LRTKレフィクシア株式会社

AR土木で現場是正後の再確認を効率化する5つの流れ

AR土木が現場是正後の再確認で注目される理由

土木現場では、施工中の確認、検査前の自主点検、発注者や監督員からの指摘、社内品質パトロールなどを通じて、さまざまな是正事項が発生します。是正そのものは現場品質を高めるために欠かせない業務ですが、実務担当者にとって負担になりやすいのは、是正後の再確認です。指摘された箇所が本当に直っているのか、図面や管理基準に対して問題がないのか、写真や記録として残せているのか、関係者へ正しく共有できているのかを確認しなければなりません。

従来の再確認では、紙図面、写真、チェックリスト、測量結果、口頭指示、メールや報告書が別々に管理されることが多くあります。そのため、現場で該当箇所を探すだけでも時間がかかり、似たような構造物や延長の長い施工範囲では、確認対象を取り違えるリスクもあります。さらに、是正前の指摘内容と是正後の状態を照合するために、事務所へ戻って資料を見直したり、関係者に確認し直したりする作業が発生することもあります。

そこで活用が検討されているのが、AR土木です。本記事でいうAR土木とは、現実の現場風景に対して、設計情報、施工位置、出来形確認の目安、指摘事項、確認ポイントなどのデジタル情報を重ねて表示し、現場判断や記録作業を支援する考え方です。スマートフォン、タブレット、ヘッドマウント型端末などを使い、実際の地形や構造物を見ながら必要な情報を確認できるため、再確認業務でも活用しやすい場面があります。

特に是正後の再確認では、どこを、何の基準で、どの状態まで直すべきだったのかを現地で素早く把握することが重要です。AR表示を使うことで、指摘位置や設計ライン、確認すべき寸法、前回写真の撮影方向などを現場映像上で確認しやすくなります。担当者の経験や記憶だけに頼らず、見落とし、取り違え、再指摘、報告遅れといったムダを減らす補助として役立ちます。

また、建設業界では人手不足や働き方の見直しが進み、現場管理者には限られた時間で品質、安全、工程、原価を同時に管理する力が求められています。再確認業務は品質確保のために省けない一方で、やり方を整えれば効率化の余地がある業務です。AR土木を導入する目的は、単に新しい技術を使うことではありません。現場で迷う時間を減らし、確認精度を高め、記録と共有までを一連の流れにすることにあります。

この記事では、AR土木で現場是正後の再確認を効率化するための5つの流れを、実務担当者が現場で使う場面を想定して解説します。対象は、道路、橋梁、造成、河川、上下水道、擁壁、法面、埋設物、外構など、幅広い土木工事です。大規模な現場だけでなく、小規模な補修工事や維持管理の現場でも、考え方を応用できる場合があります。

是正前の指摘内容を現場座標とひも付けて整理する

AR土木による再確認を効率化する第一の流れは、是正前の指摘内容を現場の位置情報とひも付けて整理することです。再確認で時間がかかる原因の多くは、是正箇所そのものを探す作業にあります。指摘票には、擁壁天端付近、舗装端部、排水構造物周辺などと書かれていても、現地では似たような箇所が複数あり、どこを指しているのかすぐに分からないことがあります。延長の長い道路工事や造成工事では、数十メートル単位のずれでも確認対象を誤る可能性があります。

そのため、是正指摘が発生した時点で、指摘内容を位置とセットで登録しておくことが重要です。位置の登録方法は、現場条件や精度要求によって異なります。大まかな確認でよい場合は端末の位置情報を使い、より正確な管理が必要な場合は測量座標や施工管理用の基準点と関連付けます。構造物の部位で管理する場合は、測点、スパン、ブロック番号、構造物番号、階層、面、方向などの情報を組み合わせると、後から探しやすくなります。

ここで大切なのは、位置情報だけを登録するのではなく、指摘の背景も残すことです。例えば、出来形寸法の不足なのか、仕上がり面の不陸なのか、鉄筋やアンカーの位置ずれなのか、排水勾配の不良なのか、周辺の清掃不足なのかによって、再確認時に見るべきポイントは変わります。AR上で表示する情報も、単なるピンだけでは不十分です。指摘内容、是正指示、確認基準、是正期限、担当者、関連写真、参照図面をまとめて見られる状態にしておくことで、現場での判断が速くなります。

