LRTKレフィクシア株式会社

雪かきが大変なエクステリア|積雪時に困らない4設計

雪かきが大変になるエクステリアには共通点がある

エクステリアを計画するとき、春から秋の見た目や使いやすさを中心に考えてしまい、積雪時の状態まで十分に検討できていないケースがあります。完成直後は使いやすく見える駐車場やアプローチでも、雪が積もった瞬間に「雪を置く場所がない」「玄関まで雪かきする距離が長い」「屋根から落ちた雪で通路がふさがる」といった問題が表面化することがあります。

特に積雪地域では、エクステリアの使いやすさは平常時だけで判断できません。雪が積もった状態、除雪した状態、雪が解け始めた状態、さらに夜間や早朝に凍結した状態まで想定する必要があります。

雪かきが大変になる原因は、単純に敷地が広いからとは限りません。むしろ影響が大きいのは、除雪する面積と雪を移動させる距離、雪を一時的に置ける場所、屋根やカーポートから雪が落ちる方向、舗装面の勾配、排水先、段差や設備の配置などです。

例えば玄関から道路までの距離が短くても、両側を塀や植栽で囲い、雪を逃がす場所がなければ、降るたびに雪を敷地の奥へ運ばなければならない場合があります。反対にアプローチが多少長くても、通路の横に十分な堆雪スペースがあり、その場で雪を寄せられる設計であれば、作業負担を抑えやすくなります。

また、カーポートを設ければ車の上に直接積もる雪を減らせますが、カーポートがあれば雪かきが不要になるわけではありません。屋根に積もる雪への対応、屋根からの落雪、柱周辺の除雪、道路までの車路の確保など、別の検討事項が生まれます。

積雪地で重要なのは、一つの設備で雪の問題を解決しようとするのではなく、敷地全体を「雪が降ったときにどう使うか」という視点で組み立てることです。

ここからは、雪かきの負担を減らすために押さえておきたい4つの設計を中心に、実務で確認したいポイントを解説します。

積雪時のエクステリア計画で最初に整理したい条件

雪に配慮したエクステリアを計画する前に、まず敷地ごとの条件を整理する必要があります。同じ積雪量の地域でも、道路との高低差、建物位置、敷地形状、方位、隣地との距離によって適切な計画は変わります。

最初に確認したいのが、日常的に除雪しなければならない範囲です。

住宅であれば、道路から駐車位置までの車路、玄関までのアプローチ、勝手口や物置への通路などがあります。事業所や施設であれば、来客用動線、搬入口、避難経路なども考える必要があります。

重要なのは、舗装されている場所をすべて除雪対象と考えるのではなく、積雪時にも実際に使う範囲を明確にすることです。

冬季にほとんど使わない場所まで毎回除雪しなければならない配置にすると、作業量が増えます。反対に冬季の主要動線を短くまとめておけば、必要最低限の除雪で敷地を利用しやすくなります。

次に確認したいのが雪の移動先です。

除雪とは、雪を消す作業ではなく、基本的には必要な場所から別の場所へ移す作業です。そのため、雪かきをしやすくするには除雪面積以上に「どこへ雪を寄せるか」が重要になります。

敷地の端に空地があっても、そこまで何度も雪を運ばなければならない配置では負担が大きくなります。できれば駐車場やアプローチの近くに、雪を押したり寄せたりできる場所を設定します。

さらに、建物屋根やカーポートからの雪の動きも確認します。

屋根の形状や勾配によっては、特定方向へ雪が移動する可能性があります。積雪条件や屋根仕様によって挙動は異なるため一律には判断できませんが、人が通る場所、車を停める場所、隣地境界付近などについては、積雪時の状態まで想定することが欠かせません。

また、雪解け水の流れも重要です。昼間に雪が解けても、気温が下がれば濡れた舗装面が凍結する場合があります。特に玄関前や道路との接続部分に水が集まる配置は、冬季の歩行性や車両通行に影響することがあります。

このように、雪に強いエクステリアは「雪が積もる量」だけを見るのではなく、「どこを除雪するか」「どこに雪を置くか」「どこから雪が来るか」「解けた水がどこへ行くか」という流れとして計画することが重要です。

