LRTKレフィクシア株式会社

土地改良工事の埋戻し沈下を防ぐ締固め7つの確認

土地改良工事で埋戻し沈下が起こる主な原因

土地改良工事では、用排水路、管路、暗渠、集水桝、擁壁、農道、揚排水機場などの施工に伴い、掘削した箇所を埋め戻す作業が数多く発生します。埋戻しは完成後に見えなくなる部分ですが、施工品質が不十分であれば、供用開始後に地表面の沈下、舗装のひび割れ、水路周辺の段差、構造物との境界部の沈み込みなどにつながる可能性があります。 埋戻し沈下の主な原因は、土を投入しただけで内部の空隙が十分に減っていないことです。締固めが不足した土には多くの空隙が残り、時間の経過、降雨、通行荷重、農業機械の走行、地下水の変動などによって土粒子の並び方が変わります。その結果、埋戻し部分の体積が徐々に小さくなり、地表面に沈下として現れます。 一方で、締固め機械を何度も走らせれば必ず品質が上がるとは限りません。土質に対して含水状態が適切でなければ、転圧しても十分な密度を得にくくなります。水分が少なすぎる土は粒子同士が動きにくく、水分が多すぎる土は締固め時の圧力を水が受けるため、機械の力が土粒子の再配列に伝わりにくくなります。転圧によって表面だけが固く見えても、内部が軟弱なまま残ることもあります。 まき出し厚が大きすぎる場合も注意が必要です。締固め機械の力が届く深さには限界があり、一度に厚く土を敷くと、上部は締まっていても下部に緩い層が残る可能性があります。この緩い層は完成後には見つけにくく、後から局部的な沈下を生じさせる原因になります。 特に土地改良工事では、施工区間が細長い、既設水路や管路が近い、農地への進入路が限られるといった条件が重なりやすく、大型機械だけでは均一に締め固められない場所が生まれます。構造物際、管の下側、桝の周囲、掘削溝の隅角部などをどのように施工するかまで計画しておかなければ、締固め品質にばらつきが生じます。 埋戻し沈下を防ぐためには、完成後の表面だけを見るのではなく、材料の搬入からまき出し、締固め、品質確認、記録までを一連の工程として管理することが重要です。以下では、土地改良工事の実務担当者が確認しておきたい七つのポイントを順番に解説します。

確認1 埋戻し材の土質と含水状態を確認する

最初に確認したいのは、埋戻しに使用する材料です。埋戻し材の土質が施工条件や設計条件に合っていなければ、どれほど丁寧に転圧しても、安定した仕上がりを得にくくなります。現場発生土を再利用する場合も、掘削した土をそのまま戻せるとは限りません。 埋戻し材には、粒径の大きな石、植物の根、木片、廃材、凍結した土塊などが混入していないかを確認します。大きな異物や土塊が残った状態で敷きならすと、その周囲に空隙が生じやすくなります。時間の経過によって土塊が崩れたり、有機物が分解したりした場合には、内部の体積が減少し、沈下につながる可能性があります。 粒度の偏りにも注意が必要です。細粒分が多く粘りの強い土は、降雨後に含水量が高くなると施工しにくくなります。反対に、粒径がそろいすぎている材料は、粒子同士のかみ合わせが十分に得られず、条件によっては安定しにくいことがあります。使用できる材料の条件は工事ごとに異なるため、設計図書、施工計画、品質管理基準などを確認し、対象箇所に適した材料を使用します。 現場発生土を再利用するときは、掘削場所ごとに土質が変化する可能性も考えなければなりません。表土、粘性土、砂質土、砂礫などが混ざると、同じ締固め方法でも仕上がりが変わります。仮置き時に土質の異なる材料を無秩序に混合すると、含水調整や品質確認が難しくなります。再利用する材料は、土質や掘削場所に応じて区分し、使う場所と順序を決めておくことが有効です。 含水状態は、締固めの効果を左右する重要な条件です。土を握ったときのまとまり方、機械走行時の沈み込み、表面への水の浮き上がり、土の付着状況などから、施工に適した状態かを確認します。ただし、目視や手触りだけでは判断に限界があるため、必要に応じて所定の試験や測定を行い、管理基準との適合を確認します。 水分が少なすぎて土がぱさつく場合は、散水しながら均一に混合する方法が考えられます。表面だけに水をかけると、上部だけが湿り、内部は乾いた状態のままになるため、材料全体に水分が行き渡るように調整します。反対に、水分が多すぎる場合は、排水、仮置き、乾燥、材料の入れ替えなどを検討します。ぬかるんだ土を無理に転圧しても、機械が沈み込んだり土が横方向へ逃げたりして、安定した締固めにならないことがあります。 材料の搬入時には、土質だけでなく搬入日、搬入場所、使用区間も記録します。後から沈下や品質のばらつきが見つかった場合に、どの材料をどこへ使用したかが分かれば、原因を検討しやすくなります。締固め管理は機械の運転だけではなく、材料の選定と状態確認から始まっていると考えることが大切です。

