整合が生じます。現場で想定外の地盤が確認された場合は、変更内容と判断経緯を記録し、関係者が確認できる状態にします。

打設確認3 打設機と回転軸の鉛直を整える

スクリュー杭を鉛直に施工するには、杭そのものだけではなく、打設機の回転軸を正しい方向へ合わせる必要があります。杭は回転軸の方向に沿って地中へ進むため、回転軸が傾いていれば、杭先端を杭芯に置いても斜めに貫入し始めます。

打設前には、打設機本体の姿勢、回転軸の鉛直、杭の取付状態をそれぞれ確認します。機械本体が水平に見えていても、回転軸の取付部や作業装置の角度がずれている可能性があります。反対に、地形に合わせて機械本体が傾いていても、調整機構によって回転軸を鉛直へ合わせられる場合があります。確認対象を混同せず、実際に杭を回転させる軸の方向を見ることが重要です。

鉛直確認は、一方向だけで行わないようにします。正面から見て鉛直でも、側面から見ると傾いている場合があります。互いに直交する二方向から確認し、杭の前後方向と左右方向の傾きを把握します。確認器具を使用する場合も、取付面に土や異物が付着していないか、器具自体にずれがないかを確認します。

打設機へ杭を取り付ける際は、接続部が確実に固定されているかを確認します。取付部にがたつきがあると、無負荷の状態では鉛直に見えても、回転を開始した際に杭が振れたり、偏心したりすることがあります。杭頭の接続形状、保持部、回転軸の中心が一致しているかを見ます。

長い杭を扱う場合は、杭の中間部や先端部が振れやすくなります。杭を吊り上げた状態で先端を杭芯へ合わせるだけでは、回転開始時に横方向へ動くことがあります。周囲の安全を確保したうえで、杭の姿勢を安定させ、回転軸と杭軸が一直線になるように準備します。

機械の設置位置にも余裕が必要です。杭芯へ近づくことだけを優先して斜面端部や不安定な場所へ機械を据えると、打設中の安定性が低下します。作業範囲、旋回範囲、接地状態、周囲の杭や資材との干渉を確認し、機械が無理な姿勢にならない配置を選びます。

打設開始前の鉛直確認は、施工速度を落とす作業に見えるかもしれません。しかし、傾いた杭を後から修正したり、引き抜いて再施工したりする時間を考えると、開始前に確実に調整する方が工程全体を安定させやすくなります。連続施工中であっても、杭ごとに回転軸の状態を確認することが基本です。

打設確認4 初期貫入時に杭の方向を固定する

スクリュー杭の傾きを防ぐうえで、特に重要なのが初期貫入です。杭先端と羽根が地中へ十分に入る前は、杭を支える範囲が小さく、横方向へ動きやすい状態です。この段階で杭が傾くと、その後に回転を続けても傾いた方向へ進みやすくなります。

打設開始時は、急激に回転数を上げたり、強い押込み力を加えたりせず、杭先端が地盤へ安定して入るまで慎重に操作します。杭が地表を削りながら横滑りしていないか、杭芯から外れていないか、回転時に大きく振れていないかを確認します。初期貫入が安定する前に作業速度を上げると、わずかな傾きを見逃しやすくなります。

地表面が傾斜している場所では、杭先端が斜面下側へ逃げやすくなる場合があります。地表の凹凸や表土の状態によっては、杭先端が最も抵抗の小さい方向へ動きます。必要に応じて施工面を整え、杭芯へ先端を安定して置ける状態を確保します。ただし、地表を掘り下げたり盛り直したりする場合は、設計上の杭頭高さや貫入深さとの関係を確認しなければなりません。

初期貫入時には、回転軸の鉛直を二方向から継続して確認します。杭が数十センチ程度入った段階で一度止め、杭芯からのずれと傾きを確認する方法も有効です。初期段階であれば、施工方法に従って姿勢を調整できる可能性がありますが、深く貫入した後に無理な修正を行うと、杭が地中で曲線状に進んだり、周囲の地盤を乱したりするおそれがあります。

杭の姿勢を修正する際は、機械で横方向へ強く押して無理に起こすことを避けます。地上部分だけが鉛直に見えても、地中部分が傾いたままになっている可能性があるためです。目視上の仕上がりだけを整えるのではなく、杭全体が適切な方向へ貫入しているかを考える必要があります。

