LRTKレフィクシア株式会社

外壁検査で外壁と基礎の取り合い劣化を読む5確認

外壁検査で外壁と基礎の取り合いを見る重要性

外壁検査というと、高所のひび割れ、タイルの浮き、シーリング材の劣化、塗膜の剥がれなどに目が向きがちです。しかし、建物の状態を地上から効率よく把握するうえで見逃せないのが、外壁と基礎が近接し、仕上げや部位が切り替わる取り合い部分です。

外壁と基礎の取り合いは、外壁仕上げと基礎・地盤近傍の部位が切り替わる場所です。外壁仕上げの端部、基礎表面、目地、見切り、水切りなど、異なる材料や部位が近接しているため、変形や水分の影響が外観に現れる場合があります。

外壁下端に細かなひび割れが集中している、基礎との境界に線状の隙間が見える、雨が降った後だけ色が濃くなる、泥はねが一部だけ高い位置まで達している、といった変化は、単なる汚れとして片付けず周囲との関係を見ることが大切です。

ただし、取り合い部分に変色やひび割れがあるからといって、直ちに重大な構造上の問題があるとは限りません。表面仕上げだけの劣化、乾燥収縮によるひび割れ、水分の影響、施工上の納まり、建物の経年変化など、複数の要因が考えられます。

外壁検査で重要なのは、見えた現象から一つの原因を即断することではありません。異常の位置、形状、範囲、周辺環境、過去からの変化を整理し、必要に応じて追加確認や専門的な調査につなげられる情報を残すことです。

なお、本記事は一般的な維持管理上の目視確認を中心に整理したもので、建築基準法に基づく定期調査などの法定調査方法や判定基準を代替するものではありません。外装仕上げ材の種類や対象部位によっては、法定調査で打診等の方法が求められる場合があります。 ([国土交通省][1])

特に外壁と基礎の取り合いは地上から比較的確認しやすいため、建物全周を歩いて状態を比較することは、異常の分布を把握するうえで有用です。この記事では、外壁検査の実務担当者が取り合い部分を見るときに押さえておきたい5つの確認を中心に整理します。

取り合い部分に劣化が集まりやすい理由

外壁と基礎の取り合いを適切に読むには、まずなぜこの場所に変化が現れやすいのかを理解しておく必要があります。

一つは、材料や構造の切り替わりが集中していることです。外壁の仕上げ材、下地、基礎コンクリート、見切り材、水切りなどは、それぞれ材料特性や変形の仕方が異なります。温度変化や乾燥、湿潤などによって生じる微小な動きが同じとは限らないため、境界付近にひび割れや隙間などが現れる場合があります。

もう一つは、地面に近いため水分の影響を受けやすいことです。降雨時には屋根や外壁を流れた水が建物周囲に到達し、地面から跳ねた雨水や泥も外壁下端に付着します。排水状態が悪い場所では、雨の後に水分が長く残ることもあります。

また、植栽、物置、室外設備、配管、舗装、砂利、土など、建物周囲の環境による影響も受けます。建物完成後の盛土や舗装工事、植栽の成長、設備の増設などによって、外壁下端との高さ関係や周辺条件が変わることもあります。

取り合い部分の状態を読むときは、外壁だけを見るのでは不十分です。基礎、地面、排水経路、周辺設備まで含めて一つの範囲として観察すると、なぜその場所だけ変色しているのか、なぜ特定区間にひび割れが集中しているのかを整理しやすくなります。

逆に、外壁だけを近距離で撮影すると、劣化そのものは鮮明に残せても周辺との関係が分からなくなります。外壁検査では異常部分の拡大記録とともに、取り合い全体の納まりや地面との位置関係が分かる記録を組み合わせることが重要です。

確認1 外壁下端のひび割れ・欠け・浮きが疑われる変状を見る

最初に確認したいのが、外壁下端に現れているひび割れ、欠け、剥がれ、膨れなどの外観変化です。

外壁下端は仕上げの端部となることが多く、建物全体の外壁面とは異なる変化が現れることがあります。塗装仕上げであれば塗膜の剥がれや膨れ、モルタル系の仕上げであればひび割れや欠損など、仕上げの種類によって見え方は変わります。

