LRTKレフィクシア株式会社

点群ビューアで施工前後の名前付けを統一し体積計算ミスを減らす4策

施工前後の点群で名前付けが重要になる理由

点群ビューアを使って施工前後の体積計算を行う場合、測定精度や点群密度だけでなく、どのデータを施工前、どのデータを施工後として扱うかを正しく判断できることが重要です。現場で取得した点群そのものに問題がなくても、体積計算時に別の日のデータや別工区のデータを選択すると、期待した比較結果にはなりません。

特に土工、造成、掘削、盛土、仮置き土、ストックヤードなどでは、同じ場所を何度も計測することがあります。施工前、施工途中、施工後という3時点だけでなく、日々の進捗確認や出来形確認のために数日おきに点群を取得する現場もあります。データが増えるほど、点群ビューアの一覧画面には似た名称のデータが並びやすくなります。

たとえば、同じ現場について「現場A」「現場A最新」「現場A新」「現場A修正」のような名前が付いていたとしても、数週間後に第三者が見れば、それぞれがいつ取得されたデータなのかを判断するのは困難です。「最新」という名称も、登録した時点では意味が通じても、新しい点群が追加されれば最新ではなくなります。

施工前後の体積を比較する業務では、こうした名前の曖昧さが単なる整理上の問題では済みません。施工前の点群Aと施工後の点群Bを比較するつもりが、誤って施工途中の点群Cを選択すれば、計算対象となる地形差そのものが変わります。

点群ビューアの体積計算機能を有効に使うためには、計算操作だけではなく、その前段階でデータを迷わず選択できる状態を作ることが大切です。その基本になるのが、施工前後の名前付けを統一することです。

名前付けの目的は、きれいにファイルを並べることではありません。誰が見ても同じ意味に読み取れ、必要な点群を短時間で特定し、比較対象を取り違えにくくすることにあります。体積計算 点群ビューアという観点では、命名ルールも計測手順や計算条件と同じように、作業品質を支える管理項目の一つとして考える必要があります。

体積計算では点群の選択ミスが結果に直結する

点群を使った体積計算では、対象範囲と基準面、そして比較する点群の組み合わせによって結果が変わります。そのため、正しい点群を選択することは計算の入口にあたる重要な作業です。

施工前後の比較では、同一または整合した座標系、高さ基準、対象範囲などを確認したうえで、異なる時点の地形や構造物周辺の変化を評価します。施工前と施工後の表面差を利用すれば、盛土や掘削などによる変化量を把握しやすくなります。

しかし、比較対象を誤れば、その後の計算操作を正確に行っても、本来求めたい体積とは異なる値になる可能性があります。これは計算式の問題ではなく、入力データの選択段階で発生する問題です。

たとえば、7月1日に施工前計測を行い、7月10日に中間計測、7月20日に施工後計測を行ったとします。本来は7月1日と7月20日を比較したいところ、施工後データとして7月10日を選択すれば、7月10日から7月20日までに発生した地形変化が比較結果へ反映されません。

工区の取り違えも注意が必要です。同じ現場でA工区とB工区を計測している場合、撮影範囲や地形が似ていると、点群を画面上で開いただけでは即座に判断できないことがあります。名称に工区情報が含まれていなければ、計算担当者は一つずつ表示して位置を確認しなければならなくなります。

また、同じ日に再計測を行った場合も混乱しやすくなります。午前中の計測に不足があり午後に再計測したのに、両方とも同じ名称で保存してしまうと、どちらを正式な計算対象にするのか分からなくなります。

こうしたミスを完全に命名だけで防げるわけではありませんが、名称から施工段階、日付、場所、対象、版を読み取れるようにしておけば、明らかに誤った組み合わせを選択する可能性を減らせます。点群ビューア上で多数のデータを扱う現場ほど、名称は実質的な検索キーとして機能します。

体積計算の精度を考えるときは、点群の取得精度だけに目を向けるのではなく、計算対象となるデータを間違えない仕組みも含めて管理することが重要です。

策1 施工前後を一目で判別できる命名ルールを決める

最初の対策は、施工前、施工途中、施工後といった計測時点を、名称だけで判断できるルールに統一することです。

現場担当者ごとに「着工前」「施工前」「工事前」「変更前」など異なる言葉を使ってしまうと、同じ意味のデータが複数の表記で登録されます。人間には意味が通じても、一覧表示や名称検索ではまとまりが悪くなります。