是正前の写真も重要です。写真は、再確認時にどの状態からどのように改善されたかを判断するための比較資料になります。ただし、写真だけでは撮影位置や方向が分かりにくいことがあります。AR土木を活用する場合は、写真の撮影位置、撮影方向、対象物との距離、関連する測点や部位を記録しておくと、再確認時に同じ向きから撮影しやすくなります。是正前後の写真が近い条件でそろっていれば、報告書作成や発注者説明も進めやすくなります。

また、是正事項を登録する段階で、優先度を分けておくことも有効です。安全に関わるもの、次工程に進む前に必ず解消すべきもの、出来形や品質に直結するもの、検査書類に影響するものは、再確認の優先順位を高くする必要があります。一方で、軽微な清掃や表示の修正などは、他の確認と合わせて処理できる場合があります。AR上で優先度が分かるようにしておけば、現場巡回の順番を組み立てやすくなり、確認漏れの防止にもつながります。

この段階での整理が不十分だと、ARを使っても効果は限定的です。現場に重ねる情報があいまいであれば、結局は担当者が紙資料や過去のやり取りを探すことになります。逆に、是正前の指摘を位置、内容、写真、基準、担当者とひも付けておけば、再確認時には端末上で必要な情報にたどり着きやすくなります。AR土木の効率化は、再確認の当日ではなく、指摘を受けた時点から始まっていると考えることが大切です。

是正箇所をAR表示で現地確認し手戻りを減らす

第二の流れは、整理した是正箇所をAR表示で現地確認し、手戻りを減らすことです。再確認の現場では、担当者が現地に移動し、該当箇所を見つけ、是正内容を確認し、基準と照合し、問題がなければ記録するという流れになります。この一連の作業のうち、該当箇所の特定と確認基準の把握に時間がかかるほど、現場巡回の効率は落ちます。

AR土木を使うと、端末の画面上に是正箇所の位置や方向を示しながら現場を歩けます。例えば、施工範囲内に複数の是正ポイントがある場合、画面上に指摘位置が表示されるため、担当者は順番に確認対象へ近づくことができます。測点や構造物番号だけで探すよりも直感的に把握しやすく、現地に不慣れな担当者や応援者でも確認に入りやすくなります。

是正箇所に近づいた後は、AR表示で設計ライン、計画高さ、仕上がり範囲、境界位置、埋設物の想定位置、出来形の許容範囲などを確認します。ただし、AR表示だけで正式な測量、出来形管理、品質判定、検査確認を代替できるわけではありません。必要な精度が求められる場面では、従来どおり測量機器や検測器具、適用される管理基準による確認が必要です。AR表示は、どこを見るべきか、どの方向にずれている可能性があるか、どの範囲を測るべきかを把握する補助として使うのが現実的です。

例えば、側溝の通りや舗装端部の仕上がりを再確認する場合、AR上に計画線や管理ラインを表示できれば、目視確認の段階で違和感をつかみやすくなります。法面や造成面の確認では、計画面との関係を画面上で確認することで、どのあたりを重点的に測るべきか判断しやすくなります。構造物の開口部や据付位置の確認では、設計上の中心線や基準位置を重ねることで、取り違えや見落としを防ぐ手掛かりになります。

再確認の効率化で特に重要なのは、是正後に再び不備が見つかる回数を減らすことです。是正したつもりでも、指摘の意図を誤解していたり、周辺範囲まで直す必要があったり、別の基準を見落としていたりすると、再度の手直しが発生します。AR上で指摘内容と確認基準を同時に見られるようにしておけば、現場担当者と作業者が同じ情報を見ながら確認でき、認識違いを減らしやすくなります。

また、AR表示は複数人での現場確認にも向いています。監督者、職長、品質担当者、測量担当者が同じ箇所を見ながら、画面上の指摘情報を共有すれば、ここまで直せばよいのか、この範囲も対象かといった判断をその場で合わせやすくなります。口頭だけの説明では伝わりにくい位置や範囲も、現場映像に重ねて表示されることで理解しやすくなります。結果として、再確認後の追加説明や確認戻りを減らすことにつながります。

ただし、AR表示を過信しない姿勢も必要です。屋外では日射、雨、粉じん、端末の視認性、通信環境、位置情報の誤差などが影響します。地下構造物や高架下、山間部、狭い掘削部では、表示が安定しないこともあります。そのため、ARは確認作業を支援する道具として使い、最終判断は現場の実測、施工基準、品質管理基準、監督者の確認と組み合わせることが大切です。AR土木の価値は、人の判断を置き換えることではなく、人が正しく判断するための情報を現場に届けることにあります。

