自治体サイトで公開されているGeoJSON形式のデータは、行政区域、都市計画、防災、道路、公園、公共施設、統計区域、観光情報などを地図上で扱うために便利なデータです。ブラウザで閲覧するだけでなく、業務用の地図システム、現地調査、台帳整理、図面確認、資料作成などに活用できるため、geojsonで検索して自治体データを探す実務担当者も増えています。
一方で、自治体サイトから取得できるGeoJSONは、公開目的、更新時点、座標の扱い、属性項目、形状精度、利用条件がデータごとに異なります。取得できたからといって、そのまま現場判断や公式資料の根拠に使えるとは限りません。特に、区域線や境界に近い線を扱うデータでは、表示上は正しく見えても、測量成果、設計図面、現地の構造物と重ねた時にずれが見つかることがあります。
この記事では、自治体サイトからGeoJSONを取得する時に実務担当者が確認しておきたい7つの事項を、公開データの位置づけ、利用条件、更新時点、座標、属性、品質、管理方法まで含めて解説します。取得後の手戻りを減らし、現場や社内で安全に使いやすいデータとして整理するための確認観点として活用してください。
GeoJSONを自治体サイトから取得する前に押さえたい前提
GeoJSONは、点、線、面などの形状と、名称、分類、管理番号、区域名、種別といった属性をまとめて扱える地理空間データ形式です。自治体が公開するデータでは、公共施設の位置、防災関連施設、行政区域、都市計画に関する区域、道路関連情報、統計区域、観光資源など、さまざまな情報がGeoJSONとして提供されることがあります。
実務で重要なのは、GeoJSONという形式そのものよりも、そのデータが何を表し、どの目的で作られ、どこまでの精度や責任範囲を想定して公開されているかを確認することです。同じ面データでも、都市計画の区域を示すためのものなのか、地図表示用に簡略化された境界なのか、台帳由来の参考図なのかによって、業務での使い方は変わります。表示上は同じように見えても、測量、施工、土地確認、設計照査にそのまま使える水準とは限りません。
自治体サイトのGeoJSONは、機械処理しやすい反面、人間向けの説明が別ページや別ファイルに分かれていることがあります。データ本体だけを取得してしまうと、属性名の意味、更新時点、利用上の注意、凡例、分類基準を見落としやすくなります。特に、地図画面から直接取得できるファイルや、オープンデータ一覧に掲載されたファイルは、見た目だけでは整備目的を判断できません。
また、GeoJSONは比較的扱いやすい形式ですが、行政区域や細かな区域データ、道路や河川の線データ、施設や建物に関する大量データでは、ファイルサイズが大きくなることがあります。読み込みに時間がかかる、ブラウザ上で表示が重くなる、座標数が多すぎて編集しにくい、属性の文字列が長く検索や集計に影響する、といった問題も起こります。取得前にデータの目的と範囲を見極め、取得後に確認する手順を決めておくことが大切です。
自治体GeoJSONを安全に使うには、公開元、利用条件、更新時点、座標、属性、形状品質、取得管理の7点を順番に確認するのが効果的です。この7点を押さえておけば、単に地図に重ねるだけでなく、現地調査、資料作成、社内共有、台帳照合、設計前の概略確認にも使いやすくなります。
確認事項1:公開元とデータの位置づけを確認する
最初に確認すべきことは、そのGeoJSONがどの部署、どのサイト、どの公開単位から提供されているかです。自治体の公式サイトに掲載されているデータでも、担当部署、公開目的、掲載場所によって意味が異なります。たとえば、防災担当部門が公開する避難施設データと、都市計画担当部門が公開する区域データでは、更新の考え方も利用時の注意点も違います。
公開元を確認する時は、自治体名だけで判断せず、担当部署名、データセット名、説明文、問い合わせ先、公開ページの分類を見ます。地図表示用、統計公開用、計画説明用、参考情報提供用など、どの目的で整備されたデータなのかを確認することで、業務上の使い方を判断しやすくなります。特に、画面上で閲覧するために作られたデータは、見やすさを優先して形状が簡略化されている場合があります。境界線や道路線形が現地測量の成果と完全に一致する前提で扱うのは避けるべきです。
