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盛土の体積計算方法で仮設ヤード造成分を別管理する5手順

盛土の体積計算方法で仮設ヤードを分ける理由

盛土の体積計算方法を調べていると、横断面積と延長から求める方法や、施工前後の地形データを比較して体積を算出する方法が代表例として挙げられます。しかし実際の造成工事、道路工事、河川工事などでは、完成形として残る本体盛土だけを管理すればよいとは限りません。資機材置場、重機の待機場所、車両の転回場所、施工機械の組立場所などとして、一時的な仮設ヤードを造成することがあります。

この仮設ヤード造成分を本体盛土と同じ数量として管理すると、施工途中では全体の土量を把握できているように見えても、後から数量の意味が分からなくなることがあります。特に、本体盛土に隣接して仮設ヤードを設けた場合や、本体盛土予定地の一部を先行して仮設ヤードとして使用した場合は注意が必要です。

国土交通省の土木工事共通仕様書では、作業ヤード整備工は仮設工の一つとして位置付けられています。また、仮設物については、設計図書の定めや監督職員の指示がある場合を除き、工事完了後に撤去して原形に復旧する考え方が示されています。ただし、実際の工事でどこまで撤去するか、仮設造成を最終形に取り込むかは、個別の設計図書、契約条件、施工計画、発注者との協議内容などで確認する必要があります。

例えば、本体盛土が10,000m3あり、その横に1,500m3の仮設ヤードを造成したとします。施工途中の地形だけを見ると、現場には合計11,500m3程度の盛土が存在しているように見えます。しかし、仮設ヤードを工事終盤で撤去するのであれば、完成形に残る盛土は本体盛土分です。

反対に、仮設ヤードとして先行造成した1,500m3のうち一部を撤去せず、そのまま最終的な本体盛土に取り込む場合もあります。このケースでは、単純に「仮設ヤード1,500m3+本体盛土10,000m3」としてしまうと、同じ土を二重に数える可能性があります。

つまり、盛土の体積計算では「何立方メートルあるか」だけでなく、「どの範囲の土なのか」「いつ存在した土なのか」「完成時に残るのか」「撤去するのか」をセットで管理することが重要です。

仮設ヤード造成分を別管理する目的は、単に数量表を細かくすることではありません。本体盛土の進捗を把握し、土砂の搬入量や現場内転用量を追跡し、施工途中の変更に対応しやすくすることにあります。施工前後の測量結果と帳票上の数量を照合するときにも、仮設部分が分離されていれば数量差の原因を追いやすくなります。

盛土の体積計算方法を実務で使える形にするには、計算式を覚えるだけでなく、最初に数量管理の単位を整理することが大切です。ここからは、本体盛土と仮設ヤード造成分を混同しないための5つの手順を順番に解説します。

手順1 本体盛土と仮設ヤードの管理範囲を確定する

最初に行うのは、計算ではなく範囲の確定です。盛土の体積を正確に計算しても、どこまでを本体盛土として扱い、どこからを仮設ヤードとして扱うのかが曖昧であれば、数量管理の結果も曖昧になります。

本体盛土については、設計図、平面図、縦断図、横断図、3次元設計データなどを確認し、完成形として求められている範囲を整理します。そのうえで、施工計画上必要になる仮設ヤードの平面範囲と高さを別に設定します。

特に重要なのが、本体盛土と仮設ヤードが接している境界です。現場では、土を連続的に敷き均すため、施工後の見た目だけでは境界が分からなくなることがあります。そのため、施工前の段階で平面的な管理境界を決めておくと、後の数量整理がしやすくなります。

例えば測点、座標、構造物端部、道路中心線からの離れなど、後から再現できる基準を用いて境界を決めておくと、施工途中で形状が変わっても数量を整理しやすくなります。「現場のこのあたりまで」といった曖昧な決め方では、施工後に同じ境界を再現しにくくなります。

高さ方向の区分も重要です。平面的には仮設ヤードと本体盛土が重なっていても、仮設時の計画高と最終完成高が異なることがあります。

例えば、最終的な本体盛土天端が標高100.0mである場所を、施工途中には標高98.0mまで造成して仮設ヤードとして利用するケースを考えます。この場合、標高98.0mまでの造成をすべて仮設盛土とするのか、将来の本体盛土を先行施工したものとして扱うのかによって、数量管理の意味が変わります。

