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盛土の体積計算方法で雨水浸透桝周りの置換土を除く6点

盛土の体積計算では、施工範囲全体を単純に面積×高さで求めるだけでは、設計上の数量区分や実際の施工区分と合わないことがあります。特に注意したいのが、雨水浸透桝のように盛土の途中へ設置され、その周囲に砕石、敷砂、埋戻し材、設計で指定された置換材などが配置される構造です。盛土全体の体積と桝周りの別材料をそれぞれ数量化すると、幾何学的には同じ空間が重なって見える場合があります。

ただし、その重複部分を必ず盛土数量から差し引くとは限りません。公共工事などでは、適用する数量算出要領、設計図書、特記仕様書、数量総括表などに、構造物や排水施設の控除条件が定められている場合があります。したがって、最初に確認するべきなのは「空間が重なっているか」だけではなく、「その重なりを今回の盛土数量から控除する取り扱いになっているか」です。

控除対象と判断された場合でも、雨水浸透桝周りに施工する材料の全体積を、そのまま盛土数量から差し引けばよいわけではありません。置換範囲の一部が盛土算定下端より下にある場合や、盛土算定上端より上にある場合、その部分はもともとの盛土体積に含まれていないからです。控除する場合の幾何学的な対象は、「盛土として計算した三次元領域」と「別数量として扱う桝周りの領域」が実際に重なっている部分になります。

この考え方は、雨水浸透桝だけでなく、集水桝、排水構造物、地下埋設物、基礎、砕石置換部などが盛土内に入る場合にも応用できます。ただし、構造物ごとに控除条件が同じとは限らないため、形状だけを見て一律に判断しないことが重要です。この記事では、「盛土 体積 計算 方法」を調べている施工管理や数量算出の実務担当者に向けて、雨水浸透桝周りの置換土を盛土数量から除く際に確認したい6つのポイントを解説します。

盛土体積と雨水浸透桝周りの数量を分けて考える

盛土の体積計算方法を考えるうえで最初に整理したいのは、施工された材料の量と、設計数量として計上する項目が必ずしも同じ区切りではないということです。現場では、同じ場所に盛土材、埋戻し材、砕石、透水性を考慮した材料、敷砂、基礎材などが順番に施工されることがあります。数量計算では、それらを設計図書や工事ごとの数量区分に従って整理する必要があります。

たとえば、計画盛土の中に雨水浸透桝を設置し、その周囲へ砕石などを施工するケースを考えます。完成形だけを基準に盛土範囲を一括計算すると、桝や周辺材料が存在する位置まで盛土領域として算出される場合があります。一方で、桝本体や周辺材料を別工種として数量化することもあります。

ここで注意したいのは、幾何学的な重複があることと、設計数量で二重計上になることを同一視しないことです。適用する数量算出基準によっては、小規模な構造物や特定の排水構造などを盛土数量から控除しない扱いが設定されている場合があります。また、構造物周辺の材料を盛土とは別数量として算出する場合でも、控除方法が設計図書で指定されていることがあります。

そのため、最初に「今回の盛土数量は何を含むのか」「雨水浸透桝本体や周辺材料は別計上なのか」「その別計上部分を盛土から控除する規定があるのか」を確認します。そのうえで控除が必要な場合に、盛土領域と別数量領域の重複体積を求めます。

この順序を逆にして、先に桝周りの体積だけを求めてから機械的に盛土から差し引くと、適用基準と異なる数量になる可能性があります。盛土の体積計算方法では、計算式より先に数量区分と控除条件を確定することが基本です。

確認点1 数量区分と控除条件を最初に固定する

最初の確認点は、何を「盛土」として計算し、何を「雨水浸透桝周りの別数量」として扱うのか、さらにその別数量を盛土から控除するのかを決めることです。ここが曖昧な状態で体積計算を始めると、計算式そのものが正しくても最終数量の意味が合わなくなります。

盛土の対象範囲は、施工前の基準面と計画上面の間に形成される領域として整理することができます。ただし、工事によっては表土除去後の面、置換後の面、段切り後の面、路床面などが盛土算定の境界になる場合があります。現況地盤面と完成面だけを一律に使うのではなく、設計上どの面を盛土の下端と上端にするかを確認します。

