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CADの外部参照パスが切れたときに直す5つの再設定方法

CADの外部参照パスが切れるとはどういう状態か

CAD図面では、作業中の図面ファイルとは別に保存されている図面、画像、PDF、点群、表データなどを読み込み、現在の図面上に重ねて表示することがあります。このように、外部のファイルを元のデータと連携したまま利用する仕組みが外部参照です。

外部参照を使うと、建築図、構造図、設備図、測量図、配置図などを一つの図面へ直接コピーせずに重ねられます。参照元のファイルが更新されれば、参照先の図面にも変更内容を反映できるため、複数の担当者が分担して作業する案件では特に便利です。

ただし、外部参照は参照元ファイルの保存場所を示すパス情報に依存しています。参照元のファイルを移動したり、フォルダ名を変更したりすると、CADが登録済みの場所からファイルを見つけられなくなります。これが、一般に外部参照パスが切れた状態です。

外部参照パスが切れると、図面を開いた際に参照ファイルが見つからないことを示す警告が表示されたり、図面内に本来表示されるはずの情報が現れなかったりします。参照名だけが管理画面に残り、状態が未検出、未解決、見つからないなどと表示される場合もあります。

外部参照パスが切れる主な原因は、ファイルやフォルダの移動です。作業フォルダを別の場所へ移した場合、共有サーバーの構成を変更した場合、担当者がフォルダ名を整理した場合、受け取った圧縮ファイルを異なる階層へ展開した場合などに発生します。

ドライブ名や接続先の違いも原因になります。作成者の環境では特定のドライブとして接続されていた共有場所が、別の担当者の環境では異なるドライブ名になっていると、同じファイルが存在していても登録済みのパスでは到達できません。

ファイル名の変更にも注意が必要です。保存場所が同じでも、参照元ファイルの名称を変更すると、CADは変更後のファイルを自動的に同一ファイルとして判断できない場合があります。拡張子の変更や大文字、小文字、全角文字、半角文字の違いが影響する環境もあります。

外部参照パスを直す際は、単に警告を消すことだけを目的にしてはいけません。どのファイルを参照するのが正しいのかを確認し、図面の位置、縮尺、座標、更新履歴が適切な状態で再接続する必要があります。似た名前の古いファイルを誤って指定すると、外部参照は表示されても図面内容が間違っているという、より発見しにくい問題につながります。

外部参照パスを直す前に確認すること

外部参照パスを再設定する前に、現在の参照状態と正しい参照元を確認します。見つからないファイルを手当たり次第に指定すると、図面の整合性を損なうおそれがあります。

最初に確認したいのは、外部参照の種類です。参照対象がCAD図面なのか、画像なのか、PDFなのか、点群なのかによって、再設定に使用する管理画面や操作項目が異なることがあります。図面の外部参照だけが切れていると思っていても、背景画像や表データのリンクが同時に切れている場合もあります。

次に、登録されている参照名と保存パスを確認します。外部参照管理画面では、参照ファイル名、保存されているパス、検出されたパス、参照方式、読み込み状態などを確認できることがあります。登録パスを見れば、以前どのようなフォルダ構成で管理されていたかを推測できます。

例えば、登録パスの末尾が「建築平面図」「構造伏図」「敷地測量図」などの名称になっていれば、現在の案件フォルダ内から対応するファイルを探しやすくなります。反対に、同じ名前のファイルが複数存在する場合は、更新日時や図面内容を確認し、正しい版を選ばなければなりません。

参照元ファイルが本当に存在するかも確認します。外部参照パスの再設定だけでは、削除されたファイルや受け渡されていないファイルを復元できません。参照元が見つからない場合は、作成者、設計担当者、協力会社、データ管理者などへ確認し、正しいファイルを入手する必要があります。

ファイルを見つけたら、直接開けるかどうかを確認します。破損しているファイル、アクセス権限がないファイル、別の利用者によって排他的に管理されているファイルは、保存場所が正しくても読み込めない場合があります。

図面の基準位置も重要です。外部参照は、通常、参照元ファイルの座標や挿入基点を利用して配置されます。誤ったファイルを参照すると、図形が遠く離れた場所へ表示されたり、回転したり、異なる縮尺で表示されたりすることがあります。再設定後には、既知の通り芯、基準点、座標点、敷地境界、建物角などを使って位置を確認します。