そこで、施工前なら「施工前」、施工途中なら「施工中」、施工完了後なら「施工後」というように、社内や現場内で使用する語句を固定します。重要なのは、どの言葉を選ぶかより、全員が同じ言葉を継続して使うことです。

たとえば、「施工前_20260801_第1工区_盛土」のように、名称の先頭または決められた位置へ施工段階を入れておけば、一覧上でも施工前のデータを見つけやすくなります。施工後も同様に「施工後_20260815_第1工区_盛土」としておけば、比較対象となる2つの点群を把握しやすくなります。

反対に、「第1工区新しいやつ」「完成」「最終」「確認用」といった担当者だけが理解できる名称は避けた方が安全です。「完成」という言葉が計測時点を示すのか、点群編集が完了したことを示すのか分からない場合もあります。

施工段階の名称は、作業工程と対応させておくことも有効です。掘削であれば掘削前と掘削後、盛土であれば盛土前と盛土後、仮置き土なら搬入前と搬入後など、何を比較するための点群なのかが分かる表記にします。

ただし、一つの現場内で命名方式を頻繁に変えると、かえって混乱します。業務全体で「施工前」「施工後」を基本表記にすると決めたのであれば、個別工程の説明は別の項目として追加した方が整理しやすくなります。

名称を見るだけで施工前後が判別できれば、点群ビューア上でデータを選択する際の確認負担を減らせます。特に数十件以上の点群が蓄積された現場では、一件ずつ表示して内容を判断するより、名称の段階で候補を絞り込めることが大きな利点になります。

さらに、施工前後を固定語で統一しておけば、後からデータを探す場合にも役立ちます。過去の工事について「施工前」の点群だけを確認したい場合、名称検索が利用できる環境なら対象を絞り込みやすくなります。

名前付けは、目の前の体積計算だけを考えて決めるのではなく、数か月後に別担当者がデータを再確認する状況まで想定して決めることが大切です。

策2 日付と計測時点の表記方法を統一する

2つ目の対策は、計測日を必ず名称に含め、その表記方法を統一することです。

施工前、施工後という情報だけでは、複数回計測を行った場合にどの点群を使うべきか判断できないことがあります。同じ施工前データが2回存在したり、施工後の確認測量を複数日にわたって行ったりすることもあるためです。

日付は「20260819」のように年月日を一定桁数で表記すると、名称を文字列として並べた場合にも時系列が把握しやすくなります。「8月19日」「8-19」「0819」など複数の形式が混在すると、年をまたいだときや過去データを見返したときに判断しにくくなります。

年を省略すると、長期案件では同じ月日のデータが翌年にも発生する可能性があります。そのため、継続的に保存するデータでは年月日まで含めておく方が管理しやすくなります。

同じ日に複数回計測する可能性がある現場では、必要に応じて計測時刻や回数を追加します。たとえば午前と午後で地形状態が変わる現場や、一度目の計測後に欠測が見つかって再計測した現場では、日付だけでは区別できません。

この場合、「20260819_AM」「20260819_PM」のような表現を使う方法もありますが、より細かい順序管理が必要なら計測時刻を固定形式で入れる方法も考えられます。ただし、時刻を名称へ入れる必要がない現場まで過度に細かくすると名称が長くなります。実際の計測頻度に合わせて必要な情報量を決めることが重要です。

日付を入れる際には、計測日とデータ処理日を混同しないことも大切です。8月10日に計測した点群を8月12日に編集した場合、体積比較で重要なのは基本的に地形が記録された8月10日です。名称へ8月12日だけを入れてしまうと、実際の施工状態との対応が分かりにくくなります。

そのため、名称の日付は原則として計測日を使い、修正日や処理日は別の版管理情報として扱う方法が分かりやすいでしょう。

施工前後の計測間隔が長い場合は、日付情報がさらに重要になります。施工前計測から数週間後に施工後計測を行い、その間に中間計測が何回も入る場合、名称の時系列が揃っていれば比較対象を追跡しやすくなります。

