LRTKレフィクシア株式会社

鉄道DXと除雪作業管理で冬季運行を守る5項目

冬季運行における除雪作業管理の課題

冬季の鉄道運行では、降雪量だけでなく、気温、風向、風速、湿った雪か乾いた雪か、夜間の冷え込み、日中の融雪、線路脇からの吹き込み、駅構内の歩行者動線、踏切周辺の道路状況など、多くの条件が重なって現場の難易度が変わります。雪が多い地域では当然ながら除雪作業が重要になりますが、普段は雪が少ない地域でも、短時間の積雪や凍結によってポイント不転換、ホーム端部の視認性低下、車両基地内の作業遅延、通勤時間帯の混雑増加などが起こり得ます。つまり除雪作業管理は、単に雪を取り除く作業ではなく、冬季運行を守るための現場判断、情報共有、安全管理、記録管理を含む総合的な業務です。

従来の除雪作業管理では、電話連絡、紙の作業指示、経験者の判断、現場写真、無線連絡、巡回報告などが中心になりがちです。これらは現場に根付いた有効な方法ですが、降雪が広範囲に及ぶと情報が分散しやすくなります。どの区間で積雪が増えているのか、どの駅で優先的に人員を配置すべきか、どの踏切やポイント周辺で再確認が必要か、どの作業班がどこまで対応したのかが、管理側から見えにくくなることがあります。担当者が状況を把握するために何度も確認電話を入れると、現場の手も止まり、判断も遅れます。

そこで注目されるのが鉄道DXです。鉄道 DXは、現場業務を単にデジタル化するだけではありません。紙を画面に置き換えることが目的ではなく、現場の状況を早く把握し、優先順位を判断し、作業の抜け漏れを防ぎ、後から説明できる記録を残すことが重要です。除雪作業管理における鉄道DXでは、現場で取得した位置情報、写真、点検結果、作業時間、担当者、気象情報、運行への影響見込みなどをつなげ、関係者が同じ情報を見ながら判断できる状態を作ります。

ただし、冬季運行の安全はシステムだけで確保できるものではありません。各鉄道事業者の規程、線区ごとの設備条件、保守体制、自治体や道路管理者との連携、委託会社との役割分担、現場責任者の判断が前提になります。DXはその判断を置き換えるものではなく、判断材料をそろえ、連絡の遅れや記録の抜けを減らし、経験が属人化しすぎないように支える仕組みです。この記事では、鉄道DXと除雪作業管理を結びつけ、冬季運行を守るために押さえたい5項目を実務目線で整理します。

項目1 現場状況をリアルタイムに見える化する

除雪作業管理で最初に重要になるのは、現場状況をできるだけ早く、正確に把握することです。冬季のトラブルは、現場で起きていることと管理側が把握していることの時間差が大きいほど対応が難しくなります。降雪が強まっている区間、吹きだまりが発生しやすい箇所、ポイント周辺の雪詰まり、ホーム上の凍結、駅前広場や通路の歩行者動線、車両基地内の入換作業への影響などは、同じ路線の中でも場所によって状況が大きく異なります。現場からの報告が遅れたり、報告内容が文章だけだったりすると、優先順位を決める側が状況を正しく比較できません。

鉄道DXでは、現場担当者がスマートフォンやタブレットを使って、写真、動画、位置情報、時刻、作業コメントをまとめて送信できる仕組みを整えることが有効です。単に写真を共有するだけでは、どこの写真なのか、いつ撮影されたものなのか、どの方向を見ているのか、作業前なのか作業後なのかが分からなくなることがあります。位置情報と時刻が紐づいた報告であれば、管理側は地図上で状況を確認し、複数地点を比較しながら指示を出しやすくなります。特に降雪時は似たような景色が多くなるため、位置情報付きの記録は誤認防止にも役立ちます。