設計1 雪を寄せる場所まで含めて動線を計画する

積雪時に困らないエクステリアをつくるうえで、最初に考えたいのが堆雪スペースです。

雪かきの負担が大きくなる敷地では、除雪対象となる舗装面積を確保する一方で、雪を置く場所が不足していることがあります。

例えば敷地いっぱいに駐車場を舗装し、境界側に塀を設置し、残った空間には門柱や植栽を配置すると、完成時には整ったエクステリアに見えます。しかし積雪すると、押し出した雪を置く場所がありません。

その結果、道路側から敷地奥へ雪を運んだり、一度積み上げた雪を別の場所へ移したりする作業が必要になる場合があります。

雪かきの負担を減らすには、除雪動線のすぐ横に雪を逃がせる場所を確保することが基本です。

例えば駐車場の側面に余裕を設けておけば、雪を横へ押し出すことができます。アプローチについても同様で、通路の片側または両側に余白があれば、雪を遠くまで運ばずに済みます。

このとき注意したいのが、積み上げた雪の高さです。

降雪が続けば、堆雪スペースには徐々に雪が蓄積します。平面的な面積だけでなく、雪山が高くなったときに視界や動線へ影響しないかも検討する必要があります。

道路付近に雪を高く積み上げると、車を出す際の左右確認がしにくくなる場合があります。敷地への出入り口周辺については、雪山によって見通しを悪化させない配置が重要です。

また、門柱、ポスト、照明、植栽などの位置も除雪動線との関係を考えます。

除雪する場所の端に設備を細かく配置すると、雪を押すたびに障害物を避ける必要があります。スコップなどを使った手作業であっても、平らな面を連続して除雪できる場所と、設備をよけながら除雪する場所とでは作業効率が変わります。

雪を寄せる予定の場所に低木や繊細な植栽を設ける場合も注意が必要です。雪の荷重や除雪作業によって枝などを傷める可能性があるため、植栽計画と堆雪計画は別々に考えないほうが安全です。

さらに、雪を寄せる場所が春先にどうなるかまで考えます。

雪山は周囲より長く残ることがあります。その下や周辺には水分が集まりやすくなるため、舗装や植栽、排水との関係を確認しておく必要があります。

このように、堆雪スペースは余った場所に設定するのではなく、冬のエクステリアを成立させるための必要な空間として計画することが重要です。

敷地面積に余裕がない場合でも、設備を集約する、植栽帯の形を調整する、冬季に使用する動線を限定するなど、設計段階で工夫できる余地があります。

雪かきを減らす第一歩は、雪を完全になくすことではありません。できるだけ短い距離で雪を移動できる敷地にすることです。

設計2 カーポートと屋根の雪を安全に処理できる配置にする

積雪地域のエクステリアで大きな役割を持つ設備の一つがカーポートです。

車両周辺への直接的な積雪を抑えられるため、出勤前などの雪下ろし作業を軽減できる可能性があります。一方で、カーポートを設置すれば敷地全体の雪対策が完了するわけではありません。

計画時には、地域の積雪条件や設置環境を踏まえ、構造や仕様が適しているかを確認することが前提になります。

特に重要なのが、カーポートの屋根と周囲の空間の関係です。

屋根に雪が積もった状態を考えたとき、建物との間、隣地境界、アプローチ、駐車場などに十分な余裕があるかを確認します。

建物の屋根とカーポートを近づける場合には、建物側の雪の動きにも注意します。屋根の形状や積雪条件によっては、建物側からカーポート周辺へ雪が移動する可能性があります。

また、カーポートそのものの屋根だけでなく、柱の位置も雪かきの作業性に影響します。

柱が車路の中心に近かったり、狭い場所に複数の設備が集中したりすると、柱の周囲だけ手作業で雪を取り除く必要が生じやすくなります。

積雪時に車を出すためには、車の真上が覆われているだけでは十分ではありません。道路まで続く車路が確保されて初めて、駐車場として機能します。

そのため、カーポートの設計では「屋根をどこまで伸ばすか」と同時に「屋根の外側をどこまで除雪する必要があるか」を考えます。

例えば道路境界からカーポートまで距離がある場合、車両の雪下ろしは減っても、そこまでの車路は毎回除雪しなければなりません。敷地形状によっては、カーポート位置を道路寄りにすることで除雪面積を減らせることがあります。