確認2 一層ごとのまき出し厚を管理する

埋戻し材は、一度に深く投入するのではなく、一定の厚さに敷きならしてから一層ずつ締め固めます。この一層ごとの施工が、埋戻し沈下を防ぐ基本です。まき出し厚が大きすぎると、締固め機械の力が下部まで十分に伝わらず、表面の見た目だけが固い状態になる可能性があります。 管理すべき厚さは、使用する材料、締固め機械、施工場所、設計図書などによって変わります。そのため、現場担当者の経験だけで決めるのではなく、施工計画で定めた厚さと使用機械の施工能力を照合します。試験施工や過去の施工実績がある場合は、その結果も参考にしながら、現場条件に合った施工方法を決めます。 まき出し厚を測るときは、締固め後の厚さと投入直後の厚さを混同しないことが重要です。土は締固めによって体積が減るため、施工前後では層の厚さが変わります。管理対象がどの時点の厚さなのかを施工計画で明確にし、現場内で判断が分かれないようにします。 掘削溝の中へ土を投入すると、中央部が盛り上がったり、片側に材料が偏ったりすることがあります。投入後は機械や人力で敷きならし、層の厚さをできるだけ均一にします。一部だけ厚い箇所があると、その部分だけ締固め不足になり、完成後の沈下量に差が生じる可能性があります。 管路の埋戻しでは、管の両側をできるだけ均等に施工することも重要です。片側だけ先に高く埋め戻すと、土圧の偏りによって管の位置や姿勢へ影響するおそれがあります。管の下側や側面へ材料が十分に回り込んでいるかを確認しながら、左右の高さをそろえて段階的に埋め戻します。 既設構造物の近くでは、施工途中の目印が分かりにくくなることがあります。層ごとの高さを把握するため、構造物に直接不用意な印を付けるのではなく、仮設の測定基準、丁張、測点などを設けます。測定位置を決めておけば、作業者が変わっても同じ基準でまき出し厚を確認できます。 施工中に雨が降った場合や、材料の種類が変わった場合は、同じ厚さで作業を続けられるとは限りません。締固め機械の走行状態や仕上がりを確認し、必要に応じて層を薄くする、材料を入れ替える、施工を中断するといった判断が必要です。予定どおりの厚さで進めることよりも、各層を確実に締め固めることを優先します。 まき出し厚の確認は、完成後には実施できません。各層を次の土で覆う前に、厚さ、施工範囲、材料の状態を確認し、写真や測定値を残します。埋戻し工程を細かく区切り、確認してから次へ進む仕組みを整えることで、内部に締固め不足の層が残るリスクを減らせます。

