盛土の数量は、幅、高さ、延長を掛けるだけでは確定できません。実際の土木工事では、現況地盤、計画面、横断勾配、法面、構造物、材料区分が区間ごとに変わります。管路交差部では、通常の盛土材とは異なる敷砂や保護砂を用いることがあり、数量を分けて管理する場面もあります。
ただし、完成断面を材料別に分けるための幾何学的な体積計算と、発注・契約に用いる数量計算は同じとは限りません。適用する数量算出要領には、小規模な構造物を盛土量から控除しない扱いが定められていることもあります。したがって、図面上の体積収支だけで契約数量を決めず、設計図書、特記仕様書、数量算出要領、積算基準の順に確認することが重要です。
本記事では、盛土の体積計算方法を整理し、管路交差部の保護砂量と分けて考えるための6項目を解説します。数値例は計算方法を示すための仮定であり、実際の材料範囲、控除条件、締固め条件は対象工事の設計図書を優先してください。
盛土の体積計算で最初に押さえる考え方
断面が一定の盛土体積は、断面積Aと延長Lを用いて、V=A×Lで求めます。たとえば、幅4.0メートル、高さ0.5メートルの長方形断面が20メートル続くと仮定すると、断面積は4.0×0.5=2.0平方メートル、体積は2.0×20=40立方メートルです。
断面が変化する区間では、隣り合う断面積の平均値に区間延長を掛ける平均断面法が用いられます。測点1の断面積をA1、測点2の断面積をA2、測点間距離をLとすると、区間体積はV=(A1+A2)÷2×Lです。国土交通省の数量算出要領でも、体積は数学公式または平均断面法で算出し、CADによる算出結果は適宜確認して適用する考え方が示されています。
平均断面法では、二つの断面間で形状が概ね連続的に変化することを前提にします。谷部、水路横断部、幅員変化点、法勾配の変化点、構造物の始終点、切土と盛土の境界など、断面が急変する位置では測点を追加します。長い区間を少ない断面で平均すると、計算式が正しくても実際の形状を十分に表せません。
また、すべての測点で盛土上面と下面の定義を統一します。ある測点では路床下面まで、別の測点では舗装下面までを盛土として扱うと、数量に一貫性がなくなります。現況地盤線、法尻、構造物境界、地盤改良層、舗装構成との境界を同じ基準で読み取ることが必要です。
土量には、地山の状態、掘削してほぐれた状態、締め固めた完成状態があります。どの状態を数量として扱うかは工種と適用基準によって確認します。国土交通省の光ケーブル配管工の施工パッケージでは、埋戻し・締固めの土量を締固め後の土量とし、敷砂・保護砂の購入材料費を別途計上する扱いが示されていますが、この扱いを別工種へ無条件に転用してはいけません。([国土交通省][1])
管路交差部の保護砂は、管底下、管側部、管頂上などの指定範囲を図面から確定し、その外形と管本体の占有部分を分けて計算します。ただし、その体積を通常盛土から控除するか、埋戻しとして別工種にするか、また小規模な管を控除対象外とするかは、数量算出要領と設計図書によって変わります。
計算項目その一 対象範囲と数量区分
最初に決めるのは、計算対象範囲と数量の目的です。少なくとも、完成断面の材料構成を確認するための体積、発注・契約数量、材料の手配数量、施工出来形の数量を区別します。同じ立方メートルでも、目的が異なれば控除や割増しの扱いが変わります。
道路工事では、路体盛土、路床盛土、路肩部、法面部、構造物背面の埋戻し、管路周辺の埋戻しなどが考えられます。造成工事では、造成盛土、擁壁背面、地盤改良部、排水施設周辺などを区分する場合があります。ただし、これらを必ず別工種にするという意味ではありません。名称と数量区分は、設計図書や数量総括表に従います。
材料や施工方法が異なる部分は、分けて確認すると整理しやすくなります。通常の盛土材と、粒度・品質・締固め方法が指定された保護砂では、材料管理や施工管理が異なることがあります。一方で、積算上は埋戻し締固めの施工に含み、購入材料だけを別計上する基準もあります。材料数量と施工数量を混同しないことが大切です。