確認するときに重要なのは、「ひび割れがあるか」だけで終わらせないことです。どこから始まり、どの方向に伸び、どの程度の長さで、周囲に同様の変化があるかを見ます。

例えば、外壁下端に沿って横方向に続く変化と、基礎から外壁側へ縦方向に伸びるひび割れでは、記録すべき情報が異なります。角部を起点としているのか、開口部の近くなのか、配管や設備の固定部に近いのかといった位置関係も重要です。

外壁下端の欠けについても同様です。一か所だけの局所的な欠けであれば物理的な接触なども候補になりますが、建物の一辺にわたって似た高さで劣化が続いている場合は、周辺条件を含めて確認する必要があります。

表面に膨れなど、浮きが疑われる外観変化が見られる場合は、水分との関係にも注意します。降雨後に色調が変わる、剥がれ部分の周囲に白っぽい析出物がある、外壁下端の一帯だけ湿った状態が長く残るなど、複数の現象が重なっていないかを見ます。

ただし、目視で膨れ等が見えることと、外装仕上げ材の浮きを確定することは同じではありません。タイル、石貼り、モルタル等の浮きや劣化を法定調査として確認する場合には、対象や条件に応じて打診等が用いられます。 ([国土交通省][1])

外壁検査では、外観から内部の状態まで断定することは避けます。表面だけでは仕上げ層の問題なのか、下地まで影響しているのか判断できないことがあるためです。

そのため、写真記録では「ひび割れあり」という言葉だけではなく、建物のどの面のどの位置なのか、周囲にどのような状態があるのかを残すことが大切です。近接写真と引きの写真を組み合わせれば、後から確認するときにも状況を理解しやすくなります。

確認2 外壁と基礎の境界に隙間や変位がないかを見る

二つ目の確認は、外壁と基礎の境界そのものです。

取り合い部分では、外壁下端と基礎の間に見切りや水切りなどが設けられている場合があり、建物によって納まりは異なります。したがって、境界に線が見えるという理由だけで劣化と判断することはできません。もともとの納まりなのか、後から生じた隙間なのかを切り分ける視点が必要です。

まず見るのは、境界の線が建物全周で同じように見えるかどうかです。ある区間では一定の幅なのに、一部だけ広がっている場合や、途中から上下方向にずれている場合は、その位置を記録します。

外壁下端が部分的に波打って見える、基礎との距離が一部だけ変化している、角部で仕上げが割れているなどの状態も確認します。

ただし、目視で見えるわずかな段差や隙間だけから、建物が沈下している、基礎が動いているなどと結論付けるのは適切ではありません。建物の納まりや施工時から存在する状態である可能性もあります。

そこで重要になるのが周辺との比較です。建物の同じ面で左右を比較し、さらに隣接する面や反対側の面も確認します。特定の場所にだけ変化が集中しているのか、建物全周で似た状態なのかによって、情報の意味は変わります。

隙間の近くにひび割れがある場合は、そのひび割れが外壁だけなのか、基礎側にも続いているのかを見ます。また、雨だれ、白華、泥汚れなどが隙間付近に集中していないかも合わせて確認します。

取り合いでは一つの現象だけを見るのではなく、隙間、ひび割れ、変色、水分の跡、周囲の高さ関係を重ねて観察することが重要です。

前回の外壁検査記録がある場合は、過去の写真と比較することで判断材料が増えます。隙間の見え方が変わっているのか、以前から同じ状態なのかを確認できれば、追加確認の優先順位を検討しやすくなります。

確認3 雨だれ・泥はね・白華など水分の痕跡を読む

三つ目は、水分が残した痕跡を見る確認です。

外壁と基礎の取り合いは地面に近いため、雨水の影響が外観に現れやすい場所です。外壁下端の汚れを単なる美観上の問題として扱うのではなく、水がどこから来て、どの方向へ流れ、どこに残っているのかを意識して観察します。

分かりやすいのが泥はねです。通常の降雨でも地面から外壁へ雨水が跳ねることはありますが、特定部分だけ泥汚れが高い位置まで続いている場合は、地面の状態や排水状況も確認したいところです。

地面が外壁側へ傾斜している、水たまりができている、雨樋からの排水が建物際へ流れているなどの条件が重なれば、取り合い部分が継続的に水分の影響を受ける場合があります。

雨だれの跡も重要です。外壁の上方から連続する筋状の汚れが取り合いまで達している場合、上部から流れてきた水の経路を確認します。逆に、外壁下端の限られた高さだけが変色している場合は、地面側の影響も考えながら状況を整理します。

