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CADのデータ抽出で部材数量を集計する7つの設定項目

CADで作成した図面には、形状だけでなく、レイヤー、オブジェクト種別、名称、寸法、属性値など、数量集計に利用できるさまざまな情報が含まれています。これらを適切に抽出すれば、図面を目視しながら部材を一つずつ数える作業を減らし、数量表の作成や見積もり、発注準備、設計変更時の比較などを効率化できます。

ただし、CADのデータ抽出を実行すれば自動的に正しい部材数量が得られるわけではありません。同じ部材が異なる名称で登録されていたり、凡例に配置した記号まで集計されたり、同じ名称でも寸法の異なる部材が一緒にまとめられたりすると、抽出結果と実際に求めたい数量に差が生じます。

重要なのは、どのオブジェクトを対象とし、どの情報を分類条件として使い、どの単位で数量を求めるのかを事前に整理することです。CAD内のデータ構造を理解して設定すれば、単純な個数だけでなく、長さや面積を含めた数量整理にも応用できます。

この記事では、CADのデータ抽出で部材数量を集計するときに確認したい7つの設定項目を中心に、数量が合わない場合の確認方法や、将来の集計作業を効率化する図面作成の考え方まで詳しく解説します。

CADのデータ抽出で部材数量を集計する基本

CADのデータ抽出とは、図面に含まれているオブジェクトの情報を一定の条件で読み出し、一覧として整理する考え方です。図面上では線や記号として表示されている情報でも、CAD内部ではオブジェクトごとに種類、レイヤー、名称、長さ、面積、座標、属性値などが管理されています。

例えば、ある部材を一つのブロックとして登録し、図面内に100個配置しているとします。対象となるブロックを抽出し、同一名称の配置数を集計できれば、100個という数量を比較的簡単に取得できます。

さらに、部材番号、材質、寸法、施工区分といった情報が属性として登録されていれば、単純な合計だけではなく、仕様別や区分別の数量表を作ることもできます。

一方で、人間が見て「一つの部材」と判断できるからといって、CADでも一つの部材として認識されているとは限りません。一つの設備記号が複数の線や円で構成されている場合、CAD内部では複数の独立したオブジェクトです。その線や円を数えても、設備の数量にはなりません。

逆に、一つのブロック内部に複数個の部品が含まれている場合もあります。このケースでは、ブロックの配置数と実際に必要な部品数量が一致しません。

そのため、データ抽出を始める前に、対象となる部材がCAD内でどのように作成されているかを確認する必要があります。

部材がブロックとして管理されているのか、個別の図形なのか、属性情報が付いているのか、レイヤーによる分類が行われているのかによって、適切な集計方法は異なります。

また、数量集計の目的を決めておくことも大切です。

設計上配置されている部材数を確認するだけなのか、見積もりの基礎数量を求めるのか、発注数量に利用するのか、設計変更前後の増減を確認するのかでは、必要な情報が変わります。

CADから抽出された数量は、基本的には図面データに登録されている情報を集計した結果です。加工ロス、予備数量、継手、施工上必要となる追加材などまで自動的に含まれるとは限りません。

そのため、CADによるデータ抽出は最終判断そのものではなく、数量確認の基礎データを効率的に作成する手段として利用することが重要です。

設定項目1 集計対象となるオブジェクトの種類

最初に確認したいのが、どの種類のオブジェクトをデータ抽出の対象にするかです。

CAD図面には、線、円、円弧、ポリライン、文字、寸法、ハッチング、ブロックなど、さまざまな種類のオブジェクトが存在します。図面に含まれるすべてのオブジェクトを抽出すると、数量集計に不要な情報まで大量に含まれ、必要な部材だけを整理するのが難しくなります。

