LRTKレフィクシア株式会社

運搬土量管理ツールを乗り換える前に確認したい6つの移行項目

建設現場や造成工事、土工事では、ダンプによる土砂の搬出入状況を正確に把握するために、運搬土量管理ツールを利用するケースが増えています。車両ごとの運搬回数や積載量、搬出元、搬入先、日時などを記録できれば、紙の日報や表計算ファイルだけで管理する場合に比べて、現場状況を整理しやすくなります。

一方、すでに何らかの運搬土量管理ツールを利用している現場や会社では、「現在の管理方法では手入力が多い」「複数現場の集計に時間がかかる」「現場と事務所で数字が合わない」「計測データまで一元管理したい」といった理由から、別の仕組みへの乗り換えを検討することがあります。

ここで注意したいのが、ツールの比較だけで乗り換えを決めないことです。運搬土量の管理には、車両情報、運搬実績、受入先情報、現場名称、土砂区分、計測結果など、多くのデータが関係しています。新しいツールそのものが使いやすくても、旧環境から必要な情報を引き継げなければ、移行後に過去の数量を確認できなくなったり、新旧データの数字が一致しなくなったりする可能性があります。

また、現場では担当者だけでなく、運転者、施工管理者、協力会社、事務担当者など複数の関係者が運用に関わることがあります。そのため、単純なデータ移行だけではなく、入力方法、権限、端末、通信環境、帳票、運用ルールまで含めて確認することが重要です。

この記事では、「運搬土量 管理 ツール」で情報を探している実務担当者に向けて、運搬土量管理ツールを乗り換える前に確認しておきたい6つの移行項目を解説します。現在の運用を止めずに新しい管理方法へ移行するために、どこを整理しておくべきかを順番に確認していきましょう。

移行項目1|既存データをどこまで引き継ぐか整理する

運搬土量管理ツールの乗り換えで最初に確認したいのが、現在保有しているデータをどこまで新しい環境へ引き継ぐかです。

現在のツールには、日々の運搬実績だけでなく、車両番号、運転者、搬出元、搬入先、土砂の種類、運搬日時、計画数量、実績数量など、さまざまな情報が蓄積されている可能性があります。過去データを十分に確認せず新環境へ切り替えてしまうと、以前の工事について問い合わせがあった際に、旧環境を開かなければ確認できない状態になりかねません。

特に確認したいのは、何年間のデータを保持する必要があるのかという点です。すべての過去データを新しいツールへ移す必要があるとは限りません。完了済み工事については旧データを閲覧可能な形式で保存し、施工中の現場と直近の実績だけを新しい環境へ移す方法も考えられます。

重要なのは、「移せるデータを全部移す」ことではなく、「今後の業務で必要になる情報を不足なく残す」ことです。

そのためには、現在利用しているデータをまず分類する必要があります。日々増えていく運搬実績のような履歴データと、車両や現場名のように繰り返し使用する基本情報では、移行方法が異なります。また、写真、計測結果、帳票などが運搬実績とは別に保存されている場合、それらをどのように関連付けて残すかも確認しておきたいところです。

データの形式も重要です。現在のツールからデータを書き出せたとしても、新しい管理環境で同じ項目として読み込めるとは限りません。たとえば、旧環境では「搬入先」として1項目にまとめていた情報を、新環境では名称、住所、受入条件などに分けて管理する場合があります。反対に、旧環境で細かく分けていた項目が、新環境では1項目として扱われることもあります。

このような項目構成の違いを確認しないまま移行すると、一部の情報が欠落したり、意味の異なる項目にデータが入ったりする可能性があります。

また、日付や時刻、数量の単位についても確認が必要です。運搬土量を体積で管理している現場と、重量を中心に管理している現場では、必要な項目が異なります。小数点以下の扱い、丸め方法、日時の記録方法などが変わるだけでも、新旧の集計結果に差が生じることがあります。

過去データを移行しない場合でも、旧データを後から検索できる状態にしておくことが大切です。単にファイルとして保存するだけでは、数年後にどのファイルを見ればよいか分からなくなることがあります。工事名、期間、現場、データの種類などを整理し、必要になった際に探せる形で保存しておくと安心です。

さらに、移行前には現在の運搬土量管理ツールから取得できるデータの種類を確認しておきましょう。画面上では確認できても、一括して書き出せない情報が含まれている可能性があります。移行直前になって初めて必要なデータを取得できないことが分かると、切り替えスケジュールにも影響します。

