LRTKレフィクシア株式会社

杭打ちでオーガー羽根摩耗を見抜く5つの点検

オーガー羽根の摩耗を早めに見抜くことが重要な理由

杭打ち工事で使用するオーガーは、地盤を掘削する過程で土砂や砂礫、転石などと繰り返し接触するため、施工を続けるほど羽根や先端部が摩耗していきます。摩耗そのものは使用に伴って生じる変化ですが、進行した状態を見逃したまま施工すると、掘削効率の低下や排土状態の変化、掘削径への影響などにつながる可能性があります。

特に注意したいのは、摩耗が必ずしも羽根全体で均一に進むとは限らないことです。地盤の硬さ、礫の混入状態、オーガーの姿勢、回転条件、掘削深度などによって、特定の部分だけが強く削られることがあります。外周の片側だけが減っている場合や、先端側の掘削刃だけが著しく消耗している場合には、単純な経年摩耗だけではなく、掘削姿勢や軸系統の状態まで確認した方がよいケースもあります。

羽根が摩耗すると、地盤に対して本来想定していた形状で接触しにくくなります。その結果、同じ深度を掘削するにも時間がかかる、回転負荷が以前と違う、排土される土砂の状態が変わるといった変化が現れることがあります。ただし、こうした現象は摩耗だけで発生するものではありません。地層の変化や地下水、礫、転石、施工条件なども影響するため、一つの症状だけで「羽根が摩耗している」と断定しないことが重要です。

現場で大切なのは、外観点検と施工中の挙動を組み合わせて判断することです。始業前に羽根を見ただけでは分からない異常が、掘削中の負荷や排土状態から見つかることもあります。反対に、施工中に違和感があっても、地盤条件が原因であり、オーガー自体には大きな異常がないこともあります。複数の情報を照合することで、不要な部品交換や点検漏れを減らしやすくなります。

また、摩耗限度を現場担当者の感覚だけで決めないことも大切です。使用できる摩耗量や補修の可否は、オーガーの形式、寸法、材質、施工方法などによって異なります。メーカーの取扱説明書、施工計画、社内基準などがある場合は、それらの基準を優先して判断します。「昨日も使えたから今日も大丈夫」という判断ではなく、一定の基準に沿って状態を比較する仕組みをつくることが、安定した杭打ち施工につながります。

ここからは、オーガー羽根の摩耗を早めに見抜くために確認したい5つの点検ポイントを、実務で確認しやすい順に解説します。

点検1|羽根外周の摩耗と左右差を確認する

最初に確認したいのが、オーガー羽根の外周部分です。オーガーが回転しながら地盤を掘削すると、羽根の外側は孔壁付近の土砂と継続的に接触します。そのため、外周は摩耗状態を把握しやすい部分の一つです。

点検では、単に「削れているか」を見るだけではなく、羽根の外径がどの程度変化しているか、全周で同じように減っているかを確認することが重要です。新品時や整備直後の寸法が記録されていれば、その値と現在の状態を比較すると摩耗の進行を把握しやすくなります。基準となる寸法が分からない場合でも、同じオーガーの複数箇所を比較することで、偏った摩耗を発見できることがあります。

特に注意したいのが偏摩耗です。片側の外周だけが大きく削れている場合には、オーガーが常に均等な状態で地盤に接していない可能性があります。オーガー自体の曲がり、軸や継手のがたつき、掘削機の姿勢、地盤中の硬い障害物など、複数の要因が考えられます。そのため、外周の偏摩耗を見つけた場合は、羽根だけを見て終わりにせず、軸系統や施工姿勢も合わせて確認することが大切です。

外径の摩耗が進むと、使用する工法や機械構成によっては、計画した掘削状態とのずれにつながる可能性があります。ただし、どの程度の摩耗まで使用可能かは一律には決められません。規定された管理値や整備基準がある場合には、その数値と実測値を照らし合わせます。

測定するときには、毎回なるべく同じ位置を測ることもポイントです。前回は羽根先端付近、今回は中間部というように測定位置が変わると、経時変化を正確に比較しにくくなります。測定箇所をあらかじめ決め、写真と寸法をセットで残しておけば、「前回点検からどの程度変化したか」を追いやすくなります。

土が付着したままでは摩耗境界が分かりにくいこともあります。安全を確保したうえで確認可能な状態にし、付着土などによって見誤らないようにします。また、停止しているように見えても、不意に回転・移動する可能性がある状態で接近するのは危険です。点検は機械の停止措置や現場の安全手順に従って実施する必要があります。

