LRTKレフィクシア株式会社

土木CADでトンネル非常口と設備配管を重ねない6つの配置確認

トンネルの非常口は、異常時に利用者や作業員が安全な空間へ移動するための重要な施設です。その周辺には、消火設備、給排水設備、換気設備、電気設備、通信設備などに関係する配管や支持部材が集中しやすく、土木CAD上でわずかな配置不整合があるだけでも、避難経路の狭窄、扉との干渉、施工不能、維持管理スペースの不足につながる可能性があります。 特に注意したいのは、平面図だけを見ると離れているように見える設備でも、断面方向や高さ方向では重なっている場合があることです。配管本体が非常口を避けていても、継手、弁、保温材、支持金具、点検用の操作空間まで含めると、必要な通行幅や扉の開閉範囲へ入り込むことがあります。 こうした問題を防ぐには、非常口を単なる開口として扱わず、人の移動、扉の動き、設備の施工、点検、更新まで含めた立体的な領域として土木CAD上で管理することが大切です。本記事では、トンネル非常口と設備配管を重ねないために確認したい6つの配置事項を、実務で使いやすい順序に沿って解説します。

トンネル非常口と設備配管が干渉する主な原因

トンネル非常口と設備配管の干渉は、単純な作図ミスだけで発生するものではありません。土木、構造、設備、電気、施工などの担当者が、それぞれ異なる時期に図面を更新することで生じる情報のずれも大きな原因になります。非常口の位置が構造図で変更されても、設備配管図が以前の位置を参照したままであれば、図面ごとには成立していても、統合した時点で干渉が判明します。 また、非常口の中心線や開口幅だけを基準に配管を避ける作図も危険です。実際の非常口には、扉枠、扉、取っ手、閉鎖機構、標識、照明、誘導設備、段差処理、排水処理などが付随します。避難連絡坑や安全な区画へ続く施設では、開口の奥側にも人が移動するための空間が必要です。開口線と配管中心線が交差していないからといって、配置上の問題がないとは限りません。 設備配管側にも見落としやすい要素があります。土木CADでは配管を一本の線で表現することがありますが、実際には外径があります。さらに、保温や防護を施す場合は仕上がり外形が大きくなり、継手、弁、フランジ、分岐部、ドレン、支持金具などが局部的に張り出します。配管中心線だけで離隔を判断すると、施工時になって非常口の枠や扉と接触することがあります。 図面間で基準がそろっていないことも干渉の原因です。測点、坑口からの距離、構造中心、道路中心、トンネル中心など、位置を表す基準が図面ごとに異なる場合があります。高さについても、標高、路面からの高さ、覆工内面からの離れなど、複数の基準が混在しやすい部分です。単位や縮尺、原点、座標系、高さ基準が一致していなければ、土木CAD上で図面を重ねても正しい照合にはなりません。 さらに、非常口付近は設備を迂回させる余地が限られます。トンネル断面内には車両や利用者に必要な空間、点検通路、排水施設、ケーブル収容部、照明、換気設備などが配置されます。非常口だけを避けようとして配管を移動すると、別の設備や構造物へ干渉することがあります。そのため、非常口周辺の確認では、対象となる配管だけでなく、周囲の構造物と設備を一体として扱う必要があります。

配置確認の前に基準図と座標条件をそろえる

配置確認を始める前に、どの図面を正として扱うかを決めます。非常口の位置は、一般平面図だけでなく、構造一般図、非常口詳細図、断面図、設備配置図などに記載されることがあります。同じ施設でも図面の作成時期や更新状況が異なるため、図面番号、改訂番号、作成日、承認状況を照合し、現時点で有効な情報を整理することが重要です。 基準図が決まったら、土木CADへ読み込む各図面の原点、座標系、方向、単位、縮尺を確認します。非常口の位置が測点で管理されている場合は、対応する線形上の位置を確定します。曲線区間では、測点が同じでも道路中心からの離れや断面方向の取り方によって配置が変わります。単純な直交断面として扱えるのか、線形に対して法線方向の断面を使うのかを統一しなければなりません。 高さ基準も早い段階でそろえます。配管高さが路面基準で示され、非常口が標高で管理されている場合、そのままでは正確に比較できません。計画路面高、施工基面、覆工内面、非常口床面などの関係を整理し、同じ高さ基準へ換算します。縦断勾配がある区間では、一定の路面高を全区間へ流用せず、非常口位置における値を使用することが必要です。 土木CAD上で外部図面を参照する場合は、読み込み位置を目視だけで合わせないようにします。共通する基準点、中心線、測点、構造端部などを使い、数値によって位置を照合します。挿入時に自動調整された縮尺や回転角が残っていると、局所的には一致して見えても、離れた場所でずれが拡大します。 図面の更新責任も明確にしておきます。構造担当が非常口を修正し、設備担当が配管を修正した場合、どちらの変更を統合図へ反映するかが曖昧だと、確認済みの状態を維持できません。基準図、参照図、確認用統合図の役割を分け、確認用統合図へ反映した日付や改訂番号を記録すると、古い図面による再確認を防ぎやすくなります。