見える化の対象は、積雪量や作業完了状況だけではありません。作業員の到着状況、除雪車両の稼働状況、資機材の配置、融雪剤や滑り止め材の残量、通路の閉鎖状況、駅係員からの注意喚起内容、利用者動線の変更状況なども含めて管理できると、冬季対応全体の判断がしやすくなります。例えば、同じ積雪量でも、朝の通勤時間帯を迎える駅と、利用者が少ない時間帯の設備点検箇所では優先順位が変わります。運行への影響、利用者の安全、作業員の安全、代替手段の有無を総合的に見て判断するためには、現場情報を一か所に集めることが重要です。

一方で、リアルタイム化を急ぎすぎると、現場入力が負担になってしまいます。降雪時の現場は、視界が悪く、手袋を着用し、寒さの中で作業しているため、長文入力や複雑な画面操作には向きません。報告項目は、選択式、写真添付、簡単なコメント、作業前後の状態選択など、短時間で入力できる形にする必要があります。現場に入力を求めるなら、管理側もその情報を見て判断し、指示や支援に反映することが大切です。入力したのに見られていない、報告しても電話で同じ内容を聞かれる、という状態では定着しません。

また、気象情報や過去の要注意箇所と現場報告を組み合わせると、先回りした判断がしやすくなります。気象予測だけでは実際の線路条件までは分かりませんが、過去に吹きだまりが発生した箇所、日陰で凍結しやすい通路、融雪後に再凍結しやすいホーム端部、排水不良で水たまりが残りやすい箇所などを地図上に重ねれば、巡回や除雪の優先順位を決めやすくなります。鉄道 DXの効果は、最新情報を集めることだけでなく、過去の知見を現場判断に使える形で再利用するところにもあります。

項目2 除雪計画と運行計画を同じ情報基盤でつなぐ

除雪作業は保守側だけで完結する業務ではありません。冬季運行では、列車の運行計画、駅の旅客対応、車両運用、乗務員手配、設備保守、委託会社の作業計画、自治体や道路側との連携が絡み合います。除雪作業の優先順位を決めるときには、どの列車を守る必要があるのか、どの駅で利用者の滞留が見込まれるのか、どの設備が止まると運行全体に影響するのかを把握しなければなりません。現場ごとに別々の表や連絡網で管理していると、除雪の進捗と運行判断がずれやすくなります。

鉄道DXでは、除雪計画と運行計画を同じ情報基盤で確認できる状態を目指します。例えば、重点除雪区間、駅構内の優先通路、ポイント周辺、踏切、車両基地、留置線、作業員待機場所、資機材保管場所などを地図や一覧で管理し、そこに運行上の重要度や時間帯ごとの優先度を紐づけます。これにより、現場から見た作業のしやすさだけでなく、運行全体から見た重要度を踏まえて作業順序を決められます。

計画段階では、降雪前、降雪中、降雪後で管理すべき内容が変わります。降雪前には、資機材の点検、担当者の配置、待機体制、要注意箇所の事前確認、作業手順の共有が重要です。降雪中には、現場の進捗、運行影響、追加応援の必要性、利用者動線の確保、危険箇所の封鎖判断が中心になります。降雪後には、再凍結の確認、残雪処理、記録整理、次回に向けた改善点の抽出が必要です。これらを別々に管理すると、引き継ぎ時に情報が途切れます。DXによって一連の流れをつなげることで、対応の抜け漏れを減らせます。

また、除雪作業管理では、優先順位の考え方を事前に共有しておくことが重要です。降雪が激しいと、すべての箇所を同時に完璧な状態にすることは現実的ではありません。運行確保に直結する設備、利用者の安全に関わる動線、作業員の退避や移動に必要な通路、緊急時対応に必要なアクセス路など、何を先に守るのかを明確にしておく必要があります。デジタル上で優先度が見えるようになっていれば、現場担当者も管理者も同じ基準で判断しやすくなります。

