LRTKレフィクシア株式会社

杭打ちでリーダー傾斜を早期発見する4つの測定

リーダー傾斜を早期発見する意味

杭打ちに使用する施工機械では、リーダーが杭、ケーシング、掘削ロッド、オーガーなどの施工部材や装置を案内します。鉛直杭を施工する場合は、リーダーを所定の方向へ調整し、その状態が施工中も保たれているか確認することが重要です。リーダーが傾いたまま作業を続けると、杭やロッドの傾斜、杭芯からのずれ、ガイド部の偏摩耗、摺動抵抗の増加、接続部への偏った力などにつながる可能性があります。

リーダー傾斜は、据付け直後から明確に現れるとは限りません。施工時の振動、作業床の局部沈下、敷鉄板のずれ、クローラの片当たり、調整機構や支持部の変位などによって、施工中に少しずつ変化する場合があります。運転席からの目視だけでは小さな変化を見分けにくいため、数値と経時変化を使って管理する必要があります。

長いリーダーでは、小さな角度差でも上部の水平変位が大きくなります。測定高さをH、鉛直からの傾斜角をθとすると、上下測点の水平差はH×tanθで表せます。傾斜角が十分に小さく、θをラジアンで扱う場合に限り、水平差はおおむねH×θと近似できます。角度を度のまま乗じる計算は誤りになるため、単位を明確にしなければなりません。

ただし、リーダーが所定方向に合っていても、杭やロッドが必ず同じ方向になるとは限りません。ガイド部の隙間、施工部材の曲がり、接続部のずれ、地中障害物、地盤抵抗の偏りなどにより、リーダーと施工部材の方向が一致しない場合があります。リーダー傾斜の測定は、杭芯、杭頭位置、施工深度、施工負荷、貫入状況などと組み合わせて判断することが大切です。

厚生労働省の車両系建設機械の定期自主検査指針では、リーダーについて著しい曲がり、亀裂、打痕、取付け部の変形、ガイドパイプの曲がりや摩耗、継ぎ目のずれ、接合ボルトの緩みなどを確認する内容が示されています。傾斜値を調整するだけでなく、構造部材や支持部に異常がないかを確認する視点が欠かせません。

また、機械について構造上定められた安定度を守ることと、杭の施工精度を管理することは別の管理です。転倒安定性に関する限界値を、リーダーや杭の許容傾斜として流用してはいけません。施工時の管理値は、機械メーカーの取扱説明書、施工計画書、設計図書、工事仕様書、採用工法の施工要領、地盤条件を確認して設定します。([ジャイシュ日本][1])

測定前に決める基準と測点

測定を始める前に、基準方向、測点、測定条件、判定値、測定時期を決めます。準備がないまま数値だけを取得しても、正常か異常かを判断できません。担当者ごとに測点や方向が変われば、前回値との比較も難しくなります。

最初に定義するのは施工方向です。鉛直杭では鉛直を基準とし、斜杭では設計された方位と傾斜角を基準にします。斜杭を鉛直からのずれだけで評価すると、正常な施工姿勢を異常と判定してしまいます。機体の前後方向と左右方向、または現場座標の二方向を定義し、記録票にも同じ表現を使います。

次に、上部と下部の測点を固定します。両測点は、同じ構造軸を代表し、施工中に位置が変わりにくい箇所へ設定します。ホース、ワイヤ、はしご、ボルト頭、昇降する装置などを測点にすると再現性が低下します。測量機器で視準する場合は、機械の動作や昇降設備に干渉せず、振動で脱落しない目印を安全な方法で設けます。

測点間の高さも記録します。水平差が同じでも、高さ差が異なれば傾斜角は変わります。前回はリーダー上部まで測り、今回は中間部まで測るような運用では、水平差を直接比較できません。測点を固定できない場合は、必ず実測した高さ差を使って傾斜率または傾斜角に換算します。