また、路体、路床、構造物周辺の埋戻し、基礎材、裏込め材などが別の数量区分になっていることがあります。どの材料を盛土数量に含めるかは、設計図、数量計算書、施工条件、特記仕様書などと整合させて判断します。

雨水浸透桝についても、本体の外寸だけではなく、その周囲にどのような材料範囲が設定されているかを確認します。桝周囲の掘削幅、砕石範囲、敷砂範囲、埋戻し範囲などは、施設の構造や設計条件によって異なります。全国一律の寸法を前提として数量を決めるのではなく、その現場の設計図や標準図を基準にすることが必要です。

さらに重要なのが、控除要否の確認です。盛土の中に異なる材料や構造物が存在していても、それだけで自動的に盛土から除くとは限りません。適用する数量算出要領や発注者の運用で、一定規模未満の構造物などを控除しない扱いとしている場合があります。雨水浸透桝へその扱いを適用できるかも含め、名称だけで決めずに工種区分と規定を照合します。

実務では、平面図と断面図に対して「盛土算定領域」「桝本体」「周辺砕石や別材料」「控除対象と判断した領域」を分けて考えると整理しやすくなります。最初に数量ルールを固定しておけば、その後に断面法や三次元計算を使っても、同じ空間を二重に差し引くミスを防ぎやすくなります。

確認点2 控除する場合は盛土と置換範囲の重複だけを見る

二つ目の確認点は、適用基準と設計条件から桝周りを盛土から控除すると判断した場合でも、雨水浸透桝周りの施工範囲全体ではなく、盛土算定領域と重なっている体積だけを控除候補にすることです。

たとえば、盛土算定下端が標高10.00m、盛土算定上端が標高11.00mであり、別材料として扱う桝周りの範囲が標高9.50mから10.70mまで設定されているケースを考えます。この場合、桝周りの高さは1.20mありますが、盛土として算定している高さは標高10.00mから11.00mまでです。したがって、控除対象とするルールであれば、幾何学的に重なる標高10.00mから10.70mまでが控除候補になります。

標高9.50mから10.00mまでが盛土算定下端より下にあり、当初の盛土体積へ含まれていないのであれば、その部分まで盛土から差し引くと控除し過ぎになります。

反対に、桝周りの別材料範囲が標高10.20mから11.30mまで設定されている場合、盛土との重複は標高10.20mから11.00mまでです。盛土算定上端より上にある標高11.00mから11.30mまでを、当初の盛土数量から控除することはできません。

この考え方は平面方向についても同じです。桝周りの施工範囲の一部が法面外側や盛土算定区域外へ出ている場合、その外側部分は幾何学的な控除候補から外れます。

したがって、控除量は単純な「別材料範囲の面積×全深さ」ではなく、「適用基準で控除対象となる領域」と「盛土算定領域」の重複体積として整理します。

盛土形状が一定で、控除対象も直方体に近い場合は、平面的な重複面積に重複高さを掛けて算出できます。しかし法面付近や傾斜地では、重複高さが位置によって変化します。その場合は断面分割、区画分割、三次元モデルなど、形状に合う方法を選びます。

なお、ここで求めた重複体積は、あくまで控除規定を適用する場合の幾何学的な数量です。最終的な設計数量は、適用する数量算出要領、設計図書、特記仕様書などに従って確定します。

確認点3 桝本体ではなく別材料として扱う外形を確認する

三つ目の確認点は、控除する平面寸法を雨水浸透桝本体の外寸だけで決めないことです。

雨水浸透桝では、本体の周囲に砕石、敷砂、透水シートなどが配置される構造が採用されることがあります。また、施工のために本体寸法より広い範囲を掘削することもあります。そのため、桝本体の外形、掘削外形、砕石外形、埋戻し外形は同じ寸法とは限りません。

ただし、掘削した範囲のすべてを盛土から控除するわけでもありません。施工時に一時的に掘った空間と、完成後に別材料として残る空間は分けて考える必要があります。盛土から控除する取り扱いであれば、数量区分上どの領域を別材料として扱うかを確認し、その外形と盛土領域との重複を求めます。

たとえば、桝本体の外形より周囲の砕石範囲が広い設計であれば、桝本体だけを控除対象として計算すると、別材料として扱う周囲部分が盛土側に残る可能性があります。反対に、施工上の余掘りまで一括して控除すると、完成時には通常の埋戻し材が戻る部分まで除いてしまう可能性があります。