委託会社や協力会社との連携にも、同じ情報基盤は有効です。除雪作業を外部に委託している場合、作業範囲、完了条件、報告方法、写真の撮り方、緊急時の連絡先、入場可能な範囲、安全上の注意点を明確にしておく必要があります。紙や口頭だけで伝えると、担当者が交代したときに認識差が出ることがあります。作業範囲を地図上で示し、完了報告を位置情報付きで残し、必要な注意事項を画面で確認できるようにすれば、現場の迷いを減らせます。

ただし、情報基盤を作る際には、運行に関わる重要情報の取り扱いにも注意が必要です。誰でもすべての情報を見られる状態にするのではなく、役割に応じて閲覧範囲や入力範囲を分けることが求められます。現場担当者には必要な作業指示と報告機能を分かりやすく提供し、管理者には全体状況と判断材料を集約し、経営層や本部には運行影響や対応状況を要約して見せるなど、利用者ごとの画面設計が大切です。鉄道 DXは情報を増やすだけではなく、必要な人に必要な粒度で情報を届ける設計が成否を分けます。

項目3 作業位置と作業記録を正確に残す

冬季の除雪作業では、「実施した」という事実だけでなく、「どこで、いつ、誰が、どの範囲を、どの状態まで対応したのか」を残すことが重要です。特に鉄道設備は線路、分岐器、踏切、ホーム、駅構内通路、車両基地、電気設備周辺など、管理対象が広く、場所の特定が曖昧だと後から確認しにくくなります。報告書に駅名や区間名だけが書かれていても、実際にはホームのどの端部なのか、どのポイント周辺なのか、踏切のどちら側なのかが分からないことがあります。

位置情報を活用した作業記録は、この曖昧さを減らします。スマートフォンや専用端末で取得した位置情報に、写真、コメント、作業前後の状態、作業者、時刻を紐づければ、後から地図上で作業履歴を確認できます。積雪や凍結に関する記録は、発生時には緊急対応のために使われ、後日には説明資料や改善検討のために使われます。現場の記憶に頼るだけでなく、客観的な記録として残すことで、関係者間の認識合わせがしやすくなります。

除雪作業の記録では、写真の撮り方も重要です。作業前の状態、作業中に確認した危険箇所、作業後の状態を同じ方向から撮影できれば、対応内容が分かりやすくなります。写真だけで判断しにくい場合は、簡単なコメントを添えて、残雪の有無、凍結の可能性、再確認が必要な時間帯、通行制限の有無などを記録します。現場では忙しいため、すべてを詳細に入力するのは難しいですが、最低限の記録ルールを決めておけば、後から使える情報になります。

作業位置を正確に残すことは、安全管理にもつながります。例えば、線路近接作業や駅構内作業では、作業範囲と立入禁止範囲を明確にしなければなりません。降雪時は足元が悪く、視界も悪化し、通常よりも移動に時間がかかります。作業班がどのエリアで作業しているのか、どの経路で移動しているのか、どの場所で待機しているのかを把握できれば、追加指示や緊急連絡がしやすくなります。ただし、位置情報は便利である一方、過度な監視にならないよう、利用目的、保存期間、閲覧権限を明確にすることも必要です。

記録の正確性を高めるには、座標や地図情報の整備も欠かせません。鉄道現場では、一般的な住所表記だけでは場所を表しきれないことがあります。キロ程、駅構内の設備番号、線路名、ホーム番号、ポイント番号、踏切名、保守用の管理区分など、現場で使われている位置表現とデジタル地図上の位置を対応させる必要があります。この対応が不十分だと、システム上は便利に見えても、現場では使いにくいものになります。現場で通じる言葉とデジタル上の位置情報をつなぐことが、鉄道DXの実務上の要点です。

さらに、作業記録は日々の報告だけでなく、冬季体制の評価にも使えます。どの箇所で繰り返し除雪が必要になったのか、どの時間帯に作業負荷が集中したのか、どの設備で再確認が多かったのか、応援要請が多かった区間はどこかを分析すれば、次年度の要員配置や資機材配置を見直せます。経験者の感覚を否定するのではなく、感覚を裏付けるデータを残すことで、関係者に説明しやすい改善が可能になります。