部材数量を集計するのであれば、最初にその部材がどのオブジェクト形式で管理されているかを確認します。

例えば、設備機器や建具などが部材単位のブロックになっていれば、対象となるブロックを抽出することで配置個数を把握しやすくなります。

一方、配管やケーブルのように線状の情報から数量を求める場合は、配置個数ではなく、線やポリラインなどの長さを抽出する方法が考えられます。

舗装、仕上げ、施工範囲などを面積で把握したい場合には、閉じたポリラインなど、面積情報を持つオブジェクトを対象にする方法があります。

ここで注意したいのが、図面上での見た目とCAD内部でのデータ構造の違いです。

一見すると同じ記号に見えていても、一方はブロック、もう一方は複数の線を組み合わせた図形ということがあります。この状態では、同じ条件で数量を集計できません。

複数人で編集された図面や、過去の図面を流用して作成したCADデータでは、このようなデータ構造の違いが発生しやすいため注意が必要です。

また、同じ部材が平面図、断面図、詳細図、凡例などに重複して記載されていないかも確認します。

例えば、実際の配置位置に20個の部材があり、凡例に同じ記号が1個、詳細説明図に2個配置されていた場合、条件によっては23個として集計されてしまいます。

人間は図面の意味を見て凡例や詳細図を数量対象外と判断できますが、CADのデータ抽出は設定された条件に従って処理します。

そのため、数量対象のオブジェクトと説明用のオブジェクトをレイヤーなどで区別しておくことが重要です。

最初から図面全体を集計するのではなく、数量が分かっている小さな範囲で抽出テストを行う方法も有効です。一室、一工区、一つの詳細範囲などを選び、目視で確認した数量と抽出結果が一致するかを確認します。

対象オブジェクトの選択が正しければ、後の設定も整理しやすくなります。反対に、ここで対象を広く取りすぎると、後工程で大量の不要データを除外する必要が生じます。

設定項目2 レイヤーによる抽出範囲

2つ目の設定項目はレイヤーです。

レイヤーはCAD図面を用途や部材ごとに分類するために使われる基本的な情報であり、データ抽出でも重要な絞り込み条件になります。

例えば、設備、建具、配管、電気、構造、仕上げなどが適切にレイヤー分けされていれば、集計したい部材が所属するレイヤーだけを対象にすることで、不要なオブジェクトを大幅に減らせます。

ただし、レイヤー名だけを見て判断するのではなく、実際に対象部材が正しいレイヤーへ配置されているかを確認することが重要です。

作図途中で部材をコピーした際に別レイヤーのまま残っていたり、複数の担当者が異なる分類ルールで作図したりすると、同じ種類の部材が複数レイヤーへ分散することがあります。

例えば、本来同じ分類である100個の部材のうち、90個が集計対象レイヤー、10個が別レイヤーに入っていれば、一つのレイヤーだけを対象にした集計結果は90個になります。

この状態では、抽出機能そのものが正しく動作していても、必要な数量を得られません。

データ抽出の前に、代表的な部材を数点選択し、それぞれがどのレイヤーに属しているか確認しておくと、分類漏れを見つけやすくなります。

また、数量集計では画面上の表示状態だけに依存しないことも重要です。

非表示にしているレイヤーが必ずデータ抽出から除外されるとは限らず、抽出方法や設定によって扱いが異なる場合があります。数量対象を明確にしたい場合には、単に画面上で非表示にするのではなく、抽出条件として対象レイヤーを明示する考え方が安全です。

複数階や複数工区を含む図面では、レイヤーを数量分類にも活用できます。

全体で500個という合計だけを出すより、1階120個、2階130個、3階125個、4階125個といったように細分化したほうが、異常を発見しやすくなります。

工区別にレイヤーが整理されているのであれば、工区ごとの数量を確認したうえで全体を合計すると、集計根拠を追跡しやすくなります。

レイヤーを単なる作図表示の切り替えとして扱うのではなく、データ分類の一部として設計することで、CAD図面を数量管理にも利用しやすくなります。

設定項目3 ブロックや部材名称の統一

3つ目は、ブロック名称や部材名称の統一です。

CADによるデータ抽出では、名称が分類の基準として利用されることがあります。そのため、人間には同じ部材に見えても、内部名称が異なっていると別項目として集計される可能性があります。