対象範囲は、平面上の始点と終点だけでなく、高さ方向にも定義します。たとえば、「現況地盤から路床下面までを盛土外形とし、舗装構成と地盤改良層は含めない」「管路保護砂は管底下の指定厚から管頂上の指定高さまでとする」といった形です。基礎砕石や均し材が別材料なら、その境界も明示します。
管路が現況地盤下に設置され、その上に新たな盛土を施工する場合、現況地盤下の保護砂は新設盛土量に含まれず、管路埋戻しの区分になることがあります。反対に、管路が盛土施工範囲内に位置する場合は、完成断面の中で通常盛土、保護砂、管本体を区分して確認できます。まず「盛土量の下面がどこか」を決めなければ、控除の要否は判断できません。
斜め交差では、保護対象となる管路の長さが道路幅と一致しません。平面図上で保護範囲の始点と終点を確認し、管軸に沿った対象延長を求めます。法面部や施工余幅を含めるかは、標準断面だけでなく平面図、縦断図、横断図、構造図を照合して決めます。
「埋戻し」「盛土」「埋戻し砂」「保護砂」「管周り材」といった名称は、発注者や工種によって指す範囲が異なります。名称だけで材料や数量区分を推定せず、施工位置、材料規格、断面範囲、積算条件を確認します。
計算書の冒頭には、数量の目的、対象範囲、含めるもの、除くもの、適用基準を文章で残します。第三者が図面を見て同じ範囲を再現できる状態にすることが、重複や抜けを防ぐ第一歩です。
計算項目その二 現況地盤と計画高
二つ目は、現況地盤と計画高の設定です。盛土断面は、原則として計画面が対象となる基準面より高い領域から求めます。ただし、中心点の高低差だけでは横断面積を算出できないことがあります。道路横断勾配、片勾配、路肩、側溝、法面、現況地盤の傾斜を考慮する必要があるためです。
現況地盤線は、測量成果や横断図から読み取ります。測点間隔が広く、途中に谷、段差、水路、既設道路、構造物がある場合は、中間断面を追加します。二つの断面の間で形状が直線的に変化しない箇所を一つの区間で平均すると、数量誤差が大きくなる可能性があります。
計画高は、どの計画面を採用するかを確認します。完成舗装面しか示されていない場合は、舗装厚や路盤厚を差し引いて盛土上面を設定します。路床と路体を分ける場合は、それぞれの境界高を設定します。道路中心、左右路肩、歩道、側道など、複数の縦断線を取り違えないようにします。
左右非対称の横断では、中心高だけから盛土高さを決めません。計画線と現況地盤線に囲まれた領域を多角形として求めるか、長方形、台形、三角形に分割します。たとえば、幅6.0メートルの範囲で盛土高さが左端0.4メートル、右端0.8メートルへ直線的に変化すると仮定すれば、その範囲の断面積は(0.4+0.8)÷2×6.0=3.6平方メートルです。
法面部を三角形として加算できるのは、法面と現況地盤の交点がその仮定に適合する場合です。法勾配が水平1.5、鉛直1.0で、法肩位置の高さが0.4メートル、法尻側の地盤が水平と仮定すれば、水平幅は0.4×1.5=0.6メートル、三角形面積は0.6×0.4÷2=0.12平方メートルです。現況地盤が傾斜している場合は、単純な三角形ではなく実際の交点から面積を求めます。
管路交差部では、現況地盤高と盛土計画高に加え、管底高、管中心高、管頂高、掘削底高、基礎材上面、保護砂上面を確認します。保護砂上面より上が通常盛土なら、その上部体積を残します。保護砂外形が盛土外形の外へ出る場合は、両者が重なる範囲だけが盛土との調整対象です。
施工順序と完成断面の数量区分も分けて考えます。施工時に掘削、管布設、保護砂、通常土埋戻し、盛土の順で進んでも、数量は設計図書の工種区分に従います。先に掘削した空間へ戻す土が、契約上は盛土ではなく埋戻しに分類されることもあります。
高さの基準面は統一します。測量成果の標高基準、図面の基準高、仮ベンチマークが混在すると、数センチメートルの読み違いでも長い延長では大きな体積差になります。図面の改訂番号と標高基準を確認し、異なる資料を組み合わせる場合は整合を取ります。
計算項目その三 断面積と延長
三つ目は、断面積を求める位置と、掛け合わせる延長です。一定断面なら柱体としてV=A×Lで計算できます。断面が変化する場合は、測点ごとの断面積を求め、平均断面法で区間体積を積み上げます。