白っぽい析出物が見える場合もあります。コンクリートやモルタルなどでは、水分の移動に関連して表面に白い析出物が生じることがあります。ただし、外観だけで原因や内部の状態まで判断することはできません。

重要なのは、白い変化があるという事実と、その位置、水分との関連が疑われる周辺状況を記録することです。

色が濃くなっている部分についても同じです。日陰で乾きにくい場合、藻類などが付着している場合、水分が供給され続けている場合など、複数の可能性があります。

外壁検査の実務では「この変色は漏水が原因」と即断するより、「外壁下端に局所的な変色があり、周辺地面に滞水跡が見られる」など、観察した事実を分けて記録した方が、その後の検討に役立ちます。

雨天直後と乾燥時では見え方が大きく変わることもあります。毎回同じ条件で点検できるとは限りませんが、撮影時の天候や路面状況が分かるようにしておけば、後から写真を比較するときの助けになります。

確認4 地面との高さ関係と排水状態を確認する

四つ目の確認は、外壁と基礎だけではなく、その手前にある地面を見ることです。

外壁下端に劣化が集中しているとき、原因を考える手掛かりが建物ではなく地面側にあることもあります。外壁検査で建物だけを見て歩くと見逃しやすいため、取り合いを確認するときは少し視線を下げ、建物周囲の地面まで一緒に見ます。

まず確認したいのが、地面と外壁下端との高さ関係です。建物周囲の舗装改修、盛土、砂利の追加、植栽工事などによって、完成当初とは地盤面の高さが変わっている場合があります。

外壁下端に地面や植栽が近接していると、雨水や泥の影響を受けやすくなります。植物の枝葉が常時外壁に触れていれば、乾燥しにくい環境になることも考えられます。

次に排水の流れを確認します。建物側へ向かって水が流れやすい地面になっていないか、排水口の周囲に落ち葉や土砂が堆積していないか、雨樋からの排水が建物際へ集中していないかなどを見ます。

点検時が晴天でも、泥の堆積、乾いた水たまりの跡、変色、苔のような付着状況などから、雨天時の状態を推測する手掛かりを得られる場合があります。ただし、これらだけで恒常的な排水不良と断定せず、必要に応じて雨天時の状況確認につなげます。

舗装面にひび割れや沈下があり、そこから建物側へ水が流れ込むような形になっていないかも確認します。基礎際の土が局所的に下がっている場合も、外壁下端の状態と合わせて記録しておくとよいでしょう。

取り合い部分の外壁検査では、建物の異常だけを探すというより、「外壁、基礎、地面、排水がどのような関係になっているか」を読む視点が重要になります。

写真を撮る場合も、外壁下端だけの近接写真に加えて、地面の傾斜や排水設備まで入る範囲を残します。それによって、後から写真を見た担当者が周辺条件を理解しやすくなります。

確認5 建物全周で劣化の分布と連続性を比較する

五つ目の確認は、建物全周を比較して劣化の分布を見ることです。

外壁と基礎の取り合いを一か所だけ詳細に確認しても、その異常が局所的なのか建物全体に共通するものなのかは分かりません。外壁検査では、異常の大きさと同じくらい「どこに分布しているか」が重要です。

例えば、建物の北側だけ外壁下端の変色が多い場合、日照や乾燥条件が関係している可能性があります。雨水が集まりやすい場所だけ劣化が強ければ、排水経路との関連を確認できます。

一方、建物の全周にわたって似た高さに同様のひび割れや仕上げの変化が続いている場合は、一か所の損傷とは異なる視点で記録する必要があります。

建物の角を境に状態が変わっているかどうかも見ます。同じ材料の外壁でも方位によって日射、風雨、乾燥の条件が異なるため、劣化の見え方が変わる場合があります。

外壁検査の記録では、「南面にひび割れ」「北面に変色」と個別に記録するだけでなく、建物全体のどの位置に異常が集中しているかを把握できる形にすることが大切です。

一定間隔で撮影位置を設定する方法も有効です。同じ方向、同じ距離感で記録できれば、次回の外壁検査との比較もしやすくなります。

また、取り合い部分の変化が一本の連続した線として続いているのか、数メートルごとに断続的に現れているのか、一部だけ局所的に集中しているのかも確認します。

分布を見ることで、「目立つ一か所」だけに注意が集中することを防げます。外壁検査では、最も大きな異常だけを探すのではなく、建物全体を同じ基準で見て、異常の偏りを整理することが重要です。