外周の摩耗点検は、数字で比較できる状態にすると精度が上がります。「かなり減った」「まだ大丈夫そう」といった感覚的な記録だけでは、担当者が変わった際に判断が揃いません。測定位置、寸法、点検日、施工本数などを継続して記録することで、交換や補修を検討するタイミングも把握しやすくなります。

点検2|先端部と掘削刃の摩耗・欠けを確認する

2つ目は、オーガーの先端部や掘削刃の点検です。地盤を最初に切削する部分は掘削抵抗を受けやすいため、羽根外周とは異なる形で摩耗が進むことがあります。硬い地盤や礫を含む地盤を施工した後は、特に注意して確認したい部分です。

先端部では、刃先が丸くなっていないか、欠けが発生していないか、左右や複数箇所で形状に大きな差がないかを確認します。刃先が徐々に摩耗している場合は見慣れると変化に気付きにくいため、新品時や整備後の写真を基準として残しておく方法が有効です。同じ角度から撮影した写真を比較すれば、小さな形状変化でも発見しやすくなります。

欠けがある場合には、その大きさだけでなく周辺も確認します。単純な摩耗による欠損なのか、強い衝撃を受けた痕跡があるのかによって、確認すべき範囲が変わるためです。たとえば転石や硬質な障害物との接触が疑われる場合、先端だけでなく羽根、溶接部、軸、接続部などへ力が伝わっている可能性も考慮します。

また、複数の掘削刃がある構造では、一部だけが大きく摩耗していないかも見ます。一つの刃だけが突出して摩耗している場合、掘削時に荷重が偏っている可能性があります。施工中の姿勢や回転状態、軸の振れなどと合わせて確認することで原因を絞り込みやすくなります。

先端部の摩耗は、施工速度にも影響しているように感じられることがあります。しかし、掘削速度が遅くなったからといって、すぐに刃先摩耗が原因と判断するのは適切ではありません。地層が変化して硬くなった場合や礫が増えた場合でも掘削速度は変わります。そのため、施工記録や地盤情報と照らし合わせながら判断する必要があります。

たとえば、同程度の地層を施工しているにもかかわらず、以前より掘削時間が長くなり、さらに先端部の刃先が明らかに丸くなっている場合には、摩耗との関連を疑いやすくなります。一方、急に掘削が進まなくなった場合は、摩耗だけでなく転石や障害物など別の原因も考えなければなりません。

先端刃や交換可能な部材には、使用限界や交換基準が設定されている場合があります。その場合は必ず指定された判断基準に従います。現場独自の感覚で肉盛りや加工を行うと、本来の形状や強度に影響することがあるため、補修方法についても定められた手順を確認することが大切です。

点検後に問題がない場合でも、「異常なし」だけではなく、どの部分を確認したかが分かる記録を残しておくと、次回との比較に役立ちます。先端部全景と刃先の近接写真を残すだけでも、摩耗進行を追跡しやすくなります。

点検3|羽根の変形・亀裂・溶接部の異常を確認する

3つ目の点検では、摩耗量だけではなく羽根そのものの形状を確認します。オーガー羽根は回転しながら地盤から抵抗を受けるため、使用条件によっては摩耗と同時に曲がり、局部変形、亀裂などが生じる可能性があります。

羽根の厚さが残っているから問題ないとは限りません。外径寸法が大きく変わっていなくても、一部が曲がっていたり、羽根のピッチが局部的に変形していたりすると、回転時のバランスや排土状態に影響することがあります。そのため、横から見た形状と先端方向から見た形状の両方を確認することが重要です。

複数段の羽根がある場合には、上下の羽根の位置関係にも注目します。特定の部分だけが折れ曲がっていないか、羽根同士の間隔に不自然な差がないかを見ます。目視だけでは判断しにくい場合には、基準となる寸法や治具、測定器具などを利用し、客観的に比較できるようにします。

溶接部も重要な点検箇所です。羽根と軸の接合部分などでは、表面の摩耗だけに気を取られていると、小さな亀裂や剥離の兆候を見落とすことがあります。土砂が付着していると確認しにくいため、安全な状態で必要な清掃を行ったうえで点検します。