ただし、道路との位置関係、建築物との離隔、敷地条件、地域のルールなども確認する必要があるため、単純に道路へ近づければよいわけではありません。

建物屋根からの落雪についても同様です。

人が通るアプローチや玄関前、駐車位置などを屋根下の影響が想定される場所に配置すると、積雪時の管理が難しくなる場合があります。

屋根形状や雪止めなどの考え方は建物側の設計とも関係するため、エクステリアだけを独立して決めず、建物設計と合わせて検討することが重要です。

さらに、カーポート周辺には雨どいや排水設備などが設けられる場合があります。雪や氷による影響、除雪作業中の接触なども考慮し、設備が作業の妨げになりにくい配置を検討します。

積雪時に強いカーポート計画とは、単に頑丈な設備を選ぶことではありません。雪が積もった状態でも車を使い続けられるように、道路、車路、建物、隣地、堆雪スペースまでを一体で計画することです。

設計3 排水と勾配を整えて融雪後の凍結を抑える

積雪時のエクステリアで見落とされやすいのが、雪そのものではなく雪解け水です。

冬の日中に気温が上がると、舗装面や屋根に積もった雪が解けます。その水が適切に排水されなければ、舗装上に水たまりができることがあります。

その後に気温が下がれば、水が凍結して滑りやすくなる可能性があります。

そのため、雪かきしやすいエクステリアを計画するときは、排水計画と舗装勾配を同時に検討する必要があります。

駐車場の舗装では、一般的に水が自然に流れるよう一定の勾配を設けます。ただし、敷地ごとの道路高や建物位置、排水設備の配置によって適切な方向や勾配は異なります。

積雪地では特に、融雪水が玄関前や主要な歩行動線へ集まらないかを確認することが重要です。

例えば駐車場から流れてきた水がアプローチを横切る設計になっていると、雪解けと凍結を繰り返す時期に通行しにくくなる可能性があります。

また、敷地内の低い場所に排水が集中すると、雪山から流れ出した大量の融雪水がたまることもあります。

堆雪スペースを決める際には、その場所に積み上げた雪が解けたとき、水がどちらへ流れるかまで確認します。

雪山の近くに排水設備を設ければ必ず解決するというわけでもありません。雪や氷、落ち葉、土砂などによって排水経路が十分に機能しなくなる可能性もあるため、点検や清掃のしやすさも考えておく必要があります。

舗装材料を選ぶ際も、冬季の維持管理を考えます。

表面の凹凸が大きい仕上げは意匠性を高めやすい一方、雪かき道具が引っ掛かったり、薄い雪や氷を取り除きにくかったりする場合があります。

一方で表面を極端に滑らかにすれば必ず安全というわけではなく、濡れた状態や凍結した状態では滑りやすさが変わります。使用場所や勾配、表面仕上げを総合的に考えることが必要です。

道路と敷地の境界部分も重要です。

道路側と敷地側の高さが合っていないと、境界部分に水がたまったり、凍結時に段差感が強くなったりすることがあります。車両が頻繁に通過する場所では、冬季の路面状態まで考えて高さを検討します。

また、雨水や融雪水を隣地や道路へ不適切に流出させないよう、敷地内の排水条件や地域のルールを確認して設計することも大切です。

積雪地の排水設計で重要なのは、降雨時だけを基準にしないことです。

冬には「積もる」「解ける」「流れる」「凍る」という変化が起こります。この一連の動きを想定して勾配と排水先を決めることで、雪が降った後まで使いやすいエクステリアに近づけられます。

設計4 段差と障害物を減らして除雪しやすい形にする

雪かきのしやすさは、敷地の広さだけでなく、舗装面の形状に大きく左右されます。

同じ面積でも、一枚の連続した平面で構成された駐車場と、段差や設備が細かく配置された駐車場では、除雪に必要な手間が大きく変わります。

積雪地域のエクステリアでは、可能な範囲で除雪する面を単純化することが有効です。

例えば駐車場の中に小さな植栽帯を複数設けると、通常時には空間のアクセントになります。しかし積雪時には、その周囲を細かく雪かきしなければならなくなることがあります。

