LRTKレフィクシア株式会社

車道面と距離標点の違いを5分で理解する基礎知識

まず押さえたい車道面と距離標点の関係

道路の図面、測量成果、点検記録、維持管理台帳、道路基盤地図情報などを扱っていると、「車道面」と「距離標点」という言葉に出会うことがあります。道路基盤地図情報の文脈では、車道(面)や距離標(点)のように、地物の種類と図形表現を組み合わせて示されることがあります。ここでいう「面」は一定の広がりを持つ地物を、「点」は位置を代表する地物を表すものと考えると理解しやすくなります。

簡単に言えば、車道面は「道路のどの面を対象にしているか」という話で、距離標点は「道路のどの位置を参照しているか」という話です。車道面は、車両が通行する道路部分やその表面状態を面として捉える考え方です。距離標点は、路線の起点からの距離や道路管理上の位置を示すための点として扱われます。どちらも道路上の場所を説明するときに使われますが、役割は同じではありません。

この違いを理解しておくと、舗装の損傷位置、道路附属物の設置位置、測量点の整理、補修範囲の指定、写真台帳の作成が進めやすくなります。逆に、両者を混同したまま資料を読むと、どの範囲を確認すべきか、どの点を基準にするのか、どの情報を台帳に登録すべきかが曖昧になります。特に、道路管理では延長方向の位置と横断方向の範囲を分けて考えないと、関係者間の認識違いが起こりやすくなります。

道路業務では、平面図、縦断図、横断図、舗装展開図、道路台帳、点検調書、補修設計資料など、さまざまな資料が使われます。車道面を扱う資料では、幅員、舗装構成、横断勾配、縦断勾配、ひび割れ、わだち掘れ、段差、排水の流れなど、面としての状態が重要になります。一方、距離標点を扱う資料では、起点からの距離、測点、路線方向、上り下り、左右の別、現地標識や座標との対応など、位置を特定する情報が重要になります。

この記事では、実務担当者が短時間で整理できるように、車道面と距離標点の意味、違い、使い分け、確認時の注意点を基礎から解説します。厳密な定義や入力方法は、道路管理者、発注者、仕様書、台帳の作成ルール、使用するGISデータによって変わる場合があります。そのため、ここでは特定の仕様に限定しすぎず、多くの道路関連業務で共通して役立つ考え方を中心に説明します。

車道面とは何を指すのか

車道面とは、一般に車両の通行に関係する道路部分を面として捉えた表現です。日常的には「車が走る道路の表面」と理解すると入り口としては分かりやすいです。道路を横断方向に見ると、車道、路肩、歩道、中央帯、側溝、法面など、複数の構成要素があります。その中で車道面は、車両通行や舗装管理の対象となる面を中心に扱う言葉として使われます。

ただし、実務では「車道面」がどこまでを含むかを必ず確認する必要があります。ある資料では走行車線部分を中心に指していることがありますし、別の資料では路肩、停車帯、すり付け区間、副道などを含む広い範囲を車道系の面として扱うこともあります。道路構造、台帳、道路基盤地図情報、点検調書では、同じような言葉でも対象範囲が完全には一致しない場合があります。

車道面は「面」であるため、幅と長さを持ちます。ある一点だけではなく、一定の広がりを持つ対象です。舗装補修であれば、延長と幅から面積を求めます。路面性状調査であれば、走行方向に連続した区間として評価します。排水計画であれば、車道面の横断勾配や縦断勾配によって雨水の流れを考えます。高さ管理では、車道中心、車線端部、路肩寄り、側溝付近など、車道面上の複数位置で標高や出来形を確認します。

また、車道面は現地に存在する物理的な対象です。舗装されていれば舗装の表層があり、未舗装であれば路盤や表面材があり、橋梁部であれば床版上の舗装面が該当することがあります。現地で目視でき、測定でき、写真に写り、損傷や変状が発生する対象です。そのため、車道面という言葉が出てきたときは、「道路表面の状態を扱っているのか」「舗装や通行機能を扱っているのか」「幅員や勾配を扱っているのか」を意識すると理解しやすくなります。