配置確認1 非常口の有効範囲を面ではなく空間で確保する

最初の配置確認では、非常口の有効範囲を定義します。非常口を平面図上の開口線だけで表すのではなく、幅、高さ、奥行きを持つ空間として捉えることが重要です。この空間には、通行に必要な領域だけでなく、扉枠や付属設備、必要に応じた仕上げ、防護材なども含めます。 具体的な寸法や必要範囲は、道路や鉄道などの用途、トンネルの設計条件、施設管理者の基準、設計図書によって異なります。そのため、一律の数値を当てはめるのではなく、対象工事で適用される仕様と承認済み図面から必要寸法を確認します。土木CADでは、その寸法を非常口周辺の確認領域として作図し、設備配管が入り込んでいないかを判定します。 平面図では、非常口の開口幅に加えて、通路へ接続する前後の範囲を示します。扉を通過した直後に配管が張り出していると、開口部では幅が確保されていても、その先で避難動線が狭くなる可能性があります。非常口の手前、開口部、奥側を連続した空間として確認することが必要です。 横断図では、頭上と側方の空間を確認します。高い位置にある配管であっても、継手や支持金具が下方へ突出すれば、通行や機材搬入の妨げになることがあります。配管が壁側に寄っていても、壁面からの突出量によっては肩や携行品が接触する可能性があります。配管本体の位置だけでなく、完成時の最大突出範囲を使って判定します。 縦断方向では、非常口の前後に必要な移動空間を確保します。配管が非常口の中心位置から外れていても、斜めに立ち上がる区間や曲管部が前後の確認領域へ入る場合があります。平面図、縦断図、横断図の各方向から位置関係を確認し、配管や付属部材の占有空間が非常口の有効空間と立体的に交差していないことを判定します。投影図上で線が重なっていても高さ方向に必要な離隔が確保される場合があるため、各図の見かけだけでなく三次元的な位置と数値を照合することが重要です。 確認領域は、用途別に分けると管理しやすくなります。通行を妨げてはいけない領域、扉が動く領域、設備の設置を避ける領域、条件付きで配置できる領域を別のレイヤーや属性で表します。すべてを一つの線で囲むよりも、干渉した際に何が問題なのかを判断しやすくなります。

配置確認2 平面図と縦断図と横断図を同じ位置で照合する

二つ目の確認は、平面図、縦断図、横断図を同じ位置条件で照合することです。トンネル設備の配置では、平面図だけで十分な離れがあるように見えても、高さ方向では非常口の有効空間へ配管が入り込んでいることがあります。反対に、横断図で離れていても、縦断方向の立ち上がりや曲がりによって開口前へ張り出す場合があります。 まず、非常口中心または開口端の測点を決め、その測点に対応する横断図を作成します。既存の横断図が非常口位置と一致していない場合は、近接する横断図をそのまま代用せず、線形、断面形状、縦断勾配、設備位置を使って非常口位置の断面を作成します。曲線部や拡幅部では、短い距離でも壁面との離れが変わるためです。 平面図上では、配管中心線と非常口の位置関係を確認します。そのうえで、配管径や付属品を反映した外形を表示します。縦断図では、非常口床面、開口上端、配管下面、支持部材下面などを同じ高さ基準で比較します。横断図では、壁面、覆工、監査路や通路、非常口、配管、支持部材を重ね、横方向と高さ方向の離れを同時に確認します。 断面図には、断面を作成した位置を明記します。非常口中心断面、開口始端断面、開口終端断面、配管立ち上がり部断面など、干渉が発生しやすい位置を分けて確認すると効果的です。一つの代表断面だけでは、斜めに通る配管や幅のある非常口の端部を見落とす可能性があります。 配管がトンネル線形に沿って配置されている場合でも、非常口との関係が一定とは限りません。トンネル断面の変化、壁面の張り出し、非常駐車帯などの拡幅、避難施設の接続形状によって、局所的に有効空間が狭くなります。一定のオフセット値だけで全区間を判断せず、非常口ごとの断面条件を反映することが大切です。 立体表示を利用できる環境では、平面、縦断、横断の確認に加えて、非常口と配管を立体的に表示すると位置関係を把握しやすくなります。ただし、立体表示で接触していないように見えることだけを根拠にしてはいけません。表示精度や簡略化された形状の影響があるため、最終的には数値による離隔確認と各断面図での照合を行います。