作業を開始する前には、元の図面を複製しておくことも大切です。外部参照の再登録、解除、パス変更などを繰り返すと、元の設定に戻しにくくなる場合があります。作業前の状態を別名で保存しておけば、誤った参照先を設定した場合でも安全にやり直せます。

再設定方法1 現在の参照先を正しいファイルへ変更する

最も基本的な方法は、外部参照管理画面から参照先を正しいファイルへ変更することです。参照元のファイルが別のフォルダへ移動しただけで、ファイル名や内容に変更がない場合に適しています。

まず、外部参照の一覧を表示し、状態が未検出になっている項目を選択します。選択した参照項目には、保存パスや検出パスを変更する欄が表示されることがあります。参照先の選択機能を使い、現在の正しい保存場所にあるファイルを指定します。

参照先を指定する際は、ファイル名だけで判断しないことが重要です。更新日時、ファイル容量、図面番号、改訂記号なども確認します。案件によっては、同じ図面名の旧版と最新版が別のフォルダに残っていることがあります。

正しいファイルを指定したら、外部参照を再読み込みします。再読み込みによって図面内に参照内容が表示されれば、パスの再設定自体は完了です。ただし、表示されたという理由だけで作業を終えず、位置と内容を確認します。

参照元の基点や座標が変わっていると、以前とは異なる位置へ表示される可能性があります。通り芯の交点、測量基準点、既知点、建物角など、元の図面と照合できる場所を確認します。外部参照の尺度や回転角度も変更されていないか確認してください。

参照元ファイルの単位設定が異なる場合、読み込み時に尺度変換が行われることがあります。元の図面がミリメートル、参照元がメートルとして設定されている場合などは、見た目の大きさが大幅に変わる可能性があります。外部参照パスの問題と単位の問題を混同しないようにします。

参照先を変更した後は、図面を保存して閉じ、再度開いて状態を確認します。一度表示された外部参照でも、図面を開き直すと未検出になる場合は、設定したパスが一時的な保存場所や接続が不安定な場所を指している可能性があります。

共有フォルダ上のファイルを指定する場合は、他の担当者も同じ場所へアクセスできるか確認します。自分のパソコンだけに存在する場所を登録すると、自分の環境では正常でも、別の担当者が開いた際に再びパス切れが発生します。

この方法は操作が分かりやすく、一つか二つの参照先を直す場合に向いています。一方で、数十件の外部参照が同時に切れている場合は、個別指定よりもフォルダ構成や基準パスをまとめて修正する方法が効率的です。

再設定方法2 絶対パスを相対パスへ変更する

外部参照パスには、絶対パスと相対パスという考え方があります。外部参照パスが頻繁に切れる環境では、絶対パスを相対パスへ変更することで問題を減らせる場合があります。

絶対パスは、ドライブ名や共有場所から参照ファイルまでの完全な保存場所を登録する方式です。例えば、特定のドライブ内にある案件フォルダから、外部参照フォルダ内のファイルまでを一続きの場所として記録します。

絶対パスは参照先が明確である一方、ドライブ名や上位フォルダが変わると影響を受けやすい特徴があります。作成者と受領者でドライブ構成が異なる場合や、案件フォルダ全体を別の場所へ移動する場合には、パスが切れやすくなります。

相対パスは、現在の図面ファイルが保存されている場所を基準として、参照元ファイルまでの位置関係を登録する方式です。案件フォルダ全体の位置が変わっても、図面ファイルと外部参照ファイルの相対的な配置が維持されていれば、参照を継続しやすくなります。

例えば、案件フォルダの中に「作業図面」と「外部参照」というフォルダを設け、作業図面から一つ上の階層を経由して外部参照フォルダ内のファイルを読み込む構成にします。この案件フォルダを別のドライブや共有場所へ移しても、内部のフォルダ構成が変わらなければ、相対パスで参照できる可能性が高まります。

絶対パスから相対パスへ変更するには、外部参照管理画面で対象を選択し、パスの種類を変更します。変更項目の名称はCAD環境によって異なりますが、完全なパス、相対的なパス、パスなしなどの選択肢が用意されていることがあります。