ツールの乗り換えを決定する前に、現在保有しているデータ、必要な保存期間、移行対象、保存形式を整理しておくことが、移行作業の出発点になります。

移行項目2|車両・現場・受入先などのマスターデータを統一する

次に確認したいのが、車両、現場、運転者、協力会社、受入先などの基本情報です。

運搬土量管理では、同じ車両や同じ搬入先が毎日繰り返し登場します。そのため、多くの管理方法では基本情報をあらかじめ登録し、日々の運搬記録と関連付けます。こうした基本情報が整理されていない状態で新しいツールへ移行すると、過去から続いている表記揺れまでそのまま引き継いでしまいます。

たとえば同じ受入先でも、正式名称、略称、現場内の呼称など複数の名前で登録されていることがあります。車両についても、登録番号全体で管理している場合と、社内の車両番号だけで管理している場合があります。

この状態では、人が画面を見れば同じ対象だと判断できても、システム上は別のデータとして集計される可能性があります。その結果、受入先別の運搬量や車両別の運搬回数を集計した際に、数字が分散する原因になります。

ツールを乗り換えるタイミングは、このような基本情報を整理する良い機会でもあります。

まず、現在登録されている情報の中から、今後も使用するものと使用しないものを分けます。完了した現場や契約が終了した協力会社など、今後利用しない情報を新環境へすべて登録する必要はありません。一方、継続利用する車両や頻繁に使用する受入先については、名称や識別方法を統一しておくと、新環境での集計が安定します。

車両情報については、最大積載量や車両区分など、土量管理に必要となる属性も確認しておきたいところです。現在は車両番号だけで管理していても、新しい管理方法では積載条件まで登録することで、運搬記録との照合に活用できる可能性があります。

ただし、登録した最大積載量だけから実際の運搬重量や体積を自動的に確定できるわけではありません。実際の積載状態は運搬ごとに異なるため、車両情報はあくまで管理条件の一つとして扱い、実測値や現場で採用している算定方法との関係を明確にしておく必要があります。

受入先についても同様です。受入可能な時間帯や休業日、受入対象となる材料などを管理している場合、それらをどのように新環境へ移すか確認します。情報が頻繁に変わる項目については、移行時点の内容をそのままコピーするのではなく、最新情報かどうかを見直した方が安全です。

現場名称も統一しておきましょう。工事契約上の正式名称と社内で使う略称が混在していると、検索や集計が難しくなります。管理番号など変わりにくい識別情報を併用すると、名称変更があっても同じ工事として追跡しやすくなります。

さらに、誰がマスターデータを登録、変更できるのかも決める必要があります。すべての利用者が自由に新しい名称を登録できる運用では、時間がたつにつれて重複登録が増えやすくなります。新しいツールへ移行するときは、登録方法だけでなく、登録後の維持管理まで考えておくことが重要です。

乗り換えを単なるシステム交換として考えるのではなく、運搬土量管理で使用する名称や分類を整理し直す機会として利用すると、移行後のデータ品質を高めやすくなります。

移行項目3|計測方法と運搬土量の算出条件を揃える

運搬土量管理ツールを変更する際、特に慎重に確認したいのが数量の算出条件です。

運搬土量は、単純にダンプの台数だけを数えれば管理できるとは限りません。現場によっては車両ごとの積載量を基準に計算したり、重量計測結果を使用したり、施工前後の地形計測から体積を求めたりします。また、積込時、搬出時、受入時など、どの時点の数量を正式な実績として扱うかも運用によって異なります。

新しいツールへ移行するときに、この算出条件が変わってしまうと、新旧環境の数量を単純に比較できなくなります。

たとえば、旧環境では車両1台あたりの標準的な体積を設定し、運搬回数を掛けて概算土量を集計していたとします。新環境では実測値を入力する方式に変更した場合、同じ10台を運搬した日でも集計される数量が異なる可能性があります。

これは新しいツールの計算が誤っているという意味ではありません。計算の前提が変わっているためです。

そのため移行前には、現在の数量が何を基準に算出されているのかを明文化しておくことが重要です。入力値なのか、車両別の設定値なのか、計測値なのか、別の管理資料から転記した値なのかを整理します。

重量と体積の扱いにも注意が必要です。土砂の重量と体積は同じものではなく、状態や材料によって関係が変化します。そのため、重量から体積へ変換する場合には、その現場で採用している条件を明確にする必要があります。異なる条件で換算された数量をそのまま比較すると、管理上の差として現れることがあります。