項目4 安全管理と教育をデータで標準化する

除雪作業は、通常時の点検や清掃よりも危険要素が多い業務です。足元の凍結、視界不良、寒さによる判断力低下、夜間作業、重機や除雪機材との接触、列車運行中の近接作業、ホーム上の利用者対応、踏切周辺の道路交通、屋根雪や落雪、融雪後の再凍結など、注意すべき点が多くあります。冬季運行を守るには、作業を早く進めるだけでなく、作業員と利用者の安全を確保することが前提です。

鉄道DXを活用すると、安全管理の標準化が進めやすくなります。例えば、作業開始前の確認項目をデジタル化し、作業場所ごとに必要な注意事項を表示することで、確認漏れを減らせます。駅構内、線路近接、踏切、車両基地、電気設備周辺では、注意すべき内容が異なります。すべての作業者に同じ長いチェックリストを見せるのではなく、作業場所や作業種別に応じて必要な確認事項を出し分けることが重要です。これにより、現場の負担を増やしすぎずに、安全確認の質を保てます。

教育面でも、データの活用は効果的です。除雪作業は、経験者に頼る部分が大きくなりやすい業務です。どの場所で雪が吹き込みやすいのか、どの通路が凍りやすいのか、どの時間帯に利用者が集中するのか、どの設備は雪を残してはいけないのかといった知識は、現場経験の中で蓄積されます。しかし、担当者の異動や退職、委託先の交代があると、知識が引き継がれにくくなります。過去の作業記録、写真、ヒヤリハット、再確認箇所、運行影響の履歴を教育資料として活用すれば、経験を組織の知識に変えられます。

安全管理では、ヒヤリハットの記録も重要です。重大な事故に至らなかった事象は、忙しい時期ほど記録されずに流れてしまうことがあります。しかし、転倒しかけた場所、機材の取り回しが難しかった場所、利用者との動線が交錯した場所、視界が悪く合図が伝わりにくかった場所などは、次回の対策に直結します。デジタルで簡単に記録できる仕組みがあれば、現場の気づきを残しやすくなります。ヒヤリハットを責任追及の材料として扱うのではなく、改善の材料として扱う文化もあわせて必要です。

また、冬季対応では、作業員の体調管理にも注意が必要です。低温環境での長時間作業は、疲労や集中力低下につながります。作業時間、休憩、交代、移動距離、待機時間などを把握することで、無理のある配置を避けやすくなります。もちろん、個人を細かく監視する目的ではなく、安全な作業計画を立てるための情報として扱うことが大切です。現場にとって納得感のある運用にするには、データを何のために使うのかを事前に説明し、必要以上に細かい入力を求めない設計が求められます。

安全教育をデジタル化する際には、現場で使える形に落とし込むことが重要です。長い資料を配布するだけでは、降雪時の判断にはつながりません。作業場所ごとの注意点を短く確認できる画面、過去の写真を使った事例共有、作業前ミーティングで確認できる重点項目、未経験者が迷いやすいポイントの解説など、実務に近い内容にする必要があります。鉄道 DXは、教育を形式的にオンライン化することではなく、現場で必要な知識を必要なタイミングで取り出せるようにすることです。

項目5 振り返りと改善を次の降雪に反映する

除雪作業管理のDXで見落とされがちなのが、降雪後の振り返りです。大雪対応が終わると、通常業務への復旧に追われ、記録整理や改善検討が後回しになりがちです。しかし、冬季運行を安定させるには、対応した結果を次の降雪に反映することが欠かせません。どこで判断が遅れたのか、どの作業が想定より時間を要したのか、どの情報が不足していたのか、どの連絡が重複したのかを確認しなければ、同じ課題が繰り返されます。