例えば、同一仕様の部材が100個配置されていても、60個と40個で異なる名称が使われていれば、抽出結果では別々の行に分かれることがあります。

集計担当者が二つを同じ部材だと認識できれば合計できますが、類似名称が数十種類存在する図面では確認負担が大きくなります。

特に、過去案件から部材をコピーした図面や、複数担当者が作図したCADデータでは名称の揺れが発生しやすくなります。

見た目が完全に同じでも内部の名称だけが異なっているケースもあるため、数量集計前に確認しておくことが重要です。

名称を統一するときは、余分な空白や文字表記の揺れにも注意します。

例えば、文字としては似て見えても、空白の有無や入力方法などが異なれば、別の文字列として判定される場合があります。

一方で、名称を統一しすぎることにも注意が必要です。

寸法や材質が異なる部材を同じ名称だけで管理すると、数量集計時に別仕様の部材まで一緒にまとめられる可能性があります。

そのため、部材名称には共通名称を使用しながら、寸法、材質、形式、施工区分などは別の属性情報として持たせる方法が考えられます。

例えば、名称は同じでも、寸法Aと寸法Bを属性によって分けられる状態にしておけば、全体数量と寸法別数量の両方を確認できます。

名称の統一は、データ抽出のためだけに役立つものではありません。

設計変更時の差分確認、図面間の照合、部材検索などにも利用できるため、継続的にCADを扱う場合は命名ルールを決めておくと効果的です。

新しい図面を作成するときから命名ルールを揃えておけば、数量集計のたびに名称を整理する作業も減らせます。

設定項目4 属性情報とプロパティの選択

4つ目は、どの属性情報やプロパティを抽出するかという設定です。

数量集計では個数だけ分かればよい場合もありますが、実務では部材名、規格、寸法、材質、施工区分などを一緒に整理することが多くあります。

例えば、同じ部材名称でも寸法が異なれば発注上は別部材として扱うことがあります。この場合、部材名称だけを抽出しても正しい数量表を作れません。

名称に加えて寸法情報を抽出し、寸法ごとに集計する必要があります。

材質によって分類したい場合は、材質情報も必要です。設置階や工区別に数量を確認したい場合には、それらを識別できる情報が必要になります。

CADオブジェクトには、オブジェクト自体が持つ情報と、ユーザーが設定した属性情報などが存在します。

線状のオブジェクトであれば長さ、閉じた図形であれば面積などを利用できる場合があります。また、部材として管理しているオブジェクトには名称や属性値を持たせられることがあります。

ここで重要なのは、図面上に文字が表示されていることと、対象部材に属性情報として登録されていることは同じではないという点です。

例えば、部材の横に「A100」という注記が書かれていても、それが独立した文字オブジェクトであれば、部材本体との関係をデータ抽出だけで判断するのが難しいことがあります。

