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CADで3Dモデルを作成する初心者向け7ステップ

CADで3Dモデルを作成する前に知っておきたい基本

CADで3Dモデルを作成したいものの、どこから始めればよいのかわからないという方は少なくありません。2D図面で線や寸法を扱うことには慣れていても、3Dになると高さや奥行きが加わり、急に操作が複雑になったように感じることがあります。

しかし、3Dモデルも基本的な考え方を順番に整理すれば、初心者でも十分に作成できます。最初から複雑な形状を自由自在に作ろうとするのではなく、基準を決め、2D形状を作り、それを立体化し、必要な部分を追加・削除していく流れを理解することが重要です。

CADにおける3Dモデルとは、幅と奥行きに加えて高さを持った立体データです。建物、機械部品、構造物、設備、地形などを立体として表現できるため、平面図や断面図だけでは把握しにくい形状や位置関係を確認しやすくなります。

実務では、3Dモデルそのものを美しく見せることだけが目的ではありません。寸法の確認、部材同士の干渉確認、施工手順の検討、数量把握、完成形の共有など、さまざまな目的で利用されます。そのため、モデル作成を始める前に「何のために作るのか」を決めておくことが非常に重要です。

また、CADによって具体的な操作名称や画面構成は異なります。押し出し、回転、結合、差し引きといった考え方は多くの3D CADで利用されていますが、実際のコマンド名や設定項目は使用環境によって異なる場合があります。本記事では特定のCAD製品に依存せず、初心者が理解しやすい一般的な流れとして解説します。

3Dモデル作成で大切なのは、一度ですべてを完成させようとしないことです。基準を設定し、単純な形状から作成し、確認と修正を繰り返すことで、複雑なモデルにも対応しやすくなります。

ステップ1 3Dモデルを作る目的と完成形を決める

最初のステップは、CADを操作することではなく、3Dモデルを作成する目的と完成形を明確にすることです。ここを曖昧にしたまま作業を始めると、必要以上に細かく作り込んだり、反対に必要な情報が不足したりしやすくなります。

たとえば、外形の確認だけが目的であれば、細かなボルトや溝まで作成する必要はない場合があります。一方で、部品同士の干渉を確認するのであれば、接触する可能性がある部分については正確な寸法でモデル化する必要があります。

建設や施工管理で利用する場合も同様です。構造物のおおまかな配置を確認するモデルと、施工位置や高さを確認するモデルでは、必要な精度や情報量が異なります。まず、どこまでをモデル化するのかを決めましょう。

初心者の場合は、最初から複雑な対象物を選ばないことも大切です。直方体を組み合わせた箱形の構造物、単純な柱、基礎、台座など、基本形状に分解しやすいものから始めると、3D CADの考え方を理解しやすくなります。

対象物を見るときには、「どのような立体の組み合わせで作れそうか」と考える癖をつけると効果的です。複雑に見える形状でも、直方体、円柱、円すい、球状の形、板状の形などに分解すると、作成手順を考えやすくなります。

また、完成形だけでなく、基準となる寸法も整理しておきます。全幅、全長、全高、穴の位置、中心線、基準面からの高さなど、モデル作成に必要な寸法を先に確認しておくことで、途中で図面を行き来する回数を減らせます。

手元に2D図面がある場合は、平面図、正面図、側面図、断面図の情報を確認します。ひとつの方向だけではわからない寸法があるため、複数の図を照合して立体形状を想像することが重要です。

この段階でモデルの細かさも決めます。初心者ほど細部まで作り込みたくなりがちですが、必要以上の詳細化は作業時間やデータ量を増やします。まずは目的に必要な形状を完成させ、その後で必要に応じて詳細を追加する進め方が扱いやすいでしょう。

ステップ2 単位・座標・基準面を設定する

3Dモデルを作成する前には、CADの単位、座標、基準面を確認します。この設定が曖昧なまま作業を始めると、後からモデルの大きさが合わない、高さがずれる、別データと重ねられないといった問題につながることがあります。

まず確認したいのが単位です。CADデータでは、座標値の「1」が実際の1ミリメートルを意味するのか、1メートルを意味するのかなど、運用ルールを統一する必要があります。使用するCADやデータ形式によって単位の扱い方は異なるため、作業を始める前に設定や既存データの寸法を確認します。