確認3 施工場所に適した締固め機械を選ぶ

締固め機械は、施工範囲の広さだけでなく、材料の性質、埋戻し層の厚さ、構造物との距離、地下埋設物の有無などを考慮して選定します。広い範囲で効率よく施工できる機械でも、狭い掘削溝や構造物際では十分に動けないことがあります。反対に、小型の機械だけで広い範囲を施工すると、転圧回数や作業時間が増え、施工のばらつきが生じる可能性があります。 締固め方法には、機械の重量を利用する方法、振動を加える方法、打撃によって締め固める方法などがあります。どの方法が適しているかは土質によって異なります。砂質系の材料では振動によって粒子が再配列しやすい一方、粘性のある材料では別の締固め作用が必要になる場合があります。現場にある機械をそのまま使用するのではなく、材料との相性を確認します。 構造物の近くで強い振動を加える場合は、構造物への影響にも配慮が必要です。施工直後のコンクリート構造物、既設水路、古い石積み、埋設管などが近接している場所では、締固めによる振動や衝撃が不具合を起こさないかを検討します。必要に応じて小型機械や人力施工を組み合わせ、構造物から距離を取りながら段階的に施工します。 管路の直上では、管の種類や土かぶりの状態を確認せずに重い機械を走行させてはいけません。十分な土かぶりが確保される前に大きな荷重を加えると、管の変形、移動、破損につながる可能性があります。管周辺は指定された材料と方法で埋め戻し、所定の高さまで施工した後に、使用できる機械を切り替えます。 機械の幅と施工面の幅も照合します。締固め機械が通った部分には荷重が加わりますが、端部まで十分に覆えていなければ、未施工部分が帯状に残ります。各走行帯を適切に重ね、施工面全体へ均等に締固め作用を与えることが必要です。旋回箇所や進行方向を変える位置では、転圧回数が増える場所と減る場所が生じやすいため、走行経路を事前に決めておきます。 締固め機械の状態も品質に影響します。機械の故障や設定不良、土の付着、振動機能の不調などがあれば、計画どおりの締固め効果を得られません。施工前点検を行い、異音、油漏れ、動作不良などがないことを確認します。作業途中でも、機械の沈み込み方、土の波打ち、施工面の変化を観察し、異常があれば作業を止めて原因を確認します。 同じ機種を使用していても、運転する作業者によって走行速度や重ね幅が変わることがあります。機械の選定だけで終わらせず、どの範囲をどの順序で施工するかを関係者で共有します。施工前に短い打ち合わせを行い、対象区間、使用機械、注意する構造物、転圧方向などを確認しておくと、締固めの抜けを防ぎやすくなります。

確認4 転圧回数と施工速度を一定に保つ

締固め品質を安定させるには、転圧回数と機械の走行速度を管理する必要があります。回数が少なければ締固め不足になる可能性がありますが、ただ回数を増やせばよいわけでもありません。土質や含水状態によっては、過度な転圧で土が練り返されたり、表面が波打ったりすることがあります。 必要な転圧回数は、施工計画、試験施工、品質確認の結果などに基づいて決めます。現場条件が変わった場合は、最初に決めた回数を機械的に守るだけでは不十分です。材料の種類、含水状態、まき出し厚、使用機械が変わったときは、締固め後の状態を確認し、施工方法を再検討します。 走行速度が速すぎると、一定の区間に加わる締固め作用が小さくなりやすくなります。反対に、極端に遅い走行や同じ場所での長時間作動は、施工面を乱す原因になることがあります。機械の種類や施工条件に応じた速度で、急加速や急停止を避け、できるだけ一定に走行します。 転圧回数の数え方も統一する必要があります。往復を一回と数えるのか、片道を一回と数えるのかが作業者によって異なると、実際の締固め量に大きな差が生まれます。施工開始前に数え方を明確にし、走行経路と合わせて共有します。 広い施工面では、締固め機械の走行帯を分けて管理します。機械が通った跡だけを頼りにすると、土の状態によっては跡が見えにくく、未転圧箇所が残ることがあります。施工幅を一定の区画に分け、端から順番に進めるなど、抜けが発生しにくい方法を採用します。 走行帯の境界では、隣り合う施工範囲を適度に重ねます。重ね幅が不足すると、境界部に締固めの弱い帯が残ります。逆に重ねすぎると、中央部だけ転圧回数が増え、施工時間にも無駄が生じます。機械幅と現場条件に合わせて走行位置を決め、作業者の感覚だけに任せないことが重要です。 掘削溝や細長い施工区間では、始点と終点付近の管理にも注意します。機械の進入や方向転換が難しいため、端部だけ転圧回数が不足することがあります。大型機械が届かない範囲は小型機械に切り替えるなど、施工区間全体を覆う計画を立てます。 転圧中に地盤が大きくたわむ、土が横へ逃げる、水が表面に浮く、機械のわだちが消えないといった状態が見られる場合は、回数を増やす前に材料や下地の状態を確認します。軟弱な下地、過剰な水分、厚すぎるまき出しなどが原因であれば、転圧の継続だけでは改善しません。施工を一度止め、材料の入れ替え、排水、層厚の修正などを行う必要があります。 転圧回数、走行方向、使用機械、施工区間を記録しておくと、施工のばらつきを把握しやすくなります。品質試験で不適合が見つかった場合にも、どのような条件で施工したかが分かれば、原因を整理し、適切な再施工方法を選べます。