外壁材の種類によって取り合いの見方を変える

外壁と基礎の取り合いは、すべての建物で同じ納まりになっているわけではありません。そのため、外壁材や仕上げ方法に応じて観察するポイントを変える必要があります。

モルタル系の仕上げでは、ひび割れ、膨れ、剥がれ、欠損、変色などが主な外観上の手掛かりになります。特に端部にひび割れが集中している場合は、その範囲と方向を記録します。浮きの確定が必要な場合は、目視だけでなく適切な調査方法を選ぶ必要があります。

パネル状の外壁では、パネル下端、目地、固定部周辺、見切りなどの状態を確認します。境界の線が設計上の目地なのか、新たに生じた隙間なのかを見分けるため、周囲の同じ納まりと比較することが重要です。

タイルなどが使われている場合も、下端部のひび割れ、欠け、目地の状態、変色などを確認します。目視だけで内部の接着状態を判断できるとは限らないため、外観から確認できる現象を正確に記録します。

金属系の部材が外壁下端に使われている場合は、変形や腐食のような変化だけでなく、部材同士の重なりや継ぎ目に不自然な開きがないかも見ます。

大切なのは、異なる外壁材に同じ判定基準を機械的に当てはめないことです。まず本来の納まりを理解し、その納まりから外れて見える場所を抽出するという順序が適しています。

図面や過去の改修記録が確認できる場合は、現地を見る前に外壁仕様や改修範囲を把握しておくと、取り合い部分の変化を判断しやすくなります。

基礎側のひび割れも外壁と関連付けて確認する

取り合いを確認するときは、外壁側だけでなく基礎側も見ます。

基礎表面には、細かなひび割れや仕上げの変色などが見られることがあります。これらも一つ見つけただけで原因を断定するのではなく、位置、方向、長さ、周辺状況を整理します。

特に確認したいのは、基礎側のひび割れと外壁側の変化が同じ位置にあるかどうかです。

基礎に縦方向のひび割れがあり、その上方の外壁にも連続するような変化が見える場合は、両方を一つの位置情報として記録します。逆に、基礎だけに変化があり外壁には何も見られない場合も、その状態を残します。

建物の角部、開口部の近く、設備の近くなどは位置が分かりやすいため、写真だけでなく周辺の基準となるものを入れて記録するとよいでしょう。

基礎表面の仕上げが剥がれている場合も、その下の状態まで目視だけで評価できるとは限りません。外壁検査で確認した現象と、その後に必要となる詳細調査を分けて考えることが大切です。

また、基礎際に土砂や物品が置かれていると、下部のひび割れが隠れてしまう場合があります。安全に確認できる範囲で視認性を確保し、見えない部分については「異常なし」ではなく「未確認」として区別することも実務では重要です。

開口部や配管貫通部に近い取り合いは重点的に見る

外壁下部には、換気口、配管、設備配線などが設けられている場合があります。こうした部位が外壁と基礎の取り合いに近い場合は、周辺を少し広めに確認します。

貫通部の周辺は、外壁面が連続している場所とは納まりが異なります。周囲の充填材や仕上げにひび割れ、隙間、剥がれなどがないかを見ます。

特に、貫通部の下側にだけ雨だれ状の変色がある場合は、水の流れとの関係を確認します。ただし、その変色だけを根拠に雨水が内部へ浸入していると判断することは避けます。

設備配管が基礎際を通っている場合は、配管そのものだけでなく支持部や外壁との接触部分も見ます。配管の振動や経年変化などによって周辺仕上げに変化が生じる可能性もあるためです。

また、後から追加された設備では、既存外壁とは異なる処理が行われている場合があります。新旧の仕上げの境界にひび割れや隙間がないか、周辺の外壁下端と状態が違わないかを比較します。