GeoJSONのデータ名も重要です。ファイル名に区域名、年度、種別、縮尺相当、簡略化の有無、公開日が含まれている場合があります。ただし、ファイル名だけでは正確な意味を判断できないため、説明ページや付属文書も合わせて確認します。似た名前のデータが複数ある場合、古い年度のデータ、試験公開データ、閲覧用データ、統合前の分割データが混在していることもあります。
また、自治体サイトでは、同じテーマのデータが複数の場所で公開されていることがあります。公式ページ、オープンデータ一覧、地図閲覧ページ、計画資料ページ、統計ページなどに同種のデータが置かれている場合、どれが最新で、どれが業務上参照すべき公開単位なのかを確認する必要があります。業務で利用する場合は、取得元ページの名称、取得日、データセット名、説明文を記録しておくと、後で問い合わせや再確認がしやすくなります。
公開元の確認を怠ると、古いページに残っていたデータを使ってしまったり、参考表示用のデータを正式な区域線として扱ってしまったりするおそれがあります。自治体GeoJSONは便利ですが、行政が公開しているというだけで用途が自動的に保証されるわけではありません。まずは、そのデータが何のために公開され、どの程度の位置づけで使うべきものなのかを整理することが、後工程の精度確認につながります。
確認事項2:利用条件と二次利用の範囲を確認する
自治体サイトからGeoJSONを取得する時は、利用条件の確認が欠かせません。公開データであっても、自由に加工、再配布、商用利用、資料掲載できるとは限りません。利用規約、著作権の扱い、出典表示の要否、改変時の注意、免責事項、禁止事項が定められている場合があります。実務で社内資料、顧客向け資料、調査報告、アプリケーション、現場支援システムに取り込む場合は、二次利用の範囲を把握しておく必要があります。
確認すべきポイントは、単に使用可能かどうかだけではありません。加工したデータを社外へ渡せるのか、画面キャプチャや印刷物に掲載できるのか、別のデータと重ね合わせて成果物として納品できるのか、出典表示をどのように行うべきかを確認します。自治体によっては、公開データの利用を広く認めていても、正確性や完全性について保証しない旨を明記している場合があります。その場合、業務成果物に使う時は、利用者側で必要な確認を行ったうえで、参考情報としての位置づけを明確にする必要があります。
GeoJSONを取得して加工する場合、元データと加工後データの区別も重要です。座標を変換した、属性名を変更した、不要な項目を削除した、区域を抽出した、他の図面に合わせて編集した、といった処理を行うと、元データとは内容が変わります。利用条件で改変データの扱いが定められている場合は、その条件に従う必要があります。改変後のデータを共有する時には、元データの取得元、取得日、加工内容を記録しておくと、情報の追跡性を保ちやすくなります。
また、自治体データには個人情報そのものが含まれていなくても、他のデータと組み合わせることで特定の土地、施設、所有関係、利用状況が推測されやすくなる場合があります。公開範囲が限定されていないデータでも、社外公開や広範な共有を行う時は、業務上必要な範囲に留める意識が必要です。特に、現地写真、調査メモ、工事情報、地番関連情報などと重ねて扱う場合は、公開データだから問題ないと単純に考えない方が安全です。
利用条件の確認は、データ取得の最後ではなく最初に行うべき作業です。取得後に加工やシステム連携を進めてから利用範囲に制約があることに気づくと、作業のやり直しが発生します。自治体GeoJSONを実務で使う時は、まず利用条件を確認し、使える範囲、表示すべき情報、加工時の注意、成果物への反映方法を決めてから作業を進めることが重要です。
確認事項3:更新日と対象時点を確認する
GeoJSONを取得する時に見落としやすいのが、更新日と対象時点の違いです。更新日はファイルやページが更新された日を示すことが多いですが、データの内容がいつ時点の情報を表しているかとは一致しない場合があります。たとえば、ページ更新日は最近でも、データの基準日は数年前ということがあります。逆に、データの内容は新しくても、公開ページの表示が古いままになっている場合もあります。
自治体データでは、年度単位で整備されるもの、随時更新されるもの、計画改定時のみ更新されるもの、制度変更時に更新されるものがあります。公共施設や避難場所のように変化があり得るデータ、都市計画や区域指定のように告示や変更手続きと関係するデータ、道路や公園のように整備状況の変化を受けるデータでは、対象時点の確認が特に重要です。
