LRTKレフィクシア株式会社

点群ストレージの価格を左右する5つの費用項目|容量・転送量・共有人数で比較する方法

3Dレーザースキャナーやスマートフォンによる3次元計測が普及し、建設現場や測量業務で扱う点群データの容量は大きくなっています。現況測量、出来形管理、施工前後の比較、設備点検などで取得した点群を安全に保管し、社内外の関係者と共有するために、点群ストレージの導入を検討する企業も増えています。

しかし、点群ストレージの価格を比較する際、保存容量だけを確認して選ぶと、導入後に想定外の費用が発生することがあります。点群データは一般的な文書ファイルと異なり、ファイルサイズが大きく、閲覧やダウンロードの頻度によって通信量が増加しやすいためです。さらに、共有人数、点群の表示・変換処理、バックアップなども費用に影響します。

例えば、同じ容量の点群を保存する場合でも、社内の担当者だけが閲覧する運用と、発注者や協力会社が頻繁にアクセスする運用では、必要な機能や費用構造が異なります。保存容量が十分でも、転送量の制限や利用人数の制約によって、追加契約が必要になる可能性があります。

重要なのは、点群ストレージの価格を単純な保存容量だけで判断せず、実際の業務で発生する費用を総合的に比較することです。

この記事では、点群ストレージの価格を左右する5つの費用項目を整理し、容量・転送量・共有人数を基準に比較する具体的な方法を解説します。あわせて、建設現場や測量業務で費用が増えやすいケース、見積もり時の確認事項、導入後の管理方法まで紹介します。

点群ストレージの価格が保存容量だけでは決まらない理由

点群ストレージとは、3次元計測によって取得した大量の点群データを保存し、必要に応じて閲覧、共有、ダウンロードできるようにするための保存環境です。

点群データには、各計測点の3次元座標に加え、色情報、反射強度、分類情報などが含まれる場合があります。取得範囲が広い現場や計測密度が高い現場では、1回の測量で生成されるデータ容量が大きくなることがあります。

また、実際の業務では取得した点群をそのまま保存するだけとは限りません。不要点を除去した処理済みデータ、座標を調整したデータ、解析用に変換したデータ、発注者に提出するデータなど、用途別に複数のファイルを作成することがあります。

そのため、1つの現場で必要なストレージ容量は、最初に取得した点群ファイルの大きさだけでは判断できません。

さらに、点群ストレージには大きく分けて、ファイルの保存を中心とするサービスと、ブラウザ上での3次元表示や共有機能まで備えたサービスがあります。

保存機能を中心とするサービスでは、データ容量や転送量が主な費用要因になる場合があります。一方、点群表示機能を備えたサービスでは、利用人数、変換処理、解析機能、管理権限などが契約内容に影響することがあります。

同じ保存容量でも、サービスごとに提供される機能が異なるため、容量単位の条件だけで比較すると、実際の業務に必要な費用を正しく評価できません。

特に建設・測量分野では、点群を保存すること自体よりも、必要なときに現場担当者や発注者が確認できることが重要です。大容量データを現場ごとに整理し、施工前後の状態を比較し、必要な情報を共有するまでの一連の流れを考慮する必要があります。

点群ストレージの価格比較では、保存容量、転送量、共有人数、データ処理、保全・運用という5つの費用項目を分けて確認することが基本になります。

費用項目1:点群データの保存容量と容量超過

点群ストレージの費用を左右する最も基本的な項目が、保存するデータの容量です。

一般的なクラウド型ストレージでは、契約容量に応じたプランが用意されている場合や、実際に保存した容量に応じて利用料が変動する場合があります。一定容量までは基本契約に含まれ、超過すると追加費用が発生する仕組みもあります。

ここで重要なのは、現在保存している点群データの総量だけでなく、将来どの程度増加するかを見込むことです。

例えば、毎月複数の現場で3次元計測を実施し、施工前、施工中、施工後の点群を保存する場合、データは継続的に蓄積されます。工事が終了しても、維持管理や将来の比較に利用するためにデータを残す運用であれば、必要容量はさらに増えていきます。