初期貫入の管理を安定させるためには、操作者と確認者の役割を明確にします。操作者が機械の操作と全方向の確認を同時に行うことは難しいため、安全な位置から杭の姿勢を確認する担当者を配置し、停止や修正の合図を統一します。騒音のある現場では声が届きにくいため、あらかじめ決めた合図を使用することも重要です。

最初の数本を試験的に施工し、初期貫入の回転速度、押込み方、確認のタイミングを共有すると、後続杭の品質をそろえやすくなります。ただし、一度決めた方法をすべての杭へ機械的に適用するのではなく、地盤の変化や機械の状態に応じて確認を続ける必要があります。

打設確認5 打設中の傾きと機械の変位を継続確認する

杭が地中へ入り始めた後も、鉛直が維持されるとは限りません。打設途中で硬い層や障害物に当たった場合、杭先端が横へ逃げ、徐々に傾くことがあります。また、貫入抵抗が増えたときの反力によって打設機が動き、回転軸の方向が変わることもあります。

打設中は、一定の深度ごと、または施工状態に変化があった時点で杭の傾きを確認します。最初に鉛直を確認したからといって、所定深度まで連続して回転させ続けるのではなく、途中で停止して状態を見ることが重要です。特に回転音、振動、貫入速度、機械の姿勢が変化した場合は、地中の抵抗が変わった可能性があります。

杭の傾きは、地上に見えている部分が短くなるほど目視で判断しにくくなります。そのため、目測だけに頼らず、鉛直を確認できる器具や測量方法を使用します。杭表面が円形で確認器具を安定して当てにくい場合は、測定位置や治具をあらかじめ決め、毎回同じ条件で確認できるようにします。

打設機の接地部についても継続して確認します。施工開始時に整地されていても、回転反力や振動によって機械の足元が沈下する場合があります。片側だけが沈むと回転軸が傾き、その変化が杭へ伝わります。機械本体に表示される姿勢情報がある場合も、それだけに依存せず、現地で回転軸と杭の状態を確認します。

回転抵抗や押込み力に関する情報を施工管理へ使用する場合は、数値の意味を正しく理解する必要があります。表示された数値が大きいことだけで十分な支持力が得られたと判断したり、数値が小さいことだけで不良と判断したりすることはできません。機械の種類、計測方法、施工速度、杭仕様、地盤条件によって値の現れ方が異なるため、設計や施工要領で定められた管理方法に従います。

所定深度へ近づいた段階では、杭頭高さを優先して急激に押し込まないようにします。杭頭を設計高さへ合わせるために強い力を加えた結果、杭が傾く場合があります。反対に、傾きを修正しようとして杭を逆回転させると、周辺地盤とのかみ合わせや支持状態へ影響する可能性があります。回転方向の変更や引上げを行う場合は、採用する施工方法で認められた手順を確認することが必要です。

打設中の管理では、異常を早く止める判断が重要です。作業を止めると工程が遅れるという意識から、そのまま施工を続けてしまうと、修正が難しい深さまで杭が入る可能性があります。傾き、偏心、異常振動、急激な抵抗変化など、停止すべき状態を施工前に共有しておくと、操作者が迷わず対応できます。

打設確認6 打設後の杭頭位置と鉛直度を測定する

打設が完了した後は、見た目だけで合格とせず、杭頭位置、杭頭高さ、鉛直度などを測定します。施工直後に測定することで、架台組立へ進む前に不適合を把握でき、再施工や調整の判断を行いやすくなります。

杭頭位置は、設計上の杭芯に対してどの方向へどれだけずれているかを確認します。単純な二点間距離だけではなく、架台列の通り方向と、それに直交する方向へ分けて記録すると、架台への影響を判断しやすくなります。同じ量のずれでも、架台の長手方向と幅方向では、部材取付への影響が異なる場合があります。

杭頭高さについても、基準高さからの差を測定します。架台側で高さを調整できる場合でも、調整可能な範囲や固定方法には条件があります。高さの不足や過大を架台組立時の現場合わせで処理すると、部材のかかり不足や接合状態のばらつきにつながる可能性があります。

鉛直度は、互いに直交する二方向から確認します。一方向の測定だけでは、別方向への傾きを見逃します。杭の見えている長さが短い場合は、短い区間の測定誤差が角度の判定へ大きく影響するため、測定器具の据付状態や測定方法をそろえることが重要です。