更新日を確認する時は、ファイルの更新日時だけでなく、データ説明文、付属資料、メタデータ、ファイル名、属性内の日付項目も見ます。属性の中に作成日、更新日、告示日、指定日、廃止日、有効期間などが入っている場合があります。複数の時点情報がある場合は、それぞれの意味を区別する必要があります。ファイル取得日、公開ページ更新日、データ基準日、制度上の適用日が混在すると、後からどの時点の判断だったのか分からなくなります。
実務では、取得したGeoJSONをその日の作業だけで使うとは限りません。社内サーバーや共有フォルダに保存し、数か月後に再利用することもあります。その時に、取得時点の記録がないと、最新データなのか、過去の検討に使ったデータなのかを判断できません。ファイル名をそのまま保存するだけでなく、取得日、取得元、対象時点、更新日を記録しておくと、再利用時の確認が容易になります。
また、自治体サイトから同じデータを再取得した場合、ファイル名が同じでも中身が変わっていることがあります。属性項目が追加される、区域が更新される、文字表記が変わる、座標が修正される、不要な地物が削除されるといった変更が行われても、利用者側が気づきにくい場合があります。重要な業務で使うデータは、取得時点ごとに保存し、必要に応じて差分を確認できるようにしておくと安全です。
更新日と対象時点の確認は、データの鮮度を判断するだけでなく、説明責任にも関係します。なぜその区域を前提に検討したのか、なぜその施設位置を使ったのか、どの時点の公開情報に基づいたのかを説明できる状態にしておくことで、社内確認や顧客説明の信頼性が高まります。
確認事項4:座標参照系と座標順序を確認する
GeoJSONを扱う時に最も実務上のトラブルになりやすいのが、座標の扱いです。現行の標準的なGeoJSONでは、座標参照系はWGS 84系の経緯度を前提とし、位置の先頭2要素は経度、緯度の順で扱われます。日本語の業務では緯度、経度の順で話すことが多いため、座標順序を取り違えると、地物がまったく違う場所に表示されたり、読み込み時にエラーになったりします。自治体サイトから取得したGeoJSONを使う時は、まず座標値の並びを確認することが重要です。
座標参照系も確認が必要です。自治体の公開データは、元データが平面直角座標系、独自の管理座標、測量成果、台帳図、地図表示用データなどから作られている場合があります。公開時に標準的なGeoJSONへ変換されていることもあれば、古い仕様由来の情報や独自運用の前提が説明文に残っていることもあります。座標値の桁数や範囲を見ることで、経緯度なのか、メートル単位の平面座標らしい値なのかを推測できる場合がありますが、推測だけに頼るのは危険です。説明ページやメタデータで座標参照系を確認し、必要に応じて表示結果を既知の位置と照合します。
特に、現場測量、設計図面、施工管理、土地境界確認に近い業務で使う場合は、座標参照系の違いが数十センチから数メートル以上のずれにつながることがあります。地図画面上でおおむね重なって見えても、現地の構造物や図面座標と比較すると差が見える場合があります。自治体GeoJSONが概略表示用であれば問題にならないずれでも、位置出しや出来形確認の参考にする場合には無視できません。
また、古いデータや変換データでは、座標参照系に関する記述がファイル内や付属資料に残っていることがあります。読み込む側の環境によっては、その情報を無視する、別の解釈をする、読み込みに失敗することがあります。取得したGeoJSONは、いきなり業務データに統合するのではなく、まず小さな範囲で表示し、庁舎、駅、主要交差点、河川、海岸線など分かりやすい地物と照合して、位置が妥当か確認するとよいです。
座標変換を行う場合は、変換前後のデータを分けて保存します。変換後に位置が合ったとしても、元データの座標参照系、変換方法、変換日時が分からなくなると、再現性が失われます。社内で共有する場合は、変換済みデータであることをファイル名や管理メモに明記し、元データと混同しないようにします。座標の確認は一度だけで終わらせず、図面、現地、地図表示、別データとの重ね合わせの各段階で行うことが大切です。
GeoJSONは扱いやすい形式ですが、座標の前提を誤ると、すべての後工程に影響します。自治体サイトから取得したデータを実務で使う時は、座標参照系、座標順序、変換の有無、表示位置の妥当性を必ず確認しましょう。
確認事項5:属性項目とコード値の意味を確認する