保存容量を見積もる際には、1現場あたりの平均データ容量に、年間の現場数と保存する計測回数を掛け合わせる方法が有効です。

例えば、1回の計測で10GBの点群を取得し、1現場で5回計測する場合、元データだけで50GBになります。年間20現場で同じ運用を行えば、元データの保存量は1TB相当になります。

実際には、処理済みデータや共有用データなどが追加されるため、この計算結果が必要容量の上限になるわけではありません。また、単位の扱いや課金対象容量の計算方法もサービスによって異なるため、見積もりでは条件を統一する必要があります。

さらに実務上注意したいのは、点群の保存形式によってファイルサイズが変わることです。点群には複数のデータ形式があり、圧縮に対応した形式と、非圧縮の形式では保存容量に違いが生じます。

ただし、単純にファイルサイズを小さくすればよいわけではありません。圧縮形式によっては利用するソフトウェアとの互換性を確認する必要があり、座標精度や色情報、分類情報などを保持できるかも重要です。

保存容量を削減するために必要な情報まで失うと、後工程で再処理や再計測が必要になる可能性があります。

また、点群表示用のデータ変換によって、元ファイルとは別に表示用データが生成される場合があります。元データが10GBでも、変換後のデータや付随ファイルを含めると、実際の保存量がそれを上回ることがあります。

サービスによっては、変換後のデータが契約容量に含まれる場合と、別の管理領域に保存される場合があります。この違いも確認が必要です。

容量超過への対応方法も重要です。契約容量を超えた時点で新規アップロードができなくなるサービスもあれば、追加容量が自動的に課金対象となるサービスもあります。

業務の途中でアップロードが停止すると、計測成果の共有や提出に影響するおそれがあります。一方、無制限に容量が増える設定では、利用状況を把握しないまま費用が膨らむ可能性があります。

したがって、保存容量の比較では、現在の使用量、年間増加量、派生データの容量、超過時の扱いを確認し、余裕を持った容量計画を立てることが重要です。

費用項目2:アップロード・ダウンロードの転送量

点群ストレージの費用を比較する際に見落としやすいのが、データ転送量です。

転送量とは、ストレージへデータを送信したり、ストレージからデータを取得したりする際に発生する通信データ量を指します。

点群データはファイルサイズが大きいため、保存容量が同じでも、利用方法によって転送量に大きな差が生じます。

例えば、10GBの点群データを1回アップロードして保管する場合と、同じデータを複数の協力会社が繰り返しダウンロードする場合では、外部へ送信されるデータ量が異なります。

10GBのファイルを10人がそれぞれ全量ダウンロードすれば、合計100GBのダウンロードが発生します。更新のたびに再ダウンロードする運用であれば、転送量はさらに増加します。

ストレージによっては、アップロードに伴う通信とダウンロードに伴う通信で課金条件が異なります。外部へのデータ転送に費用が発生するサービスもあるため、保存容量だけで比較しないことが重要です。

また、点群をブラウザ上で閲覧する場合でも、通信量が発生しないわけではありません。

3次元表示に対応したサービスでは、表示範囲や必要な詳細度に応じて点群データを取得する仕組みが採用される場合があります。このような仕組みでは、ファイル全体をダウンロードする場合と通信量が異なります。

ただし、表示方式やキャッシュの仕組み、閲覧頻度によって通信量は変動するため、ブラウザ表示なら必ず転送量を削減できるとは限りません。

費用比較では、利用者が点群をどのように扱うかを具体的に整理する必要があります。

例えば、現場担当者はブラウザで閲覧するだけなのか、設計担当者は元データをダウンロードするのか、発注者には成果品を一括提供するのかによって、必要な転送量が変わります。

さらに、複数拠点で利用する場合や、遠隔地の協力会社と共有する場合には、ネットワークの利用条件も確認する必要があります。

サービスによっては、データの保存地域や転送先によって通信費用が異なる場合があります。業務上、データを保存する地域に制約がある場合は、選択できる保存先とその費用条件も比較対象になります。