単位を間違えると、見た目では同じ形に見えても、他のモデルを読み込んだときに大きさが合わなくなります。特に複数の担当者や異なるシステム間でデータを共有する場合は、単位を明確にしておくことが重要です。

次に理解したいのが座標です。2D CADでは主に横方向と縦方向の2軸を意識しますが、3D CADでは高さ方向を加えた3軸で位置を表します。一般的には水平面上の2方向と高さ方向の1方向を組み合わせて、立体上の位置を指定します。

初心者が特に注意したいのが、画面上で見えている方向と座標方向が必ずしも同じ感覚ではないことです。視点を回転すると、画面の上方向がモデルの高さ方向とは限らなくなります。そのため、操作中は現在どの方向からモデルを見ているのかを確認する習慣をつけましょう。

基準面も重要です。たとえば、構造物の底面を高さ0とするのか、床面を0とするのか、測量上の標高に合わせるのかによって、モデル全体の高さ情報が変わります。

単体の練習モデルであれば任意の基準でも問題になりにくいですが、実務で別のCADデータや現場測量データと重ねる場合には、基準が一致していることが重要です。

座標原点についても、なるべく意味のある位置に設定すると管理しやすくなります。部品であれば中心、建物であれば通り芯の交点、構造物であれば基準点など、後から説明しやすい位置を基準にすると、移動や配置の際にも迷いにくくなります。

3Dモデルを作り始める前に単位、原点、高さ基準を決めておくことは、一見すると遠回りに感じるかもしれません。しかし、実務ではこの準備がモデル同士のずれを防ぐための重要な工程になります。

ステップ3 2D形状を正確に作成する

3Dモデルを作るというと、最初から立体を描くイメージを持つ方もいます。しかし、多くの形状は、まず平面上に2D形状を作り、それを立体化する方法で効率よく作成できます。

たとえば、長方形を作成して高さ方向に立ち上げれば直方体になります。円を作成して立ち上げれば円柱状の形状を作れます。複雑な断面形状も、平面上で輪郭を作成してから立体化することで、比較的簡単にモデル化できます。

そのため、初心者が3D CADを学ぶ際にも、線分、円、円弧、長方形、閉じた輪郭など、基本的な2D作図を正確に行うことが大切です。

特に注意したいのが、立体化するための輪郭です。立体を生成する操作では、線が途中で切れていたり、微小な隙間があったりすると、意図した形状として認識されない場合があります。

画面を縮小して見ていると接続しているように見えても、拡大すると端点がわずかにずれていることがあります。そのため、端点を正確に合わせる補助機能や座標入力などを使って、輪郭を整えます。

また、不要な重複線にも注意が必要です。同じ場所に複数の線が存在していると、輪郭の認識や後工程の編集が複雑になる場合があります。3D化する前に、線の重複や交差、隙間を確認しておくと作業が安定します。

2D形状を作成するときには、寸法もできるだけ正確に入力します。画面上の見た目だけで大きさを決めるのではなく、数値を使って幅や長さ、半径などを指定することが重要です。

CADの大きな利点は、感覚的な作図ではなく、数値に基づいて形状を作成できることです。3Dモデルでは2D段階の小さな寸法違いが、そのまま立体形状の違いとして現れます。

初心者は、まず単純な長方形や円を使って立体化を練習し、その後にL字形、段付き形状、複数の円弧を含む輪郭などへ進むと理解しやすいでしょう。

2D形状を正しく作れるようになると、その後の3D作成は大幅に進めやすくなります。3D CADの操作が難しいと感じたときも、実際には元になる2D形状に問題があるケースがあります。立体化がうまくいかない場合は、まず輪郭が正しく作られているかを確認することが基本です。

ステップ4 2D形状から基本的な3D形状を作る

2D形状を作成したら、次は立体化します。初心者が最初に覚えたいのは、平面形状を一定方向へ伸ばして立体を作る方法です。

たとえば、長方形を高さ方向へ100の距離だけ立ち上げれば、長方形を底面とした直方体を作れます。円を同じように立ち上げれば円柱状のモデルになります。

この方法は構造物、機械部品、建築部材など幅広い形状で利用できます。複雑なモデルでも、基本的な立体を複数作って組み合わせることで表現できることが多いため、最初に習得しておきたい操作です。

立体化する際には、どの方向へ伸ばしているのかを確認します。視点が斜めになっていると、画面上では上方向へ伸びているように見えても、実際には意図した座標方向と異なることがあります。