測点0の断面積が2.0平方メートル、測点1が3.0平方メートル、測点間距離が10メートルなら、区間体積は(2.0+3.0)÷2×10=25立方メートルです。次の測点2が4.5平方メートルで、測点1から測点2までが10メートルなら、区間体積は(3.0+4.5)÷2×10=37.5立方メートルです。合計は62.5立方メートルになります。
管路交差部の始点と終点、構造物の前後、法勾配や幅員の変化点、盛土と切土の境界では断面を追加します。保護砂の範囲をまたいで一つの長い区間にすると、通常区間と交差区間が平均化され、控除範囲や材料区分を追いにくくなります。
道路方向の延長と管軸方向の延長は区別します。保護砂断面を管軸に直角な面で求める場合は、原則として保護対象区間の管軸長を掛けます。道路盛土の平均断面法に用いる区間長は、道路中心線など設計で定めた基準線上の距離です。
管軸と道路中心線がなす角をθ、道路範囲の直角方向幅をWとし、両境界が平行な単純モデルなら、道路範囲内の管軸長はW÷sinθで表せます。θが90度ならWと一致し、角度が小さくなるほど長くなります。ただし、角度の定義を誤ると式が変わるため、可能であれば平面図の座標や管路中心線から実長を直接求めます。
管路に縦断勾配がある場合は、数量の定義を確認したうえで管軸実長を使用します。水平投影長しか分からないときは、高低差から実長を求めます。折れ点や曲線がある場合は、設計上の中心線長を区間ごとに合計します。
保護砂断面は、外形断面積から管本体が占める外径断面積を差し引いて求めるのが幾何学的な基本です。円形管の外径をDとすると、管外形の断面積はπD²÷4です。呼び径と外径が一致しない管もあるため、構造図や承認図書で外径を確認します。
複数管を一体の保護砂範囲で施工する場合は、全体外形から各管の外径断面積を差し引きます。個別の外形が重なる場合にそれぞれを足すと、重複部分を二重計上するため、一体の複合断面として求めます。継手、曲管、弁室、人孔などで外形が変わる区間は分けて計算します。
計算項目その四 控除対象と重複防止
四つ目は、控除対象と重複防止です。ここでは、完成断面の材料構成を確認する計算と、契約数量を算出する計算を分けて考える必要があります。
完成断面の幾何学的な体積収支を確認する場合、全体外形の中で通常盛土、保護砂、管本体、基礎材、構造物が占める空間を一度ずつ割り当てます。全体外形に管路保護砂の外形が含まれているなら、通常盛土の物理的な占有体積は、全体外形から保護砂外形を差し引いて求めます。保護砂の正味体積は、保護砂外形から管本体や別材料の占有体積を差し引きます。
一方、発注・契約数量では、適用する数量算出要領の控除規定に従います。国土交通省の数量算出要領には、盛土中で現地盤線以上の断面積が1.0平方メートル未満の建造物などを、原則として控除しなくてよいとする例があります。したがって、物理的な体積収支では差し引く管本体でも、契約数量では控除しない場合があります。保護砂外形や埋戻し材の扱いまで同じ規定が適用されるとは限らないため、工種ごとの基準を確認してください。
たとえば、保護砂外形が幅1.2メートル、高さ1.0メートル、管軸方向延長10メートルの直方体と仮定すると、外形体積は1.2×1.0×10=12立方メートルです。管外径が0.4メートルなら、管本体が占める外形体積はπ×0.4²÷4×10=約1.257立方メートル、保護砂の正味体積は12-1.257=約10.743立方メートルです。
全体外形が100立方メートルで、その中に上記の保護砂外形が完全に含まれると仮定した物理的な体積収支では、通常盛土88立方メートル、保護砂約10.743立方メートル、管本体約1.257立方メートルとなり、合計は100立方メートルです。ただし、この収支をそのまま契約数量へ転記できるとは限りません。控除不要規定が適用されれば、契約上の盛土量と材料別の物理体積の合計は一致しないことがあります。
元の盛土計算が、すでに管路掘削部や構造物を除外した断面で作成されている場合は、再度控除すると二重控除になります。計算を始める前に、基準となる盛土数量が何を含むかを確認します。