転送量の見積もりでは、1ファイルの平均容量、月間ダウンロード回数、同時に利用する人数、更新頻度を組み合わせて考えることが基本です。

特に施工管理で毎週点群を更新する場合は、初回アップロード時だけでなく、継続的に発生する転送量を想定する必要があります。

点群ストレージを選ぶ際には、転送量が基本契約に含まれる範囲、超過時の扱い、ブラウザ閲覧時の通信量の考え方を確認することで、導入後の予想外の費用を防ぎやすくなります。

費用項目3:共有人数とユーザー管理

点群ストレージの価格に影響する3つ目の項目が、利用人数とユーザー管理です。

点群データを社内だけで保管する場合と、発注者、元請会社、協力会社、設計会社などと共有する場合では、必要なアカウント数や管理機能が異なります。

クラウド型サービスには、保存容量を中心に契約するものと、利用者数に応じて契約するものがあります。両方の条件が組み合わされる場合もあります。

ユーザー数に応じた契約では、点群を操作する担当者が増えるほど必要な契約数が増える可能性があります。

例えば、社内の測量担当者が3人、施工管理担当者が5人、発注者側の確認担当者が4人いる場合、合計12人の利用を想定する必要があります。

ただし、この12人全員に同じ権限が必要とは限りません。

測量担当者には点群のアップロードや編集権限が必要でも、発注者側の担当者は閲覧のみで十分な場合があります。施工管理担当者には、計測結果の比較やコメント機能が必要になるかもしれません。

サービスによっては、編集可能なユーザーと閲覧専用ユーザーで契約条件が異なることがあります。また、社外の利用者を招待する際の条件が別に定められている場合もあります。

したがって、共有人数を比較するときは、単純な利用者数ではなく、利用目的と必要な権限を整理することが重要です。

また、ユーザー数の上限と同時アクセス数の上限は同じとは限りません。

登録可能なアカウント数が多くても、同時に閲覧できる人数や処理可能な操作に制限がある場合があります。多数の関係者が同じ点群を確認する運用では、この違いも確認する必要があります。

ユーザー管理では、セキュリティに関する機能も重要です。

例えば、現場ごとに閲覧できる人を制限する機能、ファイルのダウンロードを禁止する機能、アクセス履歴を確認する機能、一定期間後に共有権限を失効させる機能などが考えられます。

これらの機能が標準で利用できるか、追加契約が必要かによって、実際の費用は変わります。

特に複数の工事案件を同時に管理する企業では、別案件のデータを誤って共有しない仕組みが求められます。

費用を抑えるために全員で共通アカウントを利用する方法は、操作履歴や権限管理の観点から望ましくありません。契約条件にも抵触する可能性があるため、正規のユーザー管理機能を利用する必要があります。

共有人数を比較する際には、社内利用者、社外利用者、閲覧専用利用者、編集可能利用者を分けて整理し、それぞれに必要な契約条件を確認しましょう。

費用項目4:点群の表示・変換・解析処理

点群ストレージの費用を左右する4つ目の項目が、点群の表示やデータ処理に関する機能です。

点群データは、一般的な文書や画像と異なり、保存したファイルをそのまま簡単に閲覧できるとは限りません。点群の形式や容量によっては、専用の表示処理やデータ変換が必要になります。

クラウド上で3次元点群を表示できるサービスでは、アップロードした点群を閲覧用のデータ構造に変換する場合があります。

この変換処理によって、広い範囲の点群を段階的に表示したり、表示範囲を限定したりできるようになります。

しかし、変換処理には計算資源や一時的な保存領域が必要になることがあります。そのため、変換回数、処理量、利用する機能などが費用に影響するサービスもあります。

また、点群の処理機能には、表示以外にもさまざまな種類があります。

例えば、点群から不要なデータを除去する処理、複数の点群を位置合わせする処理、断面を作成する処理、距離や面積を計測する処理、施工前後の差分を解析する処理などがあります。

これらの機能が標準で提供されるか、上位プランや追加契約の対象になるかは、サービスごとに異なります。

点群ストレージを単なる保存場所として利用する場合には、高度な解析機能が必要ないこともあります。

一方、点群を日常的な施工管理に活用する場合には、保存したデータをすぐに確認できることが重要になります。必要な機能が不足していると、別の解析環境へデータを移動する手間が発生します。