数量集計を継続的に自動化したい場合は、部材の分類に必要な情報を部材そのものと関連付けて管理することが重要になります。

属性情報を使う場合には入力漏れも確認します。

100個の部材のうち90個に正しい仕様値が入り、10個だけ空欄だった場合、仕様を条件に集計すると10個が別分類になる可能性があります。

数量が不足したように見えても、実際には未入力データとして別の行へ出力されていることがあります。

このため、データ抽出は数量集計だけでなく、CADデータの品質確認にも利用できます。

属性の空欄、想定外の値、表記違いなどを一覧にすることで、図面上では発見しづらい入力ミスを確認しやすくなります。

ただし、抽出項目を増やしすぎると一覧が複雑になります。

数量集計の目的に必要な情報を中心に選択し、確認用として必要な項目を追加するという考え方が扱いやすいでしょう。

設定項目5 同一部材をまとめるグループ化条件

5つ目は、同一部材をどの条件でまとめるかというグループ化の設定です。

図面内に同じ部材が200個配置されている場合、200行の一覧として表示するより、同一条件をまとめて「200個」と表示したほうが数量表として使いやすくなります。

しかし、どの部材を「同じ」と判定するかによって集計結果は変わります。

部材名称だけを条件にすると、名称が同じで寸法や材質が異なる部材まで一緒に集計される可能性があります。

逆に、座標や個体番号など、一つ一つ異なる値までグループ化条件に含めると、同じ部材であってもすべて別行になってしまいます。

そのため、発注や積算などの業務で何を同一部材として扱うかを基準に、グループ化条件を決めることが大切です。

例えば、名称と寸法が同じなら同一部材とする業務であれば、その二つを分類条件にします。材質も発注区分に影響するのであれば、材質も追加します。

最初から条件を少なくするより、初回はやや細かく分類して確認する方法も有効です。

名称、寸法、材質の3条件で集計し、結果を見ながら同じ扱いで問題ない項目をまとめるほうが、異なる仕様を誤って合算するリスクを抑えやすくなります。

逆に、想定していた部材が複数行へ分散している場合は、属性値や名称に違いがないか確認します。

例えば同じ部材のはずなのに50個と30個へ分かれている場合、名称の微妙な違い、属性の空欄、寸法値の違いなどが原因になっている可能性があります。

このとき、単純に二つの数量を手作業で合算するだけでは、次回の集計でも同じ問題が発生します。

元のCADデータを修正し、分類条件を統一しておくことで再集計の精度を高められます。

グループ化条件は、数量を見やすくするためだけの設定ではありません。何を同一部材として扱うのかという数量管理のルールそのものです。

継続的に同じ図面を更新する場合は、どの項目をグループ化条件として使用したかを残しておくことが重要です。

設定項目6 数量のカウント方法と単位

6つ目は、何を数量として数えるのか、そしてどの単位で扱うのかという設定です。

「部材数量」と聞くと個数を想像しやすいですが、CADで扱う数量は個数だけではありません。

設備機器や金物などは個数で管理しやすい一方、配管やケーブルなどは長さ、仕上げ材や舗装などは面積で管理する場合があります。

つまり、対象部材によって数量の意味そのものが異なります。

個数を求める場合は、基本的に対象となるオブジェクトやブロックの配置数を利用できます。

ただし、一つのオブジェクトが必ず一つの部材を意味するとは限りません。

例えば、一つのユニットに4個の部品が組み込まれており、そのユニットが20個配置されている場合、ユニットの配置数は20ですが、内部部品は80個です。

この場合、単純なオブジェクト数だけで内部部品の数量を求めることはできません。1ユニット当たりの構成数量を別途管理し、必要に応じて換算する必要があります。

長さによる集計では、線やポリラインなどの長さ情報を利用する方法があります。

ただし、CAD上の幾何学的な長さと、実際の発注数量が同じとは限りません。

継手、余長、加工分、立ち上がり、施工上の調整などが必要であれば、CADから取得した長さは基礎数量として扱い、別途必要な補正を検討します。

面積も同様です。

図面上の閉じた範囲から面積を求められたとしても、材料の重ね代や施工ロスまで自動的に含まれるわけではありません。

したがって、CADの面積を設計数量として扱うのか、発注計算の基礎値として扱うのかを明確にします。

さらに注意したいのが単位です。

作図で使用している単位と、数量表で使用する単位が異なる場合は変換が必要です。

特に面積や体積は、長さと同じ感覚で変換すると大きな誤差につながります。

数値だけを外部へ出力すると単位が分からなくなることがあるため、数量表では単位を明確に管理することが重要です。

例えば、数量列に100という値があっても、それが100個なのか、100mに相当する長さなのかでは意味がまったく違います。

部材分類ごとに単位を決め、出力結果にも単位が分かる情報を残しておけば、別担当者が確認するときも誤解を減らせます。

CADから取得できる数値の精度と、その数値を実務上どのような数量として使うかは分けて考える必要があります。

数量の定義と単位を明確にしてからデータ抽出を行うことが、集計結果を安全に利用するための基本です。

設定項目7 出力項目と並び順

7つ目は、抽出した情報をどの項目で、どのような順番で出力するかです。

データ抽出自体が正しくても、出力結果が分かりにくければ、数量確認や後工程で余計な時間がかかります。