車道面は、設計、施工、点検、補修、維持管理のすべてに関わります。設計段階では、道路構造、舗装構成、排水、すり付けが検討されます。施工段階では、仕上がり高さ、平坦性、横断勾配、舗装厚、施工範囲が管理されます。維持管理段階では、ひび割れ、段差、沈下、わだち掘れ、ポットホール、路面表示の摩耗などが確認されます。つまり、車道面は道路の機能や安全性を直接支える対象の一つです。

距離標点とは何を示す点なのか

距離標点とは、道路の路線上で位置を示すために用いられる点として理解できます。道路管理では、住所や地番だけでは道路上の位置を正確に共有しにくいことがあります。そのため、路線名や管理区間に加えて、起点から何キロメートル、何メートル付近という表し方が使われます。この距離による位置管理を支える情報が距離標であり、GISや台帳では距離標を点地物として扱うことがあります。

距離標そのものは、道路管理のために起点からの距離を表示する標識として道路端などに設置されることがあります。一般にキロポストと呼ばれることもあり、路線の起点からどの程度離れた地点かを示します。一方で、資料上の距離標点は、現地に見える標識そのものの位置だけを意味するとは限りません。図面やGIS上では、距離標の位置を代表する点、道路中心線上の距離位置、測点に近い管理点などとして扱われる場合があります。

距離標点は「点」であることが重要です。車道面のように広がりを持つ面ではなく、位置を示すための一点、または一点として扱う参照情報です。現地に距離を示す標識や杭が設置されている場合もありますが、すべての距離標点が必ず現地で視認できる標識として存在するとは限りません。台帳上の管理点、図面上の測点、路線中心線上の距離位置、現地標識を座標化した点など、業務の目的によって扱い方が変わります。

距離標点の役割は、道路に関する情報を路線方向に沿って整理することです。たとえば、舗装の損傷がある場所を「この路線の起点から一定距離付近」と示せれば、関係者が同じ場所を探しやすくなります。道路附属物の設置位置、交差点の位置、橋梁やトンネルの位置、補修工事の始点と終点、事故や通行規制の発生位置なども、距離標や距離標点の考え方と結び付けることで管理しやすくなります。

ここで注意したいのは、距離標点は必ずしも車道面の中央や路面上にあるとは限らないという点です。路線中心線上の理論的な位置として管理される場合もあれば、道路脇に設置された標識や杭の位置として管理される場合もあります。また、道路が拡幅されたり、線形が変更されたり、バイパスが整備されたりすると、過去資料と現在資料で距離の扱いが異なる場合があります。距離標点を使うときは、どの路線のどの起点から測った距離なのか、現地標識の位置なのか、図面上の測点なのか、管理用の座標点なのかを確認する必要があります。

距離標点は、道路の「住所」のような役割を持つと考えると分かりやすいです。住所は建物そのものではなく、場所を示す情報です。同じように、距離標点は車道面そのものではなく、道路上の位置を共有するための情報です。車道面のひび割れを記録するときには、ひび割れという対象が車道面にあり、その場所を説明するために距離標点や距離情報を使います。対象と位置情報を分けて考えることが、両者を理解する第一歩です。

車道面と距離標点の決定的な違い

車道面と距離標点の違いは、最も端的に言うと「面か点か」の違いです。車道面は車両の通行や舗装管理に関係する道路表面を面として扱う情報であり、距離標点は路線上の位置を点として扱う情報です。この違いを押さえるだけでも、多くの混同は防げます。車道面は損傷する対象であり、補修する対象であり、測定する対象です。一方、距離標点はその対象がどこにあるかを伝えるための基準です。

次に重要なのは、「対象の状態を示す情報か、位置を参照する情報か」という違いです。車道面は現地に実在する道路表面であり、雨が降れば濡れ、車両が通れば摩耗し、施工によって高さや勾配が変わります。距離標点は、現地に標識や杭として存在することもありますが、本質的には位置を参照するための情報です。台帳や図面の中で管理される点であり、路線方向に沿って場所を整理するために使われます。

さらに、車道面は面的な数量や状態の評価に使われ、距離標点は位置の特定や区間管理に使われるという違いがあります。舗装補修の数量を出すときには、車道面の補修幅と延長から面積を考えます。路面の損傷評価では、車道面のどの範囲にどの程度の変状があるかを見ます。これに対して、距離標点は補修区間の始点や終点、損傷箇所の位置、道路施設の設置位置を説明するために使われます。