この場合、ストレージ自体の費用が低くても、データ変換作業や別ソフトウェアの利用、担当者の作業時間などを含めた総費用が増える可能性があります。

さらに、点群の表示速度にも注意が必要です。

大容量の点群を開くたびに長い待ち時間が発生すると、利用者の作業効率が低下します。ファイルの容量だけでなく、点数、データの構造、通信環境、表示端末の性能などが表示速度に影響します。

表示速度を比較する際には、同じ点群データを使い、読み込み時間、視点移動の滑らかさ、必要な詳細度での表示、複数データの切り替えなどを確認すると判断しやすくなります。

ただし、表示速度の違いが、そのままサービス利用料の違いを意味するわけではありません。性能と費用を分けて評価することが大切です。

点群ストレージを比較するときは、保存機能だけでなく、実務で必要な表示・変換・解析機能がどこまで含まれているかを確認しましょう。

費用項目5:バックアップ・復元・保守管理

5つ目の費用項目が、保存データの保全と運用管理です。

点群データは、施工記録や設備管理の基礎資料として長期間利用する場合があります。計測した時点では必要性が低くても、数年後の改修工事や現況比較に活用される可能性があります。

そのため、点群ストレージは保存できる容量だけでなく、データを安全に保持し、必要なときに取り出せることが重要です。

ここで確認したいのが、バックアップと復元の仕組みです。

一般に、データの冗長化とバックアップは同じものではありません。冗長化は機器障害などへの耐性を高める仕組みであり、誤削除や意図しない上書きから過去の状態を復元できることを必ずしも意味しません。

誤って削除した点群や、更新前のデータを復元したい場合には、別途バックアップや履歴管理の仕組みが必要になることがあります。

サービスによっては、削除済みデータの一定期間の保持、過去のファイル版の保存、バックアップ領域の確保などが提供されています。

これらの機能が契約容量を消費するか、追加費用の対象になるかを確認する必要があります。

例えば、同じ点群を更新するたびに過去の版が保存される場合、利用者から見える最新ファイルの容量と、実際の課金対象容量が一致しないことがあります。

また、長期間アクセスしないデータを低頻度アクセス向けの保存領域へ移すことで、通常の保存領域とは異なる費用条件が適用される場合があります。

ただし、長期保管向けの領域では、データを取り出す際の処理や転送に費用が発生したり、復元までに時間がかかったりすることがあります。

そのため、頻繁に閲覧する施工中のデータと、ほとんどアクセスしない完成済み工事のデータでは、適切な保存方法が異なります。

運用支援の範囲も比較対象です。

管理者向けサポート、データ移行支援、障害時の対応、権限設定の支援などが標準で含まれているかによって、社内で必要になる管理作業が変わります。

特に点群管理の専任担当者がいない企業では、運用支援の充実度が重要になる場合があります。

ただし、サポートが充実していることだけで選ぶのではなく、実際に必要な対応範囲を明確にすることが大切です。

点群ストレージの保全費用を評価するときは、バックアップ容量、過去版の保持、復元条件、長期保管、管理支援まで含めて考えましょう。

容量・転送量・共有人数で点群ストレージを比較する方法

点群ストレージの価格を正しく比較するには、各サービスの契約内容を同じ利用条件にそろえる必要があります。

特に重要なのが、保存容量、転送量、共有人数という3つの指標です。

この3つは互いに関連しますが、同じものではありません。

保存容量は蓄積するデータの量を表し、転送量はデータを送受信する量を表します。共有人数はデータへアクセスする利用者の規模を表します。

例えば、保存容量が大きくても、ほとんど閲覧されないデータであれば転送量は比較的少なくなる可能性があります。

反対に、保存容量が小さくても、多数の利用者が繰り返しダウンロードする場合には、転送量が大きくなることがあります。

したがって、3つの項目を別々に算出し、その組み合わせで比較する必要があります。

まず、保存容量については、現在のデータ量に加え、今後1年間に取得する点群の量を見積もります。

その際、施工前後の点群、処理済みデータ、共有用データ、成果品、バックアップなどを区別します。

毎月の計測回数が決まっている場合は、1回あたりの平均容量と計測回数から年間増加量を計算できます。

次に、転送量を見積もります。

アップロードについては、現場から取得した点群を何回送信するかを整理します。

ダウンロードについては、誰が、どの程度の容量を、どの頻度で取得するかを想定します。

例えば、測量担当者が元データをアップロードし、施工管理担当者はブラウザで閲覧し、設計担当者だけが元データをダウンロードする運用であれば、それぞれの利用方法に応じて通信量を算出します。