写真・計測・コメントを同じ流れで記録する

第三の流れは、再確認時の写真、計測結果、コメントを同じ流れで記録することです。是正後の再確認では、現場で問題が解消されたことを確認するだけでなく、その証跡を残す必要があります。記録が不十分だと、後からいつ、誰が、どの基準で確認したのかが分からなくなり、再説明や再撮影が発生します。特に検査前や引き渡し前の時期は業務が集中するため、記録の抜けや写真不足が大きな負担になります。

従来は、現場で写真を撮り、野帳やチェックシートにメモを残し、事務所に戻って写真を整理し、ファイル名を変更し、帳票に貼り付けるという流れが一般的でした。この方法では、写真と指摘事項の対応関係が分かりにくくなったり、同じような写真が多くて選別に時間がかかったりします。また、撮影時に必要な黒板情報やコメントが不足していると、後から現場に戻って撮り直すこともあります。

AR土木を再確認に活用する場合は、是正箇所を表示した画面から、そのまま写真撮影、計測値入力、コメント登録へ進める運用が効果的です。指摘事項にひも付いた状態で記録すれば、写真がどの是正箇所のものか整理しやすくなります。測点、構造物名、指摘番号、撮影日時、担当者、確認結果などが同じデータとして残るため、後工程の整理作業を減らしやすくなります。

写真撮影では、是正前と是正後の比較がしやすい構図を意識することが大切です。AR表示を使って前回の撮影位置や方向を確認できれば、近い角度から是正後写真を撮影しやすくなります。これにより、報告書を見る側も改善内容を理解しやすくなります。現場写真は単に枚数を残せばよいものではありません。何を確認した写真なのか、どの不備が解消されたことを示す写真なのかが分かることが重要です。

計測結果も同じ流れで記録すると効果的です。例えば、出来形寸法、延長、幅員、高さ、勾配、かぶり、離隔、通り、水平、鉛直などの確認値を、是正箇所に直接ひも付けて登録します。AR上で確認対象を見ながら入力できれば、別の箇所の数値と混同しにくくなります。さらに、許容範囲や管理基準をあらかじめ設定しておけば、入力時点で基準内かどうかを確認しやすくなります。これにより、事務所に戻ってから数値の不整合に気づくリスクを減らせます。

コメント欄には、単に是正済みと書くだけでなく、どのように是正したのか、どの範囲を確認したのか、残る注意点はあるのかを簡潔に残すとよいです。例えば、表面補修を実施した、再転圧後に高さを確認した、排水方向を再調整した、周辺清掃まで完了した、といった記録があると、後から経緯を追いやすくなります。特に複数の担当者が関わる現場では、コメントの質が引き継ぎの質に直結します。

記録の効率化では、入力項目を増やしすぎないことも大切です。便利だからといって項目を細かくしすぎると、現場担当者の入力負担が増え、運用が続かなくなります。再確認に必要な最低限の情報を標準化し、自由記述は補足として使う程度にすると、現場で使いやすくなります。例えば、確認結果、是正後写真、主要な計測値、コメント、確認者、確認日時がそろっていれば、多くの場面で基本的な証跡として活用できます。

AR土木の強みは、現場を見る、確認する、記録する、共有するという流れを分断しにくいことです。再確認のたびに別々のアプリケーションや紙資料を行き来するのではなく、是正箇所を起点にすべての情報をまとめることで、記録漏れと整理作業を減らせます。結果として、品質管理の信頼性を高めながら、担当者の事務作業時間を抑えやすくなります。

監督者・協力会社・発注者との確認共有を円滑にする

第四の流れは、再確認結果を関係者へ分かりやすく共有することです。是正後の再確認は、現場担当者だけで完結する業務ではありません。監督者、協力会社、作業班、品質管理担当、発注者、設計担当、維持管理担当など、複数の関係者が状況を把握する必要があります。特に是正内容が工程や検査に影響する場合、確認結果の共有が遅れると次の作業に進めなかったり、関係者の判断が止まったりします。

従来の共有では、写真を選び、説明文を付け、資料にまとめ、メールや共有フォルダで送る流れが多くあります。この方法は確実ではありますが、時間がかかりやすく、現場の状況が伝わりにくいこともあります。写真だけでは位置関係が分からず、図面だけでは実際の仕上がりが分からないため、受け手が追加確認を求めることがあります。結果として、再確認したにもかかわらず、説明のためのやり取りが続くことになります。