亀裂のように見える線を発見した場合は、その場で「表面だけだから問題ない」と判断せず、現場の管理手順に従って確認することが大切です。実際に亀裂かどうかを判断する方法や、使用継続の可否は設備の仕様や社内基準によって異なります。疑わしい状態のまま使用を続けるのではなく、必要に応じて整備担当者などへ確認します。

変形や亀裂が見つかった場合、原因についても考えておく必要があります。障害物との衝突、過大な負荷、軸の偏心、継手のがた、施工姿勢など、羽根以外の要因が関係している可能性があるからです。羽根だけを交換して同じ条件で再開すると、同じ位置が再び損傷することも考えられます。

また、羽根の局部変形は偏摩耗のきっかけにもなります。わずかな形状変化によって一部分が地盤と強く接触すれば、その箇所の摩耗がさらに早く進む場合があります。摩耗と変形は別々の問題として扱うのではなく、相互に影響する可能性があるものとして点検することが重要です。

日常点検では、毎回同じ方向から写真を撮影すると変形を追いやすくなります。全景、先端、外周、接合部など、撮影位置をある程度統一しておけば、担当者が交代しても以前の状態と比較できます。写真の中に点検対象の識別番号などを含めておけば、複数のオーガーを使用する現場でも取り違えを防ぎやすくなります。

点検4|軸や継手のがたつきから偏摩耗の原因を探る

4つ目の点検は、羽根そのものだけではなく、オーガーを支持する軸や継手の状態です。羽根の偏摩耗を発見したときに、羽根だけを交換して終わりにすると根本原因を見逃すことがあります。

軸が曲がっていたり、継手に大きながたつきがあったりすると、回転中心が安定せず、羽根の一部が地盤へ強く接触する可能性があります。その結果、特定方向の外周だけが早く摩耗することがあります。このような状態では、新しい羽根に交換しても短期間で同じような偏摩耗が発生するおそれがあります。

点検では、軸の外観に明らかな曲がりがないか、接続部に異常な隙間がないか、固定部材に緩みや損傷がないかなどを確認します。具体的な確認方法は機械の構造によって異なるため、設備ごとの点検要領に沿って実施します。

回転させたときの振れも重要な情報ですが、点検者が回転部へ近づいて確認することは危険です。機械を作動させながら確認する必要がある項目は、定められた安全距離や手順を守り、必要な監視体制のもとで実施します。手で触れて振れを確認するといった危険な方法は避けなければなりません。

継手や固定部の状態を見るときには、摩耗粉や異常な接触痕がないかも確認します。通常とは違う接触跡が一方向に集中している場合、荷重が偏っている可能性を検討する材料になります。羽根の摩耗方向と継手の接触痕が対応していれば、原因を探る手掛かりになることがあります。

軸や継手の異常を疑うもう一つのきっかけが、施工中の姿勢変化です。掘削開始時には問題がなくても、深度が増すにつれて振れが目立つようになる場合があります。ただし、これも軸の異常だけでなく地盤条件や掘削方法などさまざまな要因が関係します。外観点検だけで原因を決めつけず、施工記録と組み合わせて考えることが大切です。

偏摩耗を見つけたときには、「どちら側が減っているか」を記録しておくと原因調査に役立ちます。単に「偏摩耗あり」と書くだけでは、次の点検者が同じ方向に摩耗が進んでいるのか判断できません。オーガーに基準方向を設定し、位置関係が分かる形で写真や記録を残すと比較しやすくなります。

軸や継手は羽根摩耗の直接的な測定箇所ではありませんが、摩耗の原因を探すうえで欠かせない確認対象です。羽根の交換回数が想定より多い現場や、同じ方向に偏摩耗を繰り返す場合には、オーガー全体を一つの回転系として確認する視点が重要になります。

点検5|掘削時の負荷・排土・振動の変化を確認する

5つ目は、施工中の挙動から摩耗の兆候を探す点検です。オーガー羽根は停止時の外観だけでなく、実際に地盤を掘削しているときの状態にも変化が現れる場合があります。

注目したいのは、掘削速度、回転負荷、排土状態、振動、音などの変化です。同じような地盤条件を施工しているにもかかわらず、以前より掘削に時間がかかる場合や、負荷のかかり方が変化した場合には、オーガーの状態を確認するきっかけになります。

ただし、施工中の変化をすべて羽根摩耗と結び付けてはいけません。地盤は深度や位置によって変化します。砂層から粘性土、礫質土などへ変われば、回転負荷や排土状態が変わるのは珍しくありません。地下水や障害物の影響を受けることもあります。そのため、オーガー摩耗の判断には、地盤情報、深度、施工位置、過去の施工記録などを合わせて確認する必要があります。