外壁検査では、こうした小さな付帯部を独立して見るのではなく、外壁と基礎の取り合いという大きな範囲の中で位置付けると異常のつながりを読みやすくなります。

建物の角部では複数方向から状態を確認する

建物の角部は、外壁と基礎の取り合いを確認するうえで見落としたくない場所です。

角部では二つの外壁面が交差するため、一方向から見るだけではひび割れや欠けの続き方が分からないことがあります。

例えば、正面から見ると小さなひび割れに見えても、側面へ回り込むと長く続いている場合があります。その逆に、影によってひび割れのように見えているだけということもあります。

そのため、角部で異常を見つけたら、一方向から近接写真を撮って終わりにせず、隣接する面からも確認します。

角部周辺の地面も合わせて見ます。雨水が集まりやすい形状になっていないか、舗装の継ぎ目が角部へ向かっていないか、雨樋や排水経路が近くにないかなどを確認します。

外壁、基礎、地面という三つの要素を複数方向から見ることで、取り合い部分の状態を立体的に把握しやすくなります。

植栽や設備で隠れた部分を見落とさない

外壁検査で意外に大きな課題となるのが、外壁下端が物理的に見えない場所です。

植栽が外壁際まで成長している場所、設備機器が設置されている場所、資材や物品が置かれている場所などでは、外壁と基礎の取り合いが長い区間にわたって隠れていることがあります。

見える部分に異常がなかったとしても、見えない範囲まで問題がないとは判断できません。

点検前に建物周囲の状況を確認できるのであれば、可能な範囲で視認しやすい状態を整えておくと効率的です。ただし、設備や重量物を無理に移動することは避け、安全上支障がない範囲で確認します。

どうしても確認できない部分は、場所と理由を記録しておくことが重要です。

例えば、建物のどの面のどの区間が植栽によって見えなかったのかが分かれば、後日確認する際にも迷いません。

外壁検査では「見た場所」と「見ていない場所」を区別できる記録が、結果の信頼性を高めます。

外壁検査では単発の写真より位置情報を意識する

取り合い部分は外観が似ている場所が連続するため、写真だけを大量に撮影すると、後からどこの写真なのか分からなくなりやすいという問題があります。

ひび割れや変色の拡大写真は重要ですが、それだけでは建物内の位置が特定できないことがあります。

そこで、建物の角、開口部、設備、出入口など位置の基準となるものが入る引きの写真と、異常部の近接写真を組み合わせます。

撮影方向も意識すると比較しやすくなります。毎回任意の方向から撮影するよりも、建物を一定方向に回りながら記録するなど、点検方法をそろえる方が管理しやすくなります。

さらに、外壁検査を継続して行うのであれば、異常の場所を位置情報と関連付けて管理する考え方が有効です。

写真を見れば異常の内容が分かり、位置情報を見れば現地の場所が分かる状態にしておくと、補修担当者への情報共有や次回点検での再確認が行いやすくなります。

前回写真と比較して変化の有無を確認する

取り合い部分の変化を把握するうえで、価値が高いのが過去との比較です。

一回の外壁検査で見えるのは、その時点の状態です。ひび割れがいつ生じたのか、変色が広がっているのか、隙間が以前より大きくなったのかは、一回の観察だけでは判断できません。

前回写真があれば、同じ位置をできるだけ近い角度や距離から撮影し、見え方の変化を比較できます。

例えば、以前から存在するひび割れについて、写真上で長さや端部の位置に変化が見られるかを確認できます。変色についても、以前より範囲が広がって見えるのか、濡れなど撮影条件の違いによるものかを整理する材料になります。

比較するときは、撮影条件の違いにも注意します。日照、濡れ、影、撮影距離、画角が異なれば、同じ状態でも見え方が変わります。

そのため、写真だけで「進行している」と断定するのではなく、撮影条件を踏まえ、必要に応じて現地計測や追加調査を組み合わせて判断します。

定期的な外壁検査では、同じ撮影地点や撮影方向を再現しやすい記録方法を整えておくことが有効です。最初の点検時から「次回比較する」ことを前提に記録すると、単なる写真保存から経年変化を確認するための資料へとつなげやすくなります。

異常を見つけたときにその場で原因を断定しない

外壁検査でひび割れや隙間、変色を見つけると、すぐに原因を付けたくなることがあります。しかし、外観だけで原因を特定できない現象は少なくありません。

例えば、外壁下端の変色には雨水、泥はね、湿潤状態、汚れなど複数の可能性があります。

ひび割れについても、仕上げ層だけの変化なのか、その下の部位まで関係しているのかは、目視だけでは判断できない場合があります。

そのため、点検記録では「原因」と「確認した現象」を分けることが重要です。

「漏水による変色」と断定するより、「外壁下端に局所的な変色があり、付近の地面に滞水の痕跡が見られる」と記録すれば、観察した事実を保ちながら原因の検討余地を残せます。