AR土木を活用すると、是正箇所ごとに、位置、指摘内容、是正後写真、計測値、コメント、確認ステータスをまとめて共有しやすくなります。関係者は、どの箇所が未対応で、どの箇所が是正済みで、どの箇所が再確認待ちなのかを一覧で把握できます。さらに、現場位置とひも付いているため、共有された情報を見た人が、対象箇所を具体的にイメージしやすくなります。

協力会社との共有では、作業指示と再確認結果のずれを減らす効果が期待できます。例えば、作業前にAR上で是正対象範囲を確認し、作業後に同じ箇所へ写真とコメントを登録する流れにすれば、作業者と管理者の認識がそろいやすくなります。是正の範囲があいまいな場合でも、現場映像上で確認しながら指示できるため、口頭説明だけに比べて伝達ミスを減らす助けになります。

監督者との共有では、判断に必要な情報をまとめて提示できる点が重要です。監督者は、現場の細部を常に見ているとは限りません。そのため、再確認結果を報告する際には、単に完了しましたと伝えるだけでなく、どの指摘に対して、どのように是正し、どの基準で確認したのかが分かる資料が必要です。AR土木で記録された位置情報付きの写真や計測値は、説明の根拠として使いやすくなります。

発注者や外部関係者への説明でも、AR土木の記録は有効です。土木工事では、完成後に見えなくなる部分や、後工程で覆われる部分が多くあります。是正した箇所が後で見えなくなる場合、是正後の状態を適切に記録しておくことは重要です。位置情報、時系列、写真、確認者、計測値が整理されていれば、後日問い合わせがあった場合にも説明しやすくなります。

共有を円滑にするためには、確認ステータスのルールを決めておくことも欠かせません。未対応、対応中、是正完了、再確認済み、承認済み、差し戻しなど、現場に合ったステータスを設定し、誰がどの段階で更新するのかを明確にします。ステータスの意味が人によって違うと、共有しているつもりでも誤解が生まれます。例えば、作業者にとっての是正完了は作業が終わった状態を指し、管理者にとっての完了は再確認まで終わった状態を指す場合があります。この違いを放置すると、検査前に未確認箇所が残る原因になります。

AR土木の共有機能を使う場合でも、すべての関係者が同じ頻度で端末を確認するとは限りません。そのため、重要な是正事項については、現場打合せ、朝礼、工程会議、検査前会議などの既存の場と組み合わせて運用することが現実的です。AR上の情報を共通資料として使い、会議では未完了箇所や判断が必要な箇所に集中することで、打合せ時間も短縮しやすくなります。

再確認データを次の施工管理と品質改善に活用する

第五の流れは、再確認で得られたデータを次の施工管理と品質改善に活用することです。是正後の再確認は、目の前の不備を直して終わりではありません。どの工程で、どのような不具合が、どの程度の頻度で発生し、どのように是正されたのかを蓄積すれば、現場全体の品質改善に役立ちます。AR土木は、現場位置と是正履歴を結びつけて残せるため、再発防止の分析にも使いやすい方法の一つです。

例えば、同じ施工範囲で繰り返し高さの修正が発生している場合、測量の基準、丁張り、施工手順、使用機械、作業班の理解、材料の状態などに原因があるかもしれません。同じ構造物の同じ部位で仕上がり不良が多い場合、施工方法や確認タイミングを見直す必要があります。是正履歴が紙や個別写真に散らばっていると、こうした傾向を把握するのに時間がかかりますが、AR土木で位置と内容が整理されていれば、原因分析に取り組みやすくなります。

再確認データは、次工程への引き継ぎにも活用できます。土木工事では、前工程のわずかな不備が後工程で大きな手戻りにつながることがあります。例えば、基礎や下地の段階での是正履歴を後工程の担当者が把握していれば、重点的に確認すべき箇所が分かります。埋設物や不可視部分の是正記録が残っていれば、舗装や構造物完成後の維持管理にも役立ちます。

品質管理の観点では、再確認データを検査準備に使うこともできます。検査前には、是正指摘がすべて完了しているか、写真と計測値がそろっているか、未承認の事項が残っていないかを確認する必要があります。AR土木で是正事項がステータス管理されていれば、検査前の確認リストとして活用できます。未確認箇所だけを抽出し、現場で順番に確認すれば、検査直前の慌ただしさを軽減できます。