作業に慣れるまでは、上面、正面、側面など基準となる視点に切り替えながら確認すると安全です。

次に覚えたいのが、断面形状を軸の周囲に回転させて立体を作る考え方です。円筒状や軸対称の形状などは、断面を作成して回転させることで効率的にモデル化できます。

たとえば、容器状の形、円柱の段差形状、回転体などは、側面の断面を作成して中心軸の周囲に回転させる方法が適しています。

さらに、異なる位置に置いた複数の断面をつないで立体を作る方法もあります。断面が徐々に変化する形状や、入口と出口で大きさが異なる形状などを作成するときに利用できます。

初心者の段階では、すべての立体化方法を一度に覚える必要はありません。まずは平面形状をまっすぐ伸ばす方法を使いこなし、その後で回転や断面間をつなぐ方法へ進むとよいでしょう。

重要なのは、完成形から逆算して「どの2D断面から作れば簡単か」を考えることです。

複雑な形状を直接3D空間で作ろうとすると、位置合わせや寸法入力が難しくなります。反対に、正面や上面から見た断面を先に作れば、形状を管理しやすくなります。

作成後は必ず視点を回転させ、複数方向から立体を確認します。正面からは正しく見えても、側面を見ると奥行きが間違っていることがあります。

3Dモデルでは、ひとつの視点だけで完成を判断しないことが重要です。上、前、横、斜めなど複数方向から確認する習慣をつけることで、形状の間違いに気づきやすくなります。

ステップ5 複数の立体を組み合わせて形状を整える

基本的な立体を作れるようになったら、複数の形状を組み合わせて目的のモデルへ近づけます。

実際の構造物や部品は、ひとつの単純な立体だけで表現できるとは限りません。しかし、複雑な形状も複数の直方体や円柱などに分解すると、作成方法が見えてきます。

ここで重要になるのが、立体同士を一体化したり、一方の立体を利用して別の立体を削ったりする考え方です。

たとえば、大きな直方体に小さな直方体を追加して段差を作る場合は、2つの形状を所定の位置へ配置し、一体の形状として扱えるようにします。

反対に、直方体に穴を開けたい場合には、穴と同じ形状の円柱などを作成し、大きな立体からその部分を取り除く方法が使えます。

このような考え方を身につけると、複雑な3D形状を比較的単純な操作の組み合わせで作れるようになります。

初心者がつまずきやすいのは、立体同士の位置がわずかにずれているケースです。正面から見たときには重なっていても、高さ方向に離れていれば意図した処理になりません。

そのため、立体を組み合わせる前には、上面、正面、側面などから位置を確認します。必要に応じて座標値や距離を入力して配置し、見た目だけで位置合わせをしないことが大切です。

立体を削る場合には、削る側の形状が対象となる立体を十分に貫通しているかも確認します。穴を作るつもりでも、削る形状が途中までしか届いていなければ、底のあるくぼみになることがあります。

反対に、必要以上に大きな形状を使って削ると、意図しない部分まで失われる可能性があります。実行前に複数方向から重なりを確認しましょう。

また、複雑なモデルでは、一度に多数の立体を処理しようとせず、小さな単位で確認しながら進めることをおすすめします。

基本形状を作成し、位置を確認し、組み合わせた結果を確認するという流れを繰り返せば、途中で間違いが発生しても原因を特定しやすくなります。

3Dモデルを効率よく作成するコツは、「複雑な形を描く」のではなく、「単純な形をどう組み合わせれば目的の形になるか」と考えることです。この考え方を身につけることが、CAD初心者から一段階進むための重要なポイントです。

ステップ6 寸法と位置関係を確認しながら修正する

ある程度3Dモデルが完成した段階で、形状だけでなく寸法や位置関係を確認します。

CAD画面上でそれらしい形になっていても、数値が正しいとは限りません。3Dモデルでは、長さ、幅、高さ、角度、中心位置、穴の間隔など複数の要素を確認する必要があります。