打設後の出来形は、杭単体の数値だけでなく、列全体の連続性も確認します。各杭が個別の許容範囲に入っていても、隣接杭が交互に異なる方向へずれていると、架台の通りが波打つ可能性があります。列の起点と終点を結んだ基準線に対する中間杭のずれや、複数列の平行関係も確認します。

測定結果は、設計図書や施工要領で定められた基準と照合します。許容範囲は、杭の種類や架台構造、接合部の調整能力、現場条件によって異なるため、一般的な数値をすべての現場へ当てはめることはできません。基準が不明確な状態で施工を始めず、着手前に検査項目、測定方法、判定者を決めておきます。

架台の試験組立を行うことも、施工精度の確認に役立ちます。代表的な区画で柱、梁、レールなどを仮組みし、穴位置、通り、高さ調整範囲を確認すれば、杭の測定値だけでは分かりにくい組立上の問題を把握できます。ただし、部材が取り付いたことだけで杭の出来形が適切だったと判断せず、測定結果と合わせて評価することが重要です。

杭の傾きが見つかったときの対応判断

打設後に杭の傾きが見つかった場合、すぐに架台部材で吸収しようとするのではなく、傾きの程度、杭頭位置のずれ、貫入深さ、施工中の記録、周辺杭との関係を確認します。見えている杭頭部分だけを機械や工具で起こす対応は、地中部分の状態を把握できないため慎重な判断が必要です。

軽微に見える傾きであっても、杭頭金具や架台部材を取り付けたときに接合面が適切に密着しない場合があります。ボルトが通るから問題ないという判断ではなく、部材が設計された位置と角度で固定され、締結部へ偏った力が加わらないかを確認します。

傾いた杭を使用できるかどうかは、現場担当者だけで決めず、必要に応じて設計者や工法の技術担当者へ確認します。確認時には、杭番号、位置ずれ、傾斜方向、傾きの測定値、杭頭高さ、打設深度、打設中の異常、周辺地盤の状況などを整理して伝えます。写真だけでは傾斜量や方向が分かりにくいため、数値と図面上の位置を併せて共有することが有効です。

再施工する場合も、同じ位置へ同じ方法で打ち直せば解決するとは限りません。傾きの原因が地中障害物や局所的な硬質層であれば、再び同じ方向へ逃げる可能性があります。引き抜き後の地盤の乱れも考慮し、再打設位置や施工方法について確認します。

杭位置を変更する場合は、架台構造や荷重条件との整合が必要です。現場の判断で数センチ移動させるだけに見えても、隣接杭との間隔や部材の支持位置が変わります。架台側で吸収できる範囲か、構造上の検討が必要かを判断し、変更内容を図面や記録へ反映します。

傾きの発生原因を振り返ることも重要です。一つの杭を再施工して終わりにすると、後続の杭で同じ問題が繰り返されます。機械の姿勢、初期貫入の方法、地盤の変化、杭の取付状態、確認間隔などを見直し、必要な是正を行ってから施工を再開します。

スクリュー杭の施工記録を残す重要性

太陽光施工では施工本数が多いため、記憶や口頭報告だけで各杭の状態を管理することは困難です。杭番号ごとに、施工位置、施工日時、担当者、杭仕様、打設深度、杭頭高さ、傾き、施工中の異常などを記録し、設計図と対応付けることが重要です。

施工記録があれば、架台組立時に不具合が見つかった場合でも、該当する杭の施工状況を確認できます。たとえば、特定の区画だけ杭頭のずれが多い場合、施工日の地盤状態や使用した機械、位置出しの基準などをさかのぼって調べられます。記録がなければ、原因を推測するしかなく、適切な是正につながりにくくなります。

写真を残す場合は、杭だけを大きく撮影するのではなく、杭番号、周辺の位置関係、確認器具の状態が分かるようにします。写真の撮影方向を統一すれば、複数の杭を比較しやすくなります。ただし、写真は測定値の代わりにはならないため、出来形数値と組み合わせて管理します。

座標を利用して杭位置を管理する場合は、使用した座標系、基準点、測定方法を統一します。異なる座標基準のデータを混在させると、数値上は似ていても現場位置が一致しないことがあります。測定前には基準点を確認し、既知点との照合によって設定誤りがないことを確かめます。

測定データのファイル名や杭番号の入力規則も統一します。現場では同じ杭を異なる表記で記録すると、図面との対応付けに時間がかかります。数字の桁数、列と行の表し方、再施工杭の識別方法などを施工前に決めておくと、集計ミスを防ぎやすくなります。