ここで混同しやすいのが、掘削外形、桝本体外形、基礎や敷砂の外形、砕石外形、埋戻し外形です。施工断面図や標準図を確認し、それぞれの範囲を整理してから数量計算へ進みます。

また、平面形状が単純な長方形とは限りません。既設構造物への接続、道路境界、法面、他の埋設物などの影響で、別材料範囲の一部が欠けたり広がったりすることがあります。そのような場所で代表寸法だけを使って直方体として計算すると、実際の対象領域との差が大きくなる可能性があります。

形状が単純であれば縦×横×高さで計算できますが、不整形であれば平面を複数区画へ分け、断面ごとに体積を積み上げる方法が適しています。さらに複雑な場合は、現況面、計画面、施工範囲の三次元データを同じ座標系で扱い、対象領域の重複体積を求める方法も考えられます。

重要なのは、計算しやすさで外形を決めるのではなく、設計上の材料区分と数量区分に合わせて外形を決め、その形状に合う計算方法を選ぶことです。

確認点4 上下の高さを同じ基準でそろえて体積を求める

四つ目の確認点は、高さを単なる「深さ」だけで管理せず、同じ高さ基準で整理することです。

盛土数量と雨水浸透桝周りの数量を別々に計算すると、それぞれ異なる基準から高さを測っている場合があります。盛土は施工基面から計画面まで、雨水浸透桝は桝底や掘削底からの深さで示される、といったケースです。この状態で数値だけを比較すると、どの高さ範囲が重複しているのか分かりにくくなります。

そこで、盛土算定下端、盛土算定上端、桝周りの別材料下端、別材料上端、桝底、砕石上端などを同じ高さ基準へそろえます。設計図書が標高で管理されている場合は標高へ統一し、ローカル基準高を使う場合は基準点との関係が追えるようにします。

現況や施工基面が水平であれば比較的単純ですが、傾斜地では注意が必要です。桝の片側では盛土厚が大きく、反対側では小さいというように、平面位置によって盛土厚が変わる場合があります。この状態で別材料範囲全体へ一つの平均高さを掛けると、求める精度によっては誤差が無視できなくなります。

傾斜が小さく、数量算出上の精度に対して平均値の使用が妥当であれば簡略化できる場合もあります。一方、地盤勾配や盛土面の変化が大きい場所では、対象範囲を複数区画に分けて計算する方が根拠を説明しやすくなります。

断面形状が連続的に変化する場合は、複数断面を設定して平均断面法を用いる方法があります。隣り合う断面の対象面積をA1、A2、断面間距離をLとすると、区間体積は「(A1+A2)÷2×L」で求められます。形状変化が大きい位置では断面を追加し、代表断面だけで変化をならし過ぎないようにします。

三次元モデルを用いる場合でも、高さ基準の不一致があれば正しい重複体積は求められません。座標系、標高基準、対象面、計算領域をそろえたうえで、算出結果を断面図や代表寸法と照合することが重要です。

確認点5 材料別の数量区分を整理して二重控除を防ぐ

五つ目の確認点は、雨水浸透桝周辺に複数の材料がある場合、それぞれの数量区分と控除方法を整理することです。

雨水浸透桝周辺では、桝本体、敷砂、周囲の砕石、設計で指定された置換材、通常の埋戻し材などが存在する場合があります。これらを一括して「置換土」と呼ぶだけでは、盛土から何を除き、何を別数量にするのか分かりにくくなります。

特に注意したいのが、同じ空間を複数回控除するケースです。

たとえば、最初に「雨水浸透桝周りの別材料範囲」として一定体積を盛土から控除したあと、その内部に含まれる桝本体の体積をさらに盛土から差し引けば、その部分を二重に除くことになります。逆に、桝本体だけを控除し、周囲の別材料部分を盛土として残したまま、その別材料を別途数量計上すると、適用する数量ルールによっては数量区分が重複する可能性があります。

そのため、控除対象とする場合は計算方針を統一します。一つの方法は、通常の盛土ではなくなる領域を一つの控除領域として盛土から差し引き、その内部を桝本体、砕石、敷砂などの各数量へ分解する方法です。もう一つは、各材料領域を個別に計算し、それぞれについて盛土との重複部分を整理する方法です。