排土状態も参考になります。羽根は掘削するだけでなく、掘削土を上方へ運ぶ役割を担う構造が一般的です。羽根が大きく摩耗したり変形したりすると、排土の状態が以前と変わることがあります。ただし、粘性の高い土が付着して排土しにくくなる場合などもあるため、排土不良だけで摩耗と判断することはできません。

振動についても同様です。以前と比べて周期的な振れや振動が大きく感じられる場合、羽根の偏摩耗や変形、軸系統の状態を確認する理由になります。一方で、硬質な地盤や礫との接触によって振動が増える場合もあるため、発生した深度や地盤状況を記録しておくことが重要です。

現場で摩耗を早く見つけるには、作業者の感覚を記録へ変える工夫が役立ちます。「今日は掘りにくい」という感想だけでは、翌日や別の担当者と比較できません。同程度の地盤で一定深度を掘削するのに要した時間、機械側で確認可能な負荷情報、排土の状態、異常振動の有無などを継続的に残せば、変化を見つけやすくなります。

施工中に急激な異常が発生した場合には、摩耗の進行とは別のトラブルも考える必要があります。昨日まで正常だったオーガーが突然大きく振動した場合などは、単なる自然摩耗ではなく、部材の損傷や障害物との接触なども候補になります。無理に施工を続けず、現場の施工管理手順に従って状態を確認することが重要です。

外観点検と施工中の挙動を組み合わせることで、見た目だけでは気付きにくい摩耗を見つけやすくなります。「羽根を見る点検」と「掘削状態を見る点検」を別々に考えるのではなく、一連の状態監視として扱うことがポイントです。

摩耗を見落としにくくする点検タイミング

オーガー羽根の点検は、異常を感じたときだけ実施するのではなく、一定のタイミングで繰り返すことが重要です。摩耗は徐々に進むことが多いため、毎日見ている担当者ほど変化に気付きにくくなる場合があります。

まず基本になるのが始業前の確認です。施工を開始する前に羽根外周、先端、溶接部、軸や接続部などを確認しておけば、前日の施工で発生した損傷を見つけられる可能性があります。前日の終業時にも点検していれば、いつ変化したのかをさらに絞り込みやすくなります。

施工途中の確認も有効です。長時間連続して使用する場合や、硬い地盤、礫を多く含む地盤などを掘削している場合には、開始時に問題がなくても施工中に摩耗や損傷が進むことがあります。休止時間など安全に確認できるタイミングを利用し、状態を比較するとよいでしょう。

地層が大きく変化した後も確認のきっかけになります。特に強い掘削抵抗を受けた区間や、転石などへの接触が疑われた区間を施工した後には、通常より注意して確認する必要があります。ただし、点検頻度を一律に決めるのではなく、設備の点検基準や施工条件を踏まえて設定することが大切です。

オーガーを交換したときには、取り外した部材の状態を確認しておくことも有効です。交換したという事実だけを記録するのではなく、どの部分がどのように摩耗していたかを残せば、次に同じ地盤条件を施工するときの参考になります。

現場ごとの傾向を把握するという考え方も重要です。砂質地盤を中心に施工した現場と、礫を多く含む地盤を施工した現場では、摩耗の進み方が同じとは限りません。施工本数だけで交換時期を機械的に決めるよりも、施工条件と実際の摩耗状態を合わせて記録した方が、適切な点検周期を検討しやすくなります。

また、点検する人を固定しすぎないことにも利点があります。同じ担当者が毎日確認することで細かな変化に気付ける一方、徐々に進む摩耗に目が慣れてしまうこともあります。定期的に別の担当者や整備担当者が確認する仕組みを設ければ、異なる視点から異常を発見できる可能性があります。

重要なのは、「何本施工したら必ず交換」という単純な管理だけに頼らないことです。摩耗速度は地盤や機械条件などに左右されます。施工数量を管理指標の一つとしつつ、実測寸法、外観、施工時の挙動を組み合わせて判断することが、摩耗を見落としにくい管理につながります。

オーガー羽根の点検記録を残すときのポイント

点検を実施していても、記録が曖昧では摩耗の進行を比較しにくくなります。オーガー羽根の管理では、「確認した」という事実だけでなく、状態の変化を追える記録を残すことが重要です。