体積計算では、「どの時点からどの時点までの変化を計算したのか」が結果の意味を決めます。日付を統一して名称へ残すことは、その計算期間を明確にする基本的な対策です。

策3 現場名・工区・計測対象を同じ順序で記録する

3つ目の対策は、施工段階や日付だけでなく、現場名、工区、計測対象といった情報を一定の順序で名称へ組み込むことです。

多数の現場を扱う場合、施工前後だけではデータを特定できません。同じ日に複数の現場や工区を計測することもあります。そのため、どこを計測した点群なのかを名称から判断できるようにします。

重要なのは、含める情報だけでなく、その並び順も統一することです。ある担当者は「現場名_日付_施工段階」、別の担当者は「日付_施工段階_現場名」、さらに別の担当者は「工区_現場名_日付」と入力している状態では、一覧上で比較しにくくなります。

たとえば「施工段階_計測日_現場名_工区_対象」という順序を決めたのであれば、すべての点群で同じ順序を使用します。「施工前_20260801_造成現場_第1工区_盛土」と「施工後_20260815_造成現場_第1工区_盛土」のようにそろっていれば、名称を比較するだけでも一対のデータであることを把握しやすくなります。

工区名についても表記揺れを避けます。「1工区」「第1工区」「工区1」が混在すると検索や並び替えがしにくくなります。同じ場所に複数の呼び方がある場合は、正式な管理名称に合わせるなど、あらかじめ使用する表記を決めておきます。

計測対象も重要です。同一工区で盛土、掘削部、残土置場など複数の対象を測る場合、名称に対象物を入れておかないと、どの体積を計算する点群なのか分かりません。

特に仮置き土や資材の在庫量を点群ビューアで管理する場合は、対象ごとの名称を統一すると効果的です。「土山A」「土山B」などの識別情報を現場表示と対応させておけば、現地の対象と点群データを結び付けやすくなります。

一方で、名称へ情報を詰め込みすぎると一覧画面で末尾が表示されず、かえって判別しにくくなる可能性があります。そのため、名称に含める情報は体積計算の対象を特定するうえで重要な項目に絞り、詳細な説明は備考や管理台帳など別の情報欄が利用できる場合に分けて管理します。

現場名、工区、対象を同じ順序で記録するメリットは、体積計算を担当する本人だけでなく、確認者にもあります。作業者と承認者が異なる場合、確認者は現地計測時の状況をすべて把握しているとは限りません。名称だけで比較対象をある程度判断できれば、確認作業を進めやすくなります。

策4 修正版と確定版を区別して古い点群の使用を防ぐ

4つ目の対策は、同じ計測データから複数の編集版が作られた場合に、どれが体積計算に使う正式な点群なのかを明確にすることです。

点群データは、取得したままの状態で常に計算へ使用するとは限りません。計測対象外の点を除外したり、明らかなノイズを確認したり、計算対象範囲を整理したりする場合があります。その結果、同じ計測日のデータについて複数の版が残ることがあります。

ここで「修正版」「修正版2」「最終」「最終2」「本当の最終」のような名前を使い始めると、どれが正式データなのか分からなくなります。作成した本人は判断できても、別担当者や数か月後の本人には判断できないことがあります。

そのため、版番号の表記を決めておく方法が有効です。たとえば、最初の処理版を「V01」、修正後を「V02」とするように通し番号で管理すれば、新旧関係を把握しやすくなります。

さらに、計算に採用する版が決まった場合には、「確定」などの固定表記を使う運用も考えられます。ただし、「確定」という名称を付けた後にさらに修正が必要になることもあるため、確定状態を誰が変更できるのか、再修正時にどのような名称へ更新するのかまで決めておくと混乱を減らせます。

元データを残すことも重要です。編集済み点群だけを残して元の計測データを上書きすると、後から処理内容を検証したい場合に比較できません。保存容量や運用ルールとの兼ね合いはありますが、少なくとも体積計算の根拠として重要なデータについては、元データと計算用データを識別できる形で管理することが望まれます。

たとえば名称の末尾を「RAW」「V01」「V02」「確定」など一定の意味を持つ表記で統一すれば、同じ計測日に複数データがあっても役割を判断しやすくなります。ただし、英字と日本語を混在させるかどうかも含め、現場全体で統一することが大切です。

体積計算の際には、新しい版だから正しいと無条件に考えるのではなく、なぜ版が更新されたのかも確認します。点群のノイズ処理だけを変更したのか、座標を修正したのか、計算対象範囲を変更したのかによって、結果への影響は異なります。