デジタル記録が残っていれば、振り返りの質が大きく変わります。作業開始時刻、完了時刻、写真、位置情報、応援要請、通行止めの判断、運行への影響、利用者対応の発生状況などを時系列で確認できれば、対応の流れを客観的に追えます。記憶に頼った振り返りでは、印象に残った出来事に偏りやすくなりますが、記録があれば、目立たないが繰り返し発生している課題にも気づけます。

振り返りでは、個別のミス探しではなく、仕組みの改善に焦点を当てることが重要です。例えば、報告が遅れた場合、現場担当者の意識だけを問題にするのではなく、入力項目が多すぎなかったか、通信環境は十分だったか、報告のタイミングが明確だったか、管理側からの指示が分かりやすかったかを確認します。除雪が間に合わなかった場合も、人員不足だけでなく、優先順位の設定、資機材の配置、移動経路、待機場所、事前準備、作業範囲の定義を見直します。鉄道DXは、現場を評価するためだけの道具ではなく、業務の詰まりを発見する道具として使うべきです。

改善を次に活かすには、データを蓄積するだけでは不十分です。次回の計画に反映される形に変換する必要があります。要注意箇所リストの更新、地図上の危険箇所登録、チェックリストの修正、作業手順書の見直し、委託先への指示内容の改善、資機材配置の変更、教育資料への事例追加など、具体的な更新作業まで行うことが大切です。記録を残しても、計画や手順が変わらなければ、現場の負担は減りません。

また、除雪作業管理の改善は、一度で完成するものではありません。降雪の性質は年によって異なり、線区の利用状況や人員体制も変わります。少雪の年には課題が見えにくく、大雪の年には想定外の問題が発生します。だからこそ、毎回の対応を小さく振り返り、次の降雪に向けて少しずつ改善する姿勢が重要です。大規模なシステム導入だけをDXと考えるのではなく、現場の記録を次の行動に活かすサイクルを作ることが、実務的な鉄道 DXです。

振り返りの場には、現場担当者、管理者、運行側、駅側、設備側、委託先など、関係者を必要に応じて参加させると効果的です。除雪作業だけを見ていると、作業効率の話に偏りがちですが、運行側から見れば判断に必要な情報が不足していたかもしれません。駅側から見れば利用者案内のタイミングが課題だったかもしれません。設備側から見れば特定箇所の構造的な問題が見えてくるかもしれません。データを共通の事実として確認しながら話し合うことで、部門間の認識差を減らせます。

鉄道DXとして除雪作業管理を定着させる進め方

除雪作業管理のDXを進める際には、最初から大きな仕組みを作ろうとしすぎないことが大切です。冬季対応は現場の緊急性が高く、通常時とは違う判断が多く発生します。そのため、複雑なシステムを一気に導入しても、現場が使いこなせなければ効果は出ません。まずは、よく発生する課題に絞って始めるのが現実的です。例えば、位置情報付き写真報告、作業完了状況の共有、要注意箇所の地図化、作業前チェックのデジタル化、降雪後の記録整理など、効果が見えやすい領域から着手します。

定着の第一歩は、現場の入力負担を減らすことです。DXという言葉だけが先行すると、現場に新しい入力作業が増える印象を持たれます。実際に、紙の報告を残したまま、同じ内容をデジタルにも入力させると、負担は増えるだけです。導入時には、どの紙帳票をなくせるのか、どの電話確認を減らせるのか、どの報告を自動で集計できるのかを明確にする必要があります。現場にとってのメリットが見えれば、定着しやすくなります。

次に、管理側の判断プロセスも見直す必要があります。現場から情報が上がってきても、管理側が従来通り電話や個別表計算だけで判断していては、DXの効果は限定的です。地図上で状況を確認し、優先度を変更し、応援を指示し、完了状況を共有し、関係部署に同じ情報を伝える流れを作ることが重要です。現場入力と管理判断がつながって初めて、除雪作業管理のDXは機能します。