配置確認3 配管の外径と付属品と支持部材を含めて判定する

三つ目の確認では、設備配管を中心線ではなく完成形状で評価します。設備設計の初期段階では、配管経路を一本の線で表すことがあります。この段階の線は系統と経路を検討するためには便利ですが、非常口との干渉判定には情報が不足しています。 配管については、呼び径だけでなく実際の外形を確認します。保温、防食、防護、被覆などがある場合は、その仕上がり寸法も考慮します。複数の配管を並べる場合は、配管間隔に加え、適用される施工条件や許容差を踏まえた全体幅を作図します。上下に重ねる場合も、各配管の外形と支持方法を反映し、最下部または最外側の位置で非常口の有効空間と比較します。 継手や弁などの付属品は、一般部より外側へ張り出すことがあります。弁には操作のための空間が必要となり、点検や交換の際に工具を使用する領域も考慮しなければなりません。非常口の脇に弁を配置すると、通常時には通行できても、操作時や点検時に避難動線をふさぐ可能性があります。 支持部材も重要な確認対象です。配管を避けていても、吊り材、ブラケット、架台、固定金具などが非常口上部や側方へ入り込むことがあります。土木CADの設備図では配管だけが表示され、支持部材は詳細図へ分離されている場合があるため、統合確認時に欠落しやすい要素です。 支持部材を配置する際は、取付先となる構造物も確認します。非常口周辺には補強部材、開口補強、止水部、目地、埋込部材などが設けられる場合があります。配管経路に問題がなくても、支持部材を固定できる位置がないと施工段階で配置変更が必要になります。後から支持位置を変えると、配管が非常口側へ移動する可能性があるため、固定条件まで含めて事前に検討します。 配管が非常口の上方を横断する計画では、漏水や結露、損傷時の影響も考える必要があります。対象設備の用途や管理条件によって判断は異なりますが、単に接触しないというだけで配置を確定せず、異常時に避難経路へ影響しないかを関係者間で確認します。必要に応じて経路変更や防護方法を検討し、その結果を図面へ反映します。 干渉確認用の形状には、配管本体、付属品、支持部材を識別できる情報を持たせます。すべてを同じ線種や色で表示すると、どの部分を移動すべきか分かりにくくなります。要素ごとにレイヤーを分け、表示の切り替えによって非常口との関係を確認できるようにすると、修正作業が効率化します。

配置確認4 扉の開閉範囲と避難動線を重ねて確認する

四つ目の確認は、扉の開閉範囲と避難動線です。非常口の開口と配管が直接重なっていなくても、扉を開いたときに配管や支持部材へ接触すれば、非常時に必要な開口を確保できないおそれがあります。扉は閉じた状態だけでなく、開放途中と最大開放時の位置まで作図する必要があります。 土木CADでは、扉の回転中心、扉幅、開く方向、最大開放位置を確認します。回転式の扉であれば、扉先端が描く範囲を平面上に表示します。引き戸など別の形式であれば、戸が移動する範囲や収納側の空間を示します。扉の形式や開閉条件は設計図書で確認し、想定だけで作図しないことが重要です。 扉の取っ手、操作装置、閉鎖機構などが配管と接触しないかも確認します。扉本体は通過できても、突出した付属品が配管へ当たることがあります。また、配管側の弁や計器が扉側へ突出している場合も同様です。双方の最大突出範囲を同じ図面上に表すことで、細かな干渉を発見しやすくなります。 避難動線は、非常口へ到達するまでの経路と、非常口を通過した後の経路に分けて確認します。経路の途中に配管の立ち上がり、床上の横断配管、支持架台などがあると、つまずきや通行幅不足につながる可能性があります。通常の巡回時に通行できることだけではなく、視界が悪い状況や複数人が移動する状況も考慮し、設計条件に適合する空間を確保します。 床面付近では、排水配管や側溝との関係にも注意します。非常口の手前に段差や開口が生じる場合は、通行条件や排水条件の両方を検討します。配管を避けるために床面を局所的に高くすると、非常口との間に段差ができることがあります。反対に、床面を下げると排水の流れや浸水時の影響が変わる可能性があります。 避難経路に必要な幅や高さは、対象施設の基準と設計条件に基づいて確認します。土木CAD上で確保できているように見えても、施工時の寸法差、仕上げ厚、取付金具などによって完成時の寸法が変わることがあります。適用基準で求められる完成寸法を満たせるよう、設計図書で定められた許容差や施工条件を踏まえて確認します。