確認5 構造物際や狭い場所の締固め不足を防ぐ

埋戻し沈下が生じやすいのは、広い施工面の中央よりも、構造物際や機械の入りにくい場所です。水路、桝、擁壁、管路、基礎、既設構造物などの周囲では、大型の締固め機械が十分に近づけないため、締固め不足が局部的に残りやすくなります。 構造物際では、土を投入しただけで空隙が埋まったように見えることがあります。しかし、壁面と土の間、基礎の段差部分、張り出し部の下側などには空洞が残る可能性があります。材料を一度に投入せず、少量ずつ敷きならし、必要に応じて人力で充填状態を確認します。 管路周辺では、管の下側に材料が十分に入っているかが重要です。管の両脇だけに土を入れると、下部に空隙が残ることがあります。指定された材料を用い、管の形状に沿って均等に充填します。突き固める際には、管を傷つけたり位置を動かしたりしないよう、使用する道具と作業方法を確認します。 集水桝や水路の角部では、機械の締固め面が届きにくくなります。角の奥へ材料を詰める前に次の層を施工すると、局部的な緩みが積み重なります。各層で隅角部を確認し、小型機械や適切な道具を使用して、周囲と同じ高さまで均一に仕上げます。 構造物の片側だけを先行して埋め戻すことにも注意が必要です。土圧が偏ることで、構造物の変位や傾きが生じる可能性があります。両側を埋め戻す構造では、高さの差を大きくしないよう、左右を交互または同時に施工します。施工順序について設計上の指定がある場合は、その内容を優先します。 既設構造物に近接する場所では、締固めによる振動だけでなく、施工機械の接触にも注意します。機械が壁面や管へ接触すると、目に見えない損傷や位置ずれを起こすおそれがあります。作業範囲を明示し、誘導者を配置するなど、機械と構造物の距離を管理します。 狭い場所で小型機械を使用する場合も、転圧回数とまき出し厚の管理は必要です。小型機械は取り回しやすい一方、一回あたりに締め固められる範囲が限られます。大型機械と同じ層厚のままでは、下部まで十分に締め固められない可能性があります。使用機械を変更したときは、層厚や転圧方法も合わせて見直します。 施工後は、構造物際だけを重点的に目視します。表面のひび割れ、隙間、沈み込み、機械の届いていない箇所がないかを確認します。次の工程で舗装やコンクリートに覆われる場合は、その前に品質確認を完了させます。 狭隘部の締固めは、作業者の技能に依存しやすい工程です。施工計画には「入念に施工する」とだけ書くのではなく、使用する機械、まき出し方法、確認位置、施工順序を具体的に示します。誰が担当しても同じ方法で施工できる状態をつくることが、局部沈下を防ぐうえで重要です。