この区分は、現場担当者の判断だけで決めるのではなく、設計図書、施工計画、契約条件、施工目的などとの整合を確認して設定することが大切です。同じ土が存在していても、その数量を何の施工数量として整理するかは工事条件によって異なります。

また、仮設ヤードの範囲には、単純な盛土部分以外の施工が含まれる場合があります。表土除去、地盤整正、砕石などによる表面整備、排水設備、法面整形などです。これらをすべて「仮設ヤードの盛土量」としてまとめるのではなく、盛土として計算する体積と、それ以外の施工数量を分離しておくと管理が明確になります。

仮設ヤードの造成範囲が途中で変更されることもあります。施工機械が増えたためヤードを拡幅した、搬入経路を変更したため一部を延長した、といった変更が生じた場合は、当初範囲と追加範囲が分かるように管理しておけば、いつ、どの理由で数量が増えたのかを追跡できます。

盛土の体積計算を始める前には、まず本体盛土と仮設ヤードの境界を図面上で明確にし、それぞれに別の管理単位を持たせます。この最初の区分が、後工程の体積計算、搬入量管理、撤去量管理を行うための土台になります。

手順2 造成前地形と計画面の基準をそろえる

管理範囲を決めたら、次に必要なのが盛土前の地形です。盛土体積を地形差から求める場合は、施工前の地盤面と、計画面または施工後の実測面との差を使用します。そのため、施工前地形が十分に記録されていなければ、後から高密度な計測を行っても造成量を同じ条件で再現することが難しくなります。

仮設ヤードでは、この造成前計測が特に重要です。本体盛土については設計や施工準備の段階で現況データが用意されていることがありますが、施工計画の中で追加された仮設ヤードでは、造成直前の地形が十分に記録されないまま工事が進むこともあります。

造成後になって「ここに何立方メートルの土を入れたのか」を地形差から求めようとしても、元の地盤面がなければ推定要素が増えます。したがって、ヤード造成に着手する前に現況地形を記録しておくことが重要です。

断面法を使う場合は、施工前の横断形状を取得します。3次元データを用いる場合は、施工前の地形面を作成できるように計測します。いずれの場合も、本体盛土と仮設ヤードで座標系や高さ基準をそろえておく必要があります。

例えば、本体盛土は公共座標系や工事で定めた基準を使用している一方で、仮設ヤードだけ現場独自の仮基準で計測していると、後からデータを重ねる際に変換や位置合わせが必要になり、ずれの原因になります。体積計算では高さの系統的な差が対象面積全体に及ぶと、数量差が大きくなる場合があります。

面積10,000m2の範囲で平均高さに0.05mの差があれば、単純計算では500m3の体積差に相当します。これは10,000m2×0.05mで求めた例であり、実際の地形では差の分布や計算範囲によって結果が変わります。広い造成地ほど、座標系、高さ基準、計算範囲の整合確認が重要です。

また、現況地形を取得するときは、地表面として何を計測しているのかも確認します。草木が繁茂している場所や資材が仮置きされている場所では、取得した点が本来比較したい地盤面を表していない場合があります。

仮設ヤード予定地に土砂や資材がすでに置かれている場合、その状態を施工前面として扱うのか、仮置き物を除いた地盤を基準とするのかによって計算結果が変わります。何を基準面としたのかを記録しておくことが重要です。

計画数量を算出する場合は仮設ヤードの計画面を、実績数量を確認する場合は施工後の実測面を使うなど、数量の目的に応じて比較する面を明確にします。本体盛土についても、設計数量と実施工後の数量では参照する面が異なることがあるため、同じ名称の「盛土量」でも定義をそろえる必要があります。

仮設ヤードの計画面を作る場合は、ヤード中央部だけでなく、端部の法面、取付部、乗入れ部など、計算対象に含める範囲の形状を設定します。特に傾斜地に仮設ヤードを設ける場合、単純に「ヤード面積×平均盛土高」で計算すると、地形変化を十分に表現できないことがあります。山側では盛土厚が小さく、谷側では大きくなるためです。

このような場所では、横断面を適切な間隔で設定するか、施工前地形と計画面または施工後面を3次元で比較する方法を検討します。

施工前面、仮設ヤード完成面、本体盛土完成面を、それぞれ別のデータとして保存することも大切です。同じファイルを上書きしてしまうと、後からどの段階の地形なのか分からなくなります。

日付や施工段階を含めて地形データを保存すれば、施工前、仮設ヤード完成時、本体施工中、ヤード撤去前、完成時といった時系列で数量を追跡しやすくなります。この時系列管理が、仮設ヤード造成分を本体盛土と分けるうえで有効です。