相対パスを設定するには、作業中の図面が一度保存されている必要があります。未保存の新規図面には基準となる保存場所がないため、相対的な位置関係を計算できません。先に案件フォルダ内へ図面を保存し、その後で外部参照を登録または再設定します。

相対パスへ変更した後は、案件フォルダ全体を試験用の別フォルダへ複製し、複製先の図面を開いて確認すると確実です。元の保存場所に依存せず外部参照が表示されれば、相対パスが正しく機能していると判断できます。

ただし、相対パスはどのような状況でも有効とは限りません。参照元を複数の案件で共用している場合や、案件フォルダとは別の共通管理場所に基準図面を保存している場合は、絶対パスのほうが管理しやすいこともあります。

重要なのは、パス方式を担当者ごとに変更しないことです。案件単位で絶対パスと相対パスのどちらを使うか決め、フォルダ構成とあわせて統一します。

再設定方法3 相対パスの基準となるフォルダ構成を整える

相対パスを設定しても、案件フォルダ内の構成が頻繁に変わると、再び外部参照パスが切れます。相対パスを安定して使うには、図面ファイルと参照ファイルの位置関係を整理することが必要です。

まず、案件フォルダの直下に用途別のフォルダを設けます。作業中の図面を保存する場所、外部参照用の図面を保存する場所、PDFを保存する場所、画像を保存する場所、点群を保存する場所、納品データを保存する場所などを分けます。

フォルダ名は、担当者が見ただけで用途を理解できる名称にします。「資料」「その他」「一時」などの曖昧な名称へ重要な参照ファイルを保存すると、後から整理された際に移動されやすくなります。

外部参照として利用しているファイルは、作業者が自由に移動する個人用フォルダへ置かないようにします。デスクトップ、ダウンロード用フォルダ、一時保存フォルダなどは、整理や端末交換によって場所が変わりやすいため、正式な参照先には適していません。

案件内で外部参照専用のフォルダを設けたら、参照元ファイルを集約します。ただし、ファイルを移動する前に、どの図面から参照されているかを確認します。一つの参照元が複数の図面で使われている場合、移動によって複数のパス切れが同時に発生する可能性があります。

フォルダを整理した後は、基準となる親図面から順番に外部参照パスを再設定します。参照図面がさらに別の図面を外部参照している入れ子構造では、下位の参照元から先に直したほうが状態を確認しやすくなります。

例えば、全体図が配置図を参照し、配置図が測量図を参照している場合は、最初に配置図から測量図への参照を直し、その後で全体図から配置図への参照を確認します。上位の図面だけを修正しても、下位の外部参照が切れていれば、必要な情報は完全には表示されません。

ファイル名の付け方も統一します。図面番号、図面種別、改訂情報などを一定の順序で記載すると、正しい参照元を判断しやすくなります。ただし、外部参照として利用中のファイル名を変更する場合は、先に影響範囲を確認してください。

改訂ごとにファイル名を変える運用では、外部参照先も更新のたびに変更する必要があります。外部参照用の正式ファイル名は維持し、履歴を別の保管場所へ残す方法もあります。どちらの方法を採用する場合でも、案件内で一貫させることが重要です。

フォルダ構成を変更した直後は、主要な図面を開いて外部参照状態を確認します。整理した担当者の環境だけでなく、可能であれば別の担当者の環境でも開き、相対パスが正しく解決されるかを確認します。

再設定方法4 検索パスやプロジェクトフォルダを再設定する

CAD環境によっては、図面に登録された外部参照パスだけでなく、あらかじめ設定された検索先から参照ファイルを探す仕組みがあります。この検索パスやプロジェクトフォルダを設定することで、複数の参照切れをまとめて解消できる場合があります。

外部参照管理画面に登録された場所でファイルが見つからない場合、CADは現在の図面と同じフォルダや、環境設定に登録された検索フォルダを確認することがあります。参照元を共通フォルダへ集約している案件では、そのフォルダを検索先として登録すると効率的です。

例えば、複数の作業図面が同じ測量図や基準図を参照している場合、共通参照フォルダを検索対象にします。各図面のパスを一件ずつ変更しなくても、CADが共通フォルダから対象ファイルを見つけられる可能性があります。

ただし、検索パスへ多くのフォルダを登録しすぎると、同じ名前のファイルが複数見つかる問題が生じます。CADが意図しない旧版を先に検出すると、警告が出ないまま古い図面が表示されるおそれがあります。