例えば、部材分類、部材名称、寸法、材質、数量、単位といった順番で整理すると、数量表として内容を把握しやすくなります。

工区や階ごとに確認したい場合は、先頭に階や工区の項目を追加すると便利です。

どの順番が適しているかは業務によって異なるため、すでに社内で使用している数量表や発注用資料がある場合は、その構成に合わせる方法も考えられます。

並び順は、単に見やすさだけでなく、集計ミスの発見にも役立ちます。

部材名称の順に並べると、よく似た名称が複数登録されていることに気付きやすくなります。

数量順に並べれば、極端に多い部材や1個しかない部材などを確認できます。

寸法順に並べれば、想定していなかった寸法値が含まれていないかを確認しやすくなります。

一方、必要のない項目まで大量に出力すると確認しにくくなります。

数量確認だけが目的なのに、位置座標など多数の情報をすべて含めると一覧が複雑になり、本当に必要な項目が埋もれることがあります。

ただし、数量の根拠を確認するために必要な情報まで削除するのは避けます。

例えば部材名称と合計数量だけでは、仕様違いが正しく分類されているか確認できない場合があります。そのときは寸法や材質などの情報も残しておく必要があります。

定期的に数量集計を行う場合は、出力項目と並び順を標準化すると効率的です。

毎回同じ形式で出力できれば、前回と今回のデータを比較しやすくなり、設計変更による数量差も確認しやすくなります。

出力形式を考えるときは、その場で見やすいかだけではなく、別の担当者が後日確認できるか、再集計した結果と比較できるかという視点を持つことが重要です。

CADのデータ抽出で数量が合わない原因

データ抽出を行ったものの、想定している数量と結果が一致しないことがあります。

この場合、最終値を手作業で修正する前に、どの段階で差が発生しているのか確認することが重要です。

数量が多すぎる場合にまず確認したいのは、凡例、詳細図、断面図、説明図などにある同じ部材を重複計上していないかです。

実際の施工位置に30個ある部材が、凡例に1個、詳細図に2個配置されていれば、条件によっては33個と集計されます。

このような重複は、対象レイヤーや図面範囲を見直すことで防ぎやすくなります。

過去に配置して削除したつもりのオブジェクトや、作図途中のコピーが残っている場合もあります。

画面上では気付きにくい位置に残っていることもあるため、データ抽出結果から該当する種類を確認し、図面内を調査します。

数量が少ない場合は、同じ部材が異なる名称、異なるレイヤー、異なるオブジェクト形式などに分かれていないかを確認します。

また、属性値を条件にしている場合は、未入力の部材が別項目になっていないか確認する必要があります。

図面の対象範囲も重要です。

一部のエリアだけを集計対象にしている場合や、必要な図面を選択できていない場合には、当然ながら数量が不足します。

複数図面にまたがって数量を求めるときは、対象ファイルや対象範囲に抜けがないか確認します。

原因を効率よく調べるには、数量の分かっている小さな範囲を使って検証する方法が有効です。

例えば、一つの区画に同じ部材が10個あることを目視で確認し、その区画だけを同じ条件でデータ抽出します。

抽出結果も10個であれば、基本的な対象条件は正しい可能性が高くなります。

それでも図面全体の数量が合わなければ、別のエリアに名称違いや重複オブジェクトが存在する可能性を探れます。

合計数量だけで判断するのではなく、階別、工区別、エリア別、部材別など、複数の単位で中間数量を確認することがミス発見につながります。

部材数量を集計しやすいCAD図面の作り方

CADによるデータ抽出を効率化したいのであれば、集計するときの設定だけでなく、図面作成段階から数量利用を意識しておくことが重要です。

人間が見て理解できる図面であることに加えて、CAD内部でも部材を識別できるデータ構造にすると、後の数量集計が簡単になります。

まず、同じ部材は可能な範囲で同じ管理単位に揃えます。

同一部材が一部ではブロック、一部では個別の線として作成されていると、同じ方法で集計しにくくなります。

次に、レイヤーの分類ルールを統一します。

同じ種類の部材が担当者によって異なるレイヤーに置かれる状態を避け、用途や工種に合わせて一定のルールで分類します。

名称についても同様です。

同じ部材なのに複数の名称を使わないようにし、必要であれば社内で命名規則を決めます。

寸法や材質、仕様が数量分類に必要なのであれば、それらを単なる注記ではなく、集計に利用しやすい属性情報として持たせることも検討します。

数量対象と数量対象外を区別することも大切です。

凡例や説明図に使う部材記号を施工対象と同じ条件で配置すると、データ抽出時に混在します。

数量対象外の記号を別レイヤーで管理するなど、CAD内部で区別できる構造にしておけば、抽出条件を単純化できます。

また、設計変更時に古いオブジェクトを残したまま新しい部材を重ねて配置しないことも重要です。

表示上は問題がないように見えても、古いオブジェクトが残っていればデータ抽出では重複計上される可能性があります。

複数人で図面を扱う組織では、数量集計のルールと図面作成ルールを分けずに考えることが効果的です。

どのレイヤーを使うか、どの名称を使うか、どの属性を入力するか、数量対象外の図形をどのように扱うかを共通化すれば、担当者が変わっても一定の条件でデータを抽出できます。