掘削体積と保護砂体積も同じではありません。掘削範囲には作業幅、土留め、掘削法面が含まれることがあり、掘削底から上までの全量が保護砂で埋まるとは限りません。基礎材、保護砂、通常土埋戻しの境界を断面図から分けます。
複数の保護砂範囲や構造物が近接するときは、外形同士の重なりを確認します。一体施工なら複合断面として計算し、別工種で計上する場合も同じ空間を二度数えないようにします。
計算書には、「物理体積として控除」「契約数量では控除対象外」「別工種に計上」「基準数量にすでに反映済み」など、扱いと根拠を記載します。控除の有無だけでなく、その判断がどの数量目的に対するものかを残すことが重要です。
計算項目その五 管路交差部の保護砂量
五つ目は、管路交差部の保護砂量です。幾何学的な正味体積は、保護砂の施工外形から、管本体と別材料が占める体積を差し引いて求めます。
左右の保護幅が同じで、管外径をD、左右それぞれの保護幅をb、管底下厚をt1、管頂上厚をt2とすると、長方形の外形幅Bと高さHは次のように表せます。
B=D+2b
H=t1+D+t2
管軸方向の対象延長をLとすると、外形体積はB×H×Lです。円形管の外形体積はπD²÷4×Lなので、他の控除物がなければ、保護砂の正味体積は次式になります。
保護砂量=B×H×L-πD²÷4×L
左右の余幅が異なる場合は、B=D+b1+b2として計算します。外形が台形や不規則形状なら、断面を長方形、台形、三角形へ分割して面積を求めます。
例として、管外径0.5メートル、左右の保護幅が各0.3メートル、管底下厚0.15メートル、管頂上厚0.3メートル、対象延長8メートルと仮定します。外形幅は0.5+0.3×2=1.1メートル、外形高さは0.15+0.5+0.3=0.95メートルです。外形体積は1.1×0.95×8=8.36立方メートルです。
管本体が占める外形体積はπ×0.5²÷4×8=約1.571立方メートルです。したがって、保護砂の正味体積は8.36-1.571=約6.789立方メートルです。実際の計算では、適用基準に定められた円周率、数位、丸め方法を使用します。
この数値が設計数量、契約数量、材料手配数量のどれかを明確にします。材料手配では締固め、含水状態、施工面の凹凸、施工ロスを考慮する場合がありますが、割増しを契約数量へ無条件に加えてはいけません。設計図書または施工計画で認められた考え方に分けて管理します。
管底下の材料が基礎砕石、コンクリート、別規格の砂などであれば、その部分を保護砂に含めません。管頂上から一定高さまでの材料が保護砂、その上が通常埋戻しであれば、材料区分線ごとに断面を分けます。
複数管を個別に囲う設計なら各外形から各管を控除し、一体の砂基礎や砂巻きなら全体外形からすべての管を控除します。個別外形が重なる場合は、一体断面として求める方が重複を避けやすくなります。
管路に勾配がある場合は、断面が一定なら管軸実長に断面積を掛けます。継手部で外径が大きくなる場合、弁室や人孔がある場合、曲線部で外形が変わる場合は、標準断面を全延長に適用せず、区間を分けます。
道路盛土との調整では、交差部手前、交差部、交差部以後を分けて計算すると確認しやすくなります。ただし、交差部全体を盛土から除外するのではなく、盛土外形と別材料・構造物が実際に重なる範囲を確認します。保護砂上面より上の通常盛土や、保護砂外形の外側にある通常盛土を落とさないようにします。
保護砂外形の一部が現況地盤下にあり、新設盛土の対象が現況地盤より上だけなら、盛土量との調整対象は両者が重なる部分に限られます。保護砂の全量は管路埋戻し数量として別に算出しても、盛土から同じ全量を控除するとは限りません。
計算項目その六 締固めと土量変化
六つ目は、締固めと土量変化です。土は、地山、ほぐし、締固め後で体積と密度が変わります。盛土完成形の幾何学的体積と、運搬車両に積むほぐし土量、土取場の地山土量を同じ数値として扱うと、搬入計画や残土計画にずれが生じます。
設計・契約数量がどの状態を示すかは、工種別の積算基準と設計図書で確認します。埋戻し・締固めの土量を締固め後とする基準がある一方、材料費や運搬量の算定では換算が必要な場合があります。工種名が似ていても、別の積算基準へ係数をそのまま流用しないことが重要です。