また、冬季前の準備も欠かせません。降雪が始まってから新しい運用を覚えるのは難しいため、シーズン前に訓練や試行を行う必要があります。要注意箇所の登録、担当者の権限設定、端末の動作確認、通信環境の確認、写真報告の練習、緊急時の連絡ルール、委託先との操作確認などを事前に済ませておくと、降雪時の混乱を減らせます。冬季対応は本番で試すのではなく、平常時に準備しておくことが重要です。

データ整備も定着の土台になります。駅名、線路名、設備番号、キロ程、作業区分、担当部署、委託範囲、優先度、危険箇所などの基本情報が整理されていないと、入力や検索がしにくくなります。逆に、現場で使われている呼び方とシステム上の名称がずれていると、報告の誤りや確認の手戻りが発生します。現場の言葉を尊重しながら、管理に必要な分類と紐づけていくことが大切です。

さらに、DXの効果を評価する指標も決めておくとよいです。単にデジタル報告件数が増えたかどうかではなく、状況把握にかかる時間が短くなったか、電話確認が減ったか、作業完了の見落としが減ったか、再確認箇所を早く抽出できたか、次回計画への反映が進んだかといった実務的な指標で評価します。現場の安全や運行の安定に直結する効果を見える化することで、継続的な改善につながります。

鉄道DXの導入では、現場の声を反映し続けることも欠かせません。実際に雪の中で使ってみると、ボタンが押しにくい、画面の文字が見づらい、写真添付に時間がかかる、報告項目の順番が現場手順と合っていない、通信が不安定な場所で使いにくいなど、机上では分からない課題が出てきます。これらを改善しながら、現場に合う運用へ育てていくことが大切です。DXは導入日がゴールではなく、現場に合わせて更新し続ける取り組みです。

まとめ

鉄道DXと除雪作業管理を結びつける目的は、冬季運行を止めないことだけではありません。もちろん、安定運行は重要な目標ですが、それと同時に、作業員の安全、利用者の安全、関係部署の円滑な連携、委託先との認識合わせ、説明可能な記録、次回に活かせる改善を実現することが求められます。雪への対応は自然条件に左右されるため、すべてを計画通りに進めることはできません。それでも、情報の遅れ、報告の抜け、場所の誤認、判断材料の不足、経験の属人化は、仕組みによって減らせます。

押さえるべき5項目は、現場状況のリアルタイムな見える化、除雪計画と運行計画の連携、作業位置と作業記録の正確な管理、安全管理と教育の標準化、そして振り返りを次の降雪に反映する改善サイクルです。これらは別々の施策ではなく、つながって初めて効果を発揮します。現場が位置情報付きで報告し、管理側が運行への影響を見ながら優先順位を決め、作業後の記録が教育や計画見直しに使われる。この一連の流れを作ることが、冬季対応における鉄道 DXの実践です。

導入時には、現場に負担を増やさないこと、既存の安全ルールと矛盾しないこと、関係部署が同じ情報を見られること、過去の経験をデータとして蓄積できることが重要です。最初から完璧な仕組みを目指すよりも、要注意箇所の地図化、位置情報付き写真報告、作業完了の共有、ヒヤリハット記録、降雪後の振り返りなど、効果が見えやすい領域から始めると定着しやすくなります。

冬季運行を守る現場では、早さと正確さ、そして安全が同時に求められます。除雪作業管理をデジタル化することで、現場の判断を支え、管理側の把握を早め、次の対応に活かせる記録を残せます。鉄道DXを除雪作業の実務に根づかせるなら、まずは現場で使いやすく、位置と記録を確実に残せる仕組みから始めることが大切です。その具体的な入口として、現場の位置情報活用や記録共有を進めたい場合は、次にPhoneの活用を検討すると、冬季現場の見える化をより実務に近い形で進めやすくなります。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

LRTK Phoneの使い方・実例を見る
資料請求導入相談
現場をスマホで3DスキャンLRTK Phone実例を見る