管理値には、全現場に共通する万能な数値はありません。通常管理値、注意値、停止値を設定する場合も、メーカー指定、工法の施工要領、設計上の要求精度、発注者の仕様、地盤条件を根拠にします。停止値以内でも、同じ方向への変化が連続している場合は、局部沈下や保持機構の変位が始まっている可能性があります。絶対値に加え、前回値との差と変化速度を確認します。

測定時期は、機械の据付け後、リーダーの起立・調整後、施工部材のセット後、施工中の所定工程、施工完了後、機械移動後などから現場条件に応じて決めます。降雨後、敷鉄板の移設後、強い衝撃や通常と異なる振動があった後、沈下が疑われるときは、定例時期を待たずに再測定します。

労働安全衛生規則では、車両系建設機械を使用する場所の地形や地質などを事前に調査して記録し、その結果に適応する作業計画を定めることが求められています。また、転倒や転落を防ぐため、路肩の崩壊や地盤の不同沈下を防止する措置も規定されています。リーダーの測定は機械上部だけを確認する作業ではなく、作業床と支持状態の確認を含む管理として行います。([e-Gov][2])

測定1 機体の傾斜角度計を基準化して読む

一つ目は、リーダー傾斜角度計を備える機械で、その表示値を確認する方法です。運転席から施工中の変化を追いやすいため、日常的な監視に向いています。ただし、すべての機械に同じ方式の角度計が付いているわけではなく、表示値を外部測定なしで絶対値として扱えるとも限りません。

施工開始前は、メーカーが指定する手順で機体を据え付け、外部測量などによってリーダーの方向を確認します。その状態で前後方向と左右方向の表示値を読み、初期値として記録します。ゼロ調整や校正機能がある場合も、取扱説明書と社内手順に従い、現場判断で不用意に補正しません。

作動確認では、表示値が変化することに加え、リーダーを動かした方向と表示の増減方向が一致するかを見ます。表示が遅れる、途中で止まる、数値が飛ぶ、同じ静止状態で値が安定しない場合は、検出器、取付け部、配線、表示部などの異常を疑います。

厚生労働省の定期自主検査指針では、電気式のリーダー傾斜角度計について、リーダーを前後左右に傾斜させて作動状態を調べ、正常に作動することを判定基準としています。ただし、これは定期自主検査における確認項目です。現場で行う始業前確認の方法や頻度は、法定検査と混同せず、機械の取扱説明書と現場手順で定めます。([厚生労働省][3])

施工中は、一回の表示値だけでなく推移を見ます。施工部材の取付け前後、施工負荷が変わる工程、所定深度など、比較可能な時点を決めます。無負荷時は正常でも、施工装置や杭材の重量が加わった後に傾斜が増える場合は、作業床、クローラの接地、調整機構、リーダー支持部などを確認します。

振動中に表示値が周期的に変動する場合は、瞬間値と静止後の値を分けて記録します。機械ごとの指定に従って、作動中、停止直後、安定後のどの値を判定に使うか統一します。ただし、大きな揺れが続く状態を平均値だけで正常化してはいけません。揺動そのものが支持状態の変化を示すことがあるためです。

内蔵角度計は連続監視に有効ですが、検出器の取付けずれやゼロ点変化を単独では見つけられない場合があります。機械移動後、作業床の条件が変わった後、表示と施工状況が一致しないときなどは、直交二方向からの外部測量や座標測定で照合します。

測定2 直交する2方向から測量する

二つ目は、リーダーをおおむね直交する二方向から測量機器で確認する方法です。一方向から上下測点が重なって見えても、視線方向の傾斜は判別できません。前後方向と左右方向の二成分を確認することで、空間的な傾斜を把握できます。

測量機器は、施工機械の旋回範囲、杭材や施工装置の移動範囲、落下や転倒が想定される範囲から離れた安全な場所へ設置します。測定のために作業者が機械の可動範囲やつり荷の下へ入らないよう、停止条件、立入管理、合図、連絡方法を作業方法の中で明確にします。車両系建設機械との接触のおそれがある箇所への立入りは禁止措置が必要であり、誘導者を置く場合は一定の合図を定めることが規定されています。([ジャイシュ日本][1])