また、地形や土砂の形状を計測して体積を確認する場合は、基準となる面や計測範囲を揃えることが重要です。施工前後のデータを比較するときに範囲が異なれば、その差分には施工による変化だけでなく、比較範囲の違いも含まれてしまいます。

運搬実績と現地計測結果を照合する場合も同じです。ダンプによる運搬数量と地形計測から求めた数量は、計測対象や算出条件が異なるため、必ず完全一致するとは限りません。重要なのは、双方が何を表す数量なのかを理解したうえで比較することです。

小数点以下の扱いも移行前に確認しておきましょう。1回ごとの運搬量を一定の桁数で丸めてから合計する場合と、元の値をすべて合計した後に丸める場合では、運搬回数が多くなるほど集計値に差が出る可能性があります。

日次、週次、月次、工事全体のどの段階で数量を確定するのかも確認しておくと、新旧環境を比較しやすくなります。

新しいツールを試用するときは、機能を見るだけではなく、実際の過去データを使って同じ条件で集計してみる方法が有効です。ある1日分、あるいは1週間分の実績を新旧双方で入力し、運搬回数、数量、車両別集計、搬入先別集計などを比較します。

数字が違った場合には、すぐにどちらかを誤りと判断せず、計算条件、単位、丸め、対象範囲、入力方法を確認します。この確認を本格移行前に行っておけば、切り替え後に「以前の集計と数字が合わない」という問題が発生する可能性を抑えやすくなります。

移行項目4|現場での入力方法と通信環境を確認する

管理者にとって便利な運搬土量管理ツールでも、現場で入力しにくければ定着しません。

運搬土量のデータは、事務所だけで発生するものではありません。積込場所、現場出入口、搬入先、受入場所など、さまざまな地点で情報が発生します。そこで誰が何を入力するのかを、乗り換え前に確認しておく必要があります。

現在の運用が紙の日報を事務所で転記する方式であれば、新しいツールへの移行を機に現場入力へ変更することも考えられます。ただし、入力場所を変えるだけでは業務改善にはなりません。入力担当者に新たな負担が集中すれば、記録漏れや後入力が増える可能性があります。

まず確認したいのは、1回の運搬について必要な入力項目です。

日時、車両、搬出元、搬入先、土砂区分、数量など、入力項目が増えるほど詳細なデータを残せます。一方で、1日に何十回、何百回と運搬が行われる現場では、毎回多数の項目を手作業で選択することが負担になる場合があります。

そのため、新しいツールでは「入力できる項目数」だけではなく、「実際の現場で必要な情報を少ない操作で残せるか」を確認することが重要です。

誰が入力するかも整理します。運転者自身が入力するのか、積込側の担当者が登録するのか、受入側が確認するのか、管理者がまとめて登録するのかによって、必要な画面や権限は異なります。

協力会社の車両が多い現場では、利用者の入れ替わりも想定しておかなければなりません。新しい利用者が加わるたびに複雑な設定や説明が必要な仕組みでは、管理者の負担が増えます。

通信環境の確認も欠かせません。

山間部、造成地、トンネル周辺、広い土工現場などでは、場所によって通信状態が安定しない場合があります。通信接続を前提とした管理方法を採用する場合、通信が不安定な時間帯に入力できなくなると、後からまとめて登録する運用へ戻ってしまう可能性があります。

新しいツールを選ぶ際には、利用予定の現場で実際に操作し、通信が不安定な状況でどのような動作になるのか確認しておくとよいでしょう。通信回復後の同期方法や、同じ情報が二重登録される可能性がないかも確認対象になります。

位置情報を利用する場合には、さらに確認事項が増えます。車両の位置を記録できるからといって、それだけで正しい運搬土量が確定するわけではありません。位置情報は、いつどこにいたかを確認するための情報として有効ですが、数量そのものを示す情報とは区別して扱う必要があります。

また、現場で使用する端末の管理方法も整理しておきたいところです。会社支給端末を使うのか、特定の担当者だけが操作するのか、複数人で共有するのかによって、ログイン方法やデータの責任範囲が変わります。

新しい運搬土量管理ツールを評価するときは、事務所のパソコンで管理画面を見るだけでは不十分です。実際に運搬が発生する場所で、実際の担当者が、実際に近い回数の入力を行ってみることが重要です。