確認6 締固めの品質と仕上がり高さを確認する

埋戻しの品質は、表面が平らで機械の跡が付いているだけでは判断できません。施工した土が必要な状態まで締め固められているかを、工事で定められた方法によって確認します。対象となる構造や材料に応じて、密度、締固め度、支持力、沈下量などを確認する方法があります。 どの試験や測定を行うかは、設計図書、品質管理基準、施工計画などに従います。現場担当者は、試験項目だけでなく、測定頻度、測定位置、判定基準、不適合時の対応まで事前に把握しておく必要があります。測定の直前になって位置を決めると、施工しやすい場所だけを選んでしまい、全体の品質を適切に評価できない可能性があります。 測定位置は、施工区間を代表する場所に設定します。広い平坦部だけでなく、構造物際、材料が変わる場所、機械を切り替えた場所、施工条件が不利な場所なども確認対象として検討します。品質にばらつきが生じやすい箇所を意識して測定することで、局部的な締固め不足を早期に見つけやすくなります。 測定結果が基準を満たさない場合は、単純に表面を追加転圧するだけで改善できるかを判断します。原因が転圧回数の不足であれば追加施工が有効な場合もありますが、まき出し厚が大きい、含水量が不適切、下層が軟弱といった問題では、表面からの追加転圧だけでは下部まで改善しないことがあります。必要に応じて土を取り除き、層を薄くして再施工します。 品質確認と同時に、仕上がり高さも測定します。埋戻し面が計画より低いと、上部に施工する路盤や舗装の厚さが増えたり、排水勾配が変わったりする可能性があります。計画より高い場合は、後から削り取ることになり、締め固めた表面を乱すおそれがあります。 仕上がり高さを確認するときは、測定基準点が施工中に動いていないかを確認します。工事車両の接触や降雨によって仮設基準が変位すると、測定値全体に誤差が生じます。基準点を保護し、必要に応じて既知点から再確認します。 水路や農道の周囲では、単独の高さだけでなく、縦断方向と横断方向の勾配も重要です。高さが部分的に合っていても、途中に低い場所があれば水がたまり、埋戻し土へ浸透する可能性があります。施工面全体の連続性を確認し、排水が妨げられない形状に仕上げます。 測定後は、値だけでなく測定位置が分かる記録を残します。測点番号、施工区間、日付、使用材料、層の位置などを関連付けておけば、後から測定結果を追跡できます。写真を残す場合も、近接写真だけでは場所を特定できないため、周囲の構造物や測点が分かる全景写真と組み合わせます。 品質確認を埋戻し完了後の一回だけにすると、下層の不具合を発見できません。各層または所定の施工区分ごとに確認し、問題があればその段階で修正します。次の層で覆う前に品質を確定させることが、手戻りと沈下リスクを減らす基本です。

確認7 雨水や湧水の影響を施工前後に確認する

埋戻し施工では、水の管理が品質を大きく左右します。降雨、地下水、湧水、既設水路からの漏水などによって施工面が湿潤になると、材料の含水状態が変わり、締固めが難しくなります。施工前に乾いていた材料でも、仮置き中や運搬中に雨を受ければ、現場へ到着した時点で状態が変化している可能性があります。 降雨が予想される場合は、施工範囲と作業量を調整します。広い範囲へ土をまき出したまま作業を終えると、雨水を吸収する面積が増えます。当日中に締固めと表面整形まで完了できる範囲に限定し、作業終了時には水がたまりにくい形状へ整えます。 施工面に低い場所があると、雨水が集中して浸透します。埋戻し途中でも仮勾配を設け、排水先を確保します。ただし、濁水を無処理で周辺の農地や水路へ流すことは避け、現場の排水計画に従って適切に処理します。 掘削底面に湧水がある場合は、水がたまった状態で埋戻し材を投入しないことが基本です。土と水が混ざって軟弱な層を形成すると、上部を締め固めても支持力が得られない可能性があります。排水設備や集水箇所を設け、施工面の状態を確認してから埋戻しを開始します。 排水によって表面の水がなくなっても、地盤内部が軟弱な場合があります。作業員が歩いたときの沈み込み、機械走行時のわだち、地盤の揺れなどを確認します。下地が乱れている場合は、軟弱部分の除去、材料の置き換え、施工方法の変更などを検討します。 雨上がりに作業を再開するときは、表面が乾いていることだけで判断しません。内部に水分が残っていることがあるため、土を掘り返して状態を確認し、必要に応じて含水状態を測定します。表層だけ乾いた土をそのまま転圧すると、下部から水が浮き上がる場合があります。 施工完了後の排水も重要です。埋戻し面が周囲より低いままだと、降雨のたびに水が集まり、完成前の土へ浸透します。仮舗装や上部工を後日施工する場合は、それまでの期間に雨水が集中しないよう、仮勾配、仮排水、養生などを行います。 水路周辺では、通水開始後に漏水がないかも確認します。継手や構造物周囲から漏れた水が埋戻し土へ入り続けると、細粒分が移動したり、内部に空洞が生じたりする可能性があります。埋戻し作業だけでなく、隣接する構造物の止水状態も沈下防止の一部として確認します。 雨天時の施工中止や再開の判断基準を事前に決めておけば、工程を優先して無理に作業を進めることを防げます。降雨量だけで一律に判断するのではなく、土質、施工面の状態、排水能力、使用機械などを踏まえ、現場責任者が確認して判断する仕組みを整えます。