配置確認5 施工と点検と更新に必要な作業空間を確保する

五つ目の確認では、完成後の見た目だけでなく、施工、点検、更新に必要な空間を検討します。非常口と配管が完成状態で接触していなくても、配管を取り付ける作業ができなければ、その配置は成立しません。長尺材の搬入、継手の接続、溶接や締結、支持部材の固定、保温施工などに必要な動きを確認します。 配管を非常口近くで曲げる場合は、材料の寸法や接続方法を踏まえ、現地で組み立てられるかを検討します。図面上では短い曲管を連続させて避けられても、工具を入れる空間が不足したり、接続順序が成立しなかったりすることがあります。施工時だけ非常口を一時的にふさぐ計画になる場合は、工程や安全管理上の条件について関係者との調整が必要です。 点検空間については、目視できることだけでなく、対象部へ近づき、必要な姿勢で作業できるかを確認します。弁を操作する、計器を読む、継手を増し締めする、保温材を外すといった作業には一定の空間が必要です。非常口を点検足場の代わりに使うような配置や、点検者が避難動線へ立たなければ作業できない配置は、維持管理段階で問題になる可能性があります。 更新作業では、配管や付属品を取り外す方向も確認します。弁や計器を正面方向へ引き抜く構造であれば、その先に非常口の扉や枠があると交換できません。配管を分割して搬出できるか、周囲の設備を外さずに更新できるか、非常口の機能を長時間停止させないで作業できるかを検討します。 土木CAD上では、設備ごとに保守作業領域を設定すると確認しやすくなります。設備本体の外形とは別に、点検時に人や工具が入る領域、部品を引き抜く領域、搬出入に使う領域を作図します。これらは完成物ではないため通常の印刷図面では非表示にできますが、干渉確認図では表示し、非常口の通行領域と重なっていないかを確認します。 一時的な重なりを許容できるかどうかは、設備の用途、点検頻度、非常口の運用条件などによって異なります。作図担当者だけで判断せず、施設管理者、設備担当者、安全管理担当者などと確認し、合意した条件を記録します。判断結果を注記や属性情報として残すことで、後の担当者が意図を理解しやすくなります。

配置確認6 設計変更と現地差分を配置図へ確実に反映する

六つ目の確認は、設計変更と現地差分の反映です。非常口と設備配管の干渉は、当初設計では解消されていても、施工段階の変更によって再発することがあります。構造寸法の変更、機器位置の調整、配管径の変更、支持方法の変更などが行われた場合は、非常口周辺の確認をやり直す必要があります。 変更箇所だけを部分的に修正すると、関連図面との不整合が残りやすくなります。配管経路を変更した場合は、平面図だけでなく、縦断図、横断図、系統図、支持部材図、非常口詳細図への影響を確認します。非常口の位置を変更した場合も、配管だけでなく、照明、標識、排水、ケーブル収容部など周辺設備との関係を再確認します。 変更管理では、修正前と修正後を比較できる状態にします。削除した線と追加した線を一時的に分けて表示し、移動方向と移動量を確認します。図面を上書きするだけでは、どの変更が干渉確認へ影響したのか追跡しにくくなります。改訂番号、変更日、変更理由、確認者を図面または管理記録へ残すことが有効です。 現地施工では、設計図どおりに配置できない場合があります。覆工面の不陸、埋込部材の位置差、既設設備、施工上の納まりなどにより、配管や支持部材が調整されるためです。現場で位置を変更した場合は、口頭連絡だけで終わらせず、測定結果や記録写真を使って土木CAD図面へ反映します。 完成時には、非常口と配管の実際の位置関係を確認します。設計時の干渉確認図と現地測定結果を比較し、非常口の有効空間、扉の開閉、避難動線、設備の点検空間が確保されているかを確認します。差分がある場合は、そのまま完成図へ転記するだけでなく、機能上の問題がないことを確認したうえで記録します。 変更後の図面を共有するときは、古い版が施工や点検に使われないように管理します。ファイル名だけで版を区別すると、複製や名称変更によって判別できなくなることがあります。図面内にも改訂情報を記載し、確認対象となった図面の組み合わせを記録しておくと、後から確認経緯を追跡しやすくなります。