数回の操作では問題がなくても、それを一日中繰り返すと負担になることがあります。現場で継続可能な入力方法になっているかどうかが、乗り換え後の定着を左右します。

移行項目5|権限・帳票・外部データ連携の運用を整理する

運搬土量管理ツールは、運搬データを入力するだけでなく、蓄積した情報を確認し、集計し、関係者へ共有するために使用します。そのため、ツールを乗り換える前には、誰がどこまで情報を見られるのか、どのような帳票を作るのか、他のデータとどのようにつなぐのかも確認しておく必要があります。

まず整理したいのが利用者の権限です。

現場担当者、現場責任者、協力会社、事務担当者、管理部門などでは、必要な情報が異なります。すべての利用者に同じ権限を与えると、誤操作による変更や、本来必要のない情報へのアクセスにつながる可能性があります。

反対に、権限を細かく制限しすぎると、必要な作業を行うたびに管理者へ依頼しなければならなくなります。乗り換え前には現在の利用者を洗い出し、誰が閲覧、入力、修正、承認、出力などを行うのか整理しておくと、新環境の設定を決めやすくなります。

特に確認しておきたいのがデータ修正の扱いです。

運搬土量管理では、車両番号の選択間違いや数量の入力間違いなどが起こる可能性があります。修正そのものを禁止すると実務上使いにくくなりますが、誰でも自由に過去データを書き換えられる状態では、後から数字が変わった理由を確認しにくくなります。

そのため、修正可能な期間や担当者を決めたり、変更履歴を確認できる運用にしたりすることが考えられます。新しいツールが履歴を保持できる場合でも、どの操作が記録されるのかは事前に確認しておきたいところです。

帳票についても、現状の形式をそのまま再現する必要があるのかを検討します。

現在の現場で使われている帳票には、長年の運用の中で追加された項目が多く含まれている場合があります。その中には現在ほとんど利用されていない情報が残っていることもあります。乗り換えを機に、提出先や社内確認に本当に必要な項目を整理すると、入力作業と帳票作成の両方を簡素化できる可能性があります。

ただし、提出先から形式や記載内容を指定されている場合には、勝手に変更せず、必要条件を確認したうえで移行する必要があります。

外部データとの連携も重要な確認項目です。

運搬土量データを別の施工管理資料へ転記している場合や、計測結果と合わせて集計している場合、新しいツールから必要なデータを取得できるかを確認します。画面上で集計結果を確認できても、必要な項目を外部へ書き出せなければ、最終的に手入力が残る可能性があります。

反対に、新しいツールへ外部データを取り込む場合には、項目構成や単位を確認する必要があります。たとえば計測データと運搬実績を関連付けたい場合、現場名称や期間だけでなく、どの施工範囲に対する数量なのかを合わせなければ、単純な比較はできません。

さらに、複数の現場を横断して管理したい場合には、現場単位と会社全体で必要な情報を分けて考える必要があります。

現場では当日の進捗確認が重要でも、管理部門では月ごとの総運搬量や現場別の進捗を確認したいことがあります。新しいツールが各現場では便利でも、会社全体の集計に必要なデータを取り出せなければ、別途集計作業が発生します。

このように、運搬土量管理ツールの乗り換えでは、入力画面だけではなく、入力した後に情報がどのように使われるかまで確認することが重要です。

現在行っている帳票作成、集計、転記、承認、共有作業を書き出し、新しい環境でどのように置き換わるのかを確認すると、移行後の業務を具体的にイメージできます。

移行項目6|並行運用と切り替え後の確認方法を決める

最後の移行項目は、新旧ツールの切り替え方法です。

運搬土量管理は日々数字が積み上がっていく業務です。そのため、ある日突然すべてを新しいツールへ変更すると、入力ミスや設定漏れがあった際に影響範囲が大きくなります。

特に大規模な現場や運搬回数の多い現場では、一定期間の並行確認を検討することが有効です。

ここでいう並行確認とは、必ずしもすべての情報を二重入力するという意味ではありません。新しい環境で運用した結果を、従来の集計方法や既存資料と一定期間照合し、数量や運搬回数に大きな差がないか確認する方法もあります。

重要なのは、本格切り替え前に「新しい環境で正しい結果を得られるか」を実データで確認することです。

試行する現場も選ぶ必要があります。最初から最も複雑な現場を選ぶと、ツールそのものの問題なのか、現場固有の運用による問題なのかを切り分けにくくなります。一方、運搬回数が極端に少ない現場だけでは、本格運用時の負荷を確認できません。