まず全体寸法を確認します。設計上の全長、全幅、全高とモデルの寸法を比較し、大きな間違いがないかを見ます。

その後、部材ごとの寸法や穴位置、段差、高さなどを確認していくと効率的です。

寸法の確認は、完成後にまとめて行うだけでなく、作成途中にも実施することが重要です。形状を追加するたびに代表的な寸法を確認すれば、間違いを早い段階で発見できます。

モデル完成後に初期工程の寸法違いが判明すると、その後に追加した形状まで修正しなければならないことがあります。こまめな確認は、一見すると手間に見えても、最終的には修正作業を減らせます。

また、3Dモデルでは位置関係の確認も欠かせません。

たとえば、穴の中心が部材中心と一致しているか、柱が基礎の所定位置に配置されているか、複数部材の高さが合っているかなどを確認します。

座標値を直接確認できる場合は、重要な位置について数値を確認すると確実です。

設計変更が発生した場合は、どの部分を修正したかを把握できるようにしておくことも重要です。変更前のデータを残したまま作業する、ファイル名や更新情報を整理するなど、履歴がわかる運用を考えます。

同じファイルを何度も上書きし続けると、修正前の状態に戻したいときに困ることがあります。実務では3Dモデルそのものだけでなく、変更履歴を管理することも作業品質につながります。

干渉の確認も3Dモデルのメリットのひとつです。異なる部材が本来重ならない場所で重なっていないか、必要な隙間が確保されているかなどを立体的に確認できます。

ただし、3Dモデル上で干渉していないことだけで、施工上の問題がないと判断できるわけではありません。施工方法、必要な作業空間、各種基準や設計条件なども別途確認する必要があります。

CADは確認を支援する道具として有効ですが、最終的な判断には設計図書や現場条件などを含めた確認が必要です。

ステップ7 表示方法とデータを整理して完成させる

最後のステップでは、作成した3Dモデルを確認しやすい状態へ整理します。

3Dモデルは形状が正しいだけでなく、第三者が見たときに理解しやすく、後から編集しやすい状態にしておくことが重要です。

まず、表示方向を変えて全体を確認します。正面、側面、上面だけでなく、斜め方向からも確認します。複雑な形状では、表面に隠れて確認できない部分があるため、必要に応じて一部の形状を非表示にしたり、断面を確認したりします。

表示方法を切り替えることも有効です。面を塗りつぶした表示では全体形状を理解しやすい一方、内部や重なりが見えにくい場合があります。輪郭を中心に表示したり、必要な部分だけを表示したりすると、形状を確認しやすくなります。

実務用のモデルでは、部材や用途ごとにデータを分類しておくことも重要です。

すべてを同じ分類で作成すると、モデルが複雑になったときに必要な要素だけを表示しにくくなります。構造、設備、基礎、既存物など、作業内容に応じた分類ルールを決めて整理すると管理しやすくなります。

名称もわかりやすく統一します。意味のわからない名称のまま大量の要素を作成すると、後から編集するときに対象を探すだけで時間がかかります。

作成者本人にはわかる名称でも、別の担当者には理解できない場合があります。共有する可能性があるデータでは、名称や分類方法について一定のルールを設けることが効果的です。

不要な補助線や試作形状も整理します。作成途中で使用した線や立体が残っていると、完成形と誤認したり、データ量を増やしたりする原因になります。

ただし、削除してよいものか判断できない場合は、いきなり消すのではなく、別データとして保存してから整理すると安全です。

最後に、元となった図面や基準寸法と照合します。全体寸法、主要位置、基準高さ、形状の向きなどを確認し、モデルの目的を満たしているかを判断します。

3Dモデルの完成とは、単に画面上に立体が表示された状態ではありません。必要な精度が確保され、用途に応じた情報が整理され、他の担当者でも扱える状態になって初めて、実務で利用しやすいモデルになります。

CAD初心者が3Dモデル作成でつまずきやすいポイント

CADで初めて3Dモデルを作成すると、2D作図ではあまり意識しなかった問題に遭遇します。その代表例が高さ方向のずれです。

2D画面では同じ場所にあるように見える2つの形状でも、3D空間では異なる高さに存在していることがあります。正面や上面だけで確認せず、視点を変えて位置関係を見ることが重要です。

もうひとつ多いのが、作業平面を意識せずに形状を作ってしまうことです。

3D CADでは、現在どの平面を基準に作図しているかによって、新しい線や図形が配置される方向が変わる場合があります。意図しない面に図形を描いてしまうと、その後の立体化や位置合わせが難しくなります。