実務では、両者はセットで使われることがよくあります。たとえば「ある路線の起点から一定距離付近の下り方向車道面にひび割れがある」という記録では、距離標点や距離情報が場所を示し、車道面が損傷の発生対象を示しています。この文章を分解すると、距離標点は「どこか」を示し、車道面は「何を見ているか」を示しています。ここを混同すると、「距離標点を補修する」「車道面だけで延長方向の位置が完全に分かる」といった誤った理解につながる可能性があります。

もう一つの違いは、変化の仕方です。車道面は舗装修繕、切削、オーバーレイ、路面標示の更新、沈下や隆起などによって状態が変わります。距離標点は、路線管理のルールが変わらない限り、位置管理の基準として継続的に使われることが多いです。ただし、道路の付け替え、区域変更、起点や終点の見直し、台帳更新があると、距離標点や距離の扱いも変わることがあります。古い資料を参照するときは、車道面の現況だけでなく、距離標点の基準が現在と一致しているかも確認する必要があります。

図面や現地で混同しやすい理由

車道面と距離標点が混同されやすい理由は、どちらも道路上の位置説明に登場するからです。現場では「このあたりの車道面」「距離標の近く」「何キロ付近の路面」といった表現が日常的に使われます。会話の中では意味が通じていても、記録として残すときには対象と位置が曖昧になることがあります。特に、点検写真、損傷図、補修指示、数量根拠を作る場面では、どの言葉が対象を示し、どの言葉が位置を示しているのかを明確にする必要があります。

図面上では、距離標点が道路中心線付近や道路端付近に表示され、車道面の範囲と重なって見えることがあります。平面図だけを見ると、距離標点が車道面の一部であるように見えるかもしれません。しかし、距離標点は位置を示す記号であり、車道面の形状や範囲を示すものではありません。図面の縮尺が小さい場合や、記号が密集している場合には、道路施設、測点、距離標、舗装範囲の区別がさらに分かりにくくなります。

現地でも混同は起こります。距離を示す標識やプレートが道路脇にある場合、その近くの車道面を指して「距離標点」と言ってしまうことがあります。また、点検時に「距離標の前の路面」と記録したつもりでも、後から見る人には、標識そのものの位置なのか、車道上の損傷位置なのかが分からない場合があります。道路は延長方向に長く続く構造物であり、似た景色が連続するため、言葉だけでは位置の再現性が弱くなりやすいのです。

また、距離標点の扱いは管理者や資料の種類によって細部が異なる場合があります。ある資料では距離標の設置位置を点として扱い、別の資料では路線中心線上の距離位置を点として扱うことがあります。現地の標識位置と図面上の距離位置が完全に一致しないこともあります。道路脇にある標識は、安全性や設置スペースの都合で車道中心から離れた場所に設置されることがあるためです。そのため、距離標点を座標として扱う場合には、その点が何を代表しているのかを確認しなければなりません。

さらに、車道面は面的な広がりを持つため、同じ距離付近でも左右方向のどこを見るかによって状況が変わります。上り車線と下り車線で路面状態が異なることもありますし、車線中央、わだち部、路肩寄りで損傷の種類が異なることもあります。距離標点だけで位置を示した場合、延長方向の位置は分かっても、横断方向の位置は十分に伝わらないことがあります。したがって、距離標点は位置特定の強力な手掛かりですが、それだけで車道面上の詳細位置をすべて表せるわけではありません。

測量・点検・維持管理での使い分け

測量業務では、車道面と距離標点を明確に分けて扱うことが重要です。車道面を測る場合は、路面の高さ、勾配、形状、端部、舗装境界、段差などが主な対象になります。測定結果は、横断図、縦断図、平面図、出来形管理、補修設計の基礎資料になります。ここで必要なのは、実際の表面がどのような高さと形状を持っているかという情報です。

一方、距離標点を扱う場合は、路線上の位置関係を整理することが中心になります。起点からの距離、既設標識との対応、測点番号、管理区間、道路施設との相対位置などを確認します。距離標点は、車道面の高さや損傷状態を直接表すものではなく、測量結果や点検結果をどの位置にひも付けるかを決めるための基準になります。測量成果を後から使う人にとっては、距離標点や測点との対応が明確であるほど、現地再確認や設計への反映がしやすくなります。