ここで注意したいのが、ブラウザ閲覧時の転送量です。実際に送信されるデータ量はサービスの表示方式に左右されるため、可能であれば試用環境で利用量を確認すると精度が高まります。

最後に、共有人数を整理します。

利用者を単に合計するのではなく、アップロードする人、編集する人、閲覧する人、管理する人に分けることが重要です。

さらに、社外の一時的な利用者を招待できるか、利用終了後に権限を解除できるか、利用者の追加や削除が契約へどのように反映されるかを確認します。

これらの条件を整理したうえで、複数のサービスに同じ前提を提示すると、比較しやすくなります。

例えば、年間20現場を管理し、1現場あたり複数回の点群更新があり、社内担当者と社外確認者が利用するという条件を設定します。

その条件に対し、保存容量、月間転送量、利用者区分、処理機能、バックアップ範囲をそろえて見積もりを依頼します。

比較の際には、基本契約内で利用できる範囲と、超過した場合の条件を分けて確認することが重要です。

また、利用開始時点の条件だけでなく、現場数や利用人数が増えた場合の変更条件も確認しておきましょう。

点群ストレージは継続利用することが多いため、導入時の条件が適していても、利用規模の拡大によって適切な契約が変わることがあります。

そのため、現在の利用条件に加えて、将来の拡張性まで含めて比較することが望ましいです。

点群ストレージの費用が増えやすい3つの運用パターン

点群ストレージの費用が増える要因は、現場の運用方法によって異なります。

ここでは、建設・測量業務で特に注意したい3つのパターンを紹介します。

最初は、点群データを継続的に蓄積する運用です。

道路工事や造成工事などでは、施工前の現況測量、施工途中の進捗確認、施工後の出来形確認など、同じ現場で繰り返し計測することがあります。

このような運用では、計測のたびに新しい点群が保存されるため、データ容量が継続的に増加します。

特に、施工前後の差分解析を行う場合には、比較対象となる過去データを残す必要があります。

不要なデータを削除すれば容量を削減できますが、比較や検証に必要なデータまで削除すると、後から確認できなくなる可能性があります。

そのため、データの保存期間と削除基準をあらかじめ決めることが重要です。

例えば、取得直後の元データ、解析に使用した確定データ、閲覧用の派生データなどを区別し、それぞれの保管目的を明確にします。

次に、社外共有が多い運用です。

発注者や協力会社に点群を提供する業務では、同じファイルが繰り返しダウンロードされることがあります。

また、共有先の担当者が変わるたびに、新たなアカウントを追加する場合があります。

このような運用では、保存容量よりも転送量や共有人数が費用に影響する可能性があります。

特に、毎回ファイル全体を送付する運用では、更新回数に応じて転送量が増えやすくなります。

必要な範囲だけを閲覧できる仕組みや、閲覧専用の共有方法が利用できれば、データの受け渡し方法を見直せる場合があります。

ただし、閲覧だけで十分なのか、元データの提出が必要なのかは、契約条件や成果品の要件によって異なります。

必要なデータを確実に提供できることを前提に、共有方法を検討することが大切です。

3つ目は、複数の解析用データを保存する運用です。

点群を活用した出来形管理や土量計算では、元データのほかに、ノイズ除去後のデータ、分類済みデータ、座標調整済みデータ、差分解析用データなどを作成することがあります。