門柱、照明、車止め、植栽、収納設備なども同様です。

設備自体が必要であっても、除雪動線の中にばらばらと配置するのではなく、可能であれば一定のエリアへ集約すると、雪を押す方向を単純化できます。

段差についても注意が必要です。

小さな段差でも雪に覆われると境界が分かりにくくなる場合があります。また、スコップなどで雪を押しているときに道具が段差へ当たり、作業が止まりやすくなります。

特に玄関までの主要動線では、不要な段差を減らし、舗装の切り替え部分も除雪しやすい納まりにしておくことが大切です。

階段が必要な敷地では、段数や幅、踊り場の位置などを積雪時まで考えて検討します。

階段は平坦な通路より雪を取り除く手間がかかります。さらに雪によって段の先端が見えにくくなることがあるため、昇降経路の管理が重要になります。

敷地に高低差がある場合、階段を完全になくすことが適切とは限りません。無理に急なスロープへ変更すれば、凍結時に別の問題が生じる可能性があります。

大切なのは、冬季に誰がどの動線を使うのかを想定し、勾配や段差を適切に設計することです。

除雪方法についても事前に想定しておくと、設備配置を決めやすくなります。

手作業を中心にするのか、除雪機械などを利用する可能性があるのかによって、必要な通路幅や障害物の考え方は変わります。

機械を利用する場合、通れる幅だけでなく、旋回や方向転換ができる場所、雪を排出できる方向なども考える必要があります。

将来的な管理方法が明確でない場合でも、なるべく直線的で連続した舗装面を確保しておけば、さまざまな除雪方法へ対応しやすくなります。

見た目を重視したエクステリアでも、冬の使いやすさを犠牲にする必要はありません。設備や植栽をなくすのではなく、除雪範囲から少し外す、まとめて配置する、雪を押し出せる方向を残すといった工夫によって、意匠性と管理性の両立を図れます。

駐車場のエクステリアは車の出入りまで考える

積雪地の駐車場では、「車を停められるか」だけでなく、「雪が降った朝に車を出せるか」という視点が重要です。

カーポートの下に車が収まっていても、道路までの車路に雪が積もっていれば出庫できません。そのため、駐車場の設計では冬季に除雪しなければならない面積を確認します。

例えば2台分の駐車スペースがあっても、実際に冬季に毎日使う車が1台であれば、冬の主動線を一方へまとめられる場合があります。

反対に複数台を日常的に使う家庭や事業所では、それぞれの車が他車を移動させずに出入りできるかも重要になります。

縦列駐車の場合、奥側の車を出すために手前側の車を移動させる必要があります。積雪時には移動のたびに除雪範囲が増えることもあるため、日常の運用まで含めて配置を考えます。

駐車場と道路の接続方向も確認します。

雪を敷地の道路側へ押し出す計画は、道路交通や周囲へ影響する可能性があるため適切ではありません。基本的には敷地内で雪を処理できるよう、堆雪場所を確保する必要があります。

車両出入口の左右には、積雪後も視界を確保できるよう配慮します。

門柱や高い植栽だけでなく、冬季にできる雪山も視界を遮る要因になり得ます。設計図上では何もない空間でも、冬になると高さのある雪山ができる可能性があるため、雪を積む場所と車両の見通しをセットで検討します。

さらに、タイヤが通る場所に融雪水がたまりやすい低い箇所をつくらないことも重要です。

昼間に水がたまり、夜間に凍結すると、発進や停止時に影響する可能性があります。道路との取り合いや側溝付近を含め、排水経路を確認しておきます。

駐車場はエクステリアの中でも面積が大きくなりやすいため、配置を少し変えるだけでも除雪量や雪の移動距離に差が出ます。

車両寸法だけを基準に配置するのではなく、冬季の除雪方法、堆雪場所、見通し、排水まで含めて計画することが、年間を通じて使いやすい駐車場につながります。

アプローチと玄関まわりで積雪時に困らない工夫

玄関アプローチは、積雪時にも毎日利用する可能性が高い場所です。そのため、エクステリアの中でも特に除雪しやすさを意識したい部分です。

まず考えたいのが、道路や駐車場から玄関までの距離です。

意匠性を高めるためにアプローチを大きく曲げたり、庭を回り込むような形にしたりすると、歩く楽しさを演出できます。一方で積雪地域では、その全長が除雪範囲になる可能性があります。