土木CADで干渉を見つけやすくする作図方法

土木CADで非常口と設備配管を確認するときは、構造物と設備を整理して表示することが重要です。非常口、扉、避難動線、配管、付属品、支持部材、保守空間を別々のレイヤーに分けます。用途が異なる情報を一つのレイヤーへまとめると、表示を切り替えた際に必要な線まで消えたり、重なりの原因を特定しにくくなったりします。 レイヤー名には、対象設備、位置、用途、状態が分かる規則を設けます。設計形状、確認領域、既設、計画、撤去、施工後などを識別できるようにすると、複数時点の図面を比較しやすくなります。ただし、担当者ごとに独自の名称を付けると統合時に混乱するため、プロジェクト内で命名規則を統一します。 干渉確認用の図面では、非常口の有効空間を閉じた領域として作図します。配管側も中心線だけでなく外形を持たせ、領域同士の重なりを確認します。自動的な干渉判定機能を使える場合でも、形状が正しく入力されていなければ結果は信頼できません。判定前に配管径、付属品寸法、支持部材形状、非常口の確認範囲が最新であることを確認します。 色分けは画面上の確認に役立ちますが、色だけに依存しないことも大切です。印刷や閲覧環境によって色の見え方が変わるため、線種、線幅、ハッチング、注記なども併用します。干渉箇所には識別番号を付け、対象、問題内容、対応者、期限、修正状況を管理すると、確認漏れを防ぎやすくなります。 図面内の数値は、手入力した文字ではなく、可能な範囲で形状から計測した値と照合します。線を移動しても寸法文字が更新されない作図方法では、図形と記載値が食い違うおそれがあります。重要な離隔寸法は、修正後に再計測し、平面、縦断、横断の間で整合しているかを確認します。 確認用表示と提出用表示を分けることも有効です。確認用表示には避難動線、扉の動作範囲、保守空間、干渉箇所などを詳しく示し、提出用表示には必要な完成形状と寸法を整理して示します。提出図を簡潔にするために確認情報を削除した場合でも、確認時の図面や記録は保存し、判断の根拠を追跡できるようにします。

配置確認を関係者間で統一するための運用

非常口周辺の配置確認は、作図担当者だけで完結させないことが重要です。構造担当者は開口や補強条件を把握し、設備担当者は配管と付属品の条件を把握しています。施工担当者は取付順序や現場で必要な作業空間を判断し、維持管理担当者は点検や更新の実態を把握しています。それぞれの情報を統合しなければ、図面上の接触だけを解消した配置になりかねません。 確認手順は、担当者によって変わらないように標準化します。最初に基準図と改訂番号を確認し、次に非常口の有効空間を表示し、配管外形と付属品を重ね、扉と避難動線を確認し、最後に施工・保守空間を確認するというように順序を定めます。順序が統一されていれば、途中で担当者が交代しても同じ観点で確認できます。 確認結果は、問題の有無だけで記録しないようにします。どの位置を、どの図面と照合し、何を基準に問題なしと判断したのかを残します。例えば、配管本体には干渉がなくても、支持部材が未確定であれば、確認完了ではなく条件付きの状態として管理する必要があります。 複数の非常口がある場合は、代表箇所だけで済ませず、各箇所を個別に確認します。同じ標準断面を使っていても、線形、縦断勾配、接続部の形状、設備経路、既設物の位置が異なるためです。非常口ごとに識別番号を付け、確認した図面、断面位置、未解決事項をひも付けると管理しやすくなります。 調整会議では、画面上で図面を拡大して見るだけでなく、平面、縦断、横断を同時に比較できる資料を用意します。干渉箇所については、どの設備をどの方向へ移動できるか、移動によって別の設備へ影響しないかを確認します。単に配管を非常口から離すだけでなく、支持条件、勾配、排水、施工性、点検性を含めて判断します。 確認済みの図面を修正する場合は、影響範囲に応じて再確認を行います。わずかな移動でも、非常口周辺では扉や避難動線との関係が変わることがあります。変更量だけで再確認の要否を決めず、確認領域へ影響するかどうかで判断する運用が必要です。