どちらを採用する場合でも、同じ三次元空間を二重に差し引かないことが重要です。また、適用基準上は控除しない構造物まで独自に差し引かないようにします。

完成体積と搬入材料量も混同しないようにします。盛土や置換材の体積を設計形状から求める場合は、所定の形状における幾何学的な体積を扱います。一方、搬入時の土砂や材料は、ほぐしや締固めなどの状態の違いによって体積が変わることがあるため、完成形の体積とそのまま一致するとは限りません。

固定的な換算率をすべての材料へ一律に当てはめるのではなく、材料条件、施工条件、適用する土量変化率や数量管理方法に従って整理します。盛土数量を求める段階では、まずどの状態の体積を計算しているかを明確にし、その後に必要に応じて搬入量や運搬記録と照合する方が、数量差の原因を追いやすくなります。

確認点6 断面変化と設計変更を区間分けして反映する

六つ目の確認点は、雨水浸透桝周りの別材料範囲や盛土形状が途中で変化する場合、一つの代表断面ですべてを計算しないことです。

盛土施工では、完成面の勾配、施工基面、法面位置、道路横断勾配などによって盛土厚が変化します。また、雨水浸透桝周辺でも、接続管の位置や周辺構造物との取り合いによって、砕石や埋戻しの形状が一定ではない場合があります。

このような場合、最も大きい断面を全区間へ適用すれば数量が過大になる可能性があり、最も小さい断面を適用すれば不足する可能性があります。

実務では、形状が変化する位置を境に計算区間を分けます。盛土厚が変化する位置、別材料の幅が変わる位置、施工基面が変わる位置などを区切りとして、それぞれの区間で体積を求めます。

設計変更にも注意が必要です。施工前の数量計算では当初設計の桝位置や周辺材料範囲を使用していても、現場条件によって位置、高さ、施工範囲が変更される場合があります。変更後も当初数量をそのまま使えば、盛土数量と別材料数量の関係が崩れる可能性があります。

変更が発生した場合は、別材料の数量だけを修正するのではなく、その変更が盛土側の数量へ影響するかも確認します。桝位置が水平方向に移動しただけでも、移動先の施工基面や盛土厚が異なれば、盛土と重なる体積は変わる可能性があります。

高さが変わった場合も同様です。桝上端や周辺材料上端が変われば、盛土算定領域と重なる高さも変わります。ただし、幾何学的な重複量が変わったとしても、その差を設計数量へ反映するかは適用する数量算出条件に従います。

そのため、数量管理では「置換材が何立方メートル増減したか」だけではなく、「盛土算定領域との重複がどう変わったか」「その重複は今回の数量ルールで控除対象か」をセットで確認することが重要です。

盛土の体積計算方法を実務で組み立てる手順

ここまでの6点を実際の数量計算へ落とし込む場合、計算の順序を決めておくと整理しやすくなります。

最初に、適用する数量算出要領、設計図書、特記仕様書、数量計算書などを確認し、盛土と雨水浸透桝周りの工種区分、控除条件を整理します。この確認をせずに体積だけを先に計算すると、あとから控除方法を組み直すことになりやすいためです。

次に、対象区間の盛土総体積を求めます。施工基面と計画上面が分かっている場合は、その二つの面に挟まれる領域が計算の基本になります。地形が単純で高さがほぼ一定なら、平面積×平均盛土厚で整理できる場合があります。道路や造成地のように断面形状が連続する場合は、複数断面を設定して平均断面法などで算出します。三次元地形データを利用できる場合は、施工基面と計画面の差分から対象範囲内の体積を算出する方法もあります。

その後、雨水浸透桝周辺で盛土とは別に数量管理する領域を定めます。この段階では桝本体だけを見るのではなく、砕石、敷砂、埋戻し材など、完成後にどの材料がどこへ残るかを確認します。

次に、その別数量領域を盛土から控除する必要があるかを適用基準に照らして判断します。控除しない取り扱いであれば、幾何学的な重複があっても独自に盛土数量から差し引きません。控除する取り扱いであれば、別数量領域と盛土算定領域の重複部分を求めます。

控除する場合の考え方は、「控除後の盛土体積=控除前の盛土体積-適用基準上の控除対象となる重複体積」と整理できます。

ここで重要なのは、「別材料全体の体積」を無条件に引くのではないことです。

たとえば、桝周りの別材料全体が20m3あり、そのうち8m3が盛土算定下端より下に位置しているとします。控除対象となるルールであっても、当初の盛土体積にその8m3が含まれていなければ、幾何学的な重複候補は残りの12m3側に限られます。さらに、その12m3を最終的にどのように設計数量へ反映するかは、適用する数量算出条件で確定します。