CADを作図だけの道具として使うのではなく、部材情報を保持するデータとして整備することが、数量集計の効率化につながります。

CADの数量集計を設計変更や見積もりに活用する方法

CADから抽出した部材数量は、単に数量表を作るためだけでなく、設計変更の確認や見積もりの基礎資料にも活用できます。

特に効果を発揮するのが、図面更新前後で同じ条件のデータ抽出を行う方法です。

例えば、変更前の図面で部材Aが150個、変更後の図面で165個だった場合、数量としては15個増えています。

部材Bが80個から72個になっていれば8個減っています。

このように同一条件で抽出した結果を比較すれば、設計変更による数量の増減を確認しやすくなります。

ただし、比較するためには抽出条件を揃える必要があります。

一方は部材名称だけ、もう一方は名称と寸法でグループ化しているなど、条件が異なれば正しい比較になりません。

対象レイヤー、対象オブジェクト、取得属性、グループ化条件、単位、出力項目をできるだけ統一しておくことが重要です。

また、図面の版や更新時点を記録しておくと、数量の根拠を追跡しやすくなります。

設計変更が繰り返される案件では、いつの図面から抽出した数量なのか分からなくなると、最新数量と旧数量が混在する原因になります。

見積もりへ利用する場合も、CADから抽出した数量と最終的な見積数量を区別します。

CADから得られるのは、基本的に図面上に存在するオブジェクトや形状を基準とした数量です。

発注や施工では、予備数量、加工ロス、施工余長など別の要素が加わる場合があります。

そのため、CAD抽出数量を基礎値として残し、そこからどのような補正を加えて見積数量や発注数量になったのか分かる状態にしておくと、後から説明しやすくなります。

データ抽出の大きな利点は、再実行しやすいことです。

目視による手集計では、図面が変更されるたびに数え直す負担が生じます。図面のデータ構造と抽出条件が整っていれば、変更後も同様の手順で数量表を更新できます。

さらに、数量が大きく変化した部材だけを重点的に図面上で確認する運用も可能です。

すべての部材を同じ密度で目視確認するのではなく、前回との差が大きいものや想定外の数量になったものを優先して調べれば、確認作業を効率化できます。

CADのデータ抽出は、人の確認を不要にするためのものではなく、人が確認すべき場所を絞り込む仕組みとして利用すると効果的です。

CADデータと現場情報をつなげて数量管理を効率化する

CADのデータ抽出で部材数量を集計する際は、対象オブジェクトの種類、レイヤー、ブロックや部材名称、属性情報、グループ化条件、数量のカウント方法と単位、出力項目という7つの設定を順番に確認することが重要です。

これらの設定が整理されていれば、図面上の部材を一つずつ目視で数える作業を減らし、同じ条件で繰り返し数量を確認しやすくなります。

一方で、データ抽出の精度は元のCADデータの品質にも大きく左右されます。

同じ部材が異なる名称で作成されていたり、異なるレイヤーへ配置されていたり、必要な属性が未入力だったりすれば、抽出設定だけで完全に補うことは難しくなります。

そのため、数量集計を継続的に行う場合は、図面作成の段階から名称、レイヤー、属性、オブジェクト構成などのルールを整理しておくことが有効です。

また、CADで集計できるのは基本的に図面上に登録されている設計情報です。

施工が進むと、設計変更や現場条件による調整などによって、CAD上の計画と実際の現場状況に差が生じる場合があります。

そのため、設計数量を確認するだけでなく、必要に応じて現場で取得した位置情報や3次元データと照合することが、より実務的な数量管理につながります。

例えば、CAD上で配置されている部材や施工範囲を確認したうえで、現場側の測位結果や取得データを参照できれば、「図面には存在するが現場では未施工」「設計位置と実際の施工位置が異なる」といった確認へ展開できます。

数量集計、位置確認、設計変更の記録を別々の作業として扱うのではなく、CADデータを共通の基礎情報として活用することで、設計から施工、確認までの情報をつなげやすくなります。

CADのデータ抽出を使って数量管理を効率化した後は、図面上の情報を実際の現場とどのように結び付けるかも検討するとよいでしょう。CADや3次元データと現場の位置情報を組み合わせて確認したい場合には、LRTK Phoneを活用した現場データ取得や位置情報管理へ発展させることもできます。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

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