また、社内教育にも活用できます。若手技術者にとって、是正事項は現場品質を学ぶ教材になります。なぜ指摘されたのか、どの基準に合っていなかったのか、どのように直したのか、再確認では何を見たのかを、現場位置と写真付きで学べれば、図面や文章だけの教育より理解しやすくなります。AR土木を使えば、過去の是正事例を現場上で確認しながら説明できるため、実践的な教育資料として使いやすくなります。

再確認データを活用する際には、現場ごとの表現をできるだけ標準化することが大切です。指摘内容の名称、確認項目、ステータス、写真の撮り方、計測値の入力方法がばらばらだと、後から集計や比較が難しくなります。最初から完璧な分類を作る必要はありませんが、よく発生する是正内容については、選択式の分類や定型コメントを用意しておくと、データとして扱いやすくなります。

ただし、データ活用を目的にしすぎて現場負担を増やしてはいけません。現場担当者が入力に時間を取られすぎると、AR土木そのものが面倒な仕組みとして受け止められてしまいます。まずは、再確認に必要な情報を確実に残すことを優先し、蓄積されたデータを少しずつ改善活動に使うのが現実的です。月次の品質会議、工種ごとの振り返り、次現場への申し送りなど、既存の業務に自然に組み込むことが定着の近道です。

AR土木による再確認データは、単なる記録ではなく、現場の判断を次に生かす資産です。是正箇所がどこにあり、何が問題で、どう直し、誰が確認したのかが残っていれば、同じ失敗を繰り返しにくくなります。再確認を効率化するだけでなく、現場全体の品質を底上げする視点を持つことで、AR土木の導入効果をより具体的に把握しやすくなります。

AR土木を現場に定着させるための運用ポイント

AR土木で現場是正後の再確認を効率化するには、技術そのものだけでなく運用設計が重要です。どれほど便利な仕組みでも、現場の流れに合っていなければ使われなくなります。特に土木現場では、天候、作業環境、通信状況、工程変更、協力会社の入れ替わりなど、机上の想定どおりに進まない要素が多くあります。そのため、AR土木を導入する際には、現場担当者が無理なく使える形に落とし込む必要があります。

まず考えるべきことは、再確認業務のどこにARを使うのかを明確にすることです。すべての確認をAR化しようとすると、準備や入力の負担が大きくなります。最初は、是正箇所の特定に時間がかかる工種、指摘件数が多い工程、写真整理に手間がかかる業務、再指摘が多い項目など、効果を確認しやすい部分から始めるのが現実的です。例えば、長い延長を持つ道路工事、複数の構造物が並ぶ造成工事、不可視部分が多い埋設工事などでは、位置情報と記録を結びつけるメリットを実感しやすい場合があります。

次に、入力ルールを簡単にすることが大切です。是正指摘を登録する人、再確認する人、承認する人が異なる場合でも、迷わず同じ形式で記録できるようにします。確認項目を増やしすぎず、必須項目と任意項目を分けると運用しやすくなります。必須項目には、位置、指摘内容、是正後写真、確認結果、確認者、確認日などを設定し、必要に応じて計測値やコメントを追加する形が考えられます。

現場での端末運用も重要です。土木現場では、手袋をしたまま操作する場面、雨天や強い日差しの中で確認する場面、泥や粉じんが多い環境で使う場面があります。端末の持ち運び方法、落下防止、充電、通信圏外時の扱い、画面の見やすさ、写真撮影時の安全確保などを事前に決めておく必要があります。AR表示に集中しすぎて周囲の重機、人、段差、開口部への注意が薄れないよう、安全面のルールも欠かせません。

また、測量データや設計データの更新管理も見落とせません。AR表示に使うデータが古いままだと、現場判断を誤る原因になります。設計変更、施工変更、協議結果、現場条件の変更があった場合、どのタイミングでAR用データを更新するのか、誰が確認するのかを決めておく必要があります。特に是正後の再確認では、最新の基準や変更内容に対して確認することが重要です。古い図面や古い指示に基づいて再確認すると、再び手戻りが発生します。