GeoJSONは、形状だけでなく属性情報を持てることが大きな特徴です。自治体サイトから取得するデータでは、施設名、区域名、分類、住所、管理番号、種別、告示番号、更新日、備考などが属性として入っていることがあります。地図上に表示するだけなら形状が見えれば十分に思えますが、業務で検索、抽出、集計、色分け、帳票化、他データとの結合を行う場合は、属性項目の意味を正しく理解する必要があります。
まず確認したいのは、属性名が何を表しているかです。略称や英数字だけの項目名が使われている場合、見ただけでは意味が分からないことがあります。たとえば、分類コード、区域コード、管理番号、枝番、状態区分のような項目は、説明資料がなければ誤って解釈しやすいです。同じ種別という項目でも、施設種別を表す場合、区域種別を表す場合、管理上の分類を表す場合があります。
コード値の扱いも重要です。属性値が数字や短い記号で入っている場合、その意味を対応表で確認する必要があります。見た目だけで判断して名称に置き換えると、分類の誤りが発生します。自治体データでは、コード表が別ファイルや説明ページに掲載されていることがあります。GeoJSON本体だけを取得すると、コード値の意味が分からないままになり、後で資料化する時に困ります。
また、属性項目には空欄や表記ゆれが含まれることがあります。同じ意味の値が漢字、かな、略称、全角半角の違いで入力されている場合、単純な検索や集計では別の値として扱われます。住所表記、施設名、区域名、日付表記などは、特に表記ゆれが起こりやすい項目です。業務で属性を使う場合は、取得直後に代表的な値を確認し、空欄、重複、異常値、表記ゆれを見ておくと安心です。
文字化けにも注意が必要です。GeoJSON本体は文字情報を扱いやすい形式ですが、取得した環境や読み込み側の設定によって、属性値が文字化けすることがあります。特に、日本語の施設名や区域名が含まれる場合、読み込み後に文字が正しく表示されているかを確認します。別の形式へ変換する場合や、表計算データとして取り出す場合も、文字コードの扱いによって文字化けが発生することがあります。
属性情報は、データの価値を大きく左右します。形状が正しくても、属性の意味を誤れば、抽出結果や判断結果も誤ります。自治体GeoJSONを取得したら、まず属性項目の一覧を確認し、各項目の意味、値の範囲、コード表、空欄、表記ゆれを把握したうえで、業務に必要な項目だけを使うようにしましょう。
確認事項6:形状データの品質と欠損を確認する
GeoJSONの形状データは、点、線、面として地物を表します。自治体サイトから取得したデータを地図上に表示すると、一見問題なく見える場合でも、詳細に確認すると形状の欠損、重複、隙間、自己交差、不要な点、極端に細かい折れ点、範囲外の地物が含まれていることがあります。これらは地図表示だけでは気づきにくく、解析や面積計算、区域判定、図面重ね合わせの段階で問題になります。
面データでは、外周が閉じているか、穴の扱いが正しいか、隣接区域との隙間や重なりがないかを確認します。行政区域や都市計画区域のような面データでは、表示上は塗りつぶされていても、細部で線が交差していたり、極小の隙間があったりすることがあります。こうした問題は、区域内外判定や面積集計を行う時に影響します。特に、複数の面を結合したり、特定範囲で切り出したりする場合は、形状エラーが処理失敗の原因になることがあります。
線データでは、線が途中で切れていないか、不要な分割がないか、方向性が業務上問題にならないかを確認します。道路中心線、河川、管路、区域線のようなデータでは、線の接続関係が重要になる場合があります。地図表示では一本の線に見えても、実際には細かく分割されていることがあります。経路確認や延長集計を行う場合は、線の接続状態や重複を確認する必要があります。
点データでは、位置が明らかにずれていないか、重複点がないか、属性と位置が対応しているかを確認します。公共施設や防災関連施設の点データでは、施設の代表点が建物中心、入口付近、敷地中心、住所代表点のいずれなのかによって、現地利用時の分かりやすさが変わります。現場で使う場合は、点が実際の入口や作業地点を示すとは限らないことを理解しておく必要があります。
また、自治体が公開するGeoJSONは、地図表示を軽くするために形状が簡略化されている場合があります。簡略化されたデータは閲覧には適していますが、細かな境界確認や面積算定には向かないことがあります。逆に、詳細すぎるデータはファイルサイズが大きく、表示や処理が重くなることがあります。目的に応じて、詳細さが十分か、または過剰でないかを確認することが大切です。