形状を作成する前に、現在の作図面と視点を確認する習慣をつけると混乱を減らせます。

輪郭が閉じていないことも代表的な問題です。2D形状を立体化しようとしても処理できない場合は、線の端点に隙間がないか、不要な線が重なっていないか、交差部分が適切に処理されているかを確認します。

寸法を感覚で決めてしまうことも避けたいポイントです。3D表示では遠近感があるため、画面上では適切な大きさに見えても、実寸と大きく異なっていることがあります。

作業の節目ごとに距離を測定し、数値で確認することが大切です。

また、視点操作に慣れないうちは、モデルが消えたように感じることがあります。実際には削除されたのではなく、視点が大きく移動したり、モデルの裏側を見ていたりする場合があります。

このようなときは、モデル全体を表示する操作や基準方向から見る操作を利用して、現在位置を把握します。

初心者ほど、一度に多くの操作を覚えようとしないことも重要です。最初は2D輪郭作成、単純な立体化、移動、回転、立体の追加と削除、寸法確認という基本操作に絞ります。

これらを繰り返すだけでも、多くの形状を作成できるようになります。

実務で扱いやすい3Dモデルにするための考え方

練習用の3Dモデルと実務用の3Dモデルでは、重視すべき点が少し異なります。

練習では形を完成させることが主な目的ですが、実務では正確さ、再利用性、共有のしやすさ、修正のしやすさも重要です。

まず意識したいのが、必要以上に細かく作り込まないことです。

細部まで忠実にモデル化すると見栄えはよくなりますが、要素数が増え、表示や編集に負荷がかかることがあります。

用途が配置確認だけであれば、細かな凹凸や小さな部品を省略した方が扱いやすい場合もあります。反対に、干渉確認に必要な部分については精度を確保する必要があります。

つまり、モデルの詳細度は目的に合わせて決めることが重要です。

次に、モデルの基準を統一します。同じプロジェクト内で複数の担当者が作成する場合、各自が異なる原点や高さ基準を使用すると、データを統合した際に位置が合わなくなります。

座標、単位、高さ基準、方向などについて共通ルールを決めておくと、後工程がスムーズになります。

モデルを部位ごとに分けて管理することも効果的です。

大規模な対象をひとつの形状として作り込むより、用途や部材単位で整理した方が修正しやすい場合があります。変更が発生したときにも、対象部分を特定しやすくなります。

また、モデル作成時には「後で誰が使うか」を意識します。

自分だけが使うのであれば作成方法を把握していますが、他の担当者へ渡す場合には、モデル名、分類、基準、更新内容などがわかる状態にしておく必要があります。

CADデータを共有するということは、形状だけでなく、モデルを正しく解釈するための条件も共有することだと考えるとよいでしょう。

3Dモデルと現場データを組み合わせるときの注意点

CADで作成した3Dモデルは、現場で取得した測量データや点群などと組み合わせることで、より実務的な活用ができます。

たとえば、設計上の3Dモデルと現況データを重ねることで、位置関係や高さの違いを視覚的に確認しやすくなります。

ただし、異なるデータを重ねる場合には、単位、座標系、高さ基準、原点などの条件を確認することが不可欠です。

形状そのものが正しくても、基準が異なれば位置が大きくずれて表示されます。

特に高さについては注意が必要です。同じ「高さ」という情報でも、それぞれのデータが異なる基準を使用している場合があります。

そのため、既知の位置や高さを持つ点を利用し、重ね合わせが正しいか確認することが重要です。

現場で取得したデータには、不要な対象物が含まれることもあります。重機、仮設物、植生、人、資材などが含まれている場合、そのまま設計モデルと比較すると判断しにくくなることがあります。