協力会社への説明も定着には不可欠です。管理者だけがAR土木を使っていても、作業者が是正内容を理解できなければ効果は限定的です。朝礼や作業前打合せでAR画面を使って是正対象を共有したり、作業後の報告方法を簡単に説明したりすることで、現場全体の共通認識を作れます。操作を難しく感じる人がいる場合は、最初からすべての機能を使わせるのではなく、写真確認、位置確認、ステータス確認など、役割に応じた使い方に絞るとよいです。

運用開始後は、現場担当者からの意見を拾いながら改善することも大切です。登録項目が多すぎる、表示が見づらい、現場で通信が不安定、写真の整理は楽になったが入力に時間がかかる、などの声は、運用改善のヒントになります。AR土木は導入して終わりではなく、現場に合わせて育てる仕組みです。小さな改善を繰り返すことで、再確認業務に自然に組み込まれていきます。

さらに、AR土木の活用成果を見える化すると、定着しやすくなります。是正箇所を探す時間が短くなった、再撮影が減った、検査前の未確認箇所が把握しやすくなった、報告書作成の手間が減った、協力会社との認識違いが減ったなど、現場が実感できる効果を共有します。現場担当者が便利さを感じれば、単なる上からの指示ではなく、自分たちの業務を楽にする仕組みとして受け入れられます。

AR土木を定着させるうえで重要なのは、既存の施工管理を否定しないことです。紙図面、測量、写真管理、品質記録、打合せといった従来業務には、それぞれ現場で培われた意味があります。AR土木はそれらを置き換えるだけのものではなく、現場で必要な情報に早くたどり着き、確認と記録をつなげるための補助線です。現場の実態に合わせて段階的に取り入れることで、無理なく効果を出しやすくなります。

まとめ:再確認業務を速く正確に進めるなら現場端末の活用から

AR土木は、現場是正後の再確認を効率化するうえで有力な選択肢の一つです。是正前の指摘内容を位置情報とひも付け、AR表示で該当箇所を素早く見つけ、設計情報や確認基準を現場上で確認し、写真や計測値をその場で記録し、関係者へ共有する。この一連の流れが整えば、再確認にかかる時間を短縮しながら、確認漏れや認識違いを減らしやすくなります。

現場是正後の再確認で重要なのは、単に直したかどうかを見ることではありません。どこを、なぜ、どの基準で直し、誰が確認し、どのような証跡を残したのかまでを管理することです。AR土木を活用すれば、これらの情報を現場位置と結びつけて扱えるため、担当者の記憶や個別資料に依存しにくくなります。現場で必要な情報がすぐに見える状態になれば、判断が速くなり、説明もしやすくなります。

もちろん、AR土木を導入すればすべての課題が自動的に解決するわけではありません。位置精度、通信環境、端末の使いやすさ、データ更新、運用ルール、安全面への配慮など、現場ごとに検討すべき点があります。特に、正式な出来形確認や品質判定では、従来の測量や管理基準との整合が欠かせません。ARはあくまで現場判断と記録を支える道具であり、正確な施工管理の流れの中で使うことが大切です。

一方で、是正箇所を探す時間、写真を整理する時間、関係者へ説明し直す時間、再撮影や再確認に戻る時間は、運用の工夫で減らせる可能性があります。人手不足や工程短縮の要請が強まる中で、再確認業務を効率化することは、現場管理者の負担軽減だけでなく、品質確保や検査対応の安定にもつながります。AR土木は、そのための実践的な選択肢の一つです。

これからAR土木を再確認業務に取り入れる場合は、まず是正事項の登録方法を見直し、位置、写真、確認基準、ステータスを一体で管理するところから始めるとよいです。次に、現場でAR表示を使って確認対象を探し、写真と計測値を同じ流れで残す運用を試します。そのうえで、監督者や協力会社との共有、検査前の未確認箇所抽出、品質改善への活用へと広げていくことで、現場に合った形で定着しやすくなります。

現場是正後の再確認は、品質を守る重要な工程です。そこにAR土木を組み合わせることで、確認の速さ、記録の正確さ、共有の分かりやすさを高められる可能性があります。現場で迷わず、戻らず、伝わる再確認を目指すなら、まずはスマートフォンやタブレットなど、日常的に使いやすい現場端末で小さく試すことが現実的です。AR土木による再確認業務の効率化を検討している方は、自社の工種、管理基準、通信環境、安全ルールに合う範囲から導入を始めてみてください。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

LRTK Phoneの使い方・実例を見る
資料請求導入相談
現場をスマホで3DスキャンLRTK Phone実例を見る