検索先には、正式に管理されているフォルダだけを登録します。過去案件、バックアップ、受領データ、作業途中の複製などが混在する上位フォルダを指定することは避けたほうが安全です。

プロジェクト単位の検索設定を利用できる場合は、案件ごとに参照先を切り替えます。異なる案件で同じファイル名が使われていても、プロジェクトフォルダが分かれていれば、誤参照の危険を抑えられます。

検索パスを変更した後は、対象図面を再読み込みするか、いったん閉じて開き直します。外部参照管理画面で検出されたパスを確認し、意図したフォルダ内のファイルが読み込まれていることを確認してください。

この方法は、組織内で共通のフォルダ構成を使用し、複数の図面が同じ参照元を利用する環境に向いています。一方、図面を社外へ渡す場合には、受領者の環境に同じ検索設定が存在するとは限りません。

検索パスによって外部参照が表示されている図面を受け渡す際は、参照元ファイルも案件フォルダ内へまとめ、図面自体に保存される参照パスを見直すことが大切です。環境設定に依存した状態を残すと、自社では正常でも受領者側では表示できない可能性があります。

再設定方法5 外部参照をいったん解除して再登録する

参照先の変更やパス方式の変更で直らない場合は、外部参照をいったん解除し、正しいファイルを改めて登録する方法があります。登録情報が不整合を起こしている場合や、参照名と実際のファイルの対応が分からなくなっている場合に有効です。

ただし、外部参照の解除には注意が必要です。単なる読み込み解除と、登録情報そのものを削除する操作は異なります。読み込み解除は一時的に表示を止める操作であり、通常は参照名や配置情報が残ります。登録情報を削除する操作では、参照関係が図面から取り除かれます。

再登録を行う場合は、削除前に挿入位置、尺度、回転角度、参照方式、画層設定などを記録します。座標を利用して原点へ配置している場合でも、設定値を確認しておけば再登録後の検証が容易になります。

外部参照を図面内へ完全に取り込む処理と、登録を解除する処理も混同しないようにします。完全に取り込むと、参照元との連携がなくなり、図面内の通常オブジェクトやブロックとして扱われることがあります。将来も参照元の更新を反映したい場合には適していません。

登録を解除したら、正しいファイルを外部参照として新たに指定します。挿入位置、尺度、回転角度は、元の設定に合わせます。測量座標や共通座標を利用している図面では、通常、数値を直接指定して配置したほうが位置を再現しやすくなります。

画面上で任意の位置をクリックして配置すると、目視では近く見えても正確な位置関係が失われる可能性があります。既知の座標や基準点を使用し、再登録後に距離や座標を確認します。

再登録した外部参照の名前が以前と変わると、画層名、表示設定、印刷設定などに影響することがあります。外部参照由来の画層は、参照名を含む名称で管理される場合があるためです。

以前の参照名を前提として画層の表示や色、線種を調整していた場合、新しい参照名では設定が引き継がれないことがあります。再登録後には、外部参照内の画層状態、表示状態、印刷結果も確認してください。

この方法は、外部参照の設定を初期化できる一方、配置や表示の再調整が必要になる可能性があります。最初から解除するのではなく、参照先変更、相対パスへの変更、フォルダ構成の修正などを試した後の手段として利用するのが安全です。

複数の外部参照パスを効率よく直す進め方

大規模なCAD図面では、外部参照が一件だけとは限りません。建築、構造、設備、測量、仮設、施工、竣工などの図面が階層的に参照され、数十件の参照切れが発生することもあります。

複数の外部参照を直す際は、最初に一覧を作ります。外部参照名、登録されているパス、現在の状態、正しい保存場所、参照元の更新日時、対応状況などを整理します。表形式を使わなくても、作業メモとして順序を決めておくだけで重複作業を減らせます。

次に、共通する旧フォルダと新フォルダの対応を確認します。すべての参照が同じ上位フォルダから別の上位フォルダへ移動している場合は、個々のファイルが消えたのではなく、フォルダ全体の場所が変わった可能性があります。

この場合は、一件ずつ異なる場所を探すより、旧パスの共通部分を新しい保存場所へ読み替えるほうが効率的です。CAD環境に複数パスの置換機能や参照管理機能がある場合は、対象を確認したうえで利用します。