雨水浸透桝が複数ある場合は、一基当たりの代表数量を単純に基数倍する前に、各設置位置の条件を確認します。盛土厚、施工基面、桝構造、周辺材料の寸法が共通していれば代表値で整理できる場合がありますが、設置位置ごとに盛土厚や法面との関係が異なる現場では、一基ごとに重複範囲を確認した方が数量根拠を残しやすくなります。

計算書には、控除前の盛土体積、桝周りの別数量、控除対象と判断した根拠、盛土との重複体積、最終的な控除量が追える形で残しておくと、後から数量差の原因を確認しやすくなります。

単純な面積掛けでは誤差が大きくなりやすいケース

盛土の体積計算では、「面積×平均高さ」は便利な方法ですが、すべての現場で適切とは限りません。雨水浸透桝周りのように狭い範囲でも、高さや断面が急に変化する場所では、平均化による差が数量に影響することがあります。

特に注意が必要なのは、法面近くへ桝を設置する場合です。法面では盛土完成形の外周が高さによって変化するため、桝周りの別材料範囲全体が盛土の中に入っているとは限りません。別材料範囲を直方体として計算して全面を控除すると、法面外側まで盛土から差し引いてしまう可能性があります。

施工基面が大きく傾斜している場所も同様です。別材料範囲の四隅で下端高が異なれば、盛土と重なる高さも位置ごとに異なります。一つの基準高だけを使って計算すると、実際の重複体積との差が大きくなる場合があります。

雨水浸透桝が造成地の段差付近や切土・盛土境界付近にある場合は、さらに注意が必要です。桝の片側は盛土領域、反対側は地山側という状態になることもあります。この場合、別材料範囲全体を盛土から控除することはできません。

こうした場所では、別材料範囲と盛土領域の交差形状を平面と断面の両方から確認します。必要に応じて細かく区画分けし、それぞれの体積を計算します。

三次元データを利用できる現場では、計画面、施工基面、雨水浸透桝周りの範囲を同じ座標系で管理すると、どの部分が盛土算定領域内に入っているかを確認しやすくなります。

ただし、三次元計算を使えば自動的に正しい数量になるわけではありません。計算対象ポリゴン、基準面、座標系、控除条件を誤れば、精密なデータからでも目的と異なる数量が算出されます。三次元化する場合でも、最初に数量区分と控除要否を決めるという基本は変わりません。

設計数量と施工数量を混同しないことが重要

盛土の体積計算方法を実務で扱うときには、設計数量、出来形から確認する数量、搬入材料量を分けて考える必要があります。

設計数量は、設計図書に示された形状や数量算出条件に基づいて算出されます。一方、施工後の確認では、実際の施工位置や出来形測量の結果などが関係する場合があります。さらに、搬入材料量は材料の状態や締固めの影響を受けるため、完成形状の体積と同じ意味ではありません。

雨水浸透桝についても、設計上の位置と実際の施工位置が異なった場合、周辺材料の幾何学的な体積や盛土との重なりが変わることがあります。位置や高さの変更があったときは、設計変更の扱いを確認したうえで、必要な数量を再計算します。

たとえば、桝が当初より盛土厚の大きい場所へ移動した場合、周辺材料の外形が同じでも、盛土算定領域と重なる体積が増える可能性があります。逆に盛土厚の小さい場所へ移動すれば、重複体積が減る場合があります。

ただし、その増減をそのまま契約数量へ反映できるとは限りません。出来形数量の扱いは、設計図書や適用する数量算出基準、変更手続きなどに従って整理します。

また、現場へ搬入した土砂量から盛土の完成体積を直接求める場合も注意が必要です。運搬時の材料状態と締固め後の状態は同一ではないため、搬入量と完成体積を単純に同一視すると差が生じることがあります。

盛土の完成形状を確認する目的であれば、施工前後の対象面を測定し、その差から体積を把握する方法があります。搬入記録は施工管理上重要ですが、形状から求めた体積とは別の管理軸として扱うと整理しやすくなります。