点検業務では、車道面は損傷や変状を観察する対象になります。ひび割れ、沈下、段差、はく離、ポットホール、わだち掘れ、雨水滞留、すべりやすさに関係する表面状態などを確認します。点検記録では、損傷の種類、規模、方向、発生位置、緊急性を記録します。このとき、距離標点や距離情報を併記することで、後から補修担当者が同じ場所を探しやすくなります。

維持管理では、車道面の状態を継続的に把握することが重要です。道路の路面は交通量、気象条件、排水状況、地下埋設物工事、周辺地盤の影響を受けて変化します。毎回の点検で同じ基準に沿って位置を記録しなければ、前回の損傷と今回の損傷が同じものなのか、新しく発生したものなのか判断しにくくなります。ここで距離標点が役立ちます。距離標点を基準にして記録を整理すれば、路線全体のどこに損傷が集中しているか、どの区間で補修が繰り返されているかを把握しやすくなります。

ただし、距離標点だけに頼りすぎるのも危険です。車道面の損傷は横断方向の位置が重要になるため、距離に加えて、車線、進行方向、左右の別、道路中心からの離れ、路肩からの位置などを補足する必要があります。たとえば、同じ距離付近でも、片側車線だけに沈下がある場合と、全幅にわたって段差がある場合では、原因も対策も変わります。距離標点は延長方向の住所、車道面の観察情報は実際の状態、と分けて記録することが実務上の基本です。

施工管理で見るべきポイント

施工管理では、車道面は出来形と品質を確認する中心的な対象になります。舗装工事であれば、施工範囲、仕上がり高さ、平坦性、横断勾配、縦断勾配、舗装厚、継目の位置、既設舗装とのすり付けなどを確認します。車道面は車両が直接走行する部分であるため、段差、不陸、排水不良が走行性や安全性に影響します。そのため、設計図書に示された計画高や横断形状と、現地の仕上がりが合っているかを丁寧に確認する必要があります。

距離標点は、施工範囲や管理測点を整理するために使われます。たとえば、補修工事の始点と終点を距離で示す場合、距離標点や測点を基準にして区間を特定します。施工前の現地確認では、図面上の距離位置と現地の標識、交差点、構造物、既設目印がどのように対応しているかを確認します。ここが曖昧なまま施工に入ると、補修範囲がずれたり、数量が合わなかったり、発注者と施工者の認識が食い違ったりすることがあります。

施工管理で特に注意したいのは、距離標点が示す位置と、実際に施工する車道面の範囲は別物だということです。距離標点は区間の目安や位置の基準になりますが、施工範囲は車道面上の幅と延長を持つ面として決まります。始点と終点が距離で示されていても、施工幅が片側車線なのか、全幅なのか、路肩を含むのか、交差点部を含むのかによって数量は変わります。距離情報だけで面積を決めるのではなく、横断方向の範囲を必ず確認する必要があります。

また、現道上の工事では、既設道路の線形や幅員が設計資料と完全に一致しない場合があります。過去の補修、占用工事、側溝改修、縁石の移設、路肩の変形などによって、車道面の実際の範囲が変わっていることもあります。距離標点に基づく区間は正しくても、現地の車道面の端部や舗装境界が想定と違えば、施工計画を調整しなければなりません。施工前測量や着手前写真の段階で、距離標点、現地目印、車道面の範囲を合わせて整理しておくことが大切です。

出来形資料を作るときも、車道面と距離標点の役割を分けて記録すると分かりやすくなります。測定位置は距離標点や測点で示し、測定対象は車道面のどこなのかを明示します。たとえば、車道中心、車線端、路肩寄り、舗装打継目付近など、測定箇所の意味を記録しておけば、後から成果を確認する人が判断しやすくなります。写真整理でも、距離情報だけでなく、撮影方向と車道面上の対象範囲を合わせて記録することで、資料の再現性が高まります。

台帳・設計資料・写真整理での確認方法

道路台帳や設計資料を読むときは、まずその資料が何を基準に整理されているかを確認します。路線名、起点、終点、管理区間、測点の取り方、距離標の表示方法が分かれば、距離標点の意味を理解しやすくなります。古い資料と新しい資料を照合する場合は、同じ距離表示であっても基準が変わっていないかを確認することが重要です。道路改良や区域変更が行われていると、過去の距離位置と現在の現地位置がずれる場合があります。