冬季の利用を重視する場合は、日常的に使用する経路をできるだけ短く、分かりやすくする考え方があります。

ただし、単純に一直線へすればよいというものでもありません。敷地の高低差や建物の位置によっては、適切な勾配を確保するため一定の距離が必要になる場合があります。

重要なのは、見た目のためだけに不要な除雪面積を増やしていないかを確認することです。

アプローチの幅についても同様です。

幅が広ければ歩きやすくなりますが、その分だけ除雪面積が増えます。冬季に必要な通行幅と、平常時に求める使いやすさのバランスを考えます。

雪を寄せる方向も重要です。

両側を壁や高い構造物で囲った細い通路では、雪を横へ逃がせません。結果として道路側または敷地奥まで雪を運ぶ必要が出ることがあります。

片側に植栽帯や余白を設けられる場合は、冬季の堆雪場所として利用できる可能性があります。ただし植栽への影響や融雪水の流れも考慮します。

玄関ポーチとアプローチの接続部も確認したい場所です。

屋根の有無によって積雪量に差が出ると、境目に雪や氷が残りやすくなる場合があります。また、屋根から流れた水が玄関前へ集まる配置では、凍結にも注意が必要です。

照明計画についても、冬季には意味が変わります。

積雪すると地面付近の低い設備が雪に隠れることがあります。照明や誘導に必要な設備は、積雪時にも機能しやすい位置を検討します。

また、積雪によって普段見えている舗装境界や段差が分かりにくくなることがあります。夜間利用が多い施設や住宅では、冬の視認性も考慮した配置が重要です。

玄関アプローチはエクステリアの印象を決める場所でもあるため、意匠性を重視したくなる部分です。しかし雪の多い地域では、日々の雪かき負担が生活のしやすさへ直接影響します。

夏の見た目と冬の作業性を両方検討することで、年間を通して使いやすいアプローチになります。

設計前に現況を計測しておくと冬の問題を減らしやすい

雪に配慮したエクステリアを計画するとき、図面だけでなく現地の高低差や建物、道路、排水設備などの位置関係を正確に把握することが重要です。

特に雪解け水の流れを考える場合、わずかな高低差が排水方向に影響します。

現況把握が不十分なまま舗装勾配を決めると、施工後に想定していなかった場所へ水が集まることがあります。そのため、既存の道路高、玄関高、駐車場、側溝、敷地境界などを事前に確認します。

既存住宅のエクステリアを改修する場合には、さらに注意が必要です。

すでに舗装やブロック、門柱、排水設備などがあるため、それらを残す範囲と変更する範囲を整理しなければなりません。

現地で確認した高低差や設備位置を記録しておけば、どこまで舗装を変更するか、堆雪スペースをどこへ設けるか、排水方向をどう見直すかといった検討を行いやすくなります。

また、積雪時の問題は平面図だけでは把握しにくいことがあります。

例えば「駐車場の横に雪を置ける」と考えていても、実際にはその場所に高低差があり、雪を押し出しにくいケースがあります。

建物の基礎や擁壁、植栽帯などがあることで、有効な堆雪面積が想定より狭くなっていることもあります。

そのため、現況を三次元的に把握できれば、平面的な距離だけでなく高さを含めた検討がしやすくなります。

施工後の記録も有効です。

積雪前の状態を位置情報とともに記録しておくことで、雪に覆われた後でも排水設備や舗装境界などの位置を把握しやすくなる場合があります。

特に施設や広い敷地では、雪の下に隠れた設備の位置を把握できることが維持管理に役立つことがあります。

現況計測の目的は、高精度なデータを取得すること自体ではありません。取得した情報を使い、冬季の動線、堆雪位置、排水、設備配置を具体的に検討することにあります。

エクステリアは数センチ程度の高さの違いでも、水の流れや段差の納まりに影響することがあります。現場条件を丁寧に把握したうえで設計することが、施工後の使いにくさを減らす基本になります。