まず、どのオーガーを点検したのかを明確にします。同じ現場で複数のオーガーを使用している場合には、識別番号や管理番号などを決め、写真と点検記録を対応させます。対象が曖昧なまま写真だけを保存すると、後からどの部材の状態だったのか分からなくなることがあります。

次に、測定箇所を統一します。外径や羽根厚などを測定する場合、毎回異なる部分を測ると経時比較の意味が薄れます。基準位置を決め、可能な範囲で同じ位置を同じ方法で測定します。

写真についても同様です。毎回撮影距離や向きが大きく変わると比較しにくくなります。全景、先端部、外周、溶接部といった撮影パターンを決め、なるべく同じ向きから記録します。異常箇所がある場合には近接写真も追加し、全景写真と位置関係が分かるようにします。

寸法だけでなく施工履歴も残しておくと、摩耗傾向の分析に役立ちます。どの現場で使用したか、どの程度施工したか、どのような地盤を掘削したかといった情報があれば、摩耗が進んだ背景を考察しやすくなります。

さらに、異常を見つけたときには処置内容まで記録します。点検で摩耗を発見しても、「確認済み」だけでは、その後に継続使用したのか、補修したのか、交換したのかが分かりません。判断者や処置日を含めて記録することで、後から経緯を確認しやすくなります。

現場写真には撮影位置の情報を関連付けておくと管理しやすくなります。複数の杭位置で施工している場合、「どの地点を施工した直後に摩耗や異常が見つかったのか」が分かれば、地盤条件との関連も調べやすくなります。

紙の点検表でも管理できますが、写真や位置情報をデジタルで関連付ければ、現場から事務所への共有もしやすくなります。重要なのは道具そのものではなく、誰が見ても過去と現在を比較できる状態をつくることです。

摩耗管理は、一回の点検で完結するものではありません。継続的な履歴によって「この程度の地盤条件ではどの部分が先に摩耗しやすいか」といった現場独自の知見が蓄積されます。この情報は次の施工計画や予備部材の準備、点検頻度の見直しにも活用できます。

摩耗を発見したときに現場で判断すべきこと

点検で摩耗を見つけた場合、すぐに交換するか、そのまま使用できるかは状態によって異なります。大切なのは、現場担当者の感覚だけで使用可否を決めないことです。

最初に確認するのは、決められた摩耗限度や点検基準です。使用するオーガーに管理値が設定されている場合には、実測値と照合します。限度を超えている場合や使用継続に疑問がある場合には、所定の手順に従って交換、補修、専門担当者への確認などを行います。

次に確認したいのが、摩耗が均一か偏っているかです。均一な摩耗であれば使用による自然な消耗として説明できる場合がありますが、片側だけ急速に減っている場合には、原因を確認する必要があります。軸、継手、施工姿勢、障害物などを確認せず羽根だけを交換すると、同じ問題が繰り返される可能性があります。

亀裂や大きな変形、部材の欠損がある場合には、単なる寸法摩耗とは分けて考えます。残り寸法が基準内であっても、構造上問題となる損傷がある可能性があるためです。外径測定だけで「基準内だから使用可能」と決めず、損傷状態全体を見る必要があります。

施工中に異常な振動や負荷変化が発生している場合も、外観だけで判断しないことが大切です。停止状態では問題が小さく見えても、回転時に影響が出る可能性があります。逆に、機械側の異常や地盤条件が原因で、羽根には問題がない場合もあります。

摩耗した状態で無理に施工を続けると、施工効率だけでなく別の部材へ負担が広がる可能性があります。一方で、使用可能な範囲内の摩耗を過度に問題視すれば、不必要な交換や作業停止につながります。だからこそ、客観的な測定値と状態記録に基づいて判断する仕組みが重要です。

交換や補修を行った後には、作業完了だけで終わらせず、交換前後の状態を記録します。新品または補修後の寸法や写真を新しい基準として残しておけば、そこから次の摩耗量を確認できます。

また、摩耗が予想以上に早かった場合は、その一本だけの問題として終わらせず、施工条件を振り返ります。施工した地盤、掘削時間、負荷状態、使用した深度などを確認し、同じ条件が続く場合は点検周期を短くするなどの対応を検討します。

このように、摩耗発見後の対応で重要なのは、「交換するかしないか」だけではありません。なぜ摩耗したのか、ほかの部位に異常がないか、同じ現象が再発する可能性がないかまで確認して、次の施工へ情報をつなげることが重要です。