手順3 本体盛土と仮設ヤードの体積を別々に計算する

範囲と基準面を整理したら、実際に盛土の体積を計算します。代表的な方法の一つが平均断面法です。

隣り合う横断面の面積をA1、A2、断面間の距離をLとすると、その区間の体積Vは次のように求めます。

V=(A1+A2)÷2×L

複数区間がある場合は、それぞれの体積を求めて合計します。地形や盛土形状が変化する場所では、必要に応じて断面を追加して形状を表現します。国土交通省の土木工事数量算出要領では、土量の算出について平均断面法や3次元モデルによる数量算出が用いられています。

重要なのは、本体盛土と仮設ヤードを最初から別集計にすることです。

例えば同じ横断面の中に本体盛土と仮設ヤードが存在する場合、断面全体を一つの面積として管理するのではなく、管理境界に沿って本体盛土面積と仮設ヤード面積を分けて算出します。

本体盛土の体積は本体盛土として定義した断面積を使って積算し、仮設ヤードも同様に仮設部分として定義した断面積から体積を求めます。全体値が必要なときは最後に集計できますが、元の数量は区分したまま保存します。

3次元地形データを利用できる場合は、施工前地形と計画面または施工後地形との差から体積を求める方法もあります。面的な地形を比較できるため、形状が複雑な造成地や不整形な仮設ヤードでは、断面だけで管理するより地形変化を捉えやすい場合があります。国土交通省では、3次元計測技術を用いた出来形管理に関する要領も整備されています。

3次元で管理する場合も、本体盛土と仮設ヤードを区分する考え方は変わりません。平面上に管理境界を設定し、それぞれの範囲について体積を算出します。

ここで注意したいのが、本体盛土と仮設ヤードの重複です。

例えば、元地盤をG0、仮設ヤード完成面をG1、最終完成面をG2と考えます。G0からG1までの体積を仮設ヤード造成量として計算し、さらにG0からG2までを本体盛土量として計算した場合、この2つをそのまま足すことはできません。

G1までに投入した土がそのまま本体盛土の一部として残るのであれば、その体積はG0からG2までの本体盛土体積の中に含まれているからです。

一方、G1まで造成した仮設ヤードを撤去して元地盤に近い状態まで戻した後、改めてG2まで本体盛土を施工したのであれば、仮設ヤード造成と本体盛土は施工履歴として別の作業です。ただし、契約数量や出来高としてどう扱うかは設計図書や協議内容に従って整理する必要があります。

この違いを数量計算だけから判断するのは難しいため、「どの地形面からどの地形面までの差を何の数量として計算したか」を記録します。

また、土量には地山状態、掘削・運搬時のほぐれた状態、締固め後の状態などの違いがあります。同じ土砂でも状態によって体積は変化するため、搬入車両の積載量を単純に合計した値と、締固め後の地形を測量して算出した体積が一致するとは限りません。

そのため、仮設ヤード造成量を管理するときは、どの状態の体積を表している数字なのかを明確にします。測量による地形体積と、運搬管理上の数量を同じ意味の数字として混在させると、数量差の原因が分かりにくくなります。

盛土の体積計算方法では、計算精度だけでなく数量の定義が重要です。本体盛土、仮設造成、撤去、転用、搬入といった数量を、それぞれ何を意味する数字なのか分けて管理することで、施工途中の数字を完成時の整理につなげやすくなります。

手順4 施工時点ごとの実測で搬入・転用・撤去量を管理する

仮設ヤードは、造成して終わりではありません。工事の進行に合わせて拡張されたり、一部が本体盛土に取り込まれたり、不要になった部分が撤去されたりします。そのため、施工条件に応じて複数時点の状態を記録すると、土量の変化を追いやすくなります。

実務上は、少なくとも造成前の地形と、数量を確認したい時点の形状を比較できるようにしておくと有効です。さらに必要に応じて、ヤード拡張後、撤去前、撤去後、本体盛土への転用後などの状態を記録します。

例えば、造成前をT0、仮設ヤード完成時をT1、一部拡張後をT2、撤去直前をT3、撤去後をT4として管理するとします。

T0とT1の地形差を計算すれば、初期の仮設ヤード造成による地形変化を把握できます。T1とT2を比較すれば追加造成による変化を把握できます。T3とT4の差からは、撤去によって地形がどの程度変化したのかを確認できます。