雪に強いエクステリアは夏場の使いやすさも考える

積雪対策を重視するあまり、冬以外の使いやすさを損なわないことも重要です。

例えば堆雪スペースを確保するために広い空地を設けても、年間の大半を使わない場所になれば、敷地を十分に活用できません。

そこで考えたいのが、季節によって役割を変えられる空間です。

冬は雪を置く場所として使い、雪のない時期は庭や作業スペース、臨時の駐車スペースなどとして利用できれば、限られた敷地を有効に使いやすくなります。

ただし、利用方法によって必要な舗装や地盤条件は異なるため、設計時に用途を整理する必要があります。

植栽についても同様です。

雪国だから植栽をなくすのではなく、堆雪位置と植栽位置を分けることで共存させる考え方があります。

雪を押し込む場所をあらかじめ限定し、それ以外の場所に植栽を集めれば、除雪作業と庭づくりを両立しやすくなります。

設備についても、使用頻度に応じた配置が重要です。

積雪期に利用する宅配関連設備や照明、門まわりの設備などは、除雪動線からアクセスしやすい場所へ配置します。一方で冬季に使用しない設備については、主要な除雪範囲から外すことで作業の妨げになりにくくできます。

夏の排水対策と冬の融雪水対策には共通点もあります。

豪雨時に水がたまりにくい勾配や排水経路は、雪解け時にも役立つ可能性があります。反対に、排水しにくいくぼみや行き止まりをつくらないことは、季節を問わず重要です。

また、将来の変化も考えておきたいところです。

家族構成や使用する車の台数が変われば、必要な駐車位置や除雪範囲も変わります。最初から設備を敷地いっぱいに固定してしまうと、後から動線を変更しにくくなります。

可能な範囲で余白を残し、用途を変更できる空間を設けておくことは、長期的なエクステリア計画にも有効です。

積雪地のエクステリアでは、冬だけ特別な空間をつくるのではなく、一年を通して複数の役割を持てる敷地を目指すことが現実的です。

雪を置ける余白は夏には開放的なスペースとなり、障害物の少ない舗装は日常の車両移動や歩行にも役立ちます。

除雪を考えたシンプルな動線は、高齢者や子どもが移動するときの分かりやすさにもつながります。

雪対策を制約として捉えるのではなく、年間を通じた使いやすさを整理するきっかけとして設計に取り込むことが大切です。

まとめ

雪かきが大変なエクステリアでは、設備の性能だけではなく、敷地全体の配置に原因があることが少なくありません。

積雪時に困りにくくするための一つ目の設計は、除雪する場所の近くに堆雪スペースを設け、雪を運ぶ距離を短くすることです。駐車場やアプローチの横へ雪を逃がせるようにしておけば、毎回敷地の端まで雪を運ぶ負担を減らしやすくなります。

二つ目は、カーポートや建物屋根と周辺動線を一体で考えることです。カーポートだけを配置するのではなく、道路までの車路、周囲の堆雪場所、建物屋根との位置関係、柱周辺の除雪まで確認する必要があります。

三つ目は、舗装勾配と排水です。積雪地では雪を取り除いた後にも、融雪水と凍結という問題が残ります。玄関や主要動線へ水を集めないよう、高低差と排水経路を計画することが重要です。

四つ目は、段差や障害物を必要以上に増やさず、除雪する面をできるだけ連続させることです。門柱、照明、植栽などを除雪動線と整理して配置することで、冬季の作業負担を減らしながらエクステリアの意匠性も確保しやすくなります。

雪対策で重要なのは、完成時の晴れた日の姿だけを見ないことです。

雪が降ったらどこを歩くのか、車をどう出すのか、雪をどこへ置くのか、雪解け水がどこへ流れるのか、雪山が高くなったときに視界を遮らないかまで想定すると、設計時に確認すべき課題が見えてきます。

特に既存住宅のエクステリア改修では、現在の舗装勾配や道路との高低差、建物、排水設備、植栽などが計画に影響します。現地条件を十分に確認せず、平面図だけで配置を決めると、完成後に堆雪場所や排水経路が不足する可能性があります。

そこで役立つのが、現況を位置と高さを含めて記録し、設計前に敷地条件を整理する方法です。

LRTK Phoneを活用すれば、現場の位置情報や三次元的な情報を取得し、エクステリア計画に必要な現況把握や施工前後の記録へ活用できます。駐車場やアプローチ、道路、排水設備などの位置関係を現場データとして整理することで、図面だけでは気付きにくい高低差や空間条件も検討しやすくなります。

雪に強いエクステリアを計画する際は、積雪量だけを見るのではなく、除雪、堆雪、落雪、融雪、排水、凍結まで一連の流れとして考えることが重要です。冬の現場条件まで把握したエクステリア計画を進めたい場合は、LRTK Phoneを活用した現況計測や記録も検討してみてください。

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