杭打ちの施工管理を位置情報と記録で効率化する

オーガー羽根の点検を確実に続けるには、機械の状態だけでなく、どの杭位置で、いつ、どのような施工を行った後に異常が見つかったのかを記録することも重要です。

杭打ち工事では多数の杭位置を順番に施工することがあります。施工が進むにつれて、「このオーガーでどこまで施工したか」「どの杭を施工した直後に摩耗が目立ったか」といった情報が曖昧になると、地盤条件と摩耗の関係を振り返りにくくなります。

そこで有効なのが、位置情報と現場記録を関連付ける考え方です。杭位置ごとに施工記録や写真を整理しておけば、オーガーの異常を発見したときに、それまでに施工した地点を追跡しやすくなります。地盤情報や施工時間なども合わせて確認すれば、特定区間で負荷が大きかった可能性を検討する材料にもなります。

位置管理では、施工前の杭芯確認だけでなく、施工後の記録を同じ座標情報にひも付けることがポイントです。現場の担当者が記録した写真を事務所側でも位置とともに確認できれば、電話や口頭だけで状況を説明するより認識を合わせやすくなります。

オーガー羽根の写真を残す場合も、点検日時と施工位置を関連付けることで履歴の価値が高まります。「8月の点検写真」という整理だけではなく、「どの杭位置まで施工した時点の状態か」が分かれば、後から摩耗量と施工履歴を比較できます。

さらに、施工位置の確認を高精度な測位と組み合わせれば、杭芯や現場内の基準位置を確認しながら写真や測点を整理する方法も考えられます。特に広い施工ヤードでは、杭番号だけでなく位置情報を利用することで、記録の取り違え防止にも役立ちます。

こうした現場記録の効率化に活用できる選択肢の一つがLRTK Phoneです。杭打ち現場で位置情報を取得し、施工地点と現場記録を関連付けて管理することで、杭位置の確認や施工履歴の整理を効率化しやすくなります。オーガー羽根の摩耗点検についても、点検写真や施工位置などを一連の現場情報として整理することで、後から状況を振り返りやすくなります。

オーガーの整備そのものを測位機器が代替するわけではありませんが、「どこで何を施工し、その時点で機械がどのような状態だったのか」を残すことは、施工管理の再現性を高めるうえで有効です。杭芯測量や施工位置の管理と点検記録を別々に扱うのではなく、現場情報としてつなげて管理したい場合には、LRTK Phoneを活用した施工記録の方法も検討するとよいでしょう。

まとめ|オーガー羽根は見た目と施工中の変化を組み合わせて点検する

杭打ちで使用するオーガー羽根の摩耗を見抜くには、羽根の外周だけを見るのでは不十分です。外周の摩耗と左右差、先端部や掘削刃の摩耗・欠け、羽根の変形や溶接部の異常、軸や継手の状態、施工中の負荷・排土・振動という5つの視点を組み合わせることで、異常の兆候を捉えやすくなります。

特に重要なのは、摩耗量だけで判断しないことです。片側だけ摩耗している場合には軸や施工姿勢など別の原因が隠れていることがあります。逆に、掘削速度が落ちたり振動が変化したりしても、地盤条件が原因の場合があります。一つの現象だけで結論を出さず、外観、寸法、施工挙動、地盤情報を照合することが大切です。

点検結果は継続的に残すことでさらに役立ちます。測定位置を揃え、同じ方向から写真を撮り、施工履歴と関連付けておけば、摩耗の進行速度を把握しやすくなります。交換や補修を行った場合も、その前後を記録して新たな基準をつくることで、次回以降の管理に活用できます。

また、使用可能な摩耗量や補修方法は、オーガーの仕様や工法によって異なります。現場独自の感覚だけで決めず、設備ごとの点検基準や施工計画、定められた管理方法を確認したうえで判断することが基本です。

杭打ちは、機械の状態、地盤、施工位置、施工記録が相互に関係する作業です。オーガー羽根を確実に点検するとともに、どの地点をどの状態で施工したのかまで記録できれば、異常発生時の振り返りもしやすくなります。杭芯や施工地点の位置確認と現場記録を効率よく結び付けたい場合は、LRTK Phoneを活用した現場管理へつなげてみてください。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

LRTK Phoneの使い方・実例を見る
資料請求導入相談
現場をスマホで3DスキャンLRTK Phone実例を見る