雨水浸透桝周りの材料についても、設計形状から求める理論体積、出来形から求める施工体積、搬入記録上の材料量を区別しておくことが、数量差を説明するうえで重要です。

現場記録から置換範囲を確認できる状態をつくる

盛土数量と雨水浸透桝周りの数量で問題になりやすいのは、施工後に地中の範囲を確認しにくくなることです。

雨水浸透桝の設置後に埋戻しや盛土、舗装が進むと、砕石範囲の外周、施工時の掘削底、周辺地盤との高さ関係などが見えなくなります。数量確認が必要になった段階で施工時の記録が不足していると、設計図の寸法や当時の写真から推定するしかない場合があります。

そのため、施工中に雨水浸透桝の位置、別材料範囲の外周、高さ、施工日、桝番号などを記録しておくことが有効です。平面寸法だけでなく、どの高さからどの高さまで砕石や別材料を施工したのかが確認できれば、盛土との重複体積を後から再計算しやすくなります。

写真記録についても、桝本体だけを大きく撮影するのではなく、周囲との位置関係が分かる写真、別材料範囲が分かる写真、施工段階ごとの写真を残しておくと確認材料になります。ただし、写真だけでは正確な三次元位置や高さを復元しにくい場合があるため、寸法、座標、高さなどの記録と組み合わせることが重要です。

こうした現場記録では、LRTK Phoneを活用して、雨水浸透桝や周辺施工範囲の位置情報と現場記録を関連付けて残す方法も考えられます。

たとえば、桝番号ごとに設置位置を記録し、別材料範囲の角部や代表点を測定しておけば、後からどの位置にどの程度の施工範囲があったかを確認しやすくなります。施工基面、周辺材料施工時、埋戻し後など、工程ごとに位置と高さが追える記録を残せば、設計数量と施工記録に差が生じたときにも原因を確認しやすくなります。

点だけの測定では形状を表しにくい場合には、現場条件に応じて複数点の記録や三次元計測を組み合わせることで、施工範囲をより具体的に残せます。

盛土の体積計算は、計算作業そのものだけでなく、計算に使う現場情報をどの時点で記録しておくかが重要です。完成後に見えなくなる箇所ほど、施工中の位置、高さ、範囲の記録が数量確認の根拠になります。

まとめ

雨水浸透桝が盛土内に設置される現場では、盛土領域と桝周りの別材料領域が幾何学的に重なることがあります。しかし、重なっているからといって、その体積を必ず盛土数量から控除するとは限りません。

盛土の体積計算方法で最初に確認すべきなのは、通常の盛土として扱う領域と、雨水浸透桝周りの別材料として扱う領域の境界に加えて、適用する数量算出要領や設計図書でどのような控除条件が定められているかです。小規模構造物や排水施設などについて、控除しない扱いが設定されている場合もあるため、形状だけを理由に独自の控除を行わないようにします。

控除対象と判断された場合は、桝周りの材料全体をそのまま差し引くのではなく、盛土算定領域と別数量領域が実際に重なる体積を求めます。盛土算定下端より下にある部分、上端より上にある部分、法面外側へ出る部分など、もともとの盛土数量に含まれていない空間まで差し引かないことが重要です。

計算では、数量区分と控除要否を最初に固定し、桝本体寸法だけでなく砕石や敷砂など別材料として扱う実際の外形を確認します。上下方向は同じ高さ基準で整理し、複数材料がある場合は同じ空間を二重に控除しないようにします。断面や施工条件が変化する場所では区間ごとに計算し、設計変更があった場合は盛土側への影響も確認します。

また、設計形状から求めた完成体積と、現場への搬入量を同じ数量として扱わないことも大切です。まずどの状態の体積を管理しているかを明確にし、その後、必要に応じて材料管理や運搬記録と照合すると、数量差の原因を追いやすくなります。

雨水浸透桝や周辺材料は施工が進むと地中へ隠れるため、位置、高さ、施工範囲、写真、施工時期などを施工段階で記録しておくことも数量管理を支えます。

LRTK Phoneを利用して現場の位置情報や施工記録を残しておけば、雨水浸透桝ごとの施工位置や周辺範囲を後から照合しやすくなります。盛土の体積計算を単なる机上計算で終わらせず、適用する数量ルールと現場で取得した位置・高さの記録を結び付けて管理することが、控除漏れ、過大控除、数量区分の重複を防ぐための実務的な進め方です。

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