車道面を確認する場合は、平面図だけでなく横断図や標準断面図を見ると理解しやすくなります。平面図では道路の延長方向の位置関係が分かりますが、車道面の幅、路肩との境界、歩道との関係、排水施設との位置関係は横断方向の資料を見なければ分かりにくいことがあります。車道面がどこからどこまでか、車線ごとにどのような構成か、路肩や側溝を含めるのかを確認することで、点検や施工の対象範囲を誤りにくくなります。

写真整理では、距離標点と車道面を同時に記録できるよう意識すると、後から使いやすい資料になります。写真のファイル名や写真台帳に距離情報を入れるだけではなく、撮影対象が車道面のどの部分なのか、どちら向きに撮影したのか、近くにどのような目印があるのかを説明できると、現地再確認が容易になります。特に路面損傷の写真では、近景だけを撮ると周辺位置が分からなくなるため、位置が分かる写真と損傷の詳細写真を組み合わせると実務で役立ちます。

台帳では、距離標点が道路施設の管理位置として使われることがあります。標識、照明、排水施設、防護柵、区画線、舗装補修履歴などが距離情報と結び付けられている場合、距離標点は検索や集計の軸になります。一方、車道面の状態は、区間単位、車線単位、面積単位で整理されることが多く、点だけでは表しきれません。台帳に入力する際は、点で管理すべき施設なのか、線や区間で管理すべき対象なのか、面で管理すべき車道面情報なのかを分けて考える必要があります。

設計資料では、距離標点や測点が図面全体の骨格になります。縦断図では測点ごとに計画高や地盤高が示され、横断図では各測点における道路幅員や構造が示されます。このとき、測点や距離標点は図面を読むための位置基準であり、車道面はその位置における設計対象の一部です。距離標点を見て位置を把握し、その位置の横断構成を見て車道面の範囲や高さを確認する、という順序で読むと混乱しにくくなります。

よくある誤解とトラブル回避の考え方

よくある誤解の一つは、距離標点を車道面上の実測点そのものだと思い込むことです。距離標点が図面上で車道付近に表示されていると、その点が路面上の測定点だと考えてしまうことがあります。しかし、距離標点はあくまで位置を示すための点であり、必ずしも高さ測定点、舗装端部、損傷箇所そのものを示しているわけではありません。測定点として使う場合には、その距離標点からどの方向にどれだけ離れた車道面を測るのかを明確にする必要があります。

もう一つの誤解は、距離標点が分かれば車道面上の詳細位置も完全に分かると考えることです。距離標点は延長方向の位置を表すには便利ですが、道路の横断方向の位置までは十分に表せません。車道面は幅を持つため、同じ距離位置でも左側、右側、中央部、路肩部、交差点内、すり付け部など、確認すべき場所が複数あります。損傷や施工範囲を記録する場合は、距離情報に加えて横断方向の説明を添えることが望ましいです。

また、「車道面」という言葉の範囲を関係者全員が同じように理解しているとは限りません。ある担当者は走行車線だけを想定し、別の担当者は路肩を含む舗装面全体を想定していることがあります。補修数量や点検評価に関わる場合、この認識差は大きな問題になります。業務開始時や現地立会時には、車道面の対象範囲を図面上で確認し、必要に応じて写真や簡単なスケッチで共有しておくとよいです。

トラブルを避けるには、記録の文章を「位置」と「対象」に分けて書くことが有効です。「距離標点付近に損傷あり」だけでは情報が不足します。「起点から一定距離付近の下り車線、車道面左側寄りにひび割れあり」のように、距離情報、方向、車線、車道面上の位置、損傷内容を組み合わせると、後から見ても解釈しやすくなります。さらに、座標、写真、現地目印を合わせて残せば、現地再現性は高まります。

過去資料を使う場合は、資料の作成時期にも注意が必要です。道路は改良や補修によって変化します。車道面の幅や舗装構成が変わっていることもあれば、距離標や管理区間の考え方が更新されていることもあります。古い点検記録に記載された距離位置を現在の現地に当てはめるときは、交差点、橋梁、側道、道路附属物などの変化を確認し、必要に応じて現地測位や再測量で補正することが重要です。