名前付けによる版管理は、誤って旧データを選ぶことを防ぐ第一段階です。計算結果を正式な記録として利用する場合は、採用したデータ名や版を計算記録にも残しておくと、後から同じ条件を確認しやすくなります。

点群ビューアへ登録するときの運用を標準化する

命名ルールを決めても、登録する人によって運用が異なれば効果は薄れます。そこで、点群ビューアへデータを登録する段階から、名称の付け方を標準化する必要があります。

現場では、計測担当者が取得した点群をそのまま登録する場合もあれば、事務所へ戻って別担当者が整理してから登録する場合もあります。複数人が関わるほど、誰がどのタイミングで名称を確定するのかを明確にしておくことが重要です。

おすすめなのは、計測直後の段階で最低限の識別情報を付ける運用です。日付、現場、工区、施工前後の区分など、その時点で確実に分かっている情報を記録します。後からまとめて名称を付けようとすると、「この点群はどこだったか」「施工前だったか中間だったか」と確認する作業が発生しやすくなります。

一方で、計測担当者が自由入力するだけでは表記揺れが生じます。命名ルールを短い社内ルールとして決め、「施工段階_日付_現場_工区_対象_版」のように項目順を共有しておけば、入力時の迷いを減らせます。

区切り文字も統一した方が分かりやすくなります。アンダースコア、ハイフン、空白などを担当者ごとに変えるのではなく、使用する区切り方法を決めます。名称そのものに区切り文字と似た記号を多用すると解析しにくくなるため、現場名などの表記方法も可能な範囲でそろえます。

登録後には、点群ビューア上の名称が正しく表示されているか確認します。文字数が多すぎて重要な部分が一覧上で隠れる場合は、項目の順序を見直す必要があります。頻繁に確認する施工段階や日付を前方へ置き、補足的な情報を後方へ置くなど、実際の画面での見やすさも考慮します。

さらに、点群を登録した直後に位置を表示して、名称と現場が一致しているか確認すると効果的です。第1工区として登録した点群が実際には第2工区を示していれば、名称入力またはデータ選択のどちらかに問題がある可能性があります。

名前付けを事務作業として切り離すのではなく、点群登録時の品質確認の一部として組み込むことがポイントです。

体積計算を始める前に施工前後の組み合わせを確認する

命名ルールを整えていても、体積計算前の確認を省略してはいけません。名称は選択ミスを減らすための仕組みであり、データ内容そのものを保証するものではないからです。

体積計算を始める際は、まず選択した施工前データと施工後データの名称を並べて確認します。現場名、工区、計測対象が一致し、施工段階と日付だけが意図した形で異なっているかを見ると、組み合わせの異常を見つけやすくなります。

たとえば、施工前が「第1工区_盛土」で、施工後が「第2工区_盛土」となっていれば、名称を見るだけでも選択ミスに気付けます。また、施工前の日付が施工後の日付より後になっている場合も、何らかの選択ミスや名称入力ミスを疑えます。

次に、点群を表示して計測位置を確認します。名称は正しく見えても、登録時に別ファイルへ誤った名称を付けている可能性があるためです。地形形状、周辺構造物、道路、法面などを確認し、施工前後が同じ場所を捉えているかを確認します。

比較範囲も重要です。施工前点群では対象範囲全体を計測できているのに、施工後点群の一部が欠けていれば、差分計算の解釈に注意が必要です。名称が正しくても、比較可能なデータ条件がそろっているとは限りません。

さらに、計算に使用する基準面や比較方式も確認します。同じ施工前後データを使っても、基準面や対象領域が変われば体積結果も変わるためです。

作業記録には、施工前点群名、施工後点群名、計算対象範囲、必要に応じて基準面などを残しておくと、結果の確認や再計算に役立ちます。「施工前と施工後を比較した」とだけ記録するのではなく、どの点群同士を比較したのかが追跡できる状態にすることが重要です。

名前付けだけに頼らず計測条件も確認する

統一された名称はデータ管理に役立ちますが、体積計算の信頼性を名称だけで判断することはできません。施工前後の比較では、点群同士が比較可能な状態にあるかを別途確認する必要があります。

まず確認したいのが座標の整合です。施工前後で位置基準が異なっていれば、本来変化していない場所まで差分として現れる可能性があります。水平位置だけでなく、高さ方向の整合も重要です。