比較したい対象を明確にし、必要に応じてデータを整理したうえで確認します。

また、3Dモデルと現況データが一致していないからといって、すぐに施工誤差と判断することは避けるべきです。

座標変換、基準点、測定条件、データ作成条件などに問題がないことを確認したうえで差異を評価する必要があります。

3D CADは違いを見つけるために有効ですが、その違いが何によって生じているかは別途検討しなければなりません。

設計モデルと現場記録を組み合わせて利用するときは、モデルだけでなく、どこで、いつ、どのような条件で記録したデータなのかを残しておくことも重要です。

位置情報と写真、計測記録などを関連付けて管理できれば、後日3Dモデルを確認するときにも現場状況を追いやすくなります。

CADの3Dモデル作成を効率化するための練習方法

3D CADを習得するためには、機能を順番に暗記するよりも、実際に小さなモデルを繰り返し作成する方が理解を深めやすくなります。

最初は、直方体だけで作れる形状から始めます。台座の上に柱を立てる、複数の箱を段状に並べるなど、単純な形状で構いません。

その後、円柱を追加したり、穴を開けたり、角度のある部分を加えたりして、少しずつ操作を増やします。

練習するときには、完成モデルを見るだけでなく、作成手順を考えることが重要です。

同じ形状でも、複数の作り方が考えられます。たとえば、複雑な外形を最初から描いて立体化する方法もあれば、単純な立体を組み合わせて作る方法もあります。

どちらが修正しやすいか、どちらが寸法を管理しやすいかを考えることで、実務的なモデリング能力が身につきます。

作成後には必ず寸法を測定します。見た目が完成形と似ているだけで終わらせず、幅、奥行き、高さ、穴径、中心距離などを確認します。

間違っていた場合は、なぜずれたのかまで確認しましょう。入力値の間違いなのか、基準点の選択なのか、作図面の違いなのかを理解すると、同じ失敗を繰り返しにくくなります。

2D図面から3Dモデルを起こす練習も効果的です。

平面図だけを見て立体を想像するのではなく、正面図、側面図、断面図を見比べながら、どの形状をどの方向へ伸ばせばよいか考えます。

この作業を繰り返すと、図面から立体を読み取る力も向上します。

さらに、同じモデルを最初から作り直す練習も有効です。

1回目は操作を探しながら作成していても、2回目には不要な手順に気づくことがあります。3回目になると、作成前に工程を組み立てられるようになります。

CAD操作の速さは、コマンドを速く入力できることだけで決まりません。完成形をどの基本形状に分解し、どの順番で作れば修正しやすいかを考えられることが、作業効率を高める大きな要素です。

また、練習モデルにも基準を設定する習慣をつけておくと実務に移行しやすくなります。

単位、原点、高さ方向、モデル名称などを毎回確認し、「とりあえず画面上に作る」という癖をつけないことが重要です。

3D CADに慣れてくると、視覚的にモデルを操作することへ意識が向きやすくなります。しかし、CADの本質は数値と基準に基づいて形状を管理できることにあります。

見た目と数値の両方を確認する習慣を身につけることが、初心者から実務レベルへ進む近道です。

まとめ

CADで3Dモデルを作成するときは、いきなり複雑な立体を作ろうとするのではなく、目的の整理から順番に進めることが重要です。

まず、何のために3Dモデルを作るのかを決め、必要な詳細度を整理します。そのうえで単位、座標、原点、高さ基準を設定し、モデル作成の土台を整えます。

次に、立体の元になる2D形状を正確に作成し、それを立体化します。単純な形状を作れるようになったら、複数の立体を追加したり削ったりしながら目的の形へ近づけていきます。

モデルができた後は、見た目だけで判断せず、全長、幅、高さ、中心位置、穴位置などを数値で確認します。さらに、表示方法や分類、名称を整理し、他の担当者でも理解しやすいデータに仕上げることが実務では重要です。

初心者のうちは、3D CADには覚えることが多いと感じるかもしれません。しかし、基本となる考え方は、基準を決める、2D形状を作る、立体化する、組み合わせる、寸法を確認するという流れです。この一連の手順を繰り返せば、より複雑なモデルにも段階的に対応できるようになります。

また、実務で3Dモデルを利用する場合は、CAD内で作った設計データだけで完結するとは限りません。施工現場の位置、現況形状、写真、計測結果などと組み合わせることで、設計と現場の関係をより具体的に確認できる場面があります。

その際には、モデルと現場データの座標や高さの基準をそろえ、既知の位置で整合を確認することが重要です。基準が異なるデータをそのまま比較すると、実際の差ではなくデータ条件の違いを施工上のずれと誤認する可能性があります。

現場で位置情報を持った記録を残し、後からCADデータと照合したい場合には、LRTK Phoneを活用して位置と現場情報を関連付けて管理する方法も考えられます。3Dモデルを単に作成するだけでなく、現場で取得した情報と結び付けて活用できるようになると、CADは形状作成の道具から、設計・施工・確認をつなぐ実務ツールとしてさらに活用しやすくなります。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

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