ある程度一般的な運用を行っている現場で試し、その後、複雑な条件を持つ現場へ広げていく方法が考えられます。

確認期間中には、単に総運搬量だけを見るのではなく、車両別、搬入先別、日別など複数の視点で結果を照合すると違いを発見しやすくなります。

たとえば工事全体の合計数量が一致していても、特定の車両が別の車両として登録されていれば、車両別集計は一致しません。合計値だけでは見つけられない設定ミスがあるためです。

また、移行日を明確にすることも重要です。

新旧両方のツールに同じ日付のデータが存在すると、後で集計する際に二重計上する可能性があります。「この日時以降は新環境を正式データとする」といった境界を決め、利用者全員で共有しておく必要があります。

移行直後には問い合わせ窓口も決めておきましょう。

操作方法が分からない場合、誰に確認すればよいか決まっていないと、それぞれが自己判断で異なる入力方法を始める可能性があります。特に初期段階では、現場から上がってくる疑問を集約し、運用ルールに反映していくことが重要です。

さらに、問題が発生した場合の対応も事前に考えておきます。

新環境で入力できなくなった場合、一時的に何へ記録するのか。復旧後にどのように登録するのか。重複登録をどのように確認するのか。こうした例外時のルールがないと、障害そのものより、その後のデータ整理に時間がかかることがあります。

新しいツールへの移行が完了した後も、すぐに旧環境を削除するのではなく、必要な確認が終わるまで過去データを参照できる状態にしておく方が安全です。

切り替えとは、旧ツールを停止した瞬間に完了するものではありません。新しい運用が現場で定着し、必要な数量を継続して確認でき、帳票や集計にも問題がないことを確かめて初めて、実務上の移行が完了したと考えることができます。

運搬土量管理ツールの乗り換えで避けたい失敗

運搬土量管理ツールの乗り換えでは、新しい機能に注目するあまり、現在の業務で何が必要なのかを整理しないまま導入を進めてしまうことがあります。

よく起こりやすいのが、現在の作業をそのまま新しいツール上へ再現しようとすることです。

たとえば現在、現場で紙へ記録し、事務所で表計算ファイルへ転記し、さらに別の帳票へ再入力しているとします。この手順を新しいツールでもそのまま維持すると、管理画面が変わっただけで、転記作業そのものは残ってしまいます。

乗り換えの目的が業務効率化であれば、現在行っている作業の中から、不要な転記や重複入力を見つけることが重要です。

反対に、効率化を急ぐあまり必要な確認工程までなくしてしまうことにも注意が必要です。

運搬土量は工事の進捗管理や数量確認に関係する重要な情報です。自動化できる部分を増やしても、入力条件や計測範囲が正しいかを人が確認する場面は残ります。「自動で集計されるから正しい」と考えるのではなく、どのデータからどのような条件で数字が作られているのかを把握できる仕組みにしておくことが重要です。

また、現場ごとに独自ルールを増やしすぎることも避けたいところです。

現場Aでは車両番号で管理し、現場Bでは運転者名で管理し、現場Cでは協力会社名だけで管理するという状態では、全社集計が難しくなります。もちろん工事条件によって必要な管理方法は異なりますが、共通化できる項目はできるだけ統一した方が、ツールを活用しやすくなります。

担当者だけが使い方を理解している状態もリスクになります。

運搬土量管理は長期間続くことがあり、担当変更も発生します。特定の担当者しか入力方法や集計条件を知らない場合、その担当者が不在になると管理が止まる可能性があります。

移行時には操作手順だけでなく、「なぜこの項目を入力するのか」「どの数字を正式な実績として扱うのか」といった運用の考え方まで共有しておくことが重要です。

もう一つ注意したいのが、新しいツールの評価を管理者だけで行うことです。

管理者にとって見やすい集計画面があっても、現場担当者の入力に時間がかかれば、継続的な運用は難しくなります。反対に現場での入力が簡単でも、管理側で必要な集計ができなければ、別作業が増えてしまいます。

実際に利用する複数の立場から評価し、入力から確認、集計、報告まで一連の流れを確認することが、失敗を避けるポイントです。

運搬土量管理を計測から見直すという考え方

運搬土量管理ツールを乗り換える際には、既存の記録方法をそのまま移すだけではなく、「そもそも土量をどのように把握するか」から見直す方法もあります。

ダンプの運搬記録は、土砂の移動を管理するうえで重要です。しかし、車両の運搬回数だけでは、施工エリアに実際にどの程度の土砂が増減したのかを直接示しているわけではありません。