測定では、上部と下部の基準点を視準し、同一の鉛直面にあるかを確認します。第一方向を調整した後に第二方向を確認し、第二方向の調整によって第一方向が変わっていないかを再確認します。調整機構によっては前後と左右が完全には独立せず、一方の操作が他方へ影響する場合があります。

測量機器側の安定も重要です。三脚や基準点が振動や軟弱地盤で沈下すると、リーダーが動いていなくても測定値が変わります。安定した位置に据え付け、既知点や確認方向を使って器械位置を点検します。長時間の施工では、途中で基準方向を再確認します。

リーダーの縁を目視で合わせるだけでは、光の反射、部材の幅、局部的な曲がり、見る方向によって読取り位置が変わりやすくなります。上部と下部に同じ基準を表す目印を設け、その中心を狙う方が再現性を確保しやすくなります。ただし、目印の取付けはメーカーの許容範囲で行い、ワイヤ、ホース、昇降設備、ガイド部へ干渉させません。

この方法は、内蔵角度計を照合する外部基準として使えます。表示値と外部測量が一致しない場合は、どちらか一方を都合よく採用せず、測量機器の据付け、測点、座標軸、角度計の作動、リーダー本体の変形を順に確認します。

測定3 リーダー上下2点の座標差を測る

三つ目は、リーダー上部と下部の測点を三次元座標で測り、その差から傾斜を算出する方法です。傾斜の方向と大きさを数値で管理しやすく、施工記録にも残しやすい方法です。

下部測点をX1、Y1、Z1、上部測点をX2、Y2、Z2とすると、水平差はΔX=X2-X1、ΔY=Y2-Y1、高さ差はΔZ=Z2-Z1です。前後方向と左右方向に座標軸を合わせたうえで、各方向の傾斜角はarctan(ΔX÷ΔZ)、arctan(ΔY÷ΔZ)で求められます。総合傾斜角はarctan(√(ΔX²+ΔY²)÷ΔZ)で表せます。角度、傾斜率、水平差を混在させず、単位を記録します。

総合傾斜だけでは方向が分かりません。同じ角度でも、前方へ傾いている場合と右後方へ傾いている場合では、調整操作や原因確認が異なります。現場座標を保存しつつ、機体の前後軸と左右軸へ変換した値を併記すると、運転者と測量担当者の方向認識を合わせやすくなります。

機体を旋回した場合は、現場座標と機体座標の関係が変わります。旋回前の変換条件をそのまま使うと、前後と左右を取り違えるおそれがあります。機体方向の基準を測り直し、変換式または設定値を更新します。

上下測点は、安全かつ安定して視準できる範囲で高さ差を大きく取ります。高さ差が短いほど、同じ測点誤差が傾斜角へ与える影響は大きくなります。一方、最上部が振動している状態で無理に測れば誤差が増えます。測点の高さ、視準状態、測定回数を統一し、必要に応じて複数回測定します。

施工中に上部が振動している場合は、施工装置を定められた方法で安全に停止し、姿勢が安定してから測ります。作動中、停止直後、安定後の値を混在させないよう、測定状態を記録します。停止操作によって荷重状態が変わる機械では、内蔵角度計の作動中表示と外部測量の静止値を別の項目として扱います。

座標測定では、リーダー下部の中心が計画杭芯から平行移動している状態と、下部は杭芯上にあるが上部が傾いている状態を区別できます。ただし、リーダー座標だけで地中の杭軸を保証することはできません。杭材やロッドの方向、ガイド部の隙間、施工中の負荷や貫入状況も合わせて確認します。

測定4 下げ振りと直接計測で確認する

四つ目は、下げ振り、携帯型傾斜測定器、長さを測る器具などで確認する方法です。外部測量と内蔵表示の差を切り分ける補助測定や、始業前の簡易な比較に使えます。ただし、風、振動、当て方、測定面の状態に影響されやすいため、これだけで施工可否を決めない運用が安全です。