これらをすべて保存する場合、元データの容量だけでは全体の保存量を把握できません。

また、解析作業を繰り返すことで、似た内容のファイルが複数作成されることがあります。

ファイル名だけで管理していると、どれが最新の確定データなのか分からなくなり、重複保存が増える原因になります。

この問題を防ぐには、元データ、作業中データ、確定データ、提出用データを区別して管理することが有効です。

さらに、点群を比較する場合は、座標系や高さ基準、基準点情報なども適切に記録しておく必要があります。

点群ファイルだけを保存しても、使用した座標系や補正条件が分からなければ、後から正しく比較できない可能性があります。

保存容量を抑えることと、将来の再利用に必要な情報を保持することの両立が重要です。

点群ストレージの見積もりで確認すべき条件

点群ストレージの見積もりを取得する際には、単に利用容量と利用人数を伝えるだけでは、必要な契約条件を十分に確認できない場合があります。

実際の業務でどのように使用するかを具体的に説明することが重要です。

まず確認したいのが、保存容量の計算方法です。

実際に使用した容量に応じて費用が変わるのか、契約した容量を基準とするのかによって、利用状況が同じでも費用の考え方が変わります。

また、元データ以外の表示用データ、変換済みデータ、バックアップ、過去版などが容量に含まれるかを確認する必要があります。

次に、転送量の条件です。

アップロードとダウンロードの扱いが同じとは限らないため、それぞれを分けて確認します。

特に、社外への共有や大量のデータダウンロードを予定している場合は、転送量の上限や超過時の条件を確認しておくことが重要です。

データの取得操作ごとに費用が発生する仕組みや、低頻度アクセス向けの保存領域から取り出す際に費用が発生する仕組みもあるため、転送量以外の利用条件にも注意が必要です。