そこで、必要に応じて現場の地形計測と組み合わせる考え方があります。

施工前の地形と施工後の地形をそれぞれ計測し、同じ範囲、同じ基準のもとで比較すれば、地形変化から体積を確認することができます。これを運搬記録と合わせて確認することで、「何台運んだか」という管理と、「現地がどの程度変化したか」という管理を別の視点から照合できます。

もちろん、両者の数量が必ず一致するわけではありません。

運搬時の数量と現地の体積では対象とする状態や算定条件が異なる可能性があるためです。重要なのは一致させることそのものではなく、それぞれの数量がどのような条件から算出された値なのかを明確にして比較することです。

こうした計測データを扱う場合にも、ツール移行時には座標、高さ、計測範囲、基準面などの条件管理が重要になります。以前の計測結果と新しい計測結果を比較する場合、基準が異なっていれば、施工による変化ではない差まで体積差として現れる可能性があります。

そのため、運搬土量管理を高度化する場合には、運搬記録のデジタル化と現場計測のデジタル化を別々に考えるのではなく、必要な範囲で関連付けられるようにしておくと便利です。

たとえば、ある期間に記録された運搬実績と、同期間の前後で取得した現場データを関連付けられれば、数量差が大きい場合に確認すべき範囲を絞り込みやすくなります。

現場によっては、毎日詳細な地形計測を行う必要はありません。工区の切り替わり、月次集計、一定数量の施工完了時など、管理上意味のある時点で計測する方法も考えられます。

大切なのは、ツールの機能を増やすことではなく、施工管理上必要な数字を、確認可能な根拠とともに残せる仕組みを作ることです。

運搬土量管理ツールの乗り換えは、その仕組みを再設計する機会でもあります。

現在、運搬台数を管理するためだけにツールを使っているのであれば、乗り換えを機に、運搬実績、現場計測、写真、位置情報などをどのように組み合わせれば現場確認の手間を減らせるかを検討する価値があります。

ただし、機能を一度に増やしすぎると現場が混乱します。最初は運搬記録を確実に移行し、その後、必要に応じて計測やデータ連携の範囲を広げていく方法も現実的です。

まとめ|ツールの機能だけでなく移行後の運用まで確認する

運搬土量管理ツールを乗り換える際は、新しいツールの機能比較だけで判断するのではなく、現在蓄積しているデータと現場の運用をどのように引き継ぐかを確認することが重要です。

まず、過去の運搬実績をどこまで移行するのかを整理し、必要なデータを保存します。次に、車両、現場、受入先などのマスターデータを整理し、名称や分類の重複をできるだけ解消します。

数量については、旧環境と新環境で算出条件が変わらないかを確認します。運搬回数、重量、体積、実測値など、何を正式な数量として扱っているのかを明確にし、必要であれば実際の過去データを使って新旧の結果を比較します。

さらに、現場で誰が入力するのか、通信が不安定な場所ではどのように記録するのか、利用する端末をどう管理するのかも確認しておく必要があります。

管理側では、利用者ごとの権限、修正履歴、帳票、データ出力、他の管理データとの連携方法まで確認します。そして本格移行前には、実際の現場で試行し、一定期間の結果を従来の管理方法と照合すると、設定や運用上の問題を発見しやすくなります。

運搬土量管理ツールの乗り換えで最も重要なのは、新しいシステムへデータを移すことではありません。移行後も継続して正しい条件でデータを集め、必要なときに確認できる状態を作ることです。

また、運搬土量の管理を見直すのであれば、車両ごとの運搬記録だけでなく、現地の計測結果を組み合わせる方法も検討できます。運搬実績と施工前後の地形変化をそれぞれ把握できれば、数量を複数の視点から確認しやすくなります。

LRTK Phoneを活用すれば、現場で位置情報を伴う計測や点群データの取得などを行い、施工状況を確認するためのデータを残すことができます。運搬土量管理ツールの乗り換えを検討している場合は、単なる入力・集計方法の変更にとどめず、現場での計測から数量確認までを含めて現在の業務フローを見直し、LRTK Phoneを活用した現場データ取得も選択肢として検討してみてください。

現場を3Dで残して、あとから測る。
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