埋戻し工事の記録を残して沈下リスクを減らす

埋戻し部分は完成後に見えなくなるため、施工中の記録が品質を説明する重要な資料になります。記録が不足していると、完成後に沈下が発生した際、どの層、どの材料、どの施工条件に原因があったのかを確認できません。 記録する内容には、施工日、天候、施工場所、埋戻し材の種類、材料の状態、まき出し厚、使用機械、転圧回数、施工担当、品質確認結果などがあります。すべてを別々の書類に記載するだけでは関連性が分かりにくいため、施工区間や測点を共通の識別情報として使用します。 写真は、材料搬入、敷きならし、締固め、測定、完成の各段階で撮影します。近くから撮影した写真だけでは施工位置や範囲が分かりにくいため、測点や周囲の構造物を含む全景写真も残します。層厚を示す標尺や測定器具を写す場合は、目盛りが読み取れる角度で撮影します。 写真撮影のために作業を一時停止しただけでは、品質記録として十分でないこともあります。撮影後に別の材料を投入したり、記録した範囲と異なる場所を施工したりすれば、写真と実際の施工内容が一致しません。写真番号、施工区間、時刻などを関連付け、どの工程を示す記録なのかを明確にします。 日々の記録を工程の最後にまとめて作成すると、細かな施工条件を思い出せなくなることがあります。転圧回数、機械の切り替え、材料の変更、降雨による中断などは、その都度記録する運用が有効です。現場内で記録担当を明確にし、記録漏れを確認してから次の工程へ進みます。 計画と異なる施工を行った場合は、その理由と対応内容も残します。例えば、湧水のため材料を置き換えた、狭隘部で締固め機械を変更した、含水状態の悪化により施工を中止したといった判断は、品質確保のための重要な情報です。変更内容を記録しておけば、完成後の維持管理や類似工事の計画にも活用できます。 施工記録は、単に提出書類を作るためのものではありません。材料や施工方法ごとの品質結果を比較すれば、沈下しやすい条件や施工上の弱点を把握できます。次の区間でまき出し厚を調整する、転圧回数を見直す、狭隘部の機械を変更するなど、施工中の改善にも役立ちます。 完成後に定期的な点検を行う場合は、施工時の測点や写真位置を引き継ぎます。同じ位置で高さや表面状態を確認することで、変化を把握しやすくなります。埋戻し時点の記録と供用後の点検結果をつなげることが、長期的な沈下管理につながります。