このように時点を分けると、「現在現場に存在する体積」と「これまでに行った造成・撤去などの施工履歴」を区別しやすくなります。

仮に1,000m3相当の仮設ヤードを造成し、その後800m3相当を撤去した場合、単純化した例では最終的に残る差分は200m3相当です。しかし施工履歴としては、造成と撤去という二つの作業が存在します。実際の数量は、締固めや地形変化、計測条件などの影響も受けるため、差し引きだけで必ず一致すると考えない方が安全です。

さらに撤去した土を別の盛土箇所へ転用するケースもあります。このとき、転用土を新規搬入土として扱うと、現場全体の土量収支が合わなくなる原因になります。

土量管理では、「場外から搬入された土」「現場内で移動した土」「仮設ヤードに用いた土」「本体盛土へ転用した土」「場外へ搬出した土」を区別して考えます。

ここで重要なのは、土を物理的に移動した履歴と、地形差から求めた体積を混同しないことです。

測量による体積差は、ある時点から別の時点までに地形がどれだけ変化したかを示します。一方、車両による搬入記録や施工日報は、どこからどれだけの土を運搬したかを記録するものです。

両者は計測対象や土の状態が異なることがあるため、完全に一致するとは限りません。しかし、数量差が大きい場合に原因を確認するためには、両方の記録が役立ちます。

例えば、計測上では仮設ヤードの地形差が1,200m3相当なのに、搬入記録では1,800m3となっていたとします。この差だけを見て、どちらかが間違いだと判断することはできません。土の状態、締固め、現場内転用、計測範囲、積載量の管理方法などを確認する必要があります。

また、仮設ヤード上に資材や土砂が仮置きされている状態で計測すると、本来比較したい造成地盤より高い地形として取得される可能性があります。3次元計測を使う場合でも、取得した点群をそのまま計算すればよいわけではありません。

車両、重機、資材、仮置き土、植生など、比較対象の地盤面ではないものをどう扱ったかを確認したうえで体積計算に使用します。

定期的に地形を保存する利点は、後から施工履歴を確認できることにもあります。仮設ヤードを撤去した後では、造成時の形状を現地で再確認することはできません。写真だけでは体積を再計算できない場合もあります。

施工段階ごとに座標を持った測量データや3次元データを残しておけば、施工が進んだ後でも過去の状態を確認しやすくなります。

仮設ヤードのように最終成果物として残らない地形ほど、「必要な時点で記録する」という考え方が重要です。

手順5 数量台帳と図面を一致させて二重計上を防ぐ

最後の手順は、計算した数量を台帳や図面と一致させることです。

盛土体積の計算結果だけを保存しても、後から「この1,250m3はどこを計算した数字なのか」が分からなければ、数量管理資料として使いにくくなります。

そのため、各数量に対応する範囲、基準面、計測日、施工段階、計算方法を記録します。

例えば「仮設ヤード」とだけ記載するのではなく、現場内で複数のヤードを識別できる名称を設定します。同じヤードでも拡張した場合は、当初造成分と追加造成分が追跡できるようにします。

重要なのは、数字と場所を結び付けることです。

平面図や3次元データ上で数量計算範囲を確認できれば、数量が増減したときに原因を追いやすくなります。逆に、数量表に数字だけが並んでいる状態では、境界の変更や計測漏れがあっても気付きにくくなります。

本体盛土についても同じです。本体盛土の設計範囲と仮設ヤード範囲を別表示にし、重複範囲がある場合は、その範囲をどの数量として扱ったのかを記録します。

特に注意が必要なのは、仮設ヤードを本体盛土へ取り込むケースです。

例えば仮設ヤードとして1,500m3相当を造成し、そのうち1,000m3相当が最終形の中に残ったとします。この場合、施工途中の管理では仮設ヤード造成量として記録していても、完成数量を整理するときに同じ体積を別枠で重複加算しないよう注意が必要です。

「施工した作業履歴」と「完成形として存在する体積」を分けて考えることがポイントです。

変更履歴を残すことも重要です。仮設ヤードの範囲は施工条件によって変わることがあるため、最終図面だけでは、なぜ数量が増減したのか分からない場合があります。

当初計画、変更後、実施工という形で履歴を残しておけば、最終的な数量に至った経緯を説明しやすくなります。

また、計測データの名称にも一定のルールを設けると管理しやすくなります。計測日、対象区域、施工段階などが分かる名称を付けておけば、後から過去データを探す際の負担を減らせます。