土量換算には、適用基準の土量変化率、材料試験、試験施工、現場実績などを使用します。土質、含水比、締固め度、粒度、運搬時の状態によって変化するため、一律の係数を根拠なく設定しません。
保護砂も、完成断面の正味体積と購入・搬入数量を分けます。購入数量では施工ロスや含水状態を見込む場合がありますが、見込み方は工事条件と発注条件に従います。「設計数量」「購入数量」「実績搬入量」を別欄で管理すると、差の理由を説明しやすくなります。
締固めの一層仕上がり厚や使用機械は、施工仕様、管の種類、埋設深さ、作業空間に応じて決めます。管側部や管頂付近では使用できる締固め機械が制限されることがありますが、具体的な層厚や機械を一般論だけで決めず、設計図書と施工要領に従います。
掘削発生土を盛土へ流用する場合も、掘削地山量と盛土完成量を直接比較しません。土量変化、不適土の除外、含水調整、選別、仮置き条件を考慮します。保護砂に品質指定がある場合は、発生土をそのまま使用できるとは限りません。
単位は、長さをメートル、断面積を平方メートル、体積を立方メートルにそろえます。ミリメートル表示の管径はメートルへ換算してから式に入れます。丸め方法は適用基準に従い、途中計算で必要以上に丸めて誤差を累積させないようにします。
設計数量、契約数量、搬入数量、出来形数量を分けて管理することで、同じ工事に複数の土量が存在する理由を説明できます。盛土の体積計算では、数値だけでなく、その数値がどの状態と目的を示すかを必ず併記します。
実務で使える盛土体積の計算手順
実務では、次の順序で整理すると照査しやすくなります。
最初に、平面図、縦断図、横断図、標準断面図、管路構造図、数量総括表、特記仕様書、適用する数量算出要領と積算基準をそろえます。改訂番号、標高基準、縮尺、単位が一致しているか確認します。
次に、数量の目的を決めます。完成断面の材料構成、発注・契約数量、材料手配数量、施工出来形のどれを求めるのかを明記します。目的が違う数量を一つの表に混在させないようにします。
盛土上面と下面を確定し、現況地盤線、路床下面、舗装下面、法尻、地盤改良層などの境界を定義します。管路が現況地盤下にある場合は、盛土と埋戻しの境界を明確にします。
通常測点に加え、管路保護砂の始点と終点、構造物の前後、幅員変化点、法勾配の変化点、切盛境などに断面を追加します。二つの断面間で形状が急変しない区間に分けます。
各測点で盛土断面積を求めます。中央部、左右端部、法面部などへ分割し、長方形、台形、三角形、多角形として計算します。現況地盤が計画面より高い部分は、盛土断面へ含めません。
平均断面法で区間体積を算出し、基準となる盛土外形の体積を求めます。ここで、基準体積が構造物や管路を含む外形なのか、すでに除外済みなのかを記録します。
管路交差部では、保護砂の外形断面、管外径、基礎材、管頂上厚、対象延長を確認します。保護砂の正味体積は、外形体積から管本体と別材料の体積を差し引いて求めます。
その後、数量の目的に応じて控除ルールを適用します。物理的な材料収支では重複のない体積配分を行います。契約数量では、適用基準の控除不要規定や工種別の計上方法に従います。両者の数値が一致しない場合は、無理に一致させず理由を注記します。
区間、断面積、延長、区間体積、控除または別計上の対象、正味数量が追える表を作ります。計算式だけでなく、適用図面、図面番号、改訂番号、判断根拠を残します。
最後に、単位、数位、円周率、丸め方法、土量状態を確認します。設計変更では、管径、管底高、保護厚、交差角、道路幅員、計画高の変更が関連数量へ反映されているかを一括で照査します。
盛土量と保護砂量で起こりやすい計算ミス
最も注意したいのは、物理的な体積収支と契約数量を同一視することです。完成断面では管本体を土量から除くのが自然でも、数量算出要領の控除不要規定により、契約上は盛土量から控除しない場合があります。計算目的を明記せずに数量だけ比較すると、正しい差を誤差と判断してしまいます。
物理的な材料配分を行う場面で、保護砂の正味体積だけを通常盛土から差し引くのも誤りです。全体外形に管本体まで含まれているなら、通常盛土の占有体積から除くのは保護砂外形であり、保護砂の正味体積は外形から管本体を除いて求めます。ただし、この考え方を契約数量の控除ルールとして一律に適用してはいけません。