LRTK Phoneを埋戻し管理に活用する方法

土地改良工事の埋戻し管理では、施工位置、高さ、写真、点群などの情報を現場でまとめて取得できる仕組みが役立ちます。紙の野帳や個別の写真だけで管理すると、記録した場所と測定結果の対応付けに時間がかかり、後から施工範囲を確認しにくくなることがあります。 LRTK Phoneを使用すると、対応する測位環境のもとで位置情報を取得しながら、埋戻し区間の測点や写真を記録できます。どこで材料を変更したか、どの範囲を当日に施工したか、品質確認をどこで行ったかを位置情報と関連付ければ、施工履歴を整理しやすくなります。 埋戻し前後の地表面を計測し、点群として保存しておけば、施工範囲の形状や高さを立体的に確認できます。平面的な写真だけでは分かりにくい高低差や施工境界も、点群を使うことで把握しやすくなります。施工途中の各段階を記録すれば、次の層で覆われる前の状態を後から確認する資料として活用できます。 仕上がり高さの確認では、設計上の基準や現場の測点と計測結果を照合することが重要です。計画面より低い場所や、周囲との高低差が大きい場所を早期に把握できれば、舗装や上部工へ進む前に修正できます。農道や水路周辺のように排水勾配が重要な箇所では、単独の測点だけでなく、施工面全体の連続性を確認することが有効です。 位置情報付きの写真を残すことで、写真整理の負担も軽減できます。撮影場所が分からない写真は、完成後の照合に使いにくくなります。施工区間、測点、撮影方向などと関連付けて保存すれば、構造物際や狭隘部の締固め状況を追跡しやすくなります。 埋戻し材の投入前、各層の締固め後、仕上がり確認時というように、撮影と計測のタイミングをあらかじめ決めておくことも重要です。担当者ごとに記録方法が異なると、区間によって資料の内容に差が生じます。施工計画の中に記録手順を組み込み、必要な情報を同じ形式で取得します。 ただし、測位や点群による計測結果は、周囲の遮蔽物、衛星の受信状況、計測方法、対象面の状態などによって変動することがあります。重要な品質判定は、工事で定められた測定方法や管理基準に従って実施し、LRTK Phoneの記録は現場確認や施工履歴の整理を支援する情報として適切に活用します。 紙の記録、写真、測定結果、点群をばらばらに保管するのではなく、施工区間ごとに関連付けて管理すれば、品質確認から完成後の維持管理まで情報を引き継ぎやすくなります。見えなくなる埋戻し部分だからこそ、施工中の状態を位置と形状の情報を含めて残すことが重要です。

まとめ

土地改良工事の埋戻し沈下を防ぐためには、転圧作業だけに注目するのではなく、材料、含水状態、まき出し厚、使用機械、転圧回数、狭隘部、水処理、品質確認を一体的に管理する必要があります。 埋戻し材は、施工場所に適した土質であることを確認し、異物や大きな土塊を除きます。含水状態が締固めに適していない場合は、散水、乾燥、排水、材料の入れ替えなどを行い、無理な転圧を避けます。 まき出しは、一度に厚く施工せず、使用する締固め機械の能力に合った厚さで一層ずつ進めます。各層を均一に敷きならし、締固めと品質確認を完了してから次の層へ移ることが基本です。 締固め機械は、広さだけでなく土質や構造物との距離を考えて選びます。大型機械が入れない構造物際、管の周囲、桝の角部などは、小型機械や人力施工を組み合わせ、締固めの抜けを防ぎます。 転圧回数と走行速度は、施工計画や品質確認結果に基づいて管理します。回数の数え方や走行経路を統一し、施工面全体へ均等に締固め作用を与えます。転圧中に水の浮き上がりや大きなわだちが生じた場合は、回数を増やすのではなく、材料や下地の状態を確認します。 施工後は、所定の品質試験と高さ測定を行い、基準を満たしていることを確認します。不適合が見つかった場合は原因を整理し、必要に応じて層を取り除いて再施工します。表面だけを追加転圧して終わらせないことが重要です。 また、埋戻し部分は完成後に見えなくなるため、施工位置、材料、層厚、使用機械、転圧回数、測定結果、写真を関連付けて記録します。施工途中の状態を確実に残しておけば、完成後の点検や不具合発生時の原因確認にも役立ちます。 位置情報付きの写真や点群を活用して埋戻し工程を管理したい場合は、LRTK Phoneの活用を検討する方法があります。施工前後の形状や測点を現場で記録し、見えなくなる工程の情報を整理することで、土地改良工事の品質管理をより分かりやすく進められます。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

LRTK Phoneの使い方・実例を見る
資料請求導入相談
現場をスマホで3DスキャンLRTK Phone実例を見る