数量台帳には計算結果だけでなく、どのデータを使用したのかが分かる情報を残しておくことが大切です。元データが分かれば、境界を変更した場合や計算方法を見直した場合でも再計算できます。

盛土の数量管理では、計算した瞬間の正しさだけでなく、後日でも同じ数量の根拠を説明できる状態をつくることが重要です。

特に仮設ヤードは完成時にはなくなっている可能性があるため、施工途中の記録が数量根拠として重要になります。

本体盛土と仮設ヤードを別管理する最終目的は、単純に二つの数字を作ることではありません。施工前から完成まで、土がどこにあり、何の目的で造成され、最終的にどこへ移動したのかを追跡しやすい状態にすることです。

盛土の体積計算方法を選ぶときのポイント

盛土の体積計算方法には、それぞれ向いている現場があります。どの方法でも計算できるからといって、すべての現場で同じ方法を選ぶ必要はありません。

道路や堤防のように延長方向へ連続し、横断面を設定しやすい場所では、平均断面法で管理しやすいケースがあります。設計図面の横断形状と対応させやすく、どの区間で数量が変化したのかを確認しやすいことが利点です。

一方、広い造成地や不整形な仮設ヤード、複雑な傾斜地では、3次元地形を比較する方法が有効な場合があります。

例えば仮設ヤードの中央はほぼ水平でも、周囲に複雑な法面があり、既存地形も傾斜している場合があります。この状態を少数の断面だけで表現しようとすると、断面と断面の間にある地形変化を十分に反映できない可能性があります。

施工前と施工後の地形面を面的に取得できれば、範囲を設定して地形差から体積を求めることができます。国土交通省の数量算出関係資料では平均断面法に加えて3次元モデルによる数量算出が扱われ、3次元計測技術を用いた出来形管理要領も整備されています。

ただし、3次元計測を行えば自動的に正しい数量が得られるわけではありません。

体積計算の結果を左右するのは、計測機器だけではなく、座標系、高さ基準、地形面の作成方法、不要物の除外、計算範囲の設定などです。

特に本体盛土と仮設ヤードを分ける場合は、境界ポリゴンなどの計算範囲を一貫して設定することが重要です。同じ地形データからでも、境界を移動すれば体積は変化します。

法面が広い場所や盛土厚が大きな場所では、境界の違いが数量差に影響しやすくなる場合があります。

また、どの方法で計算した数字なのかを整理することも大切です。

本体盛土は平均断面法、仮設ヤードは3次元計測というように異なる方法を使用すること自体が直ちに問題になるわけではありませんが、単純に差を比較するときには注意が必要です。計算範囲、基準面、補間方法などが異なれば、算出方法の違いによる数量差も含まれるからです。

進捗管理で毎月数量を比較する場合は、可能な範囲で同じ計算条件を継続する方が変化を把握しやすくなります。

施工初期だけ平均断面法、途中から3次元地形差、最後だけ別の方法という状態になると、数量の変化が施工によるものなのか計算条件の変更によるものなのか判別しにくくなります。

盛土の体積計算方法は、必要な精度だけでなく再現性も重視します。

別の担当者が同じデータと同じ条件を使ったときに、同等の結果を再現できる状態が望まれます。計算範囲や基準面が担当者ごとに変わる運用では、長期工事の数量管理が難しくなります。

本体盛土と仮設ヤードのように複数の施工区分を扱う場合は、計算条件を最初に決め、途中で変更した場合はその履歴を残すことが重要です。

仮設ヤードの盛土量管理で起こりやすいミス

仮設ヤードの造成量を管理するときに起こりやすいのは、本体盛土との二重計上です。

施工途中では仮設ヤードとして数量を記録し、その後その場所が本体盛土の一部になったにもかかわらず、本体盛土数量にも同じ体積を別枠で追加してしまうと、完成数量を過大に整理する原因になります。

これは「施工履歴としての仮設造成量」と「完成形としての本体盛土量」を同じ意味の数量として扱うことで発生します。

逆に、仮設ヤードを撤去したにもかかわらず、完成形の盛土数量に含めたままにすると、施工途中の地形と完成地形が混在します。

もう一つ注意したいのが、造成前地形の計測漏れです。

仮設ヤードは本体工事を始めるために早い段階で必要になることがあり、準備工事の一環として短期間で造成される場合があります。その結果、施工後になってから土量を確認しようとして、施工前の地盤データが残っていないことがあります。