下げ振りを使う場合は、移動するリーダーからではなく、施工機械の動きに影響されない安定した支持点から鉛直線を設けます。その鉛直線とリーダーの上部・下部測点との水平距離を比較します。上下の距離差と測定高さから、測定面内の傾斜を求められます。

下げ振りは風や機械振動で揺れます。振れが収まらない状態の瞬間位置を読んではいけません。機械を安全に停止し、重りの振れが十分に小さくなってから複数回読みます。風の影響が大きいときや、安全な支持点を確保できないときは、別の方法へ切り替えます。

携帯型の傾斜測定器を当てる場合は、平滑で構造軸を代表する測定面を選びます。溶接部、ボルト、段差、局部的な打痕、厚い付着物の上では、本体の姿勢ではなく表面の凹凸を測ることになります。上部、中間部、下部の複数箇所を同じ向きで測ると、全体傾斜と局部変形を切り分けやすくなります。

位置ごとに値が異なる場合は、単純な姿勢ずれではなく、リーダーの曲がり、ねじれ、接合部のずれ、ガイドパイプの変形などを疑います。厚生労働省の定期自主検査指針でも、リーダーの曲がりや亀裂、取付け部の変形、ガイドパイプの曲がりや摩耗、継ぎ目のずれ、接合ボルトの緩みが検査項目に含まれています。

直接測定のために作業者がリーダーへ近づく場合は、施工装置の落下、杭材の振れ、旋回、ワイヤやホースの移動などの危険を除去します。機械を停止し、装置をメーカー指定の安全な状態にし、運転者との連絡を確保し、立入り可能であることを確認してから測定します。

この方法は測定者差が出やすいため、器具、測定面、位置、向き、停止状態、読取り方法を統一します。測定位置を識別できるようにしておくと再現性が上がりますが、機体への加工やマーキングはメーカーの指示に反しない方法で行います。

4つの測定を使い分ける手順

四つの測定は、どれか一つだけを選ぶのではなく、役割を分けて組み合わせます。内蔵角度計は施工中の変化監視、直交二方向からの測量は方向別の外部確認、上下二点の座標測定は定量記録、下げ振りや直接計測は照合と原因切り分けに向いています。

据付け後は、まず作業床、敷鉄板、クローラ、機種に応じた支持装置の接地状態を確認します。その後、内蔵角度計がある場合は表示を読み、直交二方向から外部測量を行います。必要に応じて上下二点の座標を取得し、当日の初期基準として保存します。

杭材や施工装置を取り付けた後は、荷重による姿勢変化を確認します。取付け前後の表示値を比較し、変化が注意値へ近づく場合や通常傾向と異なる場合は外部測量で確認します。無負荷時だけの確認で施工可否を判断すると、実作業荷重による変化を見落とす可能性があります。

施工中は、工程または深度ごとに比較点を決めて記録します。注意値へ近づいた場合、同じ方向への増加が続く場合、表示が不安定になった場合は、停止値に達するまで待たず、安全に中断して外部測定を行います。

一本の施工が完了した後は、開始前と完了後の値を比較します。傾斜が増えていた場合は、地盤沈下、敷鉄板のずれ、クローラの片当たり、調整部や支持部の変化を確認します。原因を確認せずに次の杭位置へ移動すると、異常傾向を持ち越すおそれがあります。

機械を移動した後は、前位置の初期値をそのまま使いません。地盤条件、支持状態、機体方向が変わるため、据付け確認と外部測量を行い、新しい位置の基準値を取得します。

測定頻度は、埋戻し部、軟弱地盤、地下構造物の近傍、敷鉄板の端部、段差部、雨水が集まりやすい場所などで高めます。安定して見える場所でも、振動と繰返し荷重による変化を想定し、始業時だけの確認で終わらせません。