特に広い範囲の土量を求める場合、小さな高さの差でも対象面積が大きくなれば体積結果へ影響する可能性があります。そのため、体積値だけを見るのではなく、施工していない周辺部分で不自然な高さ差が生じていないか確認すると、位置や高さの整合性を評価する手掛かりになります。

点群に含まれる不要な対象にも注意が必要です。施工前に置かれていなかった重機や資材が施工後に置かれている場合、それらを地形として扱えば差分に影響することがあります。植生、人、車両、水面なども計測条件によって点群へ含まれる可能性があります。

また、施工前後で計測範囲が大きく異なる場合、比較できる共通領域が限られます。体積計算の対象範囲を設定する際には、両時点で十分な点群が存在しているか確認することが重要です。

名称へ日付を記載していれば、天候や施工記録との照合もしやすくなります。大雨の直後など地表状態が大きく異なる場合には、水たまりや表面状態の変化が点群へ与える影響を考慮する必要があります。

つまり、命名ルールは正しいデータへたどり着くための仕組みであり、選択した点群が体積計算に適しているかどうかは、表示内容や計測条件を見て判断する必要があります。

複数時点を比較する現場ほど命名ルールの効果が高まる

施工前後の2時点だけを一度比較して終わる現場では、多少名称が曖昧でも担当者の記憶で対応できる場合があります。しかし、計測回数が増えるほど、その方法では管理が難しくなります。

たとえば毎週点群を取得して土量の推移を確認する現場では、1か月で複数時点の点群が蓄積します。施工前、施工中1回目、施工中2回目、施工中3回目、施工後という形でデータが並ぶと、正しい日付情報が不可欠になります。

さらに複数工区を同時進行で計測すれば、データ件数は急速に増えます。第1工区から第5工区まで毎週計測するだけでも、短期間で多数の点群を管理することになります。

このような運用では、命名ルールが単なる整理方法ではなく、時系列データベースの索引のような役割を果たします。名称を見れば、いつ、どこで、何を、どの施工段階で計測したのか判断できる状態が理想です。

定期的に体積計算を行う場合は、前週と今週を比較するのか、最初の施工前と最新時点を比較するのかによって意味が異なります。命名ルールが統一されていれば、目的に応じた比較対象を選びやすくなります。

土砂の搬入と搬出を繰り返すストックヤードでも同様です。同じ土山を繰り返し計測するのであれば、対象名と日付を統一して残すことで、在庫量の変化を追跡しやすくなります。

担当者交代にも強くなります。現場を長期間運用していると、途中で点群計測や体積計算の担当者が変わることがあります。前任者しか理解できない名称では引き継ぎに時間がかかりますが、命名ルールが文書化されていれば、新しい担当者もデータ構成を理解しやすくなります。

点群データは蓄積するほど価値が高まる一方、整理されていなければ利用しにくくなります。計測件数が少ない段階からルールを決めておくことで、将来的な管理負担を抑えられます。

点群データの整理を体積計算の再現性向上につなげる

体積計算で重要なのは、一度結果を出すことだけではありません。後から同じデータを使って確認したときに、どの条件で計算したのかを追跡できることも重要です。

工事の進行中には、計算結果について「この数字はどの計測日のデータを使ったのか」「施工後データは修正版なのか」「どの工区を対象にしたのか」と確認されることがあります。

このとき点群名称が「データ1」「最新」「修正版」のような状態では、過去の記録をたどるために多くの確認作業が必要になります。一方、「施工前_20260801_造成現場_第1工区_盛土_V01」のように意味が明確であれば、使用データを特定しやすくなります。

計算結果の保存名称も点群名称と対応させると、さらに追跡しやすくなります。点群そのものと体積計算結果が別々の規則で保存されていると、後から両者を結び付けるのに手間がかかります。

重要な体積計算については、使用した施工前点群と施工後点群を記録しておきます。計算対象範囲や基準面についても必要に応じて記録すれば、同じ条件を再確認しやすくなります。

このような管理は、体積計算の結果に疑問が生じたときにも役立ちます。数値だけを見て原因を考えるのではなく、使用した点群を再表示し、施工前後の状態や不要点、対象範囲などを確認できます。