元地盤が失われた後に地形差を同じ条件で復元することは難しいため、必要な数量管理がある場合は着手前計測を工程に組み込んでおくことが重要です。

計測範囲の違いも数量差の原因になります。

一回目の計測では法尻まで含めていたのに、二回目ではヤード天端だけを取得しているような場合、二つの地形をそのまま比較すると、同一範囲の体積差にはなりません。

施工前と施工後だけでなく、比較に使う範囲をそろえることが基本です。

仮置き土を仮設ヤード本体として計算してしまうミスにも注意が必要です。

完成したヤードの上に盛土材を山積みしている状態を計測すると、その山も点群や地形面に含まれることがあります。そのまま施工前地形と比較すると、ヤード造成による体積と仮置き土の体積が混在します。

体積計算を行う前に、何を計測対象にするのかを整理しておく必要があります。

土量の状態を混同することもあります。

運搬車両による数量、掘削前の地山数量、締固め後の盛土数量は、それぞれ同じ土を扱っていても体積の意味が異なります。搬入記録の数字と完成形測量の数字が異なるからといって、直ちにどちらかが誤っているとは判断できません。

数量を比較するときには、同じ状態を表す数字同士であるかを確認します。必要に応じて、工事で採用している土量換算の考え方や管理方法も確認します。

また、現場内転用を新規搬入土として数えてしまうこともあります。

仮設ヤードから撤去した土を別の場所の本体盛土へ使用した場合、それは現場全体から見れば土の移動です。場外からの搬入土が増えたわけではありません。

施工箇所ごとの造成量と、現場全体の土量収支を分けて管理すれば、この混同を防ぎやすくなります。

計測データを上書きしてしまうことも避けたいミスです。

最新地形だけを残す運用では、施工途中の仮設ヤード形状が消えてしまいます。仮設ヤードは最終的に撤去されることがあるため、過去地形を保存しておく意味が大きい場合があります。

施工前、造成完了、変更時、撤去前、撤去後というように必要な時点の状態を残しておけば、後から土量を再確認しやすくなります。

盛土の体積計算で大切なのは、数字を小数点以下まで細かく出すことだけではありません。計算対象、時点、境界、基準面、土の状態が明確でなければ、精密に見える数字でも実務上の意味が曖昧になります。

まとめ

盛土の体積計算方法で仮設ヤード造成分を別管理するときは、本体盛土と仮設盛土を最初から別の管理対象として整理することが重要です。

最初に、本体盛土と仮設ヤードの平面範囲、高さ方向の範囲、境界を決めます。次に、造成前の地形を取得し、計画数量を求めるのか実績数量を求めるのかに応じて、仮設ヤード計画面、施工後実測面、本体盛土完成面などの比較対象を明確にします。そのうえで、平均断面法や3次元地形差など、現場条件と数量の目的に合った方法でそれぞれの体積を算出します。

施工が始まった後は、仮設ヤード完成時だけでなく、拡張、転用、撤去といった節目で地形を記録すると、ある時点で現場に存在する体積と、これまでの施工履歴を分けて把握しやすくなります。

さらに、数量台帳と図面、測量データを関連付けておけば、本体盛土への取り込み時の二重計上や、仮設ヤード撤去後の数量混在を防ぎやすくなります。

特に重要なのは、仮設ヤード造成量と本体盛土量を機械的に足さないことです。

仮設として施工した土が後から撤去されるのか、そのまま本体盛土として残るのかによって、最終的な数量の考え方は変わります。どの地形面からどの地形面までの差を計算した数字なのかを明確にし、施工履歴と完成数量を分けて管理することがポイントです。

従来の横断測量による管理が適している現場もありますが、広い仮設ヤードや複雑な地形では、施工前後の状態を面的に記録しておくことで数量を確認しやすくなる場合があります。

現場の形状は施工が進むたびに変化します。特に仮設ヤードは完成時には撤去され、造成当時の形状そのものがなくなる可能性があります。だからこそ、必要なタイミングで地形を計測し、同じ座標系と高さ基準で比較できる記録として残すことが重要です。

盛土数量の把握を現場で効率化したい場合は、計測した点や3次元データを施工段階ごとに残し、本体盛土と仮設範囲を同じ基準で比較できる環境を整えると管理しやすくなります。現場で位置情報付きの計測や3次元記録を行い、体積確認につながるデータを取得する方法として、LRTK Phoneの活用も検討できます。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

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