打設中に発生した異常も記録します。所定深度まで通常どおり施工できた杭と、途中で急激な抵抗変化があった杭を同じ扱いにすると、後から重点的に確認すべき箇所を判断できません。停止、再開、引上げ、位置変更などを行った場合は、その経緯を残します。

記録は検査のためだけに作成するものではありません。日々の施工結果を比較し、傾きが発生しやすい条件を見つけるためにも活用できます。特定の地盤範囲、機械の設置方向、施工方法などと傾きの発生に関係が見られれば、後続作業の改善につなげられます。

太陽光施工の基礎精度を高める現場管理

スクリュー杭の傾きを抑えるには、熟練した操作者の感覚だけに頼らず、施工手順として確認を組み込む必要があります。位置出し、機械設置、初期貫入、打設途中、打設完了後という各段階で、誰が何を確認するかを明確にします。

朝礼や作業前打合せでは、当日の施工範囲、地盤状態、基準点、注意する区画を共有します。前日に傾きや貫入異常が発生した場所がある場合は、その原因と対応方法を説明します。単に「注意して施工する」と伝えるのではなく、どの状態になったら停止するのか、誰へ報告するのかを具体的に決めます。

施工速度の管理も重要です。予定本数の達成だけを重視すると、杭ごとの鉛直確認や測定が省略されやすくなります。品質確認を工程外の作業として扱うのではなく、一連の打設作業に含めて施工計画を立てます。確認時間を見込んだ工程であれば、作業員が焦って判断する状況を減らせます。

最初の架台列を重点的に管理し、位置、鉛直、高さ、組立状態を確認してから施工を展開する方法も有効です。初期段階で基準となる出来形を共有すると、操作者や測定担当者の認識をそろえやすくなります。最初の列に問題がある状態で大量施工へ進むと、同じ誤差を広い範囲へ拡大させることがあります。

測定器具や打設機の点検も欠かせません。確認器具の精度が低下していたり、回転軸の接続部に摩耗やがたつきがあったりすると、丁寧に確認しても正しい施工につながりません。始業前点検だけでなく、異常な振動や杭の振れが見られたときにも、機械や接続部を確認します。

施工管理者は、出来形の数値だけでなく、測定方法が統一されているかを確認します。同じ杭を測定しても、器具を当てる位置や測定方向が異なれば結果が変わることがあります。測定手順を文書や写真で示し、担当者が変わっても同じ条件で測定できる状態を整えます。

位置情報と写真、杭番号、測定値を一体的に管理できれば、多数の杭を扱う現場でも確認漏れを減らしやすくなります。LRTK Phoneのような位置情報を扱える端末を利用する場合は、杭位置の確認や現場記録を設計データと対応付け、施工前後の状態を追跡できるようにします。利用する機能や測定方法が現場の管理基準に適合しているかを事前に確認し、従来の測量や検査を置き換えられる範囲と、別途確認が必要な範囲を整理することが大切です。

まとめ

太陽光施工でスクリュー杭の傾きを防ぐには、打設機を鉛直に置くだけでは不十分です。杭芯と架台の通りを正確に位置出しし、地盤状態や地中障害物の可能性を確認したうえで、打設機の回転軸を二方向から調整する必要があります。

打設開始後は、初期貫入の段階で杭の方向を安定させ、施工途中も傾きや機械の沈下を継続して確認します。所定深度へ到達した後には、杭頭位置、杭頭高さ、鉛直度を測定し、設計図書や施工要領で定められた基準と照合します。

傾きが見つかった場合は、架台部材で無理に吸収するのではなく、杭の状態と施工記録を整理し、再施工や位置変更の要否を関係者と判断することが重要です。また、一つの不良杭だけを処理して終わらせず、発生原因を確認して後続施工へ反映する必要があります。

多数の杭を施工する太陽光発電設備では、一本ごとの位置、傾き、深度、異常の有無を確実に記録する仕組みが品質管理を支えます。位置情報と現場写真、杭番号、出来形測定を対応付けることで、確認漏れや記録の取り違えを抑えやすくなります。

スクリュー杭の精度は、架台組立やモジュール設置へ進んでから修正するのではなく、打設の各段階でつくり込むことが基本です。太陽光施工の位置確認と記録管理をさらに効率化したい場合は、LRTK Phoneを活用した現場管理も確認してみてください。

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