参照構造に入れ子がある場合は、最下層から修正します。最上位の図面を開いたまま作業すると、どの参照元で問題が起きているのか分かりにくくなります。下位の参照図面を直接開き、その図面内の外部参照を解決して保存します。

下位の図面を修正したら、一つ上の図面を開いて再読み込みします。この手順を繰り返すことで、どの階層まで正常に表示できているかを確認できます。

一度にすべての参照を変更せず、図面の種類ごとに作業を区切ることも有効です。例えば、最初に測量関係、次に建築関係、その後に設備関係という順番で進めます。変更のたびに保存し、再読み込み結果を確認します。

同じファイル名が複数見つかった場合は、安易に一括置換しないようにします。フォルダ構成を変更した際に旧版と最新版が混在していると、一括処理によって誤った参照先へ接続される可能性があります。

最後に、すべての外部参照が検出済みになっていることだけでなく、図面内容の整合性を確認します。参照状態が正常でも、別案件の同名ファイルや旧版が読み込まれている可能性は残ります。図面番号、改訂日、基準位置、主要寸法などを確認してください。

外部参照パスを再設定しても表示されない場合の確認事項

正しい保存場所を指定しても外部参照が表示されない場合、原因がパス以外にある可能性があります。ここで再び参照先を変更すると、かえって状態が分かりにくくなるため、順番に確認します。

最初に、外部参照が読み込み状態になっているかを確認します。参照先が正しくても、読み込み解除されたままでは図面上に表示されません。管理画面から再読み込みを実行します。

次に、外部参照が非表示の画層に配置されていないかを確認します。挿入先の画層が非表示、フリーズ、印刷対象外などになっていると、参照全体が見えない場合があります。

外部参照内の画層状態も確認します。参照ファイル自体は読み込まれていても、内部の主要画層が非表示になっていると、何もないように見えることがあります。

表示範囲の問題にも注意が必要です。参照元が遠く離れた座標に配置されると、現在表示している範囲には現れません。図面全体を表示する操作を実行し、極端に離れた場所に図形が存在しないか確認します。

外部参照の挿入尺度が極端に小さい場合や大きい場合も、見つけにくくなります。図面単位の違いによって尺度変換が行われていないか、参照設定の尺度値が変更されていないかを確認します。

回転角度や法線方向の違いにより、平面表示では線のように見えたり、視点によって見えなくなったりすることもあります。三次元情報を含む図面では、平面方向だけでなく高さ方向の位置も確認します。

参照ファイル自体を直接開き、図形が保存されているかも確認します。参照元の表示状態や画層状態が変更され、必要な図形が見えなくなっている可能性があります。

参照ファイルが破損している場合は、修復機能や監査機能を使って状態を確認します。修復後は元のファイルへ上書きせず、別名で保存して内容を比較したほうが安全です。

アクセス権限も確認事項の一つです。ファイル一覧では見えていても、読み取り権限が不足しているとCADから開けない場合があります。共有場所への接続状態や、ファイルが他の処理によって利用できない状態になっていないかを確認します。

外部参照パス切れを防ぐための運用ルール

外部参照パスは、切れた後に直すよりも、切れにくい運用を整えるほうが効率的です。特に複数人でCAD図面を扱う場合は、個人の判断ではなく案件共通のルールを設けます。

まず、案件フォルダの標準構成を決めます。作業図面、外部参照、PDF、画像、点群、受領データ、提出データ、履歴などの保存場所をあらかじめ定めます。

作業開始後にフォルダ名を変更しないことも重要です。名称を変える必要がある場合は、外部参照への影響を確認し、関係者が同時に切り替えられる時点で実施します。

外部参照ファイルを移動できる担当者を限定する方法も有効です。全員が自由に整理できる状態では、別の担当者が必要性を知らずに移動する可能性があります。

参照元の正式版と作業版を分けることも検討します。外部参照として読み込む正式版は決められた場所へ保存し、編集作業は別の場所で行います。確認後に正式版へ反映すれば、作業途中のファイルを誤って参照する危険を減らせます。

相対パスを使う案件では、図面だけを単独で移動しないようにします。親図面と参照元を含む案件フォルダ全体を一つの単位として扱います。

絶対パスを使う案件では、全担当者が同じ共有場所へ同じ方法で接続できるようにします。担当者ごとに異なるドライブ名や個人用の接続先を使うと、環境差によるパス切れが発生しやすくなります。