欠損の確認も重要です。対象区域全体のデータだと思っていたものが、一部の地区だけを対象にしている場合や、特定年度の整備済み範囲だけを含んでいる場合があります。取得したGeoJSONを全域表示し、対象自治体の範囲と照らして、抜けや不自然な偏りがないかを確認します。属性の件数、地物数、空間範囲を見て、想定と大きく違う場合は、別ファイルの存在や分割公開の有無も確認しましょう。
形状品質の確認は、データを疑うためではなく、適切な用途に使うための作業です。閲覧用、概略検討用、台帳照合用、現地確認用では、求められる品質が違います。自治体GeoJSONを取得したら、表示確認だけで終わらせず、形状の整合性、欠損、重複、簡略化の有無を確認し、業務目的に合うか判断することが必要です。
確認事項7:取得方法とファイル管理を確認する
自治体サイトからGeoJSONを取得する方法は、単純なファイルダウンロードだけとは限りません。公開ページから直接取得する場合、地図画面から出力する場合、圧縮ファイルに含まれている場合、複数ファイルに分割されている場合、別形式から変換して取得する場合があります。取得方法によって、データの完全性や再現性が変わるため、どの手順で取得したのかを記録しておくことが大切です。
まず、取得したファイルが完全なデータかどうかを確認します。圧縮ファイルの場合、GeoJSON本体のほかに、説明文、コード表、利用条件、凡例、メタデータが含まれていることがあります。GeoJSONファイルだけを取り出して保存すると、後から属性の意味や利用条件を確認できなくなる場合があります。業務で使う場合は、関連ファイルもまとめて保存し、元の構成が分かるようにしておくと安心です。
ファイル名の管理も重要です。自治体サイトから取得したファイル名が分かりやすいとは限りません。短い英数字だけのファイル名や、同じ名前で上書きされるファイルもあります。社内で保存する時は、自治体名、データ名、取得日、対象時点、加工の有無が分かる名前にしておくと、後で混乱しにくくなります。ただし、元ファイル名を完全に消してしまうと、再取得時の照合が難しくなるため、元ファイル名も記録しておくとよいです。
取得後に加工する場合は、元データ、確認済みデータ、加工済みデータ、業務利用データを分けて管理します。元データを直接編集してしまうと、問題が起きた時に原因を追跡できません。座標変換、属性整理、不要地物の削除、範囲抽出、形式変換などを行う場合は、作業段階ごとに保存し、何を変更したかを記録します。小さな作業でも、後から見ると重要な変更点になることがあります。
複数人で扱う場合は、最新版の置き場所と更新ルールを決めます。担当者ごとに別々に自治体サイトから取得して加工すると、同じデータを使っているつもりでも内容が違うことがあります。社内の共通フォルダや管理場所に、取得元情報、取得日、確認状況、加工履歴をまとめておくことで、誰が見ても同じ前提で作業できます。
自動取得や定期取得を行う場合も注意が必要です。自治体サイトの構成変更、ファイル名変更、公開停止、データ項目の変更があると、取得処理が成功していても中身が変わっていることがあります。取得できたことだけで安心せず、地物数、属性項目、空間範囲、更新日などの基本情報を確認し、前回データとの差を把握する仕組みがあると安全です。
ファイル管理は地味な作業ですが、GeoJSON活用の信頼性を支える重要な工程です。取得元、取得日、対象時点、利用条件、座標、加工履歴を記録しておけば、後から問い合わせを受けた時にも説明しやすくなります。自治体データを継続的に使う実務では、取得することよりも、取得後に再現できる状態で管理することが重要です。
自治体GeoJSONを現場業務で使う時の実務ポイント
自治体サイトから取得したGeoJSONは、社内の地図確認や資料作成だけでなく、現地調査や施工前確認にも活用できます。たとえば、区域線を現地で確認したい場合、公共施設の位置を巡回計画に反映したい場合、道路や河川の位置関係を事前に把握したい場合、取得したGeoJSONを現場用データとして持ち出すことで、紙図面だけでは分かりにくい位置関係を確認しやすくなります。