必要に応じて詳細調査を行い、その結果をもとに原因や対応方針を検討するという段階的な進め方が適切です。

これは、必要な対応を遅らせるという意味ではありません。落下や崩落など安全上の懸念が考えられる状態が確認された場合は、安全確保を優先し、関係者への連絡や専門家による確認につなげる必要があります。

外壁検査の役割は、すべてを一度の目視で解決することではなく、異常の兆候を適切に捉え、次の判断に必要な情報を残すことにあります。

外壁と基礎の取り合いを修繕計画につなげる

外壁と基礎の取り合いで見つかった劣化は、点検報告書に写真を載せて終わりにするのではなく、その後の維持管理につなげることが重要です。

まず、異常の位置と状態を整理します。同じ種類のひび割れが複数あるのか、水分に関係する変色が特定の面に集中しているのか、設備や排水経路との関連があるのかをまとめます。

次に、すぐに詳細確認すべき場所と、経過を観察する場所を区別します。ただし、具体的な対応の必要性や緊急度は、建物の構造、外壁仕様、劣化状況などを踏まえて適切に判断する必要があります。

経過観察とする場合でも、「次回見る」だけでは不十分です。次回点検で同じ位置を再確認できるよう、写真、撮影位置、異常範囲などを記録します。

ひび割れであれば端部がどこにあるか、変色であれば範囲がどこまで広がっているかを残しておけば、次回との差を確認しやすくなります。

外壁改修を計画するときも、取り合い部分の情報は役立ちます。外壁面だけを改修対象として考えるのではなく、基礎際の排水、地面の高さ、設備、植栽など周辺条件も整理しておけば、再発防止を含めた検討につながります。

点検と修繕を別々の業務として終わらせず、点検記録を次の現地確認や改修計画に引き継げる形にすることが、建物管理の効率化につながります。

まとめ

外壁と基礎の取り合いは、建物の中では比較的低い位置にあり、地上から確認しやすい部分です。しかし、外壁材、基礎、地面、排水、設備など複数の要素が重なるため、見た目以上に多くの情報が集まっています。

外壁検査では、まず外壁下端のひび割れ、欠け、剥がれ、膨れなどの外観変化を確認し、次に外壁と基礎の境界に不自然な隙間や変位がないかを見ます。さらに、雨だれ、泥はね、白華、変色といった水分の痕跡を確認し、地面との高さ関係や排水状態まで視野を広げます。最後に建物全周を比較し、劣化が局所的なのか連続的なのかを整理することが重要です。

取り合い部分で異常を見つけても、外観だけで原因や内部状態を断定しないことも大切です。確認した現象、位置、範囲、周辺条件を分けて記録し、必要に応じて追加調査や専門的な判断につなげます。

また、一回の点検結果だけを見るより、同じ位置を継続して記録することで比較材料は増えます。過去と現在の写真を比較できれば、ひび割れや変色の見え方に変化があるかを確認できますが、撮影条件の違いもあるため、写真だけで進行性を確定しないことが重要です。

そのためには、写真そのものの鮮明さだけでなく、「どこで撮影した写真なのか」を後から確認できる仕組みが重要です。建物全周を歩いて多数の異常を記録する外壁検査では、位置と写真を結び付けて管理できれば、再確認や修繕箇所の共有も行いやすくなります。

現地での位置情報を伴う記録や写真管理を効率化したい場合は、LRTK Phoneのような現場向けの計測・記録手段を活用する方法もあります。LRTKの公式情報では、撮影写真に位置情報を付けて保存し、クラウド上で整理・確認する機能が案内されています。 ([Lefixea Irtk][2]) 外壁と基礎の取り合いを単に撮影して終わらせず、位置を含む継続的な記録として残すことで、次回点検や修繕計画の情報整理に活用しやすくなります。ただし、こうした記録手段は法定調査で求められる資格、調査方法、判定を代替するものではありません。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

LRTK Phoneの使い方・実例を見る
資料請求導入相談
現場をスマホで3DスキャンLRTK Phone実例を見る