名前付けを統一する目的は、単にデータを美しく整理することではありません。計測、データ処理、体積計算、確認、再計算という一連の工程を追跡可能にすることにあります。

点群ビューアを現場の確認ツールとして継続利用するのであれば、命名ルールも業務手順の一部として定着させることが重要です。

現場計測から点群管理まで一連の流れを整える

名前付けによるミス防止をさらに効果的にするには、現場での計測から点群ビューアへの登録、体積計算までを一つの流れとして考える必要があります。

現場で点群を取得した直後には、対象場所と施工段階を確認します。その段階で日付、工区、対象などを記録しておけば、事務所へ戻った後に記憶だけを頼りに名称を付ける必要がありません。

点群ビューアへ登録したら、名称だけではなく実際の点群表示を確認し、登録した現場名や工区と位置が一致しているかを見ます。その後、必要に応じて不要点や対象範囲を確認し、計算に使用する版を決めます。

施工後の計測でも同じルールを使います。施工前だけ詳細な名前を付け、施工後だけ簡略化すると比較しにくくなるため、前後で同じ項目構成を維持します。

体積計算を行う際には、施工前後の名称を比較し、日付、現場、工区、対象、版を確認してから点群を表示します。画面上で同じ範囲を捉えていることを確認したうえで、計算対象を設定します。

計算後は結果だけを保存するのではなく、どの施工前データと施工後データを使ったのか分かる状態にします。こうすることで、後日結果を見直した際に点群まで戻って検証できます。

この一連の流れを定型化すると、命名が単独のルールではなく、計測品質を守る確認工程になります。

名称の入力は数十秒程度の小さな作業に見えるかもしれません。しかし、間違った点群で体積計算を行い、後から再計算することになれば、データ確認、範囲設定、結果確認などをやり直す必要があります。初期段階で識別しやすい名称を付ける方が、結果的に作業負担を抑えやすくなります。

現場で点群を頻繁に取得する場合は、計測機器の操作性だけでなく、取得後のデータをどのように整理し、点群ビューアでどのように確認するかまで考えて運用を設計することが重要です。

まとめ

点群ビューアを使った施工前後の体積計算では、測定精度や計算機能だけでなく、比較するデータを正しく選べる状態を作ることが欠かせません。

施工前後の点群名が統一されていないと、別日、別工区、別対象、旧版などを誤って選択する可能性があります。計算操作そのものに問題がなくても、入力した点群の組み合わせが間違っていれば、本来確認したい施工前後の変化を正しく評価できません。

対策の第一は、施工前、施工中、施工後などの表記を固定し、名称だけで計測段階を判断できるようにすることです。第二は、計測日を一定の形式で記録し、どの時点の地形なのかを明確にすることです。第三は、現場名、工区、計測対象を同じ順序で記録し、複数現場や複数対象の取り違えを減らすことです。第四は、版番号や確定状態を統一して管理し、旧版や途中版を誤って計算に使用しないようにすることです。

さらに、命名ルールだけを過信せず、体積計算前には施工前後の位置、範囲、座標、高さ、不要点、計測条件などを確認する必要があります。名称は正しいデータを選ぶための入口であり、実際に比較できる状態かどうかは点群そのものを確認して判断します。

計測回数が増え、複数工区や複数担当者で点群を扱うようになるほど、統一された名前付けの価値は高まります。数件のデータであれば担当者の記憶で管理できても、数十件、数百件と蓄積すれば同じ方法は通用しません。早い段階から命名ルールを定めておけば、検索、比較、引き継ぎ、再計算まで一貫して進めやすくなります。

体積計算 点群ビューアの運用を改善する際は、高度な計算方法を検討する前に、どの点群を選んだのかを誰でも判断できるデータ管理から見直すことも有効です。施工前後の名称、計測日、工区、対象、版をそろえるだけでも、確認作業の抜けや取り違えを減らす仕組みを作れます。

そして、こうした管理を現場で定着させるには、計測してから後で整理するのではなく、計測、保存、点群確認、体積計算までを一つの運用としてつなげることが重要です。現場で取得したデータを速やかに識別し、その後の点群確認や体積計算へつなげたい場合は、LRTK Phoneを活用した現場計測と点群運用も選択肢の一つとして検討できます。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

LRTK Phoneの使い方・実例を見る
資料請求導入相談
現場をスマホで3DスキャンLRTK Phone実例を見る