定期的に外部参照状態を確認することも大切です。納品直前に初めてパス切れへ気づくと、修正と確認に時間がかかります。設計変更、担当変更、フォルダ移行などの節目で確認します。

ファイル名の変更履歴も共有します。参照元を改訂した際に名称を変える運用では、どの図面がどの版を参照すべきか分かるようにします。

不要になった外部参照は、残したまま非表示にするのではなく、影響を確認して整理します。古い参照が残っていると、後から再読み込みされた際に不要な情報が表示されたり、同名ファイルを誤って読み込んだりする原因になります。

外部参照を含むCAD図面を受け渡すときの注意点

CAD図面を社内の別担当者や社外の関係者へ渡す場合は、親図面だけでなく、使用している外部参照ファイルも含める必要があります。

親図面を開いただけでは、どのファイルが必要なのか判断できないことがあります。図面、画像、PDF、点群、フォント、線種、印刷設定など、表示や印刷に必要な関連データを確認します。

受け渡し前には、関連ファイルを一つの案件フォルダへまとめます。親図面と外部参照の相対位置を維持したまま、フォルダ全体を複製します。

複製したフォルダ内の図面を開き、元の保存場所へ接続していない状態でも外部参照が表示されるかを確認します。元の共有フォルダに接続したまま確認すると、不足ファイルがあっても気づけない場合があります。

確認用の環境では、一時的に元の保存場所から切り離すか、別の端末で開く方法が有効です。受領者に近い状態で確認することで、受け渡し後のパス切れを減らせます。

参照元ファイルの版も確認します。提出対象ではない作業途中のファイルや、不要な旧版を含めると、受領者がどれを使用すべきか判断しにくくなります。

外部参照を図面内へ取り込んで一つのファイルにまとめる方法もありますが、参照元との連携が失われたり、画層構成やデータ容量が変わったりする可能性があります。受け渡し後も更新を続ける案件では、外部参照のまま渡すほうが適していることがあります。

一方、完成図面を閲覧するだけで更新連携が不要な場合は、固定した形式で共有する方法も検討できます。目的に応じて、編集用のCADデータと確認用データを分けると管理しやすくなります。

現場でCAD図面を確認する場合は、外部参照がすべて解決された状態のデータを用意することが重要です。参照切れによって背景図や測量図が欠けると、施工位置や確認箇所を誤認する可能性があります。

図面と現地の位置関係を確認する作業では、CAD内の座標や基準点を現場情報と結び付ける必要があります。LRTK Phoneのように位置情報を活用できる仕組みと組み合わせる場合も、元となる図面の座標、縮尺、参照状態が正しいことが前提です。

まとめ

CADの外部参照パスが切れたときは、最初に参照元ファイルの所在と内容を確認し、正しい参照先を特定することが重要です。警告を消すことだけを目的にすると、同名の旧版や別案件のファイルを誤って読み込む可能性があります。

基本的な再設定方法は、現在の参照先を正しいファイルへ変更することです。案件フォルダ全体を移動することが多い場合は、絶対パスから相対パスへの変更を検討します。

相対パスを安定して利用するには、図面と参照元のフォルダ構成を統一し、作業開始後に位置関係を変更しないことが大切です。共通フォルダを利用する環境では、検索パスやプロジェクトフォルダの再設定によって複数の参照切れを解決できる場合があります。

登録情報に不整合がある場合は、設定値を記録したうえで外部参照を解除し、正しいファイルを再登録します。再登録後には、表示の有無だけでなく、座標、尺度、回転角度、画層、図面番号、改訂情報まで確認してください。

外部参照パス切れを防ぐには、案件フォルダの標準化、参照用ファイルの保存場所の固定、パス方式の統一、定期的な状態確認が有効です。図面を受け渡す際は、関連ファイルをまとめた別環境で開き、元の保存場所に依存せず表示できることを確認します。

現場でCAD図面を活用する場合には、外部参照が解決されているだけでなく、図面上の座標と実際の位置が整合していることも重要です。CADデータを整理したうえで、LRTK Phoneを活用した位置確認や現地計測へつなげることで、図面確認から現場作業までの情報連携を進めやすくなります。

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