反対に、控除不要規定が適用されない大きな構造物や、別工種として明確に除外すべき範囲を盛土へ残すと、二重計上になります。対象工事の基準に照らして、控除するもの、しないもの、別計上するものを整理します。
管本体の控除に内径を使うと、管肉厚部分を保護砂として数えることになります。保護砂が入らない管外形を求めるため、外径を使います。呼び径だけでは外径が確定しない場合があるため、構造図や仕様を確認します。
斜め交差で、道路幅をそのまま管路延長に使うと不足する場合があります。交差角の定義を確認し、管軸上の保護対象実長を平面図や座標から求めます。縦断勾配がある場合は、水平投影長と実長を混同しないようにします。
交差区間全体を盛土から除外すると、保護砂上面から盛土上面までの通常盛土や、保護砂外形の左右にある通常盛土が抜けます。調整するのは、盛土外形と別材料・構造物が重なる範囲です。
管路が現況地盤下にあるのに、保護砂全量を新設盛土から控除するのも誤りです。盛土量の対象が現況地盤より上なら、現況地盤下の保護砂はもともと盛土外形に含まれていません。
管路掘削量から管体積を差し引いた値を、そのまま保護砂量にすることも避けます。掘削範囲には作業幅や掘削法面が含まれ、基礎材、保護砂、通常土埋戻しが別れることがあります。
平均断面法で交差部をまたぐ長い区間を設定すると、材料区分の変化が平均化されます。保護砂の始点と終点、構造物の前後、断面急変点で区間を分けます。
図面の画像や印刷物を定規で測り、記載寸法や座標を確認しない方法も危険です。印刷倍率や画像変換で縮尺が変わることがあります。寸法値と座標を優先し、やむを得ず測る場合は既知寸法で縮尺を検証します。
ミリメートルとメートルの取り違えは重大な誤差になります。円形管の断面積では径の二乗が効くため、単位を統一してから計算します。
途中値を早い段階で丸めると、区間数が多いほど差が累積します。一方で、発注者の数量算出要領に所定の数位がある場合は、そのルールを優先します。計算ソフトの表示桁と正式な数量の丸め桁を区別します。
設計変更で盛土量だけを更新し、保護砂量、管体積、基礎材、交差延長を更新しないケースもあります。管径、管底高、保護厚、交差角、計画高の変更は関連項目へ連動させます。
標準断面の保護砂上面が実際の盛土上面を超える、または法面外へ出る場合は、標準断面を機械的に当てはめません。実際の重複形状と設計上の処理を確認し、必要なら設計者または発注者へ照会します。
最終照査では、平面範囲、断面範囲、材料区分、数量目的、土量状態、控除基準の六つを確認します。図面上の空間が物理計算で一度だけ割り当てられているか、契約数量が適用基準に従っているかを別々に照査することが重要です。
盛土の体積計算方法を確実にするまとめ
盛土の体積は、一定断面ならV=A×L、断面が変化する場合は平均断面法で求めます。ただし、実務で安全な数量を作るには、対象範囲、現況地盤と計画高、断面積と延長、控除対象、管路交差部の保護砂、締固めと土量変化という6項目を分けて整理する必要があります。
管路交差部では、保護砂の施工外形から管本体と別材料の体積を差し引けば、保護砂の幾何学的な正味体積を求められます。完成断面の材料配分を確認する場合は、通常盛土、保護砂、管本体、基礎材、構造物が同じ空間へ重複していないかを確認します。
一方、発注・契約数量は物理体積の収支だけでは決められません。小規模構造物を控除しない規定、工種別の積算条件、埋戻しと盛土の区分があるため、適用する数量算出要領と設計図書を優先します。物理体積と契約数量が一致しない場合は、その理由を計算書へ明記します。
計算精度を高めるには、断面変化点で区間を分け、図面の基準高と改訂番号をそろえ、管の外径、保護砂範囲、対象実長を確認することが有効です。設計数量、材料手配数量、搬入実績、出来形数量も別管理します。
図面条件や控除基準に判断の余地がある場合は、推測で確定せず、設計者、発注者、工事監督担当者などへ確認し、その回答と適用根拠を記録してください。