共有人数については、アカウントの登録数だけでなく、利用者ごとの権限区分を確認します。

社外利用者を招待できるか、閲覧専用アカウントを利用できるか、一定期間だけ共有できるかなどは、実務上の重要な比較条件です。

また、複数現場を管理する場合は、現場単位で閲覧権限を設定できるかも確認しましょう。

点群の表示機能については、対応するファイル形式、1ファイルあたりの制限、点数の上限、変換処理の条件などが重要です。

ファイル形式が対応していても、実際に扱う大容量データを快適に表示できるとは限りません。

そのため、可能であれば実際の計測データを使って動作を確認することが望ましいです。

点群の座標情報が正しく保持されるかも確認事項です。

平面直角座標系などで管理された点群を利用する場合、アップロードや変換によって座標値や位置関係が意図せず変化しないことが重要です。

座標系や高さ基準の情報をどのように管理するか、既知点との照合結果を記録できるかなども、運用条件として整理しておくとよいでしょう。

また、契約終了時にデータをどのように取り出せるかも確認する必要があります。

保存した元データを一括して取得できるか、解析結果や関連情報も出力できるか、取り出しに時間や追加費用が必要かなどは、長期的な利用を考えるうえで重要です。

特定の保存環境からデータを移行できない状態になると、将来の運用変更が難しくなる可能性があります。

最後に、サービスの障害時や保守時の対応も確認しましょう。

業務時間中に点群を閲覧できない場合、現場確認や打ち合わせに影響することがあります。

必要な可用性、サポート範囲、復旧に関する条件を整理し、利用目的に合った契約を選ぶことが大切です。

点群ストレージの運用費用を抑える実践方法

点群ストレージの費用を抑えるためには、契約プランの比較だけでなく、導入後のデータ管理方法を整えることが重要です。

まず実施したいのが、点群データの保存ルールの統一です。

現場ごとに保存方法が異なると、重複ファイルが増えたり、不要な中間データが長期間残ったりすることがあります。

そのため、元データ、作業中データ、確定データ、提出用データを区別し、それぞれの保存期間を決めることが有効です。

例えば、解析途中で生成した一時ファイルについては、確定データの作成後に削除できるものがないか確認します。

ただし、成果の再現性や契約上の保存義務に関わるデータまで削除しないように注意が必要です。

次に、保存期間に応じたデータ管理を行います。

施工中の点群は頻繁にアクセスされるため、表示や共有のしやすさが重要です。

一方、工事完了後の点群は、将来の維持管理や検証のために保存するものの、アクセス頻度が低くなる場合があります。

このような違いに応じて、利用頻度の高いデータと長期保管データを分けることで、保存環境を適切に選びやすくなります。

ただし、低頻度アクセス向けの保存方法へ移行する際には、取り出し条件や復元時間も確認する必要があります。

転送量を抑えるには、データの共有方法を見直すことが有効です。

毎回点群全体をダウンロードする必要がない場合は、ブラウザ上で必要な範囲を閲覧できる方法を検討します。

また、共有先が必要とする情報を明確にし、元データを渡す必要がある場合と、閲覧だけで足りる場合を区別することも重要です。

点群データを現場全体で共有する場合でも、すべての担当者が高密度の元データを必要とするとは限りません。

例えば、現場の状況確認だけが目的であれば、必要な範囲や詳細度で表示できる仕組みが適している場合があります。

ただし、設計や測量成果の検証に使用する場合は、元データの精度や情報量を保持する必要があります。用途に応じて適切なデータを提供することが基本です。

共有人数の管理も費用対策になります。

プロジェクトが終了した後も、不要な利用者アカウントが残っていると、契約条件によっては余分な利用枠を占有する可能性があります。

そのため、案件の開始時と終了時に、利用者と権限を確認する運用が有効です。

退職者や担当変更による権限の見直しは、費用管理だけでなく情報管理の観点からも重要です。

さらに、定期的にストレージの利用状況を確認することをおすすめします。

保存容量の増加速度、月間転送量、利用者数、処理機能の利用状況などを確認すると、契約内容と実際の利用状況が合っているかを判断できます。

例えば、容量は十分に余っているのに転送量の上限に近づいている場合は、容量プランを増やすよりも共有方法を見直す方が適切かもしれません。

反対に、転送量が少なくても保存容量が増え続けている場合は、保存期間や重複データの管理が優先課題になります。

このように、費用項目ごとに原因を分けて考えることで、必要な機能を維持しながら無駄を減らしやすくなります。

まとめ:点群ストレージは保管から活用までの総費用で選ぶ

点群ストレージの価格を比較する際は、保存容量だけで判断せず、実際の利用方法に応じた総費用を確認することが重要です。

特に確認したいのは、保存容量と容量超過、データ転送量、共有人数、表示・変換・解析処理、バックアップ・復元・保守管理という5つの費用項目です。

保存容量が同じでも、データの更新頻度や共有方法、利用者の権限、処理機能の利用状況によって、必要な契約内容は変わります。

例えば、点群を長期間保管することが主な目的であれば、保存容量やバックアップ条件が重要になります。一方、施工中の点群を頻繁に共有する場合は、転送量、共有人数、ブラウザでの表示性能が重要です。

複数のサービスを比較するときは、現在のデータ量だけでなく、年間の増加量、ダウンロード頻度、社内外の利用人数を具体的に想定しましょう。

さらに、契約容量を超えた場合の条件や、利用者が増えた場合の契約変更、データ移行時の取り出し条件なども確認しておくことで、長期的な運用計画を立てやすくなります。

点群ストレージを効率的に活用するには、保存するデータの管理だけでなく、現場で取得する情報の整理も重要です。

3次元点群に加えて、現場写真、位置情報、施工記録を適切に管理できれば、計測時の状況を後から確認しやすくなり、関係者間での情報共有にも役立ちます。

位置情報付きの現場写真や点群の取得・記録を支援する自社プロダクト LRTK Phone は、こうした現場情報の収集を効率化する選択肢です。点群の保存先や共有方法を検討する際には、現場でどのような情報を取得し、どのように整理して活用するかもあわせて考えることが大切です。

点群ストレージの選定では、単に多くのデータを保存できることだけを目標にせず、必要な点群や施工情報を、必要な人が、必要なときに活用できる環境を整えることが重要です。保存・共有・解析・長期管理までの業務全体を見据えて比較することで、自社の利用目的に合った点群ストレージを選びやすくなります。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

LRTK Phoneの使い方・実例を見る
資料請求導入相談
現場をスマホで3DスキャンLRTK Phone実例を見る