傾斜を招く原因を測定値から切り分ける

傾斜を発見したときは、角度調整だけで数値を戻すのではなく、原因を確認します。原因を残したまま再開すると、同じ方向へ再び傾く可能性があります。

内蔵角度計と外部測量が同じ方向へ変化している場合は、リーダーまたは機体が実際に動いた可能性があります。作業床の局部沈下、敷鉄板のずれ、クローラの片当たり、調整シリンダーの保持状態、支持部や固定部の緩みなどを確認します。

内蔵表示だけが変化し、外部測量では変化がない場合は、検出器、取付け部、配線、表示部、基準値を確認します。反対に、外部測量では傾いているのに表示が変わらない場合は、検出器の固着、取付けずれ、表示異常などを疑います。測定結果が一致しない間は、一方の値だけで施工を継続しません。

上部だけが変位し、下部位置と機体姿勢がほとんど変わらない場合は、リーダー本体の曲がり、接合部のずれ、支持部の変形などを確認します。上部と下部だけでなく中間点も測ると、直線のまま傾いているのか、途中で曲がっているのかを区別しやすくなります。

施工負荷が増えたときだけ傾き、負荷を解除すると戻る場合は、作業床や機械構造の弾性変形、支持部のがた、調整機構の保持状態などが関係している可能性があります。無負荷時に正常だから問題ないとは判断せず、荷重状態と変化量を記録します。

一定深度から急に変化した場合は、地中障害物や地層変化によって施工反力が偏った可能性もあります。ただし、リーダー傾斜だけで地下状態を断定することはできません。施工負荷、回転状態、貫入速度、排土状況、杭材やロッドの方向などを合わせて判断します。

降雨後に変化が増えた場合は、表面が乾いて見えても、敷鉄板下や埋戻し部で支持状態が悪化していることがあります。クローラや支持部の下に泥濘、空洞、局部沈下、排水不良がないか確認します。地盤の不同沈下を防止する措置は、車両系建設機械の転倒・転落防止の観点からも重要です。([e-Gov][2])

異常を見つけたときの停止と復旧

測定値が現場で定めた停止値を超えた場合、表示が不安定な場合、短時間で増加している場合、構造部材の異常が疑われる場合は、施工を継続せず安全な状態へ移行します。停止方法は機種や工法によって異なるため、杭材や施工装置を不安定な状態で残さない手順を施工前に決めます。

停止後、運転者の独自判断でリーダーを急に戻してはいけません。杭材や施工装置が地中で拘束されている状態で姿勢を変更すると、リーダー、ガイド部、接続部へ横方向の力が作用する可能性があります。施工責任者が荷重状態、拘束状態、周囲の退避を確認し、メーカーと工法の手順に従って対応します。

最初に、異なる原理の方法で測定値を再確認します。内蔵角度計、直交二方向の外部測量、上下二点の座標測定などが同じ変化を示す場合は、実際の姿勢変化として原因調査へ進みます。結果が一致しない場合は、測量機器の据付け、測点、座標設定、角度計の作動を点検します。

次に、作業床と機体支持状態を確認します。敷鉄板の沈下、端部の浮きやずれ、下部の空洞、クローラの片当たり、機種に応じた支持装置周辺の沈み込みを調べます。補強や敷設のやり直しが必要な場合は、機械を安全な位置へ移動し、作業計画に基づいて実施します。

機械側では、リーダー本体、接合部、支持部、調整シリンダー、油圧配管、固定ピン、ボルト、ガイド部を点検します。油漏れ、ピンの移動、ボルトの緩み、亀裂、変形などが確認された場合は、姿勢調整だけで再開せず、使用を停止してメーカー指定の点検や修理を行います。

復旧後は、無負荷状態だけでなく、可能な範囲で実施工に近い安全な荷重状態でも姿勢を確認します。外部測量で基準方向を確認し、内蔵表示との対応を取り直します。異常前の値へ戻っただけでなく、試験的な作動中に増加傾向や不安定な揺れがないことを確認します。

再開判断では、異常値、発生工程、推定原因、点検結果、実施した対策、再測定結果、判断者を記録します。原因が特定できないまま数値だけが戻った場合は、測定頻度を上げるだけで安易に再開せず、機械メーカー、工法責任者、発注者側の管理担当者など必要な関係者と協議します。