ただし、現場で使う場合は、机上確認よりも座標精度と表示の分かりやすさが重要になります。自治体GeoJSONが概略位置を示すデータであれば、現地の構造物や測量点と完全に一致しないことがあります。現場担当者に共有する時は、そのデータが参考表示なのか、正式な境界確認に使えるものなのか、どの程度の精度を前提にしているのかを明確に伝える必要があります。共有時の説明が不足すると、現場で誤った判断につながるおそれがあります。
また、現場では通信環境が不安定な場合があります。自治体サイトをその場で開けばよいと考えていると、必要な時にデータを確認できないことがあります。事前に必要範囲を取得し、端末内で表示できる状態にしておくと、現場での確認がスムーズです。特に山間部、造成地、災害復旧現場、広い工区、地下構造物が多い場所では、事前準備が作業効率に直結します。
現場利用では、GeoJSON単体ではなく、設計図面、測量成果、現況写真、点群、施工記録などと組み合わせることもあります。この時、座標参照系や基準点の違いを確認せずに重ね合わせると、ずれの原因が分からなくなります。自治体GeoJSONに問題があるのか、図面側の座標設定が違うのか、現地測位の条件が悪いのかを切り分けるためにも、各データの基準を整理しておくことが大切です。
業務で活用する時は、まず小さな範囲で試すことをおすすめします。自治体全域のGeoJSONをいきなり社内システムや現場運用に組み込むのではなく、代表的な区域や作業予定地で表示、属性検索、重ね合わせ、現地確認を行います。そこで座標、属性、形状、表示速度、担当者の見やすさを確認し、問題がなければ範囲を広げます。小さく試すことで、全体展開後の手戻りを抑えられます。
さらに、現場で取得した情報を自治体GeoJSONに重ねる場合は、元データを直接編集せず、現場記録を別レイヤーとして管理する方が安全です。自治体が公開した情報と、自社が現場で確認した情報を混ぜてしまうと、どちらが元情報なのか分からなくなります。現場メモ、写真位置、確認済み範囲、修正候補、注意箇所などは、別データとして整理し、必要に応じて比較できる状態にしておきます。
GeoJSONは、データ形式としては扱いやすい一方で、現場での判断に使うには前提確認が欠かせません。自治体データは広域の状況把握に役立ちますが、最終判断には現地確認、関係資料、設計条件、管理者確認が必要になる場面もあります。取得したGeoJSONを万能な正解として扱うのではなく、現場判断を支える基礎情報として位置づけることが、実務での安全な活用につながります。
まとめ:取得前の確認でGeoJSON活用の手戻りを減らす
自治体サイトから取得できるGeoJSONは、地理空間情報を業務に取り込むうえで便利なデータです。行政区域、施設、道路、区域指定、防災情報などを地図上で扱えるため、事前調査、資料作成、社内共有、現場確認の効率化に役立ちます。しかし、公開されているデータを取得してすぐに使うだけでは、更新時点、座標、属性、形状品質、利用条件の見落としによって、後から手戻りが発生することがあります。
確認すべき事項は、公開元とデータの位置づけ、利用条件、更新日と対象時点、座標参照系と座標順序、属性項目とコード値、形状データの品質、取得方法とファイル管理の7つです。この7つを取得時に確認しておけば、データの意味を誤りにくくなり、社内外への説明もしやすくなります。特に、現場業務や設計確認に近い用途では、座標と更新時点の確認が重要です。
GeoJSONは、形式が共通していても、中身の品質や前提はデータごとに異なります。自治体が公開しているから正しい、地図上で表示できたから使える、ファイルを取得できたから最新である、と単純に判断しないことが大切です。取得したデータを、どの目的で、どの範囲で、どの精度感で使うのかを決めたうえで、必要な確認を行いましょう。
また、取得後の管理も重要です。元データ、加工済みデータ、現場確認データを分け、取得日、取得元、対象時点、加工履歴を記録しておくことで、再利用や問い合わせ対応がしやすくなります。複数人で扱う場合は、共通の管理ルールを決めておくことで、同じGeoJSONを使っているつもりで実は内容が違うというトラブルを防げます。
自治体GeoJSONを現場で活用するなら、机上の地図確認だけで終わらせず、現地の位置情報、測量成果、写真、図面と結びつけて確認できる環境を整えることが有効です。必要に応じて高精度GNSSによる位置確認や現場記録と組み合わせれば、自治体GeoJSON、図面、現地の位置関係をより分かりやすく確認できます。GeoJSONを取得して終わりにせず、現場で使える情報として整えることが、地理空間データ活用の第一歩です。