現地計測データを土木CADへ取り込む際の注意点

既設トンネルの改修や設備更新では、完成図と現況が一致しているとは限りません。過去の補修、設備更新、支持部材の追加などにより、非常口周辺の状況が変化していることがあります。そのため、既存図面だけで新しい配管を配置せず、現地調査によって非常口、扉、既設配管、支持部材、壁面などの位置を確認することが大切です。 現地計測では、何を基準に測ったかを明確にします。非常口の開口端、床面、壁面、トンネル中心、既知の基準点など、土木CAD上で再現できる基準を選びます。個々の離隔寸法だけを記録すると、図面へ配置する際に全体の位置関係を復元できない場合があります。可能であれば、共通の座標と高さ基準に結び付けて記録します。 写真を使う場合は、撮影方向と対象位置が分かるように管理します。近接写真だけでは、どの非常口のどちら側を撮影したのか判断できないことがあります。非常口番号、撮影位置、方向、日時を記録し、土木CAD上の対象位置と対応させます。写真は状態確認には有効ですが、遠近によって寸法が変わって見えるため、配置判定に必要な寸法は測定値で補います。 点群などの三次元計測データを利用する場合は、座標変換と位置合わせの精度を確認します。見た目だけで既存図へ合わせると、全体がわずかに回転したり高さがずれたりすることがあります。複数の基準点で水平位置と高さを照合し、非常口周辺で求められる精度が得られているかを確認してから配管計画へ使用します。 現地計測データには、取得できていない部分が含まれることがあります。配管の背面、天井付近、扉の裏側などは死角になりやすいため、データがない部分を空いている空間と判断してはいけません。欠測範囲を明示し、必要に応じて追加計測や既存図面との照合を行います。 現場で手軽に位置情報や三次元データを取得できる機器を利用する場合も、衛星測位の可否や測定条件を確認する必要があります。一般にトンネル内部では衛星信号を直接受信できないか、安定した衛星測位が難しいため、坑外の基準点との接続、既知点からの測量、トータルステーションなど現場条件に適した方法との組み合わせを検討します。測定値を土木CADへ取り込む際は、座標系、高さ基準、単位、方向が設計図と一致していることを確認します。

まとめ

土木CADでトンネル非常口と設備配管の重なりを防ぐには、開口線と配管中心線だけを比較する方法では不十分です。非常口は、開口、扉、避難動線、通過空間を含む立体的な領域として扱い、配管は、外径、被覆、継手、弁、支持部材まで含めた完成形状として確認する必要があります。 実務では、最初に基準図、座標、測点、高さ基準を統一します。そのうえで、非常口の有効範囲を空間として設定し、平面図、縦断図、横断図を同じ位置で照合します。さらに、扉の開閉範囲、避難動線、施工空間、点検空間、更新時の搬出入まで確認することで、施工段階や維持管理段階の問題を減らしやすくなります。 特に重要なのは、一度干渉を解消した状態を変更後も維持することです。構造寸法、配管径、支持方法、現地納まりなどが変わった場合は、関連する図面を更新し、非常口周辺の配置を再確認します。変更理由や確認結果を記録しておけば、古い図面の使用や確認済み条件の見落としを防げます。 既設トンネルでは、図面情報だけに頼らず、現地の非常口、扉、配管、支持部材、壁面を計測して現況図を整えることも大切です。取得した座標や三次元データを土木CADへ正しく重ねれば、現場と図面の差を早い段階で把握し、施工前に配管経路を調整しやすくなります。 現地確認から土木CADへの反映を効率化したい場合は、適用できる計測方法と必要精度を確認したうえで、LRTK Phoneによる位置計測や三次元情報の取得を選択肢として検討できます。ただし、トンネル内部ではGNSSによる測位が難しいため、坑外の基準点との接続や坑内で利用できる別の測量方法との組み合わせが必要になる場合があります。使用する計測方法の精度と座標基準を確認し、非常口周辺の現況把握、設計図との比較、変更箇所の記録へ活用することが重要です。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

LRTK Phoneの使い方・実例を見る
資料請求導入相談
現場をスマホで3DスキャンLRTK Phone実例を見る