作業計画の法定記載事項は、使用機械の種類と能力、運行経路、作業方法です。リーダー傾斜の停止条件、測定時の立入管理、誘導や合図、復旧時の役割分担は、これらと関連する現場手順として具体化し、関係者へ周知します。([e-Gov][2])

記録を品質管理と安全管理に残す

測定は、その場で正常と判断するだけでなく、後から施工状態を追跡できる形で記録します。記録があれば、杭ごとの傾向、機械移動後の変化、降雨前後の差、地盤条件との関係を比較できます。

記録項目には、施工日、杭番号、施工位置、測定時刻、測定工程、機体方向、前後方向の値、左右方向の値、使用した測定方法、測点位置、測点間高さ、測定状態、担当者を含めます。角度、傾斜率、水平差を使う場合は、項目と単位を分けます。

内蔵角度計を記録するときは、表示値だけでなく、外部測量との照合日と結果も残します。始業時に一致を確認したこと、機械移動後に基準を取り直したこと、注意値へ近づいたため外部測量を追加したことなどを記録すると、表示値を使用した根拠を追跡できます。

異常があった場合は、修正後の値だけを残さず、異常値も保存します。異常を検出した時刻、施工深度、運転状態、傾斜方向、作業床の状況、停止措置、点検結果、原因、復旧内容、再測定結果を一連の履歴として残します。異常値を削除すると、同じ条件で再発した際に傾向を見つけにくくなります。

測定記録は、杭の施工記録と関連付けます。傾斜が変化した時点の施工深度、施工負荷、貫入速度、回転状態、排土状況、地層情報などを照合できれば、原因の切り分けに役立ちます。リーダー傾斜だけを独立した点検表に残し、杭ごとの履歴と結び付けない運用は避けます。

写真を残す場合は、表示画面だけでなく、杭番号、測定時刻、機体方向、工程、測点が分かるようにします。ただし、写真だけでは数値の集計と傾向分析が難しいため、数値データと組み合わせて保存します。

記録は、運転者、施工管理者、測量担当者が同じ方向と単位で確認できる形式にします。口頭だけでは、前後左右、角度の符号、単位、調整方向を取り違える可能性があります。誰が測定し、誰が再開を判断したかまで明確にすると、安全管理と品質管理の両方に使えます。

自動計測や共有画面を導入する場合も、表示が自動であることと測定値が正しいことは同じではありません。測点、座標基準、機体方向、校正方法、判定値、異常時の処置を統一し、外部測量で定期的に照合します。

まとめ

杭打ちでリーダー傾斜を早期発見するには、目視だけに頼らず、異なる原理の測定を組み合わせることが重要です。機体の傾斜角度計は施工中の変化監視に向き、直交する二方向からの測量は前後と左右の傾斜を外部から確認できます。上下二点の座標測定は方向と大きさを数値化し、下げ振りや直接計測は照合と原因切り分けを補助します。

測定前には、測点、測定方向、単位、通常管理値、注意値、停止値、測定時期を決めます。管理値は一律の数字ではなく、機械メーカーの指定、工法の施工要領、設計図書、工事仕様書、地盤条件を根拠に設定します。

施工開始前に正常でも、施工荷重、振動、降雨、機械移動、作業床の沈下などによって姿勢は変化します。施工部材の取付け後、施工中、施工完了後、機械移動後にも確認し、絶対値だけでなく変化方向と増加傾向を見ます。

異常を発見した場合は、表示値だけを調整して再開せず、作業床、機体支持状態、リーダー本体、接合部、調整機構、測定器を確認します。測定、停止、原因確認、復旧、再測定、記録を一つの手順として整備することが、リーダー傾斜の早期発見と再発防止につながります。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

LRTK Phoneの使い方・実例を見る
資料請求導入相談
現場をスマホで3DスキャンLRTK Phone実例を見る