現場で迷ったときの判断手順

現場で車道面と距離標点の扱いに迷ったときは、まず「いま確認したいのは対象か、位置か」を考えると整理できます。舗装の状態、段差、勾配、補修範囲、通行に影響する路面の状況を確認したいなら、主役は車道面です。一方で、その場所を関係者に伝える、台帳に登録する、過去資料と照合する、施工範囲の始点と終点を指定するのであれば、距離標点や距離情報が重要になります。

次に、位置の基準を確認します。距離標点を使う場合は、どの路線の起点からの距離なのか、上り方向と下り方向のどちらを基準にしているのか、現地標識と図面上の点が一致しているのかを確認します。道路が複雑な交差点や分岐部を含む場合、単純な距離だけでは場所が伝わりにくいことがあります。その場合は、近くの構造物、交差点名、橋梁名、道路附属物、座標、写真方向などを併用すると確実です。

そのうえで、車道面の範囲を確認します。対象が走行車線だけなのか、路肩を含むのか、交差点内のすり付け部を含むのか、補修境界はどこなのかを現地と図面で照合します。車道面は面であるため、始点と終点だけでは範囲が決まりません。横断方向の端部、車線境界、舗装境界、構造物との取り合いを確認してはじめて、実際の対象範囲が明確になります。

記録するときは、できるだけ一つの情報に頼らないことが大切です。距離標点だけ、写真だけ、口頭説明だけでは、後から解釈が分かれる可能性があります。距離情報で延長方向の位置を示し、車道面上の横断方向の位置を文章で補い、写真で現地状況を残し、必要に応じて座標で裏付けるという考え方が有効です。これにより、点検、設計、施工、維持管理の担当者が同じ場所を共有しやすくなります。

最後に、判断に迷う用語が出てきたら、資料の中でその言葉がどのように使われているかを確認します。同じ「距離標点」でも、図面上の測点に近い意味で使われている場合と、現地標識の位置に近い意味で使われている場合があります。同じ「車道面」でも、舗装全体を指す場合と、車両走行部に限定している場合があります。用語を一般論だけで固定せず、その業務の仕様や図面表現に合わせて読む姿勢が、実務では欠かせません。

まとめ:面と点を分けて考えると道路情報は整理しやすい

車道面と距離標点の違いは、道路実務の基本でありながら、資料の読み取りや現地確認では意外と混同されやすい部分です。車道面は、車両が通行する道路部分やその表面を中心とした面の情報です。舗装、勾配、損傷、補修範囲、出来形、排水、走行性など、道路の機能や状態を直接扱う対象になります。これに対して、距離標点は、路線上の位置を示すための点の情報です。起点からの距離や管理上の位置を示し、点検記録、施工範囲、道路施設、台帳情報を整理するための基準になります。

実務で重要なのは、車道面と距離標点を対立するものとして考えるのではなく、役割の異なる情報として組み合わせることです。車道面だけを見ても、その場所を正確に伝えられなければ管理に使いにくくなります。距離標点だけを見ても、車道面のどの範囲に何が起きているのかは分かりません。距離標点で場所を示し、車道面で対象や状態を示す。この分担を意識するだけで、図面、写真、台帳、点検調書、施工記録の精度が変わります。

特に、道路の維持管理では、同じ場所を継続的に確認できることが重要です。損傷の進行、補修履歴、再発箇所、交通への影響を把握するには、位置情報と現地状態を結び付ける必要があります。距離標点はそのための軸になり、車道面の記録は実際の管理判断の材料になります。現地での記録時には、距離、方向、車線、横断方向の位置、写真、座標をできるだけ整理して残すことが、後工程の手戻りを減らします。

これから道路調査や点検、施工管理、台帳整備に関わる場合は、「これは面の話か、点の話か」を最初に確認する習慣を持つとよいです。車道面は状態や範囲を読むための言葉であり、距離標点は位置を共有するための言葉です。この基本が分かっていれば、資料の読み違い、現地指示の曖昧さ、写真整理の混乱、数量範囲のずれを防ぎやすくなります。

現場で位置情報を正確に残し、車道面の状態を効率よく記録したい場合は、距離情報、撮影方向、横断方向の位置、座標、メモを一体で整理できる運用を用意しておくと実務が進めやすくなります。重要なのは、特定の言葉だけに頼るのではなく、面としての車道情報と点としての距離標情報を分けて記録し、後から誰が見ても同じ場所と同じ対象を確認できる状態にしておくことです。

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